JPH0621352Y2 - うろこ取り器用刃物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は魚のうろこを取るためのうろこ取り器用刃物に
関する。より詳しくは、本考案は、魚体の大きさ、また
魚の種類に応じて適当な刃物を取付けることが出来るよ
うにしたうろこ取り器に関する。

〔従来の技術〕

鯛、ぼら等のうろこを有する魚を調理するときには、先
ず最初にうろこを取ることが行なわれている。

従来、うろこ取りは庖丁によって行われていた。しか
し、庖丁によりうろこ取りをするには熟練を要し、また
作業時間もかかり、大量に魚を調理する必要がある仕出
し屋や料理店における調理においては面倒な作業となっ
ている。

このようなうろこ取り作業を助ける目的で、実公昭５７
−６０７０３号公報には魚のうろこ取り具として駆動モ
ータを内蔵した把持部の一側に前記駆動モータに連なる
回転駆動軸を延出し、該駆動軸に、先端を回動方向に屈
曲せしめた刃体を外周軸線方向に沿って適宜間隔をおい
て止着してなる刃保持胴を固着し、該刃保持胴上半部を
透明フードで被覆すると共に、前記刃保持胴の刃止着位
置中間部分を前記止着部を残して凹彎曲面に形成したこ
とを特徴とする魚のうろこ取り道具が開示されている。

しかしながら、この実公昭５７−６０７０３号公報に開
示されたうろこ取り具では、刃物が一定のため、魚の大
きさが異なる場合やうろこの大きさが異なる場合に対応
することができず、往々にしてうろこがうまく取れない
ことがある。

また、更に、この実公昭５７−６０７０３号公報に開示
された刃物は、駆動軸の長手方向に伸びる畝状の刃物と
その刃物の先端を回動方向に屈曲させた刃体からなって
いるために、刃体により剥がされたうろこが屈曲部分に
詰ってしまい、外に排出されず、直ぐにうろこ取りが作
業を中断し、うろこを除去する必要があり作業性が良く
ないという問題もある。

実開昭５７−６９５９０号公報には、回転刃体から複数
個の方形状のうろこ取り刃を軸方向に断続して突出させ
たうろこ取り用刃物が開示されている。

このうろこ取り用刃物は、全体として一体構造となって
いるために、魚の大きさやうろこの大きさが異なる場合
には、刃体全体を交換する必要があり、魚の大きさやう
ろこの大きさに対応するのが容易ではない。

実開昭６０−６４０８１号公報には、金属性筒体の周面
を筒軸方向と平行に切り起こして板状の突起を放射状に
突出して刃体を形成することが開示されている。

しかし、このようにして形成した刃体は非常に軟弱であ
り、大量にうろこ取りをするには刃体が曲り易い。ま
た、刃体の大きさは一定のために、魚の大きさやうろこ
の大きさが異なる場合には種々の刃体を用意して交換す
る必要があり、この交換作業を行うための刃体が高価で
ある。

また、実開昭６０−１６０１７０号公報には、円筒状の
ドラムの周面に円柱体からなる突起を複数個突設してな
るうろこ取り用刃体が開示されている。この刃体は、交
換する場合はドラムとともに刃体全体を交換する必要が
あり、特に刃体が特殊形状をしているために、交換用の
ドラムが高価となり経済的ではない。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来知られているうろこ取り具においては、円筒状のド
ラム本体から種々の形状をした刃体を突出、形成してい
るが、仮にこれらの刃物を交換する場合には円筒状の基
部から全体を交換する必要がある。

ところで、このようなうろこ取り具においては、刃物を
毎分数千回転という高速で回転させる必要があり、この
ような刃物においては、モータの回転軸との嵌合を非常
に高精度に作り、回転時の振動をなくす必要がある。

しかるに、上述のように従来の刃物取り具の刃物におい
ては、円筒部から交換するために、駆動モータとの嵌合
を各交換刃物について高精度に製作する必要があり、そ
の製作費が非常に高価である。

また、高精度の嵌合状態としているために、その脱着作
業は非常に煩わしいものであり、簡単に交換をすること
ができない。

上述のような問題点に鑑みて本考案においては、魚の大
きさやうろこの大きさに応じて簡単に刃物の交換をする
ことができるようにしたうろこ取り器用刃物を提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案においては、上述の目的を駆動モータを内蔵した
操作ハンドルから前記駆動モータに連結した回転軸が突
出しており、該回転軸にうろこ取り用刃物が取着されて
いるうろこ取り器において、前記回転軸はその長手方向
に延在する複数の刃物装着溝を円周方向に等間隔に具備
しており、該出力軸の操作ハンドル側に円筒状の替え刃
ガイドが取着され画回転軸の外周面と該替え刃ガイドの
内周面の間に円環状のガイド溝が形成されており、前記
回転軸に形成された複数の刃物装着溝に薄板状のうろこ
取り刃物がそれぞれ装着され、該うろこ取り刃物の操作
ハンドル側端部は前記ガイド溝に挿入されており、前記
回転軸の操作ハンドルと反対側の端部には替え刃押えが
取着され、該替え刃押えが前記うろこ取り刃物の操作ハ
ンドルと反対側の端部を固定しているうろこ取り器用刃
物により達成する。

