JPH06206866A - ピペリジン誘導体及び高分子材料用光安定剤 - Google Patents

ピペリジン誘導体及び高分子材料用光安定剤

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JPH06206866A
JPH06206866A JP31770492A JP31770492A JPH06206866A JP H06206866 A JPH06206866 A JP H06206866A JP 31770492 A JP31770492 A JP 31770492A JP 31770492 A JP31770492 A JP 31770492A JP H06206866 A JPH06206866 A JP H06206866A
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group
compound
formula
polymer material
chemical formula
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Application number
JP31770492A
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English (en)
Inventor
Onori Fukuoka
岡 大 典 福
Yoshihisa Kiso
曽 佳 久 木
Hideto Matsuoka
岡 英 登 松
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Hydrogenated Pyridines (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子材料に対して良好な相溶性を備え、多
量に配合されても成形肌に影響を与えない光安定剤を開
発するとともに、少量の配合でも長期間に亙って基質に
光安定性を付与する光安定剤を提供することである。 【構成】 実施例6において未安定化ポリプロピレン1
00重量部に対してステアリン酸カルシウム0.1重量
部、立体障害フェノール系安定剤−1及び−2それぞれ
0.1重量部並びに本発明の各種テトラメチルピペリジ
ン誘導体(表2に記載の供試化合物)0.1重量部を配
合後に造粒及び熱成形して得られたプレスシートからダ
ンベル型試験片を作成した。 【効果】 試験片は所定条件におけるウェザーメーター
中での光照射後にも、無添加試験片の3倍以上の照射時
間において漸く引張破断点伸び残率50%まで低下する
耐候性を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピペリジン誘導体および
その高分子材料用の光安定剤としての用途に関する。詳
しくは、本発明はテトラ置換ピペリジンと特定の高分子
材料との化学結合体であって、基質高分子材料に配合さ
れた組成物が長期間に亙って光安定性を発揮する持続性
光安定剤としての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキルピペリジンの誘導体が高分
子材料に対する光安定剤として有用なことはよく知られ
ている。たとえば、特公昭48−3211号公報、特開
昭50−138041号公報、同52−7969号公
報、同52−141883号公報、同53−14457
9号公報、同54ー29400号公報、同55−364
82号公報、同55−123608号公報、同56−1
6534号公報、同56−30985号公報には比較的
低分子量のポリアルキルピペリジン誘導体が開示されて
いる。
【0003】これらの公報に示されたポリアルキル置換
ピペリジン誘導体は紫外線などによる劣化作用を一般に
受けやすい高分子材料に対して、すぐれた安定性を付与
する。しかし、該誘導体は高分子材料に対する相溶性の
要求水準を依然として充足していない。それに起因し
て、該誘導体は高分子材料に配合された場合に、形成さ
れる組成物の内部から表面へ高いブリード性を示す。ま
た、それ自体が耐水性に劣るなどの欠点があることから
屋外暴露に対する安定性に劣るという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かくして本発明の目的
はポリアルキル置換ピペリジン基を含有する公知安定剤
の特性を一新して極めて有用な新規の安定剤を提供する
することにある。すなわち本発明の目的は高分子材料に
対する良好な相溶性を備え、その寄与によって高分子材
料中に多量に配合されても成形肌に悪影響を殆ど与えな
い光安定剤を提供することにある。本発明の他の目的は
少量の配合で長期間にわたって基質高分子材料に光安定
性を付与する持続性光安定剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは本発明の新
規ピペリジン誘導体により、上記の要求が充足されるこ
とを見出して更に検討を進めた結果、本発明を完成し
た。
【0006】
【発明の具体的な説明】本発明による化合物は下記の
「化3」(=「化1」及び「化2」)に示される一般式
(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rは水素原子、アルキル基、アル
コキシル基またはアシル基を示す。R1〜R12は水素原
子、炭化水素基またはハロゲン原子を示し、それぞれ同
一でも異なっていてもよい。またR9とR10、またはR
11とR12とは一体化して2価の炭化水素基を形成しても
よく、R9またはR10とR11またはR12とは互いに環を
形成していてもよい。nは0以上の数を示し、R5〜R8
が複数回繰り返される場合には、これらはそれぞれ同一
でも異なっていてもよい。Xは酸素原子または−NR'
−基を示す。mは1〜2の数を示す。またR'は水素原
子、アルキル基、脂肪族アミノアルキル基またはアシル
基を示す)で表わされるピペリジン誘導体に関する。
【0009】上記「化3」に示された一般式(I)にお
いて、RまたはR'がアルキル基を表わす場合には、そ
れらは例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基またはオクチル基などである。RまたはR'がアシル
基を表わす場合には、それらは例えば、アセチル基、プ
ロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、カプロ
