JPH06211429A - 張力付加装置 - Google Patents
張力付加装置Info
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- JPH06211429A JPH06211429A JP581293A JP581293A JPH06211429A JP H06211429 A JPH06211429 A JP H06211429A JP 581293 A JP581293 A JP 581293A JP 581293 A JP581293 A JP 581293A JP H06211429 A JPH06211429 A JP H06211429A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】張力変動が少ない張力の付加装置を提供する。
【構成】線条材などの長尺物2に張力を作用させる張力
付加装置であり、長尺物2を入口支持体12と出口支持
体13とで支持し、これら入口支持体12と出口支持体
13で支持された区間の長尺物2を箱体11内に導く。
箱体11内を長尺物2を境界とする内部空間14と外部
空間15とに仕切り、内部空間14と外部空間15との
少なくとも何れか一方に空気などの圧力流体を作用させ
る。
付加装置であり、長尺物2を入口支持体12と出口支持
体13とで支持し、これら入口支持体12と出口支持体
13で支持された区間の長尺物2を箱体11内に導く。
箱体11内を長尺物2を境界とする内部空間14と外部
空間15とに仕切り、内部空間14と外部空間15との
少なくとも何れか一方に空気などの圧力流体を作用させ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光ファイバ等の
線材や条材などの長尺物をサプライドラムから供給した
り、巻取ドラムに巻き取る際に、線材や条材に加わる張
力を付加・調節するための張力付加装置に関する。
線材や条材などの長尺物をサプライドラムから供給した
り、巻取ドラムに巻き取る際に、線材や条材に加わる張
力を付加・調節するための張力付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の径を有する長尺な線材、あるいは
断面が幅広である長尺な条材(以下、このような部材を
本明細書では「線条材」と総称する)を製造する場合、
若しくは、線条材を製造後に他の用途に使用する場合な
どにおいては、線条材を巻取ドラム、巻取ボビン、巻取
リールなどの巻取体に巻き取ったり、このようにして巻
き取られた線条材を巻取ドラム等から外部に供給するこ
とが行われている。
断面が幅広である長尺な条材(以下、このような部材を
本明細書では「線条材」と総称する)を製造する場合、
若しくは、線条材を製造後に他の用途に使用する場合な
どにおいては、線条材を巻取ドラム、巻取ボビン、巻取
リールなどの巻取体に巻き取ったり、このようにして巻
き取られた線条材を巻取ドラム等から外部に供給するこ
とが行われている。
【0003】線条材の巻取・供給に際しては、線条材の
弛みを防止して整列状態を適切な状態とする必要がある
ため、線条材の巻取・供給工程には線条材に適切な張力
を加える張力付加装置が設けられている。
弛みを防止して整列状態を適切な状態とする必要がある
ため、線条材の巻取・供給工程には線条材に適切な張力
を加える張力付加装置が設けられている。
【0004】従来の張力付加装置としては、例えば図7
に示す装置が知られている。本張力付加装置が設けられ
た巻取工程は、予め線条材2が巻回されたサプライボビ
ン1をモータM1 により所定の速度で回転させながら線
条材2を供給し、このようにして引き出された線条材2
を、巻取ボビン5をモータM2 により所定の速度で回転
させながら巻き取るように構成されているが、サプライ
ボビン1と巻取ボビン5との間に引き渡された線条材2
に弛みが生じると、巻取ボビン5における線条材2の整
列状態に悪影響を及ぼすことになる。
に示す装置が知られている。本張力付加装置が設けられ
た巻取工程は、予め線条材2が巻回されたサプライボビ
ン1をモータM1 により所定の速度で回転させながら線
条材2を供給し、このようにして引き出された線条材2
を、巻取ボビン5をモータM2 により所定の速度で回転
させながら巻き取るように構成されているが、サプライ
ボビン1と巻取ボビン5との間に引き渡された線条材2
に弛みが生じると、巻取ボビン5における線条材2の整
列状態に悪影響を及ぼすことになる。
【0005】そこで、このような線条材2の弛みを防止
