JPH06207010A - 導電性有機重合体の製造方法 - Google Patents
導電性有機重合体の製造方法Info
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- JPH06207010A JPH06207010A JP350893A JP350893A JPH06207010A JP H06207010 A JPH06207010 A JP H06207010A JP 350893 A JP350893 A JP 350893A JP 350893 A JP350893 A JP 350893A JP H06207010 A JPH06207010 A JP H06207010A
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】イミノ−p−フェニレン型のポリアニリンを含
む安定な溶液状の有機重合体組成物を用いて、上記ポリ
アニリンを酸化すると共に、プロトン酸にてドーピング
して、効率的に高導電性のポリアニリンフイルムを得る
方法を提供することにある。 【構成】本発明による導電性有機重合体の製造方法は、
(a) 一般式 【化1】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を主たる
繰返し単位として有する有機重合体と、(b) プロトン酸
のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロト
ン酸塩とを含む有機重合体組成物を酸化剤にて処理し
て、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上記有機重合体
にドーピングすることを特徴とする。又は、上記有機重
合体とプロトン酸塩と酸化剤とを含む有機重合体組成物
を熱処理して、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上記
有機重合体にドーピングすることを特徴とする。
む安定な溶液状の有機重合体組成物を用いて、上記ポリ
アニリンを酸化すると共に、プロトン酸にてドーピング
して、効率的に高導電性のポリアニリンフイルムを得る
方法を提供することにある。 【構成】本発明による導電性有機重合体の製造方法は、
(a) 一般式 【化1】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を主たる
繰返し単位として有する有機重合体と、(b) プロトン酸
のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロト
ン酸塩とを含む有機重合体組成物を酸化剤にて処理し
て、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上記有機重合体
にドーピングすることを特徴とする。又は、上記有機重
合体とプロトン酸塩と酸化剤とを含む有機重合体組成物
を熱処理して、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上記
有機重合体にドーピングすることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性有機重合体の製
造方法に関し、詳しくは、イミノ−p−フェニレン型
(還元型)のポリアニリンを含む安定な溶液状の有機重
合体組成物を用いて、効率的に高導電性のポリアニリン
からなるフイルムを製造する方法に関する。
造方法に関し、詳しくは、イミノ−p−フェニレン型
(還元型)のポリアニリンを含む安定な溶液状の有機重
合体組成物を用いて、効率的に高導電性のポリアニリン
からなるフイルムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリアニリンといわれる導電性
有機重合体は、一般式(II)
有機重合体は、一般式(II)
【0003】
【化5】
【0004】で表わされるキノンジイミン構造単位及び
フェニレンジアミン構造単位を主たる繰返し単位として
有するキノンジイミン・フェニレンジアミン型(酸化
型)のポリアニリンがプロトン酸にてドーピングされて
いるものである。一般には、このようなポリアニリンに
おけるキノンジイミン構造単位中の窒素のプロトン化が
導電性の発現に必須であるといわれている。ここに、m
及びnはそれぞれ繰返し単位中のキノンジイミン構造単
位及びフェニレンジアミン構造単位のモル分率を示し、
0<m<1、0<n<1、m+n=1である。
フェニレンジアミン構造単位を主たる繰返し単位として
有するキノンジイミン・フェニレンジアミン型(酸化
型)のポリアニリンがプロトン酸にてドーピングされて
いるものである。一般には、このようなポリアニリンに
おけるキノンジイミン構造単位中の窒素のプロトン化が
導電性の発現に必須であるといわれている。ここに、m
及びnはそれぞれ繰返し単位中のキノンジイミン構造単
位及びフェニレンジアミン構造単位のモル分率を示し、
0<m<1、0<n<1、m+n=1である。
【0005】このような導電性ポリアニリンからなるフ
イルムは、例えば、特開平3−28229号公報に記載
されているように、溶剤可溶性のキノンジイミン・フェ
ニレンジアミン型ポリアニリンを適当な溶剤に溶解さ
せ、キャステイングし、乾燥させて、フイルムとした
後、プロトン酸水溶液に浸漬して、ドーピング処理(プ
ロトン酸ドーピング)することによつて得ることができ
る。
イルムは、例えば、特開平3−28229号公報に記載
されているように、溶剤可溶性のキノンジイミン・フェ
ニレンジアミン型ポリアニリンを適当な溶剤に溶解さ
せ、キャステイングし、乾燥させて、フイルムとした
後、プロトン酸水溶液に浸漬して、ドーピング処理(プ
ロトン酸ドーピング)することによつて得ることができ
る。
【0006】しかし、このように、溶剤可溶性のキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンのフイル
ムを調製した後、これをプロトン酸にてドープするに
は、従来、通常、長時間を要する。即ち、ドープ時間
は、用いるプロトン酸の種類、ポリアニリンフイルムの
膜厚や多孔性等の物性によつても種々に異なるが、例え
ば、20μm程度のポリアニリンフイルムの場合、1S
/cm以上の電導度を有せしめるためには、塩酸水溶液中
に数時間浸漬することを必要とする。酸としてp−トル
エンスルホン酸を用いる場合は、数日間を必要とするこ
ともある。また、1,5−ナフタレンジスルホン酸のよう
な分子量の大きい酸を用いるときは、更に、長時間を要
することがある。
ジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンのフイル
ムを調製した後、これをプロトン酸にてドープするに
は、従来、通常、長時間を要する。即ち、ドープ時間
は、用いるプロトン酸の種類、ポリアニリンフイルムの
膜厚や多孔性等の物性によつても種々に異なるが、例え
ば、20μm程度のポリアニリンフイルムの場合、1S
/cm以上の電導度を有せしめるためには、塩酸水溶液中
に数時間浸漬することを必要とする。酸としてp−トル
エンスルホン酸を用いる場合は、数日間を必要とするこ
ともある。また、1,5−ナフタレンジスルホン酸のよう
な分子量の大きい酸を用いるときは、更に、長時間を要
することがある。
【0007】また、別の方法としては、上記したような
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
の溶液にp−トルエンスルホン酸を溶解させて、ドープ
状態のポリアニリン溶液を調製し、かかる溶液をキヤス
テイングし、乾燥させ、導電性フイルムを得ることもで
きる。しかしながら、このように、ドープ状態で且つ溶
剤に可溶性のキノンジイミン・フェニレンジアミン型の
ポリアニリンを得るために用いることができるプロトン
酸は限られているうえに、一般に、ドープ状態のポリア
ニリンは、脱ドープ状態のポリアニリンに比べて、著し
く溶解性が低く、特に、1,5−ナフタレンジスルホン酸
のような多価酸は、その溶解性を極端に低下させる。更
に、このような溶液が不安定であることも、工業上、そ
の利用を展開するうえで不利である。
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
の溶液にp−トルエンスルホン酸を溶解させて、ドープ
状態のポリアニリン溶液を調製し、かかる溶液をキヤス
テイングし、乾燥させ、導電性フイルムを得ることもで
きる。しかしながら、このように、ドープ状態で且つ溶
剤に可溶性のキノンジイミン・フェニレンジアミン型の
ポリアニリンを得るために用いることができるプロトン
酸は限られているうえに、一般に、ドープ状態のポリア
ニリンは、脱ドープ状態のポリアニリンに比べて、著し
く溶解性が低く、特に、1,5−ナフタレンジスルホン酸
のような多価酸は、その溶解性を極端に低下させる。更
に、このような溶液が不安定であることも、工業上、そ
の利用を展開するうえで不利である。
【0008】更に、特開平3−52929号公報には、
一般式(I)
一般式(I)
【0009】
【化6】
【0010】で表わされるイミノ−p−フェニレン構造
単位を主たる繰返し単位として有するイミノ−p−フェ
ニレン型(還元型)ポリアニリンを溶剤に溶解させ、こ
れに適当な酸化剤を加えた後、キャステイングし、製膜
し、導電性ポリアニリンフイルムを得ることが記載され
ている。この方法によれば、上記イミノ−p−フェニレ
ン型ポリアニリンは、酸化されて、キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型ポリアニリンに変換される。この場
合も、酸化剤のアニオンがポリアニリン中にドープされ
ている。このときのドーピングは、酸化反応を伴うの
で、通常、酸化ドーピングと呼ばれている。
単位を主たる繰返し単位として有するイミノ−p−フェ
ニレン型(還元型)ポリアニリンを溶剤に溶解させ、こ
れに適当な酸化剤を加えた後、キャステイングし、製膜
し、導電性ポリアニリンフイルムを得ることが記載され
ている。この方法によれば、上記イミノ−p−フェニレ
ン型ポリアニリンは、酸化されて、キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型ポリアニリンに変換される。この場
合も、酸化剤のアニオンがポリアニリン中にドープされ
ている。このときのドーピングは、酸化反応を伴うの
で、通常、酸化ドーピングと呼ばれている。
【0011】しかし、このようなポリアニリン溶液も、
ドープ状態のキノンジイミン・フェニレンジアミン型ポ
リアニリンに変換されているので、溶液の安定性に問題
がある。そこで、この溶液の安定性を改善するために、
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
溶液にフエニルヒドラジン等の還元剤を加え、イミノ−
p−フェニレン型ポリアニリンに変換し、溶液の溶解性
を向上させた後、ドーパントを加える方法も提案されて
いる。しかし、このように、ドーパントを含有したイミ
ノ−p−フェニレン型ポリアニリン溶液から得られるフ
イルムは、イミノ−p−フェニレン構造が主体であるた
め、前記したキノンジイミン構造が少なく、導電性を発
現するには、イミノ−p−フェニレン構造が酸化され
て、キノンジイミン構造に変換されることが必要であ
る。このような酸化反応は、例えば、空気中の酸素によ
る場合は、膜厚20μm程度のフイルムについて、1週
間程度を必要とすることがあり、このように、導電性の
発現までに長時間を必要とすることは、工業上、非常に
不利である。
ドープ状態のキノンジイミン・フェニレンジアミン型ポ
リアニリンに変換されているので、溶液の安定性に問題
がある。そこで、この溶液の安定性を改善するために、
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
溶液にフエニルヒドラジン等の還元剤を加え、イミノ−
p−フェニレン型ポリアニリンに変換し、溶液の溶解性
を向上させた後、ドーパントを加える方法も提案されて
いる。しかし、このように、ドーパントを含有したイミ
ノ−p−フェニレン型ポリアニリン溶液から得られるフ
イルムは、イミノ−p−フェニレン構造が主体であるた
め、前記したキノンジイミン構造が少なく、導電性を発
現するには、イミノ−p−フェニレン構造が酸化され
て、キノンジイミン構造に変換されることが必要であ
る。このような酸化反応は、例えば、空気中の酸素によ
る場合は、膜厚20μm程度のフイルムについて、1週
間程度を必要とすることがあり、このように、導電性の
発現までに長時間を必要とすることは、工業上、非常に
不利である。
【0012】このような問題を解決するために、特開平
3−285983号公報には、キノンジイミン・フェニ
レンジアミン型のポリアニリン溶液にプロトン酸のアン
モニウム塩又は有機アミン塩を溶解させる方法が提案さ
れている。この溶液中においては、プロトン酸は、アン
モニウム又は有機アミンによつて中和されており、従つ
て、ポリアニリンはドープ状態に至ることなく、脱ドー
プ状態にあるので、その溶液は比較的安定性にすぐれて
