JPH06207933A - 石炭乾留生成物の歩留まり推定方法 - Google Patents
石炭乾留生成物の歩留まり推定方法Info
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- JPH06207933A JPH06207933A JP257493A JP257493A JPH06207933A JP H06207933 A JPH06207933 A JP H06207933A JP 257493 A JP257493 A JP 257493A JP 257493 A JP257493 A JP 257493A JP H06207933 A JPH06207933 A JP H06207933A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 石炭の灰分収支、元素収支に基づき、石炭の
元素分析値および灰分より、石炭乾留生成物歩留まりを
精度良く推定する方法を提供する。 【構成】 石炭中の灰分、石炭中の炭素、水素、酸素、
窒素、および硫黄の含有量、石炭の炭素と水素の原子数
比(H/C)、石炭の酸素と炭素の原子数比から石炭乾
留生成物歩留まりを推定する。
元素分析値および灰分より、石炭乾留生成物歩留まりを
精度良く推定する方法を提供する。 【構成】 石炭中の灰分、石炭中の炭素、水素、酸素、
窒素、および硫黄の含有量、石炭の炭素と水素の原子数
比(H/C)、石炭の酸素と炭素の原子数比から石炭乾
留生成物歩留まりを推定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭乾留生成物の歩留ま
りを推定し、コークス炉の操業管理、石炭の経済性評価
などを適切に行うための方法に関するものである。
りを推定し、コークス炉の操業管理、石炭の経済性評価
などを適切に行うための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冶金用コークス製造時の石炭の操業管理
を行うに当たり、石炭乾留生成物、即ち、コークス、タ
ール、粗軽油、ガス、安水の歩留まりを推定することは
適切な石炭の操業管理、石炭の経済性評価を行う上で重
要である。このような石炭乾留生成物歩留まり推定法は
従来当該石炭の揮発分(VM)によって行っていた。す
なわち石炭の揮発分が高くなるに従って、コークス歩留
まりは減少し、タール、粗軽油、ガス、安水の歩留まり
は増加する。
を行うに当たり、石炭乾留生成物、即ち、コークス、タ
ール、粗軽油、ガス、安水の歩留まりを推定することは
適切な石炭の操業管理、石炭の経済性評価を行う上で重
要である。このような石炭乾留生成物歩留まり推定法は
従来当該石炭の揮発分(VM)によって行っていた。す
なわち石炭の揮発分が高くなるに従って、コークス歩留
まりは減少し、タール、粗軽油、ガス、安水の歩留まり
は増加する。
【0003】また、(特開平3−239794)では、
石炭のVMに前記石炭の(酸素/炭素)の原子数比(O
/C)の影響を加味した推定法が提案された。これは同
じ石炭のVMでも石炭の(O/C)が増加するにつれ
て、コークス、タール、軽油の歩留まりが減少し、ガ
ス、安水の歩留まりが増加するというものである。
石炭のVMに前記石炭の(酸素/炭素)の原子数比(O
/C)の影響を加味した推定法が提案された。これは同
じ石炭のVMでも石炭の(O/C)が増加するにつれ
て、コークス、タール、軽油の歩留まりが減少し、ガ
ス、安水の歩留まりが増加するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−23979
