JPH06216404A - Uvフォトディテクタ - Google Patents

Uvフォトディテクタ

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JPH06216404A
JPH06216404A JP5005065A JP506593A JPH06216404A JP H06216404 A JPH06216404 A JP H06216404A JP 5005065 A JP5005065 A JP 5005065A JP 506593 A JP506593 A JP 506593A JP H06216404 A JPH06216404 A JP H06216404A
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JP
Japan
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photodetector
semiconductor layer
silicon
light
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Application number
JP5005065A
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English (en)
Inventor
Masaharu Muramatsu
雅治 村松
Motohiro Suyama
本比呂 須山
Akinaga Yamamoto
晃永 山本
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、紫外線の照射が検出できるUVフ
ォトディテクタを提供することを目的とする。 【構成】 受光面である第2半導体層(16)のバンド
ギャップが、不純物領域(14)よりも広いので、第2
半導体層(16)に入射した短波長光の吸収効率が向上
する。また、第1半導体層(13)は薄く形成されてい
るので、第2半導体層(16)に入射した長波長光のほ
とんどは、第2半導体層(16)、不純物領域(14)
および第1半導体層(13)を通り抜けてしまい吸収さ
れることはない。このように、本発明のUVフォトディ
テクタ(10)は、短波長光の入射に対して高い感度を
持つと共に、長波長光に対して感度を持たない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光の入射を検出するUV
フォトディテクタに関し、特に紫外線などの短波長光の
入射に対する検出感度が高いUVフォトディテクタに関
する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来のUVフォトディテクタの代
表的な構造を示す。従来のUVフォトディテクタ100
は、n型のシリコン基板101と、シリコン基板101
の上層部に形成されたp型の高濃度不純物層102と、
シリコン基板101および高濃度不純物層102の上面
に形成され、受光面として機能するシリコン酸化膜10
3と、シリコン酸化膜103の開口部上に形成されたア
ルミニウム電極104、105とを備えている。
【0003】シリコン基板101には、シリコン酸化膜
103との境界の界面準位が少ない<100>の面方位
が表面に出ているシリコンウエファが用いられる。ま
た、シリコン基板101の厚さは500μm程度とす
る。
【0004】高濃度不純物層102は、ボロンを注入し
て形成する。不純物層の濃度を1×1019cm-3以上と
し、深さは例えば0.3μmと非常に浅く形成してい
る。
【0005】図7に従来のUVフォトディテクタ100
の不純物プロファイルを示す。ここで重要なことは、ボ
ロンで形成された不純物層102の表面濃度がピーク濃
度に一致しているか否かである。つまり、UVフォトデ
ィテクタ100が高い受光感度を持つためには、不純物
層102の表面がピーク濃度になっている実線で示した
ような不純物プロファイルを有していることが好まし
い。
【0006】逆に、不純物層102が点線で示したよう
な不純物プロファイルを有しているとすると、“ハイロ
ージャンクション”によって引き起こされる電子に対す
るポテンシャルは、不純物層102中よりも不純物層1
