JPH06222222A - 光ファイバ心線の整列スタンドおよびそのスタンドを用いた光ファイバ心線の収納方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多心光ケーブルの光ファイバ心線２ａ〜２ｊ
を接続して中継収納用品３ａ〜３ｊに収納してクロージ
ャの所定の収納部位に収納するときに、光ファイバ心線
相互の絡まりを防止する。 【構成】 クロージャの両側に整列スタンド５を装着す
る。整列スタンド５のファイバ整列面10に複数の整列保
持溝11を形成する。多心光ケーブルの複数の光ファイバ
心線２ａ〜２ｊを光ファイバ心線の収納順番を考慮し、
収納時に絡まない順序で対応する整列スタンドの整列保
持溝11にそれぞれ挿入保持する。各光ファイバ心線の先
端側は収納順序の早い方を上側にして心線取り付けカセ
ット13ａ，13ｂにセットする。次に、先頭側の光ファイ
バ心線２ａ側から順に左右の光ファイバ心線を融着接続
して中継収納用品３ａ〜３ｊに個別に収納し、この中継
収納用品３ａ〜３ｊをクロージャの所定の収納位置に順
序よく収納する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多心光ケーブルの複数
心の光ファイバ心線を接続して、１本ずつ、クロージャ
の収納部に収納する作業に使用する光ファイバ心線の整
列スタンドおよびそのスタンドを用いた光ファイバ心線
の収納方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、多心光ケーブルを接続する場合
には、光ケーブルの抗張材として用いいられているテン
ションメンバーを光ケーブルの接続端側で切断して、所
謂口出し作業を行い、テンションメンバーをクロージャ
の両端側に固定した後、多心光ケーブルから１本ずつ光
ファイバ心線を引き出して融着接続を行い、この融着接
続した光ファイバ心線の余長部分を巻き取って箱状の中
継収納用品に収納し、さらにこの中継収納用品をクロー
ジャの所定の収納部に収納している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多心光
ケーブルから光ファイバ心線を１本ずつ引き出して接続
収納を繰り返す作業は非常に煩雑で作業性が悪く、これ
を改善するために、本発明者は多心光ケーブルから複数
本の光ファイバ心線を同時に引き出して融着接続機にセ
ットし、そのセットした複数本の光ファイバ心線を次々
に接続し、接続し終わった光ファイバ心線を１本ずつ中
継収納用品に収納してクロージャの所定の収納部位に収
納する方式を提案している。

【０００４】しかし、この提案の方式を実際に行う場
合、例えば、数10心の多心光ケーブルから複数本単位で
光ファイバ心線を引き出して融着接続を行い、図８に示
すように、多心光ケーブル１ａ，１ｂの各融着接続後の
光ファイバ心線２を中継収納用品３内に収納してクロー
ジャ４に収納するときに、光ファイバ心線２が複雑に絡
み合ってしまうという問題が生じた。このように、光フ
ァイバ心線２が絡まり合うと、例えば、クロージャ４か
ら所定の中継収納用品３を取り出して光ファイバ心線２
の接続のやり直しを行うような場合、その取り出したい
中継収納用品の光ファイバ心線に絡まっている他の光フ
ァイバ心線の中継収納用品をクロージャ４から取り外し
て絡みを取った後からでないとその所定の中継収納用品
を取り出すことができないという問題が生じ、中継収納
用品を取り外してメンテナンスを行う作業が非常にしづ
らくなるという不都合が生じる。

【０００５】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、多心光ケーブルから複数本
単位で光ファイバ心線を引き出し接続して中継収納用品
を用いてクロージャに収納する場合に、複数の光ファイ
バ心線が絡まり合うことのない光ファイバ心線の収納方
法と、その方法に用いる光ファイバ心線の整列スタンド
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明の光ファイバ心線の整列スタンドは、クロージャに
着脱自在に装着するための装着部と、光ファイバ心線を
保持する心線保持部とを有し、心線保持部の表面はファ
イバ整列面となっており、このファイバ整列面には複数
の光ファイバ心線を１本ずつ着脱自在に保持して整列す
る複数の整列保持溝が形成されていることを特徴として
構成されており、また、本発明の光ファイバ心線の収納
方法は、クロージャに請求項１記載の光ファイバ心線の
整列スタンドを装着しておき、整列スタンドの複数の各
整列保持溝に接続すべき光ファイバ心線を収納順番を考
慮して収納時に絡まない順序に整列保持し、然る後に、
互いに接続の相手となる光ファイバ心線同士を接続して
その接続部を含む心線領域を箱状の中継収納用品に収納
した後、その中継収納用品を整列保持溝の一方側収納開
始端の光ファイバ心線から順番にクロージャの所定の収
納部位に順序よく収納することを特徴として構成されて
いる。