4の方法は生成乾留ガスの歩留まりは推定は行っている
が、生成ガスの組成の推定はしていない。生成ガス中の
水素、メタンを高純度水素、LNGとして利用する際、
生成ガス中の水素、メタンの歩留まりも推定できるか望
ましい。また、コークス炉の操業管理、石炭の経済性評
価などをより適切に行うためには、推定精度が一層高い
ことが望ましい。
4の方法は生成乾留ガスの歩留まりは推定は行っている
が、生成ガスの組成の推定はしていない。生成ガス中の
水素、メタンを高純度水素、LNGとして利用する際、
生成ガス中の水素、メタンの歩留まりも推定できるか望
ましい。また、コークス炉の操業管理、石炭の経済性評
価などをより適切に行うためには、推定精度が一層高い
ことが望ましい。
【0005】従って本発明の目的は上述の問題を解消し
た石炭乾留物の歩留まり推定法を提供することにある。
た石炭乾留物の歩留まり推定法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は石炭乾留生成
物歩留まり推定法は元素収支、灰分収支に着目し鋭意検
討を行った。その結果、石炭乾留生成物中の灰分(AS
H)、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)の量は石炭
のASH,O,N,Sの一次関数として表せること、乾
留生成物中のC或いはHの量は石炭中のC或いはHと石
炭の芳香族性の因子としての石炭の水素と炭素の原子数
比(H/C)、および石炭の酸素官能基の因子としての
石炭の(O/C)から推定できることが分かった。石炭
中のSの代わりにJIS M 8813−1988によ
る全硫黄(TS)を用いてもよい。即ち、本発明の要旨
とすることろは、 (1)石炭の灰分含有量(ASH)、前記石炭の元素分
析値(炭素含有量(C)、水素含有量(H)、窒素含有
量(N)、酸素含有量(O)、硫黄含有量(S))およ
び前記石炭の炭素と水素の原子数比(H/C)と前記石
炭の酸素と炭素の原子数比(O/C)とに基づいて、前
記石炭の乾留生成物歩留まりを推定することを特徴とす
る石炭乾留生成物の歩留まり推定方法。
物歩留まり推定法は元素収支、灰分収支に着目し鋭意検
討を行った。その結果、石炭乾留生成物中の灰分(AS
H)、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)の量は石炭
のASH,O,N,Sの一次関数として表せること、乾
留生成物中のC或いはHの量は石炭中のC或いはHと石
炭の芳香族性の因子としての石炭の水素と炭素の原子数
比(H/C)、および石炭の酸素官能基の因子としての
石炭の(O/C)から推定できることが分かった。石炭
中のSの代わりにJIS M 8813−1988によ
る全硫黄(TS)を用いてもよい。即ち、本発明の要旨
とすることろは、 (1)石炭の灰分含有量(ASH)、前記石炭の元素分
析値(炭素含有量(C)、水素含有量(H)、窒素含有
量(N)、酸素含有量(O)、硫黄含有量(S))およ
び前記石炭の炭素と水素の原子数比(H/C)と前記石
炭の酸素と炭素の原子数比(O/C)とに基づいて、前
記石炭の乾留生成物歩留まりを推定することを特徴とす
る石炭乾留生成物の歩留まり推定方法。
【0007】(2)下記式によりコークス歩留まりを推
定することを特徴とする前記(1)に記載の石炭乾留生
成物の歩留まり推定方法 コークス歩留まり(kg/t dry coal)=a1 ・C(%d)+b1・H
(%d)+c1・O(%d)+d1・N(%d)+e1・S(%d)+f1・H/C(-)+g1
