JP2910840B2 - プラスチック複合管 - Google Patents

プラスチック複合管

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JP2910840B2 JP16988996A JP16988996A JP2910840B2 JP 2910840 B2 JP2910840 B2 JP 2910840B2 JP 16988996 A JP16988996 A JP 16988996A JP 16988996 A JP16988996 A JP 16988996A JP 2910840 B2 JP2910840 B2 JP 2910840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を輸送するた
めのプラスチック複合管、とりわけコンクリート中に埋
め込まれた状態で流体を輸送するのに適したプラスチッ
ク複合管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、流体輸送用の管として、従来の鋳
鉄管等の鉄製の管に替わってプラスチック製の管が多く
用いられるようになってきている。このようなプラスチ
ック製の管は軽量なため取扱いが容易であり、耐蝕性も
優れているため、適用が広がってきている。
【0003】ところで、このようなプラスチック製の管
の用途の1つとして、コンクリート構造物、例えば建造
物やプラントの壁面および床面等に埋め込んで流体を輸
送することが考えられる。しかし、一般的な従来のプラ
スチック製の管をコンクリート中に埋め込んで比較的高
圧の流体を流した場合、プラスチック製管は鉄製管に比
べて剛性が大幅に低いため、プラスチック管内の流体の
圧力が高くなると半径方向に膨らもうとする。さらにこ
の場合、プラスチック管の内周面は完全な真円とはなっ
ていないため、プラスチック管の内周面は最も安定な形
状である真円形状になろうとする。このため、プラスチ
ック管周囲のコンクリートはある特定の方向に特に大き
な引っ張り荷重を受け、コンクリートは比較的容易に破
壊してしまう傾向にある。この傾向は管内の圧力変動が
急激に起きた場合に顕著であり、とりわけ流動性が良く
ない流動物を圧送する場合には圧力変動が発生しやすい
ため、その傾向はより顕著となる。
【0004】このような現象を防止するため、プラスチ
ック管の周囲を金属板等により補強した複合管構造と
し、プラスチック管内の圧力を周囲のコンクリートに伝
わらないようにすることも考えられる。しかし、このよ
うにすると大抵の場合、プラスチック管全体の可撓性が
著しく損なわれ、保管および敷設時の取扱いが困難にな
ってしまうという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、現
在のところコンクリート中に埋め込まれた状態で高圧の
流動物を輸送するのに適し、かつ十分な可撓性を有する
プラスチック管は得られていないのが実情である。
【0006】本発明は、このようなことを考慮してなさ
れたものであり、内圧により変形しにくく、変形した場
合でも荷重を外部に伝達せず、かつ十分な可撓性を有し
取扱いの容易なプラスチック複合管を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、樹脂材料からなる導管と、前記導管上に
設けられた布体層と、互いに隣接する側縁間に所定の隙
間が形成されるように前記布体層上に螺旋状に巻き付け
られた第1鋼帯と、前記第1鋼帯の側縁間の隙間を覆う
とともに互いに隣接する側縁間に所定の隙間が形成され
るように前記第1鋼帯上に前記第1鋼帯と同一の巻き付
け方向に螺旋状に巻き付けられた第2鋼帯と、前記第2
鋼帯上に設けられるとともに発泡樹脂材料からなり、前
記導管の半径方向の変形により荷重を受けた場合に変形
して、このプラスチック複合管の外径変化を抑制する緩
衝材層と、前記緩衝材層上に設けられた樹脂材料からな
る防食層と、を備え、前記導管と前記布体層との間、前
記布体層と前記第1鋼帯との間、前記第1鋼帯と前記第
2鋼帯との間、前記第2鋼帯と前記緩衝材層との間およ
