JPH06212183A - 冷凍装置用作動媒体及び該媒体を用いた冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置用作動媒体及び該媒体を用いた冷凍装置

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JPH06212183A
JPH06212183A JP5004991A JP499193A JPH06212183A JP H06212183 A JPH06212183 A JP H06212183A JP 5004991 A JP5004991 A JP 5004991A JP 499193 A JP499193 A JP 499193A JP H06212183 A JPH06212183 A JP H06212183A
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JP
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dialkylammonium
lubricating oil
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carbon atoms
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JP5004991A
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Kenichi Kawashima
憲一 川島
Yutaka Ito
伊藤  豊
Akira Ota
亮 太田
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弗化炭化水素系冷媒と炭化水素系合成潤滑油
を用いた冷凍装置において、圧縮機に使用される転がり
軸受4,5の疲労寿命を向上させ、冷凍装置の信頼性を
確保する。 【構成】 潤滑油中にジアルキルアンモニウム亜硝酸塩
或はジアルキルアンモニウムカルボン酸塩を前記潤滑油
にたいして0.01重量%以上添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍装置用作動媒体に係
り、特に回転部分にころがり軸受を備えた圧縮機が使用
されている冷凍装置用の作動媒体に関する。なお、本明
細書では、カーエアコン、ルームエアコン、パッケージ
エアコン、冷蔵庫、冷凍庫用冷凍機等、冷熱源を有する
装置を総称して冷凍装置と呼ぶ。
【0002】
【従来の技術】近年、カーエアコンにおいては自動車室
内における快適性の向上を目指して最適冷暖房及び低騒
音が志向され、冷凍圧縮機の小型化、高性能化と共に、
冷凍圧縮機の作動媒体である冷媒の流量を室内温度によ
り自動的に制御する方式の圧縮機が出現している。
【0003】上記の圧縮機は、図1に示されているよう
な片方にピストンを有する片斜板形で、この斜板の傾斜
角度を室内温度に応じて適当に変化させることにより冷
凍能力を制御することが出来る。この斜板は軸受で支え
られているが、その負荷が大きいことから、該軸受の回
転駆動部には負荷容量の大きいころ軸受が採用されてい
る。
【0004】また、ルームエアコンやパッケージエアコ
ンでは省エネルギー、低騒音、最適冷暖房が志向され、
圧縮機の高効率化、低トルク変動化、インバータによる
回転数制御のし易さ等の面から、図2に示されているよ
うなスクロール圧縮機が主流になりつつある。この圧縮
機は実質的に同一形状の2つの渦巻状のラップ11、1
2を向い合わせにして噛み合わせ、一方のラップに対し
て他方のラップを旋回運動させることに依って、冷媒を
吸入圧縮する。この圧縮機では、圧縮トルクの反力を軸
受で支えているが、その負荷が大きいことから、該軸受
には負荷容量の大きい円筒ころ軸受13が採用されてい
る。
【0005】こうしたカーエアコンやルームエアコン及
びパッケージエアコン等の冷凍装置の作動媒体の冷媒と
して、ハロゲン化炭化水素の一種であるジクロロジフル
オロメタン(CCl22;R12)やモノクロロジフル