イル基、ラウロイル基またはステアロイル基などであ
る。Rがアルコキシル基を表わす場合には、それらは例
えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基またはブト
キシ基などである。
【0010】R'が脂肪族アミノアルキル基を表わす場
合には、それらは例えば2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルアミノエチル、1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジルアミノエチルなどである。
【0011】R1〜R9としては、例えば水素原子;フッ
素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基等を例示
することができ、これらはそれぞれ異なっていてもよ
く、部分的に異なっていてもよく、全部が同一であって
もよい。
【0012】前記「化1」〜「化3」に示された一般式
(I)におけるR10〜R12としては、例えば水素原子;
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、ヘキシル基またはステアリル基等のアルキル
基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル
基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニ
ル基、ナフチル基またはアントリル基等の置換もしくは
非置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基
等のアラルキル基等を例示することができる。
【0013】また、R9とR10またはR11とR12とは一
体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9また
はR10とR11またはR12とは互に環を形成してもよい。
9とR10またはR11とR12とが一体化して形成される
2価の炭化水素基としては、例えばエチリデン基、プロ
ピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等
を挙げることができる。
【0014】R9またはR10とR11またはR12とから形
成される環は単環でも縮合多環であってもよく、架橋を
有する多環であってもよく、不飽和結合を有する環であ
ってもよく、またこれらの環の組合せからなる環であっ
てもよい。このような環として具体的には、例えば下記
のものを挙げることができる。
【0015】
【化4】
【0016】(上記の環はメチル基等の置換基を有して
いてもよい。なお、上記の「化4」に示される各化学式
において1または2の番号を付された炭素原子は前記の
「化1」〜「化3」に示された一般式(I)においてR
10〜R12が結合している炭素原子を表している)。
【0017】それらの具体的な環状構造としては、たと
えばビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルまたはその誘導
体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデシルま
たはその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.0
2,7.09,14]-4-ヘプタデシルまたはその誘導体、オクタ
シクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,19.113,16.03,8.
012,17]-5-ドコシルまたはその誘導体、ペンタシクロ
[6.6.1.13,5.02,7.09,14]-4-ヘキサデシルまたはその
誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ヘ
キサデシルまたはその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.1
2,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコシルまた
はその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-ウンデシ
ルまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.
09,13]-10-エンー4ーペンタデシルまたはその誘導体、ペ
ンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]-3-ペンタデシ
ルまたはその誘導体、ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.
110,17.011,1 6.112,15]-4-エイコシルまたはその誘導
体、ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,6.02,10.012,21.1
13,20.014,19.115,18]-5-ペンタコシルまたはその誘導
体等を挙げることができる。
【0018】上記「化1」〜「化3」に示された一般式
(I)で表わされるピペリジン誘導体の1例を表1に示
す。ここで、各化合物に付けられた番号は各実施例にお
いてもそれらを識別するのに用いられている。
【0019】
【表1】
【0020】上記「化1」〜「化3」に示された一般式
(I)の化合物はXが−NR'−基(基中、R'は上で定
義したとおりである)の場合、下記の「化5」に示され
た一般式(II)の化合物
【0021】
【化5】
【0022】(式中、Rは水素原子、アルキル基、アル
コキシル基またはアシル基を示し、Ra'は水素原子、ア
ルキル基、脂肪族アミノアルキル基を示す)で表わされ
る化合物を下記の「化6」に示される一般式(III)
【0023】
【化6】
【0024】(式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素
基またはハロゲン原子を示し、それぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。またR9とR10、またはR11とR12とは