本考案のうろこ取り用刃物においては、特に前記うろこ
取り刃物は、回転軸の長手方向に延在する基板部と、該
基板部から突出した複数の矩形形状の刃部からなり、該
複数の刃部は基板部に沿って点在しているうろこ取り器
用刃物とすることが好ましい。

また、本考案のうろこ取り器用刃物の固定を確実にする
ために前記替え刃ガイドは、前記操作ハンドルと反対側
に向けて拡開する円錐状内面を具備しているうろこ取り
器用刃物とし、また、前記替え刃押えは、前記操作ハン
ドル側に向けて拡開する円錐状内面を具備しているうろ
こ取り器用刃物とすることが好ましい。

上述のようにして取着するうろこ取り用刃物の取付け方
法において、前記出力軸の半径方向に前記刃物装着溝が
形成されているうろこ取り器用刃物としても良いし、前
記出力軸の半径方向に平行し且つ円周方向に小間隙をな
して前記刃物装着溝が形成されているうろこ取り器用刃
物としても良い。

〔作用〕

本考案においては、駆動モータに連結されて高速で回転
する回転軸を駆動モータに高精度で嵌合させており、そ
の回転軸に対して複数の薄板状のうろこ取り用刃物を脱
着可能としており、これによりうろこの大きさや魚の大
きさに合わせて薄板状のうろこ取り刃物を交換すること
により、種々の大きさの魚やうろこに対応することがで
きる。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明
する。

第１図は本考案の一実施例の斜視図であり、操作ハンド
ル１の内部には駆動モータ（図示せず）が内蔵されてお
り、操作ハンドル１の前方には、半円筒状の透明カバー
２が前方に向けて突出されている。操作ハンドル１に内
蔵された駆動モータの出力軸に回転軸３が装着され、ビ
ス８により固定されておいる。回転軸３の先端から操作
ハンドル１方向に見た場合に、回転軸３は反時計方向に
回転する（第３図の矢印参照）。

回転軸３の操作ハンドル１側には、替え刃ガイド４が取
着され、替え刃ガイド４の前方には薄板状のうろこ取り
用刃物５が複数枚装着されており、回転軸３の操作ハン
ドル１と反対側、すなわち回転軸３の先端部には替え刃
押え６がボルト７により固定されている。

うろこ取り用刃物５は第２図に示すように、回転軸３の
長手方向に延在する基板部５ｅと基板部５ｅから突出し
た矩形形状の複数の形状の刃部５ａからなっている。す
なわち、矩形形状の刃部５ａの間に隙間があり、この部
分は剥ぎ取ったうろこを通過させるようになっている。

うろこ取り刃物５の材質は、不銹鋼（例えば、ＳＵＳ３
０４）、真鍮のような金属、アセタールポリマー（商品
名、ジュラコン）、６６ナイロンのような合成樹脂とす
ることができる。

薄板状のうろこ取り刃物５を装着するために、回転軸３
には、その軸方向に延在する複数個の溝３ａが形成され
ている。

第３図においては、溝３ａを８個、その円周の回りに等
配配置している。円周溝の数は第３図に示す８個の他に
６個とか４個とか３個というような適宜の数として良
い。

替え刃押え４は第２図に示すように、回転軸３に嵌合す
る円筒状形状をしており、その操作ハンドル１と反対
側、すなわち、うろこ取り用刃物５側は、外側に向けて
拡開する円錐面４ａとなっている。

また、替え刃押え６は第２図に示すように、ほぼ円板状
形状をしており、その操作ハンドル１に向いた面には、
外側に向けて拡開している円錐状内面６ａが形成されて
いる。６ｂはボルト７を貫通させるための穴である。

上記円錐状拡開内面４ａ，６ａと嵌合するうろこ取り用
刃物の端部５ｃ、５ｄもそれに合わせて傾斜させておく
ことが好ましい。

本考案のうろこ取り用刃物の交換に際しては、ボルト７
を外し、替え刃押え６を外す。これによりうろこ取り用
刃物５は、回転軸３に形成した溝３ａに沿って軸方向に
外すことができる。うろこ取り用刃物５を外した後、別
に容易した寸法の異なるうろこ取り用刃物５を溝３ａに
挿入し、その操作ハンドル１側端部を替え刃ガイド４に
挿入し、その後替え刃押え６を当てがいボルト７を螺着
する。このようにすることにより簡単にうろこ取り用刃
物５を取着することができる。