02とシリコン酸化膜103の境界面102bの方が低
くなる。このため、ピーク濃度よりも浅いところで生じ
た信号電荷(電子)は、pn接合部102aの方には移
動することができず、むしろ境界面102bの方に押し
やられ、そこに多数存在する界面準位を介してホールと
再結合し失われることになる。
【0007】この様に構造的に光電変換に寄与できない
領域のことを、“デッドレイヤー”と呼ぶ。UV光など
の短波長は吸収係数が大きく、主に受光面表面で吸収さ
れる。したがって、この様なデッドレイヤーを有する不
純物層102を備えたUVフォトディテクタ100で
は、吸収係数が大きい入射線に対して感度は出せないと
いうことになる。
【0008】これに対して、実線で示すような不純物プ
ロファイルを有する不純物層102であれば、不純物分
布のピークは境界面102bと一致するので、短波長光
の照射によって表面近傍に生じた信号電荷は、不純物プ
ロファイルで形成されたポテンシャルで必ずpn接合部
102a方向へドリフト移動し、信号として光電変換さ
れる。この場合、光電子が境界面102b方向へ向かう
ことはないので、高い感度を得ることができる。
【0009】しかしながら、シリコン酸化膜103の成
長過程で、不純物層102を形成するボロン原子がシリ
コン酸化膜103中に大量に取り込まれ、不純物層10
2の表面不純物濃度が低下するために、現実にはどうし
ても図7の点線のような不純物プロファイルになってし
まう。このため、従来のUVフォトディテクタ100に
おける不純物層102の不純物プロファイルには必ずデ
ッドレイヤーが形成され、短波長感度が出せないという
結果となった。
【0010】そこで、このようなデッドレイヤーの形成
を防止するために、図8の断面図に示すような改良型の
UVフォトディテクタ110が開発された。この改良型
のUVフォトディテクタ110は、不純物層102の表
面部分に不純物層102よりもバンドギャップの広いS
iC層106を形成し、このSiC層を受光部とするこ
とによってデッドレイヤーの形成を防止している。この
ような改良型のUVフォトディテクタ110について
は、特開昭59−152678公報および特開昭62−
216377公報等の文献に説明されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オゾン層破
壊による紫外線の強度増加が問題になっている。紫外線
量を測定し、あらかじめ設定された値以上の紫外線が観
察されるとアラームが鳴ったりインジケータが点灯する
“紫外線アラーム装置”を海岸などに設置し、人体に有
害な紫外線がどの程度地表に到達しているかを調べる簡
単な装置が求められている。
【0012】それには紫外線の検出器として、上述した
UVフォトディテクタ100、110を用いることが考
えられる。しかしながら、従来のUVフォトディテクタ
100、110は図9に示すような分光感度特性を有す
ることから、紫外線のみならず赤外線にも反応してしま
い、UVフォトディテクタ100、110を紫外線検出
器として用いるためには、特別な工夫が必要となる。
(以下、UVフォトディテクタ100を用いて説明す
る。したがって、以下の説明をUVフォトディテクタ1
10に置き換えても同じである。)このような工夫を施
した第1の方法としては、2個のUVフォトディテクタ
100を用意し、一方のUVフォトディテクタ100の
受光面(シリコン酸化膜103)上にUV光を透過する
石英を窓材として固着し、もう一方のUVフォトディテ
クタ100の受光面上にUV光が透過しないコバールガ
ラスを窓材として固着する。そして、それぞれのUVフ
ォトディテクタ100からの出力信号を減算して、UV
光成分だけを取り出す方法である。具体的には、2個の
UVフォトディテクタ100からの出力信号をオペアン
プで差動増幅して、差の信号である紫外線成分を取り出
している。この様に構成すればUV光の強弱だけに反応
する紫外線アラーム装置が製作できる。
【0013】しかしこの方法は、2個のUVフォトディ
テクタ100の分光感度を均一化するのが難しいといっ
た問題がある。即ち両者の分光感度特性が少しでも異な
れば、減算がうまく出来ず、UV光成分だけを取り出す
ことができない。更に2個のUVフォトディテクタ10
0とオペアンプを使用することによるコスト高も問題で
ある。
【0014】さらに、第2の方法としては、UVフォト
