JPH06222336A - 新規な光学素子 - Google Patents

新規な光学素子

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JPH06222336A
JPH06222336A JP4202029A JP20202992A JPH06222336A JP H06222336 A JPH06222336 A JP H06222336A JP 4202029 A JP4202029 A JP 4202029A JP 20202992 A JP20202992 A JP 20202992A JP H06222336 A JPH06222336 A JP H06222336A
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JP
Japan
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liquid crystal
optical element
dispersion film
film layer
crystal dispersion
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JP4202029A
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English (en)
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Chisato Kajiyama
千里 梶山
Hirotsugu Kikuchi
裕嗣 菊池
Satoshi Tanioka
聡 谷岡
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気光学素子及びヒートモードの記録素子と
しての特徴を併有する光学素子の提供。 【構成】 スポンジ状マトリックス高分子と液晶からな
る液晶分散フィルム層を有する光学素子。 【効果】 本発明品は電場または熱の印加により、光散
乱特性が変化する新しいタイプの光学素子であり、軽量
で大面積化可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気光学効果を示し、
ヒートモードの記録能を有する光学素子の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から電場の印加に伴い散乱、吸収、
反射などの光学特性が変化する現象を利用した電気光学
素子が知られており、産業上の利用価値も高くディスプ
レイ、光シャッターなどに幅広く使用されている。これ
らの電気光学素子としては、電気的に光学特性を変化さ
せ得る液晶を、2枚の基板の間の狭く均一な厚さのギャ
ップ内に保持して用いる方法が実用化されている。しか
しながら、この方法では該素子の大面積化が困難であ
り、強度、重量の点でも問題があった。これらの問題点
を解決するため、液晶をカプセル内に封じ込めたものを
カプセル媒体中に存在させて用いる方法(特開昭62−
48789号公報)、あるいはスポンジ状の高分子マト
リックスと液晶からなる液晶分散フィルムを用いる方法
(特開平1−309025号公報)が提案されている。
しかしながら、上記電気光学素子は、その記録素子とし
ての可能性について教えていないし示唆してもいない。
一方、熱の印加に伴い散乱、吸収、反射などの光学特性
が変化する現象を利用したヒートモードの記録素子も知
られており、OHP用投射型ディスプレイ、光記憶ディ
スクなどに幅広く使用されている。一般的にこのような
記録素子では、熱を印加して、融解・蒸発などによる形
状の変化、あるいは相・凝集状態などの構造の変化とし
て記録をおこない、これを光学特性の変化として検知す
る形式が用いられている。そして、薬品処理が不要なド
ライプロセスであり、リアルタイム記録ができ、集光さ
れたレーザー光を熱源として用いる場合には、高密度、
大容量記録ができるという実用上の大きなメリットを有
している。また、最近では、書き込み、消去の繰り返し
記録ができる素子が提案されている。従来、これらのヒ
ートモードの記録素子としては、ビスマス、テルルなど