第２図に示す態様においては、うろこ取り用刃物５の向
きを適宜変えることにより、うろこ取り用刃物５の矩形
形状をした突出部５ａとその間の溝部とが複数の刃物に
おいて混在するようにしてうろこ取り時のうろこの取り
残しを少なくするようにしている。しかしながら、全て
の刃物５を同じ向きとしてうろこ取り具を軸方向に僅か
に動かすようにしても良い。

本考案に用いるうろこ取り用刃物５は、魚の大きさや魚
の種類に応じ、またはうろこの大きさに応じて種々の形
状とすることができる。一例を第５図（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）に示す。

鯛のような大きい魚にはうろこ取り用の刃物の矩形部の
大きさを大きいものとすることが好ましい。

一方、うろこの小さい鮃のような魚においては矩形部は
小さく、しかし数は多くすることが好ましい。

また、同じ種類の魚でも、魚体の大きさに応じて大きい
魚にはうろこ取りを刃物の矩形部の形状を大きくし、ま
たうろこの小さい場合には小さくして数を多くする等の
工夫をすると良い。

第３図に示す実施例においては、回転軸３に形成する溝
３ａを回転軸３の中心から半径方向に延びる線と一致さ
せて形成している。しかし、第４図に示すように、溝３
ａの位置を半径方向の線に対して回転方向（矢印参照）
に見て遅れ側に僅かな距離、例えば第４図において符号
ｅで示す距離だけ偏らせることにより、うろこ取り効果
を高めることができる。

第４図に示す実施例においては、駆動軸の回転方向（矢
印参照）に対してうろこ取り用刃物を遅れ側の方に偏ら
せている。しかし、場合によっては進み側に偏らせても
よい。

〔考案の効果〕

本考案においては、回転モータの駆動軸に嵌合するうろ
こ取り用刃物の本体は、その嵌合状態のままとしてお
り、その回転軸に形成した溝にうろこ取り用刃物を装着
するようにし、このうろこ取り用刃物を魚の大きさやう
ろこの大きさに応じて適宜交換するようにしたので、種
々のうろこ取り用刃物を安価に準備することができる。

しかし、高精度の嵌合を必要とする部分は一つで良いの
で製作費は安価で済み、また、取付け、取外しに際して
も高精度の嵌合でない部分を外したり、取付けたりする
ために、簡単にボルトを外すだけで嵌合、着脱が行え
る。

従って、本考案により安価で、取扱が容易で且つ種々の
大きさの魚、種々の形状のうろこに対応することができ
るうろこ取り用刃物が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の斜視図、第２図は第１図の断
面図、第３図は第２図のIII−III矢視断面図、第４図は
他の実施例の要部の断面図、第５図（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）は本考案に用いるうろこ取り用刃物の平面図であ
る。 １……操作ハンドル、３……回転軸、 ３ａ……溝、４……替え刃ガイド、 ５……うろこ取り用刃物、６……替え刃押え。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動モータを内蔵した操作ハンドルから前
   記駆動モータに連結した回転軸が突出しており、該回転
   軸にうろこ取り用刃物が取着されているうろこ取り器に
   おいて、前記回転軸はその長手方向に延在する複数の刃
   物装着溝を円周方向に等間隔に具備しており、該出力軸
   の操作ハンドル側に円筒状の替え刃ガイドが取着され該
   回転軸の外周面と該替え刃ガイドの内周面の間に円環状
   のガイド溝が形成されており、前記回転軸に形成された
   複数の刃物装着溝に薄板状のうろこ取り刃物がそれぞれ
   装着され、該うろこ取り刃物の操作ハンドル側端部は前
   記ガイド溝に挿入されており、前記回転軸の操作ハンド
   ルと反対側の端部には替え刃押えが取着され、該替え刃
   押えが前記うろこ取り刃物の操作ハンドルと反対側の端
   部を固定していることを特徴とするうろこ取り器用刃
   物。
2. 【請求項２】前記うろこ取り刃物は、回転軸の長手方向
   に延在する基板部と、該基板部から突出した複数の矩形
   形状の刃部からなり、該複数の刃部は基板部に沿って点
   在していることを特徴とする請求項１記載のうろこ取り
   器用刃物。
3. 【請求項３】前記替え刃ガイドは、前記操作ハンドルと
   反対側に向けて拡開する円錐状内面を具備していること
   を特徴とする請求項１または２記載のうろこ取り器用刃
   物。
4. 【請求項４】前記替え刃押えは、前記操作ハンドル側に
   向けて拡開する円錐状内面を具備していることを特徴と
   する請求項１から３の何れか１項記載のうろこ取り器用
   刃物。
5. 【請求項５】前記出力軸の半径方向に前記刃物装着溝が
   形成されている請求項１から４の何れか１項記載のうろ
   こ取り器用刃物。
6. 【請求項６】前記出力軸の半径方向に平行し且つ円周方
   向に小間隙をなして前記刃物装着溝が形成されている請
   求項１から４の何れか１項記載のうろこ取り器用刃物。