【０００７】

【作用】上記構成の本発明において、多心光ケーブルの
接続を行う場合には、まず、整列スタンドを例えばクロ
ージャの両側に装着し、接続する多心光ケーブルから複
数本単位で引き出した光ファイバ心線を、接続後の収納
順序を考慮して絡まない順序に整列スタンドの整列保持
溝に嵌め込んで整列保持させておく。

【０００８】この状態で、融着接続機等を用いて整列ス
タンドに整列保持している光ファイバ心線を収納順に融
着接続し、融着接続した光ファイバ心線を中継収納用品
に収納して収納順に順次クロージャの所定の収納部位に
順序よく収納することにより、接続された光ファイバ心
線は絡まることなくクロージャに収納される。

【０００９】この複数本単位での接続収納を繰り返すこ
とにより、多心光ケーブルの全ての多心光ファイバ心線
は絡まることなくクロージャに収納される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、前記提案例と同
一の構成部分には同一符号を付し、その重複説明は省略
する。図１には本発明に係る光ファイバ心線の収納方法
に使用する整列スタンドの一構成例が示されている。同
図において、この整列スタンド５は心線保持部６の側面
や下面等から装着部としての脚部７が連接され、この脚
部７に取り付け穴８が設けられている。

【００１１】心線保持部６の表面側は、例えばゴムやス
ポンジ等の弾力性を有する弾性層によって形成されてお
り、この表面のファイバ整列面10には複数本の整列保持
溝11がほぼ等間隔に配列形成されている。この整列保持
溝11は光ファイバ心線が挿入されたとき、この光ファイ
バ心線を弾性力でもって摩擦保持する保持力が得られる
ように光ファイバ心線の外径よりも多少狭い溝幅に設定
されている。

【００１２】次に、この整列スタンド５を用いての光フ
ァイバ心線の収納方法の一例を説明する。まず、前記整
列スタンド５は図２に示すようなクロージャ４の両側に
取り付け穴８を利用してねじ止め等により取り付ける。
そして、クロージャ４の両端側には口出しした接続すべ
き多心光ケーブル（図示せず）がそれぞれ取り付けられ
る。この状態で、例えば、多心光ケーブルを構成してい
る数10心の光ファイバ心線のうちから、例えば図３に示
すように、複数心、この例では10心単位で光ファイバ心
線２ａ〜２ｊを引き出し、各光ファイバ心線を融着接続
した後に各光ファイバ心線をクロージャ４の格納箱12に
収納するときに絡まない順序となるように整列して整列
スタンド５の整列保持溝11に挿入保持する。

【００１３】この実施例では各光ファイバ心線２ａ〜２
ｊは２ａを収納順序の先頭側として奥のＢ側から手前の
Ｆ側にかけて順序よく整列保持される。この整列された
各整列スタンドの光ファイバ心線の先端側は光ファイバ
心線の自動融着接続機（図示せず）の対応する心線取り
付けカセット13ａ，13ｂにセットされる。この図３の例
では、心線取り付けカセット13ａ，13ｂには収納する先
頭側の光ファイバ心線２ａを一番上側にセットし、収納
する順序に従って光ファイバ心線を順次下方となる位置
にセットしている。

【００１４】この光ファイバ心線のセット状態で、収納
順序の先頭側の光ファイバ心線２ａの融着接続が行わ
れ、この融着接続された光ファイバ心線２ａはその接続
部を含む余長分が巻き取られて中継収納用品３ａに収納
され、この光ファイバ心線２ａが収納された中継収納用
品３ａはクロージャ４の格納箱12の所定の部位に、つま
り、一番奥側に収納される。

【００１５】次に、二番目の光ファイバ心線２ｂの接続
が行われ、同様に、接続後の光ファイバ心線２ｂは中継
収納用品２ｂに収納された後、格納箱12の奥から二番目
の位置に収納される。このようにして、順次、整列され
た光ファイバ心線は収納順番に合わせて融着接続が行わ
れ、次々に対応する中継収納用品に収納された後、収納
箱12の奥側から順次手前側に収納される。この中継収納
用品３ａ〜３ｊの格納箱12への収納に際しては、収納す
る光ファイバ心線は収納順番が後の光ファイバ心線とは
交差しないで順次収納されて行くので、各光ファイバ心
線２ａ〜２ｊが絡まることなく、円滑に格納箱12に収納
されることとなる。この10心の光ファイバ心線２ａ〜２
ｊの収納が終了した後、多心光ケーブルから次の10心の
光ファイバ心線が同様に引き出されて整列スタンド５に
整列保持された後、同様に融着接続を行って中継収納用
品に収納されて格納箱12に所定の部位に順序よく収納さ
れて行く。

