JPH0621678Y2 - 穴明け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 X-Yテーブルによって移送されるグリーンシートがパン
チによって穴明けが行われるように形成された穴明け装
置に関し、 X-Yテーブルによるグリーンシートの移送に際して傷な
どの損傷、または、異物の付着が生じることのないよう
にすることを目的とし、 ダイプレートがガイドバーの案内によって上下方向にス
ライド自在に形成されると共に、X-Yテーブルの移動開
始によって該ダイプレートが降下され、該X-Yテーブル
の移動停止によって該ダイプレートが上昇される昇降機
構を下型に具備するように構成する。

〔産業上の利用分野〕

本考案はX-Yテーブルによって移送されるグリーンシー
トがパンチによって穴明けが行われるように形成された
穴明け装置に関する。

多層セラミック基板の構成に用いられるグリーンシート
には、ビアを形成するための微細な貫通穴がパンチング
によって設けられる。

また、このようなグリーンシートには、厚膜及び薄膜に
よる微細な導体パターンが形成される。

したがって、特に、パンチングによっ貫通穴の穴明けを
行う場合はグリーンシートの表面に傷などの損傷が生じ
ることのないように行われることが重要となる。

〔従来の技術〕

従来は第３図の従来の側面図に示すように構成されてい
た。

第３図に示すように、設置面12に設置されたX-Yテーブ
ル６にはグリーンシート受6Bによってグリーンシート９
を水平に保持する支持アーム6Aが設けられ、一方、グリ
ーンシートの上側にはパンチ２が備えられた上型１が、
下側にはパンチ２に対向するダイ４を有する下型10がそ
れぞれ配設されることで構成されている。

また、下型10は台座11に固着されたダイプレート５にダ
イ４を係止することで形成され、台座11は設置面に設置
されている。

そこで、グリーンシート９の所定個所に貫通穴を加工す
る場合は、先づ、X-Yテーブル６を駆動させることでグ
リーンシート９を移送し、貫通穴を明ける個所がパンチ
２の真下に位置されるよう位置決めを行う。

次に、上型１を矢印Ｆのように降下させ、パンチ２の先
端がダイ４に突出されることで貫通穴の加工が行われて
いた。

したがって、グリーンシート受6Bに加工すべきグリーン
シート９をセットし、X-Yテーブル６によってグリーン
シート９を矢印ＸまたはＹ方向に移送し、所定個所に位
置決めし、上型１を降下させることによってグリーンシ
ート９の所定個所にビアを形成するための貫通穴の形成
が行われていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、このようなグリーンシート受6Bによってグリー
ンシート９を水平に保持した状態では、第３図の一点鎖
線で示すようにグリーンシート９の中央部が撓むことに
なり、この撓みがX-Yテーブル６の駆動によってグリー
ンシート９の移送を行った場合はグリーンシート９の下
面がダイ４に擦られることになる。

したがって、グリーンシート９の下面に傷が生じたり、
また、傷によって発生した微粉末が付着する問題を有し
ていた。

そこで、本考案では、X-Yテーブルによるグリーンシー
トの移送に際して傷などの損傷、または、異物の付着が
生じることのないようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本考案の原理説明図である。

第１図に示すように、ダイプレートがガイドバーの案内
によって上下方向にスライド自在に形成されると共に、
X-Yテーブルの移動開始によって該ダイプレートが降下
され、該X-Yテーブルの移動停止によって該ダイプレー
トが上昇される昇降機構を下型に具備するように構成す
る。

このように構成することによって前述の課題は解決され
る。

〔作用〕

即ち、ダイプレートがガイドバーの案内によって上下方
向にスライド自在に形成させることで昇降機構によって
ダイプレートを昇降させ、また、そのダイプレートの昇
降がX-Yテーブルの移動開始時にはダイプレートを降下
させ、X-Yテーブルの停止時にはダイプレートを上昇さ
せるように形成したものである。

したがって、X-Yテーブルの駆動によってグリーンシー
トの移送が行われる場合はグリーンシートの下面と、ダ
イとの間には隙間が形成され、グリーンシートの下面が
ダイによって擦られることがないようにすることがで
き、損傷、または異物の付着を防ぐことができる。

〔実施例〕

以下本考案を第２図を参考に詳細に説明する。第２図は
本考案による一実施例の説明図で、(a)は側面図，(b1)
(b2)はダイの昇降状態の要部側面図である。全図を通じ
て、同一符号は同一対象物を示す。

第２図の(a)に示すように、ダイ４を保持するダイプレ
ート５と、ベース3Bに固着されたホルスター3Aとより成
る下型３が設置面12に設置された台座20にショックアブ
ソーバ3Dを介在することで設けられ、ホルスター3Aに係
止されたガイドバー８によってダイプレート５がスライ
ドされるように構成されたている。

また、ダイプレート５にはロッド7Bが係止され、常時
は、ダイプレート５がストッパ3Cに当接されるように位
置し、昇降機構７の昇降制御部7Cの制御によって駆動さ
れるシリンダ7Aによって矢印Ａの上下方向に昇降される
ように形成されている。

更に、昇降制御部7CはX-Yテーブル６を駆動させるテー
ブル駆動制御部6Cからの制御信号S2によって制御される
ように形成されている。

そこで、グリーンシート受6Bにセットされたグリーンシ
ート９の所定個所に穴明けを行う場合は、先づ、テーブ
ル駆動制御部6Cからの制御信号S1によってX-Yテーブル
６が矢印X,Y方向に駆動し、グリーンシート９の穴明け
すべき個所に上型１を位置決めする。

この場合、テーブル駆動制御部6Cから制御信号S1に同期
して昇降駆動部7Cに制御信号S2が出力され、シリンダ7A
の駆動によってダイプレート５が(b1)に示すように矢印
A1方向に降下される。

したがって、グリーンシート９とダイ４との間には隙間
ｔが保たれ、X-Yテーブル６の駆動によるグリーンシー
ト９の移送に際して、グリーンシート９がダイ４に擦ら
れることのないようにすることができる。

次に、グリーンシート９の穴明けすべき個所の上型１に
対して位置決めすることでX-Yテーブル６の駆動が停止
された時、テーブル駆動制御部6Cから昇降駆動部7Cに再
度、制御信号S2が出力され、制御信号S2によりシリンダ
7Aが駆動され、ダイプレート５が(b2)に示すように矢印
A2方向に上昇される。

このダイプレート５の上昇によってダイ４がグリーンシ
ート９の下面に当接されるため、上型１の降下によって
パンチ２を突出させ、グリーンシート９の所定個所に穴
明けを行うことができる。

このように構成すると、常に、グリーンシート９が移送
される場合はグリーンシート９とダイ４との間には間隙
ｔが得られ、パンチ２よる穴明けの時にグリーンシート
９とダイ４とを当接させるように行うことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、X-Yテーブルに
よるグリーンシートの移送に際してはダイを保持するダ
イプレートが昇降機構によって降下され、グリーンシー
トの穴明けすべき個所にパンチが位置決めされることで
ダイプレートが上昇されるよううにすることができる。

したがって、従来のようなグリーンシートの移送に際し
て、グリーンシートに傷が生じたり、または、異物の付
着することを防ぐことができ、品質の向上が図れ、実用
的効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理説明図， 第２図は本考案による一実施例の説明図で、(a)は側面
図，(b1)(b2)はダイの昇降状態の要部側面図， 第３図は従来の側面図を示す。 図において、 １は上型，２はパンチ， ３は下型，４はダイ， ５はダイプレート，６はX-Yテーブル， ７は昇降機構，９はグリーンシートを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】突出されるパンチ(2)を有する上型(1)と、
   該パンチ(2)に対向するようにダイ(4)を保持するダイプ
   レート(5)を有する下型(3)と、グリーンシート(9)を積
   載することで移動を行うX-Yテーブル(6)とを備え、該グ
   リーンシート(9)の所定個所に該パンチ(2)を位置決め
   し、該パンチ(2)が該ダイ(4)に突出されることで該グリ
   ーンシート(9)に所定の穴明けを行う穴明け装置におい
   て、 前記ダイプレート(5)がガイドバー(8)の案内によって上
   下方向(A)にスライド自在に形成されると共に、前記X-Y
   テーブル(6)の移動開始によって該ダイプレート(5)が降
   下され、該X-Yテーブル(6)の移動停止によって該ダイプ
   レート(5)が上昇される昇降機構(7)を前記下型(3)に具
   備することを特徴とする穴明け装置。