JPH06212333A - 強度と曲げ加工性に優れた樹脂塗装建材用アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 - Google Patents

強度と曲げ加工性に優れた樹脂塗装建材用アルミニウム合金圧延板およびその製造方法

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JPH06212333A
JPH06212333A JP2187093A JP2187093A JPH06212333A JP H06212333 A JPH06212333 A JP H06212333A JP 2187093 A JP2187093 A JP 2187093A JP 2187093 A JP2187093 A JP 2187093A JP H06212333 A JPH06212333 A JP H06212333A
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JP
Japan
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aluminum alloy
baking
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rolled
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JP2187093A
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English (en)
Inventor
Mamoru Matsuo
守 松尾
Kotaro Yokota
耕太郎 横田
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Sky Aluminium Co Ltd
Original Assignee
Sky Aluminium Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Mn:0.5〜2.5%およびTi:0.005〜0.15%、B:1〜5
00ppmとMg:0.05〜1.5%、Fe:0.15〜0.8%、Si:0.15〜0.5%、C
r:0.05〜0.3%、Zr:0.05〜0.2%、V:0.05〜0.2%、Cu:0.05〜
1.0%、Zn:0.05〜1.0%の一種以上からなるアルミニウム合
金鋳塊を、500℃以下の温度で加熱した後、熱間圧延
し、さらに必要に応じて冷間圧延を施し、250℃以上
で0.5〜2時間の最終焼鈍を施し、その後歪矯正し、
幅方向の耐力の変動が15N/mm2 以下、250℃1
時間ベーキング処理後の耐力が130N/mm2 以上で
ある製造方法。 【効果】 ベーキング処理を施しても強度低下が少なく
使用時に充分な強度を持つとともに曲げ加工性に優れさ
らに極めて平坦度に優れているカーテンウォール、内外
装建材等の樹脂塗装を施す用途に好適なアルミニウム合
金圧延板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂塗装を施す建材用ア
ルミニウム合金圧延板に関し、特にカーテンウォール、
内外装建材等に使用する弗素樹脂塗装建材に好適なアル
ミニウム合金圧延板に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム建材は陽極酸化によ
り発色させるいわゆるアルマイト建材が多かったが、近
年は耐食性の要求、多色化の要求から塗装による発色、
特に弗素樹脂等の樹脂塗装を施したアルミニウム建材が
増えてきている。しかしながら樹脂塗装建材では塗装時
に200〜300℃でベーキング処理を施すため強度が
低下し、また変形して板の平坦度が低下するという問題
点があった。すなわち、従来よりアルマイト建材に多く
用いられている1100−H14材は元板の耐力は12
0N/mm2 程度あるものの、これを弗素樹脂塗装建材
に用いると塗装の際のベーキング処理により耐力が70
N/mm2 以下となってしまい実用上強度不足となる。
またこの強度低下に伴い変形が起り平坦度が低下してし
まうという問題がある。そこで強度対策として元板強度
の強い3003,3004−H14,H34材が使用さ
れることもある。しかし、この場合でもベーキング後の
耐力は100N/mm2 以下であり、従来材であるアル
マイト建材の120N/mm2 には及ばない。しかも変
形、平坦度の低下を防ぐことができないのが実状であ
る。また最終焼鈍を施した3003,3004−H24
材が使用されることもあるが、最終焼鈍温度がベーキン
グ温度より低い200〜250℃で行っているために、
やはり同様にベーキング処理による強度低下および平坦
度の低下が起る。また熱間圧延中の再結晶の幅方向での
不均一性に起因してMn固溶量に差ができ、その結果最