いる。そこで、この溶液を適宜の基材に塗布した後、乾
燥させることによつて、揮発性の高いアンモニアや有機
アミンを揮発させ、他方、揮発性の低いプロトン酸をポ
リアニリンの薄膜中に残存させ、かくして、ポリアニリ
ンをドープ状態として、導電性のフイルムを得るもので
ある。この方法によれば、キノンジイミン・フェニレン
ジアミン型のポリアニリンを用いているために、上記乾
燥直後にポリアニリンフイルムは導電性を有する。
3−285983号公報には、キノンジイミン・フェニ
レンジアミン型のポリアニリン溶液にプロトン酸のアン
モニウム塩又は有機アミン塩を溶解させる方法が提案さ
れている。この溶液中においては、プロトン酸は、アン
モニウム又は有機アミンによつて中和されており、従つ
て、ポリアニリンはドープ状態に至ることなく、脱ドー
プ状態にあるので、その溶液は比較的安定性にすぐれて
いる。そこで、この溶液を適宜の基材に塗布した後、乾
燥させることによつて、揮発性の高いアンモニアや有機
アミンを揮発させ、他方、揮発性の低いプロトン酸をポ
リアニリンの薄膜中に残存させ、かくして、ポリアニリ
ンをドープ状態として、導電性のフイルムを得るもので
ある。この方法によれば、キノンジイミン・フェニレン
ジアミン型のポリアニリンを用いているために、上記乾
燥直後にポリアニリンフイルムは導電性を有する。
【0013】本発明者らは、この方法の実用的な応用展
開を図る過程において、更に研究した結果、上記した方
法によれば、乾燥後のポリアニリンフイルムは、ポリア
ニリンの有する導電性を必ずしも十分に発現していない
ことを見出した。更に、上記ポリアニリン溶液は、脱ド
ープ状態にあるので、ドープ状態に比べて、安定性はよ
いが、本来、キノンジイミン・フェニレンジアミン型の
ポリアニリン溶液はゲル化しやすいので、実用的な安定
性は未だ十分とはいえない。
開を図る過程において、更に研究した結果、上記した方
法によれば、乾燥後のポリアニリンフイルムは、ポリア
ニリンの有する導電性を必ずしも十分に発現していない
ことを見出した。更に、上記ポリアニリン溶液は、脱ド
ープ状態にあるので、ドープ状態に比べて、安定性はよ
いが、本来、キノンジイミン・フェニレンジアミン型の
ポリアニリン溶液はゲル化しやすいので、実用的な安定
性は未だ十分とはいえない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
た方法において、キノンジイミン・フェニレンジアミン
型(酸化型)のポリアニリンに代えて、キノンジイミン
・フェニレンジアミン型のポリアニリンに比べて、溶解
性が高く、更に、ゲル化し難いイミノ−p−フェニレン
型(還元型)のポリアニリンを用いることによつて、よ
り効率的にプロトン酸のアンモニウム塩又は有機アミン
塩中のプロトン酸をポリアニリンにドーピングすること
ができ、結果として、導電性の高いポリアニリンを得る
ことができると共に、溶液の安定性の高いポリアニリン
溶液を調製することができることを見出して、本発明に
至つたものである。
た方法において、キノンジイミン・フェニレンジアミン
型(酸化型)のポリアニリンに代えて、キノンジイミン
・フェニレンジアミン型のポリアニリンに比べて、溶解
性が高く、更に、ゲル化し難いイミノ−p−フェニレン
型(還元型)のポリアニリンを用いることによつて、よ
り効率的にプロトン酸のアンモニウム塩又は有機アミン
塩中のプロトン酸をポリアニリンにドーピングすること
ができ、結果として、導電性の高いポリアニリンを得る
ことができると共に、溶液の安定性の高いポリアニリン
溶液を調製することができることを見出して、本発明に
至つたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による導電性有機
重合体の製造方法の第1は、(a) 一般式(I)
重合体の製造方法の第1は、(a) 一般式(I)
【0016】
【化7】
【0017】で表わされるイミノ−p−フェニレン構造
単位を主たる繰返し単位として有する有機重合体と、
(b) プロトン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩から
選ばれるプロトン酸塩とを含む有機重合体組成物を酸化
剤にて処理して、上記ポリアニリンを酸化すると共に、
上記プロトン酸塩中のプロトン酸にてドーピングするこ
とを特徴とする。
単位を主たる繰返し単位として有する有機重合体と、
(b) プロトン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩から
選ばれるプロトン酸塩とを含む有機重合体組成物を酸化
剤にて処理して、上記ポリアニリンを酸化すると共に、
上記プロトン酸塩中のプロトン酸にてドーピングするこ
とを特徴とする。
【0018】本発明による導電性有機重合体の製造方法
の第2は、上記有機重合体組成物が上記有機重合体とプ
ロトン酸塩と共に、酸化触媒を含むものである。本発明
による導電性有機重合体の製造方法の第3によれば、上
記有機重合体組成物が上記有機重合体とプロトン酸塩と
共に、酸化剤を含み、そのような組成物を熱処理し、そ
の際に、上記酸化剤の酸化作用を発現させて、上記ポリ
アニリンを酸化すると共に、上記プロトン酸塩中のプロ
トン酸にてドーピングすることを特徴とする。
の第2は、上記有機重合体組成物が上記有機重合体とプ
ロトン酸塩と共に、酸化触媒を含むものである。本発明
による導電性有機重合体の製造方法の第3によれば、上
記有機重合体組成物が上記有機重合体とプロトン酸塩と
共に、酸化剤を含み、そのような組成物を熱処理し、そ
の際に、上記酸化剤の酸化作用を発現させて、上記ポリ
アニリンを酸化すると共に、上記プロトン酸塩中のプロ
トン酸にてドーピングすることを特徴とする。
【0019】本発明による導電性有機重合体の製造方法
の第4は、上記有機重合体組成物が上記有機重合体とプ
ロトン酸塩と共に、酸化剤と酸化触媒とを含むものであ
る。本発明において用いるポリアニリンは、前記一般式
(I)で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を
主たる繰返し単位として有する還元型のポリアニリンで
あつて、脱ドープ状態において有機溶剤に可溶性の有機
重合体である。本発明によれば、得られる導電性ポリア
ニリンフイルムの強度等を考慮して、上記イミノ−p−
フェニレン型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピロリ
ドン中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.40dl/
g以上であることが好ましい。
の第4は、上記有機重合体組成物が上記有機重合体とプ
ロトン酸塩と共に、酸化剤と酸化触媒とを含むものであ
る。本発明において用いるポリアニリンは、前記一般式
(I)で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を
主たる繰返し単位として有する還元型のポリアニリンで
あつて、脱ドープ状態において有機溶剤に可溶性の有機
重合体である。本発明によれば、得られる導電性ポリア
ニリンフイルムの強度等を考慮して、上記イミノ−p−
フェニレン型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピロリ
ドン中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.40dl/
g以上であることが好ましい。
【0020】このようなポリアニリンは、特開平3−5
2929号公報に詳細に記載されているように、一般式
(II)
2929号公報に詳細に記載されているように、一般式
(II)
【0021】
【化8】
【0022】(式中、m及びnはそれぞれ繰返し単位中
のキノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構造
単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m+
n=1である。)で表わされるキノンジイミン構造単位
及びフェニレンジアミン構造単位を主たる繰返し単位と
して有する酸化型のポリアニリンであつて、脱ドープ状
態において有機溶剤に可溶性であるポリアニリンを還元
剤にて還元することによつて得ることができる。
のキノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構造
単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m+
n=1である。)で表わされるキノンジイミン構造単位
及びフェニレンジアミン構造単位を主たる繰返し単位と
して有する酸化型のポリアニリンであつて、脱ドープ状
態において有機溶剤に可溶性であるポリアニリンを還元
剤にて還元することによつて得ることができる。
【0023】上記還元剤としては、フェニルヒドラジ
ン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム
アルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化
金属化合物等が好適に用いられる。還元反応後に残渣を
生じないので、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジ
ンが還元剤として特に好ましく用いられる。
ン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム
アルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化
金属化合物等が好適に用いられる。還元反応後に残渣を
生じないので、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジ
ンが還元剤として特に好ましく用いられる。
【0024】本発明において用いる前記プロトン酸塩
は、好ましくは、酸解離定数pKa 値が4.8以下である有
機酸の塩である。このような有機酸の塩としては、脂肪
族、芳香族、芳香脂肪族、脂環式等の一又は多塩基酸の
塩を含む。このような有機酸は、水酸基、ハロゲン、ニ
トロ基、シアノ基、アミノ基等を有していてもよい。従
つて、かかる有機酸の具体例として、例えば、酢酸、n
−酪酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタフルオ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、モノフルオロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ
酢酸、シアノ酢酸、アセチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフ
エニル酢酸、ギ酸、シユウ酸、安息香酸、m−ブロモ安
息香酸、p−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p
−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、2,4−ジニト
ロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ピクリン酸、o
−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安
息香酸、トリメチル安息香酸、p−シアノ安息香酸、m
−シアノ安息香酸、チモールブルー、サリチル酸、5−
アミノサリチル酸、o−メトキシ安息香酸、1,6−ジニ
トロ−4−クロロフエノール、2,6−ジニトロフエノー
ル、2,4−ジニトロフエノール、p−オキシ安息香酸、
ブロモフエノールブルー、マンデル酸、フタル酸、イソ
フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、
クエン酸、乳酸、コハク酸、α−アラニン、β−アラニ
ン、グリシン、グリコール酸、チオグリコール酸、エチ
レンジアミン−N,N'−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,
N',N'-四酢酸等を挙げることができる。
は、好ましくは、酸解離定数pKa 値が4.8以下である有
機酸の塩である。このような有機酸の塩としては、脂肪
族、芳香族、芳香脂肪族、脂環式等の一又は多塩基酸の
塩を含む。このような有機酸は、水酸基、ハロゲン、ニ
トロ基、シアノ基、アミノ基等を有していてもよい。従
つて、かかる有機酸の具体例として、例えば、酢酸、n
−酪酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタフルオ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、モノフルオロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ
酢酸、シアノ酢酸、アセチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフ
エニル酢酸、ギ酸、シユウ酸、安息香酸、m−ブロモ安
息香酸、p−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p
−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、2,4−ジニト
ロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ピクリン酸、o
−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安
息香酸、トリメチル安息香酸、p−シアノ安息香酸、m
−シアノ安息香酸、チモールブルー、サリチル酸、5−
アミノサリチル酸、o−メトキシ安息香酸、1,6−ジニ
トロ−4−クロロフエノール、2,6−ジニトロフエノー
ル、2,4−ジニトロフエノール、p−オキシ安息香酸、
ブロモフエノールブルー、マンデル酸、フタル酸、イソ
フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、
クエン酸、乳酸、コハク酸、α−アラニン、β−アラニ
ン、グリシン、グリコール酸、チオグリコール酸、エチ
レンジアミン−N,N'−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,
N',N'-四酢酸等を挙げることができる。
【0025】また、有機酸は、スルホン酸又は硫酸基を
有するものであつてもよい。このような有機酸として
は、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル
酸、スルフアニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫
酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、
1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−
ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オ
クタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカン
スルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン
酸等を挙げることができる。
有するものであつてもよい。このような有機酸として
は、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル
酸、スルフアニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫
酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、
1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−
ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オ
クタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカン
スルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン
酸等を挙げることができる。
【0026】特に、本発明において好ましく用いること
ができるプロトン酸塩は、分子内に2つ以上のスルホン
酸基を有する多官能有機スルホン酸の塩である。このよ
うな多官能有機スルホン酸としては、例えば、エタンジ
スルホン酸、プロパンジスルホン酸、ブタンジスルホン
酸、ペンタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン酸、ヘ
プタンジスルホン酸、オクタンジスルホン酸、ノナンジ
スルホン酸、デカンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン
酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン
酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アントラセンジスル
ホン酸、アントラキノンジスルホン酸、フェナントレン
ジスルホン酸、フルオレノンジスルホン酸、カルバゾー
ルジスルホン酸、ジフエニルメタンジスルホン酸、ビフ
エニルジスルホン酸、ターフェニルジスルホン酸、ター
フェニルトリスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホル
マリン縮合物、フェナントレンスルホン酸−ホルマリン
縮合物、アントラセンスルホン酸−ホルマリン縮合物、
フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、カルバゾー
ルスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙げることができ
る。芳香環におけるスルホン酸基の位置は任意である。
ができるプロトン酸塩は、分子内に2つ以上のスルホン
酸基を有する多官能有機スルホン酸の塩である。このよ
うな多官能有機スルホン酸としては、例えば、エタンジ
スルホン酸、プロパンジスルホン酸、ブタンジスルホン
酸、ペンタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン酸、ヘ
プタンジスルホン酸、オクタンジスルホン酸、ノナンジ
スルホン酸、デカンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン
酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン
酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アントラセンジスル
ホン酸、アントラキノンジスルホン酸、フェナントレン
ジスルホン酸、フルオレノンジスルホン酸、カルバゾー
ルジスルホン酸、ジフエニルメタンジスルホン酸、ビフ
エニルジスルホン酸、ターフェニルジスルホン酸、ター
フェニルトリスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホル
マリン縮合物、フェナントレンスルホン酸−ホルマリン
縮合物、アントラセンスルホン酸−ホルマリン縮合物、
フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、カルバゾー
ルスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙げることができ
る。芳香環におけるスルホン酸基の位置は任意である。
【0027】更に、本発明において用いる有機酸塩は、
ポリマー酸の塩であつてもよい。このようなポリマー酸
としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル
硫酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタ
クリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸等
を挙げることができる。ナフイオン(米国デユポン社登
録商標)として知られている含フツ素重合体も、ポリマ
ー酸として好適に用いられる。
ポリマー酸の塩であつてもよい。このようなポリマー酸
としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル
硫酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタ
クリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸等
を挙げることができる。ナフイオン(米国デユポン社登
録商標)として知られている含フツ素重合体も、ポリマ
ー酸として好適に用いられる。
【0028】本発明においては、1,5−ナフタレンジス
ルホン酸塩のような芳香族多価スルホン酸塩やポリマー
酸塩は、耐熱性、耐水性等にすぐれる導電性ポリアニリ
ンを与えるので、特に、好ましく用いられる。本発明に
おいて、プロトン酸塩は、アンモニウム塩及び有機アミ
ン塩から選ばれるものである。
ルホン酸塩のような芳香族多価スルホン酸塩やポリマー
酸塩は、耐熱性、耐水性等にすぐれる導電性ポリアニリ
ンを与えるので、特に、好ましく用いられる。本発明に
おいて、プロトン酸塩は、アンモニウム塩及び有機アミ
ン塩から選ばれるものである。
【0029】上記有機アミン塩を形成するための有機ア
ミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、イ
ミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルア
ミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、n−ブ
チルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチル
アミン、第2級ブチルアミン、第3級ブチルアミン、イ
ソブチルアミン、ジイソブチルアミン、n−アミルアミ
ン、イソアミルアミン、ジ−n−アミルアミン、トリ−
n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘキ
シルアミン、トリヘキシルアミン、2−エチルブチルア
ミン、アミノヘプタン、ジ−n−ヘプチルアミン、オク
チルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシル
アミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)
アミン、トリオクチルアミン、ノニルアミン、デシルア
ミン、ラウリルアミン、オクタデシルアミン、モノアリ
ルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメ
チル−N−シクロヘキシルアミン、4,4'−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、ジメチルベンジルアミン、エ
チレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、テ
トラメチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミ
ン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、N−(ヒドロキシ
エチル)ジエチレントリアミン、N−(シアノエチル)
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンポリアミ
ン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−
1−プロパノール、イソプロパノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、2−メチルアミノエタノール、ジ
メチルエタノールアミン、2−エチルアミノエタノー
ル、ジエチルエタノールアミン、2−アミノエチルエタ
ノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、2−ジ
ブチルアミノエタノール、N−メチル−2,2'−イミノジ
エタノール、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ンヘキサン、2,4'−ジフエニルジアミン等を挙げること
ができる。
ミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、イ
ミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルア
ミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、n−ブ
チルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチル
アミン、第2級ブチルアミン、第3級ブチルアミン、イ
ソブチルアミン、ジイソブチルアミン、n−アミルアミ
ン、イソアミルアミン、ジ−n−アミルアミン、トリ−
n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘキ
シルアミン、トリヘキシルアミン、2−エチルブチルア
ミン、アミノヘプタン、ジ−n−ヘプチルアミン、オク
チルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシル
アミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)
