JPH06215597A - 電荷結合装置の入力回路 - Google Patents

電荷結合装置の入力回路

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JPH06215597A
JPH06215597A JP391993A JP391993A JPH06215597A JP H06215597 A JPH06215597 A JP H06215597A JP 391993 A JP391993 A JP 391993A JP 391993 A JP391993 A JP 391993A JP H06215597 A JPH06215597 A JP H06215597A
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input
gate
circuit
diode
bias
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JP391993A
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Shigeyuki Miyazaki
茂行 宮崎
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Kyocera Crystal Device Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度やプロセス等がばらついても、CCDに
入力される直流バイアス電圧を安定化させる。 【構成】 入力信号Sinが供給されると、ダイオード2
8から出力されたバイアス回路の直流バイアス電圧Vb1
が、該入力信号Sinに重畳されて入力ダイオード2に入
力され、信号電荷Qinの注入が行われる。注入された信
号電荷Qinは、入力ゲート6下を通り、転送ゲート
11,712,721,722,…へ順次転送されていく。温
度やプロセスのばらつき等によって入力ゲート6下の電
位V6 が変化した場合、それに応じてMOSトランジス
タ24の特性が変化し、入力ダイオード2へ印加する直
流バイアス電圧Vb1が変化し、該入力ダイオード2下の
電位V2が変化し、CCDの入力バイアスの安定化が図
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電荷結合装置(以下、
CCDという)の下のポテンシャル井戸へ信号電荷を注
入する入力回路、特に該入力回路内に設けられたバイア
ス回路によってCCDに印加する直流バイアス電圧を安
定化させるCCDの入力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば特公平4−1960号公報に記載されるものがあ
った。以下、その構成を図を用いて説明する。図2は、
前記文献に記載された従来のCCDの入力回路の断面構
造とその動作時における内部電位(内部ポテンシャルの
井戸)を示す説明図である。また、図3は、図2のクロ
ックパルスを示す波形図である。但し、図2に示す内部
電位は電子に対するもので、正電荷に対しては下向きが
高電位となる。図2の装置は、2層ゲート(電極)構
造、2相駆動の埋込みチャネル型CCDで、入力方法と
してダイオードカットオフ法を用いた場合を示してい
る。このCCDでは、P型半導体基板1内に、高濃度の
N型拡散層からなる入力ダイオード(ID)2、及びN
型埋込み層3が形成され、さらにそのN型埋込み層3内
に、濃度の低いN型埋込み層41 ,42 ,43 ,44
…が形成されている。
【0003】N型埋込み層3上には、ゲート絶縁膜を介
して、ゲート5、入力ゲート(IG)6、及び転送ゲー
ト711,712,721,722,731,732,…が形成され
ている。ゲート5にはサンプリングパルスφs が印加さ
れ、さらに入力ゲート6には直流電圧E1 が、転送ゲー
ト711,712,731,732,…には駆動パルスφ1 が、
転送ゲート721,722,…には駆動パルスφ2 が、それ
ぞれ印加される。入力ダイオード2には、信号電荷注入
用の入力回路が接続されている。この入力回路は、直流
電圧E2 から抵抗8を介して直流バイアス電圧Vを出
力するバイアス回路と、入力信号Sinを交流結合コンデ
ンサ9を介して入力ダイオード2に入力する信号入力回
路とで、構成されている。
【0004】次に、図2及び図3の波形図を参照しつ
つ、動作を説明する。時刻t1 において、ゲート5に印
加されるサンプリングパルスφs が“H”レベルとな