び前記緩衝剤層と前記防食層との間において層間滑りが
可能となるように、前記布帯層、第1鋼帯、前記第2鋼
帯、前記緩衝材層および前記防食層が積層されているこ
とを特徴とするプラスチック複合管を提供する。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明の一
実施の形態を示す図である。
【0016】図1に示すように、プラスチック複合管1
は、樹脂材料からなる導管10と、導管10の外周面上
に設けられた布体層20と、布体層20上に巻き付けら
れた鋼製の帯体(第1鋼帯30、第2鋼帯40)からな
る補強層と、この補強層上に設けられた発泡樹脂材料か
らなる緩衝材層50と、緩衝材層50上に設けられた樹
脂材料からなる防食層60とを備えている。
【0017】このうち導管10は、略円筒形状を有し、
高密度ポリエチレン(JIS K6760に規定する高
密度ポリエチレン)からなり、略円筒形状を有してい
る。なお、導管10は、高密度ポリエチレンの他、適当
な強度、耐久性、および可撓性(柔軟性)を有する樹脂
材料、例えば中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度
ポリエチレン(LDPE)、リニアローデンシティポリ
エチレン(LLDPE)、若しくは架橋ポリエチレン
(XL−PE)、またはポリプロピレン(PP)等の樹
脂材料により形成してもよい。
【0018】また、布体層20は、図2(a)に示すよ
うに、ポリエチレン不織布からなるシート21を導管1
0の周囲を包むように巻くことにより形成されている。
シート21の両端部21a,21bは、図1(b)に示
すように、互いに重なり合わないように巻き付けられて
いる。なお、布体層20は、ポリエチレン不織布の他、
ポリエステル不織布、ポリエステルテープ、または樹脂
材料からなる不織布若しくはテープにより形成してもよ
い。
【0019】次に、補強層を構成する第1鋼帯30およ
び第2鋼帯40について説明する。第1鋼帯30および
第2鋼帯40はSUS304等のステンレス製の薄い帯
体からなる。なお、第1鋼帯および第2鋼帯はステンレ
スに限らず、ステンレス以外のスチール製の帯体により
形成してもよい。
【0020】第1鋼帯30は、図2(b)に示すよう
に、互いに重なりあう部分が無いように、すなわち互い
に隣接する側縁31a,31b間に所定の隙間が形成さ
れるように、布テープ層20上に螺旋状に巻き付けられ
ている。また図1(a)および図2(b)に示すよう
に、第1鋼帯30の幅をwとした場合、第1鋼帯30の
互いに隣接する側縁31a,31b間の隙間は、1/3
wとなっている。
【0021】また、第2鋼帯40は、図1(a)および
図2(c)に示すように、第1鋼帯30と略同一の幅w
および厚さを有している。この第2鋼帯40は、第1鋼
帯30の側縁31a,31b間の隙間を覆うように第1
鋼帯30上に螺旋状に巻き付けられており、第1鋼帯3
0および第2鋼帯40の螺旋の向きは同一となってい
る。また、第2鋼帯40も第1鋼帯30と同様に、互い
に隣接する側縁41a,41b間に所定の隙間1/3w
が形成されるように巻き付けられている。また、図1
(a)に示すように、第2鋼帯40と第1鋼帯30と
は、各々の両側縁31a,31b、41a,41b側で
互いに重なりあっているが、その重ね代、すなわち第2
鋼帯40と第1鋼帯30とが互いに重なりあう部分の長
さは、1/3wとなっている。すなわち、第2鋼帯40
の中央部は第1鋼帯30間の隙間の中央部上に位置して
いる。
【0022】また、緩衝材層50は、図2(d)に示す
ように、発泡ポリプロピレンからなるシート51を、第
2鋼帯40の周囲を包むように巻くことにより形成され
ている。また、シート51の両端は、図1(b)に示す
ように、互いに重なり合わないように巻き付けられてい
る。なお、緩衝材層50は、発泡ポリプロピレンの他、
例えば発泡ポリエチレン、発泡架橋ポリエチレン、発泡
ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂材料であ
って、クッションとして作用する材料により構成されて
いればよい。
【0023】また、防食層60は、低密度ポリエチレン