アミン、トリオクチルアミン、ノニルアミン、デシルア
ミン、ラウリルアミン、オクタデシルアミン、モノアリ
ルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメ
チル−N−シクロヘキシルアミン、4,4'−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、ジメチルベンジルアミン、エ
チレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、テ
トラメチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミ
ン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、N−(ヒドロキシ
エチル)ジエチレントリアミン、N−(シアノエチル)
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンポリアミ
ン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−
1−プロパノール、イソプロパノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、2−メチルアミノエタノール、ジ
メチルエタノールアミン、2−エチルアミノエタノー
ル、ジエチルエタノールアミン、2−アミノエチルエタ
ノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、2−ジ
ブチルアミノエタノール、N−メチル−2,2'−イミノジ
エタノール、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ンヘキサン、2,4'−ジフエニルジアミン等を挙げること
ができる。
【0030】本発明においては、プロトン酸としては、
特に、ポリアニリン溶液中への溶解性が高く、溶液中で
極度の酸性を示さないものが用いられる。プロトン酸塩
が酸性を示す場合、ポリアニリンがドープ状態となり、
その溶解度が低下して、好ましくないからである。特
に、本発明においては、後述する機構に従えば、プロト
ン酸のアンモニウム塩又はプロトン酸と揮発性のよい有
機アミンとの塩が好ましく用いられる。特に、有機アミ
ンとしては、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン等の低級脂肪族アミンが
好ましく用いられる。
特に、ポリアニリン溶液中への溶解性が高く、溶液中で
極度の酸性を示さないものが用いられる。プロトン酸塩
が酸性を示す場合、ポリアニリンがドープ状態となり、
その溶解度が低下して、好ましくないからである。特
に、本発明においては、後述する機構に従えば、プロト
ン酸のアンモニウム塩又はプロトン酸と揮発性のよい有
機アミンとの塩が好ましく用いられる。特に、有機アミ
ンとしては、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン等の低級脂肪族アミンが
好ましく用いられる。
【0031】本発明において用いる有機重合体組成物
は、前記したイミノ−p−フエニレン型のポリアニリン
の溶液に前記したプロトン酸塩を溶解させ、更に、必要
に応じて、酸化剤や酸化触媒を溶解させることによつて
得ることができる。ポリアニリンの溶液にプロトン酸塩
を溶解させる方法は特に限定されるものではないが、例
えば、ポリアニリンの溶液に直接にプロトン酸塩を溶解
させる方法、別にプロトン酸塩の溶液を調製しておき、
これをポリアニリンの溶液と混合する方法、ポリアニリ
ンの溶液に有機アミンを溶解させた後、プロトン酸を溶
解させて、ポリアニリンの溶液中でプロトン酸塩を形成
させる方法、別にプロトン酸の溶液を調製し、これにア
ミンを加えて、プロトン酸塩を形成させ、これをポリア
ニリンの溶液に加える方法等を挙げることができる。酸
化触媒や酸化剤を組成物中に含有させる場合も、同様に
すればよい。
は、前記したイミノ−p−フエニレン型のポリアニリン
の溶液に前記したプロトン酸塩を溶解させ、更に、必要
に応じて、酸化剤や酸化触媒を溶解させることによつて
得ることができる。ポリアニリンの溶液にプロトン酸塩
を溶解させる方法は特に限定されるものではないが、例
えば、ポリアニリンの溶液に直接にプロトン酸塩を溶解
させる方法、別にプロトン酸塩の溶液を調製しておき、
これをポリアニリンの溶液と混合する方法、ポリアニリ
ンの溶液に有機アミンを溶解させた後、プロトン酸を溶
解させて、ポリアニリンの溶液中でプロトン酸塩を形成
させる方法、別にプロトン酸の溶液を調製し、これにア
ミンを加えて、プロトン酸塩を形成させ、これをポリア
ニリンの溶液に加える方法等を挙げることができる。酸
化触媒や酸化剤を組成物中に含有させる場合も、同様に
すればよい。
【0032】本発明においては、有機重合体組成物に含
まれるプロトン酸塩の量は、特に限定されるものではな
いが、しかし、通常、プロトン酸塩/ポリアニリンの当
量モル比が0.05〜1.0の範囲にあり、好ましくは0.1
〜0.5の範囲にあるように決められる。プロトン酸塩/
ポリアニリンの当量モル比が小さすぎるときは、高導電
性を得ることができず、他方、大きすぎるときは、得ら
れるポリアニリンのフイルムが強度に劣る場合があるか
らである。
まれるプロトン酸塩の量は、特に限定されるものではな
いが、しかし、通常、プロトン酸塩/ポリアニリンの当
量モル比が0.05〜1.0の範囲にあり、好ましくは0.1
〜0.5の範囲にあるように決められる。プロトン酸塩/
ポリアニリンの当量モル比が小さすぎるときは、高導電
性を得ることができず、他方、大きすぎるときは、得ら
れるポリアニリンのフイルムが強度に劣る場合があるか
らである。
【0033】先ず、本発明による第1の方法について、
更に詳細に述べる。本発明による導電性有機重合体の製
造方法の第1は、前述したイミノ−p−フェニレン構造
単位を主たる繰返し単位として有する有機重合体と共
に、プロトン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩から
選ばれるプロトン酸塩とを含む溶液状の有機重合体組成
物を製膜し、乾燥し、それを酸化剤にて処理することに
よつて、上記還元型のポリアニリンを酸化すると共に、
上記プロトン酸塩中のプロトン酸にてドーピングし、か
くして、導電性のポリアニリンを得るものである。
更に詳細に述べる。本発明による導電性有機重合体の製
造方法の第1は、前述したイミノ−p−フェニレン構造
単位を主たる繰返し単位として有する有機重合体と共
に、プロトン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩から
選ばれるプロトン酸塩とを含む溶液状の有機重合体組成
物を製膜し、乾燥し、それを酸化剤にて処理することに
よつて、上記還元型のポリアニリンを酸化すると共に、
上記プロトン酸塩中のプロトン酸にてドーピングし、か
くして、導電性のポリアニリンを得るものである。
【0034】本発明による導電性有機重合体の製造方法
の第2は、上記した第1の方法において、有機重合体組
成物が酸化触媒を含むものである。この酸化触媒は、酸
化剤によるイミノ−p−フェニレン型(還元型)のポリ
アニリンの酸化反応を助け、かくして、プロトン酸によ
るそのようなポリアニリンのドーピングを助ける。かか
る本発明による方法において、酸化剤として空気を用い
るときは、上記有機重合体組成物の乾燥工程において
も、プロトン酸塩中のプロトン酸が有機重合体にドーピ
ングされることがある。このような態様も、本発明の方
法に含まれるものとする。
の第2は、上記した第1の方法において、有機重合体組
成物が酸化触媒を含むものである。この酸化触媒は、酸
化剤によるイミノ−p−フェニレン型(還元型)のポリ
アニリンの酸化反応を助け、かくして、プロトン酸によ
るそのようなポリアニリンのドーピングを助ける。かか
る本発明による方法において、酸化剤として空気を用い
るときは、上記有機重合体組成物の乾燥工程において
も、プロトン酸塩中のプロトン酸が有機重合体にドーピ
ングされることがある。このような態様も、本発明の方
法に含まれるものとする。
【0035】また、本発明の方法によれば、酸化剤は2
種以上を用いてもよく、例えば、上記したように、有機
重合体組成物の乾燥工程において、空気による酸化を利
用して、還元型のポリアニリンを酸化し、このポリアニ
リンをプロトン酸塩中のプロトン酸にてドーピングし、
かくして、得られた導電性のポリアニリンに更に別に調
製した酸化剤の溶液を接触させ、ポリアニリンを一層酸
化し、これによつて一層のドーピングを図り、かくし
て、一層の高導電性のポリアニリンを得ることもでき
る。
種以上を用いてもよく、例えば、上記したように、有機
重合体組成物の乾燥工程において、空気による酸化を利
用して、還元型のポリアニリンを酸化し、このポリアニ
リンをプロトン酸塩中のプロトン酸にてドーピングし、
かくして、得られた導電性のポリアニリンに更に別に調
製した酸化剤の溶液を接触させ、ポリアニリンを一層酸
化し、これによつて一層のドーピングを図り、かくし
て、一層の高導電性のポリアニリンを得ることもでき
る。
【0036】本発明による第1及び第2の方法において
用いる酸化剤は、好ましくは、酸化剤自体、また、酸化
反応後の還元体がポリアニリンにドープされ難い酸化剤
であり、更に好ましくは、適当な溶剤に可溶性である酸
化剤である。かかる酸化剤の具体例として、例えば、p
−ベンゾキノン、o−ベンゾキノン、p−トルキノン、
オキシ−p−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン、1,4
−ナフトキノン、ジフエノキノン、スチルベンキノン等
のキノン系酸化剤や、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−
ジヒドロキシペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベ
ンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオ
キシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキ
シド等のようなヒドロペルオキシド系酸化剤、過酸化水
素等を挙げることができる。
用いる酸化剤は、好ましくは、酸化剤自体、また、酸化
反応後の還元体がポリアニリンにドープされ難い酸化剤
であり、更に好ましくは、適当な溶剤に可溶性である酸
化剤である。かかる酸化剤の具体例として、例えば、p
−ベンゾキノン、o−ベンゾキノン、p−トルキノン、
オキシ−p−ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン、1,4
−ナフトキノン、ジフエノキノン、スチルベンキノン等
のキノン系酸化剤や、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−
ジヒドロキシペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベ
ンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオ
キシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキ
シド等のようなヒドロペルオキシド系酸化剤、過酸化水
素等を挙げることができる。
【0037】また、前述したように、空気も、本発明の
方法において用い得る酸化剤の一つであつて、酸化剤と
して空気を用いるときは、前記有機重合体とプロトン酸
塩とを含む有機重合体組成物を製膜し、そのまま、大気
中に放置し、乾燥させることによつて、有機重合体をプ
ロトン酸にてドーピングすることができる。本発明にお
いて、酸化触媒としては、例えば、コバルト、鉄又はマ
ンガンのステアリン酸塩、ナフテン酸塩、アセチルアセ
トネート塩、エチルヘキサン酸塩等が好ましく用いられ
る。これらは、通常、前記有機重合体におけるイミノ−
p−フェニレン構造単位4個当たりに0.01〜1分子、
好ましくは、0.02〜0.5分子の割合にて用いられる。
方法において用い得る酸化剤の一つであつて、酸化剤と
して空気を用いるときは、前記有機重合体とプロトン酸
塩とを含む有機重合体組成物を製膜し、そのまま、大気
中に放置し、乾燥させることによつて、有機重合体をプ
ロトン酸にてドーピングすることができる。本発明にお
いて、酸化触媒としては、例えば、コバルト、鉄又はマ
ンガンのステアリン酸塩、ナフテン酸塩、アセチルアセ
トネート塩、エチルヘキサン酸塩等が好ましく用いられ
る。これらは、通常、前記有機重合体におけるイミノ−
p−フェニレン構造単位4個当たりに0.01〜1分子、
好ましくは、0.02〜0.5分子の割合にて用いられる。
【0038】用いる酸化剤が溶剤に可溶性であるとき
は、前述したように、有機重合体組成物を製膜し、乾燥
させた後、別に調製した上記酸化剤の溶液にて、上記有
機重合体組成物を処理すればよい。また、用いる酸化剤
の溶液における酸化剤の濃度は、酸化反応が進行すれ