オロメタン(CHClF2;R22)が用いられてい
る。潤滑油としては、ナフテン系やパラフィン系鉱油が
前記冷媒との相溶性が良いことから広く用いられてい
る。
【0006】しかし、R12及びR22は地球のオゾン
層破壊という環境問題を引き起こして、その使用が規制
されることになり、これらに代わる冷媒が要求されてい
る。こうした冷媒として考えられるものは、夫れ夫れの
冷媒の沸点に近い沸点を持つハイドロフルオロカーボン
又はフルオロカーボン等である。現在、R12の代替冷
媒として実用化が考えられるものは、1,1,1,2−
テトラフルオロエタン(CF3CHF2;R134a)で
あり、R22の代替冷媒候補としては、ジフルオロメタ
ン(CH22;R32)単体、前記R134a単体或は
トリフルオロメタン(CHF3;R23)、R32、R
134a、ペンタフルオロエタン(CHF2CF3;R1
25)、1,1,2,2テトラフルオロエタン(CHF
2CHF2;R134)、1,1,1トリフルオロエタン
(CF3CH3;R143a)等を少なくとも二種類混合
した混合冷媒が挙げられている。
【0007】ところが、これらの冷媒は一般の鉱油系潤
滑油との相溶性が極めて悪いという欠点がある〔「冷
凍」第60巻 816(1985)〕。この理由として
は、R12やR22のように分子中に塩素を持っていな
いためと考えられる〔「アシュレ ガイド アンド デ
ータ ブック(ASRAE Guide and Da
ta Book)」307(1969)〕。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記ハイドロフルオロ
カーボンに溶解する潤滑油として、ポリアルキレングリ
コール(米国特許4755316号)やポリオールエス
テルが提案されている。しかし、ポリアルキレングリコ
ールやポリオールエステルは鉱油に比べて吸湿性が大き
いという問題があり、こうした水分を多く含んだ潤滑油
を用いて圧縮機を運転すると、ころ軸受表面に疲労に基
ずく剥離現象であるフレーキング(比較的大きな面積が
剥離脱落する現象)が発生し、これによって運転不能に
陥ることがある。この他に、油中水分が多いと冷凍サイ
クル構成機器に使用されている銅部材から銅イオンが析
出し、滑り軸受等の鉄系部材と結合し、所謂銅メッキ現
象を生じ、軸受の焼き付きを生ずる。このため油中水分
を200ppm以下に除去したポリアルキレングリコー
ルが提案されている(特開平1−198694号公
報)。しかし、ポリアルキレングリコールやポリオール
エステルは水分を含み易い特性を有するためにその脱水
は容易ではない。また、カーエアコン特有の現象とし
て、配管のゴムホース、Oリングや軸シールと云ったゴ
ム材質を使用したシール部材等から浸透する水分の吸収
を回避することは極めて困難である。従って、ある程度
の水分を含む状態で潤滑油を使用せざるを得ないのが実
情である。
【0009】図1はカーエアコンの片斜板型圧縮機の一
例を示す断面図である。冷媒圧縮機の駆動は、エンジン
の回転力をVベルト(図示せず)を介してプーリ1に伝
えることにより行われる。圧縮機の運転、停止は、マグ
ネットクラッチのコイル2への電流を投入または遮断す
ることにより、該クラッチを結合、離脱させて行われ
る。
【0010】クラッチの結合によりシャフト3に取付け
られた斜板6を回転することにより、コネクチングロッ
ド7を介してピストン8を左右に動かす。このピストン
の往復動作により、シリンダ内の冷媒ガスを圧縮して高
圧ガスとし、圧縮機の外部に送り出す作用をする。前記
圧縮機の斜板6とピストンサポート9との間にラジアル
針状ころ軸受5が挿入されており、また斜板6に加わる
ピストンの反力を支えるために、ラジアル針状ころ軸受
4が挿入されている。
【0011】前記ころ軸受4、5の潤滑は、フロントカ
バー10の底部に滞留させた潤滑油と冷媒とが混合した
作動媒体を斜板の回転運動によるはね掛けによって供給
し、該軸受の摩擦低減と焼付き防止を図っている。この
とき、含有水分量の多いポリアルキレングリコール等の
潤滑油を用いて圧縮機を運転すると、ころ軸受表面に生
ずるミクロクラック部分に腐食が起こり、この腐食に基
ずくミクロクラックの拡大が起こり、続いてフレーキン
