JPH06220538A - 生産性の高い連続鋳造スラブを用いた方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
生産性の高い連続鋳造スラブを用いた方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH06220538A JPH06220538A JP13239491A JP13239491A JPH06220538A JP H06220538 A JPH06220538 A JP H06220538A JP 13239491 A JP13239491 A JP 13239491A JP 13239491 A JP13239491 A JP 13239491A JP H06220538 A JPH06220538 A JP H06220538A
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Abstract
おいて、運続鋳造機にて倍尺鋳造後、縦断して得たスラ
ブを熱延に先立って行なう加熱工程で、スラブ切断面同
志間の接触面での融着を防ぐことを目的とする。 【構成】 方向性電磁鋼板製造の基本現象である二次再
結晶発現には、インヒビターと呼ばれる微細析出物が必
要であり、MnSは一般的に使われている。ところが、
Sはスラブ厚中心域に偏析し、又Siを含む場合はスラ
ブ厚み縦方向にも偏析し、その最大値は溶鋼Sの2倍以
上になる。スラブ縦断面同の接触面で生成するFe−O
−(Si)系の酸化物はこのS濃厚部で低融点化し、融
着が促進される。溶鋼Sを0.014%以下にすれば融
着しない。二次再結晶に必要なインヒビターとしてAl
N,(Al、Si)Nを利用することが望ましい。
Description
いられる軟磁性材料としての方向性電磁鋼板の製造に係
るものであり、連続鋳造機にて倍尺鋳造し、これを縦断
して得たスラブを供給素材として用いる製造方法におい
て、熱延に先だって行なわれるスラブ加熱工程でのスラ
ブ端面の融着を防ぐ方法に関するものである。
程度のスラブと成し、連続式加熱機により加熱後、熱延
による熱延板製品とする方法、あるいは熱延板をさらに
冷延、焼鈍により薄板製品とする方法、あるいは熱延
板、冷延板、焼鈍板にメッキ処理により表面処理板製品
とする方法等を採用している一貫処理鉄鋼業において、
その鋼板幅が広いほど生産効率が高いこと、また使用時
に必要な最大鋼板幅を考慮して、標準的には6フィート
前後で製造可能な設備仕様になっている。
いられる軟磁性材料である一方向性電磁鋼板は、第1に
使用される時の最大幅が3フィート前後あれば全ての場
合に対応出来ること、第2に製造上の問題、すなわち1
200℃程度に温度を上げた高温仕上焼鈍で鋼板形状の
平坦さを確保出来ないことから幅3フィート前後のスラ
ブ(前述の普通鋼を倍尺と呼び、この電磁鋼用スラブを
単尺と呼ぶ)で鋳造し、熱延し、供給素材とすることが
行なわれている。
多大の設備費を投じた連続鋳造機の能力を半分しか使用
しないことになり極めて生産効率が悪い。また、通常S
iを含む一方向性電磁鋼板用スラブは熱伝導率が悪いた
め鋳造時に割れが生じ易いため、鋳造引き抜き速度をS
iを含まない一般鋼に比べ遅くしているので、一層生産
能率が悪くなっている。
ブと成し、これを幅方向中心部でガス溶断、または機械
切断により2分割して単尺幅スラブとして、熱延する方
法が考えられた。しかしながら、この方法には特開昭5
8−217633号公報に述べられている問題が生じ
る。
って加熱することは、熱延中の鋼板耳荒れ発生となるこ
とから、前後スラブの間に間隔をとらないで接触させな
いことが行なわれているが、この方法において縦断して
単尺としたスラブを用いると切断面同志の接触面でスラ
ブ同志の融着が生じる。そこで特開昭58−21763
3号公報では切断面同志の接触が生じないように、切断
単尺スラブを1本おきに前後を反転して加熱炉に装入す
る方法を提案している。この方法では、重量物でありし
かもSiを含有して割れ易いスラブを反転するという作
業が必要となり、生産上の問題となる。
ブ融着現象の原因について、新たな観点から解明を行な
い、融着の極めて起り難い条件を見い出し、これにより
スラブ縦断面同志が接触した状態で加熱しても融着が無
く、特にスラブ反転といった繁雑な作業を必要としない
方法を開発することを目的とする。
ては、電磁鋼用溶鋼を連続鋳造プロセスにおいて倍尺
(2倍幅)のスラブに鋳造した後、幅方向において分割
切断したスラブを、加熱した後熱間圧延し、焼鈍と冷間
圧延を組合せて最終板厚とし、次いで、脱炭焼鈍、焼鈍
分離剤塗布、仕上焼鈍して二次再結晶させて{110}
<001>方位粒からなる一方向性電磁鋼板、または
{100}<001>方位粒からなる二方向性電磁鋼板
を製造する方法において、鋼中のSを、重量で、0.0
14%以下としたスラブを出発材とすることによりスラ
ブ加熱時の幅方向分割縦断面の融着を防止するようにし
たことを特徴とするものである。以下に本発明を詳細に
説明する。
>、二方向性電磁鋼板{100}<001>は適切な焼
鈍と冷延を組合せた鋼板、例えば一方向性電磁鋼板では
熱延板を焼鈍後に80%以上の圧下率で冷延する方法、
あるいは熱延板を中間焼鈍をはさんで2回冷延する方
法、二方向性電磁鋼板では熱延板を焼鈍後に一方向に第
1回の冷延を行ないさらにその直角方向に第2回目のク
ロス冷延を行なう方法等で得られた鋼板を1200℃迄
の高い温度で焼鈍し、この過程で所望の結晶粒のみを優
先的に成長させる、いわゆる2次再結晶現象を用いて製
造される。
ために、インヒビターと呼ばれる微細析出物を2次再結
晶前の鋼板中に存在させておく必要がある。微細析出物
としてMnS,MnSe,AlN,(Al,Si)N等
が、またその付加的効果も狙ったSn,Sb,As等の
粒界型元素も知られている。特にMnSは必須な析出物
として基盤的に使用されている。
性電磁鋼板として3種類ある。第1はエム・エフ・リッ
トマンによる特公昭30−3651号公報に示された二
回冷延工程でMnSを用いて得られる鋼板、第2は田
口、板倉による特公昭40−15644号公報に示され
た強冷延率の一回冷延工程でAlNとMnSを用いて得
られる鋼板、第3は今中等による特公昭51−1346
9号公報に示された二回冷延工程でMnS(または、お
よびMnSe)およびSbを用いて得られる鋼板であ
る。
においてMnSの存在が有効、必須であると考えられて
おり、特開昭58−217633号公報で問題にしたス
ラブ融着も、このような方向性電磁鋼板を製造する過程
で発生していた。本発明者は、もっとも高磁束密度の得
られる特公昭40−15644号公報に準じた製造方法
において発生する融着現象を研究した結果、新たな知見
を得、これにより本発明を完成した。重量で、0.06
%C,3.10%Si,0.07%Mn,0.026%
S,0.030%Al,0.008%Nを含む厚さ25
0mmのスラブを縦断し、面を接触させて加熱し、その
昇熱途中のサンプルを引き出しながら接触面を分析して
みると、雰囲気制御をしないガス加熱で通常生成する酸
化物であるファイアライト2FeO・SiO2を主成分
とするスケールの融点である1205℃以下の1150
℃前後からすでに融着の前駆現象のような部分が観察さ
れ、その部分のS量は鋼中S量よりかなり多く、0.0
46%程度であった。その後、加熱温度が上るにつれ
て、融着部が拡がり、両スラブを離すことが困難になっ
た。
系で生成するスケールとして融点の低いファイアライト
またはSが高濃度に存在していた部位で、状態図からも
推測されるように、さらに融点が下り、融着が生じ易く
なっているものと考えられる。
を凝固させると、凝固初期に比べ終期の中心部にはS濃
厚偏析帯が生じることは一般に良く知られている。これ
に加えて、Siを含む場合、熱伝導率が悪くなるため凝
固冷却中にスラブ厚み方向での温度差が大きくなり、熱
応力が大になって割れが入り易く、その割れ部にS濃厚
の溶鋼が流れ込み、S偏析帯が生じる。その1例とし
て、EPMAでSを点分析し、その値を画像処理でSの
分布として示した図を図1に示した。