するために、両ボビン1,5間に固定ロール3,4と可
動ロール8を設けて、常に一定の張力が加わるように制
御するようにしている。具体的には、2つの固定ロール
3,4間に支点9で支持された可動ロール8を配置し、
張力調節用重り7で線条材2に一定張力が加わるように
している。
するために、両ボビン1,5間に固定ロール3,4と可
動ロール8を設けて、常に一定の張力が加わるように制
御するようにしている。具体的には、2つの固定ロール
3,4間に支点9で支持された可動ロール8を配置し、
張力調節用重り7で線条材2に一定張力が加わるように
している。
【0006】そして、何らかの要因で線条材2の張力が
変動したときは、可動ロール8に設けられた張力調節用
重り7が可動ロール8の移動にともなって移動するの
で、この移動量をサプライボビン1のモータ制御装置6
にフィードバックすることにより、線条材2の送り出し
速度を調節するようになっている。
変動したときは、可動ロール8に設けられた張力調節用
重り7が可動ロール8の移動にともなって移動するの
で、この移動量をサプライボビン1のモータ制御装置6
にフィードバックすることにより、線条材2の送り出し
速度を調節するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の張力
付加装置は、張力調節用重り7および可動ロール8の自
重によって線条材2に張力を付加する構成であるため、
線条材2に作用する張力が変動したときに可動ロール8
が等速運動をしない限り、張力調節用重り7および可動
ロール8の自重以外に、加速度による力が該線条材2に
作用することになる。
付加装置は、張力調節用重り7および可動ロール8の自
重によって線条材2に張力を付加する構成であるため、
線条材2に作用する張力が変動したときに可動ロール8
が等速運動をしない限り、張力調節用重り7および可動
ロール8の自重以外に、加速度による力が該線条材2に
作用することになる。
【0008】そのため、線条材2に加わる張力の変動が
急激である場合には、線条材2に過度の張力が作用して
該線条材が破断したり、あるいは逆に、張力が除去され
過ぎて該線条材に弛みが発生し、巻取ボビン5における
線条材2の整列状態が乱れるおそれがあった。
急激である場合には、線条材2に過度の張力が作用して
該線条材が破断したり、あるいは逆に、張力が除去され
過ぎて該線条材に弛みが発生し、巻取ボビン5における
線条材2の整列状態が乱れるおそれがあった。
【0009】特に、繊細な線条材は、張力を付加し過ぎ
ると破断に至ることが多いのにも拘らず、線条材の自重
による張力がほとんど期待できないため張力を除去する
と巻取の整列状態に支障を来すことになり、その意味で
付加張力の制御が困難であった。
ると破断に至ることが多いのにも拘らず、線条材の自重
による張力がほとんど期待できないため張力を除去する
と巻取の整列状態に支障を来すことになり、その意味で
付加張力の制御が困難であった。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、張力変動が少ない張力の付
加装置を提供することを目的とする。
鑑みてなされたものであり、張力変動が少ない張力の付
加装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の張力付加装置は、線条材などの長尺物に張
力を作用させる張力付加装置において、前記長尺物を入
口支持体と出口支持体とで支持し、これら入口支持体と
出口支持体で支持された区間の長尺物を箱体内に導き、
前記箱体内を前記長尺物を境界とする内部空間と外部空
間とに仕切り、前記内部空間と前記外部空間との少なく
とも何れか一方に圧力流体を作用させることを特徴とし
ている。
に、本発明の張力付加装置は、線条材などの長尺物に張
力を作用させる張力付加装置において、前記長尺物を入
口支持体と出口支持体とで支持し、これら入口支持体と
出口支持体で支持された区間の長尺物を箱体内に導き、
前記箱体内を前記長尺物を境界とする内部空間と外部空
間とに仕切り、前記内部空間と前記外部空間との少なく
とも何れか一方に圧力流体を作用させることを特徴とし
ている。
【0012】前記入口支持体および出口支持体の少なく
とも何れか一方が、前記箱体内に設けられ、前記長尺物
を境界とする2つの領域の少なくとも一方に圧力流体を
作用させる構成とすることもできる。
とも何れか一方が、前記箱体内に設けられ、前記長尺物
を境界とする2つの領域の少なくとも一方に圧力流体を
作用させる構成とすることもできる。
【0013】