グが発生することを経験している。このフレーキング
は、軸受材料の腐食に伴って発生した水素による脆性破
壊に起因するものと考えられる。
【0012】また、鉱油系の潤滑油の場合にも油中水分
が25、100、400ppmと多くなるに従いフレー
キングが発生するまでの時間が短かくなる(水分100
ppmのときを1とすると400ppmでは0.52)
ことが報告されている〔ASLE Trans.20
(1977)244〕。このように油中水分はフレーキ
ングの発生に大きく係っている。従って、フレーキング
の発生を抑制するためには油中水分を少なくすることが
最も望ましいが、前述の通り、吸湿性の大きいポリアル
キレングリコール等の潤滑油を用いた場合、油中の水分
を十分に除去することは非常に困難である。
【0013】本発明の目的は、前記の状況に鑑み、潤滑
油中の水分に起因するころがり軸受のフレーキングを抑
制した冷凍装置用作動媒体及び該媒体を用いた冷凍装置
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)弗化炭
化水素系冷媒、(b)炭化水素系合成潤滑油、及び
(c)一般式〔I〕及び〔II〕
【0015】
【0016】但し、R1:シクロヘキシル基又はイソプ
ロピル基 R2:オクチル基 で表わされるジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及びジア
ルキルアンモニウムカルボン酸塩の少なくとも1種を前
記潤滑油に対し0.01重量%以上含む冷凍装置用作動
媒体を用いることによって前記目的を達成する。
【0017】前記炭化水素系合成潤滑油は一般式〔II
I〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VII〕及び〔VIII〕 (R1CH2)2C(CH2OCOR2)2 〔III〕 R1CH2C(CH2OCOR2)3 〔IV〕 C(CH2OCOR2)4 〔V〕 (R2OCOCH2)3CCH2OCH2C−* *−(CH2OCOR2)3 〔VI〕
【0018】
【0019】但し、R1:H又は炭素数1〜3のアルキ
ル基 R2:炭素数4〜12のアルキル基 R3:炭素数1〜3のアルキル基 n :0もしくは1〜3の整数
【0020】
【0021】但し、R4、R5:H又は炭素数1〜4のア
ルキル基又は炭素数1〜2のエステル基 n :0もしくは1〜22の整数 m :0もしくは1〜17の整数 の少なくとも1種からなる合成潤滑油とすることができ
る。
【0022】前記弗化炭化水素系冷媒は一般式〔IX〕 CXYZ 〔IX〕 但し、X :1〜3の整数Y :1〜7の整数Z :1〜7の整数 で示され、臨界温度が40℃以上の冷媒から選ばれた少
なくとも一種が用いられる。例えばジフルオロメタン
(R32)、トリフルオロメタン(R23)、ペンタフ
ルオロエタン(R125)、1,1,2,2−テトラフ
ルオロエタン(R134)、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタン(R134a)、1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(R143a)等分子中に塩素を含まな
い冷媒が用いられる。
【0023】ここで、前記一般式〔I〕で示されるジア
ルキルアンモニウム亜硝酸塩としては、例えば、ジシク
ロヘキシルナイトライト(昭和シェル石油製のVPI粉
末)、ジイソプロピルナイトライトまたはこれと上記の
混合物(城北化学工業製ランラン)等の気化性防錆剤が
ある。また前記一般式〔II〕で示されるジアルキルアン
モニウムカルボン酸塩としては、例えばジシクロヘキシ
ルアンモニウムオクテート(日本フェロガード社製のV
ARDEN 100E)がある。
【0024】また潤滑油としては、例えば、ポリアルキ
レングリコールとしてニッサン・ユニルーブMB−11
(日本油脂製)、ネオペンチルポリオールエステルとし
てニッサン・ユニスタH308B(日本油脂製)または
ポリエーテル変性シロキサンとしてPS555(チッソ
製)等がある。前記ジアルキルアンモニウム亜硝酸塩ま