終焼鈍時に幅方向の強度に不均一が生じる。その結果、
ストレッチにより歪矯正を行って平坦度を矯正しようと
しても伸びが不均一となるために平坦な板が得られない
という問題が生じている。ベーキング処理後の軟化を解
消するために、3003,3004−O材を使用するこ
ともある。この場合は最終焼鈍温度が280℃以上とベ
ーキング温度より高く完全再結晶しているため、ベーキ
ング処理による耐力の変化や変形は無いものの元板の強
度が40〜80N/mm2 と低いため実用的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は樹
脂塗装建材に必要な特性である 1)強度に優れていること 具体的には元板耐力が120N/mm2 を超えているこ
と。 2)成形性に優れていること 90度限界曲げが1tR以下であること。 3)ベーキング処理を施しても強度が低下しないこと 具体的にはベーキング後の耐力が120N/mm2 を超
えること 4)強度のばらつきが無く、平坦度の矯正が可能である
こと 5)ベーキング処理による変形が生じないこと という性質をすべて具備したものは無かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記問題を解
決するため種々検討した結果、本発明の考案に至った。
すなわち本発明は、請求項1記載のごとくMn:0.5
〜2.5%(重量%)およびTi:0.005〜0.1
5%を単独であるいはB:1〜500ppmとともに含
有し残部がアルミニウムおよび不純物からなり、幅方向
の耐力の差が15N/mm2 以下、250℃1時間ベー
キング処理後の耐力が130N/mm2以上であること
を特徴とする強度と曲げ加工性に優れた樹脂塗装建材用
アルミニウム合金圧延板であり、また請求項2記載のご
とくMn:0.5〜2.5%およびTi:0.005〜
0.15%を単独であるいはB:1〜500ppmとと
もに含有し、さらにMg:0.05〜1.5%、Fe:
0.15〜0.8%、Si:0.15〜0.5%、C
r:0.05〜0.3%、Zr:0.05〜0.2%、
V:0.05〜0.2%、Cu:0.05〜1.0%、
Zn:0.05〜1.0%のうちの一種または二種以上
を含有し残部がアルミニウムおよび不純物からなり、幅
方向の耐力の差が15N/mm2 以下、250℃1時間
ベーキング処理後の耐力が130N/mm2 以上である
ことを特徴とする強度と曲げ加工性に優れた樹脂塗装建
材用アルミニウム合金圧延板であり、また請求項3記載
のごとくMn:0.5〜2.5%およびTi:0.00
5〜0.15%を単独であるいはB:1〜500ppm
とともに含有し、さらに必要に応じMg:0.05〜
1.5%、Fe:0.15〜0.8%、Si:0.15
〜0.5%、Cr:0.05〜0.3%、Zr:0.0
5〜0.2%、V:0.05〜0.2%、Cu:0.0
5〜1.0%、Zn:0.05〜1.0%のうちの一種
または二種以上を含有し残部がアルミニウムおよび不純
物からなるアルミニウム合金鋳塊を、500℃以下の温
度で加熱した後、熱間圧延し、さらに必要に応じて冷間
圧延を施し、250℃以上で0.5〜2時間の最終焼鈍
を施し、その後歪矯正し、幅方向の耐力の変動が15N
/mm2 以下、250℃1時間ベーキング処理後の耐力
が130N/mm2 以上であることを特徴とする強度と
曲げ加工性に優れた樹脂塗装建材用アルミニウム合金圧
延板の製造方法である。
【0005】すなわち、本発明はベーキング処理による
強度低下を防ぐために、軟化抑制効果のあるMnを適量
添加するとともに他の成分をも調整し、またMnの固溶
量を増して析出物を微細化するために均熱処理を施さず
熱間圧延も比較的低温で行うことを特徴とするものであ
る。また平坦度を得るために矯正を行う際に、矯正が適
正に行われるためには幅方向の強度が均一である必要が
あり、そのためにMnを適量添加するとともに他の成分
も調整し、かつ均熱処理を施さず、さらに熱間圧延中に
再結晶が進行するとMnの析出が幅方向で不均一に生じ
強度のばらつきが生じることから、熱間圧延中に再結晶
をさせないように低温で熱間圧延することを特徴とする
ものである。
【0006】
【作用】まず、本発明における化学成分の限定理由を説
明する。
【0007】Mn:Mnは軟化を抑制する重要な元素で
あり、0.5%未満ではその効果が無く、2.5%を超
えた添加では粗大な化合物が生成され成形性が低下する
ため好ましくない。従って、Mn量は0.5〜2.5%
の範囲とする。 Ti,B:通常のアルミニウム合金においては、鋳塊の
微細化のために、Ti単独もしくはTiおよびBを微量
添加することが行われており、本発明においてもTi単
独もしくはTiおよびBを添加してもよい。その場合、
Ti量は0.005%未満ではその効果が無く、0.1
5%を超えると初晶TiAl3 が晶出して成形性を阻害
ため好ましくない。従って、Ti量は0.005〜0.