mm厚スラブのマクロ組織を示す図であり、同図(b)
は上記スラブの測定範囲40mm厚部分のEPMA分析
によるS分布状況を示す図である。この図に示すように
Sは厚み方向で若干の傾きを持った状態で分布している
ことが分った。またこの調査で、Sはスラブ断面で中心
部にさらにSi量が増えると厚み方向1/4位置近傍に
偏析し、その最大値は初期溶鋼Sの2倍以上にも達する
ことが分った。
原因として、スラブを一度切断してS偏析帯を表面に出
し、その後両者を接触させて加熱した場合、Fe−Si
と加部雰囲気中の酸素が反応して生成する酸化物が、高
濃度S部で一層低融点となったためと考えた。
結晶に必要なインヒビターとしてAlNを含み、さらに
Sを含む場合と、含まない場合での融着状況を検討し
た。成分として(A)0.063%C,3.05%S
i,0.080%Mn,0.027%S,0.028%
酸可溶性Al,0.0080T,N、(B)0.060
%C,3.07%Si,0.080%Mn,0.007
%S,0.030%酸可溶性Al,0.0082%T,
Nを含む2種類の溶鋼を連続鋳造機で200mm厚、幅
2000mのスラブとなし、中心をガス切断して2等分
とした。さらにこれを1.00kg程度に小さく切断
し、ガス切断した中心部同志を接触させた状態で、11
50℃、1270℃、1370℃でそれぞれ1時間均熱
加熱した後にその接触面での融着状況を調査し、その融
着領域面積を図2に示した。Sの少ない(B)スラブで
は殆んど融着しないが、Sの多い(A)スラブは温度が
高くなると急激に融着し、1370℃の温度では一部ガ
ス切断しないと離れなかった。
ところ、Sの少ない(B)スラブでは殆んど鋼板耳荒れ
が無かったのに対し、Sの多い(A)スラブで1270
℃加熱機ではガス縦断面側に大きな耳荒れが発生した。
また、1370℃加熱材ではスラブ同志を離すのに時間
を要し、温度が下ってしまい、熱延できなかった。
する。まず素材成分であるが、本発明の目的であるスラ
ブ加熱時の融着を防ぐためにはSが0.014%以下
(以下全て重量%である)である事が必須である。この
範囲であれば、スラブ抽出時にスラブを離間することは
可能であり、又熱延板耳荒れも工場量産に耐える程度で
ある。Sは少ないほど融着は軽減されるが、二次再結晶
に必要なインヒビターが少なくなるため二次再結晶が不
良になり、0.007%以下になると二次再結晶は実質
的に起らない。
ヒビターとして、AlN,(Al,Si)Nを利用する
ことが望ましい。AlNを利用する場合には酸可溶性A
l:0.008〜0.055%、T,N:0.0035
〜0.0095%を含有させる必要があり(Al,S
i)Nを利用するためには酸可溶性Al:0.008〜
0.055%、Si:0.8〜4.8%とし、後工程で
鋼板外から窒化処理する必要がある。
が、(Al,Si)N系インヒビターを形成させる場合
を除いて、必ずしも限定する必要は無い。上記成分で限
定された溶鋼は連続鋳造機で鋳造される。鋳造厚みは通
常200mm程度であり、厚くなるほどS偏析が大とな
り本発明の効果は顕著となる。鋳造幅は約6フィートの
倍尺幅であり、鋳造後に幅中心部で縦断して2等分す
る。その切断法として種々提案されているが、本発明で
対象とする方向性電磁鋼板のように一般的にSiを含有
している場合には割れ易いので機械的切断でなく、ガス
切断のような熱的切断が好ましい。
すること無くそのままの順番で連続式加熱炉に装入され
る。当然のことながら、融着は問題ないのでスラブ側面
を接触させて装入させることによって、鋼板耳荒れを少
なくすることが可能である。この時のスラブ加熱温度が
高いほど融着する傾向にあるので、本発明の効果は高温
加熱でより発揮される。
の融点は約1200℃であるので、この温度近傍から融
着が発生し始め、本発明の価値もこの温度以上での加熱
で確かなものになる。スラブ加熱後に熱延される。融着
したスラブを熱延すると、融着部が鋼板耳荒れ原因とな
り、歩留り低下となる。またひどい場合には熱延中の板
破断原因となる。
性電磁鋼板となる。まず{110}<001>方位を持
つ一方向性電磁鋼板であるが、インヒビター形成元素で
ある本発明ではSを0.014%以下にするため、Mn
Sのみを利用する特公昭30−3651号公報の二回冷
延法では二次再結晶が不良で磁束密度は低い。しかし、
Sが0.008%以上あれば二次再結晶は生じる。この
二回冷延法でも、MnS以外のAlN,Tin,(A
l,Si)N,B,NbN等のインヒビターで二次再結
晶をより安定化させることは採用できる。
強冷延法は磁束密度が高く、方向性磁性鋼板製造法とし
て優れているので、本発明を適用して、磁束密度は若干
下回るものの連続鋳造工程の生産性向上効果を享受する
ことができる。この一回強冷延工程の場合、二次再結晶
させるためにインヒビター形成元素である酸可溶性A
l:0.008〜0.055%,T,N:0.0035
〜0.0095%にする必要がある。融着原因がSの偏
析部の存在にあるという本発明の新知見を適用する工程
として、特公昭62−45285号公報に基づく方法は
最っとも適切である。すなわち、この方法では鋼中Sを
少なく限定する条件下で、むしろ二次再結晶が良好にな
るからである。本発明の特許請求範囲第4項は基本的に
は特公昭62−45285号公報に基づくが、必ずしも
最高級では無いが二次再結晶に必要な最低限の条件とし
て酸可溶性Al:0.008〜0.055%,Si:
0.8〜4.8%を本発明範囲とする。
向性電磁鋼板であるが、その冷延、焼鈍工程は特公昭3
5−2657号公報に述べられているクロス冷延法を採
る。このクロス冷延法により二方向性電磁鋼板を製造で
きるインヒビター条件は、今までに特公昭35−265
7号公報のAlNと、特公平1−43818号公報で示
唆された窒化処理により形成した(Al,Si)Nの2
種類である。本発明は、この2種類の製造方法に、Sを
0.014%以下にすることによる融着解消効果を適用
することとする。
n:0.087%,P:0.015%,S:0.011
%、酸可溶性Al:0.003%を含む250mm厚×
1.8m幅の倍尺連続スラブを、ガスにより中央部で切
断して単尺スラブとなし、ガス加熱連続炉で1310℃
に加熱後、2.3mm厚の熱延板とした。ガスで縦断し
た面同志の接触側も、また鋳造面もいずれも融着なく良
好であった。この板を0.70mmに冷延し、830℃
×120sec焼鈍し、0.35mm厚に冷延し、湿水
素雰囲気中で脱炭焼鈍し、MgOを塗布後、1200℃
×10時間の高温仕上焼鈍を行なった。この時のB8は
1.82Tであり、二次再結晶した一方向性電磁鋼板と
なった。
2.93%,Mn:0.078%,P:0.014%、
酸可溶性Al:0.027%,T,N:0.0085%
を含有し、またS:0.007%である溶鋼を連続鋳造
により250mm厚×1.8m幅の倍尺スラブとし
(A)、そして鋳造途中で溶鋼にS:0.028%にな
るだけのSを添加して、鋳造(B)した。この(A),
(B)のスラブをガスにより中央部で切断して単尺スラ
ブとなし、ガス加熱連続炉で1320℃に加熱後、2.
3mm厚の熱延板とした。(A)スラブのガス縦断した
面同士の接触側では融着部が数%見られ、熱延板の端部
に耳荒れが発生した。これに対し、(B)スラブは融着
もなく、良好熱延板が得られた。この2種類の熱延板を
1080℃×2分の焼鈍後、0.35mm厚に冷延し、
湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し、MgOを塗布後、120
0℃×20時間の高温仕上焼鈍を行なった。この時のB
8は (A)スラブ 1.93T (B)スラブ 1.90Tであった。(B)スラブのB
8は(A)スラブに比べ低いが、連続鋳造の生産性アッ
プ、熱延板の耳荒れ解消による歩留向上から生産コスト
は良くなった。
3.35%,Mn:0.13%、酸可溶性Al:0.0
30%,S:0.007%,T,N:0.0065%を
含有する溶鋼を連続鋳造により250mm厚×1.8m
幅の倍尺スラブとし、ガスにより中央部で切断して単尺
スラブとした。このスラブを(A)1150℃、(B)
1250℃、(C)1350℃にそれぞれ加熱後、2.