たはジアルキルアンモニウムカルボン酸塩の配合量を前
記潤滑油に対し0.01重量%以上としたのは、0.0
1重量%未満ではフレーキングの抑制が十分得られない
ためである。なお、冷媒の共存或は潤滑油の種類によっ
ては前記アミン塩が析出し、冷凍装置の膨張弁ノズルを
目詰まりさせる心配が有るので、5重量%以下が望まし
い。
【0025】なお、本発明の目的を阻害しない範囲内で
あれば、上記作動媒体に消泡剤や潤滑性を向上するため
の極圧剤等を添加してもよい。
【0026】
【作用】潤滑油中に添加した前記ジアルキルアンモニウ
ム亜硝酸塩、ジアルキルアンモニウムカルボン酸塩は本
来、鉄鋼性の部材などを入れた密閉雰囲気中において気
化し、該鉄鋼材料の表面に防錆性のある皮膜を形成する
ことによって、鉄鋼を防錆する防錆剤である。
【0027】本発明において、前記ジアルキルアンモニ
ウム亜硝酸塩、ジアルキルアンモニウムカルボン酸塩が
ころ軸受のフレーキングを防止するのは、原因となる水
素の発生源である水分の分解を抑制するためと考えられ
る。即ち、作動媒体中に添加された該アミン塩は、ころ
軸受の繰返し負荷(疲労)によって生じた軸受表面の非
常に活性なミクロクラックに浸透し、その表面に吸着さ
れて不活性化し、水分の分解によって生ずる水素の発生
を抑制し、これによってミクロクラックの拡大が抑えら
れて、フレーキングの発生が抑制出来たものと考えられ
る。
【0028】水素発生が起こらなければミクロクラック
は直ちに接合され、拡大することはない。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。主にカーエアコンに使用される、40℃におけ
る粘度が50〜60cStのポリアルキレングリコー
ル、主にルームエアコンやパッケージエアコンに使用さ
れる、40℃における粘度が15〜35cStのポリオ
ールエステル及びポリエーテル変性シロキサンについて
前記ジアルキルアンモニウム亜硝酸塩、ジアルキルアン
モニウムカルボン酸塩の有無によるころ軸受の疲労寿命
の比較を行った。
【0030】ころ軸受の疲れ寿命試験は次のようにして
行った。試験機として、回転軸と試験容器の間にメカニ
カルシールを設けた高圧雰囲気摩擦試験機を用いた。該
試験容器中に内径30mmのスラストニードルベアリン
グ(基本動定格荷重1680kgf)を挿着し、該軸受
が浸るように前記潤滑油を充填した。これを真空排気
後、容器内に2kgf/cm2gの1,1,1,2ーテ
トラフルオロエタンを導入した。これを無負荷の状態で
回転数1000rpmで30分間馴らし運転を行う。
【0031】次いで軸受の基本動定格荷重と等しい荷重
を加えて、回転数2000rpmで運転を開始する。運
転中は容器側面に取付けた振動検出器(NSK製のベア
リングモニタ)の値を監視し、その値がフレーキングの
発生により増大した時点で運転を停止し、それまでの運
転時間(t)と、次式(1)〜(3)により計算される
供試軸受の定格疲労寿命(L)との比を求める。
【0032】 L =500・fh10/3 ‥‥‥‥‥(1) fh=fn・Ca/p ‥‥‥‥‥‥(2) fn=(3.33/n)3/10 ‥‥‥(3) 但し、L :ころ軸受の疲れ寿命時間(h) Ca:基本動定格荷重(kgf) p :軸受荷重(kgf) n :回転数(rpm) このとき潤滑が十分であれば、この定格疲労寿命との比
(t/L)は1.0以上となる。もし、1.0より低い
場合には、潤滑性に欠陥があることを示している。
【0033】実施例と比較例のt/Lを表1〜5に示
す。表1はジアルキルアンモニウム亜硝酸塩添加時の軸
受寿命延命効果を示す表、表2はジアルキルアンモニウ
ムカルボン酸塩添加時の軸受寿命延命効果を示す表、表
3は潤滑油の種類とジアルキルアンモニウム亜硝酸塩添
加時の軸受寿命延命効果を示す表、表4は防錆剤を添加
しないときの軸受寿命比を示す表、表5は潤滑油の種類
とジアルキルアンモニウムカルボン酸塩添加時の軸受寿
命延命効果を示す表である。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】表1及び表2から明らかなように実施例1