ディテクタ100の受光面全面に長波長カットフィルタ
ーを置き、紫外線だけがUVフォトディテクタ100に
入射できる構造にする方法である。この様にすれば紫外
線の有無だけに反応する紫外線アラーム装置が製作可能
となる。しかしこの方法にも、赤外カットフィルターが
強い太陽光の照射で劣化し、次第に長波長成分を透過す
るようになるといった問題がある。さらに余分にフィル
タを必要とするので、コスト高になる点も問題である。
【0015】本発明は、このような問題を解決して、紫
外線だけを検出できるUVフォトディテクタを提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明のUVフォトディテクタは、膜厚の薄い
第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層の上層部に
形成された第2導電型の不純物領域と、不純物領域の上
に形成され、不純物領域よりもバンドギャップが広い第
2導電型の第2半導体層とを備える。
【0017】また、第2の発明のUVフォトディテクタ
は、膜厚の薄い第1導電型の第1半導体層と、第1半導
体層上に形成され、第1半導体層よりもバンドギャップ
が広い第2導電型の第2半導体層とを備える。
【0018】さらに、少なくとも接着面が絶縁性を有す
る基板を、第1および第2の発明のUVフォトディテク
タの第1半導体層の底面と貼り合わせてもよい。
【0019】
【作用】第1の発明のUVフォトディテクタによれば、
受光面である第2半導体層のバンドギャップが広いの
で、第2半導体層に入射した短波長光の吸収効率が向上
する。また、第1半導体層は薄く形成されているので、
第2半導体層に入射した長波長光のほとんどは、第2半
導体層、不純物領域および第1半導体層を通り抜けてし
まい吸収されることはない。
【0020】同様に、第2の発明のUVフォトディテク
タによれば、受光面である第2半導体層のバンドギャッ
プが、第1半導体層よりも広いので、第2半導体層に入
射した短波長光の吸収効率が向上する。また、第1半導
体層は薄く形成されているので、第2半導体層に入射し
た長波長光のほとんどは、第2半導体層および第1半導
体層を通り抜けてしまい吸収されることはない。
【0021】このように、第1および第2の発明のUV
フォトディテクタは、短波長光の入射に対して高い感度
を持つと共に、長波長光に対して感度を持たない。
【0022】
【実施例】以下、第1および第2の発明に係るUVフォ
トディテクタの実施例について、添付図面を参照して説
明する。図1は、第1の実施例のUVフォトディテクタ
の構造を示す断面図である。本実施例のUVフォトディ
テクタ10は、シリコン基板11と、シリコン基板11
に形成されたシリコン酸化膜による分離層12と、分離
層12上に形成された1μm程度の非常に薄いn型のシ
リコン層13とが備えられている。このシリコン層13
の上層部には、深さ0.5μm程度のp型の不純物層1
4が形成されている。さらに、UVフォトディテクタ1
0は、n型のシリコン層13上に形成されたシリコン酸
化膜15と、シリコン酸化膜15の開口に形成されたp
型のアモルファスシリコンカーバイド(以下、a−Si
Cと略す。)層16と、シリコン層13および不純物層
14から引き出されたアルミニウム電極17、18とを
備えている。ここで、a−SiC層16は、不純物層1
4に比べてバンドギャップが広くなるように構成されて
いる。また、シリコン基板11は、シリコン層13を機
械的に保護するために一定の厚さを有している。
【0023】このような構造のUVフォトディテクタ1
0は、酸化膜を介した“シリコンウエファの張り合わせ
技術”や“SIMOX技術”によって製造することがで
きる。
【0024】本実施例のUVフォトディテクタ10にお
ける光の入射は、a−SiC層16の表面から行われ
る。a−SiC層16内ではシリコンと同様、短波長光
の吸収はほとんど表面だけで行われる。このため、a−
SiC層16が厚い構造では、a−SiC層16の表面
で発生した光キャリアは、pn接合部14aに到達する
前に再結合し失われる確率が大きい。したがって、a−
SiC層16の厚みは、短波長光に対する感度を高める
ために、数千オングストローム以下と非常に薄く形成す
るのが望ましい。