・O/C(-)+h1 ・ASH(%d)+i1 但し、a1=2.7, b1=-2.5, c1=0.9, d1=2.9, e1=4.6, f1=
-432.8, g1=-191.7,h1=10.0, i1=779.4 。
定することを特徴とする前記(1)に記載の石炭乾留生
成物の歩留まり推定方法 コークス歩留まり(kg/t dry coal)=a1 ・C(%d)+b1・H
(%d)+c1・O(%d)+d1・N(%d)+e1・S(%d)+f1・H/C(-)+g1
・O/C(-)+h1 ・ASH(%d)+i1 但し、a1=2.7, b1=-2.5, c1=0.9, d1=2.9, e1=4.6, f1=
-432.8, g1=-191.7,h1=10.0, i1=779.4 。
【0008】(3)下記式によりタール歩留まりを推定
することを特徴とする前記(1)に記載の石炭乾留生成
物の歩留まり推定方法 タール歩留まり(kg/t dry coal)=a2 ・C(%d)+b2・H(%
d)+c2・O(%d)+d2・N(%d)+e2・S(%d)+f2・H/C(-)+g2 ・O
/C(-)+i2 但し、a2=-1.3, b2=-1.1, c2=0.5, d2=0.8, e2=0.4, f2
=328.0, g2=-353.3,i2=-55.7 (4)下記式により粗軽油歩留まりを推定することを特
徴とする前記(1)に記載の石炭乾留生成物の歩留まり
推定方法 粗軽油歩留まり(kg/t dry coal)=a3 ・C(%d)+b3・H(%
d)+c3・O(%d)+d3・N(%d)+e3・S(%d)+f3・H/C(-)+g3 ・O
/C(-)+i3 但し、a3=0.0, b3=0.2, c3=0.0, d3=0.1, f3=31.4, g3=
12.2, i3=-11.3 (5)下記式によりガス歩留まりを推定することを特徴
とする前記(1)に記載の石炭乾留生成物の歩留まり推
定方法 ガス歩留まり(kg/t dry coal)=a4 ・C(%d)+b4・H(%d)+
c4・O(%d)+d4・N(%d)+e4・S(%d)+f4・H/C(-)+g4 ・O/C
(-)+i4 但し、a4=4.3, b4=18.8, c4=2.8, d4=4.3, e4=0.0, f4=
-26.3, g4=339.9,i4=-319.4 (6)下記式により安水歩留まりを推定することを特徴
とする前記(1)に記載の石炭乾留生成物の歩留まり推
定方法 安水歩留まり(kg/t dry coal)=a5 ・C(%d)+b5・H(%d)+
c5・O(%d)+d5・N(%d)+e5・S(%d)+f5・H/C(-)+g5 ・O/C
(-)+i5 但し、a5=0.0, b5=6.9, c5=5.4, d5=0.7, e5=0.1, f5=-
39.8, g5=93.3,i5=-5.1 にある。
することを特徴とする前記(1)に記載の石炭乾留生成
物の歩留まり推定方法 タール歩留まり(kg/t dry coal)=a2 ・C(%d)+b2・H(%
d)+c2・O(%d)+d2・N(%d)+e2・S(%d)+f2・H/C(-)+g2 ・O
/C(-)+i2 但し、a2=-1.3, b2=-1.1, c2=0.5, d2=0.8, e2=0.4, f2
=328.0, g2=-353.3,i2=-55.7 (4)下記式により粗軽油歩留まりを推定することを特
徴とする前記(1)に記載の石炭乾留生成物の歩留まり
推定方法 粗軽油歩留まり(kg/t dry coal)=a3 ・C(%d)+b3・H(%
d)+c3・O(%d)+d3・N(%d)+e3・S(%d)+f3・H/C(-)+g3 ・O
/C(-)+i3 但し、a3=0.0, b3=0.2, c3=0.0, d3=0.1, f3=31.4, g3=