〜5で示すジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト
或はジシクロヘキシルアンモニウムオクテートを添加し
た場合、添加量が0.01重量%以上において定格疲労
寿命との比が0.9以上となり、油中水分に基づくフレ
ーキングの抑制効果が認められる。これに対して、ジシ
クロヘキシルアンモニウムナイトライト或はジシクロヘ
キシルアンモニウムオクテートを添加しない比較例1〜
2のt/Lは0.3〜0.5である。
【0040】表3は、吸湿性の大きい10種の潤滑油
(ポリアルキレングリコール5種類、ポリオールエステ
ル4種類、ポリエーテル変性シロキサン1種類)につい
て油中水分量を1000ppmとして前記ジシクロヘキ
シルアンモニウムナイトライトの添加効果を比較した結
果である。この添加剤を配合しない比較例を表4に示し
た。まず、表4から、添加剤を配合しない油では各潤滑
油のt/Lは何れも0.3程度である。特に、比較例1
及び2の一端がエステル基で他端がアルキル基のポリア
ルキレングリコール及び両末端がエステル基のポリアル
キレングリコールではt/Lが0.2と小さい値となっ
ている。この原因としては、これらのポリアルキレング
リコールが加水分解して脂肪酸(ここでは、酢酸)が生
じ、これがミクロクラックの発生を助長したこと、或は
脂肪酸が水素の発生を促進したことなどが考えられる。
これに対して、上記ジシクロヘキシルアンモニウムナイ
トライトを0.01重量%添加した潤滑油では表3に示
したようにt/Lが0.8以上となっており、添加剤を
配合したことによる軸受寿命の延命効果が認められる。
一方、ジシクロヘキシルアンモニウムオクテートを0.
01重量%添加した油でも表5に示したように、t/L
が0.9以上となっており、添加剤を配合したことによ
る軸受寿命の延命効果が認められる。
【0041】なお、ジアルキルアンモニウム亜硝酸塩の
その他の実施例としてジイソプロピルアンモニウムナイ
トライトを、また、ジアルキルアンモニウムカルボン酸
塩のその他の実施例としてジイソプロピルアンモニウム
オクテートを用い、表3及び表5と同様の実験を行っ
た。この結果、表3及び表5と全く同等の軸受寿命比が
得られた。これは、ジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及
びジアルキルアンモニウムカルボン酸塩のアルキル基の
分子構造が、これら気化性防錆剤の気化を阻害しないも
のであれば、ころがり軸受の寿命延長に有効であること
を示している。
【0042】以上述べたように、前記ジアルキルアンモ
ニウム亜硝酸塩或はジアルキルアンモニウムカルボン酸
塩の配合の効果が認められる。なお、本発明の実施例で
は、ジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及びジアルキルア
ンモニウムカルボン酸塩の軸受寿命延命効果をスラスト
針状ころ軸受についてのみ示したが、本発明の作用効果
から見て、その他の型式のころ軸受例えば、円筒ころ軸
受、円錐ころ軸受、ラジアル針状ころ軸受及びボール軸
受等のころがり軸受に対しても同様の効果が期待でき
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の冷凍装置用作動媒体は、圧縮機
の軸受表面の腐食及びフレーキングを抑制する効果があ
り、前記作動媒体を用いたカーエアコン、ルームエアコ
ン、パッケージエアコン、冷蔵庫、冷凍庫用冷凍機等の
寿命を延長できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カーエアコン用の可変容量型片斜板式圧縮機
の縦断面図。
【図2】 ルームエアコン或はパッケージエアコン用の
スクロール型圧縮機の断面図。
【符号の説明】
1……プーリ、2……コイル、3……シャフト、4……
ころ軸受、5……ころ軸受、6……斜板、7……コンネ
クチングロッド、8……ピストン、9……ピストンサポ
ート、10……フロントカバー、11……ラップ、12