り、該ゲート5下の内部電位が深くなる。そのため、ゲ
ート5及び入力ゲート6下の電位の井戸は、入力ダイオ
ード2から供給される電荷で、該入力ダイオード2の電
位まで満たされる。このとき、駆動パルスφ1 は“L”
レベルなので、転送ゲート711下の内部電位が浅く、注
入電荷に対しては電位障壁として働く。時刻t2 におい
て、サンプリングパルスφs が“L”レベルとなるた
め、ゲート5下の内部電位が浅くなり、入力ゲート6下
の電位の井戸は電荷注入源である入力ダイオード2と遮
断される。このとき、入力ゲート6下に蓄積される電荷
inは、該入力ゲート6下の電位V6 と入力ダイオード
2の電位V2 との差にほぼ比例する。時刻t3 におい
て、駆動パルスφ1 が“H”レベル、駆動パルスφ2
“L”レベルになり、入力ゲート6下の電荷が転送ゲー
ト712下の電位の井戸へ転送される。時刻t4 〜t5
なると、駆動パルスφ1 ,φ2 が反転し、転送ゲート7
12下の電荷が転送ゲート722下へ転送される。以降、駆
動パルスφ1 ,φ2 が反転するたびに、電荷が転送ゲー
ト731,732,…へ順次転送されていく。
【0005】ここで、入力ダイオード2の電位V2 は、
バイアス回路の直流電圧E2 と入力信号Sinの和である
ので、該入力ダイオード2に注入される注入電荷Q
inは、次式(1)のようになり、入力信号Sinに比例し
た電荷K・Sinと直流電荷K(V6 −E2 )の和で表わ
される。 Qin=K(V6 −E2 )−K・Sin ・・・(1) 但し、K;入力ゲート6の面積等に依存する定数 次に、最大転送電荷量について考察する。図2の内部電
位図の時刻t3 において、転送ゲート711,712下の内
部電位差ΔV7 は、N型埋込み層3の濃度と低濃度のN
型埋込み層42 の濃度とにより決まり、プロセスが決ま
れば1つの定数である。電荷を電位差ΔV7 なる深さを
越えて入力しようとすると、図2の時刻t3 →t5 の変
化において、電荷が転送ゲート712下から入力ゲート6
下へ逆流する。また、駆動パルスφ1 ,φ2 が反転する
たびに転送される電荷量の上限も同じくK・ΔV7 であ
る。そのため、最大転送電荷量Qmax =K・ΔV7 とな
る。そして、入力回路における最適な供給バイアス電荷
量が最大転送電荷量Qmaxの1/2であるから、それに
応じて直流電圧E1 ,E2 の値を設定する必要がある。
ところが、入力ゲート6下の電位V6 は、直流電圧
1 、N型埋込み層3の濃度、及び入力ゲート6と半導
体基板1間の絶縁膜の厚さ等に依存している。また、電
位差ΔV7 はN型埋込み層3の濃度、低濃度のN型拡散
層41 ,42 ,43 ,44 ,…の濃度等に依存してい
る。従って、素子の特性ばらつき等を考慮すると、入力
回路における直流バイアス電圧の調整が必要となる。
【0006】そこで、前記文献の技術では、図4に示す
ような手段を講じている。図4は、従来のダイオードカ
ットオフ法におけるCCDの入力信号Sinの電圧と注入
電荷Qinの量との関係を示す図である。図4に示すよう
に、入力信号Sinの電圧がVinl 以下の場合は、常に最
大転送電荷量Qmax にあたる電荷Qinが注入されてい
る。入力信号Sinの電圧がVinl以上Vinh 以下の場合
には、該入力信号Sinの電圧に応じた量の電荷Qinが注
入されている。このときは、入力信号Sinが正常に電荷
量に変換される。また、入力信号Sinの電圧がVinh
上の場合には、常に最小転送電荷量Qmin の電荷Qin
注入されるようになっている。注入電荷Qinの量が最大
転送電荷量Qmax あるいは最小転送電荷量Qmin となる
入力信号Qinの電圧の範囲は、温度やプロセスのばらつ
きによる変動に比べて充分に広く、注入電荷Qinの量が
max あるいはQmin になるように予め該入力信号Sin
の電圧を設定しておくことは容易である。
【0007】このような入力回路の特性を用い、前記文
献の技術では、温度、プロセス等の変動要因に影響を受
けることなく、常にCCDの出力ダイナミックレンジの
中心の値に相当した電荷量を出力する第1の補助CCD
と、信号用主CCDと特性をほぼ同じくする第2の補助
CCDを設け、該第1、第2の各補助CCDの出力を比
較器によって比較し、両者が一致するように第2の補助
CCDの入力バイアス電圧に負帰還をかけるようにして
いる。これにより、第2の補助CCDは信号用主CCD
の出力ダイナミックレンジのほぼ中心に自動的にバイア
スされる。従って、第2の補助CCDの入力バイアス電
圧をもって、信号用主CCDの入力バイアス電圧とする
