JPH06212749A - 太陽電池を備えた屋根構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池を備えた屋根において、太陽電池の
過熱を防いで安定した電力供給を図る。 【構成】 軒先Ｎに張る上側の軒先水切板８の表面を、
熱を吸収しにくい白色系の色とし、この軒先水切板８の
下に断熱材として軒先合板７を配し、この軒先合板７の
下を通ってベースパネル２と太陽電池パネル３との間に
形成された通気層５に入り込む空気の温度上昇を抑える
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池を備えた屋根
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、住宅等の建築構造物の屋根の上に
複数の太陽電池を設置し、この太陽電池から住宅に電力
を供給し、省エネルギー化を図ることが実施されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで太陽電池は、
自身が過度に熱せされると、エネルギー変換効率が低下
する傾向にあるから、熱の逃げ（放熱）対策を施して、
エネルギー変換効率の低下を確実に防ぐ手段が必要とな
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、請求項１として、屋根
の傾斜に沿って棟側から軒先側にわたり張られるベース
パネルの上面に、支持材を介し、かつこの支持材により
ベースパネルとの間に通気層が空けられた状態で、太陽
電池パネルが取り付けられてなる太陽電池を備えた屋根
構造において、前記太陽電池パネルと前記軒先の先端と
の間に間隔があけられ、前記支持材は軒先先端まで延び
ており、この支持材の軒先における延出部の上に、表面
が白色系の軒先板が張られている構成としたことを特徴
としている。

【０００５】また、請求項２として、前記軒先板の下に
断熱材を設けたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明によれば、軒先から入って通気層を通る
空気流により太陽電池の熱放散がなされて温度上昇が抑
制され、太陽電池のエネルギー変換効率が常に高く維持
され安定した電力供給が図れる。軒先に張られた軒先板
の表面が熱を吸収しにくい白色系であるから、軒先から
通気層に入り込む空気の温度上昇が抑制される。

【０００７】また、軒先板の下に断熱材を設ければ、通
気層に入り込む空気に対する熱の伝達が抑えられ、通気
層を流れる空気の温度上昇の抑制効果が促進される。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例が適用された住宅
の屋根構造の、棟Ｍから軒先Ｎにわたる概略断面を示し
ており、図１の符号１は本発明に係る長方形状の太陽電
池付き屋根パネル１で、この屋根パネル１は、その長手
方向が棟Ｍから軒先Ｎに沿った状態で梁等に固定されて
張られ、屋根Ｙを構成している。

【００１０】太陽電池付き屋根パネル１は、長方形状の
ベースパネル２の上に複数の太陽電池パネル３が張られ
て構成されている。これら複数の太陽電池パネル３は、
多数の太陽電池セル３ａが並べられたパネルで、格子状
のフレーム４に支持され、このフレーム４が、図２に示
すように、棟Ｍから軒先Ｎに沿って延び、間隔をおいて
複数設けられた支持材１４に載せられて固定されてい
る。そして、この支持材１４により、各太陽電池パネル
１とベースパネルとの間には、軒先Ｎから棟Ｍにわたる
通気層５が形成されている。この通気層５は、棟Ｍを構
成する棟換気金物６に連通している。

【００１１】ここで、軒先Ｎにおいては、図２に示すよ
うに、もっとも軒先Ｎ側の太陽電池パネル３と軒先Ｎの
先端との間が所定の長さ空けられ、そこには軒先Ｎの全
長にわたって断熱ボード（断熱材）７がフレーム４の上
に張られているとともに、さらにその上に上側の軒先水
切板８が張られている。また、ベースパネル２の軒先Ｎ
側の先端の上面には、下側の軒先水切板９が張られてい
る。これら水切板８、９は、先端において屋根Ｙの傾斜
よりもさらに下方に屈曲し、その開口１０は、軒先Ｎに
設けられた樋１１の内部に臨んでいる。そして、その開
口１０は、多数の換気孔が形成された換気ガラリ１２で
塞がれている。

【００１２】また、前記上側の軒先水切板８の表面は熱
を吸収しにくい白色系の色に塗装されている。

【００１３】上記屋根構造においては、屋外に吹く風
が、軒先Ｎに設けられた換気ガラリ１２の換気孔から屋
根パネル１の通気層５を経て棟換気金物６に流れ込み、
ここから再び屋外に排出されていく。この風（空気）の
流れにより熱放散がなされ、太陽電池パネル３の温度上
昇が抑制され、その結果、太陽電池のエネルギー変換効
率が常に高く維持され、安定した電力供給が図られる。
特にこの場合、軒先Ｎの表面を形成する軒先水切板８の
表面は、熱を吸収しにくい白色系の色に塗装されさらに
その下の断熱ボード７が作用し、これらの結果、通気層
５に流れる込む空気の温度上昇の抑制効果が促進され
る。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
を備えた屋根構造によれば、屋根の傾斜に沿って棟側か
ら軒先側にわたり張られるベースパネルの上面に、支持
材を介し、かつこの支持材によりベースパネルとの間に
通気層が空けられた状態で、太陽電池パネルが取り付け
られてなる太陽電池を備えた屋根構造において、前記太
陽電池パネルと前記軒先の先端との間に間隔があけら
れ、前記支持材は軒先先端まで延びており、この支持材
の軒先における延出部の上に、表面が白色系の軒先板が
張られている構成としたことを特徴とするもので、軒先
に張られた軒先板の表面が熱を吸収しにくい白色系であ
るから、軒先から通気層に入り込む空気の温度上昇が抑
制され、したがって、太陽電池の熱放散作用が向上し、
これによって太陽電池のエネルギー変換効率が常に高く
維持され安定した電力供給が図れる。

【００１５】また、前記軒先板の下に断熱材を設けれ
ば、通気層に入り込む空気に対する熱の伝達が抑えら
れ、通気層を流れる空気の温度上昇の抑制効果が促進さ
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の斜視図である。

【図２】要部拡大断面図である。

【符号の説明】

２ ベースパネル ３ 太陽電池パネル ４ フレーム（支持材） ５ 通気層 ７ 断熱ボード（断熱材） ８ 上側の軒先水切板 １４ 支持材 Ｍ 棟 Ｎ 軒先 Ｙ 屋根

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根の傾斜に沿って棟側から軒先側にわ
   たり張られるベースパネルの上面に、支持材を介し、か
   つこの支持材によりベースパネルとの間に通気層が空け
   られた状態で、太陽電池パネルが取り付けられてなる太
   陽電池を備えた屋根構造において、 前記太陽電池パネルと前記軒先の先端との間に間隔があ
   けられ、前記支持材は軒先先端まで延びており、この支
   持材の軒先における延出部の上に、表面が白色系の軒先
   板が張られていることを特徴とする太陽電池を備えた屋
   根構造。
2. 【請求項２】 前記軒先板の下に、断熱材が設けられて
   いることを特徴とする請求項１記載の太陽電池を備えた
   屋根構造。