JPH06220249A - 電子部品用樹脂組成物 - Google Patents

電子部品用樹脂組成物

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JPH06220249A
JPH06220249A JP1279293A JP1279293A JPH06220249A JP H06220249 A JPH06220249 A JP H06220249A JP 1279293 A JP1279293 A JP 1279293A JP 1279293 A JP1279293 A JP 1279293A JP H06220249 A JPH06220249 A JP H06220249A
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Takio Tasaka
多希雄 田坂
Hiroyuki Kadode
宏之 門出
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電気・電子機器のカイロ基板材料
として要求度の高い低誘電率・低誘電正接及び耐熱性を
兼備した電子部品用樹脂組成物を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明の電子部品用樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂又は熱硬化性樹脂に一般式 aAxy・bB2 3
(ここで、a及びbはそれぞれ1〜9の整数、AはII価
又はIII 価の金属元素、x及びyはそれぞれ1〜3の整
数)で示される組成からなるウィスカーを、該樹脂及び
ウィスカーの合計重量を基準にして5〜60%の割合で
配合してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子機器のカイ
ロ基板材料として要求度の高い低誘電率、低誘電正接及
び耐熱性を兼備した電子部品用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】回路基板材料としては、従来ガラスマッ
トに熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含浸、硬化させ
て作成された通称ガラエポ基板が一般的に用いられてき
たが、平面プリント基板としてしか使えず、また誘電率
も4.5〜5.5、誘電正接も0.020〜0.035
と大きく、情報の伝達上下記の理由から満足すべきもの
ではなかった。
【0003】即ち、電気信号の伝播遅延時間Td(ns
/m)は、Td=3.33√εeff(εeff :実効誘電
率)の関係があり、誘電率が小さい程、伝播遅延時間が
短く、つまり伝播速度が速くなり、高速演算が可能とな
ることがわかる。また誘電損失αD (dB/m)は、α
D =27.3×(f/c)×√ε×tanδ(f:周波
数,c:光速,ε:誘電率,tanδ:誘電正接)の関
係があり、誘電損失を小さくする為には、誘電率と誘電
正接の小さな基板が必要なことがわかる。
【0004】最近、回路基板とシャーシ等の構造部品
を、射出成形により一体化しようとする三次元成形回路
基板が、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とし、強化繊
維としてガラス繊維、ミルドガラスファイバー又はチタ
ン酸カリウムウィスカーを使用する(特開平3−355
85号公報)か、強化繊維は使用しないで粒状無機充填
材(タルク、ピロリン酸カルシウム等)のみを配合して
用いられるようになったが、情報通信の高度化あるいは
情報処理機器の高速演算性を向上させる為には、尚一層
の低誘電率化、低誘電正接化が求められているのが実情
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】強化繊維は、マトリッ
クス樹脂の機械的強度向上、ハンダ付け時の耐熱変形温
度の向上、線膨脹係数の低下(寸法精度の向上)の為に
配合されるものであるが、ガラス繊維やミルドガラスフ
ァイバーは、繊維径5〜15μm,繊維長100μm以
上であり、誘電率は比較的低く抑えられているものの、
誘電損失は大きくなり、その為回路基板に要求される信
号の伝達率が低下するという致命的な欠点がある。また
繊維径がかなり太い為に、基板表面の平滑性、殊にエッ
チング処理後の平滑性が劣り、微細回路をメッキ等で形
成したり、ワイヤーボンダーで全線を接続する時に、ワ
イヤーボンダーの先端部を痛める問題があった。
【0006】また、チタン酸カリウムウィスカーは、繊
維径0.05〜2μm、繊維長2〜50μmとミクロな
強化繊維であり、これを電子部品用樹脂組成物に応用し
た場合に、機械的強度の向上、耐熱変形性の改良、線膨
脹係数の低下には寄与できるが、誘電率が高い為に、回
路基板に用いた場合情報伝達速度を遅くするという欠点
と、誘電正接も大きくする為、情報伝達率を低下すると
いう欠点を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂
又は熱硬化性樹脂をマトリックスレジンとして、一般式
aAxy・bB2 3 で示されるウィスカーを特定量
配合することにより、樹脂自身の有する誘電率を低く
(3.0〜4.5)保持することが可能で、しかも誘電
正接はマトリックスレジンよりむしろ小さくさせる働き
があることを見い出し、情報通信の高度化に要求される
誘電率を3.5以下に、また誘電正接(tanδ)を
0.001以下に保持できることを確認し、ここに本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、熱可塑性樹脂又は熱硬化
性樹脂に一般式 aAxy・bB23 (ここで、a及
びbはそれぞれ1〜9の整数、AはII価又はIII 価の金
属元素、x及びyはそれぞれ1〜3の整数)で示される
組成からなるウィスカーを、該樹脂及びウィスカーの合
計重量を基準にして5〜60%の割合で配合してなるこ
とを特徴とする電子部品用樹脂組成物に係る。
【0009】本発明で使用される熱可塑性樹脂として
は、
【0010】
【化1】
【0011】を基本骨格とするポリフェニレンエーテル
及び若干のポリスチレンもしくはスチレン・ブタジエン
系エラストマーを添加して耐衝撃性や成形性を改善した
ポリフェニレンエーテル系樹脂、メタロセン触媒を使用
して構造制御することにより得られるシンジオタクチッ
クポリスチレン、
【0012】
【化2】
【0013】を構造単位とする5−メチルペンテン樹
脂、
【0014】
【化3】
【0015】を構造単位とするポリノルボルネン樹脂等
の環状オレフィンを成分に含む環状ポリオレフィン、マ
レイミドを共重合することにより熱変形温度を高めた耐
熱性ABS樹脂、1,4−ジアミノブタン/アジピン酸
を縮合重合して得られるポリアミド−4,6、ヘキサメ
チレンジアミン及びテレフタル酸から得られるポリアミ
ド−6T、テレフタル酸の一部をイソフタル酸もしくは
アジピン酸で置き換えた変性ポリアミド−6T,ε−カ
プロラクタム、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル
酸を共重合してなるポリアミド−6/6T、ヘキサメチ
レンジアミン、アジピン酸及びテレフタル酸を共重合し
てなるポリアミド−6,6/6T等の耐熱性ポリアミド
樹脂、
【0016】
【化4】
【0017】を構造単位とするポリフェニレンサルファ
イド樹脂、
【0018】
【化5】
【0019】を構造単位とする芳香族ポリサルホン系樹
脂、
【0020】
【化6】
【0021】を構造単位とするポリエーテルイミド樹
脂、
【0022】
【化7】
【0023】を構造単位とするポリエーテルケトン系樹
脂、
【0024】
【化8】
【0025】を構造単位とするポリエーテルニトリル樹
脂、
【0026】
【化9】
【0027】を構造単位とするサーモトロピック液晶ポ
リエステル樹脂、エチレン/テトラフルオロエチレンコ
ポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/パーフ
ルオロアルコキシビニルエーテルコポリマー等の熱溶融
性フッ素樹脂等を例示できる。本発明では、これらの中
から1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0028】また熱硬化性樹脂としては、例えばフェノ
ール樹脂、エポキン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を
挙げることができるが、本発明の組成物には特にグリシ
ジルエーテル型耐熱性多官能エポキン樹脂に硬化剤とし
てフェノール樹脂の変性や触媒の選択により熱時低弾性
化の図られた樹脂組成物を使用するのが望ましい。
【0029】本発明で使用される一般式 aAxy・b
2 3 で示されるウィスカーとしては、例えばAがA
lであるホウ酸アルミニウムウィスカー、AがMgであ
るホウ酸マグネシウムウィスカー等が挙げられる。
【0030】ホウ酸アルミニウムウィスカーとしては、
より具体的には式 9Al2 3 ・2B2 3 で示され
るホウ酸アルミニウムウィスカー、2Al2 3 ・B2
3で示されるホウ酸アルミニウムウィスカー等を例示
できる。これらのウィスカーは、いずれも白色針状結晶
であり、例えばアルミニウム水酸化物及びアルミニウム
無機塩の中から選ばれた少なくとも1種と、ホウ素の酸
化物、酸素酸及びアルカリ金属塩の中から選ばれた少な
くとも1種とをアルカリ金属の硫酸塩、塩化物及び炭酸
塩の中から選ばれた少なくとも1種の溶融剤の存在下に
600〜1200℃の範囲の焼成温度に加熱して反応、
育成させることにより容易に製造される。
【0031】式 9Al2 3 ・2B2 3 で示される
ホウ酸アルミニウムウィスカーは、真比重2.93〜
2.95、融点1420〜1460℃のウィスカーで、
焼成温度900〜1200℃にて製造されたものが好ま
しい。また2Al2 3 ・B23 で示されるホウ酸ア
ルミニウムウィスカーは、真比重2.92〜2.94、
融点1030〜1070℃のウィスカーで、焼成温度6
00〜1000℃にて製造されたものが好ましい。
【0032】現在市販されているホウ酸アルミニウムウ