ことにより、信号用主CCDが常に最適状態にバイアス
される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献の装置では、次のような課題があった。前記文献の技
術では、素子の特性ばらつき、あるいはプロセスや温度
のばらつき等を考慮し、図2の信号用主CCDの他に、
第1及び第2の補助CCD等を設け、CCDの供給バイ
アス電荷量が、最大転送電荷量(ダイナミックレンジ)
max のほぼ中心の値(1/2)になるように、常に適
正な直流バイアス電圧を入力ダイオード2に印加してい
る。ところが、図2に示す信号用主CCDの他に、第1
及び第2の補助CCD等を設けているので、CCDの形
成面積が増大すると共に、回路構成が複雑になるという
問題があり、それらを解決することが困難であった。本
発明は、前記従来技術が持っていた課題として、CCD
形成面積の増大と回路構成の複雑化の点について解決
し、安定した直流バイアス電圧を供給するCCDの入力
回路を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、前記課題
を解決するために、入力ダイオード、入力ゲート及び転
送ゲートが形成されたCCDに対し、バイアス回路から
出力される直流バイアス電圧を、入力信号に重畳して前
記入力ダイオードに入力することにより、前記転送ゲー
トの下のポテンシャル井戸へ信号電荷を注入するCCD
の入力回路において、前記バイアス回路を次のように構
成している。即ち、この第1の発明のバイアス回路で
は、前記入力ゲートによって形成される等価的なMOS
トランジスタと同一特性を有し、かつ前記入力ゲートに
印加する直流電圧に応じた電圧降下を生じる検出用MO
Sトランジスタを備え、該検出用MOSトランジスタの
出力電圧に基づき前記直流バイアス電圧を出力する構成
にしている。
【0010】第2の発明では、入力ダイオード、入力ゲ
ート及び転送ゲートが形成されたCCDの該入力ゲート
に入力信号を入力すると共に、バイアス回路から出力さ
れる直流バイアス電圧を前記入力ダイオードに印加する
ことにより、前記転送ゲートの下のポテンシャル井戸へ
信号電荷を注入するCCDの入力回路において、前記バ
イアス回路を次のように構成している。即ち、この第2
の発明のバイアス回路では、前記入力ゲートによって形
成される等価的なMOSトランジスタと同一特性を有
し、かつ所定の電圧降下を生じる検出用MOSトランジ
スタを備え、該検出用MOSトランジスタの出力電圧に
基づき前記直流バイアス電圧を出力する構成にしてい
る。
【0011】
【作用】第1の発明によれば、以上のようにCCDの入
力回路を構成したので、バイアス回路から出力された直
流バイアス電圧は、入力信号に重畳されて入力ダイオー
ドに供給され、該入力ダイオードへ信号電荷の注入が行
われる。入力ダイオードに注入された信号電荷は、入力
ゲート下を通り、転送ゲートへ順次転送されていく。温
度やプロセスのばらつき等によって入力ゲート下の電位
が変化した場合、それに応じて検出用MOSトランジス
タの電圧降下値が変化し、入力ダイオードに印加される
直流バイアス電圧のレベルが変わる。そのため、入力ダ
イオード下の電位が変化し、該入力ゲ−ト下の最大転送
電荷量が一定に保たれる。
【0012】第2の発明によれば、バイアス回路から出
力された直流バイアス電圧が入力ダイオードに印加され
ると共に、入力信号が入力ゲートに供給され、信号電荷
の注入が行われる。注入された信号電荷は、転送ゲート
へ転送されていく。ここで、温度やプロセスのばらつき
等によって入力ゲート下の電位が変化した場合、それに
応じて検出用MOSトランジスタの閾値等の特性が変わ
り、その電圧降下値が変化する。そのため、入力ダイオ
ード下の電位が変化し、該入力ゲート下の最小転送電荷
量が一定に保たれる。これにより、入力バイアスが安定
化する。従って、前記課題を解決できるのである。
【0013】
【実施例】第1の実施例 図1は、本発明の第1の実施例を示すCCDの入力回路
の回路構成とその内部電位(内部ポテンシャルの井戸)
を示す説明図であり、従来の図2中の要素と共通の要素
には共通の符号が付されている。本実施例では、例えば
従来の図2と同一のCCDを備え、それに対する入力回
路の回路構成が従来と異なっている。本実施例の入力回
路では、入力信号Sinを交流結合コンデンサ11を介し
て入力ダイオード2へ供給する信号入力回路と、該入力
信号Sinに重畳して入力ダイオード2に印加する直流バ
イアス電圧Vb1を出力するバイアス回路とで、構成され
ている。
