JPH0621339B2 - 真鍮被覆層を有する金属ストリツプの製造方法 - Google Patents

真鍮被覆層を有する金属ストリツプの製造方法

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JPH0621339B2
JPH0621339B2 JP60132051A JP13205185A JPH0621339B2 JP H0621339 B2 JPH0621339 B2 JP H0621339B2 JP 60132051 A JP60132051 A JP 60132051A JP 13205185 A JP13205185 A JP 13205185A JP H0621339 B2 JPH0621339 B2 JP H0621339B2
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vacuum
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和昭 丁畑
外喜夫 藤岡
憲夫 築地
敏晴 橘高
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は,銅または銅メッキした金属ストリップに亜鉛
を真空蒸着することにより,真鍮被覆層を有する金属ス
トリップを製造する方法に関する。
【従来の技術】
真鍮は美麗な黄金色を有し,比較的強くてろう付けがし
やすく,耐食性も良いといった利点があり,広く一般に
使用されている。 真鍮被覆層を有する金属ストリップの製造方法に関し,
本出願人は,先に特開昭56−96068号の「黄銅被
覆鋼板の製造法」を開示している。この発明によれば,
銅めっき鋼帯を真空シーリング室,真空めっき室,真空
シーリング室の順に通過させて銅めっき鋼帯の表面に亜
鉛をめっきし,その後,合金化処理炉において加熱する
ことにより銅と亜鉛を相互拡散させて黄銅被覆鋼板を製
造する構成になっている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし,この特開昭56−96068号の発明のよう
に,真空めっき室で銅に亜鉛めっきを施した後において
加熱する手段によると,次のような問題が生ずる。 先ず,亜鉛が卑金属(加熱すると酸化しやすい性質の
金属)であるために,真空シーリング室からでてきた鋼
帯が合金化処理炉において十分に加熱される前に,表面
の亜鉛が酸化してしまうことである。即ち,銅と亜鉛は
250℃程度の温度に昇温されないと殆ど相互拡散をし
ないので,真空シーリング室からでてきた鋼帯が合金化
処理炉において250℃以上に加熱されて拡散が進行す
る前に亜鉛表面が先に酸化し,従って,真鍮本来の特性
である美麗な黄金色を呈する製品が得られなくなるとい
った問題がある。 次に,真空雰囲気や不活性雰囲気で鋼帯を加熱するこ
とが極めて困難なことである。即ち,合金化処理炉にお
いて鋼帯が加熱される前に亜鉛が酸化するのを防ごうと
して,合金化処理炉を真空雰囲気や不活性雰囲気とする
と,今度は鋼帯を加熱することが極めて困難となり,所
望の温度に昇温させるまで長大な加熱時間を要するよう
になって,工程全体の処理時間が著しく長くなるといっ
た問題がある。 従って,本発明の目的は,真鍮本来の特性である美麗な
黄金色を表面に備えた金属ストリップを容易に得ること
のできる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために,銅また銅メッキされた金
属ストリップを,先ず第1シールロール室に導入して減
圧し,次いで真空蒸着室にて金属ストリップ表面に亜鉛
を真空蒸着した後,第2シールロール室にて復圧して,
真鍮被覆層を有する金属ストリップを得るものにおい
て,第1シールロール室に導入される前の金属ストリッ
プを予め加熱して、真空蒸着室において金属ストリップ
が250〜450℃の温度となるように構成した真鍮被
覆層を有する金属ストリップの製造方法を提供する。 そして,金属ストリップは還元焼鈍炉にて,第1シール
ロール室に導入される前に予め400〜600℃の温度
に加熱することとし,また,真鍮被覆層が形成された金
属ストリップを非酸化雰囲気で冷却してから大気中に出
すこととした。
【作用】
本発明者らは,実際の操業ラインにあっては,真空蒸着
に先立って焼鈍工程で鋼帯が加熱されることに着目し,
銅または銅めっきした銅のストリップ(鋼帯)を予め加
熱した状態にして亜鉛を真空蒸着すれば,一挙に真鍮め
っきを施すことができ,上述の従来技術の問題点がすべ
て解決できることを見出だした。 なお,銅と亜鉛の相互拡散は理論的には常温でも進行す
るが,連続処理ラインで適用可能である実用的な拡散速
度を得るためには,金属ストリップの温度を約250℃
以上としなければならない。しかし,約450℃を超え
ると,蒸着された亜鉛の再蒸発が実質的に生じ始めるの
で,450℃以下に限定される。 金属ストリップの表面にある程度の厚み(1μm以上)
の銅層が存在すれば,素地は何であってもよいが,実用
上は銅めっき鋼帯が広く使用される。 また,本発明の方法は,どのような装置によっても実施
できるが,本発明者らが先に開示した特願昭59−20
1423号に記載されたガス還元前処理炉を有する連続
真空蒸着装置を使用するのが有利である。 真空中で金属ストリップを加熱することは技術的に困難
である。一方,大気圧の非酸化雰囲気中で金属ストリッ
プを加熱することも考えられるが,そのような加熱炉を
真空蒸着装置の後に連結して連続処理ラインを構成する
ことは技術的に困難である。 特願昭59−201423号の連続真空蒸着装置は以上
の難題を解決したもので,合金化真鍮めっき法はこの装
置の開発によって工業的に実施可能になる。
【実施例】
以下,本発明を銅めっき鋼帯について具体的に説明す
る。なお,本発明は銅及び銅めっきしたあらゆる金属の
ストリップにも適用できることは言うまでもないことで
ある。 第1図は前記の連続真空蒸着装置の1実施態様の概念図
