JPH062215A - 多孔性アクリル繊維の製造方法 - Google Patents

多孔性アクリル繊維の製造方法

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JPH062215A
JPH062215A JP4185991A JP18599192A JPH062215A JP H062215 A JPH062215 A JP H062215A JP 4185991 A JP4185991 A JP 4185991A JP 18599192 A JP18599192 A JP 18599192A JP H062215 A JPH062215 A JP H062215A
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JP
Japan
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acrylic fiber
porous acrylic
cellulose acetate
polymer
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JP4185991A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Mizukami
義勝 水上
Yukio Tsuda
由紀夫 津田
Takashi Matsumura
隆 松村
Satoko Kakegawa
都子 掛川
Yoko Fukumoto
洋子 福本
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密性の優れたアクリル繊維に多孔を付与
し、吸水性を付与する製造方法を提供する。 【構成】 少なくとも94重量%のアクリロニトリル単
位を含有し、かつ3重量%以上のスルホン酸塩基を持つ
共重合可能なモノマーを共重合したポリマーを80〜9
5重量%および酢酸セルロース20〜5重量%からなる
ポリマーを有機溶剤に15〜30重量%溶解し、湿式紡
糸する際に1次乾燥後スチームで125〜150℃で3
0秒間から10分間無緊張収縮させることを特徴とする
多孔性アクリル繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用途,インテリア用
途,産業資材用途に用いられる吸水性の多孔性アクリル
繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木綿,羊毛,絹等の天然繊維は20から
40重量%の吸水性があるが、一般の合成繊維は吸水性
が低く天然繊維と比べて商品価値が劣っている。こうし
た合成繊維の吸水性の不足を解決するために従来より種
々の改良がなされてきた。中でも繊維を多孔性にし、毛
細管現象を利用した繊維が提案されている。
【0003】例えば特公昭60−11124号公報に8
0重量%以上のアクリロニトリル(以下「AN」と略記
する。)単位を含有し、かつスルホン酸塩基を持つ共重
合可能なモノマーを0.3〜1.2重量%共重合したポ
リマーを70〜98重量%および酢酸セルロース30〜
2重量%からなるポリマーを有機溶剤に15〜30重量
%溶解し、湿式紡糸する製造方法が記載されている。し
かし、スルホン酸塩基を持つ共重合可能なモノマーを3
重量%以上共重合した例の記載はない。また少なくとも
94重量%のAN単位を含有し、かつ3重量%以上のス
ルホン酸塩基を持つ共重合可能なモノマーを共重合した
ポリマーを一般に用いられている湿式紡糸をすると緻密
性の優れた繊維が形成されるが充分な多孔が得られず、
吸水性も低いものしか得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は緻密性
の優れた、アクリル繊維に多孔を付与し、吸水性を付与
する製造方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは緻密性の優
れたアクリル繊維に多孔を付与し、吸水性を付与する製
造方法を見いだすため、湿式紡糸工程の詳細を検討した
結果、無緊張下高温のスチームでアクリル繊維をリラッ
クスさせることにより多孔が形成されることを見いだ
し、本発明の完成に至った。
【0006】本発明の多孔性アクリル繊維の製造方法は
少なくとも94重量%のAN単位を含有し、かつ3重量
%以上のスルホン酸塩基を持つ共重合可能なモノマーを
共重合したポリマーを80〜95重量%および酢酸セル
ロース20〜5重量%からなるポリマーを有機溶剤に1
5〜30重量%溶解し、湿式紡糸する際に1次乾燥後ス
チームで125〜150℃で30秒間から10分間無緊
