JPH0428312Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はゴムボートの船首上面を覆うフロン
トカバーの支持構造に関するものである。

（従来技術） 従来のゴムボートにおける船首上面には、第５
図に示す如く、ゴムボートが走行中に船首部で跳
ね上げた水飛沫がボート内に入らぬ様にフロント
カバー３１を取り付けている。このフロントカバ
ー３１は自由に折り畳める様に可撓性のものが用
いられるが、カバー単体では弛んでしまうので、
通常フロントカバー３１の後縁に沿つて支持杆３
２を弧状にわたし、その両端を気胴の両側部に固
定してフロントカバーに適宜な張りを持たせてい
た。

しかし、上記したフロントカバー３１の支持構
造では、どうしてもフロントカバー３１がボート
全長方向に弛み易く、同カバーが弛むことによつ
てシート上面に凹みが出来、この凹みに水が溜つ
てしまうことや、弛んだ際の見ためが悪い、など
の欠点を有する。

また、可搬性を重視するゴムボートにおいては
上記フロントカバーと支持杆とは容易に着脱でき
ることが望まれる。

（技術的課題） 本考案の技術的課題は、ボートの船首上面を被
うフロントカバーを常時程良い張りを与えた状態
で支持し得ると共に、着脱が容易なフロントカバ
ーの支持構造を提供することにある。

（技術的課題を解決する為の手段） 本考案が上記した技術的課題を解決する為に講
ずる手段は、ボート本体の船首上面を覆う着脱可
能なフロントカバーをボート本体に対して着脱可
能に止着し、このフロントカバー後縁に沿つて後
縁杆の折り返し部内に挿通し、この後縁杆の両端
をボート本体の両側部にそれぞれ着脱自在に支持
し、且つ前記フロントカバーの後縁部中央に接着
した支持体とボート本体の船首内側とにわたつて
支持杆を着脱自在に設け、この支持杆を中間で分
割すると共に、該分割部を長さ調整用ボルトで螺
合連結したものである。

（作用） 上記した構成によれば、支持杆を連結する長さ
調整用ボルトを回動させて、同支持杆を徐々に伸
ばすと、フロントカバーは後縁全長を後縁杆によ
つて後方へ張られた状態で支持される。

また、フロントカバー後縁杆、支持杆の３者は
個々に分解することが可能である。

（効果） 本考案は以上の如き構成のものであるから、支
持杆の長さ調整用ボルトを回動させて支持杆を伸
ばすことによつて、フロントカバー全体に均等で
且つ程良い張りを与えることができ、しかも、支
持杆の長さ調整手段に螺合を用いたので、フロン
トカバーの張り具合を長さ調整用ボルトを回動す
る際の重さ（手ごたえ）で知ることができ、フロ
ントカバーの張りを程良い強さに加減することが
容易に行なえるものである。

後縁杆と支持杆とが係合されずフロントカバー
に対して別々に取付けられるので、組立て及び分
解を簡単に行うことができ、分解後にはフロント
カバーと共にコンパクトに束ねて運搬することが
できる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

図中Ａはゴムボート本体であり、平面略Ｏ形の
気胴５の底面にゴム引き布からなる底部を貼設し
たものである。上記ゴムボート本体Ａの船首部上
面には合成樹脂シートから成るフロントカバー１
を覆い被せ、同カバー１の先端と外周縁の数個所
をゴムバンド６にて気胴５の船首周面に付設した
掛止部７に掛止して着脱可能に取付けてある。ま
た、フロントカバー１の後縁１ａは内側に折り込
んで縫着せしめ筒状に成し、該後縁１ａに湾曲形
成した後縁杆２を抜き差し自在に貫通させると共
に、同杆２の両端を気胴５の両側部に固着して設
けた支持管１２に嵌挿する。

フロントカバー１は上記状態において、後縁杆
２によつて、全体がやや気胴５上面側へ湾曲し、
且つ弛んだ状態で保持される。このフロントカバ
ー１を張る為に、同カバー１後縁内側面中央に接
着した支持管１１と船首内側の気胴５面に周設し
た支持管１０とにわたつて支持杆３を設ける。

支持杆３は第４図の如く所定長さの硬質合成樹
脂製パイプを中間で２分割し、この分割部におけ
る後縁側のパイプ３ｂ内部に長さ調整用ボルト４
の一端を嵌合して固着し、且つ同ボルト４に外周
が円形の回動ナツト８を螺合すると共に、ボルト
４他端側を気胴５側のパイプ３ａ内部に抜き差し
自在に嵌挿し、ボルト４周面に突設させた回り止
めピン９をパイプ３ａに周面に開設した長孔３ｃ
内で摺動自在に成す。

然るに、上記支持杆３の両端を支持管１０及び
１１に嵌挿して固定した後に、回動ナツト８を右
回動させると、長さ調整ボルト４及び同ボルト４
と一体的に接続される後縁側パイプ３ｂは伸び方
向へ徐々に移動し、結果的に支持杆３の全長が伸
びて支持管１１を介してフロントカバー１の後縁
を斜め後方へ押し出し、フロントカバー１に程良
い張りを与える。

この際、回動ナツト８を回動させる重さ（手ご
たえ）はフロントカバー１の張力に比例して重く
なるものであるから、カバー１の張り具合を回動
ナツト８を回しながら確認でき、カバー１に程良
い張力を与えることが簡単に行なえるものであ
る。なお、支持杆３の長さ調整用ボルト４をパイ
プ３ａに対して伸縮両方向へ移動せしめる構造は
上記実施例の構造に限らず、ボルト４の螺合によ
つて支持杆３を容易に伸縮出来る構造であればど
の様な構成を用いてもよいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構造を用いたゴムボートにお
ける船首部分を示す一部切欠平面図、第２図は同
Ｙ−Ｙ線に沿う拡大断面図、第３図は第１図のＸ
−Ｘ線に沿う拡大断面図、第４図は支持杆単体を
示す一部切欠斜視図、第５図は従来のフロントカ
バーの支持構造を用いたゴムボートの船首部分を
示す一部切欠平面図である。 図中、Ａ……ゴムボート本体、１……フロント
カバー、２……後縁杆、３……支持杆、４……長
さ調整用ボルト、１１……支持管（支持体）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボート本体の船首上面を覆う可撓性のフロント
   カバーをボート本体に対し着脱可能に止着し、こ
   のフロントカバー後縁に沿つて後縁杆の折り返し
   部内に挿通し、この後縁杆の両端をボート本体の
   両側部にそれぞれ着脱自在に支持し、且つ前記フ
   ロントカバーの後縁部中央に接着した支持体とボ
   ート本体の船首内側とにわたつて支持杆を着脱自
   在に設け、この支持杆を中間で分割すると共に、
   該分割部を長さ調整用ボルトで螺合連結したボー
   トにおけるフロントカバーの支持構造。