JPH06221490A - サヤ管付送液配管の打撃音防止構造 - Google Patents

サヤ管付送液配管の打撃音防止構造

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JPH06221490A
JPH06221490A JP5031177A JP3117793A JPH06221490A JP H06221490 A JPH06221490 A JP H06221490A JP 5031177 A JP5031177 A JP 5031177A JP 3117793 A JP3117793 A JP 3117793A JP H06221490 A JPH06221490 A JP H06221490A
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哲 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サヤ管付送液配管で発生する打撃音ないし振
動音を有効に防止でき、かつ材料費及び施工費が安くな
るような構造に工夫されたサヤ管付送液配管の打撃音防
止構造を提供する。 【構成】 サヤ管付送液配管の打撃音防止構造10は、
管状のサヤ管11と、該サヤ管内に挿通された可撓性送
液管12と、該送液管に沿わせて前記サヤ管内に挿通さ
れた少なくとも1本の可撓性を有する管状又は棒状の緩
衝材13とから形成されている

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サヤ管付送液配管の打
撃音防止構造に関し、更に詳細には施工が簡単で、かつ
経済的なサヤ管付送液配管の打撃音防止構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】建築物において給水・給湯等を供給する
送液用配管を敷設する場合、従来から、サヤ管ヘッダー
工法が採用されている。サヤ管ヘッダー工法とは、給水
配管のヘッダーから所望の場所、例えば台所まで、建築
物の床壁、例えばコンクリート床壁上に送液用管を敷設
するに当たり、そのコンクリート床壁上に予め管状部材
を敷設し、その後送液用管をその管状部材内に引き込ん
で敷設する工法である。また、建築物の床壁、天井壁等
のコンクリートスラブ内に送液用管を埋設する形態で敷
設する場合、コンクリートスラブを打設する前に、先ず
コンクリートスラブ用の鉄筋等に管状部材を固定し、次
いでコンクリートを打設して管状部材を埋設した床壁、
天井壁等を形成し、その後その管状部材内に送液管を引
き込んで敷設する工法である。即ち、サヤ管ヘッダー工
法は、中空の管状部材を予め敷設して送液管の敷設経路
を確保すると共に管内に引き込んだ送液管を外側からサ
ヤ状に覆い保護するようにした敷設工法である。本明細
書で言うサヤ管付送液配管とは、かかるサヤ管ヘッダー
工法により施工された送液用配管である。
【0003】送液管の外側の管状部材は、送液管を覆い
保護しているので、この工法では、一般にサヤ管と称さ
れ、建築物内の限られた空間内で曲がりを含む経路に従
って敷設し易いように可撓性の樹脂管、特に波付け管が
使用されている。送液管には、サヤ管内に引き込み易い
ように、可撓性の樹脂管、例えばポリブテン管又は架橋
ポリエチレン管を使用する。
【0004】更に、具体的に説明すると、サヤ管ヘッダ
ー工法には次のような種類がある。第1には、図6
(a)に示すように、サヤ管61を鉄筋62に固定し、
次いでコンクリートを打設してコンクリートスラブ63
内にサヤ管61を埋設し、その後サヤ管61内に送液管
64を挿通するスラブ配管の工法である。第2には、図
6(b)に示すように、打設したコンクリートスラブ6
3の上面にサヤ管61を外部に露出した状態で配置し、
取り付け金具65で固定して敷設し、次いでサヤ管61
内に送液管64を挿通する引回し配管工法である。尚、
62は、鉄筋である。図7は、図6(a)及び(b)に
示すサヤ管ヘッダー工法により施工したサヤ管付送液配
管の長手方向の部分断面図である。このようなサヤ管ヘ
ッダー工法は、鉄管をコンクリートスラブ上に直接敷設
する又は鉄管をコンクリートスラブに直接埋設する、い
わゆる鉄管敷設工法等と比較して、サヤ管を敷設した
後、送液管だけを抜き差しできるため、送液配管の敷設
が容易であり、更に敷設後の送液管の交換等のメンテナ
ンスも容易である。また、鉄管敷設工法等では金属管を