である。第1図において,鋼帯1は左方の入口から連続
的にガス還元焼鈍炉2に導入され,表面の酸化物が除去
されて清浄にされるとともに焼鈍されてから,ガス還元
焼鈍炉2の雰囲気ガスの真空蒸着系への流入を防止する
ための賦圧室3,一連の段階的に排気して減圧するため
の個別に真空排気手段を備えた隔室に納められた多数の
シールロールからなる第1シールロール室4を経て,真
空蒸着めっき室5に入り,ここで亜鉛を真空蒸着されて
から,再び前記と同様の目的と構成の段階的に復圧する
第2シールロール室4′,前記と同様目的の第2賦圧室
3′を経て冷却室9に入る。 図示のように,第1賦圧室3の上流側および第2賦圧室
3′の下流側にシールロールを設けてもよい。 シールロール室の構成は特願昭59−51149号,特
願昭59−201423号に詳細に記載されている。 真空蒸着室5は種々に構成することができるが,ここに
図示するものは適当な手段(電気抵抗加熱手段,電子ビ
ーム法等)によって加熱される亜鉛浴6と亜鉛蒸気を輸
送するためのチャンネル7からなる蒸着手段を納め,被
覆される基体鋼帯1の支持反転の役目を果すロール8を
備えている。このロール8は加熱手段を具えていてもよ
い。 鋼帯1はガス還元前処理炉で,例えばN2あるいはH2
%残部N2よりなる非酸化ガス雰囲気で400〜600
℃の温度に加熱される。加熱手段はラジアントチューブ
あるいは電気抵抗加熱器が適当である。第1図に示した
装置では,シールロール室の長さにもよるが,ガス還元
前処理炉出口側での鋼帯温度を400〜600℃にすれ
ば真空蒸着時に250〜450℃の好適温度が達成され
る。 蒸着を終わった鋼帯は第2シールロール室4′と第2賦
圧室3′を経由してガス還元前処理炉と同じ非酸化雰囲
気の冷却室9内で冷却される。冷却しないで大気中に取
り出すと真鍮が酸化されて変色するためである。 (実施例1) 上述の装置を用いて,本発明に従って銅めっき鋼帯に真
空蒸着亜鉛めっきを施した。条件は次の通りであった。 銅めっき鋼帯寸法:0.5mm厚×300mm幅 鋼帯の銅めっき厚さ:20μm ガス還元前処理炉出口側での鋼帯温度: 500℃ 第1シールロール室の長さ:約30m 通板速度:20m/min 亜鉛蒸着めっき時の銅めっき鋼板の温度: 350℃ 蒸着めっき室の真空度:0.01torr 亜鉛蒸着めっき付着量:2g/m 第2図は実施例1によって得られた真鍮めっき鋼板の斜
断面の400倍の光学顕微鏡写真である。鋼素地10の
上に存在する銅めっき層11の表層に真鍮の層12が形
成されている。この真鍮層のエネルギー分散型X線マイ
クロアナライザーによる分析結果はZn26%−Cu7
4%の真鍮であり,表面は黄金色を呈した。 (実施例2) 実施例1と同様に真鍮めっき鋼板を製造した。条件は次
の通りであった。 銅めっき鋼帯寸法:0.5mm厚×300mm幅 鋼帯の銅めっき厚さ: 20μm ガス還元前処理炉出口側での鋼帯温度: 400℃ 第1シールロール室の長さ:約30m 通板速度:20m/min 亜鉛蒸着めっき時の銅めっき鋼板の温度: 250℃ 蒸着めっき室の真空度:0.01torr 亜鉛蒸着めっき付着量:1g/m 実施例2の条件で鋼板を同様に分析した結果,鋼素地の
上に存在する銅めっき層の表層にZn13%−Cu87
%の真鍮の層が形成され,この真鍮層はやや赤味を帯び
た黄金色であった。 (実施例3) 次の条件で真鍮めっきを繰り返した。 銅めっき鋼帯寸法:0.5mm厚×300mm幅 鋼帯の銅めっき厚さ:20μm ガス還元前処理炉出口側での鋼帯温度: 600℃ 第1シールロール室の長さ:約30m 通板速度:20m/min 亜鉛蒸着めっき時の銅めっき鋼板の温度: 450℃ 蒸着めっき室の真空度:0.01torr 亜鉛蒸着めっき付着量:3g/m 実施例3の条件で亜鉛を蒸着めっきした銅めっき鋼板を
同様に分析した結果,鋼素地の上に存在する銅めっき層
の表層にZn44%−Cu56%の真鍮の層が形成さ
れ,この真鍮層は黄金色であった。 以上銅めっきを施した鋼板の片面に真空蒸着亜鉛めっき
を施す場合について記載したが,本発明の方法によって
両面を銅めっきした素材の両面に真鍮めっきを施すこと
もできる。また,素材は銅めっき鋼板に限らず,銅自体
または銅めっきした鋼以外の金属についても実施でき
る。
【発明の効果】
本発明によれば,以下の特徴的な効果を奏することがで
きる。 卑金属である亜鉛を真空雰囲気で銅と相互拡散させて
真鍮を形成しているので,亜鉛表面が酸化する心配がな
く,真鍮本来の特性である美麗な黄金色を呈する製品が
得られるようになる。 第1シールロール室に導入される前において,大気圧
のもとで金属ストリップを加熱できるので,短時間で容
易に所望の温度に昇温させることでき,処理時間を短く
できる。 しかも,真空蒸着室にて金属ストリップ表面に亜鉛を
真空蒸着した直後から第2シールロール室で復圧される
間に亜鉛と銅が相互拡散するようになるので,工程全体
の処理時間は更に短くなる。 また、金属ストリップを,第1シールロール室に導入
される前に還元焼鈍炉にて予め加熱するようにすれば,
特別な加熱炉などを設ける必要がなく,更に効率的であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するための装置の概念図を
示す。 第2図は本発明方法によって形成された真鍮めっき層の
構造図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘高 敏晴 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社阪神研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−96068(JP,A) 特開 昭58−61268(JP,A) 特開 昭52−129559(JP,A) 特開 昭53−97941(JP,A) 特公 昭42−3926(JP,B1) 麻蒔 立男「薄膜作成の基礎」(昭52− 1−30)日刊工業新聞社p.94−95