【0025】図2に、本実施例のUVフォトディテクタ
10のバンド構造を示す。p型の不純物層14とp型の
a−SiC層16との間では、電子がa−SiC層16
から不純物層14へ、正孔が不純物層14からa−Si
C層16へ流れ、平衡状態に至る。
【0026】不純物層14とa−SiC層16の間には
格子定数の違いによって多くの界面準位が存在すると考
えられるが、バンドギャップの違いによってバンドの曲
がりは急峻になる。したがって、UV光によってa−S
iC層16中で生じた光電子は、高速で空乏層中を通り
抜けることができ、ほとんど再結合することはなく、信
号として寄与できる。
【0027】またa−SiC層16はバンドギャップが
およそ2μmであるので600nmより長波長の入射光
成分は透過し、シリコン層13に至る。しかしシリコン
層13,不純物層14は1μmと非常に薄いので、60
0nm以上の長波長はシリコン層13,不純物層14内
でほとんど吸収されることなく透過してしまう。つま
り、本実施例の様な構造であれば、600nm以上の長
波長に対する感度を持たない。
【0028】また、従来例のように受光窓がシリコン酸
化膜の場合、照射によって界面準位が増加し、感度が低
下したり暗電流が増加する等の照射損傷を生じたが、本
実施例の構造によれば光入射面にシリコン酸化膜を用い
ていないので、シリコン酸化膜を原因とした種々の照射
損傷を避けることができる。この結果、照射劣化がない
高い安定性を持ったUVフォトディテクタが製作でき
る。更に、本UVフォトディテクタを“紫外線アラーム
装置”として使用する場合、太陽光に直にさらされるの
で高温になる事が予想されるが、a−SiC層16はワ
イドバンドギャップなので、暗電流が増加しない事も大
きな利点である。
【0029】本実施例のUVフォトディテクタ10の感
度を更に向上させるためには、以下に示すような方法が
ある。上述した本実施例の構造では、a−SiC層16
も光電変換に寄与した。しかし、この方法は、感度をさ
らに向上させるために、a−SiC層16を百オングス
トローム以下の程度の厚さとし、接触面付近のシリコン
のバンドを曲げるためだけに使用する。
【0030】ここで、不純物層14の厚みは薄い方が望
ましい。不純物層14のp型不純物濃度は、本実施例の
構造では表面にデッドレイヤーが形成されないので、特
に高濃度にする必要はないが、空乏層が不純物層14と
a−SiC層16の境界面16aまで及ぶと暗電流が増
加する。従って、空乏層が境界面16aまで届かない程
度に不純物層14の不純物濃度とその深さ、及びシリコ
ン基板11の濃度を決めなくてはいけない。具体的に
は、不純物層14の濃度と深さは、それぞれ1×1018
cm-3、0.3μm、シリコン基板11濃度は1×10
16cm-3程度である。勿論これは一例であり、この値に
限定されるものではない。
【0031】この様な構造によればa−SiC層16は
非常に薄いので長波長光は勿論のこと、短波長光もほと
んど通り抜け、シリコン表面や内部に到達し光電変換さ
れる。ただし、シリコン層13、不純物層14は1μm
と薄いので、600nmより短波長の光は光電変換され
るが、それより長波長の光は通り抜けてしまい光電変換
に寄与できない。
【0032】a−SiC層16の表面に入射した短波長
光の多くは、不純物層14の表面付近で吸収されるが、
図2に示したように、不純物層14とa−SiC層16
の境界面16a付近でのポテンシャルは高くなっている
ので、信号電荷である電子は、pn接合部14aの方向
に流れていく。従って、境界面16a付近で発生した電
子の多くは、再結合によって失われることなく、pn接
合部14aに到達して光電変換される。このため、短波
長光に対する感度が飛躍的に向上する。
【0033】図3に、本実施例の分光感度特性の代表例
を示す。この分光感度特性は、図9に示した従来のフォ
トディテクタ100の分光感度特性に比べて、短波長光
に対する感度が非常に高いことが判る。また、600n
m以上の長波長光に対して感度を有していないことが判
る。
【0034】図4は、第2の実施例のUVフォトディテ
クタの構造を示す断面図である。本実施例のUVフォト
ディテクタ20は、シリコン基板21と、シリコン基板
21に形成されたシリコン酸化膜による分離層22と、
分離層22上に形成された1μm程度の非常に薄いn型
のシリコン層23とを備えている。さらに、シリコン層