配管するのに相当の技量が要求されるが、サヤ管ヘッダ
ー工法は、配管作業に技量を必要とせず、熟練者でなく
ても容易に施工できる利点がある。
【0005】ところで、近年、給水・給湯配管系統の端
末には、水栓具として、レバーを上下に、或いは左右に
動かすだけで水流を速やかにON/OFFできるシング
ルレバー水栓等の急閉止式水栓類が使用されている。か
かる急閉止式水栓のレバーを急いで操作すると、水栓か
らの水の流出が急激にON/OFFされる。水の流出の
ON/OFFに伴って、送液管内で水流の流れ状態が激
しく変化するため、送液管内の水圧が局所的に異常に変
動し、その結果、送液管内で衝撃音が発生する。これ
が、いわゆるウォーターハンマー(水撃)現象である。
【0006】上述のサヤ管ヘッダー工法で使用している
送液管は、鉄管敷設工法等における金属管に比べて、力
学的に柔軟であり、高い振動モードを持つ圧力変動現象
を吸収する効果が比較的大きいので、サヤ管ヘッダー工
法による給水・給湯系統では、かかるウォーターハンマ
ー現象の衝撃音が比較的軽減される筈と考えられてい
た。しかし、実際には、図6(a)、(b)及び図7に
示すようなサヤ管ヘッダー工法により敷設されたサヤ管
付送液配管においても、送液管64内を流通する水流の
激しい状態変化により生じた送液管64内の圧力異常変
動は、送液管64を振動させてサヤ管61の内面に激し
く衝突させ、しばしば大きな打撃音を発生させるのであ
る。このようなウォーターハンマー現象による打撃音
は、団地等のコンクリート製集合住宅では減衰すること
なく伝播し、特に深夜に発生した場合には騒音問題の原
因となっている。
【0007】そこで、サヤ管付送液配管において、ウォ
ーターハンマー現象による打撃音消音対策のため、実開
平2−87195号では図5(a)、(b)及び(c)
に示すようなサヤ管付送液配管の打撃音防止構造が提案
されている。図5(a)では、サヤ管31の内面に、緩
衝材、例えば発泡合成樹脂又は発泡ゴム材からなる管状
の緩衝材33を接着し、そのサヤ管31内に樹脂製の送
液管32を挿通させたサヤ管付送液配管の打撃音防止構
造30が開示されている。また、図5(b)では、サヤ
管41の内面に円環状の緩衝材43を所定の間隔で取り
付け、そのサヤ管41内に樹脂製の送液管43を挿通さ
せたサヤ管付送液配管の打撃音防止構造40が開示され
ている。更に、図5(c)では、サヤ管51の内側の円
環状凸部に軟質性合成樹脂からなる緩衝材53を一体に
形成し、そのサヤ管51内に樹脂製の送液管52を挿通
させたサヤ管付送液配管の打撃音防止構造50も提案さ
れている。これらとは逆に、送液管の周面上に、フィン
状の緩衝材を螺旋状に巻きつけ圧着し、次いで緩衝材を
巻きつけた送液管をサヤ管内に挿通したサヤ管付送液配
管の打撃音防止構造も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
サヤ管付送液配管の打撃音防止構造は、送液管を流れる
流体の激しい流動変化によって生じた流体圧力の異常変
動による衝撃音(打撃騒音)を低減することができるも
のの、いずれも、次のような問題点を有していた。その
一は、サヤ管の管内に送液管を挿通する際に、緩衝材が
既にサヤ管の内面に取り付けられているので、送液管を
通すサヤ管内の空間が狭くなっていることである。この
ため、サヤ管の管内へ送液管を抜き差しすることが緩衝
材に邪魔されて極めて困難になり、送液管をサヤ管内に
挿通させるのに多くの時間と人手とを要する結果となっ
た。また、一旦施工した後で、送液管の交換等のメンテ
ナンスが必要な場合でも、作業性が非常に悪いことであ
る。従って、施工費用、メンテナンス費用が嵩んだ。こ
の問題は、緩衝材が装着された送液管をサヤ管の管内に
挿通する構成になっているサヤ管付送液配管の打撃音防
止構造においても同じである。その二は、普通仕様のサ
ヤ管に加えて、サヤ管の内面に管状緩衝材層を連続的に
形成すること、サヤ管の内面に円環状緩衝材を離隔して
取り付けること、或いはサヤ管の円環状凸部に緩衝材を
一体形成することは、波付け管の製造技術上から見て難
しく、また複雑な構成の波付け管製造装置を必要とし、
従って製造コストが嵩むことであった。
【0009】以上の経済的な問題は、サヤ管付送液配管
の打撃音防止構造を実際の給水、給湯配管に適用する場
合に、極めて大きな障害となっており、コストの低いサ
