JPH0620957U - バルブ等に於けるグランドパッキン押圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、バルプ等に於けるグランドパッキ
ン押圧装置に関し、グランドパッキンの押圧力を調整す
るのに測定工具が不要で、しかも精度の高いグランドパ
ッキンの押圧が行え、迅速確実に個人差なく押圧力の度
合いを目視で確認できるできるバルプ等に於けるグラン
ドパッキン押圧装置を提供することを目的とする。 【構成】そして、その構成上の要旨は、出没自在な押圧
体４を不勢する弾性体８が内装されたハウジング部３
と、バルブ等の軸封用として弁棒１４に装着されたグラ
ンドパッキン１５を押圧するために、回転によりハウジ
ング３内に押圧体４を進入させる締付具２ａとからなる
押圧装置に於いて、該締付具２とハウジング部３側と
に、押圧を調整するための表示部２ａ，３ｅがそれぞれ
設けられてなることにある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバルブ等に於けるグランドパッキン押圧装置、さらに詳しくはバルブ 等の軸封用として弁棒に外嵌されたグランドパッキンを押圧し、該押圧を調整す るための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、グランドパッキンの押圧手段としては、例えば図５に示す様なものが 存在する。 即ち、従来のグランドパッキン４６を押圧するための押圧装置は、グランドナ ット３６にて上端側が押圧されるハウジング部４０と、該ハウジング部４０内に 収納されてなる押圧体３８と、グランドパッキン４６をグランドパッキン押え板 ３７を介して押圧すべく、前記ハウジング部４０の下端側に出没自在に設けられ た押圧体３４とで一体構成されてなるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、このグランドパッキン押圧装置は、前記ハウジング部４０とグラ ンドパッキン押え板３７の間の寸法Ｌをスキマゲージ等の測定工具で測定するこ とにより押圧力を調整しているが、この場合、測定工具を使用する必要があり、 迅速且つ確実に押圧力の調整を行うことができず、特に原子力発電所の配管に使 用されるバルブにおいては、押圧力の調整を迅速に行わなければ放射線による被 爆線量の増加が阻止できない等の問題があった。 また、測定具を使用する者の熟練度の差により若干の測定誤差が生じ、この場 合にわずかな測定誤差でもグランドパッキン４６の押圧にかなりの影響を及ぼす などの問題もあった。

【０００４】 本考案は、以上のような点に鑑みて考案されたもので、グランドパッキンの押 圧力を調整するのに測定工具が不要で、しかも精度の高いグランドパッキンの押 圧が行え、迅速且つ確実に作業者の熟練度の差なく押圧力の度合いを目視で確認 できるグランドパッキン押圧装置を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案が、上記課題を解決するための、技術的手段は、出没自在な押圧体４を 突出する方向に付勢する弾性体８が内装されたハウジング部３と、バルブ等の軸 封用として弁棒１４に挿着されたグランドパッキン１５を押圧するために、回転 によりハウジング部３内に押圧体４を進入させる締付具２からなる押圧装置にお いて、該締付具２側とハウジング部３側とに、押圧を調整するための表示部２ａ ，３ｅがそれぞれ設けられることにある。

【０００６】

【作用】

すなわち、本考案のグランドパッキン押圧装置は、締付具２側とハウジング部 ３側とにそれぞれ押圧を調整するための表示部２ａ，３ｅが設けられているので 、ハウジング部３側の表示部３ｅに対して締付具２側の表示部２ａを調整しなが ら締付具２を回転させることにより、ハウジング部３内に押圧体４を進入させハ ウジング部３に内装させた弾性体８の弾発力で、ハウジング部３を介してバルブ 等の軸封用として弁棒１４に装着されたグランドパッキン１５を所定圧力で押圧 することができ、よって弁棒１４とバルブボンネット１０との間を確実にシール できる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面に従って説明する。 図１に於いて、１０はバルブボンネットで、該バルブボンネット１０には弁開 閉操作用の弁棒１４が設けられ、該弁棒１４には軸封用のグランドパッキン１５ が複数外嵌されている。