12.2, i3=-11.3 (5)下記式によりガス歩留まりを推定することを特徴
とする前記(1)に記載の石炭乾留生成物の歩留まり推
定方法 ガス歩留まり(kg/t dry coal)=a4 ・C(%d)+b4・H(%d)+
c4・O(%d)+d4・N(%d)+e4・S(%d)+f4・H/C(-)+g4 ・O/C
(-)+i4 但し、a4=4.3, b4=18.8, c4=2.8, d4=4.3, e4=0.0, f4=
-26.3, g4=339.9,i4=-319.4 (6)下記式により安水歩留まりを推定することを特徴
とする前記(1)に記載の石炭乾留生成物の歩留まり推
定方法 安水歩留まり(kg/t dry coal)=a5 ・C(%d)+b5・H(%d)+
c5・O(%d)+d5・N(%d)+e5・S(%d)+f5・H/C(-)+g5 ・O/C
(-)+i5 但し、a5=0.0, b5=6.9, c5=5.4, d5=0.7, e5=0.1, f5=-
39.8, g5=93.3,i5=-5.1 にある。
【0009】
【作用】以下、その具体的な内容とともに作用について
詳細に示す。
詳細に示す。
【0010】石炭構成成分の分析値である灰分含有量
(ASH)、炭素含有量(C)、水素含有量(H)、酸
素含有量(O)、窒素含有量(N)、硫黄含有量(S)
は石炭の揮発分(VM)と同様に石炭の基本的な分析値
である。石炭乾留時に当該石炭中の灰分、炭素、水素、
酸素、窒素、硫黄が各乾留生成物(コークス、タール、
軽油、ガス、安水)中へどのように分配されるかについ
て調べたところ、乾燥石炭の重量を100としたコーク
ス中の灰分量は石炭の灰分含有量とほぼ等しいことが分
かった。乾燥石炭の重量を100とした各乾留生成物中
の酸素量、窒素量、硫黄量と石炭中の酸素含有量、窒素
含有量、硫黄含有量の間には正の関係があることも分か
った。図1は石炭の炭素含有量(重量%)とコークス中
の炭素の歩留まり(重量%)の関係を示す。コークス中
の炭素の歩留まりとは乾燥石炭を100とした時のコー
クス中の炭素の重量%である。石炭の炭素含有量が増加
するとコークス中の炭素の歩留まりが増加する。図2は
石炭の炭素含有量が78〜80%dの石炭の(H/C)
と乾燥石炭の重量を100としたコークス中の炭素の歩
留まり(%d)の関係である。石炭の(H/C)が増加
するとコークス中の炭素の歩留まりが減少する。またこ
の関係は石炭の酸素と炭素の原子数比(O/C)で異な
る。コークス中の水素の歩留まり(重量%)も同様に石
炭の水素含有量、石炭の(H/C)および(O/C)と
の関係式で示される。また、各乾留生成物中の酸素、窒
素、硫黄はそれぞれ石炭中の酸素含有量、窒素含有量、
硫黄含有量との回帰分析により算出する。酸素歩留まり
窒素歩留まり、硫黄歩留まりはそれぞれ乾燥石炭の重量
を100とした時の各乾留生成物中の酸素、窒素、硫黄
の重量%と定義する。乾燥炭の重量を100としたコー
クス中の灰分は石炭中の灰分含有量と同じとし、他の乾
留生成物中の灰分はゼロとする。各乾留生成物(コーク
ス、タール、軽油、各ガス成分(水素、窒素、メタン、
一酸化炭素、二酸化炭素、エチレン、エタン)、安水)
の歩留まり式はこれらの乾留生成物中の構成成分である
ASH,C,H,O,N,Sの推定式の総和として算出
するものである。なお、ガス歩留まりの推定式は、各ガ
ス成分の歩留まり式の総和として算出する。
(ASH)、炭素含有量(C)、水素含有量(H)、酸
素含有量(O)、窒素含有量(N)、硫黄含有量(S)
は石炭の揮発分(VM)と同様に石炭の基本的な分析値
である。石炭乾留時に当該石炭中の灰分、炭素、水素、