ヤ管付送液配管の打撃音防止構造の実現が要望されてい
た。そこで、本発明は、サヤ管付送液配管で発生する打
撃音ないし振動音を有効に防止でき、かつ材料費及び施
工費が安くなるような構造に工夫されたサヤ管付送液配
管の打撃音防止構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、サヤ管内に
送液管を挿通し易くするためには、先ず、内面に緩衝材
が取り付けてない大きい断面のサヤ管内に送液管を挿通
し、次いで緩衝材を挿通するか、又は緩衝材を送液管と
共にサヤ管内に挿入することであると考えた。また、打
撃音ないし振動音をサヤ管更にサヤ管の外側に伝播しな
いようにするには、緩衝材が、振動エネルギーを吸収し
減衰させ易い連続材である方が効果的であることに着眼
した。また、材料費を安くする条件は、特別仕様のサヤ
管又は送液管ではなく市販のサヤ管及び送液管を使用で
きるようにすることであると考え、研究した結果、本発
明を完成するに至った。
【0011】上記目的を達成するために、本発明に係る
サヤ管付送液配管の打撃音防止構造は、管状のサヤ管
と、該サヤ管内に挿通された可撓性送液管と、該送液管
に沿わせて前記サヤ管内に挿通された少なくとも1本の
可撓性を有する管状又は棒状の緩衝材とから形成されて
いることを特徴としている。
【0012】本発明では、サヤ管に必ずしも可撓性波付
け管を使用する必要はないが、施工性を良くするために
は、自由に曲げて敷設できるような可撓性を有する合成
樹脂製の管材、特に波付け管が好適である。本発明で使
用する波付け管は、前掲公報で述べたような特別仕様の
波付け管でなく、市販の波付け管を使用できる。本発明
では、緩衝材を送液管と共にサヤ管内に挿入するか、又
は予めサヤ管内に送液管を挿入した後、サヤ管と送液管
の隙間に緩衝材を押し込みながら挿入する。緩衝材は、
以上のようにしてサヤ管内に挿通できるような可撓性と
曲げ弾性率とを備えた、合成樹脂製又は金属製の中実棒
材又は中空の管状部材である。緩衝材の形状は、連続し
た条材である限り、特にその断面形状に制約は無く、円
形、楕円形、四角形等の形状を取り得るのは勿論であ
り、また長手方向に関して同一断面である必要もない。
その断面寸法は、サヤ管と、サヤ管内に既に挿通されて
いる送液管との隙間を通るような寸法であることが必要
である。例えば、サヤ管、送液管、緩衝材とも断面が円
形である場合には、緩衝材の最大直径は、サヤ管の内径
と送液管の外径の差に等しい。
【0013】緩衝材を挿通する場合の作業性、及び打撃
音防止効果の面から、望ましくは、断面の大きい緩衝材
を1本挿通するよりは、比較的断面の小さい緩衝材を複
数本挿通するようにする。また、挿通する際に、送液管
を損傷しないように、軟質でかつ滑り性の良い樹脂でコ
ーティングした方が望ましい。緩衝材は、送液管の全長
にわたって沿わせるのが望ましいが、水圧変動の発生
源、即ち水栓側から部分的に、例えば数メートル沿わせ
ても打撃音を防止する効果がある。それは、ウォーター
ハンマー現象が、水栓側で発生し、そこから上流に向か
って、例えば送液管が分岐されたヘッダー側に向かって
徐々に減衰して行き、ウォーターハンマー現象発生箇所
から充分に離れている送液管部分においては振動、或い
は騒音が発生しないからである。
【0014】本発明に係る望ましい実施態様では、緩衝
材の曲げ弾性率が100〜10,000kgf/mm2 である
ことを特徴とする。本実施態様は、送液管をサヤ管内に
挿入し、その後緩衝材を挿入する施工方法のサヤ管付送
液配管の打撃音防止構造に好適である。緩衝材の曲げ弾
性率が100kgf/mm2 以下の場合、サヤ管内で緩衝材が
送液管を拘束する力が不足し、ウォーターハンマーの発
生時、送液管の振動を抑制する効果が小さいからであ
り、また緩衝材を挿通する際に、緩衝材の剛性が不足
し、挿通するのが難しくなるからである。逆に、緩衝材
の曲げ弾性率が10,000kgf/mm2 以上の場合、剛性
が大き過ぎて送液管に沿ってサヤ管内に緩衝材を挿通す
ることが困難になり、また挿通する際に、送液管を損傷
する恐れがあるからである。
【0015】
【作用】本発明の上述の構成により、条状の緩衝材を送
液管に沿わせた組合体の形でサヤ管内に挿入することが
出来るので、又は先に送液管をサヤ管内に挿入し、次い
でサヤ管と送液管との間に形成された空間部にサヤ管の
入口から送液管に沿って緩衝材を挿通して行くことがで
きるので、比較的簡単に緩衝材を挿通できる。また、挿
