JPH0621740U

JPH0621740U - 混合ガスモノマー供給装置

Info

Publication number: JPH0621740U
Application number: JP5888492U
Authority: JP
Inventors: 昭彦中原; 祐二井関; 一幸大森
Original assignee: Tokuyama Corp
Current assignee: Tokuyama Corp
Priority date: 1992-08-21
Filing date: 1992-08-21
Publication date: 1994-03-22

Abstract

(57)【要約】【目的】所望する組成比の混合ガスモノマーを安定して
供給する。【構成】液体モノマーを入れ且つ温度調節された槽の液
面より下方に気体モノマー供給口を、液面より上方に混
合ガスモノマー排出口を有してなる混合ガスモノマー供
給装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、組成比の一定した混合ガスモノマーを安定して供給する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

二種以上の気体モノマーの混合ガスを重合槽に供給してこれらの共重合を行う場合、混合ガスの組成比によって生成する重合体の組成が変わり、物性が大きく変化する。このため、所望する組成比の混合ガスを安定して供給する方法が求められている。

【０００３】所望する組成比の混合ガスを得る方法としては、気体モノマー同士の場合は二種以上の気体モノマーをコントロールバルブにより流量制御して任意の組成比で混合する方法が一般的である。一方のモノマーが液体であり、他方が気体である場合は、液体モノマーを一旦気化させた後、上記の方法により混合される。

【０００４】しかし、この方法によると、液体モノマーを一旦気化させなければならないために手間がかかり、また、気化した液体モノマーの凝縮を防止するための装置や流量制御装置等が必要となり、設備的に大がかりになるという問題があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり、一方が液体モノマーであり、他方が気体モノマーである場合にこれら両者を混合して、所望する組成比の混合ガスモノマーを容易に得ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案者らは種々検討した結果、極めて簡単な構造で安定して混合ガスモノマーを得ることができる混合ガスモノマー供給装置を得ることができ、本考案を提案するに至った。

【０００７】即ち、本考案は、液体モノマーを入れ且つ温度調節された槽の液面より下方に気体モノマー供給口を、液面より上方に混合ガスモノマー排出口を有してなる混合ガスモノマー供給装置である。

【０００８】以下に、図１にしたがって本考案を説明する。槽１には、液体モノマー２が入れられている。槽１の形状は特に制限されず、任意の形状であってよい。また、上記の液体モノマーとしては、混合条件において液体であれば、公知のモノマーを何等制限なく採用することができる。

【０００９】槽１の液体モノマー２の液面よりも下方には気体モノマー供給口３が設けられている。気体モノマーとしては、混合条件において気体であれば、公知のモノマーを何等制限なく採用することができる。気体モノマー供給口３を設ける位置は、液体モノマーの液面よりも下であればよいが、温度制御された温度における飽和蒸気圧の液体モノマーの蒸気を安定して得るためには、液体モノマー中の気体モノマーの通過時間が長いほどよく、通常、０．５秒以上の通過時間となるように気体モノマー供給口３を設けることが好ましい。このとき気体モノマーと液体モノマーとの接触効率をあげるために槽１中に充填物を入れても良い。

【００１０】槽１には、また、液体モノマー２の液面よりも上方に混合ガスモノマー排出口４が設けられている。混合ガスモノマー排出口４を設ける位置は、液体モノマーの液面よりも上であればよいが、液体モノマーのミストが混合ガスモノマーに同伴するのを防ぐために液体モノマーの液面から離れていることが好ましく、通常は槽１の頂部または側部上端近傍に混合ガスモノマー排出口４が設けられることが好ましい。特に気体モノマーの流速が速い場合には、液体モノマーのミストが混合ガスモノマーに同伴することがあるため、このような場合には混合ガスモノマー排出口から得た混合ガスモノマーをミストセパレーターに導入して液体モノマーのミストを分離することが好ましい。

【００１１】さらに、槽１は温度調節装置５により温度調節されている。温度は混合ガスモノマー中に含まれる液体モノマーの蒸気圧に影響を与えるために、精密に制御できるものであることが好ましい。

【００１２】本考案の混合ガスモノマー供給装置を使用した混合ガスモノマーの製造は、次の方法によって行われる。槽１を温度調節することにより、槽１中の液体モノマーの飽和蒸気圧を一定とする。そこに、気体モノマー供給口３から気体モノマーを供給して槽１中の液体モノマー中を通過させることにより、調節された温度における液体モノマーの飽和蒸気圧に相当する分圧の液体モノマー蒸気を含んだ混合ガスモノマーを得ることができる。混合ガスモノマーは槽１の混合ガスモノマー排出口から排出され、組成比が一定の混合ガスモノマーとして重合槽等に供給される。