3mm厚の熱延板とした。ガス縦断した面同志の接触側
の融着程度は、スラブ加熱温度が高くなると若干増える
傾向にあるが、それは問題にならない程度であり、熱延
板の耳荒れに対してもほとんど差とならない。
後、0.35mm厚に冷延し、湿水素雰囲気中で脱炭焼
鈍し、アンモニア含有雰囲気中で0.0210%Nまで
窒化焼鈍し、MgOを塗布後、1200℃×20時間の
高温仕上焼鈍を行なった。この時のB8は (A)熱延板 1.91T (B) 〃 1.91T (C) 〃 1.90Tであり、ほゞ同一B8であ
った。
熱延板について、1050℃×2分の焼鈍後、熱延と同
一方法に0.90mm厚まで冷延し、さらにこの冷延方
向と直角方向に0.40mm厚まで冷延した。その後、
湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し、MgOを塗布後、120
0℃×20時間の高温仕上焼鈍を行なった。この時のB
8は
方向性電磁鋼板は、スラブ加熱後の融着が無く、熱延板
の耳荒れも発生しないという製造上の効果はもちろん、
品質上においても高磁束密度が得られた。
熱延板について、1080℃×2分の焼鈍後、熱延と同
一方向に0.90mm厚まで冷延し、さらにこの冷延方
向と直角方向に0.40mm厚まで冷延した。その後、
湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し、アンモニア含有雰囲気中
で0.0180%Nまで窒化焼鈍しMgOを塗布後、1
200℃×20時間の高温仕上焼鈍を行なった。この時
のB8は
尺スラブとしたスラブを用いてスラブ加熱時の融着も無
く、又熱延板の耳荒れも発生しなかったし、品質的にも
高磁束密度二方向性電磁鋼板が得られた。
の2倍の幅でスラブとなし、その中心を切断して単尺と
したスラブを逐次連続して加熱炉に装入して加熱して
も、その縦断面同士の接触面で融着を生じなくなるの
で、連続鋳造の生産性が向上し、縦断面同志の接触で生
じる融着を防ぐためスラブを反転するといった繁雑な作
業をせずに、品質的にも良好な一方向性電磁鋼板、二方
向性電磁鋼板が得られる。
の一部についてEPMA分析によりS分布状況を示した
図である。
着領域面積に及ぼす溶鋼S含有量とスラブ加熱温度の影
響を示した図である。
方向性電磁鋼板の製造方法
用いられる軟磁性材料である方向性電磁鋼板に関するも
のであり特に、溶鋼を連続鋳造してスラブを得るに際
し、倍尺幅(2倍幅)に鋳造し、これを幅方向において
分割すべく縦断して得たスラブを出発材として方向性電
磁鋼板を製造する方法において、熱間圧延に先立つスラ
ブ加熱段階においてスラブの幅方向分割縦断面相互間の
融着を防止する方法に関するものである。
を連続鋳造機によって100〜300mm厚さのスラブに
鋳造した後、連続式加熱炉によって加熱し、次いで、熱
間圧延して熱延板製品とする方法、或は熱延板をさらに
冷間圧延、焼鈍して冷延薄板製品とする方法さらに、熱
延板、冷延薄板、焼鈍板にめっきを施して表面処理鋼板
とする方法等が一貫製鉄所において採用されている。こ
れらの製造方法にあっては、鋼板(ストリップ)幅が広
いほど生産性を高くすることができる。また、製品をユ
ーザにおいて使用される場合の必要最大幅を考慮して、
鋼板製造メーカーにおいては、標準的には6フィート
(1828.8mm)幅の鋼板(ストリップ)を加工或は
処理できるような製造設備を設けている。
られる軟磁性材料である一方向性電磁鋼板は、製品をユ
ーザにおいて使用される場合の必要最大幅が3フィート
(914.4mm)前後である。また、一方向性電磁鋼板
の製造プロセスにおける高温仕上焼鈍工程においては、
ストリップコイルが1200℃といった高温域で長時間
保持されるから、3フィートを超える広幅の鋼板(スト
リップ)では、製品の形状(平坦さ)を良好なものとす
ることができない、という問題が一方において存在す
る。これらの理由から、従来、方向性電磁鋼板は、3フ
ィート前後の幅のスラブを出発材として製造されてき
た。
尺幅と呼び、3フィート幅の電磁鋼用スラブを単尺幅と
呼んでいる。方向性電磁鋼板の製造プロセスにあって
は、このような単尺幅のスラブを出発材料とする処か
ら、多大の設備費を投じた連続鋳造機の能力を半分しか
稼働させないこととなり、生産性を極めて低いものとし
ている。
板製造用のスラブは、熱伝導率が低いから連続鋳造時に
割れを生じ易い。このため、溶鋼を連続鋳造してスラブ
とする過程で、Siを含有しない普通鋼の連続鋳造にお
ける鋳片引き抜き速度に比し、より低い鋳片引き抜き速
度としているから、この面からも生産性を低いものとし
ている。
は所謂倍尺幅で溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片(スラ
ブ)を幅方向中心部でガス切断或は機械的に切断するこ
とによって幅方向において2分割して単尺幅スラブと
し、これを熱間圧延する方法が考えられた。しかしなが
ら、前記方法によるときは、特開昭58−217633
号公報に記載されている問題を惹起する。即ち、熱間圧
延工程におけるスラブ加熱段階で、前後のスラブの間隔
を設けることなく接触した状態でスラブが加熱されるか
ら、幅方向において切断、分割して単尺幅としたスラブ
の場合、スラブ相互間で融着を生じる。スラブ加熱段階
で、前後のスラブの間隔を設けることなく接触した状態
でスラブを加熱するのは、間隔を置いてスラブを加熱す
ると、熱間圧延中にストリップの耳荒れ発生を招くから
である。
には、スラブの幅方向における切断、分割面相互が接触
しないよう、切断単尺スラブを1本おきに前後を反転さ
せて加熱炉に装入することが提案されている。この方法
による場合、大重量かつSiを多量に含有して割れ易い
スラブを1本おきに反転させるという作業を伴うから、
生産性を低くする。
程においては所謂倍尺幅で溶鋼を連続鋳造し、得られた
鋳片(スラブ)を幅方向において2分割して単尺幅スラ
ブとし、これを熱間圧延する段階を含む方向性電磁鋼板
の製造プロセスにおいて、スラブ加熱段階でスラブ1本
おきに前後を反転させることを必要とせず、前後のスラ
ブの間隔を置くことなく融着を生ぜしめずに加熱するこ
とができる方向性電磁鋼板の製造方法を提供することを
目的とする。
ては、(1)電磁鋼用溶鋼を連続鋳造プロセスにおいて
倍尺幅(2倍幅)のスラブに鋳造した後、幅方向におい
て分割切断したスラブを加熱した後熱間圧延し、焼鈍お
よび冷間圧延を組合せ施して最終板厚とし、次いで、脱
炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布、高温仕上焼鈍を施して二次再
結晶させて{110}<001>方位からなる一方向性
電磁鋼板を製造する方法において、鋼中のSを重量で、
0.014%以下としたスラブを出発材とすることによ
りスラブ加熱時にスラブの幅方向分割縦断面相互の融着
を防止するようにしたこと、(2)電磁鋼用溶鋼を連続
鋳造プロセスにおいて倍尺幅(2倍幅)のスラブに鋳造
した後、幅方向において分割切断したスラブを加熱した
後熱間圧延し、焼鈍ならびに一方向冷間圧延およびこれ
に直交するクロス方向の冷間圧延を組合せ施して最終板
厚とし、次いで、脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布、高温仕上
焼鈍を施して二次再結晶させて{100}<001>方
位からなる一方向性電磁鋼板を製造する方法において、
鋼中のSを重量で、0.014%以下としたスラブを出
発材とすることによりスラブ加熱時にスラブの幅方向分
割縦断面相互の融着を防止するようにしたこと、(3)
上記(1)または(2)において、鋼中成分として、さ
らに重量で、酸可溶性Al:0.008〜0.055
%、total N:0.0035〜0.0095%を含有す
るスラブを用い、AlNを二次再結晶に必要なインヒビ
ターとして機能せしめること、および(4)上記(1)
または(2)において、鋼中成分として、さらに重量
で、酸可溶性Al:0.008〜0.055%、Si:
0.8〜4.8%を含有するスラブを用い、最終冷間圧
延以降高温仕上焼鈍における二次再結晶発現までの間の
何れかの段階で鋼板を窒化処理して(Al,Si)N系
の析出物を形成し、これをインヒビターとして機能せし
めることを特徴とするものである。
は、分割単尺幅スラブを加熱するときの上記スラブ融着
現象の原因について、新たな観点から解明を行い、スラ
ブ融着が極めて起こり難い条件を見出し、この知見に基
づいて、スラブの縦断面相互が接触した状態で加熱して
も融着がない方向性電磁鋼板の製造プロセスを確立する
ことに成功した。本発明によれば、スラブを1本おきに
前後を反転させるといった煩雑な作業を必要とせず、生
産性を大きく向上せしめ得る。
001>方位をもつ)および二方向性電磁鋼板({10
0}<001>方位をもつ)は、適切な焼鈍と冷間圧延
を組合せて製造される。たとえば、一方向性電磁鋼板
は、スラブを熱間圧延して得られる熱延板を焼鈍した
後、80%以上の圧下率を適用する冷間圧延を施して最
終板厚とするプロセス或は熱延板を中間焼鈍を挟む2回
の冷間圧延工程によって最終板厚とするプロセスによっ
て得られた冷延板に脱炭を兼ねる一次再結晶焼鈍施し焼
鈍分離剤を塗布し巻き取ってストリップコイルとした
後、高温仕上焼鈍工程において1200℃までの高温域
で焼鈍し、この過程で所望の結晶粒のみを優先的に成長
させる、所謂二次再結晶現象を用いて製造される。
て得られる熱延板を焼鈍した後、一方向に第1回の冷間
圧延を施し、次いで、第1回の冷間圧延方向に直角な方
向に第2回目の冷間圧延を施して最終板厚とするプロセ
スによって得られた冷延板を脱炭を兼ねる一次再結晶焼
鈍し焼鈍分離剤を塗布し巻き取ってストリップコイルと
した後、高温仕上焼鈍工程において1200℃までの高
温域で焼鈍し、この過程で所望の結晶粒のみを優先的に
成長させる、所謂二次再結晶現象を用いて製造される。
而して何れの製造プロセスにおいても、インヒビターと
呼ばれる微細析出物を二次再結晶発現前の材料(鋼板)
に存在させておく必要がある。インヒビターとして機能
する微細析出物として、MnS,MnSe,AlN,
(Al,Si)N等が知られている。また、その付加的
効果も狙って、Sn,Sb,As等の粒界析出型元素も
インヒビターとして用いられることが知られている。
盤的に使用されている。現在、工業生産されている方向
性電磁鋼板の製造方法として3つの技術がある。第1
は、M. F. Littmannによって特公昭30−3651号公
報に開示された、熱延板を2回の冷間圧延工程によって
最終板厚とし、高温仕上焼鈍工程における二次再結晶に
おいてインヒビターとしてMnSを用いる製造プロセス
である。
15644号公報に開示された、熱延板を1回の強圧下
冷間圧延工程によって最終板厚とし、高温仕上焼鈍工程
における二次再結晶においてインヒビターとしてAlN
+MnSを用いる製造プロセスである。第3は、今中ら
によって特公昭51−13469号公報に開示された、
2回の冷間圧延工程によって最終板厚とし、高温仕上焼
鈍工程における二次再結晶においてインヒビターとして
MnS(および/またはMnSe)+Sbを用いる製造
プロセスである。
方法にあっては、MnSの存在が必須でありまた有効で
あると考えられてきた。特開昭58−217633号公
報において問題として指摘されている切断、分割単尺幅
スラブの縦断面相互間の融着も、このような、MnSの
存在を必須とする従来の方向性電磁鋼板の製造方法の中
で惹起していた。
が得られる、特公昭40−15644号公報に開示され
ている製造プロセスに準じた製造プロセスにおいて発生
する切断、分割単尺幅スラブの縦断面相互間の融着現象
を研究した結果、新たな知見を得、本発明を完成するに
至った。重量で、C:0.06%,Si:3.10%,
Mn:0.07%,S:0.026%,Al:0.03
0%,N:0.0080%を含む倍尺幅スラブを、幅方
向中央で縦断して単尺幅スラブとし、縦断面相互を接触
させて加熱しながら、該接触面を分析してみると、雰囲
気制御をしないガス燃焼加熱において通常生成する酸化
物であるファイアライト(2FeO・SiO2 )を主成
分とするスケールの融点である1205℃以下の115
0℃前後から既に融着の前駆現象のような部分が観察さ
れ、その部分のS量は鋼中S量よりもかなり多く、0.