【０００８】 ２０は前記グランドパッキン１５を上方から押圧するためのパッキン押え輪を 示し、弁棒１４に摺動自在に外嵌され、さらに該パッキン押え輪２０の上部には グランドパッキン押え板９が上方より嵌合されている。 １３は、前記バルブボンネット１０の顎部１０ｂに形成された挿通孔１０ａに 挿通され、且つ前記グランドパッキン押え９に穿設された孔９ａに挿通されてい るボルトで、該ボルト１３の上部には、前記パッキン押え輪２０を介してグラン ドパッキン１５を所定圧力で押圧するための押圧装置１がそれぞれ設けられてい る。

【０００９】 図２及び図３に示す押圧装置１は、前記グランドパッキン押え９の上面に当接 した円筒状のハウジング部３と、該ハウジング部３に押圧体４を介して設けられ た締付具２とで構成される。 前記ハウジング部３は、皿バネ等の弾性体８を内装し、且つハウジング部３上 端部にはリング体３ｃが溶着されている。 前記押圧体４はハウジング部３内に出没自在に設けられ、しかも弾性体８によ り突出する方向に付勢されて形成されている。 前記締付具２は、ボルト１３の頭部の下面に固着した略円錐台状のダイヤル体 ７より形成されている。 この場合に於いて、前記リング体３ｃには、表示部としての矢印３ｅが軸心方 向に沿って刻設され、前記ダイヤル体７の傾斜部には目盛り２ａが周方向に刻設 されている。

【００１０】 本実施例に係るグランドパッキン押圧装置は以上の様な構成からなり、次に該 押圧装置１を原子力発電所の配管に使用されるバルブに装着し、グランドパッキ ン１５を押圧する場合について説明する。

【００１１】 先ず、ダイヤル７，７が溶着または一体加工成形された一対のグランドボルト １３，１３をそれぞれハウジング部３，３内の弾性体８に嵌入する。 そして、前記ボルト１３，１３をグランドパッキン押え９の孔９ａ，９ａ，及 びバルブ本体１０の鍔部１０ｂ，１０ｂの貫通孔１０ａ，１０ａに挿通し、下端 に突出する突出部にグランドナット１９，１９を螺合する。

【００１２】 次に、締付具２を回転すると、押圧体４が弾性体として弾性体８の付勢力に抗 してハウジング部３内に進入し、一方で該ハウジング部３の下面がグランドパッ キン押え９を押圧するので、該グランドパッキン押え９はパッキン押え輪２０を 介してグランドパッキン１５を押圧することとなり、仮にグランドパッキン１５ に体積減量が生じても、弾性体８により押圧体４が付勢されていることからこの 押圧状態が良好に維持されていることとなる。

【００１３】 この場合において、締付具２側に目盛り２ａをハウジング部３側に矢印３ｅを 刻設することにより、矢印３ｅに対して締付具２を目視で確認しながら回転する ことで、押圧体４のハウジング部３への進入量、即ちグランドパッキン１５の押 圧力を所定の圧力に調整することができ、特に、原子力発電所の配管に使用され るバルブのグランドパッキン１５を押圧する場合においては、、放射線による被 爆線量の増加を好適に阻止でき、その取扱が非常に容易である。 更に、長期間の使用により熱などでグランドパッキン１５が体積減量してグラ ンドパッキン１５の押圧が緩んだ場合にグランドパッキン１５の締め付け作業が 必要であり、この調整の際にも締付具２を目視で確認しながら回転することでグ ランドパッキン１５の押圧力を所定の圧力に調整することができる。 このように、本実施例では締付具２側に目盛り２ａをハウジング部３側に矢印 ３ｅを刻設することにより、矢印３ｅに対して締付具２を目視で確認しながら回 転することで、作業者の熟練度の差なく所定の押圧力が従来に比し、迅速に且つ 確実に調整でき、その取扱が非常に容易になるに至ったのである。

