JPH0746164B2 - 光ファイバ接続部の余長収容器具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は光ファイバケーブルの接続工事に関し、特に高
密度光ファイバケーブルの接続部の余長収容器具に関す
るものである。

（従来技術及び解決しようとする問題点） 従来、光ファイバ接続部の余長収容は、外径0.9mmのナ
イロン被覆光ファイバ心線を主とて対象としてきた。し
かし、この心線は径が比較的太く腰があるため余長部は
手で適当に丸く束ね、ビニル等の袋に収納し円筒形の収
容器内にまるめ込んだり、円筒に巻き付けたりして処理
していた。

ところが、近年光ファイバの高密度化が進み、光ファイ
バ心線を共通の被覆で一体化した多心光ファイバケーブ
ルや、より細い光ファイバ心線のままケーブル化するこ
とが可能になってきた。これに伴い、細い光ファイバ接
続部の余長を収納する技術が必要となってきた。

しかし、細い光ファイバ心線に対して上述のような従来
の余長収容方法を用いると、光ファイバ心線が細く腰が
無いために光ファイバ心線が折れ曲がってしまいうまく
いかなかった。即ち、光ファイバ心線を極端に折り曲げ
るとマイクロベント損失や被覆の損傷を生じ、ついには
切断してしまうという問題点がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上述の問題点を解消し、光ファイバ心線の余長
を安全かつ効率よく収容する器具を提供するもので、そ
の特徴は、幅方向に可動なトレイの複数個を枠本体に多
段に積重ねて成り、各トレイには光ファイバ心線固定
部、光ファイバ接続部固定部及び余長巻付部を具えると
共に、トレイの両側には枠本体のガイドレールにより拘
束されるガイドピンが設けてあり、上記ガイドピンを介
してトレイを幅方向に完全に引出した時に90度回転して
鉛直方向に位置するよう構成されていることにある。

第１図は本発明の余長収容器具に余長を収容した状態の
外観図、第２図は本発明におけるトレイの具体例の上面
図（イ）及び右側面図、第３図（イ）及び（ロ）はトレ
イのガイドピンと枠本体のガイドピンの組合せ例の説明
図である。

本発明の余長収容器具は第１図に示すように余長収容ト
レイ（10）と、トレイ（10）の複数個を多段に積重ねる
枠本体（20）より成っている。

余長収容トレイ（10）は第２図に示すように、上面に余
長巻付部（11）、光ファイバ固定部（12）、光ファイバ
心線固定部（13）及び心線押え（14）を具えており、ト
レイ（10）の両側には枠本体（20）のガイドレール（2
1）によって拘束されるガイドピン（15）が設けてあ
る。１つのトレイ（10）には第１図に示すように、多心
数の光ファイバケーブル（１）の通常１〜10心程度の光
ファイバ心線（２）が一緒にまとめられており、このよ
うなトレイ（10）の１〜10個が枠本体（20）に多段に積
重ねられて一つのケーブル（１）の接続箱を形成する。

本発明の余長収容器具においては、トレイ（10）を幅方
向に完全に引出した際、トレイ（10）を鉛直方向に位置
する（第３図点線の位置）ようにすることによって作業
の便を良くすることに主眼をおいている。従ってトレイ
（10）の幅方向の移動と回転を可能にするため、トレイ
（10）の側面後方にはガイドピン（15）を設け、枠本体
（20）にはこれが嵌合、摺動するガイドレール（21）が
設けてあり、上記ガイドピン（15）をガイドレール（2
1）上を摺動させ、トレイ（10）を幅方向に完全に引出
した時、トレイ（10）は90度回転し、第４図のように鉛
直方向に位置する。

トレイ（10）は積重ねて提供され、使用時には１個づつ
引出される。光ファイバの接続は余長収容器具付近で行
われ、トレイ（10）を完全に引出して鉛直方向に位置せ
しめた状態でトレイ（10）に収容される。この際、余長
は通常1m未満である。従ってトレイ（10）を引出し可能
であることは作業性の面からよいが、完全に着脱可能で
ある必要はなく、むしろ光ファイバの接続作業が高所、
狭所などで行われることを考え合せると、本発明のよう
にトレイ（10）は個々に取り外せない方が効率的であ
る。

なお、心線固定部（13）は光ファイバ心線（２）を把持
固定する機能を有するが、単心光ファイバに分離可能な
多心光ファイバの余長処理の際、分離直前の多心光ファ
イバ被覆部を把持することが出来る。又図では心線固定
部及び光ファイバ接続固定部をトレイ前面に設置してあ
るが、これに限定されるものではなく、トレイ内のどの
場所に設置してもよい。

（発明の効果） 上述した本発明の余長収容器具によれば、光ファイバ余
長の収容作業の効率化がはかれると共に、高密度光ファ
イバケーブル接続部のコンパクトな収容が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の余長収容器具に余長を収容した状態の
外観図、第２図は本発明におけるトレイの上面図（イ）
及び右側面図（ロ）である。 第３図（イ）及び（ロ）はトレイのガイドピンと枠本体
のガイドレールの組合せ例の説明図、第４図はトレイを
完全に引出し鉛直方向に位置せしめた状態の説明図であ
る。 １……光ファイバケーブル、２……光ファイバ心線、３
……余長部、10……トレイ、11……余長巻付部、12……
光ファイバ接続部固定部、13……心線固定部、14……心
線押え、15……ガイドピン、20……枠本体、21……ガイ
ドレール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 康雄 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 得丸 雄三 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 勝瀬 光義 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】幅方向に可動なトレイの複数個を枠本体に
   多段に積重ねて成り、各トレイには光ファイバ心線固定
   部、光ファイバ接続部固定部及び余長巻付部を具えると
   共に、トレイの両側には枠本体のガイドレールにより拘
   束されるガイドピンが設けてあり、上記ガイドピンを介
   してトレイを幅方向に完全に引出した時に90度回転して
   鉛直方向に位置するよう構成されていることを特徴とす
   る光ファイバ接続部の余長収容器具。
2. 【請求項２】トレイを幅方向に完全に引出して鉛直方向
   に位置した状態で余長を収納することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の光ファイバ接続部の余長収容器
   具。