【作用】本発明の張力付加装置は、線条材などの長尺物
を巻き取る際などに、質量をともなわない張力を作用さ
せる装置であり、長尺物を入口支持体と出口支持体とで
支持しながら、これら2つの支持体で支持された区間の
長尺物を箱体内に封入する。箱体内は、長尺物を境界と
した内部空間と外部空間とに仕切られ、これらの空間の
うち少なくとも何れか一方の空間に圧力流体を作用させ
る。
を巻き取る際などに、質量をともなわない張力を作用さ
せる装置であり、長尺物を入口支持体と出口支持体とで
支持しながら、これら2つの支持体で支持された区間の
長尺物を箱体内に封入する。箱体内は、長尺物を境界と
した内部空間と外部空間とに仕切られ、これらの空間の
うち少なくとも何れか一方の空間に圧力流体を作用させ
る。
【0014】具体的には、空気などのニュートン流体を
内部空間に圧送するとともに、外部空間から排気を行
う。
内部空間に圧送するとともに、外部空間から排気を行
う。
【0015】このように内部空間の圧力を外部空間の圧
力より高くすると長尺物には張力が作用することにな
り、内部空間の圧力を外部空間の圧力に対して近似させ
ると長尺物に作用する張力が除去されることになる。
力より高くすると長尺物には張力が作用することにな
り、内部空間の圧力を外部空間の圧力に対して近似させ
ると長尺物に作用する張力が除去されることになる。
【0016】かかる本発明の張力付加装置による張力
は、圧力流体を媒体としていることから、その質量はき
わめて小さく、したがって、この圧力流体が急激に長尺
物に作用したとしても、それにより生じる張力の増加量
/減少量は、長尺物に働いている張力に比べてきわめて
小さく、無視することができる。
は、圧力流体を媒体としていることから、その質量はき
わめて小さく、したがって、この圧力流体が急激に長尺
物に作用したとしても、それにより生じる張力の増加量
/減少量は、長尺物に働いている張力に比べてきわめて
小さく、無視することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の張力付加装置を線材に適用した
一実施例を示す斜視図であり、同図に示すように、本実
施例の張力付加装置は、内部に空間が形成された箱体1
1を有しており、その一縁に2つの固定ローラ12,1
3が回動自在に取り付けられている。これらの固定ロー
ラ12,13が本発明の入口支持体12と出口支持体1
3とを構成している。
明する。図1は本発明の張力付加装置を線材に適用した
一実施例を示す斜視図であり、同図に示すように、本実
施例の張力付加装置は、内部に空間が形成された箱体1
1を有しており、その一縁に2つの固定ローラ12,1
3が回動自在に取り付けられている。これらの固定ロー
ラ12,13が本発明の入口支持体12と出口支持体1
3とを構成している。
【0018】一定の張力で巻き取られる線材2は、この
2つの固定ローラ12,13に支持されながら、箱体1
1内に形成された空間に案内されるようになっている。
そして、箱体11の空間内では、線材2を境界とする内
部空間14と外部空間15とに仕切られ、これら内部空
間14と外部空間15とのそれぞれに圧力流体が作用す
る。
2つの固定ローラ12,13に支持されながら、箱体1
1内に形成された空間に案内されるようになっている。
そして、箱体11の空間内では、線材2を境界とする内
部空間14と外部空間15とに仕切られ、これら内部空
間14と外部空間15とのそれぞれに圧力流体が作用す
る。
【0019】図2は本発明の張力付加装置を条材2に適
用した一実施例を示す斜視図であり、この実施例におい
ても図1に示す実施例と同様に、内部に空間が形成され
た箱体11を有している。箱体11の一縁には、4つの
固定ローラ12,13が回動自在に取り付けられてお
り、これらの固定ローラ12,13が本発明の入口支持
体12と出口支持体13とを構成している。
用した一実施例を示す斜視図であり、この実施例におい
ても図1に示す実施例と同様に、内部に空間が形成され
た箱体11を有している。箱体11の一縁には、4つの
固定ローラ12,13が回動自在に取り付けられてお
り、これらの固定ローラ12,13が本発明の入口支持
体12と出口支持体13とを構成している。
【0020】一定の張力で巻き取られる条材2は、この
4つの固定ローラ12,13に支持されながら、箱体1
1内に形成された空間に案内されるようになっている。
そして、箱体11の空間内では、条材2を境界とする内
部空間14と外部空間15とに仕切られ、これら内部空
間14と外部空間15とのそれぞれに圧力流体が作用す
る。