046%程度であった。その後、加熱温度が上昇するに
つれて融着部が拡がり、両方のスラブを離すことが困難
となった。
縦断面相互の接触面でのFe−Si−O系で生成するス
ケールとして、融点の低いファイアライトが、状態図か
らも推測されるように、Sが高濃度に存在していた部位
でさらに融点が低くなり、融着が生じ易くなっているも
のと考えられる。ところで、よく知られているように、
連続鋳造過程でSを含有する溶鋼を凝固させると、凝固
初期に比し凝固終期の鋳片の厚さ方向中心部にはSの濃
厚偏析帯が生じる。これに加えて、Siを含む溶鋼を連
続鋳造する場合、熱伝導率が小さくなるため、凝固、冷
却中にスラブの厚さ方向における温度差が大きくなり、
このことに起因して熱応力が大きくなって鋳片に割れを
生じ易く、その割れ部にSが濃化した溶鋼が流れ込みS
偏析帯を生じる。その一例として、図1に、EPMAで
Sを点分析し、その値を画像処理してSの分布として示
す。
mm厚スラブのマクロ組織を示す図であり、同図(b)は
上記スラブの測定範囲40mm厚部分のEPMA分析によ
るS分布状況を示す図である。この図に示すようにSは
鋳片(スラブ)の厚さ方向において若干の傾きをもった
状態で分布していることが分る。この調査によって、S
はスラブ断面における中心部に、さらにSi量が増すと
鋳片厚さ方向1/4近傍に偏析し、その最大値は初期溶
鋼中のS含有量の2倍以上に達することが分った。これ
らの知見から、発明者は、スラブの融着の原因を、スラ
ブを一旦縦断してS偏析帯を表面に出し、その後両者を
接触させて加熱させると、Fe−Siと加熱雰囲気中の
酸素が反応して生成する酸化物が高濃度S部で一層低融
点となるためであると考えた。前記知見に基づいて発明
者は、二次再結晶に必要なインヒビターとしてAlNを
機能せしめ、さらにSを含む場合と含まない場合におけ
るスラブの融着状況を調べた。鋼成分として、(A)重
量で、C:0.063%,Si:3.05%,Mn:
0.080%,S:0.027%,酸可溶性Al:0.
028%,total N:0.0080%、残部:Feおよ
び不可避的不純物(B)重量で、C:0.060%,S
i:3.07%,Mn:0.080%,S:0.007
%,酸可溶性Al:0.030%,total N:0.00
82%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる2種
類の溶鋼を、連続鋳造して200mm厚さ×2000mm幅
のスラブとし、これをガス火炎によって縦断し1000
mm幅の単尺幅スラブとした。さらにこれを100kg程度
に小さく切断し、切断面相互が接触する状態で、115
0℃,1270℃,1370℃にそれぞれ1時間、加
熱、灼熱した後、各接触面における融着状況を調査し
た。この融着領域面積を、鋼成分系別に第2図に示す。
S含有量が少ない(B)成分系スラブにおいては殆ど融
着しないが、S含有量が多い(A)成分系スラブにおい
ては、温度が高くなると急激に融着し、1370℃に加
熱、灼熱したスラブはガス切断によらなければ分離でき
なかった。
さのストリップとした処、S含有量が少ない(B)成分
系スラブにおいては殆ど耳荒れを生じなかったのに対
し、S含有量が多い(A)成分系スラブにおいては12
70℃加熱材ではガス火炎による縦断面側に大きな耳荒
れを生じた。また、1370℃加熱材においては、スラ
ブ相互を分離するのに時間を多く要してスラブの降温が
著しく熱間圧延できなかった。
を説明する。先ず、成分組成については、本発明の目的
である、倍尺幅スラブを縦断して単尺幅スラブとしたも
のを、縦断面相互を接触させて加熱するときに融着を生
じないようにするためには、S含有量が0.014%以
下であることが必須である。S含有量がこの範囲内であ
れば、加熱炉からスラブを抽出するときにスラブを離間
せしめることが可能でありまた、熱間圧延時にストリッ
プの耳荒れも工業的量産に耐えられる程度に軽微であ
る。
段階における融着は軽減されるけれども、二次再結晶に
必要なインヒビターが少なくなるため二次再結晶不良と
なり、S含有量が0.007%未満になると二次再結晶
は実質的に起こらない。この二次再結晶不良を解消する
ため、インヒビターとしてAlN,(Al,Si)Nを
機能させることが望ましい。AlNをインヒビターとし
て利用する場合は、酸可溶性Al:0.008〜0.0
55%,total N:0.0035〜0.0095%を含
有せしめる必要がある。
用する場合は、酸可溶性Al:0.008〜0.055
%,Si:0.8〜4.8%とし、最終板厚まで冷間圧
延した後から高温仕上焼鈍工程における二次再結晶発現
までの何れかの段階で鋼板(ストリップ或はストリップ
コイル)を窒化処理してNを鋼中に付加する必要があ
る。
特性が向上する(鉄損値が低くなる)。(Al,Si)
Nをインヒビターとして機能せしめる場合を除いては、
その含有量は必ずしも限定する必要はない。上記成分に
限定された溶鋼を連続鋳造してスラブとする。鋳造厚さ
は、通常、200mm程度であり、厚くなるほどSの偏析
が大きくなるから本発明の効果が顕在化してくる。鋳造
幅は、通常、倍尺幅である約6フィート(1828.8
mm)であり、鋳造後に幅方向中心部を縦断して2等分す
る。スラブの縦断手段として種々の技術があるが、本発
明が対象とする方向性電磁鋼板のように、一般的にSi
を含有する鋼の場合、割れ易いので機械的切断ではなく
てガス切断のような熱的切断を用いるほうが好ましい。
単尺幅とされたスラブは、反転することなくそのままの
順番で連続式加熱炉に装入される。当然のことながら、
スラブ相互間での融着を生じることがないから、スラブ
側面を密に接触させて装入することができ、熱間圧延工
程でストリップの耳荒れを少なくすることができる。ス
ラブ加熱温度が高いほどスラブ相互が融着する傾向にあ
るから、本発明の効果は高温加熱であるときにより発揮
される。Fe−O−Si系のファイアライト酸化物の融
点は約1200℃であるから、この温度近傍から融着が
発生しはじめる。本発明の効果は、前記加熱温度以上に
縦断単尺幅スラブを加熱するときに、より発揮される。
加熱後、スラブは熱間圧延される。加熱段階で融着を生
じたスラブを熱間圧延すると、融着部が鋼板(ストリッ
プ)耳荒れ原因となり、製品歩留りを低下させる。ま
た、甚だしい場合には、熱間圧延中において板破断を惹
起する。
て最終板厚とされ、脱炭を兼ねる一次再結晶焼鈍、焼鈍
分離剤塗布、高温仕上焼鈍(二次再結晶および鋼の純
化)を施されて方向性電磁鋼板とされる。{110}<
001>方位をもつ一方向性電磁鋼板にいて、本発明で
は、インヒビター形成元素であるSを0.014%以下
にするため、MnSのみをインヒビターとして機能させ
る特公昭30−3651号公報に開示されている2回冷
延法による製造プロセスでは、二次再結晶が不良となり
製品の磁束密度は低いものとなる。しかしながら、Sが
0.008%以上含有されておれば、二次再結晶は発現
する。前記2回冷延法による製造プロセスにおいても、
MnS以外のAlN,Tin,(Al,Si)N,B,
NbNをインヒビターとして機能させることによって、
二次再結晶をより安定化させることにより本発明を適用
することができる。
ている1回強冷延法による製造プロセスの場合は、得ら
れる製品の磁束密度も高く、方向性電磁鋼板の製造方法
として優れており、本発明を適用することによって製品
の磁束密度は若干低くなるものの、連続鋳造工程の生産
性向上効果を享受することができる。この1回強冷延法
による製造プロセスの場合、高温仕上焼鈍工程で二次再
結晶させるためにインヒビター形成元素である酸可溶性
Al:0.008〜0.055%,total N:0.00
35〜0.0095%を含有せしめる必要がある。スラ
ブを縦断した単尺幅スラブを加熱する段階で、スラブ相
互間が融着する原因がSの偏析部の存在にあるという新
知見に基づく本発明を適用する製造プロセスとして、特
公昭62−45285公報に開示されている方向性電磁
鋼板の製造プロセスは最も適切である。即ち、この方向
性電磁鋼板の製造プロセスは、鋼中Sを少なく限定する
条件下で、むしろ二次再結晶が良好になるからである。
本発明における第4の発明は、基本的には特公昭62−
45285公報に開示されている方向性電磁鋼板の製造
プロセスをベースとするものであるが、二次再結晶に必
要な最低限の条件として、酸可溶性Al:0.008〜
0.055%,Si:0.8〜4.8%を本発明におけ
る成分限定範囲とする。
方向性電磁鋼板について、本発明においては、その冷間
圧延工程、焼鈍工程は、特公昭35−2657号公報に
開示されているクロス冷間圧延方法を採る。このクロス
冷間圧延方法によって二方向性電磁鋼板を製造すること
ができるインヒビターの条件は、特公昭35−2657