ィスカーとしては、例えば式 9Al2 3 ・2B2
3 で示されるもの(アルボレックスG、四国化成工業
(株)製)があり、このものの平均繊維径は0.5〜1
μm、平均繊維長は10〜30μmである。
【0033】ホウ酸マグネシウムウィスカーは、より具
体的には式 2MgO・B2 3 で示されるホウ酸マグ
ネシウムウィスカーを例示できる。このウィスカーは、
白色針状結晶で、例えばマグネシウムの酸化物、水酸化
物及び無機酸塩の中から選ばれたマグネシウム供給成分
と、ホウ素の酸化物、酸素酸及びそのアルカリ金属塩の
中から選ばれたホウ素供給成分とを、ハロゲン化ナトリ
ウム及びハロゲン化カリウムの中から選ばれた少なくと
も1種の溶融剤の存在下に、600〜1000℃の温度
に加熱することにより容易に製造される。式 2MgO
・B2 3 で示されるホウ酸マグネシウムウィスカーと
しては、真比重2.90〜2.92、融点1320〜1
360℃のウィスカーが好ましい。
【0034】これらのホウ酸アルミニウムウィスカー及
び/又はホウ酸マグネシウムウィスカーは、繊維径0.
05〜5μm、繊維長2〜100μmのものが製造可能
であり、いずれも本発明に使用可能であるが、製造し易
さからいうと、繊維径0.1〜2μm、繊維長10〜5
0μmのものが適当である。
【0035】上記熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に対す
るウィスカーの配合割合としては、樹脂とウィスカーの
合計重量(樹脂組成物)に対し、ウィスカーを5〜60
%とすることが必要である。ウィスカーが5%未満の場
合には、誘電正接の低下効果、機械物性の改良効果、耐
熱変形性の改良効果等が充分でなく、一方60%を越え
ると、熱可塑性樹脂への溶融混練や熱硬化性樹脂溶液へ
の分散が困難になったり、この混練・分散操作の際に粘
度上昇を招き、成形が著しく困難になるという欠点を生
ずる。本発明では、上記ウィスカーを10〜50%の割
合で配合するのが望ましい。
【0036】本発明においては、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、メッキ性改良のためのタルク、ピロリン酸
カルシウム等の微粒子状充填剤、ガラス繊維、ミルドガ
ラスファイバー、チタン酸カリウムウィスカー等の強化
繊維、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔
料等の着色剤、フッ素樹脂等の潤滑性付与剤、離型改良
剤、帯電防止剤等の通常の添加剤を適宜配合することが
できる。
【0037】本発明の樹脂組成物を製造するに当って
は、従来公知の方法を広く採用できる。例えば熱可塑性
樹脂の場合は、該樹脂に上記添加剤を、タンブラー又は
リボンミキサー等を用いて混合した後、二軸押出機を用
いて溶融混練しながら途中で、ウィスカーを所定量供給
混練し、ペレット化するのが最適である。また、熱硬化
性樹脂の場合には、スーパーミキサー又はニーダーに、
未硬化の樹脂を入れ、ウィスカー及び添加剤を混合した
後、最後に硬化剤、触媒を入れてペースト状で取り出す
のが一般的である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、電気・電子機器のカイ
ロ基板材料として要求度の高い低誘電率・低誘電正接及
び耐熱性を兼備した電子部品用樹脂組成物が提供され
る。例えばチップキャリヤやピングリッドアレイ等の半
導体パッケージの分野、抵抗器、スイッチ、コンデン
サ、ホトセンサ等のベース部品からICソケットやコネ
クタ等の機構部品に至るまで、幅広い範囲で応用が期待
される。
【0039】
【実施例】以下実施例及び比較例に基づき本発明を詳し
く説明する。尚、ここに示す誘電率及び誘電損失は、J
IS K−6911、引張強度はJIS K−711
3、曲げ強度及び曲げ弾性率はJIS K−7203、
アイゾット衝撃強さ(ノッチ付き)はJIS K−71
10により測定した。
【0040】実施例1〜5及び比較例1〜2 ポリフェニレンエーテル系樹脂として、18.6kgf
/cm2 の荷重下における熱変形温度が150℃のザイ
ロンPXL−2502(旭化成工業(株)製)を用い、
ウィスカー状強化材料として、9Al2 O・2b2 3
の組成を持ち、繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10
〜30μmのアルボレックスG(四国化成工業(株)
製:ホウ酸アルミニウムウィスカー)及び2MgO・B
2 3 の組成を持ち、繊維径0.5〜2.0μm、繊維
長20〜40μmのスワナイト(大塚化学(株)製:ホ
ウ酸マグネシウムウィスカー)並びに比較の為に、K2
O・8TiO2 の組成を持ち、平均繊維径0.4μm、
平均繊維長15μmのティスモ−D(大塚化学(株)
製:チタン酸カリウムウィスカー)を15重量%又は3
0重量%配合したペレットを、二軸押出機(池貝鉄工
(株)製、PCM45)を用いて、シリンダー温度30
0℃にて、PXL2502を溶融した後、各ウィスカー
を、途中添加(サイドフィード)する方式にてストラン