通された緩衝材は、サヤ管内で送液管をサヤ管内壁に押
しつけるようにして送液管に沿った状態で定着し、サヤ
管の曲がり部では、送液管に沿って曲がり、しかも送液
管を大きいピッチで螺旋状に巻回するような形に自然に
なる。以上のような形態で構成されているので、ウォー
ターハンマーが発生した場合、緩衝材は送液管の振動を
抑制し、打撃音を防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照し、構成例と実施例に
基づいて本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明
に係るサヤ管付送液配管の打撃音防止構造の一構成例の
断面図、図2は別の構成例の断面図である。図3は、図
1及び図2に示すサヤ管付送液配管の打撃音防止構造の
部分断面斜視図である。
【0017】構成例1 図1に示すサヤ管付送液配管の打撃音防止構造(以下、
簡単のため打撃音防止構造と略称する)10は、図6
(a)に示すようにコンクリートスラブ内に埋設されて
いるか、または図6(b)に示すようにコンクリートス
ラブ上に露出して配設されている。打撃音防止構造10
は、サヤ管11と、サヤ管11内に挿通されている送液
管12と、送液管12に沿って挿通されている中実の棒
状緩衝材13とから構成されている。
【0018】サヤ管11は、蛇腹状に形成して可撓性を
持たせた市販の波付け管である。サヤ管11には、例え
ば、高密度ポリエチレン(HDPE)、硬質ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂
製波付け管、更に具体的には古河電気工業(株)製の
「サヤレックス」(商品名)として市販されている波付
け管を使用する。サヤ管11の寸法は、特に制約はな
く、送液管の大小に応じて例えば呼び径16、22、2
5又は28等を使用する。送液管12は、冷水、温水等
を供給するための可撓性の中空管であって、合成樹脂、
例えばポリブテン、ポリエチレン、架橋ポリエチレン等
からできた管である。具体的には、例えば古河電気工業
(株)製の「キュアレックス」(商品名)として市販さ
れているものを使用する。送液管12の寸法は、サヤ管
11に挿通できる限り制約はなく、例えば外径13mm
(呼び径10A)、17mm(呼び径13A)等である。
【0019】緩衝材13は、可撓性を有する合成樹脂
製、又は金属製の中実棒であって、例えば市販のFRP
製の棒材を使用できる。図1では、1本の緩衝材13が
挿通されているが、打撃音の防止効果を向上させるため
に複数本の緩衝材を挿通することも可能である。図3に
示すように、打撃音防止構造10の曲がり部15では、
可撓性の送液管の巻き癖のため、緩衝材13は、送液管
12に何周か螺旋状に巻きついた状態になっている。
【0020】構成例2 図2に示す打撃音防止構造20は、緩衝材21が、図1
に示す打撃音防止構造10の棒状の緩衝材13に変えて
可撓性の中空管である。その他は、図1の打撃音防止構
造10と同じである。寒冷地において、構成例2の管状
緩衝材に温水を流通させることにより、打撃音防止手段
に加えて解氷手段として構成例2を利用することも可能
である。
【0021】実施例1 図1に示す構成例1の打撃音防止構造10を鉄筋コンク
リート構造の集合住宅の図4に示すような給湯水配管に
適用した実施例1において、打撃音防止効果を測定し
た。図4に示す給湯水配管25は、給水ヘッダー26か
ら台所までの配管長約10mのサヤ管付送液配管であっ
て、台所の給水配管の終端部には、レバーの上下による
急閉止式水栓27が設けてある。配管曲がり箇所は、給
水ヘッダー立ち下がり部及び台所水栓立ち上がり部の2
か所にあり、給水圧力は、約3kgf/cm2gであった。実施
例1では、サヤ管11として古河電気工業(株)製の
「サヤレックス」(商品名)として市販されている波付
け管を、送液管12として古河電気工業(株)製の「キ
ュアレックス」(商品名)として市販されている架橋ポ
リエチレン管を、緩衝材13としてFRP製の棒(小松
化成(株)製の商品名TENSIONBAR)を使用し
た。サヤ管11、送液管12及び緩衝材13の寸法及び
緩衝材13の挿通本数は、表1に示す通りであった。
尚、サヤ管の呼び径22の内径は、22mmであり、送液
管の呼び径10Aの内径、外径は、それぞれ9.8mm、
13.0mm、呼び径13Aの内径、外径は、それぞれ1