を押し出し成形により緩衝材層50の上に被覆すること
により形成されている。なお、防食層60は、低密度ポ
リエチレンの他、強度、耐久性、可撓性(柔軟性)を有
する樹脂材料から適宜選定することが可能であり、例え
ば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、リニア
ローデンシティポリエチレン、架橋ポリエチレン、およ
びポリプロピレン等の材料から選定してもよい。
【0024】また、以上説明した、プラスチック複合管
1を構成する導管10、布テープ層20、第1および第
2鋼帯30、40からなる補強層、緩衝材層50、およ
び防食層60は、接着等により相互に固着されることな
く積層されている。
【0025】次に、このような構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0026】まず、プラスチック複合管1の製造および
敷設時の作用について説明する。前述したように、導管
10の外周面上に、布テープ層20、第1および第2鋼
帯30、40からなる補強層、および緩衝材層50が順
次巻き付けられ、次いで押し出し成形により防食層60
が緩衝材層50上に形成され、プラスチック複合管1が
製造される。製造されたプラスチック複合管1は、保管
および輸送用の巻取ロール(図示せず)上に巻き付けら
れ保管される。そしてプラスチック複合管1は、現場に
搬送され敷設された後、適宜使用に供される。
【0027】この場合、前述したように、補強層が第1
鋼帯30および第2鋼帯40の2つの鋼帯から構成さ
れ、また第1鋼帯30および第2鋼帯40が互いに隣接
する側縁31a,31b、41a,41b間に所定の間
隔が形成されるように螺旋状に巻き付けられ、さらに第
1鋼帯30および第2鋼帯40は相互に固着されておら
ず互いに滑ることができる。このため、プラスチック複
合管1を容易に曲げることができ、かつ曲げた後も容易
に元の状態に復元させることができる。これに対して、
例えば、第1鋼帯30および第2鋼帯40が相互に固着
されている場合、第1鋼帯30および第2鋼帯40は実
質的に一体の筒状体となってしまうため、プラスチック
複合管1を曲げることは極めて困難となり、また曲げた
後に元の状態に復元するもの困難となる。
【0028】また、補強層が第1鋼帯30および第2鋼
帯40の2つの鋼帯から構成され、また第1鋼帯30お
よび第2鋼帯40が互いに隣接する側縁31a,31
b、41a,41b間に所定の間隔が形成されるように
螺旋状に巻き付けられているため、熱膨張等により導管
10が伸縮した場合、または運送時もしくは配管施工時
にプラスチック複合管1を曲げた場合でも、導管10が
第1鋼帯30の端縁31a,31bにより傷付けられる
ことはない。これに対して、例えば、図4(a)に示す
ように補強層が第1鋼帯30のみからなり、第1鋼帯3
0の隣接する側縁31a,31bの周辺部が互いに重な
るように巻き付けられている場合、熱膨張等により導管
10が伸縮した際、またはプラスチック複合管1を曲げ
た際に、第1鋼帯30の側縁31a,31bが導管10
に傷をつけてしまう恐れが大であるが、本実施の形態に
よれば、そのようなことはない。
【0029】さらに、第1鋼帯30の下に布体層20が
設けられているため、導管10と第1鋼帯30とが直接
接触することはない。このため、プラスチック複合管1
を曲げた場合、第1鋼帯30の側縁31a,31bによ
り導管10が損傷を受けることをより完全に防止するこ
とができる。
【0030】また、第1鋼帯30および第2鋼帯40の
重ね代が1/3wとなっているため、第1鋼帯30と第
2鋼帯40との重ね代により決定されるプラスチック複
合管1の全体の耐圧性、すなわち導管10内の圧力に対
する耐圧性を十分に確保することができる。また、プラ
スチック複合管1を大きく曲げた状態で敷設しても、図
4(b)に示すように第1鋼帯30と第2鋼帯40との
重ね代が(w,w)十分に確保されるため、敷設さ
れたプラスチック複合管1のうち曲がった部分の耐圧性
が大きく低下することはない。
【0031】以上述べたように、第1鋼帯30および第