張収縮させることを特徴とする。
【0007】本発明に用いるアクリルポリマーは少なく
とも94重量%のAN単位を含有し、かつ3重量%以上
のスルホン酸塩基を持つ共重合可能なモノマーを共重合
する。ANが94重量%未満では無緊張下高温でのスチ
ームセット時に膠着を生じ、スルホン酸塩基を持つ共重
合可能なモノマーが3重量%未満の場合はカラーイール
ドが低下する。
【0008】本発明に用いるスルホン酸塩基を持つ共重
合可能なモノマーとしては2−アクリルアミド2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウム(以下「SAM」と略
記する。),アリルスルホン酸ナトリウム,メタアリル
スルホン酸ナトリウム(以下「MAS」と略記す
る。),スチレンスルホン酸ナトリウム等がある。
【0009】その他の3〜0重量%の共重合可能なモノ
マー(一般に用いられる第2共重合モノマー)としては
例えばメチルアクリレート(以下「MA」と略記す
る。),メチルメタクリレート,スチレン,酢酸ビニル
(以下「VA」と略記する。),エチルアクリレート,
ブチルアクリレート,アクリルアミド,メタクリルアミ
ド等がある。
【0010】本発明に用いる有機溶剤は例えばジメチル
ホルムアミド(以下「DMF」と略記する。),ジメチ
ルアセトアミド,ジメチルスルホキシド等がある。
【0011】本発明に用いる上記のポリマーは公知の重
合法、例えばサスペンジョン重合,溶液重合,乳化重合
等で共重合できる。重合開始剤としてはサスペンジョン
重合,乳化重合では過硫酸ナトリウム等を用いればよ
く、適当な安定剤,乳化剤,着色防止剤を併用するとよ
い。溶液重合では重合開始剤として一般に用いられるア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や過酸化物が
用いられる。
【0012】本発明に用いるアクリルポリマーの分子量
は、一般にアクリル系合成繊維に用いられる平均分子量
が4万から6万の物を用いる。
【0013】本発明に用いる酢酸セルロースは酢化度4
8〜63%で平均重合度50〜300の物である。マト
リックスが緻密な本発明の場合は、酢酸セルロースの平
均重合度が大きい方が多孔性アクリル繊維の吸水率は高
くなる。しかし、酢酸セルロースの平均重合度が大きく
なるにつれて、相分離時の酢酸セルロース液滴の粒径が
大きくなる。酢酸セルロースの液滴の粒径と繊維中に形
成される酢酸セルロース粒子径は相関する。繊維中の酢
酸セルロースは紡糸時には異物と同じであり、大きな粒
子は紡糸時の糸切れの原因になる。従って、酢酸セルロ
ースの平均重合度は100〜200が好ましい。
【0014】酢酸セルロースの添加量はポリマー総量の
5〜20重量%であり、好ましくは7〜10重量%であ
る。酢酸セルロースの添加量が5重量%未満の場合は吸
水率が低く、20重量%を超える場合は吸水率は増加す
るが、紡糸時の糸切れ増加や糸の機械的物性の低下が起
こる。
【0015】本発明の多孔性アクリル繊維は上記のポリ
マーをブレンドし、相分離状態で湿式紡糸する。湿式紡
糸は通常用いられる方法でよい。即ち、例えば水を凝固
剤とした有機溶剤/水系の凝固浴に紡出し、段階的に水
の濃度を上げながら例えば3〜7倍延伸を行い、水洗後
1次オイリングを行う。次に乾燥緻密化を行った後、必
要に応じ延伸,収縮を行い、クリンプを付与した後、ス
チームセットを行う。
【0016】本発明の特徴はこのスチームセット条件に
ある。即ち、スチームセットは無緊張下、125〜15
0℃で30秒間〜10分間の条件で行う。好ましくは1
30〜140℃である。125℃から急激に吸水率は増
加して来るが、処理温度が高くなり過ぎると繊維が膠着
気味になって来る。処理時間は処理温度,処理前の真空
処理,処理品の密度とも関係するが1〜5分間が好まし
い。処理温度が高い場合は短時間でよいが、処理斑を発
生しないようにするためには適当な温度で余り短時間の
処理時間にならない様にした方がよい。
【0017】セット温度が120℃未満の場合には吸水
率の高い値が得られず、150℃を越えると糸の着色が
著しくなる。また、スチームセットを緊張下行っても吸
水率はそれほど増加せず、乾熱で熱処理しても吸水率は
増加しない。
【0018】本発明の多孔性アクリル繊維と一般の第2
共重合成分が7〜9重量%のアクリル繊維を示差走査熱
量計(理学電機(株)製DSC8230D、以下「DS
C」と略記する。)にてガラス転移温度(以下「Tg」
と略記する。)の測定をした結果、本発明の多孔性アク
リル繊維はTgが約100℃と一般のアクリル繊維より
約10℃高く、優れた耐熱性を示した。
【0019】本発明は本発明品を製造するに際し、他の
添加剤、例えば顔料を添加し、原着繊維としたり、ゲル