の低融点金属の薄膜、色素などの有機化合物の薄膜、あ
るいは2種類以上の有機化合物の複合薄膜が用いられて
いる。しかしながら、上記記録素子は、その電気光学素
子としての可能性について教えていないし示唆してもい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電気光学素子
及びヒートモードの記録素子としての特徴を合わせ持っ
た光学素子を提供するものであり、材料に対する多種多
様な要求に応えるものである。本発明者等は、上記光学
素子を見出すべく研究を行った。その結果、特定の液晶
分散フィルム層であって、該層はスポンジ状のマトリッ
クス高分子と液晶からなり使用温度で相分離状態を示し
高温で混和状態を示すものと導電層ならびに保護基板か
らなるものが、上記要求を満足し得ることを見出して本
発明を完成した。以上の記述から明らかなように、本発
明の目的は、上記諸要求を満足し得る光学素子を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)な
いし(4)の構成を有する。 (1)スポンジ状のマトリックス高分子と液晶からな
り、使用温度で相分離状態を示しかつ高温で混和状態に
変化する液晶分散フィルム層を有することを特徴とする
光学素子。 (2)導電層を液晶分散フィルム層の表裏の両側に設け
た前記第1項記載の光学素子。 (3)光吸収性の金属層を液晶分散フィルム層の表裏の
いずれか片側あるいは両側に設けた前記第1項記載の光
学素子。 (4)光吸収性の分子又は粒子を液晶分散フィルム層内
部に含有せしめた前記第1項記載の光学素子。
【0005】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明は、スポンジ状のマトリックス高分子と液晶
からなる液晶分散フィルム層を有する光学素子に関する
ものである。前記液晶分散フィルムを構成するマトリッ
クス高分子の具体例としては、たとえば塩化ビニル系樹
脂、カーボネート系樹脂、メタクリレート系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、その加水分解物、セルロース系樹脂、線
状ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹
脂、ニトリル系樹脂、アセタール系樹脂などの熱可塑性
樹脂、SBR系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチレン系ゴ
ム、イソプレン系ゴム、アクリル系ゴム、ニトリル系ゴ
ム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴム、クロロプレン系ゴ
ム、シリコーン系ゴムなどの合成ゴムや天然ゴム、不飽
和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド
樹脂、架橋された熱可塑性樹脂などがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらのマトリックス
高分子は光学的フィルムのマトリックスとして用いられ
るため、50%以上、さらには80%以上の光線透過率
を有するのが好ましい。また、液晶とマトリックス高分
子との屈折率は近い方が好ましく、その差は0.5以
下、好ましくは0.3以下が推奨される。これらのマト
リックス高分子は単独で用いてもよく、2種類以上併用
してもよい。前記液晶分散フィルムを構成する液晶には
特に限定はなく、マトリックス高分子と液晶が、使用温
度で相分離状態を示しかつ高温で混和状態に変化するも
のであり、液晶が使用温度でネマチック配列、コレステ
リック配列、スメクチック配列の液晶状態を取り得るも
のであるかぎり使用し得る。
【0006】前記液晶の具体例としては、たとえば4−
メトキシベンジリデン−4’−ブチルアニリン(MBB
A)、4−エトキシベンジリデン−4’−ブチルアニリ
ン(EBBA)などに代表される化学式:
【0007】
【化1】
【0008】(式中、n、mは正の整数、以下同様)で
表わされるアルコキシベンジリデンアルキルアニリン系
化合物、
【0009】4−ブチルベンジリデン−4’−シアノア