【００１４】 尚、上記実施例では、ダイヤル体７はグランドボルト１３の頭部に溶着したが 、ダイヤル体７は、例えばナットを回転して押圧力を調整する場合には、ナット に溶着してもよく、またはグランドボルト１３の六角部、若しくはナットの六角 部とダイヤル体７を一体に加工成形したものを使用してもよい。

【００１５】 尚、前記表示部は締付具２側の目盛り２ａとハウジング部３側の矢印３ｅとに 限らず、図４（イ）に示すように上記実施例とは逆にハウジング部３側のリング 体３ｃに目盛り３ｅを、ダイヤル７に矢印２ａを設けてもよく、また図４（ロ） に示すようにハウジング部３の上端外周に矢印３ｅを直接刻設してもよい。

【００１６】 更に、図４（ハ）に示すようにダイヤル体７の周方向に目盛り２ａを設け、押 圧体４には軸心方向に複数の目盛り４ｅを設けることにより、押圧体４の出退量 を調整することができる。 また、図４（ハ）に仮想線で示すように前記目盛り３ｅを有するリング体３ｃ を締付具２に溶着し、ハウジング部３には直接軸心方向に複数の目盛り４ｅを刻 設してもよい。 更に、表示部２ａ，３ｅは上記実施例では刻設したが、これに限らず目盛りあ るいは矢印を有するシール体を貼着してもよく、要は取付具２とハウジング部３ 側に目盛りが設けられていればよい。

【００１７】 尚、前記押圧体４はハウジング部３の上端部で締付部２に当接して設けられて いるので、ハウジング部３の下端部に設けられる場合に比し、ハウジング部３の 上面が傷つくことがない利点があるが、該押圧体４は下端部に設けても、押圧を 調整する上において、特に限定されるものでない。

【００１８】

【考察の効果】

叙上の様に、本考案の押圧装置は、締付具とハウジング部側とに、押圧を調整 するための表示部がそれぞれ設けられているので、ハウジング部側の表示部に対 して締付具の表示部を回転させることにより、回転による押圧力の調整が可能で 、従来のように締め付け時におけるスキマゲージ等の測定工具も不要で、且つ精 度の高いグランドパッキンの締め付けが行え、しかも迅速確実に熟練度による押 圧の調整差がなく、目視で締め付け押圧力を調整できる特別顕著な効果がある。 また、迅速確実に精庶の高いグランドパッキンの押圧調整作業がおこなえるの で、特に原子力発電の配管に使用されるバルブに装着して使用した場合に、放射 線による被爆線量の増加を好適に阻止できという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の押圧装置の取付け断面図。

【図２】本考案の押圧装置を示す断面図。

【図３】本実施例の要部正面図。

【図４】本考案の他の実施例を示し、 （イ），
（ロ），（ハ）は要部正面図

【図５】従来例の押圧装置の取付け断面図。

【符号の説明】

１・・押圧誌置 ２・・締付具 ３・・ハウジング部 ４・・押圧体 ９・・グランドパッキン押え

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山本 勲 兵庫県川西市大和東５丁目４番４号 (72)考案者 植田 浩央 奈良県生駒郡平群町下垣内141番地 (72)考案者 宮口 卓也 大阪府堺市戎島町１丁55−３ 戎島団地４ −807

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 出没自在な押圧体４を付勢する弾性体８
   が内装されたハウジング部３と、バルブ等の軸封用とし
   て弁棒１４に装着されたグランドパッキン１５を押圧す
   るために、回転によりハウジング部３内に押圧体４を進
   入させる締付具２とからなる押圧装置において、該締付
   具２とハウジング部３側とに、押圧を調整するために表
   示部２ａ，３ｅがそれぞれ設けられることを特徴とする
   バルブ等に於けるグランドパッキン押圧装置。
2. 【請求項２】 前記表示部２ａ，３ｅの一方が目盛り
   で、他方が表示用矢印からなる請求項１記載のバルブ等
   に於けるグランドパッキン押圧装置。