15%の範囲とする。また、TiとともにBを添加する
場合、1ppm未満ではその効果が無く、500ppm
を超えるとTiB2 の粗大粒子が混入して成形性を阻害
するため好ましくない。従って、B量は1〜500pp
mの範囲とする。
【0008】アルミニウム合金の成分元素としては、上
記の成分のほかは基本的にはAlおよび不純物とすれば
良く、他の元素は不純物扱いとして請求項2で規定する
下限値未満としても本発明の所期の目的は達成すること
ができる。但し、請求項2で規定しているように、さら
に優れた特性を得るために特定量の合金成分を含有して
も良い。以下各成分の添加理由について説明する。
【0009】Mg:Mgは強度を付与する元素である
が、0.05%未満ではその効果が無く、1.5%を超
えるとベーキング時の軟化が促進されるため好ましくな
い。従って、Mg量は0.05〜1.5%の範囲とす
る。 Fe:Feは強度を付与する元素であるが、0.15%
未満では適正な晶出物の数およびサイズが得られず強度
付与の効果がなく、0.8%を超えると粗大化合物が晶
出しやすくなるため好ましくない。従って、Fe量は
0.15〜0.8%の範囲とする。 Si:Siは強度を付与する元素であるが、0.15%
未満ではその効果が無く、0.5%を超えるとベーキン
グ時の軟化が促進されるため好ましくない。従って、S
i量は0.15〜0.5%の範囲とする。 Cr:Crは強度向上に寄与する元素であるが、0.0
5%未満ではその効果が無く、0.3%を超えると巨大
金属間化合物が生成され成形性が低下するため好ましく
ない。従って、Cr量は0.05〜0.3%の範囲とす
る。 Zr:Zrは強度を付与する元素であるが、0.05%
未満ではその効果が無く、0.2%を超えると巨大金属
間化合物が生成され成形性が低下するため好ましくな
い。従って、Zr量は0.05〜0.2%の範囲とす
る。 V:Vは強度を付与する元素であるが、0.05%未満
ではその効果が無く、0.2%を超えると巨大金属間化
合物が生成され成形性が低下するため好ましくない。従
って、V量は0.05〜0.2%の範囲とする。 Cu:Cuは強度を付与する元素であるが、0.05%
未満ではその効果が無く、1.0%を超えると成形性お
よび耐食性が劣化するため好ましくない。従って、Cu
量は0.05〜1.0%の範囲とする。 Zn:Znは強度を付与する元素であるが、0.05%
未満ではその効果が無く、1.0%を超えると耐食性が
劣化するため好ましくない。従って、Zn量は0.05
〜1.0%の範囲とする。
【0010】以上の元素のほか、溶解時の溶湯の酸化を
抑制し材料中への酸化物粒子などの不純物の混入を防止
するためにBeを1〜500ppm程度添加することは
特に支障はない。またその他の元素も不純物として各々
0.05%未満であるならば本発明の効果を損なうこと
はなく含有することができる。
【0011】次に、本発明における組織・特性の限定理
由について説明する。本発明においては幅方向の耐力の
変動すなわち圧延方向に直角な方向の耐力の分布の最大
値と最小値の差を15N/mm2 以下とする。耐力の幅
方向のバラツキがこの値であるならば、製造過程におい
て生じた板の歪はストレッチャー等の矯正施設により除
去することができ、平坦度に優れた板を得ることができ
るが、この値を超えると歪矯正を施した際に幅方向で伸
びの量が異なり、このため均一に伸ばされず従って矯正
が充分に行えず、その結果平坦な板を得ることができな
い。また、250℃1時間ベーキング処理後の耐力値は
130N/mm2 以上とする。これより低い値では軟化
の程度が大きくなり、ベーキング処理中に変形してしま
い平坦な板が得られないとともに、ベーキング後の強度
が不充分となり実用上強度不足ということになる。また