ば、特に限定されるものではないが、通常、0.5〜20
重量%の範囲が好適である。
は、前述したように、有機重合体組成物を製膜し、乾燥
させた後、別に調製した上記酸化剤の溶液にて、上記有
機重合体組成物を処理すればよい。また、用いる酸化剤
の溶液における酸化剤の濃度は、酸化反応が進行すれ
ば、特に限定されるものではないが、通常、0.5〜20
重量%の範囲が好適である。
【0039】本発明による導電性有機重合体の製造方法
の第3は、前記有機重合体と、プロトン酸のアンモニウ
ム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロトン酸塩と、酸
化剤とを含む溶液状の有機重合体組成物を製膜した後、
それを加熱し、乾燥する熱処理工程において、上記酸化
剤を作用させて、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンを酸化すると共に、上記プロトン酸塩中のプロトン
酸にてドーピングして、導電性ポリアニリンを得るもの
である。
の第3は、前記有機重合体と、プロトン酸のアンモニウ
ム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロトン酸塩と、酸
化剤とを含む溶液状の有機重合体組成物を製膜した後、
それを加熱し、乾燥する熱処理工程において、上記酸化
剤を作用させて、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンを酸化すると共に、上記プロトン酸塩中のプロトン
酸にてドーピングして、導電性ポリアニリンを得るもの
である。
【0040】本発明の方法による導電性有機重合体の製
造方法の第4は、上記した第3の方法において、有機重
合体組成物が更に酸化触媒を含む。この酸化触媒は、酸
化剤によるイミノ−p−フェニレン型(還元型)のポリ
アニリンの酸化反応を助け、かくして、プロトン酸によ
るそのようなポリアニリンのドーピングを助ける。これ
らの本発明による第3及び第4の方法においては、酸化
剤としては、常温においては酸化力を発現せず、上記熱
処理の工程において、即ち、好ましくは、60℃以上の
温度にて、酸化力を発現する酸化剤(以下、このような
酸化剤を高温活性型酸化剤という。)が好ましく用いら
れる。
造方法の第4は、上記した第3の方法において、有機重
合体組成物が更に酸化触媒を含む。この酸化触媒は、酸
化剤によるイミノ−p−フェニレン型(還元型)のポリ
アニリンの酸化反応を助け、かくして、プロトン酸によ
るそのようなポリアニリンのドーピングを助ける。これ
らの本発明による第3及び第4の方法においては、酸化
剤としては、常温においては酸化力を発現せず、上記熱
処理の工程において、即ち、好ましくは、60℃以上の
温度にて、酸化力を発現する酸化剤(以下、このような
酸化剤を高温活性型酸化剤という。)が好ましく用いら
れる。
【0041】このような高温活性型酸化剤の具体例とし
て、本発明によれば、チウラム化合物、スルフエンアミ
ド化合物、オキシム化合物等が好ましく用いられる。上
記チウラム化合物としては、例えば、一般式(III)
て、本発明によれば、チウラム化合物、スルフエンアミ
ド化合物、オキシム化合物等が好ましく用いられる。上
記チウラム化合物としては、例えば、一般式(III)
【0042】
【化9】
【0043】(式中、Ra、Rb、Rc及びRdはそれぞれ独立
にアルキル基を示し、xは1〜6の整数を示す。)で表
わされるものが好ましく用いられる。このようなチウラ
ム化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムモノ
スルフイド、テトラエチルチウラムモノスルフイド、テ
トラプロピルチウラムモノスルフイド、テトラブチルチ
ウラムモノスルフイド、ジペンタメチレンチウラムモノ
スルフイド等のモノスルフイド類、テトラメチルチウラ
ムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、
テトラプロピルチウラムジスルフイド、テトラブチルチ
ウラムジスルフイド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフエニ
ルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムジ
スルフイド、ジシクロペンタメチレンチウラムジスルフ
イド等のジスルフイド類、ジペンタメチレンチウラムテ
トラスルフイド等のテトラスルフイド類、ジペンタメチ
レンチウラムヘキサスルフイド等のヘキサスルフイド類
等を挙げることができる。
にアルキル基を示し、xは1〜6の整数を示す。)で表
わされるものが好ましく用いられる。このようなチウラ
ム化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムモノ
スルフイド、テトラエチルチウラムモノスルフイド、テ
トラプロピルチウラムモノスルフイド、テトラブチルチ
ウラムモノスルフイド、ジペンタメチレンチウラムモノ
スルフイド等のモノスルフイド類、テトラメチルチウラ
ムジスルフイド、テトラエチルチウラムジスルフイド、
テトラプロピルチウラムジスルフイド、テトラブチルチ
ウラムジスルフイド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフエニ
ルチウラムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムジ
スルフイド、ジシクロペンタメチレンチウラムジスルフ
イド等のジスルフイド類、ジペンタメチレンチウラムテ
トラスルフイド等のテトラスルフイド類、ジペンタメチ
レンチウラムヘキサスルフイド等のヘキサスルフイド類
等を挙げることができる。
【0044】上記スルフエンアミド化合物としては、例
えば、一般式(IV)
えば、一般式(IV)
【0045】
【化10】
【0046】(式中、Re及びRfはそれぞれ独立に水素原
子、アルキル基又はオキシアルキレン基を示す。)で表
わされるものが好ましく用いられる。このようなスルフ
エンアミド化合物としては、例えば、シクロヘキシルベ
ンゾチアジルスルフエンアミド、ジシクロヘキシルベン
ゾチアジルスルフエンアミド、オキシジエチレンベンゾ
チアジルスルフエンアミド、ブチルベンゾチアジルスル
フエンアミド、ジプロピルベンゾチアジルスルフエンア
ミド等を挙げることができる。
子、アルキル基又はオキシアルキレン基を示す。)で表
わされるものが好ましく用いられる。このようなスルフ
エンアミド化合物としては、例えば、シクロヘキシルベ
ンゾチアジルスルフエンアミド、ジシクロヘキシルベン
ゾチアジルスルフエンアミド、オキシジエチレンベンゾ
チアジルスルフエンアミド、ブチルベンゾチアジルスル
フエンアミド、ジプロピルベンゾチアジルスルフエンア
ミド等を挙げることができる。
【0047】上記オキシム化合物としては、例えば、一
般式(V)
般式(V)
【0048】
【化11】
【0049】(式中、Rg及びRhはそれぞれ独立に水酸基
又はベンゾイル基を示す。)で表わされるオキシム系化
合物が好ましく用いられる。このようなオキシム化合物
としては、例えば、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベ
ンゾイルキノンジオキシム等を挙げることができる。本
発明の方法において、上記した高温活性型酸化剤は、前
記有機重合体におけるイミノ−p−フェニレン構造単位
4個当りに0.01〜1分子、好ましくは0.1〜0.6分子
の割合で用いられる。
又はベンゾイル基を示す。)で表わされるオキシム系化
合物が好ましく用いられる。このようなオキシム化合物
としては、例えば、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベ
ンゾイルキノンジオキシム等を挙げることができる。本
発明の方法において、上記した高温活性型酸化剤は、前
記有機重合体におけるイミノ−p−フェニレン構造単位
4個当りに0.01〜1分子、好ましくは0.1〜0.6分子
の割合で用いられる。
【0050】本発明において、酸化触媒としては、前述
した第2の発明における酸化触媒と同様の酸化触媒が同
様の割合にて用いられる。本発明による方法において、
前記有機重合体組成物を製膜した後の熱処理条件は、得
られるポリアニリンフイルムの厚さにもよるが、例え
ば、0.05μm程度の薄膜を得る場合には、通常、60
〜150℃、好ましくは80〜100℃の温度で10秒
から5分、好ましくは10秒から1分程度、加熱乾燥す
るのが適当である。
した第2の発明における酸化触媒と同様の酸化触媒が同
様の割合にて用いられる。本発明による方法において、
前記有機重合体組成物を製膜した後の熱処理条件は、得
られるポリアニリンフイルムの厚さにもよるが、例え
ば、0.05μm程度の薄膜を得る場合には、通常、60
〜150℃、好ましくは80〜100℃の温度で10秒
から5分、好ましくは10秒から1分程度、加熱乾燥す
るのが適当である。
【0051】本発明の方法は、反応機構によつて何ら制
約を受けるものではないが、本発明の方法の理解を容易
とするために、本発明者らの推察する本発明の方法にお
ける機構を、下記スキームに示すように、イミノ−p−
フェニレン型のポリアニリンと共に、プロトン酸塩とし
て1,5−ナフタレンジスルホン酸ジブチルアミン塩を用
い、高温活性型酸化剤として、キノンジオキシムを用い
る場合について、説明する。尚、スキーム中、Buはブチ
ル基を示す。
約を受けるものではないが、本発明の方法の理解を容易
とするために、本発明者らの推察する本発明の方法にお
ける機構を、下記スキームに示すように、イミノ−p−
フェニレン型のポリアニリンと共に、プロトン酸塩とし
て1,5−ナフタレンジスルホン酸ジブチルアミン塩を用
い、高温活性型酸化剤として、キノンジオキシムを用い
る場合について、説明する。尚、スキーム中、Buはブチ
ル基を示す。
【0052】
【化12】
【0053】状態Iは、室温でのイミノ−p−フェニレ
ン型のポリアニリンと1,5−ナフタレンジスルホン酸ジ
ブチルアミン塩とキノンジオキシムとを含む溶液組成物
を示す。ここで、溶液組成物を高温にて乾燥処理するこ
とにより、活性化されたキノンジオキシムの作用によつ
て、イミノ−p−フェニレン型のポリアニリンは酸化さ
れて、状態IIに示すように、キノンジイミン・フェニレ
ンジアミン型のポリアニリンとなり、このようなキノン
ジイミン構造中の窒素原子上に生じた正電荷は、1,5−
ナフタレンジスルホン酸の負電荷によつて中和され、か
くして、ポリアニリンはドーピングされる。他方、この
ドーピングによつて、本来、1,5−ナフタレンジスルホ
ン酸と塩を形成していたジブチルアンモニウムイオン
は、1,5−ナフタレンジスルホン酸との塩を形成できず
に、遊離する。
ン型のポリアニリンと1,5−ナフタレンジスルホン酸ジ
ブチルアミン塩とキノンジオキシムとを含む溶液組成物
を示す。ここで、溶液組成物を高温にて乾燥処理するこ
とにより、活性化されたキノンジオキシムの作用によつ
て、イミノ−p−フェニレン型のポリアニリンは酸化さ
れて、状態IIに示すように、キノンジイミン・フェニレ
ンジアミン型のポリアニリンとなり、このようなキノン
ジイミン構造中の窒素原子上に生じた正電荷は、1,5−
ナフタレンジスルホン酸の負電荷によつて中和され、か
くして、ポリアニリンはドーピングされる。他方、この
ドーピングによつて、本来、1,5−ナフタレンジスルホ
ン酸と塩を形成していたジブチルアンモニウムイオン
は、1,5−ナフタレンジスルホン酸との塩を形成できず
に、遊離する。
【0054】次いで、状態III に示すように、上述した
ようにして、ポリアニリンを酸化したことによつて生成
したキノンジオキシムの還元体は、上記ジブチルアンモ
ニウムイオンからプロトンを得て、遊離のジブチルアミ
ンを形成し、大気中に揮散する。上述した機構に示すよ
うに、本発明の方法によれば、プロトン酸塩のプロトン
酸にてポリアニリンをドーピングするために、ポリアニ
リンの酸化反応が必須である。従つて、既に酸化状態で
あるキノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニ
リンを用いる代わりに、還元状態にあるイミノ−p−フ
ェニレン型のポリアニリンを用いるのが有利であること
が理解される。
ようにして、ポリアニリンを酸化したことによつて生成
したキノンジオキシムの還元体は、上記ジブチルアンモ
ニウムイオンからプロトンを得て、遊離のジブチルアミ
ンを形成し、大気中に揮散する。上述した機構に示すよ
うに、本発明の方法によれば、プロトン酸塩のプロトン
酸にてポリアニリンをドーピングするために、ポリアニ
リンの酸化反応が必須である。従つて、既に酸化状態で
あるキノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニ
リンを用いる代わりに、還元状態にあるイミノ−p−フ
ェニレン型のポリアニリンを用いるのが有利であること
が理解される。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