【0014】バイアス回路は、分割抵抗21,22,2
3と、入力ゲート6によって形成される等価的なMOS
トランジスタ6Aと同一特性を有するNチャネルMOS
トランジスタ24と、抵抗25及び容量26が並列接続
された積分回路と、差動増幅器27及びダイオード28
が直列接続されたクランプ回路と、負荷抵抗29とで、
構成されている。
【0015】分割抵抗21,22,23は、電源電位V
DDと接地電位VSSとの間に直列接続され、その分割
抵抗21と22の接続点(ノード)N21が、入力ゲー
ト6に接続されている。分割抵抗22と23の接続点
(ノード)N22には、MOSトランジスタ24のゲー
トが接続され、そのドレインが電源電位VDDに接続さ
れ、さらにソース側ノードN24が、並列接続された抵
抗25及び容量26を介して接地電位VSSに接続され
ている。ノードN24には、差動増幅器27の+側入力
端子が接続され、その−側入力端子が交流結合コンデン
サ11の出力側に接続されている。差動増幅器27の出
力端子は、ダイオード28の入力側に接続され、該ダイ
オード28の出力側が、入力ダイオード2に接続される
と共に、負荷抵抗29を介して接地電位VSSに接続さ
れている。差動増幅器27及びダイオード28で構成さ
れるクランプ回路は、ダイナミックレンジを大きくする
ための回路である。
【0016】図1のCCDの動作は従来の図2と同一で
あるので、以下、本実施例の入力回路の動作について説
明する。入力信号Sinが入力されていない無信号時に
は、入力ダイオード2の下の電位がV2 (例えば、1.
5V)である。このとき、サンプリングパルスφs が印
加されるゲート5下の電位がV5 (例えば、2.85
V)、駆動パルスφ1 が印加される転送ゲート711下の
電位がV7 (例えば、2.85V)である。また、電源
電位VDDが分割抵抗21で電圧降下し、そのノードN
21の電圧が入力ゲート6に印加されているので、該入
力ゲート6下の電位がV6 (例えば、2.3V)であ
る。
【0017】入力信号Sinが交流結合コンデンサ11を
介して入力ダイオード2へ供給され、電荷の注入が行わ
れる。このとき、電源電位VDDが分割抵抗21,22
で電圧降下し、そのノードN22の電圧がMOSトラン
ジスタ24のゲート及びドレインに印加されるため、該
MOSトランジスタ24に一定の電流が流れ、それが並
列接続された抵抗25及び容量26で積分される。MO
Sトランジスタ24のソース側ノードN24の電圧は、
入力ダイオード2に印加される電圧と等しくなるように
予め設定されている。ノードN24の電圧と交流結合コ
ンデンサ11の出力電圧との差が、差動増幅器27で増
幅される。差動増幅器27の出力がダイオ−ド28を通
り、負荷抵抗29と抵抗分割され、直流バイアス電圧V
b1の形で入力ダイオード2へ印加される。
【0018】このように、直流バイアス電圧Vb1が重畳
された入力信号Sinが入力ダイオード2に入力されて電
荷が注入されると、該入力ダイオード2下の注入電荷Q
inが、入力ゲート6下を通り、駆動パルスφ1 ,φ2
よって転送ゲート711,712,721,722,…方向へ順
次転送されていく。以上のように、本実施例では、入力
ゲート6によって形成される等価的なMOSトランジス
タ6Aと同一特性のMOSトランジスタ24を設けてい
るので、温度やプロセスのばらつき等によって入力ゲー
ト6下の電位V6 が変化し、電位差ΔV26が変化して
も、それに応じてMOSトランジスタ24の抵抗値が変
わり、その電圧降下によってソース側ノードN24の電
圧が変化し、入力ダイオード2に印加される直流バイア
ス電圧Vb1が変化する。そのため、CCDの供給バイア
ス電荷量が、最大転送電荷量(Qmax のほぼ中心の値
(1/2)になるように、常に適正な直流バイアス電圧
b1が入力ダイオード2に印加される。しかも、MOS
トランジスタ24等でバイアス回路を構成しているの
で、回路形成面積を小さくできると共に、回路構成が簡
単である。
【0019】第2の実施例 図5は、本発明の第2の実施例を示すCCDの入力回路
の回路構成とその内部電位を示す説明図であり、第1の
実施例を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号
が付されている。本実施例の入力回路は、第1の実施例
と同様に、信号入力回路とバイアス回路とで構成されて
いるが、第1の実施例と異なり、該信号入力回路の出力
側が入力ゲート6に接続され、さらに入力ダイオード2
に直流バイアス電圧Vb2を印加するバイアス回路の回路
構成が、第1の実施例と異なっている。本実施例の信号
