JPH06219135A - 車両用冷暖房装置 - Google Patents

車両用冷暖房装置

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JPH06219135A
JPH06219135A JP5012598A JP1259893A JPH06219135A JP H06219135 A JPH06219135 A JP H06219135A JP 5012598 A JP5012598 A JP 5012598A JP 1259893 A JP1259893 A JP 1259893A JP H06219135 A JPH06219135 A JP H06219135A
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heat exchanger
temperature
heat
compressor
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Takayoshi Matsuoka
孝佳 松岡
Junichiro Hara
潤一郎 原
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/88Optimized components or subsystems, e.g. lighting, actively controlled glasses

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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調性能を維持しつつ、省エネルギ運転が可
能な車両用冷暖房装置の提供を目的とする。 【構成】 コンプレッサ31と、車室外熱交換器38
と、放熱用車室内熱交換器33と、膨張弁34と、吸熱
用車室内熱交換器35と、冷媒流路切換手段32と、吸
熱用車室内熱交換器35の吹き出し風温センサ59と、
吸熱用車室内熱交換器35の入口冷媒温度センサ68な
どのセンサと、これらのセンサからの熱環境情報および
加減速センサ出力に基づきエアミックスドア46の開
度、コンプレッサ31の入力を制御し、空調制御を行う
制御装置43を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンプレッサの駆動
により冷媒を車室外熱交換器および車室内熱交換器に循
環させる蒸気圧縮サイクルを備えた車両用冷暖房装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用冷暖房装置としては、特開
平2−290475号公報や実開平2−130808号
公報などに開示されているように、四方弁で冷媒の流れ
を暖房運転時と冷房運転時とで逆転させ、暖房運転時に
は、車室外熱交換器を吸熱器として使用すると共に、車
室内熱交換器を放熱器として使用し、冷房運転時には、
車室外熱交換器を放熱器として使用すると共に、車室内
熱交換器を吸熱器として使用するようにしたものが知ら
れている。
【0003】具体的には、上記特開平2−290475
号公報に開示された冷暖房装置を、図15に図示して説
明する。つまり、暖房運転時には、四方弁2が実線示の
ように切り換えられ、冷媒がコンプレッサ1→四方弁2
→第1車室内熱交換器3→加熱用熱交換器4→第2車室
内熱交換器5→膨張弁6→車室外熱交換器7→四方弁2
→レシーバ8→コンプレッサ1と循環し、第1車室内熱
交換器3がコンプレッサ1から吐出された高温なる冷媒
の熱をブロワファン9で導入された空気に放熱して車室
内暖房用の温風を作り、加熱用熱交換器4がエンジン1
0からの廃熱を冷媒に吸熱し、この冷媒の熱を第2車室
内熱交換器5がブロワファン11で導入された空気に放
熱して車室内暖房用の温風を作り、車室外熱交換器7が
ファン12で導入された外気の熱を冷媒に吸熱する。冷
房運転時には、四方弁2が点線示のように切り換えら
れ、冷媒がコンプレッサ1→車室外熱交換器7→膨張弁
6→第2車室内熱交換器5→第1車室内熱交換器3→四
方弁2→レシーバ8→コンプレッサ1と循環し、車室外
熱交換器7がコンプレッサ1から吐出さたれ高温なる冷
媒の熱を外気に放熱し、第1,第2車室内熱交換器3,
5がブロワファン9,11で導入された空気の熱を冷媒
に吸熱して車室内冷房用の冷風を作る。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】かかる従来例にあって
は、四方弁2で冷媒の流れを暖房運転時と冷房運転時と
で逆転させ、暖房運転時には、車室外熱交換器7を吸熱
器として使用すると共に、車室内熱交換器3,5を放熱
器として使用して車室内暖房用の温風を作り、冷房運転
時には、車室外熱交換器7を放熱器として使用すると共
に、車室内熱交換器3,5を吸熱器として使用して車室
内冷房用の冷風を作るようになっているので、外気温が
低い時や走行時あるいは降雨時、さらに降雪時などのよ
うな気候条件において、暖房運転を行なうと、車室外熱
交換器7での吸熱量が減少する。そして、コンプレッサ
1の仕事量が一定であると仮定すると、車室外熱交換器
7からの吸熱量とコンプレッサ1の仕事量との合計熱量
を放熱する車室内熱交換器3,5での放熱量が減少し、
暖房能力が低下する。しかも、上記気候条件では、着霜
現象が生じ易く、デフロスト運転の回数が増加して安定
した暖房運転が得られなくなる恐れがある。
【0005】また、暖房運転時には、エンジン10から
の廃熱を吸熱して車室内暖房用の温風を作るため、ソー
ラカーや電気自動車のように大きな熱源を持たない車両
には不向きであった。
【0006】これに対し本願出願人は、特願平3−34
5950号として新たな車両用ヒートポンプ式冷暖房装
置を提案している。この装置は、吸熱用車室内熱交換器
の他に放熱用車室内熱交換器を設け、三方弁で切り換え
るようにしたものである。かかる装置によれば、車室外
の気候条件に左右されず安定した制御で冷暖房能力を向
上することができ、大幅な設計変更を必要とせず、電気
自動車などにも適し、しかも除湿暖房を行うことができ
る。
【0007】具体的には図16のようになっており、暖
房運転時には三方弁32が実線示のように切り換えら
れ、冷媒がコンプレッサ31→三方弁32→放熱用車室
内熱交換器33→液タンク36→膨脹弁34→吸熱用車
室内熱交換器35→コンプレッサ31と循環し、ブロワ
ファンで導入された空気は吸熱用車室内熱交換器35で
の熱交換により冷やされ、冷却除湿された後、放熱用車
室内熱交換器33での熱交換により温められ、車室内暖
房用の温風が作られる。
【0008】また、冷房運転時には、三方弁32が点線
示のように切り換えられ、冷媒がコンプレッサ31→三
方弁32→車室外熱交換器38→逆止弁70→放熱用車