【００１３】図２に、液体モノマーとして2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルを、気体モノマーとしてテトラフルオロエチレンを本考案の混合ガスモノマー供給装置に供給し、制御温度と槽内圧力とを変化させたときの混合ガス中の 2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルの濃度の変化を示した。この結果から混合ガスモノマーの組成比の調節および変更は、槽１の温度および圧力を制御することによって容易に行うことができることがわかる。

【００１４】また、槽１内の混合ガスモノマーの圧力が重合槽等の内圧よりも大きいときは、混合ガスモノマー排出口から排出される混合ガスモノマーを圧力調整装置により減圧すればよい。さらに、多量の液体モノマーを必要とする場合、液体モノマーを槽１中に連続的または間欠的に供給するための液体モノマー供給装置を設置すればよい。

【００１５】

【考案の効果】本考案の混合ガスモノマー供給装置によれば、液体モノマーの蒸気と気体モノマーとの混合ガスモノマーを容易に得ることができる。そして、混合ガスモノマー中に占める液体モノマー蒸気の量が一定の混合ガスモノマーを得ることができる。しかも、液体モノマー蒸気の量の変更は、槽の温度および圧力を変更することにより容易に行うことができる。

【００１６】したがって、本考案は、所望する組成比の混合ガスモノマーを安定して供給することができる。

【００１７】

【実施例】

本考案を更に詳細に説明するために以下に実施例を示すが、本考案はこれら実施例によって何等制限をうけるものではない。

【００１８】実施例１図１に示される装置に液体モノマーとして2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルを入れ、混合ガスモノマー排出口に圧力調整装置を介してガスクロマトグラフ装置を接続した。テトラフルオロエチレンを気体モノマー供給口から導入し、この時、混合ガスモノマー供給装置内の圧力、温度を変化させ、混合ガスモノマー排出口から排出される混合ガスモノマーの組成をガスクロマトグラフによって分析した。その結果を図２に示した。

【００１９】実施例２攪拌機を有したステンレス製の３Ｌオートクレーブに、予め蒸留により精製した1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン１．８ｋｇを入れた後、内部を脱気した。一方、図１の装置に実施例１と同様にして2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンとを入れ、１８℃、６ｋｇ／ｃｍ²−Ｇに調節することによって、2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルの濃度が３．１ｍｏｌ％のテトラフルオロエチレンとの混合ガスを調製した。

【００２０】この混合ガスをオートクレーブに導入して大気圧とした後、オートクレーブ内にメタノール０．９４ｇを入れ、次いで攪拌モーターの回転数を８００回転とし、2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの混合ガスを導入し６ｋｇ／ｃｍ²−Ｇにした。ここで、オートクレーブ内を２２℃に保ちつつ、（Ｃ₃Ｆ₇ＣＯ₂）₂の1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン溶液（５ｗｔ％）３．６２ｇを導入して重合を開始した。重合中、重合温度は２２℃とし、圧力は2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの混合ガスを導入することによって６ｋｇ／ｃｍ² −Ｇに保った。2,2,3,3,3-ペンタフルオロトリフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの混合ガスを１００ｇ導入したところでオートクレーブ内の圧力を放出した後、オートクレーブを冷却トラップを介し真空ポンプに接続し攪拌しつつ減圧にし、溶媒、未反応モノマー等の低沸点成分をトラップ内に回収した。留出後、オートクレーブを解体し、共重合体を取り出し１５０℃で１２時間真空乾燥したところ、１１０ｇの共重合体が得られた。

【００２１】この共重合体を３３０℃でフィルム化してＩＲを測定したところ2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルに基づく単量体単位が３．１ｍｏｌ％共重合体中に含まれていることがわかった。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の混合ガスモノマー供給装置の
概略図である。

【図２】図２は、本考案の混合ガスモノマー供給装置内
の絶対圧力と混合ガスモノマー中に含まれた2,2,3,3,3-
ペンタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルの
濃度との関係を示すグラフである。

【符号の説明】

１槽２液体モノマー３気体モノマー供給口４混合ガスモノマー排出口５温度調節装置

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】液体モノマーを入れ且つ温度調節された槽
の液面より下方に気体モノマー供給口を、液面より上方
に混合ガスモノマー排出口を有してなる混合ガスモノマ
ー供給装置。