4つの固定ローラ12,13に支持されながら、箱体1
1内に形成された空間に案内されるようになっている。
そして、箱体11の空間内では、条材2を境界とする内
部空間14と外部空間15とに仕切られ、これら内部空
間14と外部空間15とのそれぞれに圧力流体が作用す
る。
【0021】以上、図1および図2に示す張力付加装置
が、本発明の基本的構造であるが、箱体11の構成およ
び圧力流体の作用手段に関して、さらに本発明を具体化
して説明する。図3(a)は本発明の実施例に係る張力
付加装置を示す側面図、図3(b)は図3(a)のB−
B線に沿う断面図、図3(c)は同じくC−C線に沿う
断面図、図3(d)は同じくD−D線に沿う断面図、図
4(a)は本発明の張力付加装置における流体圧力差を
発生させる構成の一実施例を示す斜視図である。
が、本発明の基本的構造であるが、箱体11の構成およ
び圧力流体の作用手段に関して、さらに本発明を具体化
して説明する。図3(a)は本発明の実施例に係る張力
付加装置を示す側面図、図3(b)は図3(a)のB−
B線に沿う断面図、図3(c)は同じくC−C線に沿う
断面図、図3(d)は同じくD−D線に沿う断面図、図
4(a)は本発明の張力付加装置における流体圧力差を
発生させる構成の一実施例を示す斜視図である。
【0022】図3(a)に示す箱体11は、横断面が図
3(b)に示す如く、中央部分には線条材2より幅広と
なった空間16が形成され、その両端には線条材2と同
じか僅かに狭い空間17が形成されている。これらの空
間16,17の上端は開放されており、開放面18の両
側に固定ローラ12,13が取り付けられている。
3(b)に示す如く、中央部分には線条材2より幅広と
なった空間16が形成され、その両端には線条材2と同
じか僅かに狭い空間17が形成されている。これらの空
間16,17の上端は開放されており、開放面18の両
側に固定ローラ12,13が取り付けられている。
【0023】巻き取られる線条材2が、2つの固定ロー
ラ12,13に支持されながら開放面18から空間内に
導かれるが、線条材2を境界とする内部空間14には、
図4(a)に矢印Aで示すように箱体11の側面から圧
力流体である空気が圧送され、さらに線条材2を境界と
する外部空間15には、図4(a)に矢印Bで示すよう
に箱体11の側面および底面から外部空間内の空気を排
気している。
ラ12,13に支持されながら開放面18から空間内に
導かれるが、線条材2を境界とする内部空間14には、
図4(a)に矢印Aで示すように箱体11の側面から圧
力流体である空気が圧送され、さらに線条材2を境界と
する外部空間15には、図4(a)に矢印Bで示すよう
に箱体11の側面および底面から外部空間内の空気を排
気している。
【0024】したがって、箱体11の空間内に導かれた
線条材2は、内部空間14では外方に押し広げられる力
が作用し、一方、外部空間15では外方に引っ張る力が
作用する。その結果、線条材2は、箱体11内において
図3(a)に示す如く下端が半円となるU字状の形状で
安定し、内部空間14と外部空間15との気圧差(P 1
−P2 )に基づく力が張力となって作用することにな
る。
線条材2は、内部空間14では外方に押し広げられる力
が作用し、一方、外部空間15では外方に引っ張る力が
作用する。その結果、線条材2は、箱体11内において
図3(a)に示す如く下端が半円となるU字状の形状で
安定し、内部空間14と外部空間15との気圧差(P 1
−P2 )に基づく力が張力となって作用することにな
る。
【0025】なお、箱体11内の横断面形状は、図3
(b)に示す形状にのみ限定されることはない。図5
(a)〜(c)は本発明の張力付加装置における箱体内
の空間の横断面構造の各実施例を示す斜視図であり、図
5(b)が図3(b)に相当する実施例であるが、かか
る横断面形状以外にも、幅広部分16と狭小部分17と
を設けない図5(a)に示す矩形形状や、図5(c)に
示す幅広部分16を湾曲させた断面形状であってもよ
い。
(b)に示す形状にのみ限定されることはない。図5
(a)〜(c)は本発明の張力付加装置における箱体内
の空間の横断面構造の各実施例を示す斜視図であり、図
5(b)が図3(b)に相当する実施例であるが、かか
る横断面形状以外にも、幅広部分16と狭小部分17と
を設けない図5(a)に示す矩形形状や、図5(c)に
示す幅広部分16を湾曲させた断面形状であってもよ
い。
【0026】このような横断面形状の相違により、例え
ば図5(a)に示す断面形状を採用すると、箱体内の空
間における線条材の安定形状が円若しくは楕円状となる