室内熱交換器33→液タンク36→膨脹弁34→吸熱用
車室内熱交換器35→コンプレッサ31と循環し、車室
外熱交換器38がコンプレッサ31から吐出された高温
な冷媒の熱を外気に放熱し、ブロワファンで導入された
空気が吸熱用車室内熱交換器35で熱交換されて冷やさ
れ、車室内冷房用の冷風が作られる。
【0009】ところで、この冷暖房装置にあっても、コ
ンプレッサ31への入力の大小が消費エネルギに影響
し、特に電気自動車に適用した場合には、走行距離に大
幅に関係してくる。このため、可能な限り、冷暖房装置
の省エネルギ化が望まれるのである。
【0010】そこでこの発明は、空調性能を維持しつ
つ、省エネルギ運転が可能な車両用冷暖房装置の提供を
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、冷媒に仕事量を加えるコ
ンプレッサと、このコンプレッサの冷媒吐出側に接続さ
れ、冷媒の熱を外気に放熱する車室外熱交換器と、前記
コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を送風
手段により導入された空気に放熱して温風を作る放熱用
車室内熱交換器と、この放熱用車室内熱交換器の冷媒流
出側に接続された膨張手段と、この膨張手段の冷媒流出
側と前記コンプレッサの冷媒吸入側とに接続され、送風
手段により導入された空気の熱を前記車室外熱交換器お
よび前記放熱用車室内熱交換器の少なくとも一方から前
記膨張手段を通して供給された冷媒に吸熱して冷風を作
る吸熱用車室内熱交換器と、前記コンプレッサの冷媒吐
出側と前記車室外熱交換器および前記放熱用車室内熱交
換器の冷媒流入側との間に設けられ、コンプレッサから
吐出される冷媒を、冷房運転時に少なくとも前記車室外
熱交換器に導入し、暖房運転時に前記車室外熱交換器を
回避させて前記放熱用車室内熱交換器に導入する冷媒流
路切換手段と、前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空
気温度を検出する吹き出し風温センサと、前記吸熱用車
室内熱交換器の流入冷媒温度を検出する入口冷媒温度セ
ンサと、前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空気温度
が、目標吹出温度となるように前記コンプレッサの入力
を制御すると共に、前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出
し空気温度と前記目標吹出温度の偏差が設定範囲内であ
る場合に、前記吸熱用車室内熱交換器に流入する冷媒温
度の低下を検出して、前記コンプレッサの入力を低下さ
せるコンプレッサ制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0012】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1記載の車両用冷暖房装置において、前記吸熱用車室内
熱交換器の吹き出し空気が前記放熱用車室内熱交換器を
通過する割合を調整して温度制御をする調整手段と、車
両の加減速状態を検出する加減速センサと、前記加減速
センサが車両の加減速状態を検出した場合に、前記加減
速に応じて前記調整手段による割合を増減した後、前記
調整手段の割合調整による空気温度の変化と、前記コン
プレッサの入力調整による空気温度の変化とが反するよ
うに調整手段およびコンプレッサを制御する温度制御手
段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明では、冷房運転時にコン
プレッサの駆動により冷媒をコンプレッサから冷媒流路
切換手段、車室外熱交換器のみ又は車室外熱交換器と放
熱用車室内熱交換器との両方、膨脹手段、吸熱用車室内
熱交換器を順に経由してコンプレッサに循環し、車室外
熱交換器がコンプレッサから吐出された高温な冷媒の熱
を外気に放熱し、吸熱用車室内熱交換器が送風手段で導
入された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。暖房運
転時にはコンプレッサの駆動により冷媒がコンプレッサ
から冷媒流路切換手段、放熱用車室内熱交換器、膨脹手
段、吸熱用車室内熱交換器を順に経由してコンプレッサ
に循環し、放熱用車室内熱交換器がコンプレッサから吐
出された高温な冷媒の熱を送風手段で導入された空気に
放熱して温風を作り、吸熱用車室内熱交換器が送風手段
で導入された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0014】そして、吸熱用車室内熱交換器の吹き出し
空気温度が目標吹出温度となるようコンプレッサ入力が
制御される。
【0015】また、吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空
気温度と目標吹出温度との偏差が設定範囲内に入ると、
吸熱用車室内熱交換器に流入する冷媒温度の低下に応じ
てコンプレッサ入力を下げ、冷媒温度が低下しなければ
コンプレッサ入力はそのままにする。
【0016】例えば、車速が増加すると、車室外熱交換
器の通過空気量が増大して、結果的に吸熱用車室内熱交
換器の流入冷媒温度が低下し冷凍能力が増加する。従っ
て、そのときコンプレッサ入力を下げ得るので、設定範
囲内の偏差を維持しながらコンプレッサは省エネルギ運
転になる。
【0017】請求項2に記載の発明では、上記作用に加
え、加速状態か減速状態かを判断して、調整手段により
割合を増減した後に、調整手段による空気温度の変化と
コンプレッサの入力調整による空気温度の変化とが反す
るように制御される。これにより加減速時に車室外熱交
換器の通過空気量が急激に増減しても、調整手段による
素早い調整によって車室内への吹き出し空気温度の急変
を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の一実施例を説明する。
【0019】図1はこの発明の一実施例に係る車両用冷
暖房装置の概略構成を示し、図2はこの冷暖房装置の冷
凍サイクルのみを示す概略構成図である。
【0020】これら図1、図2に示すように、コンプレ
ッサ31はエンジンルームのような車室外に設けられ、
電動式コンプレッサや油圧駆動式コンプレッサのように
入力値が直接可変可能になっている。このコンプレッサ
31の吐出側には流路切換手段としての三方弁32を介
して車室外熱交換器38と、放熱用車室内熱交換器33
とが接続されている。
【0021】前記車室外熱交換器38は、コンプレッサ
31から吐出される冷媒の熱を外気に放熱する車室外コ
ンデンサになっている。
【0022】前記放熱用車室内熱交換器33は、インス
トルメントパネルの裏側のような車室内前部に配置され