優れた成形性、より具体的には90度曲げr<1trを
達成するためには、8%以上の伸びであることが望まし
い。この値未満では成形性特に曲げ加工性が低下して割
れの発生などが生じる。
【0012】次に、本発明における製造方法について説
明する。 [鋳造]鋳造法は特に限定されず、常法により鋳塊を作
成すればよいが、DC鋳造法(半連続鋳造法)が望まし
い。 [均質化処理]通常、Mnを含む合金では500〜55
0℃の温度で均質化処理をし再結晶を促進することが行
われている。しかし、このような均質化を施すとMnの
固溶量が減少し、析出物がまばらに析出し、さらに粗大
化する。そこで、本発明では均質化処理を行わないか、
行っても500℃以下、好ましくは450℃以下の温度
で、また望ましくは10時間以内の時間で行うことによ
り、Mn析出物を均一にかつ微細に析出させ、これによ
り転位、亜粒界、再結晶粒界の移動を抑え、熱間圧延中
に再結晶を起こさせないようにする。また、このように
することにより、微細析出物が最終焼鈍時に軟化を遅く
させ最終焼鈍温度を高温とすることを可能となるととも
に、ベーキング時の軟化を抑制して、ベーキング後の十
分な強度を確保することが可能となる。 [加熱処理]熱間圧延のための加熱は500℃以下、好
ましくは200〜450℃とし、また加熱時間は10時
間以内が望ましい。 [熱間圧延]熱間圧延温度も500℃以下、好ましくは
200〜450℃とする。加熱および熱間圧延温度を低
くするのは、熱間圧延時に再結晶をさせないと言う意味
がある。Mnは固溶と析出とにより最終焼鈍時の軟化を
抑える役割を持っているが、熱間圧延中に再結晶過程が
起こると幅方向で再結晶の程度が不均一となり、それに
伴いMnの固溶析出に変動が生じる。その結果、焼鈍時
に軟化の程度にばらつきが生じて幅方向の耐力の差が大
きくなり、歪矯正の際に矯正量が不適正となり所望の平
坦度が得られないことになる。上記温度条件を満たしか
つ均質化処理を施さなければ熱間圧延中の再結晶は生じ
ることなく熱間圧延が終了し、従って最終焼鈍時の軟化
は少なくかつ均一となり歪矯正により平坦な板を得るこ
とができる。 [冷延]熱間圧延後、必要ならば所要の板厚となるまで
冷間圧延を施す。その際に必要があれば中間焼鈍しても
よいが、その際にも再結晶させてはならない。中間焼鈍
において再結晶させると結晶粒が非常に粗大化し、本用
途においては曲げ性等の成形性および表面性状の点で使
用に耐えないものとなる。 [最終焼鈍]最終焼鈍は250〜500℃、好ましくは
280℃〜500℃で2分〜2時間の条件で行う。本発
明にかかる合金においては、軟化が遅くなるようにMn
の存在状態が制御されているため250℃以上、好まし
くは280℃以上の温度でないと所定の曲げ加工性(9
0度曲げr<1tr)が得られない。本発明にかかるア
ルミニウム合金は軟化が遅いため最終焼鈍を低温で行っ
てもベーキング時の強度低下は少ないが、さらに最終焼
鈍温度をベーキング温度以上と規定することにより、ベ
ーキング時に材質変化が起こらなくなり、非常に安定で
材料の変形が起こらないアルミニウム合金圧延板を得る
ことが可能となる。通常のベーキング温度は250〜2
80℃であることから、本発明における最終焼鈍温度は
少なくともその温度以上で最終焼鈍する必要があり、か
つベーキング時の材質変化を起こさせないためには上記
の温度範囲ならびに処理時間の条件とする。 [歪矯正]最終焼鈍により生じた歪をストレッチにより
矯正する。本発明にかかるアルミニウム合金圧延板は幅
方向の耐力の差が小さく均一であるため、ストレッチに
よる歪矯正により建材等に適する平坦な板を得ることが
できる。歪矯正の方法としてはストレッチャーレベラー