ドカットを行ない試作した。これらのペレットを、射出
成形機(日精樹脂工業(株)製、FS−150)を用い
てシリンダー温度320℃、金型温度100℃、射出圧
力800kg/cm2 Gにて射出成形を行ない、各樹脂
組成物の物性測定を行った。
【0041】その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、ポリフェニレンエーテル系樹脂
は、誘電率及び誘電正接が元来非常に小さく、回路基板
用のマトリックスレジンとして非常に適している(比較
例1)が、耐熱性及び機械的物性を向上させるには、強
化剤(ウィスカー)を充填することが有効であること
が、実施例1〜5及び比較例2から判る。
【0044】しかし、従来セラミックウィスカーとして
よく利用されるチタン酸カリウムウィスカーを30重量
%充填すると、誘電率は4.6、誘電正接は0.085
3といずれもかなり大きな値を示すのに対し、ホウ酸ア
ルミニウムウィスカー及びホウ酸マグネシウムウィスカ
ーは、誘電率はそれぞれ3.2、2.9、誘電正接は共
に0.0001以下と、いずれも低誘電率及び低誘電正
接を保持しながら、機械的物性及び熱変形温度を向上し
得ることが判る。
【0045】実施例6〜11及び比較例3〜5 ポリエーテルイミド樹脂としてウルテム#1010−1
000(日本ジーイープラスチックス(株)販売)を使
用し、実施例1〜5と同様に押出機シリンダー温度34
0℃にて、またサーモトロピック液晶ポリエステルとし
てベクトラC950(ポリプラスチックス(株)販売)
を使用して、押出機シリンダー温度310℃にて、それ
ぞれ樹脂組成物(ペレット)を試作した。ポリエーテル
イミド樹脂組成物は、シリンダー温度370℃、金型温
度120℃、射出圧力700kgf/cm2 Gにて、ま
たサーモトロピック液晶ポリエステル樹脂組成物は、シ
リンダー温度330℃、金型温度120℃、射出圧力8
00kgf/cm2 Gにて射出成形を行ない、各樹脂組
成物の物性測定を行なった。その結果を、ポリエーテル
イミド樹脂組成物については表2に、サーモトロピック
液晶ポリエステル樹脂については表3にそれぞれまとめ
て示す。尚、ここではチタン酸カリウムウィスカーとし
て、ポリエーテルイミド樹脂に対しては、溶融時の粘度
上昇を防ぐために、サーモトロピック液晶ポリエステル
に対しては、アルカリ分解を防ぐ目的で、中性のティス
モ N(K2 O・6TiO2 、大塚化学(株)製)を使
用した。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】表2より、ポリエーテルイミド樹脂に対し
ては、非晶性樹脂の為、これらウィスカーの補強効果は
比較的小さいが、中でもホウ酸アルミニウムウィスカー
の補強性能が大きいことが注目される。また注目すべき
ことは、誘電特性についてであり、チタン酸カリウムウ
ィスカーの場合には、充填量と共に誘電率がかなり大幅
に増大するのに対し、ホウ酸アルミニウムウィスカー及
びホウ酸マグネシウムウィスカーの場合には、殆ど増大
せず、しかも誘電正接については充填量が増える程、樹
脂単独(比較例3)の場合より大きく低下し、殊に30
重量%充填では、1桁も低下し、回路基板として極めて
望ましい性能となることが判る。
【0049】また、表3より、サーモトロピック液晶ポ
リエステル樹脂については、結晶性樹脂の為、非晶性樹
脂のポリエーテルイミド樹脂に比較して、ウィスカーの
補強効果が大きい。この場合も、チタン酸カリウムウィ
スカーを充填すると誘電率がかなり大きくなり、誘電正
接も1桁大きくなるのに対し、ホウ酸アルミニウムウィ
スカーを充填すると、誘電率は若干増大する程度に止ま
り、誘電正接については充填量が増える程、樹脂単独の
場合より小さくなる。尚、ピロリン酸カルシウム粉末
(平均粒子径約10μm、大平化学産業(株)製)は、
サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂のエッチング助
剤として配合したものであり、チタン酸カリウムウィス
カーに対しては、誘電特性を若干改良できるが、ホウ酸
アルミニウムウィスカーに対しては、誘電特性を低下さ
せる傾向がある。
【0050】実施例12及び比較例9〜11 熱硬化性樹脂としてフェノール型エポキシ樹脂(EPC
LON850、大日本インキ化学工業(株)製)を用
い、充填剤として直径13μm、長さ1.5mmのEガ
ラス短繊維(日本電気硝子繊維(株)製)、チタン酸カ
リウム繊維(大塚化学(株)製、ティスモ−D)又はホ
ウ酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業(株)製、
アルボレックスG)を、それぞれ50重量%混入し、充
分攪拌分散させた後、硬化剤として、メタキシリンジア
ミンを15phR(エポキシ樹脂100重量部に対して
15重量部)添加して、更に攪拌後、真空脱泡し、次い
でテフロンシートの上に厚さ3mmのスペーサーを周囲
において、流延して3時間室温に放置後、130℃で3
時間熱硬化させ、曲げ強さ及び荷重たわみ温度(18.
5kgf/cm2 荷重)をJIS K−6911、表面
