JPH0621180B2 - 人工筋用多孔性高分子膜の製造法 - Google Patents
人工筋用多孔性高分子膜の製造法Info
- Publication number
- JPH0621180B2 JPH0621180B2 JP2183099A JP18309990A JPH0621180B2 JP H0621180 B2 JPH0621180 B2 JP H0621180B2 JP 2183099 A JP2183099 A JP 2183099A JP 18309990 A JP18309990 A JP 18309990A JP H0621180 B2 JPH0621180 B2 JP H0621180B2
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- JP
- Japan
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- polymer membrane
- porous polymer
- membrane
- film
- manufacturing
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- Prostheses (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、人工筋用の多孔性高分子膜の製造法に関する
ものであり、さらに詳しくは、ロボットや医療福祉機
器、義肢等の駆動源のための小型高効率のアクチュエー
タ用材料として使用するのに適した高速応答性を有する
可逆伸縮性高分子膜の製造法に関するものである。
ものであり、さらに詳しくは、ロボットや医療福祉機
器、義肢等の駆動源のための小型高効率のアクチュエー
タ用材料として使用するのに適した高速応答性を有する
可逆伸縮性高分子膜の製造法に関するものである。
[従来の技術] 繊維状あるいは膜状に形成した可逆伸縮性高分子材料と
しては、既に種々のものが研究・開発されている。
しては、既に種々のものが研究・開発されている。
このような可逆伸縮性高分子材料は、単に細繊維状ある
いは薄膜状に形成して束ねても、それら相互が密着する
ため、十分な応答の高速化をはかるのは困難であり、多
数の微小孔径の貫通孔を有する高分子膜として、膜材料
内への溶液の浸透を容易・迅速化するのが、応答の高速
化のために有効である。
いは薄膜状に形成して束ねても、それら相互が密着する
ため、十分な応答の高速化をはかるのは困難であり、多
数の微小孔径の貫通孔を有する高分子膜として、膜材料
内への溶液の浸透を容易・迅速化するのが、応答の高速
化のために有効である。
このような問題に対処し、本発明者らは、先に特公昭63
-10192号や特公昭63-10193号等によって多孔性高分子材
料の製造法を提案している。
-10192号や特公昭63-10193号等によって多孔性高分子材
料の製造法を提案している。
この既提案の方法は、ポリビニルアルコールの水溶液
と、ポリアクリル酸等の酸性の高分子電解質の水溶液
と、ポリアリルアミン等の塩基性の高分子電解質の水溶
液を混合し、その凍結と解凍を繰返すもので、これによ
って製造した多孔性高分子材料は、比較的すぐれた性能
を有しているが、その性能の一層の改善が望まれてい
る。
と、ポリアクリル酸等の酸性の高分子電解質の水溶液
と、ポリアリルアミン等の塩基性の高分子電解質の水溶
液を混合し、その凍結と解凍を繰返すもので、これによ
って製造した多孔性高分子材料は、比較的すぐれた性能
を有しているが、その性能の一層の改善が望まれてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は、上記既提案の方法により多孔性高分子材料
膜を製造し、それによって得られる高分子材料膜の性能
の改善を試みたが、その際、多孔性高分子膜材料の凍結
・解凍を繰返すことにより得られる高分子膜の成形体
は、その表面が内部に比して緻密な層で覆われ、この層
が多孔性の膜材料内への溶液の浸透の障害となり、応答
性を低下させる一つの原因になっていることを確かめ
た。
膜を製造し、それによって得られる高分子材料膜の性能
の改善を試みたが、その際、多孔性高分子膜材料の凍結
・解凍を繰返すことにより得られる高分子膜の成形体
は、その表面が内部に比して緻密な層で覆われ、この層
が多孔性の膜材料内への溶液の浸透の障害となり、応答
性を低下させる一つの原因になっていることを確かめ
た。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであ
り、その技術的課題は、上述した高分子材料膜の応答性
を一層改善し、それによって制御性の改善、負荷特性の
改善を図れるようにした多孔性高分子膜の製造法を得る
ことにある。
り、その技術的課題は、上述した高分子材料膜の応答性
を一層改善し、それによって制御性の改善、負荷特性の
改善を図れるようにした多孔性高分子膜の製造法を得る
ことにある。