号公報に開示されているAlNおよび特公平01−43
818号公報に開示されている、鋼板の窒化処理によっ
て形成される(Al,Si)Nの2種類である。本発明
は、この2種類の二方向性電磁鋼板の製造方法に、S含
有量を0.014%以下とすることによるスラブを縦断
した単尺幅スラブの加熱段階におけるスラブ相互間の融
着防止効果を重畳させるものである。
0.087%,P:0.015%,S:0.011%、
酸可溶性Al:0.003%、残部:Feおよび不可避
的不純物からなる鋼を連続鋳造して250mm厚さ×18
00mm幅の倍尺幅スラブとした。
方向中央部で縦断して単尺幅スラブとし、ガス燃焼炎を
熱源とする連続加熱炉で1310℃に加熱した後、熱間
圧延して2.3mm厚さの熱延板とした。ガス火炎によっ
て幅方向中央部で縦断した面同志の接触面もまた、鋳造
ままの側面も何れも融着なく良好なストリップ側端縁と
なった。この熱延板を0.7mm厚さまで冷間圧延し、8
30℃×120秒間焼鈍し、さらに0.35mm厚さまで
冷間圧延した後、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍(一次再結
晶を兼ねる)し、次いで、MgOを主成分とする焼鈍分
離剤を塗布した後1200℃×10時間の高温仕上焼鈍
を施した。得られた製品の磁束密度(B 8 値)は1.8
2Tesla であり、二次再結晶した一方向性電磁鋼板とな
った。
0.078%,P:0.014%,S:0.007%、
酸可溶性Al:0.027%,total N:0.0085
%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる鋼を連続
鋳造して250mm厚さ×1800mm幅の倍尺幅スラブ
(A)とした。一方、連続鋳造途中で溶鋼にSをS:
0.028%となるように添加して250mm厚さ×18
00mm幅の倍尺幅スラブ(B)に鋳造した。これらスラ
ブ(A)(B)を、ガス火炎によって幅方向中央部で縦
断して単尺幅スラブとし、ガス燃焼炎を熱源とする連続
式加熱炉で1320℃に加熱した後、熱間圧延して2.
3mm厚さの熱延板とした。スラブ(B)を、ガス火炎に
よって幅方向中央部で縦断して単尺幅スラブとしたもの
の縦断面同志の接触面では、融着部が数%見られ、熱延
板の側端縁に耳荒れが発生した。これに対しスラブ
(A)は、縦断面同志の接触面でも融着はなく、良好な
熱延板が得ることができた。この2種類の熱延板を、1
080℃×2分間焼鈍した後、0.35mm厚さまで冷間
圧延し、次いで、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍(一次再結
晶を兼ねる)した後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤
を塗布した後、1200℃×20時間の高温仕上焼鈍を
施した。得られた製品の磁束密度(B8値)は、次の通
りであった。
比し磁束密度(B8 値)が低いけれども、連続鋳造工程
における生産性向上、熱間圧延工程でのストリップの耳
荒れ解消による製品歩留り向上さらには生産コストの低
減等多大な効果があった。
0.13%,S:0.007%、酸可溶性Al:0.0
30%,total N:0.0065%、残部:Feおよび
不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造して250mm厚さ
×1800mm幅の倍尺幅スラブに鋳造した。この倍尺幅
スラブを、ガス火炎によって幅方向中央部で縦断して単
尺幅スラブとした。得られたスラブを温度(A):11
50℃、温度(B):1250℃、温度(C):135
0℃にそれぞれ加熱した後、2.3mm厚さまで熱間圧延
した。
における融着程度は、スラブ加熱温度が高くなるのに応
じて若干増加する傾向にはあるけれども、実操業上問題
とならない軽微なものであり、熱間圧延工程でのストリ
ップの耳荒れも殆ど問題とならない程度であった。これ
ら熱延板に1080×2分間の焼鈍を施した後、0.3
5mm厚さまで冷間圧延し、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し
た後アンモニア・ガスを含有する雰囲気中で鋼中N:
0.0210%となるまで鋼板(ストリップ)を窒化処
理し、次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
した後、1200℃×20時間の高温仕上焼鈍を施し
た。
下の通りであり、ほぼ同一水準であった。 スラブ加熱温度(A)からのもの:1.91Tesla スラブ加熱温度(B)からのもの:1.91Tesla スラブ加熱温度(C)からのもの:1.90Tesla 実施例4 実施例2で得られた2種類の熱延板について、1050
℃×2分の焼鈍を施した後、熱間圧延方向と同一方向に
0.90mm厚さまで冷間圧延しさらに、この冷間圧延方
向に直角な方向に0.40mm厚さまで冷間圧延した。そ
の後、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し、次いで、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、1200℃×2
0時間の高温仕上焼鈍を施した。得られた製品の磁束密
度(B8値)は、以下の通りであった。
は、スラブ加熱段階でのスラブ相互間で融着がなく、熱
間圧延段階でのストリップに耳荒れもなくまた、製品の
磁束密度(B8 値)も高いものが得られた。
℃×2分間の焼鈍を施した後、熱間圧延方向と同一方向
に0.90mm厚さまで冷間圧延しさらに、この冷間圧延
方向に直角な方向に0.40mm厚さまで冷間圧延した。
その後、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍した後アンモニア・
ガスを含有する雰囲気中で鋼中N:0.018%となる
まで鋼板を窒化処理し、次いで、MgOを主成分とする
焼鈍分離剤を塗布した後、1200℃×20時間の高温
仕上焼鈍を施した。得られた製品の磁束密度(B8 値)
は、以下の通りであった。
による縦断面相互間での融着もなく、熱間圧延段階での
ストリップに耳荒れもなかった。また、得られた製品の
磁束密度(B8 値)も高いものが得られた。
プロセスにおける連続鋳造工程で、2倍幅でスラブと
し、然る後幅方向中央部で縦断して単尺幅スラブとして
逐次連続して加熱炉に装入して加熱しても、縦断面同志
の接触面で融着を惹起することがないから、連続鋳造工
程の生産性を倍増せしめ、また、スラブを反転させると
いった煩雑な作業も必要とせず、品質面でも高い水準の
一方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼板を製造するこ
とができる。
i:3%を含有するマクロ組織を示し、(b)は(a)
の一部をEPMA分析して得られたSの分布状況を示
す。
じる融着領域面積に及ぼす溶鋼S含有量とスラブ加熱温
度の影響を示す図である。 ─────────────────────────────────────────────────────
写真であって、(a)は上記スラブのマクロ組織を示す
顕微鏡写真であり、(b)は(a)の一部をEPMA分析し
て得られたSの分布状況を示すX線写真である。
じる融着領域面積に及ぼす溶鋼S含有量とスラブ加熱温
度の影響を示す図である。 ─────────────────────────────────────────────────────
方向性電磁鋼板の製造方法
用いられる軟磁性材料である方向性電磁鋼板に関するも
のであり特に、溶鋼を連続鋳造してスラブを得るに際
し、倍尺幅(2倍幅)に鋳造し、これを幅方向において
分割すべく縦断して得たスラブを出発材として方向性電
磁鋼板を製造する方法において、熱間圧延に先立つスラ
ブ加熱段階においてスラブの幅方向分割縦断面相互間の
融着を防止する方法に関するものである。
を連続鋳造機によって100〜300mm厚さのスラブに
鋳造した後、連続式加熱炉によって加熱し、次いで、熱
間圧延して熱延板製品とする方法、或は熱延板をさらに
冷間圧延、焼鈍して冷延薄板製品とする方法さらに、熱
延板、冷延薄板、焼鈍板にめっきを施して表面処理鋼板
とする方法等が一貫製鉄所において採用されている。こ
れらの製造方法にあっては、鋼板(ストリップ)幅が広
いほど生産性を高くすることができる。また、製品をユ
ーザにおいて使用される場合の必要最大幅を考慮して、
鋼板製造メーカーにおいては、標準的には6フィート
(1828.8mm)幅の鋼板(ストリップ)を加工或は
処理できるような製造設備を設けている。
られる軟磁性材料である一方向性電磁鋼板は、製品をユ