キノンジイミン・フェニレンジアミン型(酸化型)のポ
リアニリンの溶液に代えて、これよりも有機溶媒に対す
る溶解性が高く、更に、ゲル化し難いイミノ−p−フェ
ニレン型(還元型)のポリアニリンの溶液を用い、場合
によつては、この溶液に酸化触媒を溶解させ、このよう
な溶液組成物を製膜し、乾燥させ、酸化剤にて処理し
て、ポリアニリンをプロトン酸にてドーピングするの
で、効率的に高導電性の有機重合体のフイルムを得るこ
とができる。
キノンジイミン・フェニレンジアミン型(酸化型)のポ
リアニリンの溶液に代えて、これよりも有機溶媒に対す
る溶解性が高く、更に、ゲル化し難いイミノ−p−フェ
ニレン型(還元型)のポリアニリンの溶液を用い、場合
によつては、この溶液に酸化触媒を溶解させ、このよう
な溶液組成物を製膜し、乾燥させ、酸化剤にて処理し
て、ポリアニリンをプロトン酸にてドーピングするの
で、効率的に高導電性の有機重合体のフイルムを得るこ
とができる。
【0056】また、本発明の方法によれば、キノンジイ
ミン・フェニレンジアミン型(酸化型)のポリアニリン
の溶液に代えて、これよりも有機溶媒に対する溶解性が
高く、更に、ゲル化し難いイミノ−p−フェニレン型
(還元型)のポリアニリンと高温活性型酸化剤とを含む
溶液を用い、場合によつては、この溶液に酸化触媒を溶
解させ、このような溶液組成物を製膜し、熱処理して、
その際に上記高温活性型酸化剤を活性化し、酸化作用を
発現させることによつて、ポリアニリンをプロトン酸に
てドーピングするので、効率的に高導電性の有機重合体
のフイルムを得ることができる。
ミン・フェニレンジアミン型(酸化型)のポリアニリン
の溶液に代えて、これよりも有機溶媒に対する溶解性が
高く、更に、ゲル化し難いイミノ−p−フェニレン型
(還元型)のポリアニリンと高温活性型酸化剤とを含む
溶液を用い、場合によつては、この溶液に酸化触媒を溶
解させ、このような溶液組成物を製膜し、熱処理して、
その際に上記高温活性型酸化剤を活性化し、酸化作用を
発現させることによつて、ポリアニリンをプロトン酸に
てドーピングするので、効率的に高導電性の有機重合体
のフイルムを得ることができる。
【0057】
【実施例】以下に参考例と共に、実施例を挙げて本発明
を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0058】参考例1 (アニリンの酸化重合によるドープ状態のキノンジイミ
ン・フェニレンジアミン型の導電性のポリアニリンの製
造)攪拌装置、温度計及び直管アダプターを備えた10
リットル容量セパラブル・フラスコに蒸留水6000
g、36%塩酸360ml及びアニリン400g(4.29
5モル)をこの順序にて仕込み、アニリンを溶解させ
た。別に、氷水にて冷却しながら、ビーカー中の蒸留水
1493gに97%濃硫酸434g(4.295モル)を
加え、混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶
液を上記セパラブル・フラスコに加え、フラスコ全体を
低温恒温槽にて−4℃まで冷却した。
ン・フェニレンジアミン型の導電性のポリアニリンの製
造)攪拌装置、温度計及び直管アダプターを備えた10
リットル容量セパラブル・フラスコに蒸留水6000
g、36%塩酸360ml及びアニリン400g(4.29
5モル)をこの順序にて仕込み、アニリンを溶解させ
た。別に、氷水にて冷却しながら、ビーカー中の蒸留水
1493gに97%濃硫酸434g(4.295モル)を
加え、混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶
液を上記セパラブル・フラスコに加え、フラスコ全体を
低温恒温槽にて−4℃まで冷却した。
【0059】次に、ビーカー中にて蒸留水2293gに
ペルオキソ二硫酸アンモニウム980g(4.295モ
ル)を加え、溶解させて、酸化剤水溶液を調製した。フ
ラスコ全体を低温恒温槽で冷却して、反応混合物の温度
を−3℃以下に保持しつつ、攪拌下にアニリン塩の酸性
水溶液に、チュービングポンプを用いて、直管アダプタ
ーから上記ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液を1ml
/分以下の割合にて徐々に滴下した。最初、無色透明の
溶液は、重合の進行に伴つて緑青色から黒緑色となり、
次いで、黒緑色の粉末が析出した。
ペルオキソ二硫酸アンモニウム980g(4.295モ
ル)を加え、溶解させて、酸化剤水溶液を調製した。フ
ラスコ全体を低温恒温槽で冷却して、反応混合物の温度
を−3℃以下に保持しつつ、攪拌下にアニリン塩の酸性
水溶液に、チュービングポンプを用いて、直管アダプタ
ーから上記ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液を1ml
/分以下の割合にて徐々に滴下した。最初、無色透明の
溶液は、重合の進行に伴つて緑青色から黒緑色となり、
次いで、黒緑色の粉末が析出した。
【0060】この粉末析出時に反応混合物において温度
の上昇がみられるが、高分子量重合体を得るためには、
反応系内の温度を0℃以下、好ましくは−3℃以下に抑
えることが肝要である。粉末析出後は、ペルオキソ二硫
酸アンモニウム水溶液の滴下速度を例えば8ml/分程度
とやや速くしてもよい。しかし、この場合にも、反応混
合物の温度をモニターしつつ、温度を−3℃以下に保持
するように、滴下速度を調整することが必要である。か
くして、7時間を要して、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム水溶液の滴下を終了した後、更に1時間、−3℃以下
の温度にて攪拌を続けた。得られた重合体粉末を濾別
し、水洗、アセトン洗浄し、室温で真空乾燥して、黒緑
色のキノンジイミン・フェニレンジアミン型導電性ポリ
アニリン粉末430gを得た。これを直径13mm、厚さ
700μmのディスクに加圧成形し、ファン・デル・ポ
ー法によつて、その電導度を測定したところ、14S/
cmであつた。
の上昇がみられるが、高分子量重合体を得るためには、
反応系内の温度を0℃以下、好ましくは−3℃以下に抑
えることが肝要である。粉末析出後は、ペルオキソ二硫
酸アンモニウム水溶液の滴下速度を例えば8ml/分程度
とやや速くしてもよい。しかし、この場合にも、反応混
合物の温度をモニターしつつ、温度を−3℃以下に保持
するように、滴下速度を調整することが必要である。か
くして、7時間を要して、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム水溶液の滴下を終了した後、更に1時間、−3℃以下
の温度にて攪拌を続けた。得られた重合体粉末を濾別
し、水洗、アセトン洗浄し、室温で真空乾燥して、黒緑
色のキノンジイミン・フェニレンジアミン型導電性ポリ
アニリン粉末430gを得た。これを直径13mm、厚さ
700μmのディスクに加圧成形し、ファン・デル・ポ
ー法によつて、その電導度を測定したところ、14S/
cmであつた。
【0061】(上記導電性キノンジイミン・フェニレン
ジアミン型のポリアニリンの脱ドーピングによるキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型溶剤可溶性ポリアニリ
ンの製造)上記ドープされている導電性キノンジイミン
・フェニレンジアミン型のポリアニリン粉末350gを
2Nアンモニア水4リットル中に加え、オートホモミキ
サーにて回転数5000rpm にて5時間攪拌した。混合
物は、黒緑色から青紫色に変化した。
ジアミン型のポリアニリンの脱ドーピングによるキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型溶剤可溶性ポリアニリ
ンの製造)上記ドープされている導電性キノンジイミン
・フェニレンジアミン型のポリアニリン粉末350gを
2Nアンモニア水4リットル中に加え、オートホモミキ
サーにて回転数5000rpm にて5時間攪拌した。混合
物は、黒緑色から青紫色に変化した。
【0062】ブフナーろうとにて粉末を濾別し、ビーカ
ー中にて攪拌しながら、蒸留水にて濾液が中性になるま
で繰り返して洗浄し、続いて、濾液が無色になるまでア
セトンにて洗浄した。この後、粉末を室温にて10時間
真空乾燥して、黒褐色の脱ドーピングした溶剤可溶性の
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
粉末280gを得た。このポリアニリンは、N−メチル
−2−ピロリドンに可溶性であつて、溶解度は同溶剤1
00gに対して8g(7.4%)であつた。また、これを
溶剤として30℃で測定した極限粘度〔η〕は1.23で
あつた。
ー中にて攪拌しながら、蒸留水にて濾液が中性になるま
で繰り返して洗浄し、続いて、濾液が無色になるまでア
セトンにて洗浄した。この後、粉末を室温にて10時間
真空乾燥して、黒褐色の脱ドーピングした溶剤可溶性の
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
粉末280gを得た。このポリアニリンは、N−メチル
−2−ピロリドンに可溶性であつて、溶解度は同溶剤1
00gに対して8g(7.4%)であつた。また、これを
溶剤として30℃で測定した極限粘度〔η〕は1.23で
あつた。
【0063】実施例1 N−メチル−2−ピロリドン97.5gにフェニルヒドラ
ジン0.38gを溶解させ、次いで、参考例1にて得られ
た溶剤可溶性キノンジイミン・フェニレンジアミン型ポ
リアニリン2.5gを攪拌下に溶解させた。このとき、溶
液は、濃青色から淡黒褐色に変色し、同時に窒素ガスが
発生し、ポリアニリンが酸化状態のキノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型から還元状態のイミノ−p−フェニ
レン型に変化したことが確認された。
ジン0.38gを溶解させ、次いで、参考例1にて得られ
た溶剤可溶性キノンジイミン・フェニレンジアミン型ポ
リアニリン2.5gを攪拌下に溶解させた。このとき、溶
液は、濃青色から淡黒褐色に変色し、同時に窒素ガスが
発生し、ポリアニリンが酸化状態のキノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型から還元状態のイミノ−p−フェニ
レン型に変化したことが確認された。
【0064】別に、p−トルエンスルホン酸アンモニウ
ム塩2.6gをN−メチル−2−ピロリドン97.4gに溶
解してドープ溶液を調製し、前記ポリアニリン溶液とこ
のドーぷ溶液とを重量比1:1にて混合して、塗工液を
調製した。このようにして得られた塗工液をポリエステ
ルフイルム上に No.4のバーコーターを用いて塗布し、
100℃で30秒間加熱乾燥させて、ポリアニリンのフ
イルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直
後で3.2×1010Ω/□であり、更に、室温下、大気中
に1日間放置したところ、4.8×105 Ω/□となつ
た。また、上記塗工溶液は室温下、1か月の放置後も安
定であつた。
ム塩2.6gをN−メチル−2−ピロリドン97.4gに溶
解してドープ溶液を調製し、前記ポリアニリン溶液とこ
のドーぷ溶液とを重量比1:1にて混合して、塗工液を
調製した。このようにして得られた塗工液をポリエステ
ルフイルム上に No.4のバーコーターを用いて塗布し、
100℃で30秒間加熱乾燥させて、ポリアニリンのフ
イルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直
後で3.2×1010Ω/□であり、更に、室温下、大気中
に1日間放置したところ、4.8×105 Ω/□となつ
た。また、上記塗工溶液は室温下、1か月の放置後も安
定であつた。
【0065】比較例1 N−メチル−2−ピロリドン97.5gに参考例1にて得
られた溶剤可溶性キノンジイミン・フェニレンジアミン
型ポリアニリン2.5gを攪拌下に溶解させた。このと
き、溶液は、濃青色であり、ポリアニリンは、酸化状態
のキノンジイミン・フェニレンジアミン型である。
られた溶剤可溶性キノンジイミン・フェニレンジアミン
型ポリアニリン2.5gを攪拌下に溶解させた。このと
き、溶液は、濃青色であり、ポリアニリンは、酸化状態
のキノンジイミン・フェニレンジアミン型である。
【0066】別に、p−トルエンスルホン酸アンモニウ
ム塩2.6gをN−メチル−2−ピロリドン97.4gに溶
解してドープ溶液を調製し、上記ポリアニリン溶液とこ
のドープ溶液とを重量比1:1にて混合して、塗工液を
調製した。このようにして得られた塗工液をポリエステ
ルフイルム上に No.4のバーコーターを用いて塗布し、
100℃で30秒間加熱乾燥させて、ポリアニリンのフ
イルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直
後で1.0×107 Ω/□であり、更に、室温下、大気中
に1日間放置したところ、2.5×108 Ω/□となつ
た。また、上記塗工溶液を室温下、1か月間、放置した
ところ、ゲル化した。
ム塩2.6gをN−メチル−2−ピロリドン97.4gに溶
解してドープ溶液を調製し、上記ポリアニリン溶液とこ