た装置本体としてのダクト39内に設けられ、コンプレ
ッサ31から吐出される冷媒の熱を送風手段としてのブ
ロワファン37によって導入された空気に放熱する放熱
タイプの車室内コンデンサになっている。
【0023】前記三方弁32は、暖房運転時には、実線
示のような流路切換状態となり、コンプレッサ31の吐
出側を放熱用車室内熱交換器33の冷媒流入側に接続す
る。一方、冷房運転時には、点線示のような流路切換状
態となり、コンプレッサ31の吐出側を、車室外熱交換
器38及び逆止弁70を介して放熱用車室内熱交換器3
3の冷媒流入側に接続している。
【0024】前記逆止弁70は、車室外熱交換器38側
から放熱用車室内熱交換器33側への冷媒の流れを許容
し、放熱用車室内熱交換器33側から車室外熱交換器3
8への冷媒の逆の流れを阻止するようになっている。
【0025】前記放熱用車室内熱交換器33の冷媒流出
側には、ダクト39内の上流側に設けられた吸熱用車室
内熱交換器35の冷媒流入側が、液タンク36及び車室
外に設けられ膨張手段として液体冷媒を断熱膨張して霧
状にする膨張弁34を介して接続されている。
【0026】前記吸熱用車室内熱交換器35は、ブロワ
ファン37によって導入された空気の熱を、車室外熱交
換器38および放熱用車室内熱交換器33の少なくとも
一方から膨張弁34を通して供給された冷媒に吸熱させ
て冷風を作る吸熱タイプのエバポレータになっている。
前記吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側には、コン
プレッサ31の冷媒吸入側が接続されている。
【0027】前記ダクト39内の吸熱用車室内熱交換器
35よりも上流側には、車室内空気を導入する内気導入
口40と、走行風圧を受けて外気を導入する外気導入口
41とが設けられている。この内気導入口40と外気導
入口41とが分岐する部分には、内気導入口40と外気
導入口41とを任意の比率で開閉するインテークドア4
2が設けられている。インテークドア42は、制御装置
43で駆動される図外のインテークドアアクチュエータ
により開閉される。
【0028】前記内気導入口40と外気導入口41との
空気導出側(空気流の下流側)と吸熱用車室内熱交換器
35との間には、前記ブロワファン37が配置され、ブ
ロワファンモータ44で回転駆動されるようになってい
る。
【0029】前記放熱用車室内熱交換器33の上流側に
は、エアミックスドア46が設けられている。このエア
ミックスドア46は、吸熱用車室内熱交換器35の吹き
出し空気が放熱用車室内熱交換器33を通過する割合を
調整する調整手段を構成する。すなわち、エアミックス
ドア46は制御装置43で制御される図外のエアミック
スドアアクチュエータにより駆動され、吸熱用車室内熱
交換器35を通過して冷えている空気が放熱用車室内熱
交換器33を迂回して冷えたままの冷風と、吸熱用車室
内熱交換器35を通過して冷えている空気が放熱用車室
内熱交換器33を通過して暖められた温風とに分ける比
率(冷風と温風との風量割合)を調整する。エアミック
スドア46の開度たるエアミックスドア開度Xdsc は、
エアミックスドア46が一点鎖線示の位置となり、冷風
と温風との風量配分が冷風100%になる時を、エアミ
ックスドア開度Xdsc =0%(全閉)と設定し、エアミ
ックスドア46が二点鎖線示の位置となり、冷風と温風
との風量配分が温風100%となる時を、エアミックス
ドア開度Xdsc =100%(全開)と設定してある。
【0030】前記ダクト39の放熱用車室内熱交換器3
3よりも下流側には、上記冷風と温風との混合を良くす
ることにより、温度調整された空調風を作る部屋として
のエアミックスチャンバ47が設けられている。エアミ
ックスチャンバ47には、対象乗員の上半身に向けて空
調風を吹き出すベンチレータ吹出口51(51a,51
b,51c,51d)と、対象乗員の足元に向けて空調
風を吹き出すフット吹出口52(52a)と、フロント
ウィンドガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹
出口53(53a)とが連設されている。エアミックス
チャンバ47内には、ベンチレータドア55とフットド
ア56とデフロスタドア57とが設けられている。ベン
チレータドア55は、制御装置43で制御される図外の
ベンチレータドアアクチュエータにより、ベンチレータ
吹出口51を開閉する。フットドア56は、制御装置4
3で制御される図外のフットドアアクチュエータによ
り、フット吹出口52を開閉する。デフロスタドア57
は、制御装置43で制御される図外のデフロスタドアア
クチュエータにより、デフロスタ吹出口53を開閉す
る。
【0031】また、前記エアミックスチャンバ47に
は、内気導入管40に連通する循環通路71が接続され
ている。循環通路71からエアミックスチャンバ47へ
の開口部72には、循環通路71の入口側ドア74が設
けられ、循環通路71と内気導入管40との分岐部73
には、出口側ドア75が設けられている。入口側ドア7
4は、制御装置43で制御される図外の入口側ドアアク
チュエータにより開口部72を開閉し、出口側ドア75
は、制御装置43で制御される図外の出口側ドアアクチ
ュエータにより分岐部73を切り換える。すなわち入口
側ドア74および出口側ドア75が開放した状態(出口
側ドア75は内気導入管40を閉じる。)において、エ
アミックスチャンバ47からブロワファン37の上流側
へ温調風が循環する。
【0032】前記制御装置43は、吸熱用車室内熱交換
器吸い込み風温センサ58と、吸熱用車室内熱交換器3
5の吹き出し風温センサ59と、ベンチレータ吹出口風
温センサ60と、日射量センサ61と、外気温センサ6
2と、室温センサ63と、空調設定パネル79に設けら
れた室温設定器64(図1では便宜上、信号線で示して
いる)と、吹出口モードスイッチ65(同)と、ブロワ
ファンスイッチ66(同)と、放熱用車室内熱交換器吹
き出し風温センサ67と、吸熱用車室内熱交換器35の
入口冷媒温度センサ68などの熱環境情報入力手段から
の熱環境情報および加減速センサ(図示省略)からの走
行状態の情報により、エアミックスドア開度Xdsc とコ
ンプレッサ31の入力値Wcompと吸熱用車室内熱交換器
35を通過する通過風量Veva と目標吹出温度Tofなど
の目標冷暖房条件を演算し、車室内の冷暖房条件が上記
演算された目標冷暖房条件を維持するように、コンプレ
ッサ31とブロワファンモータ44とエアミックスドア
アクチュエータとベンチレータドアアクチュエータとフ
ットドアアクチュエータとデフロスタドアアクチュエー
タなどを駆動する。前記熱環境情報としては、吸熱用車
室内熱交換器35の吸い込み口空気温度Tsuc と吸熱用
車室内熱交換器35の吹き出し空気温度Tou t と放熱用
車室内熱交換器33の吹き出し空気温度Tv とベンチレ