が、図5(b)および(c)に示す断面形状を採用する
と、箱体内の空間における線条材の安定形状は図3
(a)に示すようにU字状となる。
ば図5(a)に示す断面形状を採用すると、箱体内の空
間における線条材の安定形状が円若しくは楕円状となる
が、図5(b)および(c)に示す断面形状を採用する
と、箱体内の空間における線条材の安定形状は図3
(a)に示すようにU字状となる。
【0027】このことは、以下の点で利点がある。すな
わち、箱体11内の空間における線条材2の安定形状を
図1、2に示すように円形状とすると、張力を調節する
度に円径も変動することになり、その結果、内部空間1
4あるいは外部空間15に作用させる流体圧力をも調節
する必要が生じる。ところが、図3(a)に示すように
U字状が安定形状である場合には、圧力流体の圧力差が
半円状となる下端部のみに主に作用するため、張力が変
動しても箱体11内における径の変動はない。
わち、箱体11内の空間における線条材2の安定形状を
図1、2に示すように円形状とすると、張力を調節する
度に円径も変動することになり、その結果、内部空間1
4あるいは外部空間15に作用させる流体圧力をも調節
する必要が生じる。ところが、図3(a)に示すように
U字状が安定形状である場合には、圧力流体の圧力差が
半円状となる下端部のみに主に作用するため、張力が変
動しても箱体11内における径の変動はない。
【0028】ちなみに、図1、2に示すような構造とし
た場合における圧力流体の導入手段は、例えば図4
(b)に示す如き回転吹出体19を箱体11の内部空間
14内に設ければよい。また、本発明の入口支持体12
および出口支持体13は、図3(a)に示す固定ローラ
にのみ限定されず、圧力流体を共用することも可能であ
る。図6は本発明の他の実施例を示す縦断面図であり、
固定ローラの代わりに流体圧を利用した支持体を設けた
具体例を示す図である。
た場合における圧力流体の導入手段は、例えば図4
(b)に示す如き回転吹出体19を箱体11の内部空間
14内に設ければよい。また、本発明の入口支持体12
および出口支持体13は、図3(a)に示す固定ローラ
にのみ限定されず、圧力流体を共用することも可能であ
る。図6は本発明の他の実施例を示す縦断面図であり、
固定ローラの代わりに流体圧を利用した支持体を設けた
具体例を示す図である。
【0029】この実施例では、図3(a)に示す箱体1
1の開放面18に蓋体20が挿入され、これにより箱体
11と蓋体20との間に線条材2の通路21が形成され
ることになる。この通路21の線条材2を境界とする領
域22には、圧力流体である空気が圧送され、逆に他方
の領域23からは空気が排気されるようになっている。
これにより、通路21を通過してゆく線条材2は、該線
条材2を境界とする2つの領域22,23に空気による
圧力差が生じ、その結果、線条材2は箱体11に支持さ
れることになる。なお、この領域22に圧送する空気
を、箱体11の内部空間14に圧送する空気と共用すれ
ばさらに好ましい。
1の開放面18に蓋体20が挿入され、これにより箱体
11と蓋体20との間に線条材2の通路21が形成され
ることになる。この通路21の線条材2を境界とする領
域22には、圧力流体である空気が圧送され、逆に他方
の領域23からは空気が排気されるようになっている。
これにより、通路21を通過してゆく線条材2は、該線
条材2を境界とする2つの領域22,23に空気による
圧力差が生じ、その結果、線条材2は箱体11に支持さ
れることになる。なお、この領域22に圧送する空気
を、箱体11の内部空間14に圧送する空気と共用すれ
ばさらに好ましい。
【0030】次に作用を説明する。本実施例の張力付加
装置は、線条材2などの長尺物を巻き取る際などに、質
量をともなわない張力を作用させる装置であり、線条材
2を入口支持体12と出口支持体13とで支持しなが
ら、これら2つの支持体12,13で支持された区間の
線条材2を箱体11内に封入する。箱体11内は、線条
材2を境界とした内部空間14と外部空間15とに仕切
られ、これらの空間のうち内部空間14に空気を圧送
し、外部空間15からは空気を排気する。
装置は、線条材2などの長尺物を巻き取る際などに、質
量をともなわない張力を作用させる装置であり、線条材
2を入口支持体12と出口支持体13とで支持しなが
ら、これら2つの支持体12,13で支持された区間の
線条材2を箱体11内に封入する。箱体11内は、線条
材2を境界とした内部空間14と外部空間15とに仕切
られ、これらの空間のうち内部空間14に空気を圧送
し、外部空間15からは空気を排気する。
