JPH0621839Y2 - ゴムボ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はゴムボートに関し、特にゴムボートの気胴部後
部に推進機取付板を固定したものに関する。

（従来技術とその問題点） 従来、推進機取付板を気胴部後部に取付け固定したゴム
ボートとしては、実開昭59-92087号に開示の如く、気胴
部後部の側面に垂直に取付け支持した推進機取付板の上
端に、気胴部後部の上面に亘って固定杆を架設すること
により、該推進機取付板を気胴部後部の上面及び側面の
２点に亘って側面視型状に取付け固定したものがあ
る。

しかし乍ら、このように推進機取付板を気胴部後部に２
点支持により取付けた従来のゴムボートでは、推進機を
駆動させて使用すると、推進機の推進力によって気胴部
後部に撓みが発生するため、推進機取付板の気胴部に対
する固定状態が必ずしも安定せず、推進機が変動して推
進機本来の機能を十分に発揮させることができなかっ
た。

（考案の技術的課題） 本考案は斯る従来技術の問題点に鑑みてなされたもので
あり、推進機取付板のゴムボートの気胴部に対する取付
けを安定且つ強力に行なうようにすることを目的とす
る。

（技術的課題を解決するための手段） 上記技術的課題を解決するために本考案が講ずる手段
は、前部、左右両側部及び後部からなる気胴部と硬質材
底部とからなるゴムボートにおいて、推進機取付板を、
上記気胴部後部の上面に支持する上面支持腕杆と上記気
胴部後部の側面に支持する側面支持腕杆とによって気胴
部後部に固定すると共に、上記側面支持腕杆の下端部と
前記硬質材底部の後方部側面とに亘って補強固定具を架
設したことにある。

（作用） 推進機取付板は、気胴部後部の上面、気胴部後部の側面
及び硬質材底部の後方部側面における３点で支持され、
推進機使用時に気胴部に撓みが発生すること等によって
生ずる推進機取付板の変動が、ゴムボートの硬質材底部
の後方部側面に堅牢に固定された補強固定具によって抑
制され、その固定状態が安定且つ強化される。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

本考案のゴムボートＡは、図面に示すように、気胴部１
と硬質材底部２とによって構成する。

気胴部１はゴム引布を用い、その形状は略Ｕ字状に形成
して前部と左右両側部を構成し、その後方の開放側に一
文字状の後部気胴部を設けて全周囲を気胴部１で囲った
形状とするもののほか、気胴部１の全体を連続したＯ字
状に形成したものでもよい。

硬質材底部２は、主としてＦＲＰ又は同効材を用いて形
成し、この硬質材底部２の上面に上記気胴部１を固着し
てゴムボートＡを構成するものである。

そして、このゴムボートＡの気胴部１後部に推進機取付
板３を固定するものであるが、第１図乃至第３図に従っ
て説明すれば、推進機取付板３は、気胴部１後部の上面
に該推進機取付板３を支持するための二本の上面支持腕
杆４，４をその上方部に着脱自在に突設し、該上面支持
腕杆４，４の前方端を気胴部１後部の上面に固着した固
定具８，８に着脱自在に取付ける。

また、推進機取付板３には、同取付板３の左右両端付近
に沿って上下方向に延び、気胴部１後部の側面に該推進
機取付板３を支持するための側面支持腕杆５，５を取付
け、その側面支持腕杆５，５の下端部を気胴部１後部の
側面に固着した固定具９，９に嵌挿取付けする。

これによって推進機取付板３は、上面支持腕杆４，４と
側面支持腕杆５，５とによって、気胴部１後部の上面及
び側面に亘って固定される。

更に、上記側面支持腕杆５，５はパイプ状に形成され、
その下端を開放して各々に受口5aを形成せしめ、この受
口5a，5aに補強固定具６の先端を挿入し、補強固定具６
と側面支持腕杆５，５とを接続するようになす。

上記補強固定具６は型杆からなり、その両端部6b，6b
を中央部6aの両端から側面視で同一方向に湾曲せしめ、
その両先端の連結部6c，6cを上記側面支持腕杆５，５下
端の各受口5a，5aに夫々挿入する。一方、該補強固定具
６の中央部6aは、掛止具７，７により前記硬質材底部２
の後方部側面2aに着脱自在に取付け、これにより補強固
定具６を上記側面支持腕杆５，５の下端部と上記硬質材
底部２の後方部側面2aとに亘って架設するようになす。

而して、推進機取付板３は、前記上面支持腕杆４，４に
よる気胴部１後部上面、前記側面支持腕杆５，５による
気胴部１後部側面及び補強固定具６による硬質材底部２
の後方部側面2aの３点で安定的に支持され、且つ補強固
定具６により硬質材底部２の後方部側面2aに支持される
ことで、撓み易く不安定な気胴部１における支持が補強
され、その取付け状態が強固なものとなる。

また、推進機取付板３を気胴部１後部に取付支持するた
めの支持腕杆として、第４図に示すように、上面支持腕
杆４と側面支持腕杆５とを一体のものとしたＬ型杆10を
用いるようにしてもよい。

尚、図中Ｂは推進機取付板３に取付けた状態を示す推進
機である。

（考案の効果） 本考案は以上の如く構成してなるので、以下の効果を奏
する。

推進機取付板は、気胴部後部の上面に支持する上面支
持腕杆、気胴部後部の側面に支持する側面支持腕杆及び
上記側面支持腕杆の下端部と硬質材底部の後方部側面と
に亘って架設した補強固定具によって、気胴部後部の上
面、側面及び硬質材底部の後方部側面の３点で支持され
るため、気胴部後部に安定的に支持されると共に、補強
固定具は硬質材底部に堅牢に固定されているため、撓み
易く不安定な気胴部における支持が補強され、気胴部後
部に推進機取付板を固定して推進機を取付けるゴムボー
トにあって、その推進機取付板を強固に支持することが
可能となり、推進機を駆動させた際の推進機の変動を抑
え、推進機本来の機能を十分に発揮させることができ
る。

万一、気胴部のエアーが抜けて上記支持腕杆に遊びが
生じるような状態となっても、側面支持腕杆の下端部に
接続された補強固定具が硬質材底部に堅牢に固定されて
いるため、推進機取付板のぐらつきを抑えてその安定化
を図ることができ、推進機取付板が外れたりすることに
よる危険を防止し得て実益の高いゴムボートを提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案要部の一部切欠して示す側面図、第２図
はその背面図、第３図は第１図の分解図、第４図は本考
案実施の第２例で一部切欠して示す側面図である。 Ａ……ゴムボート １……気胴部 ２……硬質材底部 2a……硬質材底部の後方部側面 ３……推進機取付板 ４……上面支持腕杆 ５……側面支持腕杆 ６……補強固定具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−92087（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前部、左右両側部及び後部からなる気胴部
   と硬質材底部とからなるゴムボートにおいて、推進機取
   付板を、上記気胴部後部の上面に支持する上面支持腕杆
   と上記気胴部後部の側面に支持する側面支持腕杆とによ
   って気胴部後部に固定すると共に、上記側面支持腕杆の
   下端部と前記硬質材底部の後方部側面とに亘って補強固
   定具を架設したことを特徴とするゴムボート。