ータ吹出口51の吹き出し空気温度Tventと車両の日射
量Qsun と車室外の外気温度Tamb と車室内の検出室温
(車室内気温度)Troomと車室内の設定温度Tptc と吸
熱用車室内熱交換器35に流入する冷媒温度Tref.eva
などである。また前記走行状態の情報としては、定速走
行か加減速か、さらに加減速の直後かどうかの情報であ
る。
【0033】こうして、制御装置43は、目標冷暖房条
件を演算し、演算された目標冷暖房条件を維持するよう
に、コンプレッサ31の入力を制御するコンプレッサ制
御手段を構成すると共に、走行状態の変化に応じて、冷
風と温風との風量割合を調整するエアミックスドア46
(調整手段)を制御し、かつエアミックスドア46の調
整による空気温度変化とコンプレッサ31の入力調整に
よる空気温度変化とが反するようにエアミックスドア4
6およびコンプレッサ31を制御する温度制御手段を構
成している。
【0034】図3、図4は、この車両用冷暖房装置の基
本の制御をフローチャートに示したものである。これに
基づいて制御が行なわれる。
【0035】まず、冷暖房装置のスイッチがONされて
制御装置43が作動することにより処理を開始し、ステ
ップS1で制御に用いる定数(A〜H,P〜S)のセッ
トが行われる。すなわち、目標吹出温度Tofの計算式に
用いるA〜E、エアミックスドアの開度Xdsc の計算式
に用いるF,G,H、設定室温の補正に用いるP,Q、
コンプレッサ制御に用いるS,S1 ,S2 をセットす
る。
【0036】ステップS2では、各種センサ出力が読み
込まれる。すなわち、室温センサ63の出力である車室
内温度Troom、日射量センサ61の出力である日射量Q
sun、外気温センサ62の出力である外気温Tamb 、室
温設定器64の出力である車室内の設定室温Tptc 、フ
ァンスイッチの設定Vfan,set の読み込みを行う。
【0037】ステップS3では、ブロワファン37の風
量を印加電圧により制御するため、乗員の設定する室温
設定値Tptc と室温Troomとの偏差(Troom−Tptc
に応じて空調風を発生するブロワファン37の印加電圧
fan をセットする。具体的には、この偏差が大きいほ
ど印加電圧を増加し、室温を設定室温に早急に近づける
ようにする。
【0038】ステップS4では、設定室温Tptc の補正
を行う。この補正は、定数P,Q及び外気温Tamb を用
い、次式により行なう。
【0039】Tptc ´=Tptc +P×Tamb +Q 具体的には、外気温が低い場合には設定室温を上昇さ
せ、外気温が高い場合には、設定室温を低下させる。通
常、人間の体感では、周囲が暑い環境下で室温を低下さ
せると「涼しい」といった温冷感が得られ、逆に、周囲
が寒い環境下で室温を上昇させると「暖かい」といった
温冷感が得られる。このように周囲の温度に逆比例する
ような温度を設定することで温冷感が刺激されて快適と
なる。
【0040】ステップS5では、目標吹出温度Tofを算
出する。この算出は、定数A,B,C,D,E、外気温
amb 、室温Troom、補正設定室温T′ptc 、日射量Q
sunを用い次式によって算出する。
【0041】 Tof=A×Tamb +B×Troom+C×T′ptc +D×Qsun +E ステップS6では、目標吹出温度Tofに基づいてエアミ
ックスドアの開度Xds c を算出する。この算出は定数
F,G,Hを用い次式によって行う。
【0042】Xdsc =F×Tof 2 +G×Tof+H ステップS7では、目標吹出温度Tofに基づいて吹出モ
ードを決定する。すなわち、目標吹出温度が高ければ主
として前席乗員の足元に吹き出すFOOT(フートモー
ド)、同中程度であれば前席乗員の胸部と足元に吹き出
すBI−LEVEL(バイレベルモード)、同低ければ
前席乗員の胸部に吹き出すVENT(ベントモード)を
選択する。
【0043】図4のステップS8では、乗員によってマ
ニュアルファンスイッチが押されたかどうかを判断す
る。マニュアルファンスイッチが押されていればその操
作に応じるためステップS9によってファン設定値V
fan ′=Vfan,set を最終的なブロワファン電圧とす
る。マニュアルファンスイッチが押されていなければ、
ステップS10において、以前のステップS3で自動的
に定めたブロワファン電圧をそのまま用いる。
【0044】ステップS11では、ステップS9あるい
はステップS10で決められたブロワファン電圧をブロ
ワファンモータ44へ出力する。
【0045】ステップS12では、各ドアアクチュエー
タに出力し、ドアを所定位置に自動セットする。
【0046】ステップS13では、コンプレッサ31と
コンプレッサモータを制御する。この制御については図
5〜図9を用いて後述する。
【0047】こうして、基本的設定が終了すると図3の
ステップS2へ戻り、再度上記各ステップが繰り返され
る。
【0048】図5から図9は前記図4のステップS13
を実行するフローチャートを示す。
【0049】まず、図5は冷房運転と暖房温調時との選
択のフローチャートを示している。
【0050】ステップS131では各種データの読み込
みが行なわれる。ここでの読み込みは図3のステップS
2で読み込んだデータ以外のものを読み込む。すなわ
ち、吹き出し風温センサ59の出力である吸熱用車室内
熱交換器35の吹き出し空気温度Tout 、吸い込み風温
センサ58の出力である吸熱用車室内熱交換器35の吸
い込み空気温度Tsuc 、風温センサ67の出力である放
熱用車室内熱交換器33の吹き出し空気温度Tv 、コン
プレッサ仕事量を表わす物理量Vcompを読み込む。そし
て、Vcompに比例してコンプレッサ吐出量が増加し、コ
ンプレッサ仕事量も増える(電動コンプレッサを使用す
る場合には、周波数に相当する)。
【0051】ステップS132で、デフロスタスイッチ
がONされているか否かを判断し、デフロスタスイッチ
がONされている場合には、ステップS133に進み、
デフロスタスイッチがOFFされている場合には、ステ
ップS134に進む。
【0052】ステップS133では、吸熱用車室内熱交
換器35の目標冷却状態に対して、デフロスタスイッチ
がONされている場合の補正項を与える。δTc は冷房
運転時の目標とする吸熱用車室内熱交換器吹き出し空気
温の補正項で、δTH は暖房運転時の上限冷却温度(窓
晴れ温度)の補正項で、デフロスタスイッチがONされ
ている場合には、吸熱用車室内熱交換器35での目標冷
却状態をより低く設定して除湿量を増やし、放熱用車室
内熱交換器33でのリヒート量を多くして、最終的に目
標とする吹き出し温度で車室内に空調風を吹き出す。同
様に、ステップS134では、デフロスタスイッチがO
Nされていない場合の吸熱用車室内熱交換器35の目標
冷却状態に対する補正項を与える。