ニリンなどに代表される化学式:
【0010】
【化2】
【0011】で表わされるアルキルベンジリデンシアノ
アニリン系化合物、
【0012】4−ペンチルオキシベンジリデン−4’−
シアノアニリンなどに代表される化学式:
【0013】
【化3】
【0014】で表わされるアルコキシベンジリデンシア
ノアニリン系化合物などのシッフ塩基系液晶、
【0015】4−ブチル−4’−メトキシアゾキシベン
ゼン、4−ヘキシル−4’−ブトキシアゾキシベンゼン
などに代表される化学式:
【0016】
【化4】
【0017】で表わされるアゾキシ系液晶化合物、
【0018】4−ペンチル−4’−メトキシアゾベンゼ
ンなどに代表される化学式:
【0019】
【化5】 で表わされるアゾ系液晶化合物の他、
【0020】フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフ
ェニル系液晶化合物、シクロヘキシルカルボン酸エステ
ル系液晶化合物、フェニルシクロヘキサン系液晶化合
物、ビフェニルシクロヘキサン系液晶化合物、フェニル
ピリジン系液晶化合物、フェニルジオキサン系液晶化合
物、シクロヘキシルシクロヘキサン系液晶化合物、シク
ロヘキシルシクロヘキサンエステル系液晶化合物、シク
ロヘキシルエタン系液晶化合物などがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよ
い。
【0021】また、前記液晶分散フィルムは必要に応じ
て光吸収性分子又は粒子、光安定剤、酸化防止剤、滑
剤、界面活性剤、微量の無機充填剤、などの各種添加剤
を含んでいてもよい。前記液晶分散フィルムは、使用温
度で液晶の容積の好ましくは60%以上、さらに好まし
くは70%以上が液晶分散フィルムの表および裏の少な
くともいずれか一方まで連通し、マトリックス高分子が
スポンジ状構造をなすように、マトリックス高分子と液
晶が相分離状態で存在している。
【0022】前記スポンジ状構造とは、マトリックス高
分子が網目状をなして連続相を形成する一方、その空隙
(孔や独立空隙)に液晶が取りかこまれた状態で存在し
ている構造をいう。空隙はすべて液晶分散フィルムの表
から裏まで連通しているか、表裏のいずれか片面に連通
しているものが好ましいが、一部独立した島状になって
いるもの(カプセル状のもの)が含まれていてもさしつ
かえない。
【0023】通常、これらの液晶分散フィルム中の液晶
が占める割合は10〜95%(重量%、以下同様)であ
り、好ましくは20〜80%である。液晶の占める割合
が10%未満になると液晶の多くがマトリックス高分子
中に溶解して混和状態となったり、たとえば液晶相とし
て存在していても独立粒子として存在することが多くな
り、本発明に用いる液晶分散フィルムのごときマトリッ
クス高分子がスポンジ状構造をなすフィルムを得ること
が困難になる。一方、95%より多くなると液晶分散フ
ィルムを形成させることが困難になる。前記液晶分散フ
ィルムの厚さは通常2〜1000μmであり、好ましく
は5〜100μmである。厚さが2μm未満では厚さの
ばらつきの影響が大きくなり、また1000μmをこえ
ると電気光学効果の駆動電圧が高くなって、熱記録にお
ける伝熱が悪化する。前記液晶分散フィルムのマトリッ
クス高分子中にできた空隙の部分(すなわち液晶の部
分)は一部カプセル化された部分も含んではいるが、大
部分は内部で連通しているため、その大きさを規定する
のは難しいが、便宜的に、フィルムの切断面でみる短軸
の長さを粒径と定義した場合、その平均粒径が1000
μm以下であるのが好ましく、0.5〜100μmであ
るのがさらに好ましい。粒径は、幅広い分布があっても
よく、複数個の分布を持っていてもよい。
【0024】前記液晶分散フィルムは、マトリックス高
分子および液晶に、要すれば組成物の粘度や取り扱い性
を調整するための溶剤や各種添加剤を加えて調整した組
成物を用いてキャスティング法、水面展開法、ドクター
ブレード法、ロールコーティング法、ディピング法、ス
プレー法、静電塗布法などの公知の方法によって形成す
ることができる。前記溶剤としては、マトリックス高分
子および液晶を溶解または分散させ得るものであれば適
宜選択することができる。前記液晶分散フィルムは、単