酸素、窒素、硫黄が各乾留生成物(コークス、タール、
軽油、ガス、安水)中へどのように分配されるかについ
て調べたところ、乾燥石炭の重量を100としたコーク
ス中の灰分量は石炭の灰分含有量とほぼ等しいことが分
かった。乾燥石炭の重量を100とした各乾留生成物中
の酸素量、窒素量、硫黄量と石炭中の酸素含有量、窒素
含有量、硫黄含有量の間には正の関係があることも分か
った。図1は石炭の炭素含有量(重量%)とコークス中
の炭素の歩留まり(重量%)の関係を示す。コークス中
の炭素の歩留まりとは乾燥石炭を100とした時のコー
クス中の炭素の重量%である。石炭の炭素含有量が増加
するとコークス中の炭素の歩留まりが増加する。図2は
石炭の炭素含有量が78〜80%dの石炭の(H/C)
と乾燥石炭の重量を100としたコークス中の炭素の歩
留まり(%d)の関係である。石炭の(H/C)が増加
するとコークス中の炭素の歩留まりが減少する。またこ
の関係は石炭の酸素と炭素の原子数比(O/C)で異な
る。コークス中の水素の歩留まり(重量%)も同様に石
炭の水素含有量、石炭の(H/C)および(O/C)と
の関係式で示される。また、各乾留生成物中の酸素、窒
素、硫黄はそれぞれ石炭中の酸素含有量、窒素含有量、
硫黄含有量との回帰分析により算出する。酸素歩留まり
窒素歩留まり、硫黄歩留まりはそれぞれ乾燥石炭の重量
を100とした時の各乾留生成物中の酸素、窒素、硫黄
の重量%と定義する。乾燥炭の重量を100としたコー
クス中の灰分は石炭中の灰分含有量と同じとし、他の乾
留生成物中の灰分はゼロとする。各乾留生成物(コーク
ス、タール、軽油、各ガス成分(水素、窒素、メタン、
一酸化炭素、二酸化炭素、エチレン、エタン)、安水)
の歩留まり式はこれらの乾留生成物中の構成成分である
ASH,C,H,O,N,Sの推定式の総和として算出
するものである。なお、ガス歩留まりの推定式は、各ガ
ス成分の歩留まり式の総和として算出する。
【0011】コークス歩留まりは下記(1)式により算
出される。ここでコークス歩留まりは乾燥炭の重量を1
00とした時のコークスの重量%と定義する。
出される。ここでコークス歩留まりは乾燥炭の重量を1
00とした時のコークスの重量%と定義する。
【0012】コークス歩留まり(kg/t dry coal)=a1 ・
C(%d)+b1・H(%d)+c1・O(%d)+d1・N(%d)+e1・S(%d)+f1・
H/C(-)+g1 ・O/C(-)+h1 ・ASH(%d)+i1 ... (1) 但し、a1=2.7, b1=-2.5, c1=0.9, d1=2.9, e1=4.6, f1=
-432.8, g1=-191.7, h1=10.0, i1=779.4。また%dと
は、乾燥炭の重量を基準とした重量%である。(H/
C)および(O/C)は石炭の水素と炭素の原子数比お
よび酸素と炭素の原子数比である。
C(%d)+b1・H(%d)+c1・O(%d)+d1・N(%d)+e1・S(%d)+f1・
H/C(-)+g1 ・O/C(-)+h1 ・ASH(%d)+i1 ... (1) 但し、a1=2.7, b1=-2.5, c1=0.9, d1=2.9, e1=4.6, f1=
-432.8, g1=-191.7, h1=10.0, i1=779.4。また%dと
は、乾燥炭の重量を基準とした重量%である。(H/
C)および(O/C)は石炭の水素と炭素の原子数比お
よび酸素と炭素の原子数比である。
【0013】タール歩留まりは下記(2)式により算出
される。ここでタール歩留まりとは乾燥炭の重量を10
0とした時のタールの重量%と定義する。
される。ここでタール歩留まりとは乾燥炭の重量を10