23上に形成されたシリコン酸化膜24と、シリコン酸
化膜24の開口に形成されたp型のa−SiC層25
と、シリコン層23およびa−SiC層25から引き出
されたアルミニウム電極26、27とを備えている。こ
こで、a−SiC層25は、シリコン層23に比べてバ
ンドギャップが広くなるように構成されている。また、
シリコン基板21は、シリコン層23を機械的に保護す
るために一定の厚さを有している。
【0035】本実施例のUVフォトディテクタ20にお
ける光の入射は、a−SiC層25の表面から行われ
る。a−SiC層25内ではシリコンと同様、短波長光
の吸収はほとんど表面だけで行われる。このため、a−
SiC層25が厚い構造では、a−SiC層25の表面
で発生した光キャリアは、pn接合部23aに到達する
前に再結合して失われる。したがって、a−SiC層2
5の厚みは、短波長光に対する感度を高めるために、数
千オングストローム以下と非常に薄く形成するのが望ま
しい。
【0036】図5に、本実施例のUVフォトディテクタ
20のバンド構造を示す。n型のシリコン層23とp型
のa−SiC層25との間では、電子がa−SiC層2
5からシリコン層23へ、正孔がシリコン層23からa
−SiC層25へ流れ、平衡状態に至る。
【0037】シリコン層23とa−SiC層25の間に
は格子定数の違いによって多くの界面準位が存在すると
考えられるが、シリコン層23とa−SiC層25とで
は伝導タイプが異なること、およびバンドギャップの違
いによってバンドの曲がりは非常に急峻となる。このた
め、UV光によってa−SiC層25内で発生した光電
子は、非常に高速で空乏層中を通り抜けることができ、
ほとんど再結合することなくpn接合部23aに到達
し、信号として寄与できる。
【0038】またa−SiC層25は、バンドギャップ
がおよそ2μmであるので600nmより長波長の光の
入射光成分は透過し、シリコン層23に至る。しかしな
がら、シリコン層23は1μmと非常に薄いので、結局
600nmより長波長の光についてはシリコン層23内
でほとんど吸収されることがない。つまり、本実施例の
ような構造であれば、600nm以上の長波長光に対す
る感度を持たないことになる。
【0039】また、本実施例の構造によれば光入射面に
シリコン酸化膜を用いていないので、シリコン酸化膜を
原因とした種々の照射損傷を避けることができる。この
結果、照射劣化がない高い安定性を持ったUVフォトデ
ィテクタが製作できる。更に高温に対して安定なのは、
図1の実施例と同じである。
【0040】なお、海岸等で使用できる紫外線アラーム
装置の最も簡単な構造としては、本実施例によるUVフ
ォトディテクタ10、20の出力をコンパレータに接続
し、光電流が規定値を越えたらアラームが鳴るようにし
ておけばよい。
【0041】次に、本実施例の特徴について説明する。
【0042】従来のUVフォトディテクタ100は、入
射面にシリコン酸化膜を用いているので、シリコン−シ
リコン酸化膜での原子の配列の不連続に起因して種々の
不都合が生じた。特に、感度が出ない問題や、感度が使
用中に徐々に減少したり、暗電流が増加したりする問題
が生じた。
【0043】これに対して、本実施例のUVフォトディ
テクタ10、20は、シリコン酸化膜に代えてシリコン
よりもバンドギャップが大きく、且つ入射面シリコンと
同じ又は逆の導電タイプの半導体、例えばa−SiCや
a−Siを入射面に堆積し、いわゆるヘテロ接合を形成
し、シリコン入射面表面をアキュームレーション状態に
している。これは半導体同士のバンドギャッブの違いを
利用した物であり初期における感度が高いことは勿論の
こと、その安定性においても非常に優れている。なお、
ワイドバンドギャップ半導体は一種の窓材とも考えられ
るから、シリコン酸化膜は、無くても良い。
【0044】このように、本実施例のUVフォトディテ
クタ10、20は、シリコン領域を極力薄くし、ワイド
バンドギャップ半導体を受光窓に用いているので、UV
光に対しては高感度で長波長光に対しては感度がないと
いった特性を有する。このため、本実施例のUVフォト
ディテクタ10、20は、地表に到達する紫外線量を容
易に測定できる紫外線アラーム装置のようなUVセンサ
として利用できる。
【0045】ここでUVフォトディテクタ10、20の