……ラップ、13……円筒ころ軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:06) C10N 30:02 30:06 30:12 40:02 40:30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)弗化炭化水素系冷媒、 (b)炭化水素系合成潤滑油、及び (c)一般式〔I〕及び〔II〕 但し、R1:シクロヘキシル基又はイソプロピル基 R2:オクチル基 で表わされるジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及びジア
    ルキルアンモニウムカルボン酸塩の少なくとも1種を前
    記潤滑油に対し0.01重量%以上を含むことを特徴と
    する冷凍装置用作動媒体。
  2. 【請求項2】(a)弗化炭化水素系冷媒、 (b)一般式〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VI
    I〕及び〔VIII〕 (R1CH2)2C(CH2OCOR2)2 〔III〕 R1CH2C(CH2OCOR2)3 〔IV〕 C(CH2OCOR2)4 〔V〕 (R2OCOCH2)3CCH2OCH2−* *−C(CH2OCOR2)3 〔VI〕 但し、R1:H又は炭素数1〜3のアルキル基 R2:炭素数4〜12のアルキル基 R3:炭素数1〜3のアルキル基 n :0もしくは1〜3の整数 但し、R4、R5:H又は炭素数1〜4のアルキル基又は
    炭素数1〜2のエステル基 n :0もしくは1〜22の整数 m :0もしくは1〜17の整数 のうち少なくとも1種からなる合成潤滑油、及び (c)一般式〔I〕及び〔II〕 但し、R1:シクロヘキシル基又はイソプロピル基 R2:オクチル基 で表わされるジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及びジア
    ルキルアンモニウムカルボン酸塩の少なくとも1種を前
    記潤滑油に対し0.01重量%以上を含むことを特徴と
    する冷凍装置用作動媒体。
  3. 【請求項3】回転駆動部にころがり軸受を有する圧縮機
    を備えた冷凍装置において、冷凍装置の作動媒体として (a)弗化炭化水素系冷媒、 (b)炭化水素系合成潤滑油、及び (c)一般式〔I〕及び〔II〕 但し、R1:シクロヘキシル基又はイソプロピル基 R2:オクチル基 で表わされるジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及びジア
    ルキルアンモニウムカルボン酸塩の少なくとも1種を前
    記潤滑油に対し0.01重量%以上を含む作動媒体を用
    いたことを特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】回転駆動部にころがり軸受を有する圧縮機
    を備えた冷凍装置において、 冷凍装置の作動媒体として (a)弗化炭化水素系冷媒、 (b)一般式〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VI
    I〕及び〔VIII〕 (R1CH2)2C(CH2OCOR2)2 〔III〕 R1CH2C(CH2OCOR2)3 〔IV〕 C(CH2OCOR2)4 〔V〕 (R2OCOCH2)3CCH2OCH2C−* *−(CH2OCOR2)3 〔VI〕 但し、R1:H又は炭素数1〜3のアルキル基 R2:炭素数4〜12のアルキル基 R3:炭素数1〜3のアルキル基 n :0もしくは1〜3の整数 但し、R4、R5:H又は炭素数1〜4のアルキル基又は
    炭素数1〜2のエステル基 n :0もしくは1〜22の整数 m :0もしくは1〜17の整数 の少なくとも1種からなる合成潤滑油、及び (c)一般式〔I〕及び〔II〕 但し、R1:シクロヘキシル基又はイソプロピル基 R2:オクチル基 で表わされるジアルキルアンモニウム亜硝酸塩及びジア
    ルキルアンモニウムカルボン酸塩の少なくとも1種を前
    記潤滑油に対し0.01重量%以上を含む作動媒体を用
    いたことを特徴とする冷凍装置。
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