0とした時のタールの重量%と定義する。
【0014】タール歩留まり(kg/t dry coal)=a2 ・C
(%d)+b2・H(%d)+c2・O(%d)+d2・N(%d)+e2・S(%d)+f2・H
/C(-)+g2 ・O/C(-)+i2 ... (2) 但し、a2=-1.3, b2=-1.1, c2=0.5, d2=0.8, e2=0.4, f2
=328.0, g2=-353.3, i2=-55.7 。
(%d)+b2・H(%d)+c2・O(%d)+d2・N(%d)+e2・S(%d)+f2・H
/C(-)+g2 ・O/C(-)+i2 ... (2) 但し、a2=-1.3, b2=-1.1, c2=0.5, d2=0.8, e2=0.4, f2
=328.0, g2=-353.3, i2=-55.7 。
【0015】粗軽油歩留まりは下記(3)式により算出
される。ここで粗軽油歩留まりとは乾燥炭の重量を10
0とした時の粗軽油の重量%と定義する。
される。ここで粗軽油歩留まりとは乾燥炭の重量を10
0とした時の粗軽油の重量%と定義する。
【0016】粗軽油歩留まり(kg/t dry coal)=a3 ・C
(%d)+b3・H(%d)+c3・O(%d)+d3・N(%d)+e3・S(%d)+f3・H
/C(-)+g3 ・O/C(-)+i3 ... (3) 但し、a3=0.0, b3=0.2, c3=0.0, d3=0.1, f3=31.4, g3=
12.2, i3=-11.3 ガス歩留まりは下記(4)式により算出される。ここで
ガス歩留まりは乾燥炭の重量を100とした時のガスの
重量%と定義する。
(%d)+b3・H(%d)+c3・O(%d)+d3・N(%d)+e3・S(%d)+f3・H
/C(-)+g3 ・O/C(-)+i3 ... (3) 但し、a3=0.0, b3=0.2, c3=0.0, d3=0.1, f3=31.4, g3=
12.2, i3=-11.3 ガス歩留まりは下記(4)式により算出される。ここで
ガス歩留まりは乾燥炭の重量を100とした時のガスの
重量%と定義する。
【0017】ガス歩留まり(kg/t dry coal)=a4 ・C(%
d)+b4・H(%d)+c4・O(%d)+d4・N(%d)+e4・S(%d)+f4・H/C
(-)+g4 ・O/C(-)+i4 ... (4) 安水歩留まりは下記(5)式により算出される。ここで
安水歩留まりとは乾燥炭の重量を100とした時の生成
安水量から石炭中の水分を差し引いた値(重量%)と定
義する。
d)+b4・H(%d)+c4・O(%d)+d4・N(%d)+e4・S(%d)+f4・H/C
(-)+g4 ・O/C(-)+i4 ... (4) 安水歩留まりは下記(5)式により算出される。ここで
安水歩留まりとは乾燥炭の重量を100とした時の生成
安水量から石炭中の水分を差し引いた値(重量%)と定
義する。
【0018】安水歩留まり(kg/t dry coal)=a5 ・C(%
d)+b5・H(%d)+c5・O(%d)+d5・N(%d)+e5・S(%d)+f5・H/C
(-)+g5 ・O/C(-)+i5 ... (5) (1)〜(5)式で石炭の硫黄含有量の代わりに石炭の
全硫黄(JIS M 8813−1988)を用いても
良い。この場合(1)式中の係数が一部異なり、e1=3.
6, i1=779.4であった。
d)+b5・H(%d)+c5・O(%d)+d5・N(%d)+e5・S(%d)+f5・H/C
(-)+g5 ・O/C(-)+i5 ... (5) (1)〜(5)式で石炭の硫黄含有量の代わりに石炭の
全硫黄(JIS M 8813−1988)を用いても
良い。この場合(1)式中の係数が一部異なり、e1=3.