一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9
たはR10とR11またはR12とは互に環を形成していても
よい。nは0以上の数を示し、R5〜R8が複数回繰り返
される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なってい
てもよい)で表わされる化合物と反応させ(−NR'−
基においてR'がアシル基であるときは、Ra'が水素で
ある)、得られた生成物をアシル化すること等によって
製造することができる。 「化5」に示された一般式
(II)の化合物は既知であるか、あるいは既知の方法に
より既知の化合物から製造できる。ここで、「化1」〜
「化3」に示された一般式(I)の化合物であって、そ
のXが酸素原子である化合物は下記の「化7」に示され
た一般式(IV)
【0025】
【化7】
【0026】(式中、Rは上で定義したとおりである)
で表わされる化合物を脱ハロゲン化剤の存在下でブロム
酢酸メチルまたはブロム酢酸エチルなどのモノハロゲン
化脂肪族カルボン酸エステルと反応させたのちに、下記
の「化8」に示された一般式(V)のアルコールとの間
でエステル交換反応させることによって製造できる。
【0027】
【化8】
【0028】(式中、R1〜R12は水素原子、炭化水素
基またはハロゲン原子を示し、それぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。またR9とR10、またはR11とR12とは
一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9
たはR10とR11またはR12とは互いに環を形成していて
もよい。nは0以上の数を示し、R5〜R8が複数回繰り
返される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なって
いてもよい)。
【0029】前記「化1」〜「化3」に示された一般式
(I)で表される化合物は光、特に紫外線による劣化作
用に対して高分子材料を保護する光安定剤として有用で
ある。
【0030】ここで、保護される高分子材料としては例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー等
のポリオレフィン類、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエンコポリマー等のジエン系重合
体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタア
クリレート等のビニル系重合体、ポリアセタール類、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイロ
ン−6等のポリアミド類、ポリウレタン類およびエポキ
シ樹脂を挙げることができるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0031】本発明の置換ピペリジン誘導体を光安定剤
として使用するにあたり、その高分子材料への添加方法
は特に限定されず、常法を採用すれば十分である。例え
ば、該光安定剤の粉末を高分子材料に混合するか、ある
いはあらかじめ調製した光安定剤の溶液、懸濁液または
乳化液等を高分子材料の溶液、懸濁液または乳化液に混
合することにより実施される。
【0032】この場合、高分子材料中に添加する前記
「化1」〜「化3」に示された一般式(I)の化合物の
濃度は一般的には組成物基準で0.01〜5重量%、好
ましくは0.02〜1重量%である。
【0033】前記「化1」〜「化3」に示された一般式
(I)の化合物は単独で用いられても、あるいは必要に
応じて他の各種耐熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、ハロゲ
ン捕捉剤等と併用されてもよく、もちろん他の光安定剤
との併用も可能である。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0035】
【実施例1】化合物No.1の合成 2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン2.
34g(15mmol)とテトラシクロ[4.4.12,5.1
7,10]ドデシル−3−アクリレート 2.33g(10mmo
l)およびトルエン10mlを反応フラスコに入れ、還流
下に3hr反応させた。反応液を水洗後、溶媒を減圧下に
留去した。次に濃縮物を減圧蒸留により130℃/0.
1mmHgの留分として化合物No.1の淡黄色の液体3.
1gが得られた(収率80%)。
【0036】図1から判る様に、この留分の赤外線吸収
スペクトルにはエステルのC=Oに相当する1725cm
-1に強い吸収が見られた。他方、原料エステルに見られ
た1620cm-1及び1630cm-1におけるC=Cの吸収
は消失していた。
【0037】FD−質量分析(図2参照); 分子イオ
ンピーク 388。
【0038】
【実施例2】化合物No.2の合成 2,2,6,6−テトラメチル−4−メチルアミノピペリ
ジン3.81g(22.4mmol)とテトラシクロ[4.4.
2,5.17,10]ドデシル−3−アクリレート4.68g
(20.2mmol)およびトルエン25mlを反応フラスコ
に入れ、100℃にて6hr反応させた。反応液を水洗
後、溶媒を減圧下に留去した。次に濃縮物を減圧蒸留に
より250℃/2mmHgの留分として化合物No.2の
淡黄色の液体4.47gが得られた(収率50%)。
【0039】図3から判る様に、この留分の赤外線吸収
スペクトルにはエステルのC=Oに相当する1730cm
-1に強い吸収が見られた。他方、原料エステルに見られ
た1620cm-1及び1630cm-1におけるC=Cの吸収
は消失していた。
【0040】FD−質量分析(図4参照); 分子イオ
ンピーク 402。
【0041】
【実施例3】化合物No.5の合成 実施例1で得られた化合物No.1、1.94g(5mmo
l)、ピリジン1滴および1,2−ジクロロエタン15ml
を反応フラスコに入れ、このフラスコに室温下で無水酢
酸0.62g(12mmol)を1,2−ジクロロエタン4.4
mlに溶かした溶液を15minで滴下後、さらに5.5hr
反応させた。反応液を水洗後、さらに飽和Na2CO3
溶液で洗浄し、溶媒を減圧下に留去すると化合物No.