【0053】ステップS135では、ステップS133
やステップS134で与えられた補正項を使って、冷房
運転した場合と暖房運転した場合の吸熱用車室内熱交換
器35での冷却状態を比較し、冷房運転した場合の冷却
状態の方が暖房運転した場合よりも低くなる時、ステッ
プS136に進んで冷房運転を行ない、逆に、暖房運転
した場合の冷却状態の方が冷房運転した場合よりも低く
なる場合には、ステップS137に進んで暖房運転を実
行する。
【0054】冷暖房の切替えは、前記三方弁32を制御
装置43によって切替制御することにより行う。
【0055】つぎに、図6〜図9はこの発明の特徴を表
す実施例の冷房運転時のコンプレッサ制御と吸熱用車室
内熱交換器35の吹き出し空気温度制御のフローチャー
トである。
【0056】図6のステップS201で、冷房時の吹き
出し温度制御を開始すると、ステップS202で、各セ
ンサ出力を検出する。
【0057】ステップS203では、ステップS202
で検出したセンサ出力に基づいて、目標吹出温度Tof
演算する。
【0058】ステップS204では、吹出モードがベン
トモードであるか否かを判断する。ベントモードである
場合には、ステップS205に進み、吸熱用車室内熱交
換器35の吹き出し空気温度の目標温度Tout ´をステ
ップS203で演算した目標吹出温度Tofに設定し、ベ
ントモード以外の場合には、ステップS206に進み、
吸熱用車室内熱交換器35の吹き出し空気温度の目標温
度をαで補正して設定する。すなわち、デフモードやフ
ットモードでは目標温度Tout ´が若干低く設定され
る。
【0059】ステップS207では、吹き出し風温セン
サ59で検出した吸熱用車室内熱交換器35の吹き出し
空気温度Tout とステップS205またはステップS2
06で設定した目標温度Tout ´との温度差(偏差)△
θ1を計算する。
【0060】ステップS208は、空調状態が定常状態
に達したか否かを判断するもので、ステップS207で
計算した△θ1の変化が設定温度範囲内か否かを判断す
る。△θ1が設定温度範囲内であれば、車両の熱負荷状
態(空調状態)がほぼ定常状態に達したと判断して、ス
テップS209に進み、逆に、△θ1が設定温度範囲外
であれば、日射量の変化や乗員が温度設定を変更したと
判断して、図9のステップS229に進み、コンプレッ
サ入力を変化させて、目標温度Tout ´に近づける。
【0061】車両の熱負荷状態(空調状態)がほぼ定常
状態に達した場合、ステップS209では、加減速セン
サ出力に基づき、車両が定速走行状態にあるか否かを判
断し、定速走行状態でなくて加減速状態であれば、図8
に示すステップS220に進み、定速走行状態であれ
ば、図7のステップS210に進む。
【0062】ステップS210では、ベントモードであ
るか否かを判断し、ベントモードである場合には、ステ
ップS216に進み、エアミックスドア46の開度を0
%(全閉)にセットし、ベントモード以外の場合には、
ステップS211に進む。
【0063】ステップS211では、放熱用車室内熱交
換器33の吹き出し空気温度Tv と吸熱用車室内熱交換
器35の吹き出し空気温度Tout との温度差と設定温度
se t の偏差△θ2を算出する。
【0064】ステップS212では、ステップS211
で算出した偏差△θ2の大小を判定し、△θ2が−S2
よりも小さい場合には、車室内への上下風の温度差が小
さく、足元の暖房感が弱いと判断して、ステップS21
3でエアミックスドア46の開度を微小開度大きくし、
逆に、△θ2がS2 よりも大きい場合には、足元の暖房
感が強く、乗員の快適感を損ねる恐れがあると判断し
て、ステップS215で微小開度エアミックスドア46
の開度を小さくし、それ以外の場合には、ステップS2
14に進み、エアミックスドア46の開度を維持する。
【0065】ステップS217では、吸熱用車室内熱交
換器35に流入する冷媒の温度Tre f.eva が低下してい
るか否かを判断する。吸熱用車室内熱交換器35の入口
冷媒温度Tref.eva は入口冷媒温度センサ68により検
出する。
【0066】走行中、車室外熱交換器38を通過する風
量が増加したり、エアミックスドア46を開いて、放熱
用車室内熱交換器33でリヒートする場合には、吸熱用
車室内熱交換器35に流入する冷媒温度Tref.eva が低
下し、吸熱用車室内熱交換器35の冷却能力が増加する
ので、その分コンプレッサ31の入力Vcompを低減する
ことができる。
【0067】図10,図11の説明と共に後述するよう
に、熱環境条件の変化に対して、吸熱用車室内熱交換器
入口冷媒温度の方が吸熱用車室内熱交換器吹き出し空気
温度よりも、素早く反応するので、冷媒温度センサ68
の出力に基づいて制御すれば応答性が良い。
【0068】そこで、ステップS217で、吸熱用車室
内熱交換器35に流入する冷媒温度Tref.eva が低下し
ていることを検出した場合には、ステップS219に進
み、コンプレッサ31の入力を△Vcomp低下させ、冷媒
温度Tref.eva の低下が検出されない場合には、ステッ
プS218に進んで、コンプレッサ31の入力Vcomp
維持する。
【0069】こうして、本発明実施例によれば、吸熱用
車室内熱交換器吹出空気温度Toutだけに基づく温度制
御と異なり、定速走行状態では吸熱用車室内熱交換器入
口冷媒温度Tref.eva を検出して、これが低下すればコ
ンプレッサ31の入力を△Vcomp低下させて吹出温制御
ができるので、制御の応答性が良く、省エネルギ運転が
できる。具体的には、図10〜図13でさらに説明す
る。
【0070】以上の制御が終了したら、リターンし、同
様なステップが繰り返される。
【0071】一方、図6のステップ209で定速走行で
ない場合は、図8のステップ220へ進み、加減速状態
に対応した制御が行われる。すなわち、ステップS22
0では、加速状態か否かを判断し、加速状態である場合
にはステップS221に進み、減速状態である場合には
ステップS225に進む。
【0072】加速状態にある場合には、車室外熱交換器
38を通過する風量が増加するために、そのままでは車
室内への吹出温度は低下する。また減速状態にある場合
には、車室外熱交換器38を通過する風量が減少するた
めに、そのままでは車室内への吹出温度は若干上昇す
る。そこで、ステップS221〜S228を実行し、車
室内吹出温度の急変を避けるのである。
【0073】まず、ステップS221では、加速直後か
否かを判断し、加速直後である場合には、ステップS2
22に進む。また、加速直後でない場合には、ステップ
S223に進む。
【0074】ステップS222は、加速直後の制御であ
って、エアミックスドア46(冷風と温風との風量割合
を調整する調整手段)を設定した開度開き、乗員が加速
時の車室内への吹出温度低下を感じないようにする。