【0031】このように内部空間14の圧力P1 を外部
空間15の圧力P2 より高くすると、線条材2には、こ
の圧力差に起因する張力が作用することになり、逆に内
部空間14の圧力P1 を外部空間15の圧力P2 に対し
て近似させると、線条材2に作用する張力が除去される
ことになる。
空間15の圧力P2 より高くすると、線条材2には、こ
の圧力差に起因する張力が作用することになり、逆に内
部空間14の圧力P1 を外部空間15の圧力P2 に対し
て近似させると、線条材2に作用する張力が除去される
ことになる。
【0032】例えば、図1に示す実施例では、箱体11
内の線条材2は略円形状で安定することから、内部空間
14と外部空間15との圧力差(すなわち動作圧)を
P、線条材に作用する張力をF、線条材の断面積をA、
線条材に作用する応力をσ、箱体内における線条材のル
ープ半径をr、線条材の直径をd、とすると、 F=σA=rdP となり、線条材2に張力若しくは応力を付加したい場合
には、 P=σA/rd=F/(rd) で表わされる圧力差を制御すればよい。
内の線条材2は略円形状で安定することから、内部空間
14と外部空間15との圧力差(すなわち動作圧)を
P、線条材に作用する張力をF、線条材の断面積をA、
線条材に作用する応力をσ、箱体内における線条材のル
ープ半径をr、線条材の直径をd、とすると、 F=σA=rdP となり、線条材2に張力若しくは応力を付加したい場合
には、 P=σA/rd=F/(rd) で表わされる圧力差を制御すればよい。
【0033】ただし、上述したように、図1、2に示す
円形状である場合には、張力を調節する度に箱体11内
の線条材2のループ半径rが変動することから、圧力変
動も生じてしまう。したがって、 P’=(r/r’)P で求められるP’とPとの差圧を制御する必要がある。
なお、既述したように図3(a)に示すU字状の構成を
採用すれば、その必要はなくなる。
円形状である場合には、張力を調節する度に箱体11内
の線条材2のループ半径rが変動することから、圧力変
動も生じてしまう。したがって、 P’=(r/r’)P で求められるP’とPとの差圧を制御する必要がある。
なお、既述したように図3(a)に示すU字状の構成を
採用すれば、その必要はなくなる。
【0034】かかる本発明の張力付加装置による張力
は、空気を媒体としていることから、その質量はきわめ
て小さく、したがって、この空気が急激に線条材に作用
したとしても、それにより生じる張力の増加量/減少量
は、線条材に働いている張力に比べてきわめて小さく、
無視することができる。その結果、張力付加装置を作動
させることにともなう張力の変動を抑制することがで
き、線条材の判断や弛みを防止することが可能となる。
は、空気を媒体としていることから、その質量はきわめ
て小さく、したがって、この空気が急激に線条材に作用
したとしても、それにより生じる張力の増加量/減少量
は、線条材に働いている張力に比べてきわめて小さく、
無視することができる。その結果、張力付加装置を作動
させることにともなう張力の変動を抑制することがで
き、線条材の判断や弛みを防止することが可能となる。
【0035】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。例えば、本発明で適用できる長尺物は上述した線
材あるいは条材にのみ限定されることなく種々の形状の
長尺物に応用することが可能である。
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。例えば、本発明で適用できる長尺物は上述した線
材あるいは条材にのみ限定されることなく種々の形状の
長尺物に応用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、入口
支持体と出口支持体で支持された区間の長尺物を箱体内
に導き、箱体内を長尺物を境界とする内部空間と外部空
間とに仕切り、内部空間と外部空間との少なくとも何れ
か一方に圧力流体を作用させるように構成しているの
で、張力媒体である圧力流体の移動にともなう張力変動
は無視できる程度である。したがって、張力変動がきわ
めて小さい張力付加装置を提供することができる。
支持体と出口支持体で支持された区間の長尺物を箱体内
に導き、箱体内を長尺物を境界とする内部空間と外部空
間とに仕切り、内部空間と外部空間との少なくとも何れ
か一方に圧力流体を作用させるように構成しているの
で、張力媒体である圧力流体の移動にともなう張力変動
は無視できる程度である。したがって、張力変動がきわ