入力回路は、入力信号Sinを入力ゲート6へ供給する交
流結合コンデンサ11と、該交流結合コンデンサ11の
出力側に接続された差動増幅器12、ダイオード13及
び放電抵抗14からなるクランプ回路とで、構成されて
いる。このクランプ回路は、ダイナミックレンジを大き
くするための回路である。
【0020】バイアス回路は、分割抵抗31,32,3
3と、インピーダンス変換用の差動増幅器34と、入力
ゲート6によって形成される等価的なMOSトランジス
タ6Aと同一特性を有するMOSトランジスタ35と、
並列接続された容量36及び抵抗37からなる積分回路
と、インピーダンス変換用の差動増幅器38と、積分用
の容量39とで、構成されている。分割抵抗31,3
2,33は、電源電位VDDと接地電位VSSとの間に
直列接続され、その分割抵抗31と32の接続点(ノー
ド)N31が、差動増幅器12の+側入力端子に接続さ
れている。分割抵抗32と33の接続点(ノード)N3
2には、差動増幅器34の+側入力端子が接続され、該
差動増幅器34の−側入力端子と出力端子が短絡されて
いる。
【0021】差動増幅器34の出力端子には、MOSト
ランジスタ35のゲート及びドレインが共通接続され、
そのソース側ノードN35が、並列接続された容量36
及び抵抗37を介して接地電位VSSに接続されてい
る。また、ノードN35は、差動増幅器38の+側入力
端子に接続され、該差動増幅器38の−側入力端子と出
力端子が短絡されている。差動増幅器38の出力端子
は、容量39を介して接地電位VSSに接続されると共
に、入力ダイオード2に接続されている。
【0022】本実施例のCCDの動作は従来の図2と同
一であるため、以下、入力回路の動作を説明する。入力
信号Sinによる注入電荷Qinの量が最小のときの最小転
送電荷量Qmin について考える。電源電位VDDが分割
抵抗31,32,33で分割され、例えばそのノードN
31の電圧が2V、ノードN32の電圧が1.7Vとす
る。ノードN32の電圧は差動増幅回路34でインピー
ダンス変換され、MOSトランジスタ35のゲート及び
ドレインに印加される。すると、MOSトランジスタ3
5のドレイン・ソース間に電流が流れ、その電流が並列
接続された容量36及び抵抗37で積分される。
【0023】MOSトランジスタ35のソース側ノード
N35の電圧は、差動増幅器38でインピーダンス変換
され、入力ダイオード2へ印加される。このときの入力
ダイオード2下の電位V2 は例えば0.684Vであ
る。最小レベルの入力信号Sinは、交流結合コンデンサ
11を介して入力ゲート6へ供給される。そのため、入
力ゲート6下の電位がV6 (例えば、0.89V)とな
る。この電位V6 とV2との電位差ΔV26=V6 −V2
は例えば0.206Vとなる。この電位差ΔV26が図4
に示す最小転送電荷量Qmin である。ここで、温度やプ
ロセスのばらつき等によって電位V6 が変化し、その電
位差ΔV26が変化すると、それに応じてMOSトランジ
スタ35の閾値電圧も変化するので、入力ダイオード2
下の電位V2 も変化し、電位差ΔV26が常に一定値に保
たれる。そのため、CCDの供給バイアス電荷量が、最
大転送電荷量Qmax のほぼ中心の値(1/2)になるよ
うに、常に適正な直流バイアス電圧Vb2を入力ダイオー
ド2に印加できる。このようにして注入された信号電荷
inは、駆動パルスφ1 ,φ2 によって転送ゲート
11,712,721,722,…へ順次転送されていく。本
実施例では、MOSトランジスタ35等でバイアス回路
を構成しているので、その形成面積を小さくできると共
に、回路構成が簡単である。
【0024】なお、本発明は上記実施例に限定されず、
種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば
次のようなものがある。 (a) 図5において、例えばインピーダンス変換用の
差動増幅器34を省略し、MOSトランジスタ35のゲ
ートをノードN32に接続し、該MOSトランジスタ3
5のドレインを電源電位に接続する等、他の回路構成に
変更してもよい。 (b) 上記実施例ではダイオードカットオフ法の入力
方法を用いて説明したが、電位平衡法等の他の入力方法
を用いたり、あるいはCCDの電荷転送構造や駆動パル
ス等を他の構成に変更してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明
によれば、入力ダイオードに供給する直流バイアス電圧
を発生するためのバイアス回路を、該入力ゲートによっ