6, i1=779.4であった。
【0019】
【実施例1】図10に示す石炭乾留試験装置で石炭乾留
生成物の歩留まりを推定した結果を図3〜図7に示す。
図8はガス中のメタン歩留まりの推定値と実測値の関係
を示すグラフである。図9はガス中の水素の歩留まりの
推定値と実測値の関係を示すグラフである。実測値とそ
の推定値はほぼ一致している。乾留は室温から1000
℃まで加熱して行った。また、石炭の乾留生成物の歩留
まり推定における従来法と本法の推定誤差の比較を表1
に示す。従来法は特開平3−239794の方法で推定
した。本発明の方法により、従来法より精度良く石炭乾
留生成物歩留まりを推定することができた。
生成物の歩留まりを推定した結果を図3〜図7に示す。
図8はガス中のメタン歩留まりの推定値と実測値の関係
を示すグラフである。図9はガス中の水素の歩留まりの
推定値と実測値の関係を示すグラフである。実測値とそ
の推定値はほぼ一致している。乾留は室温から1000
℃まで加熱して行った。また、石炭の乾留生成物の歩留
まり推定における従来法と本法の推定誤差の比較を表1
に示す。従来法は特開平3−239794の方法で推定
した。本発明の方法により、従来法より精度良く石炭乾
留生成物歩留まりを推定することができた。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例2】表2に炉幅450mmのコークス炉で、炉
温1167℃、乾留時間20時間、装入炭量24.2t
乾燥炭/窯の乾留条件において、揮発分27%dの配合
炭を乾留した時の従来法(特開平3−239794)と
本発明の方法の石炭乾留生成物歩留まりの推定値とその
実測値の比較を示す。表2に示すように、従来法に比べ
て本発明の方法は実測値との差が少ない。即ち、コーク
ス炉操業管理に本発明の方法を用いれば、石炭乾留歩留
まりに関する操業管理をより適切に行う事ができた。
温1167℃、乾留時間20時間、装入炭量24.2t
乾燥炭/窯の乾留条件において、揮発分27%dの配合
炭を乾留した時の従来法(特開平3−239794)と
本発明の方法の石炭乾留生成物歩留まりの推定値とその
実測値の比較を示す。表2に示すように、従来法に比べ
て本発明の方法は実測値との差が少ない。即ち、コーク
ス炉操業管理に本発明の方法を用いれば、石炭乾留歩留
まりに関する操業管理をより適切に行う事ができた。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば石炭乾留生成物の歩留まりを生成ガスの各成分の歩留
まりとともに精度良く推定でき、コークス炉の操業管理
などを適切に行うことができ、技術的、経済的効果が大
きい。
ば石炭乾留生成物の歩留まりを生成ガスの各成分の歩留
まりとともに精度良く推定でき、コークス炉の操業管理
などを適切に行うことができ、技術的、経済的効果が大
きい。
【図1】乾燥石炭の重量を100とした石炭の炭素含有
量(重量%)と乾燥石炭の重量を100としたコークス
中の炭素の歩留まり(重量%)の関係を示すグラフ。
量(重量%)と乾燥石炭の重量を100としたコークス
中の炭素の歩留まり(重量%)の関係を示すグラフ。
【図2】石炭の炭素含有量が78〜80%dの石炭の
(H/C)とコークス中の炭素の歩留まり(%d)の関
係を示すグラフ。
(H/C)とコークス中の炭素の歩留まり(%d)の関
係を示すグラフ。
【図3】本発明の方法により算出したコークス歩留まり
の推定値とその実測値の関係を示すグラフ。
の推定値とその実測値の関係を示すグラフ。
【図4】本発明の方法により算出したタール歩留まりの
推定値とその実測値の関係を示すグラフ。
推定値とその実測値の関係を示すグラフ。
【図5】本発明の方法により算出した粗軽油歩留まりの
推定値とその実測値の関係を示すグラフ。
推定値とその実測値の関係を示すグラフ。
【図6】本発明の方法により算出したガス歩留まりの推
定値とその実測値の関係を示すグラフ。
定値とその実測値の関係を示すグラフ。
【図7】本発明の方法により算出した安水歩留まりの推
定値とその実測値の関係を示すグラフ。
定値とその実測値の関係を示すグラフ。
【図8】ガス中のメタン歩留まりの推定値と実測値の関
係を示すグラフ。
係を示すグラフ。
【図9】ガス中の水素の歩留まりの推定値と実測値の関
係を示すグラフ。
係を示すグラフ。
【図10】石炭乾留装置例の概略図。
Claims (6)
- 【請求項1】 石炭の灰分含有量(ASH)、前記石炭
の元素分析値(炭素含有量(C)、水素含有量(H)、
窒素含有量(N)、酸素含有量(O)、硫黄含有量
(S))および前記石炭の炭素と水素の原子数比(H/
C)と前記石炭の酸素と炭素との原子数比(O/C)と
に基づいて、石炭の乾留生成物歩留まりを推定すること
を特徴とする石炭乾留生成物の歩留まり推定方法。 - 【請求項2】 下記式によりコークス歩留まりを推定す
ることを特徴とする請求項1に記載の石炭乾留生成物の
歩留まり推定方法 コークス歩留まり(kg/t dry coal)=a1 ・C(%d)+b1・H
(%d)+c1・O(%d)+d1・N(%d)+e1・S(%d)+f1・H/C(-)+g1
・O/C(-)+h1 ・ASH(%d)+i1 但し、a1=2.7, b1=-2.5, c1=0.9, d1=2.9, e1=4.6, f1=
-432.8, g1=-191.7,h1=10.0, i1=779.4 - 【請求項3】下記式によりタール歩留まりを推定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の石炭乾留生成物の歩留