トウ染色を行い原着繊維とすることを妨げるものではな
い。
【0020】
【発明の効果】本発明の多孔性アクリル繊維は優れた吸
水性を示すと同時に優れた耐熱性を示す。また、スルホ
ン酸塩基を持つ共重合可能なモノマーを多く含有するた
め一般のアクリル繊維のポリマーを用いた多孔性のアク
リル繊維に比較して優れたカラーイールドを示す。
【0021】
【実施例】さらに詳細は実施例にて説明する。繊維の機
械的特性はJIS L 1015、繊維の吸水率はDI
N−53814に準じて測定した。繊維中のスルホン酸
塩基を持つ共重合可能なモノマーは硫黄を蛍光X線にて
測定し求め、第2共重合モノマーは赤外分光光度計(P
ERKIN ELMER社製 1600FTIR)にて
測定した。ポリマーの分子量は粘度法にて測定した。繊
維のTgはDSCにて窒素雰囲気中、昇温速度10℃/
分で測定した。カラーイールドは分光光度計(マクベス
社製 M2020PL)によりL値を求め、カラーイー
ルドとした。実施例中、特に断わらない限り、「%」は
「重量%」とする。
【0022】製造例1 表1に示すアクリルポリマーをDMF溶液重合により、
重合開始剤をアゾビスイソブチロニトリルを用い、モノ
マー濃度30%、重合温度65℃、重合時間6時間にて
共重合した。定法によりモノマーを蒸留除去し所定の濃
度のドープを得た。
【0023】
【表1】 表中の数値は%を示す。
【0024】実施例1 製造例1で製造した表1のアクリルポリマー90%と酢
化度53%、重合度110の酢酸セルロース10%のポ
リマー比でDMF溶液をポリブレンドし、ポリマー濃度
18%の紡糸ドープを得た。
【0025】次に定法によりDMF50%、水50%、
25℃の凝固浴中に紡出し、3段階で6倍に延伸した
後、60℃の水で水洗し、DMFを除去した。1次オイ
リング後、緊張下ヒーターローラーにて130℃で乾
燥,緻密化を行い、クリンプを付与後、スチームセット
を無緊張下、130℃、3分間行い、3デニールの多孔
性アクリル繊維を得た。得られた多孔性アクリル繊維の
吸水率、引張強伸度を測定し結果を表2に示した。
【0026】
【表2】 アクリルポリマーの重合組成と多孔性アクリル繊維の物
【0027】実施例2 実施例1と同様にしてアクリルポリマーと酢酸セルロー
スのポリマー混合比のみを表3の通り変更し、3デニー
ルの多孔性アクリル繊維を得た。得られた多孔性アクリ
ル繊維の吸水率、引張強伸度を測定し結果を表3に示し
た。
【0028】
【表3】
【0029】実施例3 実施例1で製造した多孔性のアクリル繊維を定法によ
り、マラカイトグリーンowf6%、浴比1対100
で、60分間ボイルし染色した。染色後、水洗、乾燥
し、充分に開繊して分光光度計によりL値を測定しカラ
ーイールドを比較した。結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】実施例4 組成No.10のものを用いて実施例2と同様にしてス
チームセット温度とセット時間を変更し、得られた多孔
性アクリルの吸水率を測定し、結果を表5に示した。試
験No.9,10の比較例は着色が著しかった。試験N
o.8の本発明品も少し着色が認められた。試験No.
7の本発明品は着色も僅かであった。
【0032】
【表5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも94重量%のアクリロニトリ
    ル単位を含有し、かつ3重量%以上のスルホン酸塩基を
    持つ共重合可能なモノマーを共重合したポリマーを80
    〜95重量%および酢酸セルロース20〜5重量%から
    なるポリマーを有機溶剤に15〜30重量%溶解し、湿
    式紡糸する際に1次乾燥後スチームで125〜150℃
    で30秒間から10分間無緊張収縮させることを特徴と
    する多孔性アクリル繊維の製造方法。
JP4185991A 1992-06-18 1992-06-18 多孔性アクリル繊維の製造方法 Pending JPH062215A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100475423B1 (ko) * 1997-03-27 2005-06-16 닛폰 에쿠스란 고교 가부시키가이샤 흡수성아크릴섬유

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100475423B1 (ko) * 1997-03-27 2005-06-16 닛폰 에쿠스란 고교 가부시키가이샤 흡수성아크릴섬유

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