2鋼帯40の幅が同一のwとし、第1鋼帯30および第
2鋼帯40を互いに隣接する側縁31a,31b、41
a,41b間に所定の間隔1/3wが形成されるように
螺旋状に巻き付け、第1鋼帯30および第2鋼帯40の
螺旋の向きが同一とし、かつ第1鋼帯30および第2鋼
帯40の重ね代を1/3wとすることにより、プラスチ
ック複合管1の可撓性と耐圧性とを最適に両立させるこ
とができる。また、第1鋼帯30および第2鋼帯40の
幅はともに同一のwとなっているため、プラスチック複
合管1の製造設備を簡略化することもできる。
【0032】また、第1鋼帯30および第2鋼帯40同
士のみならず、導管10、布テープ層20、補強層(第
1鋼帯30、第2鋼帯40)、緩衝材層50、および防
食層60も相互に固着されていないため、プラスチック
複合管1を曲げた場合各層間に適当な滑りが発生する。
このため、プラスチック複合管1を曲げることがさらに
容易となっている。
【0033】以上述べたように、プラスチック複合管1
は全体として十分な可撓性を有している。このためプラ
スチック複合管1を巻取ロールに容易に巻き付けること
ができ、プラスチック複合管1を保管する場合に必要な
スペースを小さくすることができるとともに、敷設現場
に容易に搬送することができる。また、プラスチック複
合管1は、容易に適当な形状に曲げることができるとと
もに一度曲げた後に元の形状に戻すことも容易であるた
め、容易にプラスチック複合管1の敷設作業を行うこと
ができる。
【0034】なお、プラスチック複合管1が直線的に敷
設されることが予めわかっている場合は、第1鋼帯30
と第2鋼帯40との重ね代を1/3wより小さい値、例
えば1/4w程度としてもよい。ただしこの場合、プラ
スチック複合管1の全体の耐圧性が低下するため、プラ
スチック複合管1の使用条件、例えば導管10内を通る
流体の圧力について留意し、かつプラスチック複合管1
の敷設方法、例えばプラスチック複合管1の周囲を覆う
部材の強度についても留意する必要がある。
【0035】次に、本発明によるプラスチック複合管1
をコンクリート中に埋め込み高圧の流体を輸送する例と
してプラスチック複合管1を下水管中に配設し、汚泥圧
送用管として使用する場合の作用について説明する。
【0036】まず、図3により、本発明のプラスチック
複合管1を適用した下水管構造体70について説明す
る。図3に示すように、下水管構造体70は、通常の下
水を流下させる下水管80と、下水管80の内周壁81
に固着されたコンクリート体90と、コンクリート体の
内部に埋め込まれた2つのプラスチック複合管1とを備
えている。
【0037】このうち、コンクリート体90は、下水管
80内部の斜め下方側に設けられ、第1段部91および
第2段部92とからなる階段状の形状を有している。こ
のコンクリート体90は、下水管80の軸方向に延びて
いる。
【0038】また、プラスチック複合管1は各々、第1
段部91および第2段部92の断面略中心位置に配置さ
れ、下水管80の軸方向に延びている。これらプラスチ
ック複合管1は各々、下水管80内周壁81の軸方向に
所定間隔をおいて設けられた複数のブラケット82によ
り位置決めされた後、コンクリート体90内に埋め込ま
れている。このように構成された下水管構造体70は、
下水管80の本体により下水を流下する一方で、プラス
チック複合管1により汚泥を圧送できるようになってい
る。
【0039】このように構成された下水管構造体70に
おいて、まず、汚泥工場を持たない下水処理場で沈殿分
離された汚泥が、下水管構造体70に設けられたプラス
チック複合管1により汚泥工場を有する下水処理場へと
圧送される。汚泥が圧送されている際、プラスチック複
合管1の導管10内の圧力が変動し導管10内部に高い
圧力が加わることがあるが、導管10の外周面側には布
体層20を介して第1鋼帯30、第2鋼帯40が設けら
れているため、導管10の半径方向の変形は最小限に抑
制される。また、第1鋼帯30および第2鋼帯40が設
けられていても、導管10内部に高い圧力が加わった場
合、第1鋼帯30および第2鋼帯40が弾性変形し、導
管10、布体層20、第1鋼帯30、および第2鋼帯4
0が、全体として若干半径方向に変形することもある。
