JPH0621714Y2 - 合成樹脂シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は防寒衣、雨衣、雨用手袋、医療用衣、等の各種
衣料およびテント、シュラフ、その他の、透湿性・保温
性・耐引裂性そして加温能力を求められる各種製品の生
地用に好適な合成樹脂シート（フィルムを含む）に関す
る。

（従来の技術） 透湿性樹脂（たとえば特開昭59-62117号公報参照）製の
生地を用いた雨衣等の各種製品が提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、前記した樹脂製雨衣は、透湿性であるから蒸
れず、そして安価で使い捨てもできるという利点を有し
ているものの、耐引裂性の強度不足の問題、そして保温
能力がないという問題を有している。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、耐引裂性に優れ、保温能力を上回
わる加温能力を有する合成樹脂シートを提供しようとす
るものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は斯る目的を達成するために、透湿性樹脂シート
中に遠赤外線セラミック製の粉末を混在し、この樹脂シ
ートに不繊布を添着してなるものである。

又、透湿性樹脂シートと不繊布との間には、後記する理
由により、縦糸と横糸を介在せしめるのが効果的であ
る。

（作用） 人体と触れたり、暖められたりしたシート部分が、体温
や温気で暖められた遠赤外線セラミック製粉末の反応熱
によって、体温或いは温気よりも数度高い高温状態にな
り、同部に触れている人体、同部分に面する空間を暖め
て働く。

また、樹脂シートに添着した不繊布は、樹脂シートの耐
引裂性を強化し且つ断熱層として働く。

そして、樹脂シートと不繊布との間に介在した縦糸と横
糸は、樹脂シートの耐引裂性をさらに強化して働く。

（実施例） 以下図面を参照して本考案の実施の一例を説明する。

第１図に例示している合成樹脂シート(A)は、公知の種
々の透湿性樹脂シート(1)中に遠赤外線セラミック製の
粉末(2)を混在し、且つ樹脂シート(1)の片面に不繊布
(3)を添着している。

第２図に例示している実施例では、遠赤外線セラミック
製粉末(2)を混在した透湿性樹脂シート(1)と不繊布(3)
との間に格子状の縦糸(4)および横糸(5)を介在してい
る。

第３図に例示した防寒衣(B)は、第２図の実施例の合成
樹脂シート(A)を用いて製作したもので、たとえば、線
状低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂と
の混合物に充填剤と液状またはワックス状の炭化水素重
合体を配合してなる組成物を溶融し、そして、遠赤外線
セラミック製粉末を適当量混合して成形して得たシート
を延伸処理し、斯くした合成樹脂シート(A)を所要裁断
して縫製或いは熱融着し、防寒衣(B)を製作している。

（考案の効果） したがって本考案によれば次の利点がある。

接触する人体、或いは空間内を加温して暖めることが
でき、しかも不繊布で耐引裂性および断熱性が強化され
ていて、肌触りも良く、もとより透湿性を有して蒸れな
いから、特に防寒衣用に有効であり、その他、各種衣
料、テント等に好適である。

樹脂シートと不繊布との間に縦糸と横糸を介在する構
成を採用することによって、耐引裂性がさらに強化され
て、耐久性を要求されるものに好適である。

低廉安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案合成樹脂シートの一実施例を示す部分拡
大断面図。第２図は他の実施例を示す部分拡大断面図。
第３図は本考案の合成樹脂シートを用いた防寒衣の正面
図で一部切欠している。 図中 (A)は合成樹脂シート (1)は樹脂シート (2)は粉末 (3)は不繊布 (4)は縦糸 (5)は横糸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透湿性樹脂シート中に遠赤外線セラミック
   製粉末を混在し、この樹脂シートに不繊布を添着してな
   る合成樹脂シート。
2. 【請求項２】透湿性樹脂シートと不繊布との間に縦糸と
   横糸を介在してなる請求項１記載の合成樹脂シート。