JPH0621165Y2 - 電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置 - Google Patents

電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置

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JPH0621165Y2
JPH0621165Y2 JP7811688U JP7811688U JPH0621165Y2 JP H0621165 Y2 JPH0621165 Y2 JP H0621165Y2 JP 7811688 U JP7811688 U JP 7811688U JP 7811688 U JP7811688 U JP 7811688U JP H0621165 Y2 JPH0621165 Y2 JP H0621165Y2
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弘 高橋
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株式会社エイコー・エンジニアリング
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、電子顕微鏡により、生物試料を観察する場合
に、生物組織の生の状態における微細形態を保持した状
態で試料の水分を除去する試料凍結乾燥装置に関する。
[従来の技術] 電子顕微鏡の試料室は、高度の真空に保持しなければな
らないので、水分を含んだままの生物試料を電子顕微鏡
で観察するには、予め脱水して乾燥することが必要条件
である。しかし、単に乾燥したのでは試料が収縮、変形
してしまう。特に、電子顕微鏡的微細形態は、乾燥過程
での水の表面張力により、ことごとく破壊されてしま
う。原形を保持させたまま乾燥することは、およそ不可
能である。光学顕微鏡観察のためには、相当に古くから
凍結乾燥法が採用されていた。この方法は試料を凍結し
て、−50℃付近に保ちながら真空中で水分を昇華させ
るもので、光学顕微鏡観察の範囲では一応の形態は保持
される。しかし、氷の結晶成長を抑えるには、−80℃
以下に保持する必要がある。ところが、このような低温
度では水の昇華速度は極めて遅く、高真空中においても
数日を必要とするため、この方法は使用されなくなっ
た。
電子顕微鏡用生物試料の他の乾燥法としては、臨界点乾
燥法がある。水分を含んだ生物試料を、液相と気相の臨
界点を越えて、液相から気相に持ち込むものである。水
の臨界点は374℃、218.5気圧であるから、これを越
えるようなルートで試料乾燥を行えば、原理的には水の
表面張力が働かないので乾燥可能で、実用的には、水よ
り臨界点の低い二酸化炭素を用い、生物試料を液状炭酸
の状態から臨界点を越えて乾燥させる方法が、従来より
これまで一般的によく用いられ普及している。
最近、前記臨界点乾燥法に代る方法として、凍結乾燥法
を改良した方法が開発され、実用に供されようとしてい
る。それは、有機溶媒乾燥法である。電子顕微鏡用生物
試料の水分を有機溶媒に置換し、これを凍結して真空中
で乾燥する方法である。有機溶媒としては、常温、大気
圧では液体又は固体であって、且つ比較的蒸発速度の緩
慢な気化熱の大きい、例えばフレオン113、アセトニ
トリル、第3ブタノール、ベンゼンあるいはネオペタン
等が用いられる。これらの液体は冷却あるいは減圧によ
って容易に固体化し、油回転ポンプ程度のもので、維持
できる真空度で、比較的速やかに昇華する。氷晶障害な
く試料を乾燥できる方法である。
[考案が解決しようとする課題] 前記従来の技術で述べた、電子顕微鏡用試料の乾燥方法
のうち、前者の臨界点乾燥法は、少ないにしろ試料の収
縮があり、生物の微細形態が若干破壊されるといった欠
点があった。特に、より高度な観測結果を要求される昨
今では、これが大きな問題となっている。
又、後者の有機溶媒乾燥法では、試料冷却に取り扱い不
便な液体窒素を使用する点、乾燥結果、すなわち試料の
原形が完全に保持されていない点で、前者の臨界点乾燥
法とほとんど変わらないといった問題がある。
ここにおいて、本考案の目的は、前記従来の技術におけ
る試料乾燥法の問題点に照らして、これらの解消が可能
な信頼度の高い電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] すなわち、前記本考案の目的は、試料を凍結乾燥する装
置において、凝固点が常温よりやや高い有機溶媒で水分
を置換した試料を収納するチャンバと、同チャンバを減
圧する手段と、同チャンバ内の試料を少なくとも0℃か
ら20℃の範囲で温度制御する加熱、冷却手段を備えた
ことを特徴とする電子顕微鏡用試料乾燥装置によって達
成される。
[作用] 上記のように、有機溶媒乾燥装置において、試料を収納
するチャンバと、同チャンバを減圧する真空ポンプと、
同チャンバを0℃〜20℃の範囲で温度制御できるサー
モコントローラを備えるので、有機溶媒として例えば凝
固点が25.5℃のtブチルアルコールを用いることができ
る。このため電子顕微鏡用試料を25℃以下の温度で凍
結、昇華及び乾燥ができ、氷晶障害のない、生物組織の
形態をとどめた試料の作成が常温付近で可能となる。
[実施例] 以下、本考案の実施例ついて、添付の第1図及び第2図
を用いて説明する。第1図は実施例の構成図、第2図は
同じく外観図である。図において、1は試料5を収納し
て乾燥を行うチャンバ、12はチャンバ1の蓋、2は試
料5を載せる試料台、9はチャンバ1内の減圧を行う油
回転ポンプ、10は減圧を行う排気パイプ、6は排気パ
イプ10の途中に設けられたリークバルブである。又、
3はチャンバ1内の温度を制御するサーモモジュール、
4はサーモモジュール3の冷却フィンで、冷却フィン3
は熱伝導の良い金属から成り、内部は冷却水11を通過
させるようなパイプ状部分を有する。そして、7は油回
転ポンプ9からの油ミストにより、試料5が汚染しない
ように、その逆流を防止するフォアライントラップ、8
はフォアライントラップの冷却機である。
以上、本考案の実施例の構成を述べたが、次に本装置の
機能について説明する。本実施例において試料の乾燥を
行うには、まず、凝固点が常温よりやや高い有機溶媒、
例えば、tブチルアルコール(t-butyl alcohl)を用い
て、生物試料5の水分を置換する。13はtブチルアル
コールの容器で、置換の終了した試料5を、tブチルア