【００１６】このように、本実施例では、融着接続され
た光ファイバ心線を収納する際には、収納する光ファイ
バ心線は収納順番が後の光ファイバ心線と交差しないで
順次収納されるので、その収納に際し、各光ファイバ心
線が絡まることなく、円滑に収納箱12の所定の収納部位
に収納されることとなる。

【００１７】したがって、中継収納用品３を収納した
後、メンテナンス等により、所定の中継収納用品を取り
出してその光ファイバ心線の接続をやり直すような場合
においても、光ファイバ心線がもともと絡まっていない
ので、取り出したい中継収納用品を格納箱12から円滑に
取り出して接続のやり直し等のメンテナンスを容易に行
うことができ、このメンテナンスの作業性を格段に高め
ることができる。

【００１８】ところで、接続した光ファイバ心線の中継
収納用品３ａ〜３ｊの収納順序と整列スタンド５への各
光ファイバ心線の配列順序の態様は必ずしも図３に示す
態様のものに限定されるものではなく、例えば図４に示
すような配列形態とすることもできる。この図４に示す
配列形態は、融着接続後の光ファイバ心線を収納してな
る中継収納用品３ａ〜３ｊを格納箱12の手前側から奥に
向けて順次収納して行くもので、これに応じ、整列スタ
ンド５には、収納順序の先頭側の光ファイバ心線２ａを
ファイバ整列面10の手前側、つまりＦ側の整列保持溝11
に収容保持し、この手前側から奥のＢ側にかけて収納順
序に合わせて光ファイバ心線２ａ〜２ｊを整列保持して
いる。

【００１９】そして、収納する順番の早い方の光ファイ
バ心線を心線取り付けカセット13ａ，13ｂの上側にセッ
トし、収納順番が後になるに従い心線取り付けカセット
13ａ，13ｂの下側となるように光ファイバ心線を順次セ
ットした後、心線取り付けカセット13ａ，13ｂの上側の
光ファイバ心線、つまり、収納順番が早い方の光ファイ
バ心線２ａから融着接続を行い、一番先頭の中継収納用
品３ａに収納してこれをクロージャ４の格納箱12の一番
手前側の位置に収納し、次に、二番目の光ファイバ心線
２ｂを融着接続して中継収納用品２ｂに収納し、一番目
の光ファイバ心線２ａの上側を通して中継収納用品３ａ
の隣りの奥側に収容し、このように、順次、先に収容し
た光ファイバ心線の上側を通して次の光ファイバ心線を
収納して行くことにより、各光ファイバ心線２ａ〜２ｊ
は絡まることなく収納箱12の所定の収納部位に収納され
ることとなる。

【００２０】図５および図６は他の形式のクロージャに
融着光ファイバ心線を収納する場合を示したものであ
る。図５に示す方式のものは融着接続光ファイバ心線を
収容してなる中継収納用品の先頭側３ａを手前側とし、
順次奥側に収納して行く場合であり、図６に示すものは
その逆に、先頭の中継収納用品３ａを格納箱12の奥側に
収納し、次の光ファイバ心線を順次手前側に向けて収納
して行く場合を示している。これらいずれの場合にも、
整列スタンド５のファイバ保持面10の整列保持溝11に光
ファイバ心線２ａ〜２ｅを収納順番に合わせて絡まない
配列順序で整列保持し、心線取り付けカセット13ａ，13
ｂには収納順序が早い方を上側にして以下順次下側にな
るようにセットし、先頭の光ファイバ心線２ａの融着接
続を行った後その光ファイバ心線２ａを中継収納用品３
ａに収納してクロージャ４の格納箱12の所定の部位に収
納し、以下、順次次の融着光ファイバ心線を収容してな
る中継収納用品を順序通りに収納して行くことにより、
光ファイバ心線が絡まることなくクロージャ４の格納箱
12内に格納されることとなる。そして、前記実施例の場
合と同様に所定の中継収納用品を円滑に取り出すことが
でき、メンテナンス等の作業性を高めることができる。