5の淡黄色の粘稠な液体2.05gが得られた(収率95
%)。
【0042】図5から判る様に、この留分の赤外線吸収
スペクトルにはエステルのC=Oに相当する1726cm
-1とアミドのC=Oに相当する1640cm-1に強い吸収
が見られた。
【0043】FD−質量分析(図6参照); 分子イオ
ンピーク 430。
【0044】
【実施例4】化合物No.7の合成 1,2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
アミノ)エタン1.2g(3.55mmol)とテトラシクロ
[4.4.12,5.17,10]ドデシル−3−アクリレート
0.82g(3.55mmol)およびトルエン8.4mlを反応
フラスコに入れ、還流下で15hr反応させた。反応液を
飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧下に留去し、得られた
濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエ
ン/メタノールで展開)で精製することにより、化合物
No.7の黄橙色の粘稠な液体0.67gが得られた(収
率33%)。
【0045】図7から判る様に、この留分の赤外線吸収
スペクトルにはエステルのC=Oに相当する1735cm
-1に強い吸収が見られた。原料エステルに見られた16
20cm-1及び1630cm-1におけるC=Cの吸収は消失
していた。
【0046】FD−質量分析(図8参照); 分子イオ
ンピーク 571。
【0047】
【実施例5】化合物No.13の合成 2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジ
ン15.4g、ブロム酢酸メチル50g(327mmol)、
テトラブチルアンモニウムヨーダイド0.18g(0.5m
mol)およびNaOH粉末を反応フラスコに入れ、75
℃で3.5hr反応させた。反応混合物を水に注ぎトルエ
ンで抽出した。溶媒を減圧下に留去し、得られた濃縮物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチルで展開)で分離精製すると化合物No.13に
対応する黄緑色のワックス状メチルエステル3.69gが
得られた(収率16%)。
【0048】次にこのメチルエステル1.85g(8.1m
mol)、3−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.12,5.
7,10]ドデカン2.98g(16.2mmol)、粉末のナ
トリウムメトキシド0.09g(1.62mmol)およびト
ルエン30mlを反応フラスコに入れ、還流下に2.5hr
反応させた。反応液を飽和食塩水で洗浄後、減圧下に溶
媒を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルで展開)で分離精
製すると、化合物No.13の淡黄緑液体2.15gが得
られた(収率71%)。
【0049】図9から判る様に、この液体の赤外線吸収
スペクトルにはエステルのC=Oに相当する1740cm
-1の強い吸収が見られた。 FD−質量分析(図10参照); 分子イオンピーク
375。
【0050】
【実施例6】下記の各化合物をミキサーに装入して混合
したのち、230℃で押出機で造粒した。得られたペレ
ットを用いて熱プレス(200℃)でプレスシート(厚
さ0.5mm)を成形し、該シートからダンベル試験片
(長さ5cm)を作成した。この試験片をサンシャインウ
エザーメーター(光源;カーボンアーク、ブラックパネ
ル温度63±3℃、1時間当り12分間の水噴霧)中で
光照射し、引張破断点伸び残率が50%に低下するまで
の時間を測定して、その時間の長短で耐候性を評価し
た。その結果を表2に示す。
【0051】 <配合> 未安定化ポリプロピレン 100 重量部 ステアリン酸カルシウム 0.1 〃 立体障害フェノール系安定剤−1 0.1 〃 立体障害フェノール系安定剤−2 0.1 〃 供試化合物 0.1 〃 立体障害フェノール系安定剤−1:商品名イルガノック
ス1010 立体障害フェノール系安定剤−2:商品名イルガノック
ス1076 (立体障害フェノール系安定剤−1および−2共に「チ
バ・ガイギー社製」)。
【0052】
【表2】
【0053】
【実施例7】下記の各化合物をミキサーに装入して混合
したのち、230℃で押出機で造粒した。得られたペレ
ットを用いて、熱プレス(200℃)でプレスシート
(厚さ2mm)を成形し、試験片(45mm×45mm×2m
m)を作成した。この試験片をパーフェクトオーブン
(80℃)に入れ、設定温度における試験片の表面を経
時的に観察して、ブリードアウトの有無を評価した。そ
の結果を表3に示す。
【0054】 <配合> 未安定化ポリプロピレン 100 重量部 ステアリン酸カルシウム 0.1 〃 立体障害フェノール系安定剤−1 0.1 〃 立体障害フェノール系安定剤−2 0.1 〃 供試化合物 0.1 〃 立体障害フェノール系安定剤−1:商品名イルガノック
ス1010 立体障害フェノール系安定剤−2:商品名イルガノック
ス1076 (立体障害フェノール系安定剤−1および−2共に「チ
バ・ガイギー社製」)。
【0055】
【表3】
【0056】
【化9】
【0057】
【発明の効果】本発明のテトラメチルピペリジン誘導体
は光安定剤として高分子材料に添加された場合にすぐれ
た安定性を付与するだけでなく、基質高分子材料の内部
からブリードアウトしにくいことによって長期間に亙り
すぐれた光安定性付与効果を持続的に提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物1)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色液体の赤外線
吸収スペクトルを示すチャートである。
【図2】図2は実施例1の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物1)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色液体の質量分
析スペクトルを示すチャートである。
【図3】図3は実施例2の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物2)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色液体の赤外線
吸収スペクトルを示すチャートである。
【図4】図2は実施例2の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物2)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色液体の質量分
析スペクトルを示すチャートである。
【図5】図5は実施例3の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物5)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色の粘稠な液体
の赤外線吸収スペクトルを示すチャートである。
【図6】図6は実施例3の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物5)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色の粘稠な液体
の質量分析スペクトルを示すチャートである。
【図7】図7は実施例4の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物7)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色の粘稠な液体
の赤外線吸収スペクトルを示すチャートである。
【図8】図7は実施例4の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物7)を合成した結果、
得られた反応生成物から採取された淡黄色の粘稠な液体
の質量分析スペクトルを示すチャートである。
【図9】図9は実施例5の記載に従って本発明のテトラ
メチルピペリジン誘導体(化合物13)を合成した結
果、得られた反応生成物から採取された淡黄緑色の液体
の赤外線吸収スペクトルを示すチャートである。
【図10】図10は実施例5の記載に従って本発明のテ
トラメチルピペリジン誘導体(化合物13)を合成した
結果、得られた反応生成物から採取された淡黄緑色の粘
稠な液体の質量分析スペクトルを示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 15/30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の「化1」に示された一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシル基ま
    たはアシル基を示す。R1〜R12は水素原子、炭化水素
    基またはハロゲン原子を示し、それぞれ同一でも異なっ
    ていてもよい。またR9とR10、またはR11とR12とは
    一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9
    たはR10とR11またはR12とは互いに環を形成していて
    もよい。nは0以上の数を示し、R5〜R8が複数回繰り
    返される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なって
    いてもよい。Xは酸素原子または−NR'−基を示す。
    mは1〜2の数を示す。またR'は水素原子、アルキル
    基、脂肪族アミノアルキル基またはアシル基を示す)で
    表わされるピペリジン誘導体。
  2. 【請求項2】下記の「化2」(=「化1」)に示された
    一般式(I) 【化2】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシル基ま
    たはアシル基を示す。R1〜R12は水素原子、炭化水素
    基またはハロゲン原子を示し、それぞれ同一でも異なっ
    ていてもよい。またR9とR10、またはR11とR12とは
    一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9
    たはR10とR11またはR12とは互いに環を形成していて
    もよい。nは0以上の数を示し、R5〜R8が複数回繰り
    返される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なって
    いてもよい。Xは酸素原子または−NR'−基を示す。
    mは1〜2の数を示す。またR'は水素原子、アルキル
    基、脂肪族アミノアルキル基またはアシル基を示す)で
    表わされるピペリジン誘導体からなる高分子材料用光安
    定剤。
JP31770492A 1992-11-02 1992-11-02 ピペリジン誘導体及び高分子材料用光安定剤 Pending JPH06206866A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004182815A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Unitika Ltd 耐光性ポリアミド及び耐光性ポリアミド繊維

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004182815A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Unitika Ltd 耐光性ポリアミド及び耐光性ポリアミド繊維

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