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅または銅メッキされた金属ストリップ
    を,先ず第1シールロール室に導入して減圧し,次いで
    真空蒸着室にて金属ストリップ表面に亜鉛を真空蒸着し
    た後,第2シールロール室にて復圧して,真鍮被覆層を
    有する金属ストリップを得るものにおいて,第1シール
    ロール室に導入される前の金属ストリップを予め加熱し
    て,真空蒸着室において金属ストリップが250〜45
    0℃の温度となるようにした真鍮被覆層を有する金属ス
    トリップの製造方法。
  2. 【請求項2】金属ストリップを,還元焼鈍炉にて予め加
    熱することを特徴とする特許請求の範囲1の真鍮被覆層
    を有する金属ストリップの製造方法。
  3. 【請求項3】第1シールロール室に導入される前の金属
    ストリップを予め400〜600℃の温度に加熱するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲1または2の真鍮被覆層
    を有する金属ストリップの製造方法。
  4. 【請求項4】真鍮被覆層が形成された金属ストリップを
    非酸化雰囲気で冷却してから大気中に出すことを特徴と
    する特許請求の範囲1,2,3の何れかの真鍮被覆層を
    有する金属ストリップの製造方法。
JP60132051A 1985-06-19 1985-06-19 真鍮被覆層を有する金属ストリツプの製造方法 Expired - Lifetime JPH0621339B2 (ja)

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JPS52129559A (en) * 1976-04-23 1977-10-31 Seiko Epson Corp Outside members for timepiece
JPS5397941A (en) * 1977-02-07 1978-08-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd Surface treating method for high temperature corrosion resistance and ion plating diffusion treatment furnace
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
麻蒔立男「薄膜作成の基礎」(昭52−1−30)日刊工業新聞社p.94−95

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