この場合その変形はクッションとして作用する緩衝材層
50が変形して吸収するため、プラスチック複合管1が
埋め込まれているコンクリート体90に荷重が加わるこ
とはない。このため、コンクリート体90の肉厚を薄く
設定することができ、下水管80内の流路断面積の減少
を最少限とすることができる。このため、下水管80自
体の機能を損なうことなく、下水管80内に汚泥の圧送
経路を設けた下水管構造体70を得ることができる。す
なわち、本実施の形態によれば、従来から敷設されてい
る下水管をそのまま利用して汚泥の圧送経路を設けるこ
とができ、新規に下水管を敷設する場合も下水管の内径
寸法を大きくしたりすることなく汚泥の圧送経路を設け
ることができる。このため、汚泥管の敷設コストを低減
することができる。
【0040】また、コンクリート体90の経年変化等に
より、下水がコンクリート体90の目地やコンクリート
体90自体を通過してプラスチック複合管1に達するこ
とも考えられるが、プラスチック複合管1の最外周部に
樹脂材料からなる防食層60が設けられているため、プ
ラスチック複合管1内部に下水が侵入することを防止す
ることができる。
【0041】なお、本実施の形態においては、プラスチ
ック複合管1を汚泥圧送の用途に供した例を示したが、
これに限定されるものではなく、空調、給湯、または給
水用配管として建造物のコンクリート床等に埋め込んで
使用してもよい。このような用途に使用した場合も上述
した作用効果と同様に作用効果を得ることができる。更
に、発泡樹脂材料からなる緩衝層は、応力緩和機能と同
時に断熱機能も備えているので、空調用配管、給湯用配
管、給水用配管、凍結防止用配管、または結露防止用配
管等に使用することも可能である。
【0042】
【実施例】内径198mm,外径232mm,肉厚17
mmの寸法を有する高密度ポリエチレン管を導管10と
して準備し、この導管10の外周面上に目付40g/m
2,厚さ0.17mmのポリエステル不織布を巻き付
け、布体層20を形成した。次いで、幅150mm、厚
さ0.1mmのSUS304からなる帯状の第1鋼帯3
0および第2鋼帯40を準備し、布体層20の上に順次
巻き付けた。次いで、厚さ8mmの発泡ポリプロピレン
のシートを第2鋼帯40上に巻き付け、緩衝材層50を
形成した。次いで、4.0mm厚の低密度ポリエチレン
を押し出し成形により被覆し防食層60を形成し、プラ
スチック複合管1を得た。なお、緩衝材層50は防食層
60を被覆する際に圧縮されプラスチック複合管1の完
成時の厚さは略7mmとなった。この場合、布体層2
0、第1鋼帯30、第2鋼帯40、および緩衝材層50
の巻付方法は、前述した発明の実施の形態に記載した方
法に従って行った。
【0043】以上のようにして得られたプラスチック複
合管1に対して、(A)インバートクラック試験、
(B)外径変化量確認試験および(C)引き込み試験を
行った。以下、順次、試験方法および試験結果について
説明する。
【0044】(A)インバートクラック試験 (1)試験方法 前述した仕様のプラスチック複合管1を長さ5mに切断
して、両端を蓋101、102により密閉した。このプ
ラスチック複合管1を図5(a)(b)に示すようにイ
ンバート100(無筋)の中心部に埋設した。インバー
ト100は図4(b)に示すように略正方形断面を有
し、コンクリートの肉厚は縦、横の中心軸方向において
75mmとなっている。このコンクリートの肉厚は、こ
のプラスチック複合管1を下水管中に敷設する際に、プ
ラスチック複合管1の周囲を覆うコンクリートの肉厚に
ほぼ等しいものである。この試験において、インバート
100を構成するコンクリートとしては、高炉セメント
BB(強度 225 kgf/ cm2 スランプ15cm
最大骨材 20mm)を使用した。次いで、インバート
100外面の図5(a)(b)に示す位置に、歪みゲー
ジ105a〜105e(共和電業製 KC−70−12
0−A1−11)を張付けた。また、高圧水源103お
よび圧力計104を蓋101側に接続した。
【0045】次に、高圧水源103からプラスチック複
合管1の導管10内に高圧水を導入して、導管10内の