独フィルムとして作製してもよいが、必要とされる膜厚
が、好ましくは5〜100μmであるため、取り扱いに
支障をきたす場合がある。このような場合には、光学素
子を製造する際に保護基板上に液晶分散フィルムを直接
形成させてもよい。保護基板としては、ガラス、ネサガ
ラスのような剛性の基板、又はPET、ポリエーテルサ
ルホンのような可撓性の基板が用いられる。特に記録素
子として用いる場合は、熱的に安定で熱伝導率の低い材
料が好ましい。
【0025】つぎに前記液晶分散フィルムを用いた電気
光学素子について説明する。電気光学素子として用いる
ためには、前記液晶分散フィルムの両側に導電層を設け
ていて、該導電層の少なくとも一方が透明であることが
必要である。また、双方に透明導電層を設けると、作成
された電気光学素子は透過型となり、光シャッター、投
射型ディスプレイ等に使用することができる。本発明に
おける液晶分散フィルムは、電圧無印加時に強い光散乱
を示し、電圧を印加すると透明になることから光散乱ー
光透過の電気光学素子として使用することができる。前
記導電層の具体例としては、ITO、酸化錫(SnO
2 )のような透明な金属酸化物の他に、銅、アルミニウ
ムのような導電性金属を用いることができる。また、導
電層と液晶分散フィルム層との間には配向層、絶縁層、
記録素子として使用する場合の光吸収性金属層等が形成
されていてもよい。前記配向層はポリエステル系樹脂、
アミド系樹脂、ポリビニルアルコールなど通常用いられ
ているプラスチックフィルムを常法でラビングしたもの
の他に、各種酸化物、フッ化物、金属を斜方蒸着させた
ものが使用し得る。この配向層は、液晶使用電気光学素
子の性能に大きな影響を及ぼし、液晶分散フィルムの両
側に設けるか片側に設けるか、両側の配向層の材質を同
じにするか別のものにするか、ラビングの方向をどのよ
うにするかなどは、配向層の材質と液晶、マトリックス
高分子などに応じて適宜選択するのが好ましい。本発明
の電気光学素子と駆動電子回路との接続方法には特に制
限はなく、ピンコネクタ、エラスティクコネクタ、フレ
キシブルコネクタなど通常のいずれの方式のものでもよ
い。また、必要に応じて、従来の液晶を用いた電気光学
素子と同様に、偏向板や光反射・拡散板などと組み合わ
せて使用してもよいし、紫外線カットフィルター、カラ
ー表示用の色フィルター、表面反射防止用フィルターな
どの各種フィルターを目的に応じて併用することができ
る。従来からの液晶使用電気光学素子は、液晶を保持す
るために2枚の剛性の基板が必要であり、さらに2枚の
基板を一定の間隔をもって保持するためのスペーサーも
必要であることから、強度、重量の点で問題があった。
しかも厚さにくるいが生じやすいことから、大面積化が
困難であった。一方、本発明の電気光学素子は、この液
晶層のかわりに、液晶とマトリックス高分子が特定の状
態を有する構造を持つ液晶分散フィルムを使用するため
に、大面積化が可能であり、強度、重量の点でも有利な
特徴を有している。
【0026】つぎに前記液晶分散フィルムを用いたヒー
トモードの記録素子について説明する。ヒートモードの
記録素子として用いるためには、前記液晶分散フィルム
の光学特性が、熱の印加に伴って変化することが必要で
ある。本発明における液晶分散フィルムは、使用温度で
相分離状態であり高温で混和状態に変化する特徴を持つ
ことから、熱を印加して凝集状態の変化として記録をお
こない、これに伴う光散乱特性の変化を光学的に検知す
る記録素子として使用することができる。また、光散乱
特性が可逆的に変化するような条件で熱を印加すること
により、書き込み、消去の繰り返し記録も可能となって
いる。熱を印加する方法としては、サーマルヘッド、電
子ビーム等で直接加熱する場合の他、レーザー光やキセ
ノンフラッシュ光などの照射エネルギーを利用して加熱
する場合があげられる。印加するエネルギーの大きさ
は、前記液晶分散フィルムが混和状態になる温度以上に
加熱されるが、記録素子の構成物質の熱変形、熱分解、
蒸発が起こらない程度のものが好ましい。光の照射エネ
ルギーを熱源として用いる場合、光を吸収して熱エネル
ギーに変換する媒体が必要である。前記液晶分散フィル
ムが光吸収性の媒体でない場合は、光吸収性の金属層を
液晶分散フィルム層の片側あるいは両側に設けてもよい