めて小さい張力付加装置を提供することができる。
【0037】また、長尺物が繊細で平面が少なくても、
圧力流体を張力媒体としているため、張力は長尺物の全
面に作用する。そのため、長尺物が受ける力が表面全体
に分散され、摩耗や破損の原因となることを抑制するこ
とができる。特に、本発明の張力付加装置は、繊細な低
ヤング率の長尺物に対して効果的である。
圧力流体を張力媒体としているため、張力は長尺物の全
面に作用する。そのため、長尺物が受ける力が表面全体
に分散され、摩耗や破損の原因となることを抑制するこ
とができる。特に、本発明の張力付加装置は、繊細な低
ヤング率の長尺物に対して効果的である。
【図1】本発明の張力付加装置を線材に適用した一実施
例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
【図2】本発明の張力付加装置を条材に適用した一実施
例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明の他の実施例に係る張力付加装
置を示す側面図、(b)は図3(a)のB−B線に沿う
断面図、(c)は同じくC−C線に沿う断面図、(d)
は同じくD−D線に沿う断面図である。
置を示す側面図、(b)は図3(a)のB−B線に沿う
断面図、(c)は同じくC−C線に沿う断面図、(d)
は同じくD−D線に沿う断面図である。
【図4】(a)は本発明の張力付加装置における流体圧
力差を発生させる構成の一実施例を示す斜視図、(b)
は同じく他の実施例を示す斜視図である。
力差を発生させる構成の一実施例を示す斜視図、(b)
は同じく他の実施例を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の張力付加装置におけ
るワーク通路の横断面構造の各実施例を示す斜視図であ
る。
るワーク通路の横断面構造の各実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図7】従来の張力付加装置を示す全体構成図である。
2…線条材(長尺物) 12…固定ローラ(入口支持体) 13…固定ローラ(出口支持体) 14…内部空間 15…外部空間
Claims (2)
- 【請求項1】線条材などの長尺物に張力を作用させる張
力付加装置において、前記長尺物を入口支持体と出口支
持体とで支持し、これら入口支持体と出口支持体で支持
された区間の長尺物を箱体内に導き、前記箱体内を前記
長尺物を境界とする内部空間と外部空間とに仕切り、前
記内部空間と前記外部空間との少なくとも何れか一方に
圧力流体を作用させることを特徴とする張力付加装置。 - 【請求項2】前記入口支持体および出口支持体の少なく
とも何れか一方が、前記箱体内に設けられ、前記長尺物
を境界とする2つの領域の少なくとも一方に圧力流体を
作用させる構成であることを特徴とする請求項1に記載
の張力付加装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP581293A JPH06211429A (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | 張力付加装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP581293A JPH06211429A (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | 張力付加装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211429A true JPH06211429A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=11621499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP581293A Pending JPH06211429A (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | 張力付加装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06211429A (ja) |
-
1993
- 1993-01-18 JP JP581293A patent/JPH06211429A/ja active Pending
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