利点をすべて書き出すと、 ・シリコン入射面をアキュームレーション状態にでき、
紫外線に対する感度の向上及びその安定性を図ることが
できる。
【0046】・600nm以上の長波長光に対して感度
を持たない。
【0047】・ワイドバンドギャッブなので高熱下でも
安定している。
【0048】・ワイドバンドギャップ材料といっても半
導体であり、不純物のドーピングも行われるので、シリ
コン酸化膜を窓材に使用した場合に良く発生する帯電現
象はなく、いわゆるチャージアップによって暗電流が増
加するということはない。
【0049】・入射面シリコンの直列抵抗を低減でき
る。
【0050】・CVD装置により低温で堆積可能であ
り、すでにアルミニウムなどの配線材料を施した後にも
堆積可能である。
【0051】・バンドギャップが広いので、暗電流の生
成源にならない。
【0052】・シリコンカーバイドはNaイオンを通さ
ないので一種のパッシベーション膜となる。
【0053】なお、シリコンに堆積できるワイドバンド
ギャッブ材料の例としては、アモルファス−シリコンカ
ーバイドの他のアモルファス−シリコン、ダイヤモンド
薄膜等を用いてもよい。
【0054】また、本実施例ではn型シリコン基板をも
とに製作したUVフォトディテクタ10、20を例に説
明したが、逆の伝導タイプの構造であってもよい。
【0055】
【発明の効果】第1および第2の発明のUVフォトディ
テクタによれば、受光面である第2半導体層のバンドギ
ャップが、不純物領域あるいは第1半導体層よりも広い
ので、第2半導体層に入射した短波長光の吸収効率が向
上する。また、第1半導体層は薄く形成されているの
で、第2半導体層に入射した長波長光のほとんどは、第
2半導体層および第1半導体層を通り抜けてしまい吸収
されることはない。このように、本発明のUVフォトデ
ィテクタは、短波長光の入射に対して高い感度を持つと
共に、長波長光に対して感度を持たない。
【0056】このため、本発明のUVフォトディテクタ
を用いれば、地表に到達する紫外線量を容易に測定でき
る高性能の紫外線アラーム装置を提供することができ
る。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のUVフォトディテクタの構造を
示す断面図である。
【図2】第1の実施例のUVフォトディテクタのバンド
構造を示す図である。
【図3】第1の実施例のUVフォトディテクタの分光感
度特性を示す図である。
【図4】第2の実施例のUVフォトディテクタの構造を
示す断面図である。
【図5】第2の実施例のUVフォトディテクタのバンド
構造を示す図である。
【図6】従来のUVフォトディテクタの構造を示す断面
図である。
【図7】従来のUVフォトディテクタの不純物プロファ
イルを示す図である。
【図8】従来のUVフォトディテクタの構造を示す断面
図である。
【図9】従来のUVフォトディテクタの分光感度特性を
示す図である。
【符号の説明】
10、20…UVフォトディテクタ、11、21…シリ
コン基板、12、22…分離層、13、23…シリコン
層、14…不純物層、15、24…シリコン酸化膜、1
6、25…アモルファスシリコンカーバイド、17、1
8、26、27…アルミニウム電極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚の薄い第1導電型の第1半導体層
    と、 前記第1半導体層の上層部に形成された第2導電型の不
    純物領域と、 前記不純物領域の上に形成され、前記不純物領域よりも
    バンドギャップが広い前記第2導電型の第2半導体層と
    を備えることを特徴とするUVフォトディテクタ。
  2. 【請求項2】 膜厚の薄い第1導電型の第1半導体層
    と、 前記第1半導体層上に形成され、前記第1半導体層より
    もバンドギャップが広い前記第2導電型の第2半導体層
    とを備えることを特徴とするUVフォトディテクタ。
  3. 【請求項3】 前記第1半導体層の底面と貼り合わさ
    れ、少なくとも接着面が絶縁性を有する基板を備えるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のUVフォ
    トディテクタ。
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