粗さをサーフコム 300B((株)東京精密製)を使
用して、中心線平均粗さRaでもって表示し、結果をま
とめて表4に示した。
【0051】
【表4】
【0052】表4から、熱硬化性樹脂についても、誘電
特性が従来使用されてきたガラス繊維よりも(勿論チタ
ン酸カリウムウィスカーよりも)、ホウ酸アルミニウム
ウィスカーの方が優れ、他の強化材では、誘電率及び誘
電正接が無充填より劣るに対し、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカーは、誘電率は同等又は若干小さく、誘電率は1
桁小さくなり、回路基板材料として極めて望ましい誘電
特性が得られることが判る。
【0053】尚、表面粗さも、ウィスカーの特徴である
サブミクロンの表面性が得られ、銅箔の密着性、回路印
刷性等で非常に有利となることも明らかになった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に一般式
    aAxy・bB23 (ここで、a及びbはそれぞれ
    1〜9の整数、AはII価又はIII 価の金属元素、x及び
    yはそれぞれ1〜3の整数)で示される組成からなるウ
    ィスカーを、該樹脂及びウィスカーの合計重量を基準に
    して5〜60%の割合で配合してなることを特徴とする
    電子部品用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル
    系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、5−メチル
    ペンテン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、耐熱性ABS
    樹脂、耐熱性ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファ
    イド樹脂、芳香族ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルイ
    ミド樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルニ
    トリル樹脂、サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂及
    び熱溶融性フッ素樹脂から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1記載の電子部品用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、エポキ
    ン樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれた少なく
    とも1種である請求項1記載の電子部品用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式 aAxy・bB2 3 で示され
    るウィスカーが式9Al2 3 ・2B2 3 もしくは2
    Al2 3 ・B2 3 で示されるホウ酸アルミニウム又
    は式 2MgO・B2 3 で示されるホウ酸マグネシウ
    ムであり、ウィスカー形状として繊維径0.05〜5μ
    m、繊維長2〜100μmのものを、1種又は2種混合
    使用することを特徴とする請求項1〜3に記載の電子部
    品用樹脂組成物。
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JP (1) JPH06220249A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07118529A (ja) * 1993-08-30 1995-05-09 Otsuka Chem Co Ltd 電子部材用樹脂組成物
JPH0820671A (ja) * 1994-07-08 1996-01-23 Otsuka Chem Co Ltd 電子部品用樹脂組成物
WO1999015591A1 (fr) * 1997-09-25 1999-04-01 Teijin Limited Composition de resine thermoplastique renforcee ignifugee, et procede de fabrication
WO1999015588A1 (fr) * 1997-09-19 1999-04-01 Daicel Chemical Industries, Ltd. Composition de resine styrene et moulages produits a l'aide de ladite composition
US6479578B2 (en) 1995-10-27 2002-11-12 Daikin Industries, Ltd. Resin composition

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