ーザにおいて使用される場合の必要最大幅が3フィート
(914.4mm)前後である。また、一方向性電磁鋼板
の製造プロセスにおける高温仕上焼鈍工程においては、
ストリップコイルが1200℃といった高温域で長時間
保持されるから、3フィートを超える広幅の鋼板(スト
リップ)では、製品の形状(平坦さ)を良好なものとす
ることができない、という問題が一方において存在す
る。これらの理由から、従来、方向性電磁鋼板は、3フ
ィート前後の幅のスラブを出発材として製造されてき
た。
尺幅と呼び、3フィート幅の電磁鋼用スラブを単尺幅と
呼んでいる。方向性電磁鋼板の製造プロセスにあって
は、このような単尺幅のスラブを出発材料とする処か
ら、多大の設備費を投じた連続鋳造機の能力を半分しか
稼働させないこととなり、生産性を極めて低いものとし
ている。
板製造用のスラブは、熱伝導率が低いから連続鋳造時に
割れを生じ易い。このため、溶鋼を連続鋳造してスラブ
とする過程で、Siを含有しない普通鋼の連続鋳造にお
ける鋳片引き抜き速度に比し、より低い鋳片引き抜き速
度としているから、この面からも生産性を低いものとし
ている。
は所謂倍尺幅で溶鋼を連続鋳造し、得られた鋳片(スラ
ブ)を幅方向中心部でガス切断或は機械的に切断するこ
とによって幅方向において2分割して単尺幅スラブと
し、これを熱間圧延する方法が考えられた。しかしなが
ら、前記方法によるときは、特開昭58−217633
号公報に記載されている問題を惹起する。即ち、熱間圧
延工程におけるスラブ加熱段階で、前後のスラブの間隔
を設けることなく接触した状態でスラブが加熱されるか
ら、幅方向において切断、分割して単尺幅としたスラブ
の場合、スラブ相互間で融着を生じる。スラブ加熱段階
で、前後のスラブの間隔を設けることなく接触した状態
でスラブを加熱するのは、間隔を置いてスラブを加熱す
ると、熱間圧延中にストリップの耳荒れ発生を招くから
である。
には、スラブの幅方向における切断、分割面相互が接触
しないよう、切断単尺スラブを1本おきに前後を反転さ
せて加熱炉に装入することが提案されている。この方法
による場合、大重量かつSiを多量に含有して割れ易い
スラブを1本おきに反転させるという作業を伴うから、
生産性を低くする。
程においては所謂倍尺幅で溶鋼を連続鋳造し、得られた
鋳片(スラブ)を幅方向において2分割して単尺幅スラ
ブとし、これを熱間圧延する段階を含む方向性電磁鋼板
の製造プロセスにおいて、スラブ加熱段階でスラブ1本
おきに前後を反転させることを必要とせず、前後のスラ
ブの間隔を置くことなく融着を生ぜしめずに加熱するこ
とができる方向性電磁鋼板の製造方法を提供することを
目的とする。
ては、(1)電磁鋼用溶鋼を連続鋳造プロセスにおいて
倍尺幅(2倍幅)のスラブに鋳造した後、幅方向におい
て分割切断したスラブを加熱した後熱間圧延し、焼鈍お
よび冷間圧延を組合せ施して最終板厚とし、次いで、脱
炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布、高温仕上焼鈍を施して二次再
結晶させて{110}<001>方位からなる一方向性
電磁鋼板を製造する方法において、鋼中のSを重量で、
0.014%以下としたスラブを出発材とすることによ
りスラブ加熱時にスラブの幅方向分割縦断面相互の融着
を防止するようにしたこと、(2)電磁鋼用溶鋼を連続
鋳造プロセスにおいて倍尺幅(2倍幅)のスラブに鋳造
した後、幅方向において分割切断したスラブを加熱した
後熱間圧延し、焼鈍ならびに一方向冷間圧延およびこれ
に直交するクロス方向の冷間圧延を組合せ施して最終板
厚とし、次いで、脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布、高温仕上
焼鈍を施して二次再結晶させて{100}<001>方
位からなる一方向性電磁鋼板を製造する方法において、
鋼中のSを重量で、0.014%以下としたスラブを出
発材とすることによりスラブ加熱時にスラブの幅方向分
割縦断面相互の融着を防止するようにしたこと、(3)
上記(1)または(2)において、鋼中成分として、さ
らに重量で、酸可溶性Al:0.008〜0.055
%、total N:0.0035〜0.0095%を含有す
るスラブを用い、AlNを二次再結晶に必要なインヒビ
ターとして機能せしめること、および(4)上記(1)
または(2)において、鋼中成分として、さらに重量
で、酸可溶性Al:0.008〜0.055%、Si:
0.8〜4.8%を含有するスラブを用い、最終冷間圧
延以降高温仕上焼鈍における二次再結晶発現までの間の
何れかの段階で鋼板を窒化処理して(Al,Si)N系
の析出物を形成し、これをインヒビターとして機能せし
めることを特徴とするものである。
は、分割単尺幅スラブを加熱するときの上記スラブ融着
現象の原因について、新たな観点から解明を行い、スラ
ブ融着が極めて起こり難い条件を見出し、この知見に基
づいて、スラブの縦断面相互が接触した状態で加熱して
も融着がない方向性電磁鋼板の製造プロセスを確立する
ことに成功した。本発明によれば、スラブを1本おきに
前後を反転させるといった煩雑な作業を必要とせず、生
産性を大きく向上せしめ得る。
001>方位をもつ)および二方向性電磁鋼板({10
0}<001>方位をもつ)は、適切な焼鈍と冷間圧延
を組合せて製造される。たとえば、一方向性電磁鋼板
は、スラブを熱間圧延して得られる熱延板を焼鈍した
後、80%以上の圧下率を適用する冷間圧延を施して最
終板厚とするプロセス或は熱延板を中間焼鈍を挟む2回
の冷間圧延工程によって最終板厚とするプロセスによっ
て得られた冷延板に脱炭を兼ねる一次再結晶焼鈍施し焼
鈍分離剤を塗布し巻き取ってストリップコイルとした
後、高温仕上焼鈍工程において1200℃までの高温域
で焼鈍し、この過程で所望の結晶粒のみを優先的に成長
させる、所謂二次再結晶現象を用いて製造される。
て得られる熱延板を焼鈍した後、一方向に第1回の冷間
圧延を施し、次いで、第1回の冷間圧延方向に直角な方
向に第2回目の冷間圧延を施して最終板厚とするプロセ
スによって得られた冷延板を脱炭を兼ねる一次再結晶焼
鈍し焼鈍分離剤を塗布し巻き取ってストリップコイルと
した後、高温仕上焼鈍工程において1200℃までの高
温域で焼鈍し、この過程で所望の結晶粒のみを優先的に
成長させる、所謂二次再結晶現象を用いて製造される。
而して何れの製造プロセスにおいても、インヒビターと
呼ばれる微細析出物を二次再結晶発現前の材料(鋼板)
に存在させておく必要がある。インヒビターとして機能
する微細析出物として、MnS,MnSe,AlN,
(Al,Si)N等が知られている。また、その付加的
効果も狙って、Sn,Sb,As等の粒界析出型元素も
インヒビターとして用いられることが知られている。
盤的に使用されている。現在、工業生産されている方向
性電磁鋼板の製造方法として3つの技術がある。第1
は、M. F. Littmannによって特公昭30−3651号公
報に開示された、熱延板を2回の冷間圧延工程によって
最終板厚とし、高温仕上焼鈍工程における二次再結晶に
おいてインヒビターとしてMnSを用いる製造プロセス
である。
15644号公報に開示された、熱延板を1回の強圧下
冷間圧延工程によって最終板厚とし、高温仕上焼鈍工程
における二次再結晶においてインヒビターとしてAlN
+MnSを用いる製造プロセスである。第3は、今中ら
によって特公昭51−13469号公報に開示された、
2回の冷間圧延工程によって最終板厚とし、高温仕上焼
鈍工程における二次再結晶においてインヒビターとして
MnS(および/またはMnSe)+Sbを用いる製造
プロセスである。
方法にあっては、MnSの存在が必須でありまた有効で
あると考えられてきた。特開昭58−217633号公
報において問題として指摘されている切断、分割単尺幅
スラブの縦断面相互間の融着も、このような、MnSの
存在を必須とする従来の方向性電磁鋼板の製造方法の中
で惹起していた。
が得られる、特公昭40−15644号公報に開示され
ている製造プロセスに準じた製造プロセスにおいて発生
する切断、分割単尺幅スラブの縦断面相互間の融着現象
を研究した結果、新たな知見を得、本発明を完成するに
至った。重量で、C:0.06%,Si:3.10%,
Mn:0.07%,S:0.026%,Al:0.03
0%,N:0.0080%を含む倍尺幅スラブを、幅方
向中央で縦断して単尺幅スラブとし、縦断面相互を接触
させて加熱しながら、該接触面を分析してみると、雰囲
気制御をしないガス燃焼加熱において通常生成する酸化
物であるファイアライト(2FeO・SiO2 )を主成
分とするスケールの融点である1205℃以下の115
0℃前後から既に融着の前駆現象のような部分が観察さ
れ、その部分のS量は鋼中S量よりもかなり多く、0.