圧力を0 kgf/ cm2 〜15 kgf/ cm2 間で2分間隔
で交互に変動させた。その際、インバート100を構成
するコンクリートの破壊の有無を常時監視するとともに
歪みゲージ105a〜105eにより計測される歪み量
をモニターした。なお、15 kgf/ cm2 なる内圧は、
プラスチック複合管1により汚泥を輸送する場合に加え
られる圧力の3程度の圧力である。
【0046】なお、比較試料として緩衝材層50の無い
プラスチック複合管を準備し、上記と同様にして試験を
行った。
【0047】(2)試験結果 0 kgf/ cm2 〜15 kgf/ c2 間の圧力変動を40
0回繰り返したがコンクリートの破壊は発生しなかっ
た。また、歪みゲージ105a〜105eにより計測さ
れる歪み量も外気温度の変動に起因するドリフトの範囲
内であり、歪みは検出されなかった。一方、緩衝材層5
0の無いプラスチック複合管を用いた場合、導管10内
の圧力が9.5 kgf/ cm2 となった時点でインバート
100の上面にクラックが発生した。
【0048】(B)外径変化量確認試験 (1)試験方法 図6に示すように、前述した仕様のプラスチック複合管
1を長さ1.4mに切断して、両端を蓋111、112
により密閉した。また、高圧水源113および圧力計1
14を蓋111側に接続した。次に、高圧水源113か
らプラスチック複合管1の導管10内に高圧水を導入し
て、導管10内の圧力を順次上昇させ、0 kgf/ c
2 、7 kgf/ cm2 、10 kgf/ cm2 、15 kgf/
cm2 の各時点におけるプラスチック複合管1の外径の
変化を、図5に示す各点a〜eにおいて測定した。 (2)試験結果 試験結果を表1および表2に示す。なお、表1は第1回
目の試験結果を示し、表2は第1回目の試験を経た同一
の試料に対して再度同一の試験を行った結果を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 表1および表2に示すように、プラスチック複合管1の
外径の変化は極く僅かであった。なお、比較試料として
緩衝材層50の無いプラスチック複合管を準備し、上記
と同様にして試験を行った。試験結果を表3に示す。
【0051】
【表3】 表1および表2に示した試験結果と表3に示した試験結
果とを比較すると、導管10内の圧力同一の場合の外径
の変形量は緩衝材層50の無い方が大きくなっており、
緩衝材層50のクッション効果が確認できる。
【0052】(C)引き込み試験 (1)試験方法 本試験は、プラスチック複合管1の立坑内への引き込み
想定したものである。すなわち、図7において一点鎖線
で示される仮想の立坑120内にプラスチック複合管1
を引込むことを想定して、ガイドローラ121a〜12
1iを図7に示すように配置した。また、引込装置12
2をガイドローラ121a〜121iの下流側に配置し
た。次いで、ガイドローラ121a〜121iに沿って
プラスチック複合管1を引込装置122まで通し、引込
装置122の位置における引込力(引張力)が750 k
gfとなるように引込装置122によりプラスチック複合
管1を引込んだ。この場合、ガイドローラ121a〜1
21dにならって曲がったプラスチック複合管1の曲率
半径が5m、ガイドローラ121e〜121iにならっ
て曲がったプラスチック複合管1の曲率半径が5.5m
となるように各ガイドローラ121a〜121iを配置
した。そして、引込装置122によりプラスチック複合
管1を引込んでゆく際、防食層60の変形および導管1
0の変形の有無について位置Aおよび位置Bで確認し
た。 (2)試験結果 プラスチック複合管1は、ガイドローラ121e〜12
1iにならって引込まれてゆく際、位置Aおよび位置B
で、図8に示すように、防食層60に略20〜30mm
ピッチで略14mm高さの凸形状の変形が発生した。し
かし、引込装置122の位置にプラスチック複合管1が
到達したときには、凸形状の変形が発生した箇所のうち
略90%の部分が初期状態に回復した。残りの10%の
部分においても、コンクリートを打設した後にコンクリ
ートに悪影響を及ぼさない程度に凸形状の変形は回復し
ていた。また、導管10の変形は認められなかった。