のドープ溶液とを重量比1:1にて混合して、塗工液を
調製した。このようにして得られた塗工液をポリエステ
ルフイルム上に No.4のバーコーターを用いて塗布し、
100℃で30秒間加熱乾燥させて、ポリアニリンのフ
イルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直
後で1.0×107 Ω/□であり、更に、室温下、大気中
に1日間放置したところ、2.5×108 Ω/□となつ
た。また、上記塗工溶液を室温下、1か月間、放置した
ところ、ゲル化した。
【0067】実施例2 1,5−ナフタレンジスルホン酸3.72gをN−メチル−
2−ピロリドン95.06gに溶解させ、更に、プロピル
アミン1.22gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。
このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェニレ
ン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混合し
て、塗工液を調製し、これを用いて、実施例1と同様に
して、ポリアニリンのフイルムを得た。得られたフイル
ムの表面抵抗は、乾燥直後で2.0×109 Ω/□であ
り、室温下、大気中に1日間放置したところ、2.2×1
07 Ω/□となり、更に、15日後には、4.6×105
Ω/□となつた。また、上記塗工溶液は室温下、1か月
の放置後も安定であつた。
2−ピロリドン95.06gに溶解させ、更に、プロピル
アミン1.22gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。
このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェニレ
ン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混合し
て、塗工液を調製し、これを用いて、実施例1と同様に
して、ポリアニリンのフイルムを得た。得られたフイル
ムの表面抵抗は、乾燥直後で2.0×109 Ω/□であ
り、室温下、大気中に1日間放置したところ、2.2×1
07 Ω/□となり、更に、15日後には、4.6×105
Ω/□となつた。また、上記塗工溶液は室温下、1か月
の放置後も安定であつた。
【0068】実施例3 1,5−ナフタレンジスルホン酸3.72gをN−メチル−
2−ピロリドン93.61gに溶解させ、更に、ジブチル
アミン2.67gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。
2−ピロリドン93.61gに溶解させ、更に、ジブチル
アミン2.67gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。
【0069】このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−
p−フェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1
にて混合して、塗工液を調製し、これを用いて、実施例
1と同様にして、ポリアニリンのフイルムを得た。得ら
れたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で2.6×1010Ω
/□であり、室温下、大気中に1日間放置したところ、
2.0×109 Ω/□となり、更に、15日後には、2.0
×106 Ω/□となつた。また、上記塗工溶液は室温
下、1か月の放置後も安定であつた。
p−フェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1
にて混合して、塗工液を調製し、これを用いて、実施例
1と同様にして、ポリアニリンのフイルムを得た。得ら
れたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で2.6×1010Ω
/□であり、室温下、大気中に1日間放置したところ、
2.0×109 Ω/□となり、更に、15日後には、2.0
×106 Ω/□となつた。また、上記塗工溶液は室温
下、1か月の放置後も安定であつた。
【0070】比較例2 1,5−ナフタレンジスルホン酸3.72gをN−メチル−
2−ピロリドン95.06gに溶解させて、ドープ溶液を
調製した。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p
−フェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1に
て混合して、塗工液を調製したところ、沈殿を生じたた
めに、実施例1と同様に、これをポリエステルフイルム
上に塗布しても、均一なポリアニリンフイルムを得るこ
とができなかつた。
2−ピロリドン95.06gに溶解させて、ドープ溶液を
調製した。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p
−フェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1に
て混合して、塗工液を調製したところ、沈殿を生じたた
めに、実施例1と同様に、これをポリエステルフイルム
上に塗布しても、均一なポリアニリンフイルムを得るこ
とができなかつた。
【0071】実施例4 ポリビニルスルホン酸1.49gをN−メチル−2−ピロ
リドン95.93gに溶解させ、更に、トリブチルアミン
2.58gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。このド
ープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェニレン型の
ポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混合して、塗工
液を調製し、これを用いて、実施例1と同様にして、ポ
リアニリンのフイルムを得た。得られたフイルムの表面
抵抗は、乾燥直後で5.6×109 Ω/□であり、室温
下、大気中に1日間放置したところ、5.8×106 Ω/
□となり、更に、15日後には、1.9×105 Ω/□と
なつた。また、上記塗工溶液は室温下、1か月の放置後
も安定であつた。
リドン95.93gに溶解させ、更に、トリブチルアミン
2.58gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。このド
ープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェニレン型の
ポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混合して、塗工
液を調製し、これを用いて、実施例1と同様にして、ポ
リアニリンのフイルムを得た。得られたフイルムの表面
抵抗は、乾燥直後で5.6×109 Ω/□であり、室温
下、大気中に1日間放置したところ、5.8×106 Ω/
□となり、更に、15日後には、1.9×105 Ω/□と
なつた。また、上記塗工溶液は室温下、1か月の放置後
も安定であつた。
【0072】比較例3 ポリビニルスルホン酸1.49gをN−メチル−2−ピロ
リドン95.93gに溶解させて、ドープ溶液を調製し
た。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェ
ニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混合
して、塗工液を調製したところ、沈殿を生じたために、
実施例1と同様に、これをポリエステルフイルム上に塗
布しても、均一なポリアニリンフイルムを得ることがで
きなかつた。
リドン95.93gに溶解させて、ドープ溶液を調製し
た。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェ
ニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混合
して、塗工液を調製したところ、沈殿を生じたために、
実施例1と同様に、これをポリエステルフイルム上に塗
布しても、均一なポリアニリンフイルムを得ることがで
きなかつた。
【0073】実施例5 実施例1と同様にしてポリアニリンのフイルムを得た。
このフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で3.4×1010Ω
/□であつた。このフイルムを2.5重量%のp−キノン
のエタノール/水混合溶液(重量比1/1)中に1分間
浸漬したところ、表面抵抗は、6.2×106 Ω/□とつ
た。
このフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で3.4×1010Ω
/□であつた。このフイルムを2.5重量%のp−キノン
のエタノール/水混合溶液(重量比1/1)中に1分間
浸漬したところ、表面抵抗は、6.2×106 Ω/□とつ
た。
【0074】実施例6 実施例1と同様にしてポリアニリンのフイルムを得た。
このフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で5.2×1010Ω
/□であつた。このフイルムを4重量%の過酸化水素水
溶液中に1分間浸漬したところ、表面抵抗は、5.3×1
06 Ω/□とつた。
このフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で5.2×1010Ω
/□であつた。このフイルムを4重量%の過酸化水素水
溶液中に1分間浸漬したところ、表面抵抗は、5.3×1
06 Ω/□とつた。
【0075】実施例7 1,5−ナフタレンジスルホン酸3.72gをN−メチル−
2−ピロリドン92.93gに溶解させ、更に、ジブチル
アミン2.67gと2−エチルヘキサン酸コバルトのミネ
ラル・スピリット溶液(コバルト含量12重量%)0.6
8gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。このドープ
溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェニレン型のポリ
アニリンの溶液と重量比1:1にて混合して、塗工液を
調製し、これを用いて、実施例1と同様にして、ポリア
ニリンのフイルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗
は、乾燥直後で1.2×109 Ω/□であり、室温下、大
気中に1日間放置したところ、2.9×107 Ω/□とな
り、更に、15日後には、4.6×106 Ω/□となつ
た。
2−ピロリドン92.93gに溶解させ、更に、ジブチル
アミン2.67gと2−エチルヘキサン酸コバルトのミネ
ラル・スピリット溶液(コバルト含量12重量%)0.6
8gを溶解させて、ドープ溶液を調製した。このドープ
溶液を実施例1と同じイミノ−p−フェニレン型のポリ
アニリンの溶液と重量比1:1にて混合して、塗工液を
調製し、これを用いて、実施例1と同様にして、ポリア
ニリンのフイルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗
は、乾燥直後で1.2×109 Ω/□であり、室温下、大
気中に1日間放置したところ、2.9×107 Ω/□とな
り、更に、15日後には、4.6×106 Ω/□となつ
た。
【0076】実施例8 p−トルエンスルホン酸アンモニウム2.6gとテトラメ
チルチウラムジスルフイド1.58gをN−メチル−2−
ピロリドン95.82gに溶解させて、ドープ溶液を調製
した。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フ
ェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混
合して、塗工液を調製し、これを用いて、実施例1と同
様にして、ポリアニリンのフイルムを得た。得られたフ
イルムの表面抵抗は、乾燥直後で3.6×108 Ω/□で
あり、更に、室温下、大気中に5日間放置したところ、
3.6×105 となつた。
チルチウラムジスルフイド1.58gをN−メチル−2−
ピロリドン95.82gに溶解させて、ドープ溶液を調製
した。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−フ
ェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて混
合して、塗工液を調製し、これを用いて、実施例1と同
様にして、ポリアニリンのフイルムを得た。得られたフ
イルムの表面抵抗は、乾燥直後で3.6×108 Ω/□で
あり、更に、室温下、大気中に5日間放置したところ、
3.6×105 となつた。
【0077】実施例9 p−トルエンスルホン酸アンモニウム2.6gとN−オキ
シジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフエンアミド1.