【0075】ステップS223では、加速直後に引き続
く加速状態にあるので、ステップS222でエアミック
スドア46を設定した開度開いた後、このステップ22
3で車室内への吹出温度を低下させる方向にエアミック
スドア46を微小量閉じる。
【0076】さらに、ステップS224では、車室内へ
の吹出温度を上げる方向にコンプレッサ入力Vcompを微
小量減らす。
【0077】このように、加速時には、一旦エアミック
スドア46を設定した開度開いた後、エアミックスドア
46の調整による吹き出し空気の温度変化とコンプレッ
サ入力制御による吹き出し空気の温度変化とが互いに反
するように制御するので、コンプレッサ入力Vcompを低
減しながら、応答性良く、吹き出し空気温度の急変を防
ぐことができる。
【0078】一方、ステップS225では、減速直後か
否かを判断し、減速直後である場合には、ステップS2
26に進む。また、減速直後でない場合は、ステップS
227に進む。
【0079】ステップS226は、減速直後の制御であ
って、エアミックスドア46(冷風と温風との風量割合
を調整する調整手段)を設定した開度閉じる。こうし
て、車室内への吹出温度上昇を小さくする。
【0080】ステップS227では、減速直後に引き続
く減速状態にあるので、ステップS226でエアミック
スドア46を設定した開度閉じた後、このステップ22
7で車室内への吹出温度を上げる方向にエアミックスド
ア46を微小量開く。
【0081】さらに、ステップS228では、車室内へ
の吹出温度を下げる方向にコンプレッサ入力を微小量増
加する。
【0082】このように、減速時には、一旦エアミック
スドア46を設定した開度閉じた後、エアミックスドア
46の調整による吹き出し空気の温度変化とコンプレッ
サ入力制御による吹き出し空気の温度変化とが互いに反
するように制御するので、減速時の車室内への吹出温度
上昇を小さく抑えながら、応答性良く、吹き出し空気温
度の急変を防ぐことができる。
【0083】こうして、本発明実施例によれば、加、減
速のような車両の走行状態が変化して、これに伴って冷
房能力が変化するとき、走行状態の変化を直接的には判
断しない従来例と異なり、加減速センサ出力に基づき
加、減速状態を直接判断してエアミックスドア46(冷
風と温風との風量割合を調整する調整手段)を設定開度
開閉(割合増減)した後、エアミックスドアの調整によ
る吹出温度変化とコンプレッサ入力の調整による吹出温
度変化とが互いに反するように温度制御するので、車両
の走行状態が急変しても、調整手段による素早い調整に
よって車室内への吹き出し空気温度の急変を防ぐことが
できる。
【0084】また、前記図6のステップ208で、△θ
1が設定温度範囲外であれば、日射量の変化や乗員が温
度設定を変更したと判断して、図9のステップS229
に進み、コンプレッサ入力を変化させて、目標の吹出温
度Tout ´に近づける。
【0085】ステップS229では、ステップS207
で算出した△θ1の大きさを比較し、△θ1<−S1
場合には、ステップS230に進み、コンプレッサ入力
を△Vcomp下げ、逆に、△θ1>S1 の場合には、ステ
ップS232に進み、コンプレッサ入力を△Vcomp増加
し、それら以外の場合には、ステップS231に進ん
で、コンプレッサ入力Vcompを維持する。
【0086】こうして、吸熱用車室内熱交換器吹出空気
温度Tout を目標吹出空気温度Tou t ´に近づける。以
上の制御が終了したら、リターンし、同様なステップが
繰り返される。
【0087】そして、冷房運転時には、図1、図2の点
線示のように三方弁32が切り換えられ、冷媒がコンプ
レッサ31→三方弁32→車室外熱交換器38→逆止弁
70→放熱用車室内熱交換器33→液タンク36→膨脹
弁34→吸熱用車室内熱交換器35→コンプレッサ31
と循環し、車室外熱交換器38がコンプレッサ31から
吐出された高温な冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を
放熱用車室内熱交換器33がブロワファン37で導入さ
れた空気又は車両走行時のラム圧によって導入された空
気に放熱して温風を作り、吸熱用車室内熱交換器35が
ブロワファン37で導入された空気又は車両走行時のラ
ム圧によって導入された空気の熱を冷媒に放熱させて冷
風を作る。
【0088】前述したように、本実施例では、定速走行
時、前記図7のステップ217で吸熱用車室内熱交換器
入口冷媒温度Tref.eva を検出し、コンプレッサ入力を
制御しているが、その方が応答性が良く、確実にコンプ
レッサ入力を低減できることの実験結果をつぎに説明す
る。
【0089】図10と図11は、車速風が変化した場合
に、吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気温度Tout
入口冷媒温度Tref.eva そしてコンプレッサ入力Vcomp
の変化の実験結果を示している。
【0090】計算条件は、外気温35℃、車室内風量4
3 /min、吸熱用車室内熱交換器吸込空気温度30
℃(湿度40%)の条件で、固定容量コンプレッサ31
を一定回転数で回転させている。
【0091】○、◇、☆は、吸熱用車室内熱交換器35
の吹出空気温度Tout に基づいてコンプレッサ回転数を
変化させた場合の結果であるが、吸熱用車室内熱交換器
吹出空気温度Tout には±数℃程度の温度変動があるの
で、これを考慮すると、ここで実験した範囲内では図1
1のコンプレッサ入力(☆)は車速風が大きくなっても
ほぼ一定とみざるを得ない。
【0092】つまり、この温度制御方法では、車速風
(図10の横軸数値)が変化しても、図11のコンプレ
ッサ入力Vcompはほぼ一定とみなさざるを得ず、コンプ
レッサ入力Vcompの低減(省エネ)ができない。
【0093】これに対し、●、◆、★は、本発明実施例
の温度制御で、吸熱用車室内熱交換器入口冷媒温度T
ref.eva に基づいてコンプレッサ入力Vcompを変化させ
た場合の結果である。
【0094】冷媒温度Tref.eva にも温度変動はある
が、吹出空気温度Tout の変動よりも小さく、放熱用車
室内熱交換器33でリヒートすると、さらに温度変動は
小さくなる。また、吸熱用車室内熱交換器入口冷媒温度
と吸熱用車室内熱交換器吹出空気温度との関係は、冷媒
温度が変わるとそれに起因して吹出空気温度が変わると
いう因果関係にあるので、冷媒温度の変化の方が吹出空
気温度の変化よりも先行する。
【0095】そのため本発明実施例によれば、吸熱用車
室内熱交換器入口冷媒温度Tref.ev a を検出し、この温
度(図10の◆)がほぼ一定となるようにコンプレッサ
入力(図11の★)Vcompを制御するので応答性が良
く、車速風の増加があっても、吸熱用車室内熱交換器3
5の吹出空気温度Tout (図10の●)をほぼ一定に保