[課題を解決するための手段、作用] 上記課題を解決するため、本発明の人工筋用多孔性高分
子膜の製造法は、溶媒の交換により可逆的に伸縮する多
孔性の高分子膜の製造に際し、高分子膜材料の水溶液を
膜の成形型に収容して凍結・解凍を繰り返すことによ
り、多孔性の高分子膜の成形体を製作し、しかる後に、
その高分子膜の表面に形成されている緻密な層を除去し
て均質な膜を得ることを特徴とするものである。
子膜の製造法は、溶媒の交換により可逆的に伸縮する多
孔性の高分子膜の製造に際し、高分子膜材料の水溶液を
膜の成形型に収容して凍結・解凍を繰り返すことによ
り、多孔性の高分子膜の成形体を製作し、しかる後に、
その高分子膜の表面に形成されている緻密な層を除去し
て均質な膜を得ることを特徴とするものである。
さらに具体的に説明すると、本発明の高分子膜製造方法
においては、例えば、特公昭63-10192や特公昭63-10193
号において開示されている方法、即ち、ポリビニルアル
コールの水溶液と、ポリアクリル酸等の酸性の高分子電
解質の水溶液や、ポリアリルアミン等の塩基性の高分子
電解質の水溶液を混合し、これを膜の成形型内に収容し
て、凍結と解凍を多数回にわたって繰返すようにした方
法によって、多孔性の高分子膜の成形体が製作される。
においては、例えば、特公昭63-10192や特公昭63-10193
号において開示されている方法、即ち、ポリビニルアル
コールの水溶液と、ポリアクリル酸等の酸性の高分子電
解質の水溶液や、ポリアリルアミン等の塩基性の高分子
電解質の水溶液を混合し、これを膜の成形型内に収容し
て、凍結と解凍を多数回にわたって繰返すようにした方
法によって、多孔性の高分子膜の成形体が製作される。
上記方法により得られた多孔性高分子膜は、表面に緻密
な層が形成されているが、これを除去して均一な多孔性
膜とすることにより、その性能、特に応答性が著しく改
善される。上記緻密な層を除去するための方法は、特に
限定されるものではなく、例えば、高分子膜の成形体が
凍結した状態で、その表面の厚さ数μm程度の部分をナ
イフエッジでそぎ取るなど、適宜手段を用いることがで
きる。
な層が形成されているが、これを除去して均一な多孔性
膜とすることにより、その性能、特に応答性が著しく改
善される。上記緻密な層を除去するための方法は、特に
限定されるものではなく、例えば、高分子膜の成形体が
凍結した状態で、その表面の厚さ数μm程度の部分をナ
イフエッジでそぎ取るなど、適宜手段を用いることがで
きる。
このようにして得られた多孔性の高分子材料膜は、酸−
アルカリ、水−アルコール、あるいは水−アセトン等、
それに接触する各溶媒の交換により可逆性に伸縮させる
ことができる。この伸縮動作は、例えば、容器の内部に
上記高分子膜を介してそれに接触させるための異なる2
溶液を充填し、膜を挟んでその両側に配置した電極間に
印加する電圧の極性を変えることによって実現すること
ができる。この場合には、電極に印加した電圧の極性に
応じて、一方の溶液の溶液が膜内に浸透し、また電極に
印加する電圧の極性を変えることにより他方の溶液が膜
内に浸透し、それによって可逆伸縮性の高分子膜がいず
れかの溶液に浸された状態になり、伸張または収縮する
ことになる。従って、この特性を利用することにより、
能動的な機械的出力をとり出すことができる。
アルカリ、水−アルコール、あるいは水−アセトン等、
それに接触する各溶媒の交換により可逆性に伸縮させる
ことができる。この伸縮動作は、例えば、容器の内部に
上記高分子膜を介してそれに接触させるための異なる2
溶液を充填し、膜を挟んでその両側に配置した電極間に
印加する電圧の極性を変えることによって実現すること
ができる。この場合には、電極に印加した電圧の極性に
応じて、一方の溶液の溶液が膜内に浸透し、また電極に
印加する電圧の極性を変えることにより他方の溶液が膜
内に浸透し、それによって可逆伸縮性の高分子膜がいず
れかの溶液に浸された状態になり、伸張または収縮する
ことになる。従って、この特性を利用することにより、
能動的な機械的出力をとり出すことができる。
このようにして得られた多孔性の高分子材料膜は、一般
的に、直径1μmから20μmの貫通孔を持った厚さ5〜
500μmの弾力性にすぐれた膜となり、高速応答性、高
伸縮性を有しているため、人工筋用材料等として使用す
るのに好適である。
的に、直径1μmから20μmの貫通孔を持った厚さ5〜
500μmの弾力性にすぐれた膜となり、高速応答性、高
伸縮性を有しているため、人工筋用材料等として使用す
るのに好適である。
[実施例] 第1図及び第2図は、本発明の方法によって製造した高
分子膜の特性を示している。実験に供した高分子膜は、
膜厚72μm、長さ17.2mm、幅 6.8mmのもので、その製造
に際しては、高分子膜材料であるポリビニルアルコール
の水溶液を、2枚のガラス板の間にスペーサによって一
定の間隙を保持させることにより形成した膜の成形型に
収容して、凍結・解凍を繰り返すことにより、多孔性の