12gをN−メチル−2−ピロリドン96.28gに溶解
させて、ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施
例1と同じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの
溶液と重量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、こ
れを用いて、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフ
イルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直
後で9.5×108 Ω/□であり、更に、室温下、大気中
に5日間放置したところ、5.9×105 となつた。
シジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフエンアミド1.
12gをN−メチル−2−ピロリドン96.28gに溶解
させて、ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施
例1と同じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの
溶液と重量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、こ
れを用いて、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフ
イルムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直
後で9.5×108 Ω/□であり、更に、室温下、大気中
に5日間放置したところ、5.9×105 となつた。
【0078】実施例10 1,5−ナフタレンジスルホン酸3.72gをN−メチル−
2−ピロリドン94.31gに溶解させ、更に、これにプ
ロピルアミン1.22g、キノンジオキシム0.07g及び
2−エチルヘキサン酸コバルトのミネラル・スピリット
溶液(コバルト含量12重量%)0.68gを溶解させ
て、ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施例1
と同じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの溶液
と重量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、これを
用いて、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフイル
ムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で
3.6×106 Ω/□であり、室温下、大気中に1日間放
置したところ、7.9×105 Ω/□となり、更に、15
日後には、5.8×105 Ω/□となつた。
2−ピロリドン94.31gに溶解させ、更に、これにプ
ロピルアミン1.22g、キノンジオキシム0.07g及び
2−エチルヘキサン酸コバルトのミネラル・スピリット
溶液(コバルト含量12重量%)0.68gを溶解させ
て、ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施例1
と同じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの溶液
と重量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、これを
用いて、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフイル
ムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で
3.6×106 Ω/□であり、室温下、大気中に1日間放
置したところ、7.9×105 Ω/□となり、更に、15
日後には、5.8×105 Ω/□となつた。
【0079】実施例11 1,5−ナフタレンジスルホン酸3.72gをN−メチル−
2−ピロリドン92.85gに溶解させ、更に、これにジ
ブチルアミン2.67g、キノンジオキシム0.07g及び
2−エチルヘキサン酸コバルトのミネラル・スピリット
溶液(コバルト含量12重量%)0.68gを溶解させ
て、ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施例1
と同じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの溶液
と重量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、これを
用いて、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフイル
ムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で
4.0×108 Ω/□であり、室温下、大気中に1日間放
置したところ、2.6×107 Ω/□となり、更に、15
日後には、8.6×105 Ω/□となつた。
2−ピロリドン92.85gに溶解させ、更に、これにジ
ブチルアミン2.67g、キノンジオキシム0.07g及び
2−エチルヘキサン酸コバルトのミネラル・スピリット
溶液(コバルト含量12重量%)0.68gを溶解させ
て、ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施例1
と同じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの溶液
と重量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、これを
用いて、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフイル
ムを得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で
4.0×108 Ω/□であり、室温下、大気中に1日間放
置したところ、2.6×107 Ω/□となり、更に、15
日後には、8.6×105 Ω/□となつた。
【0080】実施例12 ポリビニルスルホン酸1.49gをN−メチル−2−ピロ
リドン94.41gに溶解させ、更に、これにトリブチル
アミン2.58g、キノンジオキシム0.29g及びステア
リン酸コバルト1.23gを溶解させて、ドープ溶液を調
製した。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−
フェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて
混合して、塗工液を調製し、これを用いて、実施例1と
同様にして、ポリアニリンのフイルムを得た。得られた
フイルムの表面抵抗は、乾燥直後で8.5×107 Ω/□
であり、室温下、大気中に1日間放置したところ、2.6
×106 Ω/□となり、更に、15日後には、4.5×1
05 Ω/□となつた。
リドン94.41gに溶解させ、更に、これにトリブチル
アミン2.58g、キノンジオキシム0.29g及びステア
リン酸コバルト1.23gを溶解させて、ドープ溶液を調
製した。このドープ溶液を実施例1と同じイミノ−p−
フェニレン型のポリアニリンの溶液と重量比1:1にて
混合して、塗工液を調製し、これを用いて、実施例1と
同様にして、ポリアニリンのフイルムを得た。得られた
フイルムの表面抵抗は、乾燥直後で8.5×107 Ω/□
であり、室温下、大気中に1日間放置したところ、2.6
×106 Ω/□となり、更に、15日後には、4.5×1
05 Ω/□となつた。
【0081】実施例13 p−トルエンスルホン酸アンモニウム2.6g、キノンジ
オキシム0.29g及びステアリン酸コバルト1.23gを
N−メチル−2−ピロリドン95.88gに溶解させて、
ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施例1と同
じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの溶液と重
量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、これを用い
て、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフイルムを
得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で1.5
×108 Ω/□であり、更に、室温下、大気中に5日間
放置したところ、5.7×105 Ω/□となつた。
オキシム0.29g及びステアリン酸コバルト1.23gを
N−メチル−2−ピロリドン95.88gに溶解させて、
ドープ溶液を調製した。このドープ溶液を実施例1と同
じイミノ−p−フェニレン型のポリアニリンの溶液と重
量比1:1にて混合して、塗工液を調製し、これを用い
て、実施例1と同様にして、ポリアニリンのフイルムを
得た。得られたフイルムの表面抵抗は、乾燥直後で1.5
×108 Ω/□であり、更に、室温下、大気中に5日間
放置したところ、5.7×105 Ω/□となつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 裕子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】(a) 一般式 【化1】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を主たる
繰返し単位として有する有機重合体と、(b) プロトン酸
のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロト
ン酸塩とを含む有機重合体組成物を酸化剤にて処理し
て、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上記有機重合体
にドーピングすることを特徴とする導電性有機重合体の
製造方法。 - 【請求項2】(a) 一般式 【化2】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を主たる
繰返し単位として有する有機重合体と、(b) プロトン酸
のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロト
ン酸塩と、(c) 酸化触媒を含む有機重合体組成物を酸化
剤にて処理して、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上
記有機重合体にドーピングすることを特徴とする導電性
有機重合体の製造方法。 - 【請求項3】(a) 一般式 【化3】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を主たる
繰返し単位として有する有機重合体と、(b) プロトン酸
のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロト
ン酸塩と、(c) 酸化剤を含む有機重合体組成物を熱処理
して、上記プロトン酸塩中のプロトン酸を上記有機重合
体にドーピングすることを特徴とする導電性有機重合体
の製造方法。 - 【請求項4】(a) 一般式 【化4】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を主たる
繰返し単位として有する有機重合体と、(b) プロトン酸
のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選ばれるプロト
ン酸塩と、(c) 酸化剤と、(d) 酸化触媒を含む有機重合
体組成物を熱処理して、上記プロトン酸塩中のプロトン
酸を上記有機重合体にドーピングすることを特徴とする
導電性有機重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP350893A JPH06207010A (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 導電性有機重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP350893A JPH06207010A (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 導電性有機重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207010A true JPH06207010A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=11559302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP350893A Pending JPH06207010A (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 導電性有機重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06207010A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002077070A1 (en) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Para Limited | Conductive polymers substituted with acid labile functional groups for increasing electrical conductivity and patternability and compositions having the same |
JP2013225488A (ja) * | 2012-03-20 | 2013-10-31 | Denso Corp | 非水電解液二次電池 |
-
1993
- 1993-01-12 JP JP350893A patent/JPH06207010A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002077070A1 (en) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Para Limited | Conductive polymers substituted with acid labile functional groups for increasing electrical conductivity and patternability and compositions having the same |
JP2013225488A (ja) * | 2012-03-20 | 2013-10-31 | Denso Corp | 非水電解液二次電池 |
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