046%程度であった。その後、加熱温度が上昇するに
つれて融着部が拡がり、両方のスラブを離すことが困難
となった。
縦断面相互の接触面でのFe−Si−O系で生成するス
ケールとして、融点の低いファイアライトが、状態図か
らも推測されるように、Sが高濃度に存在していた部位
でさらに融点が低くなり、融着が生じ易くなっているも
のと考えられる。ところで、よく知られているように、
連続鋳造過程でSを含有する溶鋼を凝固させると、凝固
初期に比し凝固終期の鋳片の厚さ方向中心部にはSの濃
厚偏析帯が生じる。これに加えて、Siを含む溶鋼を連
続鋳造する場合、熱伝導率が小さくなるため、凝固、冷
却中にスラブの厚さ方向における温度差が大きくなり、
このことに起因して熱応力が大きくなって鋳片に割れを
生じ易く、その割れ部にSが濃化した溶鋼が流れ込みS
偏析帯を生じる。その一例として、図1に、EPMAで
Sを点分析し、その値を画像処理してSの分布として示
す。
mm厚スラブのマクロ組織を示す図であり、同図(b)は
上記スラブの測定範囲40mm厚部分のEPMA分析によ
るS分布状況を示す図である。この図に示すようにSは
鋳片(スラブ)の厚さ方向において若干の傾きをもった
状態で分布していることが分る。この調査によって、S
はスラブ断面における中心部に、さらにSi量が増すと
鋳片厚さ方向1/4近傍に偏析し、その最大値は初期溶
鋼中のS含有量の2倍以上に達することが分った。これ
らの知見から、発明者は、スラブの融着の原因を、スラ
ブを一旦縦断してS偏析帯を表面に出し、その後両者を
接触させて加熱させると、Fe−Siと加熱雰囲気中の
酸素が反応して生成する酸化物が高濃度S部で一層低融
点となるためであると考えた。前記知見に基づいて発明
者は、二次再結晶に必要なインヒビターとしてAlNを
機能せしめ、さらにSを含む場合と含まない場合におけ
るスラブの融着状況を調べた。鋼成分として、(A)重
量で、C:0.063%,Si:3.05%,Mn:
0.080%,S:0.027%,酸可溶性Al:0.
028%,total N:0.0080%、残部:Feおよ
び不可避的不純物(B)重量で、C:0.060%,S
i:3.07%,Mn:0.080%,S:0.007
%,酸可溶性Al:0.030%,total N:0.00
82%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる2種
類の溶鋼を、連続鋳造して200mm厚さ×2000mm幅
のスラブとし、これをガス火炎によって縦断し1000
mm幅の単尺幅スラブとした。さらにこれを100kg程度
に小さく切断し、切断面相互が接触する状態で、115
0℃,1270℃,1370℃にそれぞれ1時間、加
熱、灼熱した後、各接触面における融着状況を調査し
た。この融着領域面積を、鋼成分系別に第2図に示す。
S含有量が少ない(B)成分系スラブにおいては殆ど融
着しないが、S含有量が多い(A)成分系スラブにおい
ては、温度が高くなると急激に融着し、1370℃に加
熱、灼熱したスラブはガス切断によらなければ分離でき
なかった。
さのストリップとした処、S含有量が少ない(B)成分
系スラブにおいては殆ど耳荒れを生じなかったのに対
し、S含有量が多い(A)成分系スラブにおいては12
70℃加熱材ではガス火炎による縦断面側に大きな耳荒
れを生じた。また、1370℃加熱材においては、スラ
ブ相互を分離するのに時間を多く要してスラブの降温が
著しく熱間圧延できなかった。
を説明する。先ず、成分組成については、本発明の目的
である、倍尺幅スラブを縦断して単尺幅スラブとしたも
のを、縦断面相互を接触させて加熱するときに融着を生
じないようにするためには、S含有量が0.014%以
下であることが必須である。S含有量がこの範囲内であ
れば、加熱炉からスラブを抽出するときにスラブを離間
せしめることが可能でありまた、熱間圧延時にストリッ
プの耳荒れも工業的量産に耐えられる程度に軽微であ
る。
段階における融着は軽減されるけれども、二次再結晶に
必要なインヒビターが少なくなるため二次再結晶不良と
なり、S含有量が0.007%未満になると二次再結晶
は実質的に起こらない。この二次再結晶不良を解消する
ため、インヒビターとしてAlN,(Al,Si)Nを
機能させることが望ましい。AlNをインヒビターとし
て利用する場合は、酸可溶性Al:0.008〜0.0
55%,total N:0.0035〜0.0095%を含
有せしめる必要がある。
用する場合は、酸可溶性Al:0.008〜0.055
%,Si:0.8〜4.8%とし、最終板厚まで冷間圧
延した後から高温仕上焼鈍工程における二次再結晶発現
までの何れかの段階で鋼板(ストリップ或はストリップ
コイル)を窒化処理してNを鋼中に付加する必要があ
る。
特性が向上する(鉄損値が低くなる)。(Al,Si)
Nをインヒビターとして機能せしめる場合を除いては、
その含有量は必ずしも限定する必要はない。上記成分に
限定された溶鋼を連続鋳造してスラブとする。鋳造厚さ
は、通常、200mm程度であり、厚くなるほどSの偏析
が大きくなるから本発明の効果が顕在化してくる。鋳造
幅は、通常、倍尺幅である約6フィート(1828.8
mm)であり、鋳造後に幅方向中心部を縦断して2等分す
る。スラブの縦断手段として種々の技術があるが、本発
明が対象とする方向性電磁鋼板のように、一般的にSi
を含有する鋼の場合、割れ易いので機械的切断ではなく
てガス切断のような熱的切断を用いるほうが好ましい。
単尺幅とされたスラブは、反転することなくそのままの
順番で連続式加熱炉に装入される。当然のことながら、
スラブ相互間での融着を生じることがないから、スラブ
側面を密に接触させて装入することができ、熱間圧延工
程でストリップの耳荒れを少なくすることができる。ス
ラブ加熱温度が高いほどスラブ相互が融着する傾向にあ
るから、本発明の効果は高温加熱であるときにより発揮
される。Fe−O−Si系のファイアライト酸化物の融
点は約1200℃であるから、この温度近傍から融着が
発生しはじめる。本発明の効果は、前記加熱温度以上に
縦断単尺幅スラブを加熱するときに、より発揮される。
加熱後、スラブは熱間圧延される。加熱段階で融着を生
じたスラブを熱間圧延すると、融着部が鋼板(ストリッ
プ)耳荒れ原因となり、製品歩留りを低下させる。ま
た、甚だしい場合には、熱間圧延中において板破断を惹
起する。
て最終板厚とされ、脱炭を兼ねる一次再結晶焼鈍、焼鈍
分離剤塗布、高温仕上焼鈍(二次再結晶および鋼の純
化)を施されて方向性電磁鋼板とされる。{110}<
001>方位をもつ一方向性電磁鋼板にいて、本発明で
は、インヒビター形成元素であるSを0.014%以下
にするため、MnSのみをインヒビターとして機能させ
る特公昭30−3651号公報に開示されている2回冷
延法による製造プロセスでは、二次再結晶が不良となり
製品の磁束密度は低いものとなる。しかしながら、Sが
0.008%以上含有されておれば、二次再結晶は発現
する。前記2回冷延法による製造プロセスにおいても、
MnS以外のAlN,Tin,(Al,Si)N,B,
NbNをインヒビターとして機能させることによって、
二次再結晶をより安定化させることにより本発明を適用
することができる。
ている1回強冷延法による製造プロセスの場合は、得ら
れる製品の磁束密度も高く、方向性電磁鋼板の製造方法
として優れており、本発明を適用することによって製品
の磁束密度は若干低くなるものの、連続鋳造工程の生産
性向上効果を享受することができる。この1回強冷延法
による製造プロセスの場合、高温仕上焼鈍工程で二次再
結晶させるためにインヒビター形成元素である酸可溶性
Al:0.008〜0.055%,total N:0.00
35〜0.0095%を含有せしめる必要がある。スラ
ブを縦断した単尺幅スラブを加熱する段階で、スラブ相
互間が融着する原因がSの偏析部の存在にあるという新
知見に基づく本発明を適用する製造プロセスとして、特
公昭62−45285公報に開示されている方向性電磁
鋼板の製造プロセスは最も適切である。即ち、この方向
性電磁鋼板の製造プロセスは、鋼中Sを少なく限定する
条件下で、むしろ二次再結晶が良好になるからである。
本発明における第4の発明は、基本的には特公昭62−
45285公報に開示されている方向性電磁鋼板の製造
プロセスをベースとするものであるが、二次再結晶に必
要な最低限の条件として、酸可溶性Al:0.008〜
0.055%,Si:0.8〜4.8%を本発明におけ
る成分限定範囲とする。
方向性電磁鋼板について、本発明においては、その冷間
圧延工程、焼鈍工程は、特公昭35−2657号公報に
開示されているクロス冷間圧延方法を採る。このクロス
冷間圧延方法によって二方向性電磁鋼板を製造すること
ができるインヒビターの条件は、特公昭35−2657
号公報に開示されているAlNおよび特公平01−43
818号公報に開示されている、鋼板の窒化処理によっ
て形成される(Al,Si)Nの2種類である。本発明
は、この2種類の二方向性電磁鋼板の製造方法に、S含
有量を0.014%以下とすることによるスラブを縦断
した単尺幅スラブの加熱段階におけるスラブ相互間の融
着防止効果を重畳させるものである。
0.087%,P:0.015%,S:0.011%、
酸可溶性Al:0.003%、残部:Feおよび不可避
的不純物からなる鋼を連続鋳造して250mm厚さ×18
00mm幅の倍尺幅スラブとした。
方向中央部で縦断して単尺幅スラブとし、ガス燃焼炎を
熱源とする連続加熱炉で1310℃に加熱した後、熱間
圧延して2.3mm厚さの熱延板とした。ガス火炎によっ
て幅方向中央部で縦断した面同志の接触面もまた、鋳造
ままの側面も何れも融着なく良好なストリップ側端縁と
なった。この熱延板を0.7mm厚さまで冷間圧延し、8
30℃×120秒間焼鈍し、さらに0.35mm厚さまで
冷間圧延した後、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍(一次再結
晶を兼ねる)し、次いで、MgOを主成分とする焼鈍分
離剤を塗布した後1200℃×10時間の高温仕上焼鈍
を施した。得られた製品の磁束密度(B 8 値)は1.8
2Tesla であり、二次再結晶した一方向性電磁鋼板とな
った。
0.078%,P:0.014%,S:0.007%、
酸可溶性Al:0.027%,total N:0.0085
%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる鋼を連続
鋳造して250mm厚さ×1800mm幅の倍尺幅スラブ
(A)とした。一方、連続鋳造途中で溶鋼にSをS:
0.028%となるように添加して250mm厚さ×18
00mm幅の倍尺幅スラブ(B)に鋳造した。これらスラ
ブ(A)(B)を、ガス火炎によって幅方向中央部で縦
断して単尺幅スラブとし、ガス燃焼炎を熱源とする連続
式加熱炉で1320℃に加熱した後、熱間圧延して2.
3mm厚さの熱延板とした。スラブ(B)を、ガス火炎に
よって幅方向中央部で縦断して単尺幅スラブとしたもの
の縦断面同志の接触面では、融着部が数%見られ、熱延
板の側端縁に耳荒れが発生した。これに対しスラブ
(A)は、縦断面同志の接触面でも融着はなく、良好な
熱延板が得ることができた。この2種類の熱延板を、1
080℃×2分間焼鈍した後、0.35mm厚さまで冷間
圧延し、次いで、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍(一次再結
晶を兼ねる)した後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤
を塗布した後、1200℃×20時間の高温仕上焼鈍を
施した。得られた製品の磁束密度(B8値)は、次の通
りであった。
比し磁束密度(B8 値)が低いけれども、連続鋳造工程
における生産性向上、熱間圧延工程でのストリップの耳
荒れ解消による製品歩留り向上さらには生産コストの低
減等多大な効果があった。
0.13%,S:0.007%、酸可溶性Al:0.0
30%,total N:0.0065%、残部:Feおよび
不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造して250mm厚さ
×1800mm幅の倍尺幅スラブに鋳造した。この倍尺幅
スラブを、ガス火炎によって幅方向中央部で縦断して単
尺幅スラブとした。得られたスラブを温度(A):11
50℃、温度(B):1250℃、温度(C):135
0℃にそれぞれ加熱した後、2.3mm厚さまで熱間圧延
した。
における融着程度は、スラブ加熱温度が高くなるのに応
じて若干増加する傾向にはあるけれども、実操業上問題
とならない軽微なものであり、熱間圧延工程でのストリ
ップの耳荒れも殆ど問題とならない程度であった。これ
ら熱延板に1080×2分間の焼鈍を施した後、0.3
5mm厚さまで冷間圧延し、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し
た後アンモニア・ガスを含有する雰囲気中で鋼中N:
0.0210%となるまで鋼板(ストリップ)を窒化処
理し、次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
した後、1200℃×20時間の高温仕上焼鈍を施し
た。
下の通りであり、ほぼ同一水準であった。 スラブ加熱温度(A)からのもの:1.91Tesla スラブ加熱温度(B)からのもの:1.91Tesla スラブ加熱温度(C)からのもの:1.90Tesla 実施例4 実施例2で得られた2種類の熱延板について、1050
℃×2分の焼鈍を施した後、熱間圧延方向と同一方向に
0.90mm厚さまで冷間圧延しさらに、この冷間圧延方
向に直角な方向に0.40mm厚さまで冷間圧延した。そ
の後、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍し、次いで、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、1200℃×2
0時間の高温仕上焼鈍を施した。得られた製品の磁束密
度(B8値)は、以下の通りであった。
は、スラブ加熱段階でのスラブ相互間で融着がなく、熱
間圧延段階でのストリップに耳荒れもなくまた、製品の
磁束密度(B8 値)も高いものが得られた。
℃×2分間の焼鈍を施した後、熱間圧延方向と同一方向
に0.90mm厚さまで冷間圧延しさらに、この冷間圧延
方向に直角な方向に0.40mm厚さまで冷間圧延した。
その後、湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍した後アンモニア・
ガスを含有する雰囲気中で鋼中N:0.018%となる
まで鋼板を窒化処理し、次いで、MgOを主成分とする
焼鈍分離剤を塗布した後、1200℃×20時間の高温
仕上焼鈍を施した。得られた製品の磁束密度(B8 値)
は、以下の通りであった。
による縦断面相互間での融着もなく、熱間圧延段階での
ストリップに耳荒れもなかった。また、得られた製品の
磁束密度(B8 値)も高いものが得られた。
プロセスにおける連続鋳造工程で、2倍幅でスラブと
し、然る後幅方向中央部で縦断して単尺幅スラブとして
逐次連続して加熱炉に装入して加熱しても、縦断面同志
の接触面で融着を惹起することがないから、連続鋳造工
程の生産性を倍増せしめ、また、スラブを反転させると
いった煩雑な作業も必要とせず、品質面でも高い水準の
一方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼板を製造するこ
とができる。
写真であって、(a)は上記スラブのマクロ組織を示す
顕微鏡写真であり、(b)は(a)の一部をEPMA分
析して得られたSの分布状況を示すX線写真である。
じる融着領域面積に及ぼす溶鋼S含有量とスラブ加熱温
度の影響を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 電磁鋼用溶鋼を連続鋳造プロセスにおい
て倍尺(2倍幅)のスラブに鋳造した後、幅方向におい
て分割切断したスラブを、加熱した後熱間圧延し、焼鈍
と冷間圧延を組合せて最終板厚とし、次いで、脱炭焼
鈍、焼鈍分離剤塗布、仕上焼鈍して二次再結晶させて
{110}<001>方位粒からなる一方向性電磁鋼板
を製造する方法において、鋼中のSを、重量で、0.0
14%以下としたスラブを出発材とすることによりスラ
ブ加熱時の幅方向分割縦断面の融着を防止するようにし
たことを特徴とする生産性の高い連続鋳造スラブを用い
た方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 電磁鋼用溶鋼を連続鋳造プロセスにおい
て倍尺(2倍幅)のスラブに鋳造した後、幅方向におい
て分割切断したスラブを、加熱した後熱間圧延し、焼鈍
と冷間圧延を組合せて最終板厚とし、次いで、脱炭焼
鈍、焼鈍分離剤塗布、仕上焼鈍して二次再結晶させて
{100}<001>方位粒からなる二方向性電磁鋼板
を製造する方法において、鋼中のSを、重量で、0.0
14%以下としたスラブを出発材とすることによりスラ
ブ加熱時の幅方向分割縦断面の融着を防止するようにし
たことを特徴とする生産性の高い連続鋳造スラブを用い
た方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 鋼中成分として、重量で、酸可溶性A
l:0.008〜0.055%、total N:0.
0035〜0.0095%を含有するスラブを用い、A
lNを二次再結晶に必要なインヒビターとして機能せし
める請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 鋼中成分として、重量で、酸可溶性A
l:0.008〜0.055%、Si:0.8〜4.8
%を含有するスラブを用い、さらに、最終冷間圧延以降
仕上焼鈍における二次再結晶発現までの間の何れかの段
階で鋼板を窒化処理して(Al,Si)N系の析出物を
形成し、これをインヒビターとして機能せしめる請求項
1または2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13239491A JP2514279B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 生産性の高い連続鋳造スラブを用いた方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13239491A JP2514279B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 生産性の高い連続鋳造スラブを用いた方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06220538A true JPH06220538A (ja) | 1994-08-09 |
JP2514279B2 JP2514279B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=15080366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13239491A Expired - Lifetime JP2514279B2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 生産性の高い連続鋳造スラブを用いた方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2514279B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113020283A (zh) * | 2021-03-18 | 2021-06-25 | 鞍钢股份有限公司 | 一种取向硅钢热轧钢带的板形控制方法 |
-
1991
- 1991-03-25 JP JP13239491A patent/JP2514279B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113020283A (zh) * | 2021-03-18 | 2021-06-25 | 鞍钢股份有限公司 | 一种取向硅钢热轧钢带的板形控制方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2514279B2 (ja) | 1996-07-10 |
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