ちながら、図11に示す★のようにその車速風増加に伴
ってコンプレッサ入力Vcompを低減することができる。
【0096】また、図12と図13は、図10,図11
と同じ条件で車室外熱交換器38を通過する空気量を一
定にして、エアミックスドア46の開度を変化させた場
合の実験結果を示している。
【0097】図10、図11と同様に、○、◇、☆は、
従来の吹出空気温度変化に基づく温度制御を行った場合
であり、●、◆、★は、本発明の吸熱用車室内熱交換器
入口冷媒温度Tref.eva に基づく温度制御を行った場合
である。
【0098】エアミックスドア46の開度を大きくし
て、放熱用車室内熱交換器33でのリヒート量を多くす
ると、吸熱用車室内熱交換器入口冷媒温度Tref.eva
低下し、温度変動も小さくなる。
【0099】そこで、この入口冷媒温度(図12の◆)
をほぼ一定に維持するようにコンプレッサ入力(図13
の★)Vcompを制御するので、エアミックスドア46の
開度増加があっても、吸熱用車室内熱交換器35の吹出
空気温度Tout (図12の●)をほぼ一定に保ちなが
ら、図13に示す★のようにその開度増加に伴ってコン
プレッサ入力Vcompを低減することができる。
【0100】このように、吸熱用車室内熱交換器入口冷
媒温度Tref.eva は走行状態変化に対して敏感でかつ変
動が小さいので、これを検出してコンプレッサ入力V
compを制御すれば、コンプレッサ入力Vcompを低減でき
る場合があるので省エネルギ運転ができる。
【0101】図14は暖房温調時のコンプレッサ制御の
フローチャートを示している。
【0102】暖房運転が実行されると、ステップS13
71でデフロスタスイッチがONされているか否かを判
断する。
【0103】ステップS1371でデフロスタスイッチ
がONの場合には、ステップS1372において、逆
に、デフロスタスイッチがOFFの場合には、ステップ
S1373において、暖房運転時の吸熱用車室内熱交換
器35の上限冷却温度に対する補正温度δTH を与え
る。ここでは、デフロスタスイッチのON/OFFに対
してのみ補正しているが、車両の熱負荷条件、例えば、
日射や車室内温度や外気温や吹出温度に対して補正して
もよい。
【0104】ステップS1374では、低外気温時の設
定上限冷却温度T5 と外気温Tambを基にした上限冷却
温度(Tamb −δTH )とを比較して、大きい方を暖房
運転時の上限冷却温度(上限T′int )として設定す
る。ここでは、上限冷却温度を決める要素の一つとし
て、外気温度で代表させているが、外気温以外にも車両
の熱環境条件や窓曇りセンサ出力等を用いてもよい。
【0105】ステップS1375では、吸熱用車室内熱
交換器35の凍結に基づく温度Tse to(T6 ) を下限冷
却温度(下限T′int )として設定する。
【0106】ステップS1376では、吸熱用車室内熱
交換器吹き出し空気温Tout がステップS1375で設
定した下限冷却温度(下限T′int )よりも低いか否か
を判断する。Tout <下限T′int の場合、このままで
は、吸熱用車室内熱交換器35が凍結する恐れがあり、
ステップS1382に進んで、コンプレッサ31の仕事
量を△Vc だけ減少させ、吸熱用車室内熱交換器吹き出
し温度を上げ、上下冷却温度内に入るようにする。この
時、図に示していないが、同時に吸熱用車室内熱交換器
吸い込み空気温を上昇させる制御を行なって、コンプレ
ッサ31の仕事量減少に伴なう吹き出し温低下を防ぐ。
【0107】ステップS1376において、Tout ≧下
限T′int の場合には、ステップS1377に進み、吸
熱用車室内熱交換器吹き出し空気温Tout が、ステップ
S1374で設定した上限冷却温度(上限T′int )よ
りも大きいか否かを判断する。
【0108】ステップS1377において、Tout >上
限T´int の場合には、ステップS1380に進み、コ
ンプレッサ31の仕事量を△Vc だけ増加させ、空調風
の除湿量を確保するために吸熱用車室内熱交換器吹き出
し温度を下げる。逆に、Tou t ≦上限T´int の場合に
は、ステップS1378に進み、目標空調風温度Tof
放熱用車室内熱交換器吹き出し空調温Tv の偏差△θを
算出する。
【0109】ステップS1379において、△θ>Sの
場合には、吹出温が目標空調風温度Tofに達していない
ので、ステップS1380に進んで、コンプレッサ31
の仕事量を△Vc だけ増加させて吹出温を上昇させる。
△θ<−Sの場合には、放熱用車室内熱交換器吹き出し
空気温が目標吹出温よりも高いので、ステップS138
2に進んでコンプレッサ31の仕事量を△Vc だげ減少
させて吹出温を低下させる。これら以外の条件では、ス
テップS1381に進み、現状のコンプレッサ仕事量を
維持する。
【0110】こうして、一回のループを終了すると、再
度上記各ステップが繰り返される。このようなコンプレ
ッサ制御により、暖房温調時には、吸熱用車室内熱交換
器吹き出し温度Tout は、窓曇りを生じない上限冷却温
度(上限T′int )と凍結を生じない下限冷却温度(下
限T′int )間に維持され、除湿(冷却)効果を伴って
目標吹出温Tofが得られる。
【0111】そして、暖房運転時には、図1、図2の実
線示のように三方弁32が切り換えられ、冷媒がコンプ
レッサ31→三方弁32→放熱用車室内熱交換器33→
液タンク36→膨脹弁34→吸熱用車室内熱交換器35
→コンプレッサ31と循環し、放熱用車室内熱交換器3
3がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の熱を
ブロワファン37で導入された空気又は車両走行時のラ
ム圧によって導入された空気に放熱して温風を作り、吸
熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導入され
た空気又は車両走行時のラム圧によって導入された空気
の熱を冷媒に吸熱させて冷風を作る。
【0112】このように本発明実施例によれば、吸熱用
車室内熱交換器35の吹き出し空気温度と前記目標吹出
温度の偏差が設定範囲内である場合に、吸熱用車室内熱
交換器35に流入する冷媒温度の低下を検出したら、コ
ンプレッサの入力を低下させる。熱環境条件の変化に対
して、吸熱用車室内熱交換器入口冷媒温度の方が吸熱用
車室内熱交換器吹き出し空気温度よりも、素早く反応す
るので、吸熱用車室内熱交換器35の入口冷媒温度セン
サ68の出力に基づいて制御すれば応答性が良く、省エ
ネルギ運転ができる。
【0113】また、加、減速のような車両の走行状態が
変化して、これに伴って冷房能力が変化するとき、走行
状態の変化を直接的には判断しない従来例と異なり、加
減速センサ出力に基づき加、減速状態を直接判断してエ
アミックスドア46(冷風と温風との風量割合を調整す