し、液晶分散フィルムの作成時に光吸収性の分子又は粒
子を添加して使用してもよい。これらの光を吸収する媒
体は、単独で用いてもよく、2種類以上の方法を併用し
てもよい。また、光の吸収率が高くて熱伝導率が比較的
低いことが望ましいが、記録情報の分解能の点では色素
等の光吸収性分子を溶解する方法が好ましい。前記光吸
収性の金属層の具体例としては、テルル、ビスマス、セ
レン、アンチモン、ヒ素、錫などの純金属あるいはこれ
らの合金の他、硫化アンチモン(Sb23 )、硫化ヒ
素(As23 )、硫化錫(SnS)などの硫化物の薄
膜があげられるが、これらに限定されるものではない。
光吸収性の金属層は、真空蒸着法、プラズマ蒸着法ある
いはスパッタリング法などの公知の薄膜形成技術で形成
され、その厚さは5〜500nmであり、好ましくは5
〜150nmである。厚さが5nm未満では、一般の材
料の場合単分子層となって光吸収量が低下して効果的な
加熱が困難になり、また150nmより厚くなると、液
晶分散フィルムに発熱が有効に伝わらなくなりパワー損
失となるような現象が生じてしまう。
【0027】光吸収性の金属層を液晶分散フィルム層の
両側に設ける場合、両側の金属層は同一の材質である必
要はなく、その少なくとも一方が記録検出光に対してあ
る程度透明に形成されたものであることが望ましい。ま
た、光吸収性の金属層と液晶分散フィルム層の間には、
電気光学素子として使用する場合の導電層、配向層、絶
縁層等が形成されていてもよい。前記光吸収性の分子の
具体例としては、たとえば化学式:
【0028】
【化6】
【0029】などで表わされるアゾ系色素、化学式:
【0030】
【化7】
【0031】などで表わされるシアニン系色素、化学
式:
【0032】
【化8】
【0033】などで表わされるスクワリウム系色素、化
学式:
【0034】
【化9】
【0035】などで表わされるアントラキノン系色素の
他、ナフトキノン系色素、キノリン系色素、フタロシア
ニン系色素などの有機色素、および化学式:
【0036】
【化10】
【0037】などで表わされるチオールニッケル錯体な
どの金属錯体があげられるが、光吸収性であり該液晶分
散フィルムに溶解し得るものであるかぎり、これらに限
定されるものではない。前記光吸収性の粒子の具体例と
しては、銀、テルルなどの金属粒子、ハロゲン化銀、酸
化鉄などの無機化合物、カーボンブラックなどがあげら
れるが、光吸収性であり液晶分散フィルムに分散し得る
ものであるかぎり、これらに限定されるものではない。
通常、液晶分散フィルムの内部に添加する光吸収性の分
子又は粒子の割合は該フィルムに対して0.1〜100
%(重量%、以下同様)であり、好ましくは0.3〜1
0%である。添加量が0.3%未満では光吸収量が低下
して効果的な加熱が困難になる。一方、10%より多く
なると記録時のコントラストが低下したり、液晶分散フ
ィルムを形成させることが困難になる。また、記録され
た情報を光学的に検出する場合、反射光を利用すること
が多いので、コントラストを高める有効な方法として、
保護基板上に高い反射率を示す金属層をあらかじめ設け
るとよい。前記光反射性の金属層の具体例としては、ア
ルミニウム、クロム、金、白金、ビスマス、錫などがあ
げられる。これらの光反射性の金属層は、真空蒸着法、
プラズマ蒸着法あるいはスパッタリング法などの公知の
薄膜形成技術で形成され、その厚さは10〜1000n
mの範囲で選ばれる。また、保護基板の表面平滑性が問
題となる場合は、保護基板上に有機高分子の均一な膜を
設けるとよい。これらの有機高分子としては、ポリエス
テル系樹脂、塩化ビニル系樹脂などを用いることができ
る。
【0038】これまで、本発明で提供される光学素子に
ついて、電気光学素子およびヒートモードの記録素子と
しての特徴を別個に説明してきた。もちろん、本発明は
両方の素子の特徴を合わせ持つ新規な光学素子として使
用してもよいし、それぞれ単独の特徴を持つ光学素子と
して使用してもよい。
【0039】つぎに、添付図面に従って本発明の光学素
子の例を示す。図は基本的構造を示す断面図であり、1
は液晶分散フィルム層、2は導電層、3は保護基板であ
る。1の液晶分散フィルム層と3の保護基板の間、およ