ルコールの容器13と共に、チャンバー1の蓋12を開
けて試料台2に載せ、蓋12を閉める。次にリークバル
ブ6を閉じ、図には明示されていないが、コントロール
盤14の上に設けられた水道水コックを開けて、冷却水
11を冷却フィン4に流通させる。先きに述べたリーク
バルブ6をはじめ、各部の制御スイッチ、設定つまみ類
はコントロール盤14上に備えられ、各制御器は制御キ
ュービクル15内に納められているものとする。
次に、チャンバ1内の温度設定を−10℃とし、サーモ
モジュール3を制御して試料5の冷却を行う。サーモモ
ジュール3はセミコンダクタ熱変換器で、電流を流す方
向により、冷却、加熱が切り換えられる。tブチルアル
コールの凝固点は25.5℃と高いので、5〜10分で固化
する。そこで、油回転ポンプ9を駆動し、チャンバ1内
の排気を行いながら、温度設定を+20℃とし、サーモ
モジュール3により加熱を行う。前記チャンバ1内の排
気は、tブチルアルコールが完全に昇華した時点で終了
させる。同時に温度制御も停止し、リークバルブ6を開
いて真空をリークし、チャンバ1の蓋12を開いて試料
5を取り出し、電子顕微鏡観察の用に供するものであ
る。
前出したフォアライントラップ7は、油回転ポンプ9で
発生する油ミストが、排気中にチャンバ1に入り込ん
で、試料5を汚染することのないように、冷却補足する
もので、このため冷却機8を併用する。
本来、tブチルアルコールは高い蒸気圧を持っており、
先にも述べたように凝固点が25.5℃と高いので、通常の
冷蔵庫で試料5を凍結させることもできるが、100%
tブチルアルコールは25.5℃以下で凍ってしまうので、
室温が25.5℃以下の場合は、恒温槽を用いて脱水しなけ
れならず、外にも多くの手順を経なければ、乾燥した試
料を得ることができない。又、一般の冷蔵庫で、tブチ
ルアルコールを用いて試料5を凍結しても、凍結した試
料5を冷蔵庫から真空排気装置へ運ぶ間に、霧が付着
し、折角凍結した試料の微細組織が損なわれることがあ
る。
本考案の装置は、試料中の水と置換する有機溶媒とし
て、tブチルアルコールを用いることができる試料凍結
乾燥の専用装置で、前記のような試料を移動する必要が
なく、この種の危具は全くない。
[考案の効果] 前記説明から分かるように、本考案によれば、試料の水
分置換用有機溶媒として、tブチルアルコールを用いる
ことができるので、凍結、昇華、乾燥をプラス温度で行
うことができる。又、チャンバの底部に付設したサーモ
モジュールにより、試料温度を自由に調整できるので、
試料を移動せずに乾燥できる。更に、油回転ポンプから
の油ミストによる試料の汚染がない。
以上要約するに、収縮、変形による生物試料の微細形態
が損われることなく、原形保存に優れた、電子顕微鏡用
試料凍結乾燥装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の試料凍結乾燥装置の実施例の構成
図、第2図は、その装置の外観斜視図である。 1……チャンバ、2……試料台、3……サーモモジュー
ル、4……冷却フィン、5……試料、6……リークバル
ブ、7……フォアライントラップ、9……油回転ポンプ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子顕微鏡用試料を凍結乾燥する装置にお
    いて、凝固点が常温よりやや高い有機溶媒で水分を置換
    した試料を収納するチャンバと、同チャンバを減圧する
    手段と、同チャンバ内の試料を少なくとも0℃から20
    ℃の範囲で温度制御する加熱、冷却手段を備えることを
    特徴とする電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置。
JP7811688U 1988-06-13 1988-06-13 電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置 Expired - Lifetime JPH0621165Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP7811688U JPH0621165Y2 (ja) 1988-06-13 1988-06-13 電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置

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JP7811688U JPH0621165Y2 (ja) 1988-06-13 1988-06-13 電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置

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Publication Number Publication Date
JPH02147U JPH02147U (ja) 1990-01-05
JPH0621165Y2 true JPH0621165Y2 (ja) 1994-06-01

Family

ID=31303065

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7811688U Expired - Lifetime JPH0621165Y2 (ja) 1988-06-13 1988-06-13 電子顕微鏡用試料凍結乾燥装置

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JP3053731B2 (ja) * 1994-04-13 2000-06-19 日本電子株式会社 走査電子顕微鏡用生物試料作製方法および生物試料観察方法
CN103843106B (zh) * 2011-09-09 2016-12-07 独立行政法人科学技术振兴机构 利用电子显微镜观察生物试样的方法和蒸发抑制用组合物
JP2021135141A (ja) * 2020-02-26 2021-09-13 国立研究開発法人産業技術総合研究所 粒子評価用標本の作製装置及び作製方法

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JPH02147U (ja) 1990-01-05

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