以外にもテンションレベラー、ローラーレベラー等の展
伸による歪矯正であるならばいずれの装置を用いても良
い。また連続焼鈍炉等を用いて最終焼鈍を行う場合は、
連続焼鈍炉に附属している矯正装置を用いてもよい。
【0013】このようにして得られたアルミニウム合金
圧延板は、強度および曲げ加工性に優れるとともに極め
て平坦度に優れている。従って、本発明のアルミニウム
合金圧延板は樹脂塗装建材として好適である。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お表中で下線部は本発明の条件から外れるものを示して
いる。表1は実施例に用いたアルミニウム合金の合金成
分組成である。
【0015】
【表1】
【0016】ここで合金1〜3は本発明の特許請求の範
囲記載の成分範囲を満たすものであり、合金1はMn量
は中程度含む請求項1の発明合金であり、合金2はMn
量が多くMg、Cr、Cu、Znを含む請求項2の発明
合金であり、合金3はMn量が少ないかわりにFe、S
i、Mg量を多くして強度を得ている請求項2の発明合
金である。合金4は比較合金であり、Mn量が本発明の
特許請求の範囲から外れているものである。
【0017】次に各実施例の製造条件を表2に示す。各
サンプルはDC鋳造にて450mm×1000mmの断
面に鋳造したものを表2に示す均熱温度で均熱し、さら
に表2に示す加熱条件で加熱した後熱間圧延を施して板
厚5mmとし、さらに冷間圧延を施して板厚3mmと
し、表2に示す最終焼鈍条件で焼鈍した後、ストレッチ
により歪矯正した。表2において均熱温度、加熱温度、
最終焼鈍温度の単位は℃である。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示す各サンプル番号について、以下
説明する。 (a)は成分が本発明の範囲内の合金1を用いて、40
0℃×2時間の加熱後、その温度で熱間圧延を開始し、
最終焼鈍は350℃×2時間の条件で行った発明例であ
る。 (b)は成分が本発明の範囲内の合金2を用いて、40
0℃×2時間の加熱後、その温度で熱間圧延を開始し、
最終焼鈍は350℃×2時間の条件で行った発明例であ
る。 (c)は成分が本発明の範囲内の合金3を用いて、40
0℃×2時間の加熱後、その温度で熱間圧延を開始し、
最終焼鈍は300℃×2時間の条件で行った発明例であ
る。 (d−1)は成分が外れている合金4を用いて、400
℃×2時間の加熱後、その温度で熱間圧延を開始し、最
終焼鈍は300℃×2時間の条件で行った比較例であ
る。 (d−2)はd−1と同様だが最終焼鈍が本発明から外
れる230℃×2時間の条件で行った比較例である。 (e−1)は成分が範囲内の合金3を用いて、温度範囲
から外れる600℃×12時間の均質化処理後530℃
×1時間の加熱を行い、熱間圧延を開始し、最終焼鈍は
300℃×2時間の条件で行った比較例である。 (e−2)はe−1と同様だが最終焼鈍が本発明から外
れる230℃×2時間の条件で行った比較例である。 (f−1)は成分が外れている合金4を用いて、温度範
囲から外れる600℃×12時間の均質化処理後530
℃×1時間の加熱を行い、熱間圧延を開始し、最終焼鈍
は300℃×2時間の条件で行った比較例である。 (f−2)はf−1と同様だが最終焼鈍が本発明から外
れる210℃×2時間の条件で行った比較例である。
【0020】上記の各製造方法により作成した最終板に
ついて、幅方向の中央および端部から50mmの箇所か
ら、サンプリングして強度、成形性等を調査し、幅方向
の中央と端部から50mmの箇所との耐力の差を幅方向
耐力差とした。またストレッチ後の1000mm×20
00mmの板について定盤上で目視にて平坦度を測定し
た。つぎに、これらの最終板のうち平坦度の良好なもの
のみについて、弗素樹脂焼付を想定した250℃×1時
間の加熱を施し、冷却後強度の変化を測定しまた平坦度
を観察した。その結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】ここで、TSは引張強さで単位はN/mm
2 、またYSは耐力で単位はN/mm2 、また伸びの単
位は%、幅方向耐力差の単位はN/mm2 である。また
曲げ性は90°限界曲げで評価した。
【0023】上記の表3に示す通り、いずれの条件にお
いても従来材・比較例に対して発明例は引張強さ、耐力
等の強度は従来材と同等もしくは従来材以上であり、か
つ曲げ性は従来材よりはるかに優れている。以下、個々
について説明する。(a)は発明例であり、ベーキング
後でも引張強さ201N/mm2 、耐力175N/mm
2 と充分な強度を示しており、伸びも17%と良く曲げ
性も0rと非常に優れた値を示している。また幅方向の
耐力差も3N/mm2 と小さくストレッチ後の平坦度も
またベーキング後の平坦度も良好である。(b)は合金
2を用いた発明例であり、ベーキング後の引張強さ24
5N/mm2 、耐力188N/mm2 と(a)よりも強
い強度を示しており、伸びも(a)よりはやや劣るもの
の14%と良く、曲げ性も0rと非常に優れた値を示し
ている。幅方向の耐力差は(a)にくらべてわずかに大
きくなっているものの平坦度は良好である。(c)は合
金3を用いた発明例であり、ベーキング前の引張強さ1
98N/mm2 、耐力170N/mm2 、ベーキング後
の引張強さ196N/mm2 、耐力168N/mm2
(a)(b)に比べてやや低くなっているものの、従来
のアルマイト建材の120N/mm2 より強いものであ
る。曲げ性は(a)(b)と同じく0rと優れた値を示
しており、平坦度についても良好である。これに対し
て、(d−1)は成分がはずれている合金4を用いて、
発明例と同じ製造方法により作成した比較例であるが、
ベーキング前の耐力が低くしかも耐力の低下が大きく、
その結果ベーキング後の耐力は59N/mm2 と極めて
低く強度的に問題がある。(d−2)はさらに最終焼鈍
温度が本発明から外れたもので、(d−1)に対して強
度は向上したものの伸びが4%と極めて悪く、また曲げ
性も2rと悪いものになっている。さらに、耐力の低下
は小さいものの耐力の絶対値がベーキング後で121N
/mm2 と低く、このため平坦度も悪くなっている。
(e−1)は合金成分は本発明の範囲内だが幅方向の耐
力差が15N/mm2を超えているもので、またストレ
ッチ後の平坦度が悪い。また耐力もベーキング前で87
N/mm2 と低くなっている。(e−2)は最終焼鈍温
度条件を変えたもので耐力はベーキング前で125N/
mm2 と向上しているが、伸びが3%と極めて悪く、曲
げ性も悪い。また幅方向の耐力差が21N/mm2 と大
きくストレッチ後の平坦度が悪い結果となっている。
(f−1)は合金成分が外れている合金4を用いて熱間
圧延前の加熱条件も本発明から外れたものである。その
結果、伸び、平坦度は優れているものの耐力はベーキン
グ後で34N/mm2 と非常に低くなってしまい実用的
ではないものとなっている。(f−2)は合金成分、熱
間圧延前の加熱条件、最終焼鈍条件とも本発明から外れ
ているもので、伸びが2%と非常に悪く、曲げ性も2r
と悪い。そして幅方向の耐力差が24N/mm2 と大き
いことからストレッチ後の平坦度が悪いものとなってい
る。
【0024】
【効果】以上詳述したように、本発明によれば、 ・ベーキング前の元板強度が優れている ・成形性特に曲げ加工性に優れている ・幅方向の強度分布から均一であるから充分な矯正効果
が得られる 従って極めて平坦度に優れている ・ベーキング処理を施しても強度低下が少なく、従来の
アルマイト建材以上の耐力がある。従って使用時におい
て充分な強度を持つとともに、歪矯正により得られた平
坦度を保つことができるという特性を有するアルミニウ
ム合金圧延板を提供することができ、また本発明に係る
アルミニウム合金圧延板の製造方法によれば上記特性を
有するアルミニウム合金圧延板を容易にかつ安定的に得
ることができる。このような特性を有することから、本
発明にかかるアルミニウム合金圧延板は建材に好適であ
り、特に弗素樹脂塗装等の樹脂塗装を施すカーテンウォ
ール、内外装建材等に好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn:0.5〜2.5%(重量%、以下
    同じ)およびTi:0.005〜0.15%を単独であ
    るいはB:1〜500ppmとともに含有し残部がアル
    ミニウムおよび不純物からなり、幅方向の耐力の差が1
    5N/mm2 以下、250℃1時間ベーキング処理後の
    耐力が130N/mm2 以上であることを特徴とする強
    度と曲げ加工性に優れた樹脂塗装建材用アルミニウム合
    金圧延板。
  2. 【請求項2】 Mn:0.5〜2.5%(重量%、以下
    同じ)およびTi:0.005〜0.15%を単独であ
    るいはB:1〜500ppmとともに含有し、さらにM
    g:0.05〜1.5%、Fe:0.15〜0.8%、
    Si:0.15〜0.5%、Cr:0.05〜0.3
    %、Zr:0.05〜0.2%、V:0.05〜0.2
    %、Cu:0.05〜1.0%、Zn:0.05〜1.
    0%のうちの一種または二種以上を含有し残部がアルミ
    ニウムおよび不純物からなり、幅方向の耐力の差が15
    N/mm2 以下、250℃1時間ベーキング処理後の耐
    力が130N/mm2 以上であることを特徴とする強度
    と曲げ加工性に優れた樹脂塗装建材用アルミニウム合金
    圧延板。
  3. 【請求項3】 Mn:0.5〜2.5%(重量%、以下
    同じ)およびTi:0.005〜0.15%を単独であ
    るいはB:1〜500ppmとともに含有し、さらに必
    要に応じMg:0.05〜1.5%、Fe:0.15〜
    0.8%、Si:0.15〜0.5%、Cr:0.05
    〜0.3%、Zr:0.05〜0.2%、V:0.05
    〜0.2%、Cu:0.05〜1.0%、Zn:0.0
    5〜1.0%のうちの一種または二種以上を含有し残部
    がアルミニウムおよび不純物からなるアルミニウム合金
    鋳塊を、500℃以下の温度で加熱した後、熱間圧延
    し、さらに必要に応じて冷間圧延を施し、250℃以上
    で0.5〜2時間の最終焼鈍を施し、その後歪矯正し、
    幅方向の耐力の変動が15N/mm2 以下、250℃1
    時間ベーキング処理後の耐力が130N/mm2 以上で
    あることを特徴とする強度と曲げ加工性に優れた樹脂塗
    装建材用アルミニウム合金圧延板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105648279A (zh) * 2016-01-15 2016-06-08 南通华特铝热传输材料有限公司 一种散热器翅片用超薄高抗塌陷钎焊铝箔及其生产方法
KR101709472B1 (ko) * 2016-03-11 2017-02-27 (주) 장원테크 다이캐스팅 주조로 제조되는 아노다이징용 알루미늄 합금

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