る調整手段)を設定開度開閉(割合増減)した後、エア
ミックスドアの調整による吹出温度変化とコンプレッサ
入力の調整による吹出温度変化とが互いに反するように
温度制御するので、車両の走行状態が急変しても、調整
手段による素早い調整によって車室内への吹き出し空気
温度の急変を防ぐことができる。
【0114】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、冷媒温度の低下を検出した
ら、これを一定にするように前記コンプレッサ入力を低
下させる。従って吹き出し空気温度の変動を小さく抑え
ながら、す早く効果的にコンプレッサ入力を下げること
ができ、省エネルギ性が高まる。
【0115】また、請求項2に記載の発明によれば、走
行状態が変化するとき、加減速センサ出力により加減速
状態を判断して、その加減速の直後にエアミックスドア
(冷風と温風との風量割合を調整する調整手段)を設定
開度開閉(割合増減)した後、エアミックスドアの開度
調整(割合調整)による空気温度変化とコンプレッサ入
力調整による空気温度変化とが互いに反するように制御
装置(温度制御手段)で制御する。従って走行状態の急
変に対しても応答性良く制御でき、車室内への吹き出し
空気温度の急変を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る構成図である。
【図2】この発明の一実施例に係る冷凍サイクルの構成
図である。
【図3】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図4】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図5】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図6】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図7】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図8】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図9】この発明の一実施例に係るフローチャートであ
る。
【図10】この発明の一実施例に係る吸熱用車室内熱交
換器の入口冷媒温度と吹出空気温度との車速風に対する
変化を示す図である。
【図11】この発明の一実施例に係るコンプレッサ入力
の車速風に対する変化を示す図である。
【図12】この発明の一実施例に係る吸熱用車室内熱交
換器の入口冷媒温度と吹出空気温度とのエアミックスド
ア開度に対する変化を示す図である。
【図13】この発明の一実施例に係るコンプレッサ入力
のエアミックスドア開度に対する変化を示す図である。
【図14】この発明の一実施例に係るフローチャートで
ある。
【図15】一従来例の構成図である。
【図16】他の従来例の冷凍サイクルの構成図である。
【符号の説明】
31 コンプレッサ 32 三方弁(冷媒流路切替手段) 33 放熱用車室内熱交換器 34 膨脹弁(膨脹手段) 35 吸熱用車室内熱交換器 37 ブロワファン(送風手段) 38 車室外熱交換器 43 制御装置 46 エアミックスドア 59 吹き出し風温センサ 68 入口冷媒温度センサ 70 逆止弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒に仕事量を加えるコンプレッサと、 このコンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    外気に放熱する車室外熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    送風手段により導入された空気に放熱して温風を作る放
    熱用車室内熱交換器と、 この放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側に接続された膨
    張手段と、 この膨張手段の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷媒吸
    入側とに接続され、送風手段により導入された空気の熱
    を前記車室外熱交換器および前記放熱用車室内熱交換器
    の少なくとも一方から前記膨張手段を通して供給された
    冷媒に吸熱して冷風を作る吸熱用車室内熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記車室外熱交換器お
    よび前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側との間に設
    けられ、コンプレッサから吐出される冷媒を、冷房運転
    時に少なくとも前記車室外熱交換器に導入し、暖房運転
    時に前記車室外熱交換器を回避させて前記放熱用車室内
    熱交換器に導入する冷媒流路切換手段と、 前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空気温度を検出す
    る吹き出し風温センサと、 前記吸熱用車室内熱交換器の流入冷媒温度を検出する入
    口冷媒温度センサと、 前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空気温度が、目標
    吹出温度となるように前記コンプレッサの入力を制御す
    ると共に、前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空気温
    度と前記目標吹出温度の偏差が設定範囲内である場合
    に、前記吸熱用車室内熱交換器に流入する冷媒温度の低
    下を検出して、前記コンプレッサの入力を低下させるコ
    ンプレッサ制御手段とを備えたことを特徴とする車両用
    冷暖房装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用冷暖房装置であっ
    て、 前記吸熱用車室内熱交換器の吹き出し空気が前記放熱用
    車室内熱交換器を通過する割合を調整して温度制御をす
    る調整手段と、 車両の加減速状態を検出する加減速センサと、 前記加減速センサが車両の加減速状態を検出した場合
    に、前記加減速に応じて前記調整手段により割合を増減
    した後、前記調整手段の割合調整による空気温度の変化
    と、前記コンプレッサの入力調整による空気温度の変化
    とが反するように調整手段およびコンプレッサを制御す
    る温度制御手段とを備えたことを特徴とする車両用冷暖
    房装置。
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