2.8mm、17mmである。緩衝材13に使用したFRP
製の棒の曲げ弾性率は、500kgf/mm2 であって、棒の
曲げ剛性値は、直径が3mmの棒で1本当たり約200kg
f ・cm2 、直径が4mmの棒で約600kgf ・cm2 であっ
た。実施例1において、急閉止式水栓を素早く上下して
ウォーターハンマー現象を発生させ、ウォーターハンマ
ー発生時の騒音量を配管の中央部で測定し、その測定結
果を表1に示した。
【0022】実施例2〜5 実施例1とは寸法、本数等を変えた実施例2から実施例
5の場合のウォーターハンマー発生時の騒音量を測定
し、その測定結果を同じく表1に示した。
【0023】比較例 緩衝材13が挿通されていないことを除いて実施例1と
同じ比較例におけるウォーターハンマー発生時の騒音量
を測定し、その測定結果を表1に示した。
【0024】 暗騒音とは、ウォーターハンマー現象が発生していない
状態で測定した騒音値であって上の実施例3及び実施例
5では45dBA であった。従って、実施例3及び実施例
5ではウォーターハンマーによる打撃音はほぼ消音され
ており、騒音測定値は、暗騒音のみであったことを意味
する。
【0025】表1の実施例と比較例との比較から判る通
り、緩衝材を挿通していない場合には、ウォーターハン
マー発生時、75dBA の打撃音が発生するが、本発明に
係るサヤ管付送液配管の打撃音防止構造を適用した場合
には、45〜55dBA に消音されるので、ウォーターハ
ンマーが発生していることに気が付かない程度の騒音し
か実際上引き起こされない。尚、送液管をサヤ管内に挿
入し、次いで緩衝材を挿入する場合には、実施例1から
5で使用した緩衝材の曲げ剛性値程度の緩衝材を必要と
するが、緩衝材を送液管と共にサヤ管内に挿入する場合
には、より小さい曲げ剛性値でも打撃音防止の効果を奏
することを確認した。
【0026】
【発明の効果】本発明では、管状のサヤ管と、該サヤ管
内に挿通された可撓性送液管と、該送液管に沿わせて前
記サヤ管内に挿通された少なくとも1本の可撓性を有す
る管状又は棒状の緩衝材とからサヤ管付送液配管の打撃
音防止構造を形成することにより、市販の材料を使用し
てコストを低減し、かつ施工し易い、サヤ管付送液配管
の打撃音防止構造を実現している。本発明に係るサヤ管
付送液配管の打撃音防止構造を団地等の給水、給湯配管
系統に適用することにより、ウォーターハンマー現象に
よる騒音を大幅にかつ低いコストで軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサヤ管付送液配管の打撃音防止構
造の一構成例の断面図である。
【図2】本発明に係るサヤ管付送液配管の打撃音防止構
造の別の構成例の断面図である。
【図3】図1及び図2に示すサヤ管付送液配管の打撃音
防止構造の部分断面斜視図である。
【図4】図1に示すサヤ管付送液配管の打撃音防止構造
を適用した給湯水配管の斜視図である。
【図5】図5(a)、(b)及び(c)は、それぞれ従
来のサヤ管付送液配管の打撃音防止構造を示す長手方向
断面図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、それぞれサヤ管ヘッ
ダー工法で施工したサヤ管付送液配管の説明図である。
【図7】図6(a)及び(b)に示したサヤ管付送液配
管の長手方向部分断面図である。
【符号の説明】
10 本発明に係るサヤ管付送液配管の打撃音防止構造
の一実施例 11 サヤ管 12 送液管 13 緩衝材 15 サヤ管付送液配管の打撃音防止構造の曲がり部 20 本発明に係るサヤ管付送液配管の打撃音防止構造
の別の実施例 21 緩衝材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状のサヤ管(11)と、該サヤ管内に
    挿通された可撓性送液管(12)と、該送液管に沿わせ
    て前記サヤ管内に挿通された少なくとも1本の可撓性を
    有する管状又は棒状の緩衝材(13、21)とから形成
    されていることを特徴とするサヤ管付送液配管の打撃音
    防止構造。
  2. 【請求項2】 前記緩衝材の曲げ弾性率が100〜1
    0,000kgf/mm2 であることを特徴とする請求項1記
    載のサヤ管付送液配管の打撃音防止構造。
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