て形成される等価的なMOSトランジスタと同一特性を
有する検出用MOSトランジスタ等で構成したので、温
度やプロセスのばらつき等によって該入力ゲート下の電
位が変化しても、それに応じて検出用MOSトランジス
タの電圧降下値が変化し、入力ゲ−ト下の最大転送電荷
量が一定になる。そのため、CCDの供給バイアス電荷
量が、最大転送電荷量のほぼ中心の値になるように、常
に適正な直流バイアス電圧を入力ダイオードに印加でき
る。しかも、バイアス回路を検出用MOSトランジスタ
等で構成しているので、CCDの形成面積を減少できる
と共に、回路構成が簡単になる。
【0026】第2の発明によれば、入力ダイオードに印
加するための直流バイアス電圧を発生するバイアス回路
を、入力ゲートによって形成される等価的なMOSトラ
ンジスタと同一特性を有する検出用MOSトランジスタ
等で構成したので、温度やプロセスのばらつき等によっ
て入力ゲート下の電位が変化しても、それに応じて検出
用MOSトランジスタの閾値電圧等が変化し、該入力ダ
イオード下の電位が変化する。そのため、入力ゲート下
の最小転送電荷量が一定になり、CCDの入力バイアス
を安定化させることができる。しかも、検出用MOSト
ランジスタ等でバイアス回路を形成したので、CCDの
形成面積が小さくなり、回路構成も簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すCCDの入力回路
の回路構成とその内部電位を示す説明図である。
【図2】従来のCCDの入力回路の断面構造とその動作
時における内部電位を示す説明図である。
【図3】図2のクロックパルスを示す波形図である。
【図4】従来の入力信号と注入電荷量の関係を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例を示すCCDの入力回路
の回路構成とその内部電位を示す説明図である。
【符号の説明】
2 入力ダイオー
ド 6 入力ゲート 6A MOSトラン
ジスタ 711,712,721,722,731,732 転送ゲート 11 交流結合コン
デンサ 24,35 MOSトラン
ジスタ Sin 入力信号 Vb1,Vb2 直流バイアス
電圧 φ1 ,φ2 駆動パルス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ダイオード、入力ゲート及び転送ゲ
    ートが形成された電荷結合装置に対し、バイアス回路か
    ら出力される直流バイアス電圧を、入力信号に重畳して
    前記入力ダイオードに入力することにより、前記転送ゲ
    ートの下のポテンシャル井戸へ信号電荷を注入する電荷
    結合装置の入力回路において、 前記バイアス回路は、前記入力ゲートによって形成され
    る等価的なMOSトランジスタと同一特性を有し、かつ
    前記入力ゲートに印加する直流電圧に応じた電圧降下を
    生じる検出用MOSトランジスタを備え、該検出用MO
    Sトランジスタの出力電圧に基づき前記直流バイアス電
    圧を出力する構成にしたことを特徴とする電荷結合装置
    の入力回路。
  2. 【請求項2】 入力ダイオード、入力ゲート及び転送ゲ
    ートが形成された電荷結合装置の該入力ゲートに入力信
    号を入力すると共に、バイアス回路から出力される直流
    バイアス電圧を前記入力ダイオードに印加することによ
    り、前記転送ゲートの下のポテンシャル井戸へ信号電荷
    を注入する電荷結合装置の入力回路において、 前記バイアス回路は、前記入力ゲートによって形成され
    る等価的なMOSトランジスタと同一特性を有し、かつ
    所定の電圧降下を生じる検出用MOSトランジスタを備
    え、該検出用MOSトランジスタの出力電圧に基づき前
    記直流バイアス電圧を出力する構成にしたことを特徴と
    する電荷結合装置の入力回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006080319A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 New Japan Radio Co Ltd 電荷結合素子
JP2009055266A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Sanyo Electric Co Ltd 低コンダクタアンプ

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