【００２１】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では、クロージャ４の両端側に１個ずつの整列ス
タンド５を装着して光ファイバ心線の接続収納を行った
が、クロージャ４に１個の整列スタンドを用いて融着光
ファイバ心線の収納作業を行うようにしてもよい。この
場合は、例えば図７に示すように、ベース板14の両端側
に一対の心線保持部６ａ，６ｂを設置し、この各心線保
持部６ａ，６ｂのファイバ整列面10に複数の整列保持溝
11を形成し、ベース板14側には脚部７およびその取り付
け穴８を形成した整列スタンド５を使用することにな
る。

【００２２】この整列スタンドを用いて光ファイバ心線
の収納を行うときには、この整列スタンドをクロージャ
４の適宜の位置に装着し、一方側の心線保持部６ａ側の
整列保持溝11には接続すべき一方側の多心光ケーブルの
数本単位の各光ファイバ心線を前記の場合と同様に光フ
ァイバ心線の収納順序を考慮して配列保持し、他方側の
心線保持部６ｂの整列保持溝11には他方側の多心光ケー
ブルの数本単位の光ファイバ心線を同様に整列保持し
て、光ファイバ心線の融着接続と中継収納用品３を使用
しての格納箱12への収納を行うこととなる。

【００２３】また、上記実施例では各光ファイバ心線を
融着接続して収納する場合について説明したが、各光フ
ァイバ心線をコネクタ接続して収納する場合についても
適用されるものである。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、多心光ケーブルを接続する際
に、クロージャに整列スタンドを装着し、この整列スタ
ンドの整列保持溝に光ファイバ心線の収納順番を考慮し
て収納時に絡まない順序に複数本整列保持した後、光フ
ァイバ心線の接続を行った後、接続した光ファイバ心線
を収納順に順序よくクロージャの所定の収納部位に中継
収納用品を用いて収納するように構成したものであるか
ら、接続した光ファイバ心線をクロージャに収納する際
に、光ファイバ心線が互いに絡まることはなくなり、整
然と円滑に収納することができる。

【００２５】また、光ファイバ心線を絡まりなく収納で
きるので、メンテナンス作業時に、所定の光ファイバ心
線の中継収納用品を取り出したいときには、他の光ファ
イバ心線との絡まりがないので、そのまま円滑に取り出
してメンテナンス作業を行うことができ、光ファイバ心
線のメンテナンス等の後処理を行う上でも非常に好都合
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る整列スタンドの一実施例を示す構
成説明図である。

【図２】同実施例の整列スタンドをクロージャに取り付
けた状態の説明図である。

【図３】同実施例の整列スタンドを用いて多心光ケーブ
ルから引き出した各光ファイバ心線の接続収納方法の一
例を示す説明図である。

【図４】光ファイバ心線の接続収納の他の実施例を示す
説明図である。

【図５】他の形式のクロージャを用いた光ファイバ心線
の接続収納方法の実施例を示す説明図である。

【図６】図５と同じクロージャを用いた光ファイバ心線
の接続収納方法の他の実施例の説明図である。

【図７】本発明に係る整列スタンドの他の実施例を示す
説明図である。

【図８】発明者が先に提案した光ファイバ心線の接続収
納方法における光ファイバ心線の絡まり状態を示す説明
図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 多心光ケーブル ２，２ａ〜２ｊ 光ファイバ心線 ３，３ａ〜３ｊ 中継収納用品 ４ クロージャ ５ 整列スタンド ６，６ａ，６ｂ 心線保持部 10 ファイバ整列面 11 整列保持溝 12 格納箱 13ａ，13ｂ 心線取り付けカセット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クロージャに着脱自在に装着するための
   装着部と、光ファイバ心線を保持する心線保持部とを有
   し、心線保持部の表面はファイバ整列面となっており、
   このファイバ整列面には複数の光ファイバ心線を１本ず
   つ着脱自在に保持して整列する複数の整列保持溝が形成
   されている光ファイバ心線の整列スタンド。
2. 【請求項２】 クロージャに請求項１記載の光ファイバ
   心線の整列スタンドを装着しておき、整列スタンドの複
   数の各整列保持溝に接続すべき光ファイバ心線を収納順
   番を考慮して収納時に絡まない順序に整列保持し、然る
   後に、互いに接続の相手となる光ファイバ心線同士を接
   続してその接続部を含む心線領域を箱状の中継収納用品
   に収納した後、その中継収納用品を整列保持溝の一方側
   収納開始端の光ファイバ心線から順番にクロージャの所
   定の収納部位に順序よく収納する光ファイバ心線の収納
   方法。