【0053】また、ガイドローラ121a〜121dに
ならって曲がったプラスチック複合管1の曲率半径と、
ガイドローラ121e〜121iにならって曲がったプ
ラスチック複合管1の曲率半径が共に7mとなるように
各ガイドローラ121a〜121iを配置した場合、防
食層60および導管10の変形は全く発生しなかった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導管内の圧力に対する変形抵抗を十分に有し、かつ導管
内の圧力を外部に伝達しないプラスチック複合管を得る
ことができる。このため、コンクリート中に埋め込んだ
状態で使用するのに適した、プラスチック複合管を得る
ことができる。
【0055】これに加えて、本発明によるプラスチック
複合管は可撓性に優れているため、巻付ロールに巻付け
た状態で保管および搬送することができる。適当な形状
に曲げることができるため、容易に敷設作業を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック複合管の断面図。
【図2】布体層、補強層および緩衝材層の形成方法を示
す図。
【図3】プラスチック複合管を利用した下水管構造体を
示す斜視図。
【図4】鋼帯の巻き付け方が異なる場合の鋼帯の作用を
示す図。
【図5】インバートクラック試験装置のレイアウトを示
す図。
【図6】外形変化量確認試験装置のレイアウトを示す
図。
【図7】引き込み試験装置のレイアウトを示す図。
【図8】引き込み試験における防合層の変形状態を示す
図。
【符号の説明】
1 プラスチック複合管 10 導管 20 布体層 30 補強層(第1鋼帯) 31a,31b (第1鋼帯の)側縁 41a,41b (第2鋼帯の)側縁 40 補強層(第1鋼帯) 50 緩衝材層 60 防食層 70 下水管構造体 80 下水管 90 コンクリート体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−234993(JP,A) 実公 昭59−7669(JP,Y2) 実公 平5−11427(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16L 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体を輸送するたのプラスチック複合管に
    おいて、 樹脂材料からなる導管と、 前記導管上に設けられた布体層と、 互いに隣接する側縁間に所定の隙間が形成されるように
    前記布体層上に螺旋状に巻き付けられた第1鋼帯と、 前記第1鋼帯の側縁間の隙間を覆うとともに互いに隣接
    する側縁間に所定の隙間が形成されるように前記第1鋼
    帯上に前記第1鋼帯と同一の巻き付け方向に螺旋状に巻
    き付けられた第2鋼帯と、 前記第2鋼帯上に設けられるとともに発泡樹脂材料から
    なり、前記導管の半径方向の変形により荷重を受けた場
    合に変形して、このプラスチック複合管の外径変化を抑
    制する緩衝材層と、 前記緩衝材層上に設けられた樹脂材料からなる防食層
    と、を備え、 前記導管と前記布体層との間、前記布体層と前記第1鋼
    帯との間、前記第1鋼帯と前記第2鋼帯との間、前記第
    2鋼帯と前記緩衝材層との間および前記緩衝剤層と前記
    防食層との間において層間滑りが可能となるように、前
    記布帯層、第1鋼帯、前記第2鋼帯、前記緩衝材層およ
    び前記防食層が積層されていることを特徴とするプラス
    チック複合管。
  2. 【請求項2】前記第1鋼帯と前記第2鋼帯は同一の幅を
    有し、 前記第1および第2鋼帯の各々の互いに隣接する側縁間
    の隙間は、前記第1および第2鋼帯の幅の略1/3であ
    り、 前記第1鋼帯と前記第2鋼帯との重ね代は、前記第1お
    よび第2鋼帯の幅の略1/3であることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラスチック複合管。
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