まり推定方法 タール歩留まり(kg/t dry coal)=a2 ・C(%d)+b2・H(%
d)+c2・O(%d)+d2・N(%d)+e2・S(%d)+f2・H/C(-)+g2 ・O
/C(-)+i2 但し、a2=-1.3, b2=-1.1, c2=0.5, d2=0.8, e2=0.4, f2
=328.0, g2=-353.3,i2=-55.7 - 【請求項4】 下記式により粗軽油歩留まりを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭乾留生成物の歩
留まりの推定方法 粗軽油歩留まり(kg/t dry coal)=a3 ・C(%d)+b3・H(%
d)+c3・O(%d)+d3・N(%d)+e3・S(%d)+f3・H/C(-)+g3 ・O
/C(-)+i3 但し、a3=0.0, b3=0.2, c3=0.0, d3=0.1, e3=0.1, f3=3
1.4, g3=12.2, i3=-11.3 - 【請求項5】 下記式によりガス歩留まりを推定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の石炭乾留生成物の歩留
まり推定方法 ガス歩留まり(kg/t dry coal)=a4 ・C(%d)+b4・H(%d)+
c4・O(%d)+d4・N(%d)+e4・S(%d)+f4・H/C(-)+g4 ・O/C
(-)+i4 但し、a4=4.3, b4=18.8, c4=2.8, d4=4.3, e4=0.0, f4=
-26.3, g4=339.9,i4=-319.4 - 【請求項6】 下記式により安水歩留まりを推定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の石炭乾留生成物の歩留
まり推定方法 安水歩留まり(kg/t dry coal)=a5 ・C(%d)+b5・H(%d)+
c5・O(%d)+d5・N(%d)+e5・S(%d)+f5・H/C(-)+g5 ・O/C
(-)+i5 但し、a5=0.0, b5=6.9, c5=5.4, d5=0.7, e5=0.1, f5=-
39.8, g5=93.3,i5=5.1
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP257493A JPH06207933A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 石炭乾留生成物の歩留まり推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP257493A JPH06207933A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 石炭乾留生成物の歩留まり推定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207933A true JPH06207933A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11533149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP257493A Withdrawn JPH06207933A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | 石炭乾留生成物の歩留まり推定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06207933A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009074048A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-04-09 | Jfe Steel Kk | 冶金用コークスの製造方法 |
JP2011148924A (ja) * | 2010-01-22 | 2011-08-04 | Nippon Steel Corp | コークス炉ガス歩留りの推定方法及びコークスの製造方法 |
JP2014062152A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 乾留炭の製造方法、高炉の操業方法、およびボイラの運転方法 |
KR101412405B1 (ko) * | 2012-07-30 | 2014-06-25 | 현대제철 주식회사 | 코크스 공정의 타르 수율 예측방법 |
KR101412368B1 (ko) * | 2012-07-30 | 2014-06-25 | 현대제철 주식회사 | 코크스 공정의 조경유 수율 예측방법 |
CN104680003A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 中原工学院 | 一种水热焦产率的预测方法 |
JP2020197453A (ja) * | 2019-06-03 | 2020-12-10 | 日本製鉄株式会社 | コークス中の窒素濃度の推定方法及びコークスの製造方法 |
-
1993
- 1993-01-11 JP JP257493A patent/JPH06207933A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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