び1の液晶分散フィルム層の上部には、2の導電層の他
に配向層、絶縁層、光吸収性金属層、光反射性金属層が
形成されていてもよい。この場合、配向層が1の近傍に
光反射性金属層が3の近傍に形成されていることが望ま
しい。また光反射吸収性金属層や光反射性の導電層など
のように、複数の層の特徴を有する材料を使用してもよ
い。
【0040】
【実施例】
実施例1 ITOを形成させた厚さ125μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)シート上に、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA:旭化成工業社製 デルペットN6
0)0.84g、ネマチック液晶(チッソ社製 GR−
63)0.84g、アゾ系色素(三井東圧化学社製 M
−618)0.0084gをクロロホルム6.68gに
溶解させた溶液を、ドクターブレード法で塗布し、室温
で乾燥させて厚さ18μmの液晶分散フィルムを製膜さ
せた。このラミネートフィルム上にITOを形成させた
厚さ125μmのPETシートをITO層が液晶分散フ
ィルム側になるように真空ラミネートし、10cm×1
0cmのプレスシートを作製した。得られた光学素子は
そのままでは強い光散乱を示していたが、両極間に10
0Vの電圧を印加すると透明に変わった。また、パルス
YAGレーザー(Continuum社製NY60)を
用いて可視光(波長532nm)を20msのパルス巾
で1秒間照射し加熱すると、レーザー光を照射した部分
が透明になった。
【0041】実施例2 実施例1のアゾ系色素のかわりに、アントラキノン系色
素(三井東圧化学社製M−370)を使用して、実施例
1と同様の光学素子をつくり、同様に操作したところ、
同様の結果が得られた。
【0042】比較例1 実施例1のPMMAのかわりに、ポリジイソプロピルフ
マレート(Pdi−ipF:日本油脂社製)を使用し
て、実施例1と同様の光学素子をつくり、同様に操作し
たところ、電場の印加に対しては同様の結果が得られた
が、レーザー照射に対しては熱記録ができなかった。こ
れは、Pdi−ipFとネマチック液晶の相分離状態が
安定であり、加熱しても混和状態に変化しないためであ
る。
【0043】比較例2 アゾ系色素(三井東圧化学社製 M−618)のみをI
TO付PETフィルム上に製膜する他は実施例1と同様
の光学素子をつくり、同様に操作したところ、電場の印
加に対しては応答がなかったが、レーザー照射に対して
は色素の熱的変形により記録が可能であった。
【0044】
【発明の効果】このように、本発明によれば、電場また
は熱の印加により光散乱特性が変化する新しいタイプの
光学素子を製造することが可能になっている。また、本
発明における光学素子は、大面積化が可能であり、強
度、重量の点でも有利な特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の断面図である。図において 1.液晶分散フィルム層 2.導電層 3.保護基盤 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷岡 聡 福岡県福岡市博多区吉塚3丁目9番31− 202号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スポンジ状のマトリックス高分子と液晶か
    らなり、使用温度で相分離状態を示しかつ高温で混和状
    態に変化する液晶分散フィルム層を有することを特徴と
    する光学素子。
  2. 【請求項2】導電層を液晶分散フィルム層の表裏の両側
    に設けた請求項第1項記載の光学素子。
  3. 【請求項3】光吸収性の金属層を液晶分散フィルム層の
    表裏のいずれか片側あるいは両側に設けた請求項第1項
    記載の光学素子。
  4. 【請求項4】光吸収性の分子又は粒子を液晶分散フィル
    ム層内部に含有せしめた請求項第1項記載の光学素子。
JP4202029A 1992-07-06 1992-07-06 新規な光学素子 Pending JPH06222336A (ja)

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