高分子膜成形体とし、しかる後に、凍結状態においてそ
の高分子膜成形体の表面に形成されている緻密な層を機
械的に除去した。
分子膜の特性を示している。実験に供した高分子膜は、
膜厚72μm、長さ17.2mm、幅 6.8mmのもので、その製造
に際しては、高分子膜材料であるポリビニルアルコール
の水溶液を、2枚のガラス板の間にスペーサによって一
定の間隙を保持させることにより形成した膜の成形型に
収容して、凍結・解凍を繰り返すことにより、多孔性の
高分子膜成形体とし、しかる後に、凍結状態においてそ
の高分子膜成形体の表面に形成されている緻密な層を機
械的に除去した。
第1図は無負荷の状態での高分子膜の収縮の状態を、第
2図は約1kg/cm2の負荷を掛けた状態での収縮の状態を
示している。これらの実験結果から、収縮量が最終値の
半分に達する時間によって膜を評価すると、無負荷の場
合にはその時間が約1.8 秒、負荷がある場合が約2.1 秒
であり、上述した成形体表面の緻密層を除去しない場合
が約4秒程度を要するのと比較すると、極めてすぐれた
応答性を有することが分かる。
2図は約1kg/cm2の負荷を掛けた状態での収縮の状態を
示している。これらの実験結果から、収縮量が最終値の
半分に達する時間によって膜を評価すると、無負荷の場
合にはその時間が約1.8 秒、負荷がある場合が約2.1 秒
であり、上述した成形体表面の緻密層を除去しない場合
が約4秒程度を要するのと比較すると、極めてすぐれた
応答性を有することが分かる。
また、第1図の無負荷状態の場合、約24%という高い収
縮率を示した。
縮率を示した。
[発明の効果] 以上に詳述した本発明の方法によれば、多孔性高分子膜
の表面の緻密層を除去するという簡単な手段によって、
高分子材料膜の応答性を一層改善し、それによってこの
高分子膜を利用したアクチュエータ等の制御性の改善、
負荷特性の改善を図ることができる。
の表面の緻密層を除去するという簡単な手段によって、
高分子材料膜の応答性を一層改善し、それによってこの
高分子膜を利用したアクチュエータ等の制御性の改善、
負荷特性の改善を図ることができる。
第1図及び第2図は本発明によって製造した高分子膜の
特性を示すグラフである。
特性を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】溶媒の交換により可逆的に伸縮する多孔性
の高分子膜の製造に際し、高分子膜材料の水溶液を膜の
成形型に収容して凍結・解凍を繰り返すことにより、多
孔性の高分子膜の成形体を製作し、しかる後に、その高
分子膜の表面に形成されている緻密な層を除去して均質
な膜を得ることを特徴とする人工筋用多孔性高分子膜の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2183099A JPH0621180B2 (ja) | 1990-07-11 | 1990-07-11 | 人工筋用多孔性高分子膜の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2183099A JPH0621180B2 (ja) | 1990-07-11 | 1990-07-11 | 人工筋用多孔性高分子膜の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0472339A JPH0472339A (ja) | 1992-03-06 |
JPH0621180B2 true JPH0621180B2 (ja) | 1994-03-23 |
Family
ID=16129751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2183099A Expired - Lifetime JPH0621180B2 (ja) | 1990-07-11 | 1990-07-11 | 人工筋用多孔性高分子膜の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0621180B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160000620U (ko) * | 2014-08-13 | 2016-02-23 | 세대산전 주식회사 | 진열 선반의 조립구조 |
-
1990
- 1990-07-11 JP JP2183099A patent/JPH0621180B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160000620U (ko) * | 2014-08-13 | 2016-02-23 | 세대산전 주식회사 | 진열 선반의 조립구조 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0472339A (ja) | 1992-03-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |