JPH0620611B2 - アモルフアス金属薄帯の製造方法 - Google Patents
アモルフアス金属薄帯の製造方法Info
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- JPH0620611B2 JPH0620611B2 JP61131917A JP13191786A JPH0620611B2 JP H0620611 B2 JPH0620611 B2 JP H0620611B2 JP 61131917 A JP61131917 A JP 61131917A JP 13191786 A JP13191786 A JP 13191786A JP H0620611 B2 JPH0620611 B2 JP H0620611B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、冷却媒体として高速で回転する単ロールを
用いてアモルファス金属薄帯を製造するいわゆる超急冷
金属薄帯製造法(以下単ロール法と称す)において、溶
融金属の供給ノズル先端と冷却ロール表面との間隙を注
湯時間に応じて適切に制御することによって、良質で厚
みの均一なアモルファス合金リボンを得ることができる
アモルファス金属薄帯の有利な製造方法に関するもので
ある。
用いてアモルファス金属薄帯を製造するいわゆる超急冷
金属薄帯製造法(以下単ロール法と称す)において、溶
融金属の供給ノズル先端と冷却ロール表面との間隙を注
湯時間に応じて適切に制御することによって、良質で厚
みの均一なアモルファス合金リボンを得ることができる
アモルファス金属薄帯の有利な製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 所定の成分組成に調整した溶融金属を、その供給ノズル
から冷却ロール表面に連続して供給し、急冷凝固させて
アモルファス金属薄帯を得る方法は、磁気的性質や機械
的性質等に優れた薄帯を連続的に製造できるということ
から近年急速に研究が進み、すでに実用化の段階を迎え
ている。かかる超急冷法によって得られたアモルファス
金属薄帯は、例えばその優れた磁気的性質を利用してイ
ンダクターの鉄芯に用いられている他、とくに最近で
は、電力用トランスの巻き鉄芯用として数十〜数百mm幅
のアモルファス金属薄帯に対する要求が殊の外強く、こ
のような広幅のアモルファス金属薄帯の製造技術の確立
が熱望されている。
から冷却ロール表面に連続して供給し、急冷凝固させて
アモルファス金属薄帯を得る方法は、磁気的性質や機械
的性質等に優れた薄帯を連続的に製造できるということ
から近年急速に研究が進み、すでに実用化の段階を迎え
ている。かかる超急冷法によって得られたアモルファス
金属薄帯は、例えばその優れた磁気的性質を利用してイ
ンダクターの鉄芯に用いられている他、とくに最近で
は、電力用トランスの巻き鉄芯用として数十〜数百mm幅
のアモルファス金属薄帯に対する要求が殊の外強く、こ
のような広幅のアモルファス金属薄帯の製造技術の確立
が熱望されている。
単ロール法によって得られるアモルファス金属薄帯は、
厚みが15〜65μm程度と極めて薄く、かかる厚みのコン
トロールは冷却ロール表面と供給ノズル先端との間のギ
ャップ(以下単にロール・ノズル間ギャップという)や
ロール周速および注湯量を厳密に管理することによって
行われている。
厚みが15〜65μm程度と極めて薄く、かかる厚みのコン
トロールは冷却ロール表面と供給ノズル先端との間のギ
ャップ(以下単にロール・ノズル間ギャップという)や
ロール周速および注湯量を厳密に管理することによって
行われている。
ところでロール・ノズル間ギャップは、溶融金属が冷却
ロールに射出された時から、ロール表面の温度上昇にと
もなう熱膨張によって次第に狭くなる。
ロールに射出された時から、ロール表面の温度上昇にと
もなう熱膨張によって次第に狭くなる。
実験室的規模での製造では、熱膨張によるヒートクラウ
ンが成長する以前に射出を完了するので、ノズル・ロー
ル間ギャップの制御がとくに必要とされることはない
が、工業的規模での製造においては、かかるノズル・ロ
ール間ギャップの変動が問題となる。
ンが成長する以前に射出を完了するので、ノズル・ロー
ル間ギャップの制御がとくに必要とされることはない
が、工業的規模での製造においては、かかるノズル・ロ
ール間ギャップの変動が問題となる。
上記の問題の解決策として、予めロールのヒートクラウ
ン量を予測し、ヒートクラウンが飽和した時点で適正量
のギャップとなるようノズル位置を最初から固定してお
く方法が知られている。
ン量を予測し、ヒートクラウンが飽和した時点で適正量
のギャップとなるようノズル位置を最初から固定してお
く方法が知られている。
しかしこの方法では、幅の狭い数十〜数百グラム程度の
アモルファス金属薄帯は得られるけれども、前述した広
幅のアモルファス金属薄帯の工業的規模での大量生産を
目的とする場合には、必ずしも適正量のギャップを保て
ず、長手方向の薄帯厚みは一定とすることは難しい。
アモルファス金属薄帯は得られるけれども、前述した広
幅のアモルファス金属薄帯の工業的規模での大量生産を
目的とする場合には、必ずしも適正量のギャップを保て
ず、長手方向の薄帯厚みは一定とすることは難しい。
その他溶融金属の流下中におこるロールの熱膨張による
ロール・ノズル間ギャップの変化を低減する方法とし
て、たとえば特公昭60- 43221号公報や特開昭56- 91967
号公報では、間隙制御を行う方法を提案している。
ロール・ノズル間ギャップの変化を低減する方法とし
て、たとえば特公昭60- 43221号公報や特開昭56- 91967
号公報では、間隙制御を行う方法を提案している。
上記の技術はいずれも、ロール・ノズル間ギャップを溶
融金属射出初期においてすでに、最終的に維持しようと
するギャップ値に保持し、その後も一定ギャップ値に制
御する方法である。
融金属射出初期においてすでに、最終的に維持しようと
するギャップ値に保持し、その後も一定ギャップ値に制
御する方法である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの方法では、注湯開始時からすで
に最終的に維持しようとするギャップに保持するため
に、その間隙は極めて狭く、たとえばトランス用材料と
してのFe−B−Si組成で20〜30μmのアモルファス
金属薄帯を得るためには、 0.1〜 0.3mm程度のギャップ
に設定することになる。前掲した特開昭56- 91967号公
報に示される単ロール法によればロール・ノズル間ギャ
ップを 0.3mmの一定に設定した条件のもとで、幅5mm、
厚み50μmの金属薄帯を得ている。しかしこの技術によ
り、上記のように、 0.1〜 0.3mmとより狭いロール・ノ
ズル間ギャップとして、しかも前述のような幅数十mm以
上の広幅極薄の金属薄帯を製造しようとした場合には、
注湯の初期にノズル先端のスリット開口部の一部または
全体にわたって、溶融金属の凝固によるノズル詰りを生
じるおそれが大きく、たとえ全体的な閉塞が生じない場
合においても得られる金属薄帯の表面性状が悪化した
り、また幅方向に厚みが著しくばらついたり、時には断
裂したスダレ状の薄帯となるなどの問題が生じる。しか
もこのようなトラブルは、注湯の初期のみならずそれ以
降においても、薄帯表面に欠陥として転写されたり、注
湯中のノズル詰まり状態の変化により、長手方向の厚み
が変化する重大な弊害を招いていた。
に最終的に維持しようとするギャップに保持するため
に、その間隙は極めて狭く、たとえばトランス用材料と
してのFe−B−Si組成で20〜30μmのアモルファス
金属薄帯を得るためには、 0.1〜 0.3mm程度のギャップ
に設定することになる。前掲した特開昭56- 91967号公
報に示される単ロール法によればロール・ノズル間ギャ
ップを 0.3mmの一定に設定した条件のもとで、幅5mm、
厚み50μmの金属薄帯を得ている。しかしこの技術によ
り、上記のように、 0.1〜 0.3mmとより狭いロール・ノ
ズル間ギャップとして、しかも前述のような幅数十mm以
上の広幅極薄の金属薄帯を製造しようとした場合には、
注湯の初期にノズル先端のスリット開口部の一部または
全体にわたって、溶融金属の凝固によるノズル詰りを生
じるおそれが大きく、たとえ全体的な閉塞が生じない場
合においても得られる金属薄帯の表面性状が悪化した
り、また幅方向に厚みが著しくばらついたり、時には断
裂したスダレ状の薄帯となるなどの問題が生じる。しか
もこのようなトラブルは、注湯の初期のみならずそれ以
降においても、薄帯表面に欠陥として転写されたり、注
湯中のノズル詰まり状態の変化により、長手方向の厚み
が変化する重大な弊害を招いていた。
この発明は、上述の従来技術の難点および欠点を補い、
かつ、従来技術とはまったく異なるノズル位置制御を行
うことにより、アモルファス金属薄帯の用途を著しく拡
大し得る広幅のアモルファス金属薄帯を製造する際に従
来問題とされたノズル詰りは勿論のこと、薄帯幅方向の
厚みのばらつきや断裂および長手方向の厚み変化などを
生じる不利なしに良質の薄帯を得ようとするものであ
る。
かつ、従来技術とはまったく異なるノズル位置制御を行
うことにより、アモルファス金属薄帯の用途を著しく拡
大し得る広幅のアモルファス金属薄帯を製造する際に従
来問題とされたノズル詰りは勿論のこと、薄帯幅方向の
厚みのばらつきや断裂および長手方向の厚み変化などを
生じる不利なしに良質の薄帯を得ようとするものであ
る。
すなわち従来技術では、薄帯製造の製造初期からリボン
厚みを一定にするためのノズル位置制御を行っていたの
に対し、この発明では、製造初期に発生するノズル詰り
防止を目的としたノズル位置制御を行なうことにより、
初期トラブル発生の防止は勿論、それに基因したその後
の欠陥の発生を効果的に防止して健全な製品を得ること
ができるアモルファス金属薄帯の有利な製造方法を提案
することを目的とする。
厚みを一定にするためのノズル位置制御を行っていたの
に対し、この発明では、製造初期に発生するノズル詰り
防止を目的としたノズル位置制御を行なうことにより、
初期トラブル発生の防止は勿論、それに基因したその後
の欠陥の発生を効果的に防止して健全な製品を得ること
ができるアモルファス金属薄帯の有利な製造方法を提案
することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) まずこの発明の解明経緯について説明する。
単ロールを用いたアモルファスリボン製造法において
は、溶融金属からの冷却速度を大きくとる必要があり、
従ってリボン厚みが薄いほど非晶質化率の高い材料が得
られる。
は、溶融金属からの冷却速度を大きくとる必要があり、
従ってリボン厚みが薄いほど非晶質化率の高い材料が得
られる。
リボン厚みは、ロール周速度や溶融金属射出量、ノズル
・ロール間ギャップなどを制御することによって一定の
厚みを得ることができる。とりわけ、ノズル・ロール間
ギャップの制御は、良質なアモルファス金属薄帯の製造
にとって最も重要な要件である。
・ロール間ギャップなどを制御することによって一定の
厚みを得ることができる。とりわけ、ノズル・ロール間
ギャップの制御は、良質なアモルファス金属薄帯の製造
にとって最も重要な要件である。
ところで前述したとおりノズル・ロール間ギャップは、
溶融金属射出後のロールヒートクラウンによって狭まっ
てくるので、これを制御して目的とするギャップに調整
することは必要不可欠な操作である。
溶融金属射出後のロールヒートクラウンによって狭まっ
てくるので、これを制御して目的とするギャップに調整
することは必要不可欠な操作である。
発明者らは、ノズル・ロール間ギャップを最終的に維持
しようとするギャップに初期設定しておく従来技術の製
造方法(前述の特公昭60- 43221号および特開昭56- 919
67号公報)では、特に幅50mm以上の金属薄帯の製造の際
にノズルから射出された溶融金属がノズル・ロール間で
鋳造方向に誘導されないまま凝固し、ノズル詰りを起す
現像を発見した。そこで広範囲の操業条件に関してこの
現象を詳細に解析したところ以下の知見を得るに到っ
た。
しようとするギャップに初期設定しておく従来技術の製
造方法(前述の特公昭60- 43221号および特開昭56- 919
67号公報)では、特に幅50mm以上の金属薄帯の製造の際
にノズルから射出された溶融金属がノズル・ロール間で
鋳造方向に誘導されないまま凝固し、ノズル詰りを起す
現像を発見した。そこで広範囲の操業条件に関してこの
現象を詳細に解析したところ以下の知見を得るに到っ
た。
すなわち注湯初期のノズル詰りは、ノズルが十分に加熱
されていない時、およびノズル・ロール間ギャップが小
さいときに起る。このうちノズル温度に起因したノズル
詰りについては、ノズル温度が溶融金属温度に近づけば
ノズル詰りを起こしにくくなるのは当然のことである
が、同時に射出圧力を上げることによっても解決でき
る。
されていない時、およびノズル・ロール間ギャップが小
さいときに起る。このうちノズル温度に起因したノズル
詰りについては、ノズル温度が溶融金属温度に近づけば
ノズル詰りを起こしにくくなるのは当然のことである
が、同時に射出圧力を上げることによっても解決でき
る。
一方、ノズル・ロール間ギャップが小さいことによるノ
ズル詰りは、ノズルの温度や射出圧力にさほど依存せ
ず、むしろノズル・ロール間にできる湯溜り(パドル)
の厚みが問題となる。パドルの厚みが 0.3mm未満(注湯
初期ギャップ値)では、ロール表面に溶融金属が当った
時点で凝固が起こり、この凝固はノズルスリット内面に
まで瞬時におこる。したがって安定した溶融金属の供給
を可能とするためには、初期ギャップ値を 0.3mm以上と
する必要がある。
ズル詰りは、ノズルの温度や射出圧力にさほど依存せ
ず、むしろノズル・ロール間にできる湯溜り(パドル)
の厚みが問題となる。パドルの厚みが 0.3mm未満(注湯
初期ギャップ値)では、ロール表面に溶融金属が当った
時点で凝固が起こり、この凝固はノズルスリット内面に
まで瞬時におこる。したがって安定した溶融金属の供給
を可能とするためには、初期ギャップ値を 0.3mm以上と
する必要がある。
しかしながら、鋳造開始後少なくとも3秒以上経過する
と、ロール表面の温度上昇により溶融金属が凝固する範
囲はたとえばノズル・ロール間キャップを 0.3mmより小
さくしてもノズル内部にまでは及ばなくなり、ノズル詰
りを起こさなくなる。したがって少なくとも3秒以後に
ギャップ値を小さくすることは、何ら問題とならない。
と、ロール表面の温度上昇により溶融金属が凝固する範
囲はたとえばノズル・ロール間キャップを 0.3mmより小
さくしてもノズル内部にまでは及ばなくなり、ノズル詰
りを起こさなくなる。したがって少なくとも3秒以後に
ギャップ値を小さくすることは、何ら問題とならない。
とはいえロール・ノズル間ギャップが 1.0mmを超える
と、鋳造方向とは反対の方向に溶鋼が飛散する現象いわ
ゆるパドルブレークが発生し、ロール・ノズル間で安定
した溶融金属溜りができず、薄帯を連続的に鋳造するこ
とができないばかりか、凝固塊がロール・ノズル間に引
込まれてノズル割れの原因となる。
と、鋳造方向とは反対の方向に溶鋼が飛散する現象いわ
ゆるパドルブレークが発生し、ロール・ノズル間で安定
した溶融金属溜りができず、薄帯を連続的に鋳造するこ
とができないばかりか、凝固塊がロール・ノズル間に引
込まれてノズル割れの原因となる。
なお注湯初期に部分的な詰りが発生した場合、かかる部
分的詰りはその後の薄帯表面に欠陥として転写されるお
それが大きいが、この点についてもあらかじめノズル・
ロール間の初期ギャップを広くとっておき、その後に適
正値に調整するようにすれば何ら問題はないことも併せ
て突き止めた。
分的詰りはその後の薄帯表面に欠陥として転写されるお
それが大きいが、この点についてもあらかじめノズル・
ロール間の初期ギャップを広くとっておき、その後に適
正値に調整するようにすれば何ら問題はないことも併せ
て突き止めた。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明は、溶融金属を、その供給ノズルか
ら、高速で回転する冷却ロール表面に連続して供給し、
急冷凝固させて連続的にアモルファス金属薄帯を製造す
るに当り、 注湯開始から少なくとも3秒間にわたる初期設定時間
は、冷却ロール表面と供給ノズル先端との間のギャップ
を、冷却ロールの半径方向における熱膨張量に係りなし
に 0.3〜 1.0mmの範囲に設定しておき、 上記の初期設定時間が経過したのちは、上記ギャップを
所定の一定値に狭める供給ノズルの位置制御を行うこと
から成るアモルファス金属薄帯の製造方法である。
ら、高速で回転する冷却ロール表面に連続して供給し、
急冷凝固させて連続的にアモルファス金属薄帯を製造す
るに当り、 注湯開始から少なくとも3秒間にわたる初期設定時間
は、冷却ロール表面と供給ノズル先端との間のギャップ
を、冷却ロールの半径方向における熱膨張量に係りなし
に 0.3〜 1.0mmの範囲に設定しておき、 上記の初期設定時間が経過したのちは、上記ギャップを
所定の一定値に狭める供給ノズルの位置制御を行うこと
から成るアモルファス金属薄帯の製造方法である。
(作 用) 第1図に曲線Aで、高速回転する水冷式銅合金ロール上
にFe78B10Si12溶融合金を射出し、板幅100mm の冷
却ロールの幅方向中央域におけるアモルファス金属薄帯
を製造している過程での、ロール半径方向の熱膨張量の
時間変位を示す。熱膨張量は注湯開始と同時に大きくな
るが、時間の経過とともに、溶融金属冷却ロールと冷却
水の間に熱的定常状態が成り立ち、ロールの熱膨張量は
安定する。このときの、ロールの半径方向の熱膨張量は
0.1〜 0.8mm程度であり、この値はロール材質、ロール
の冷却構造、注湯幅、薄帯厚み、溶融金属組成および注
湯温度等によって決定づけられる。
にFe78B10Si12溶融合金を射出し、板幅100mm の冷
却ロールの幅方向中央域におけるアモルファス金属薄帯
を製造している過程での、ロール半径方向の熱膨張量の
時間変位を示す。熱膨張量は注湯開始と同時に大きくな
るが、時間の経過とともに、溶融金属冷却ロールと冷却
水の間に熱的定常状態が成り立ち、ロールの熱膨張量は
安定する。このときの、ロールの半径方向の熱膨張量は
0.1〜 0.8mm程度であり、この値はロール材質、ロール
の冷却構造、注湯幅、薄帯厚み、溶融金属組成および注
湯温度等によって決定づけられる。
第1図中番号は、前述の特公昭60- 43221号および特
開昭56- 91967号各公報に示された制御法で、最終的に
維持するに必要なロール・ノズル間ギャップ: 0.1〜
0.3mmに初期設定した後、ヒートクラウンに対応してノ
ズル位置を移動させ、一定のギャップを連続して維持し
た場合である。
開昭56- 91967号各公報に示された制御法で、最終的に
維持するに必要なロール・ノズル間ギャップ: 0.1〜
0.3mmに初期設定した後、ヒートクラウンに対応してノ
ズル位置を移動させ、一定のギャップを連続して維持し
た場合である。
また第1図中番号,およびは、この発明法の一例
であり、初期ギャップを 0.3〜 1.0mmに設定した後、ロ
ールの熱膨張量が定常状態に近づくに従って、おだやか
に、最終的に目標とするギャップである 0.1〜 0.3mmに
制御するものである。
であり、初期ギャップを 0.3〜 1.0mmに設定した後、ロ
ールの熱膨張量が定常状態に近づくに従って、おだやか
に、最終的に目標とするギャップである 0.1〜 0.3mmに
制御するものである。
この発明で、ロール・ノズル間ギャップを比較的大きい
0.3〜 1.0mmに保持すべき初期設定時間は注湯開始から
少なくとも3秒を必要とする。というのは注湯初期の1
〜2秒のうちに、ロール・ノズル間ギャップを 0.1〜
0.3mmに制御してしまうと、ノズル詰りが生じ易いから
である。
0.3〜 1.0mmに保持すべき初期設定時間は注湯開始から
少なくとも3秒を必要とする。というのは注湯初期の1
〜2秒のうちに、ロール・ノズル間ギャップを 0.1〜
0.3mmに制御してしまうと、ノズル詰りが生じ易いから
である。
そしてかかる初期設定時間経過後にロール、ノズル間ギ
ャップを一定に制御することによって、長手方向に厚み
の均一なアモルファス金属薄帯を作ることができる。
ャップを一定に制御することによって、長手方向に厚み
の均一なアモルファス金属薄帯を作ることができる。
この発明においてノズルの位置制御を行うに当っては、
ロールの熱膨張を変位として検知し、その検知信号から
ロール・ノズル間ギャップを算出してノズル位置を適正
レベルに制御するいわゆるフィードバック制御が有利に
適合する。
ロールの熱膨張を変位として検知し、その検知信号から
ロール・ノズル間ギャップを算出してノズル位置を適正
レベルに制御するいわゆるフィードバック制御が有利に
適合する。
また予め計測した注湯時間とロールの半径方向の熱膨張
量との関係にもとづいて、たとえばコンピュータ等によ
るプログラムによってノズル注湯制御を行なうことによ
っても、最終的に維持すべきロール・ノズル間ギャップ
を精度良く保持することができる。
量との関係にもとづいて、たとえばコンピュータ等によ
るプログラムによってノズル注湯制御を行なうことによ
っても、最終的に維持すべきロール・ノズル間ギャップ
を精度良く保持することができる。
(実施例) 実施例1 原子%でFe78B10Si12組成に調製した溶融金属30kg
を、その供給ノズルから高速で回転する冷却ロールの表
面に、ロール・ノズル間初期ギャップ: 0.9mm、初期設
定時間:5秒の条件下に連続して供給した。注湯開始か
ら5秒経過後に、渦流計によって検知した冷却ロールの
幅方向中央域における半径方向の熱膨張量に応じて、ロ
ール・ノズル間ギャップが 0.2mmの一定ギャップを維持
するように、油圧シリンダによるノズルの位置制御を行
った。
を、その供給ノズルから高速で回転する冷却ロールの表
面に、ロール・ノズル間初期ギャップ: 0.9mm、初期設
定時間:5秒の条件下に連続して供給した。注湯開始か
ら5秒経過後に、渦流計によって検知した冷却ロールの
幅方向中央域における半径方向の熱膨張量に応じて、ロ
ール・ノズル間ギャップが 0.2mmの一定ギャップを維持
するように、油圧シリンダによるノズルの位置制御を行
った。
その結果、ノズル詰りを起すことなく、しかも初期設定
時間以降の約3660m にわたる薄帯については、幅方向の
厚みが29〜31μmと均一でかつ良質の100mm 幅のアモル
ファス金属薄帯が得られた。
時間以降の約3660m にわたる薄帯については、幅方向の
厚みが29〜31μmと均一でかつ良質の100mm 幅のアモル
ファス金属薄帯が得られた。
なお薄帯の幅方向の厚みは、ポイントマイクロメータを
用いて幅方向に5mmピッチで測定した結果である。
用いて幅方向に5mmピッチで測定した結果である。
実施例2 実施例1と同じく原子%でFe78B10Si12組成の溶融
金属30kgについて、ロール・ノズル間初期ギャップ:
0.5mm、初期設定時間:3秒の条件下に注湯を開始し
た。3秒間の初期設定時間経過後から、予め計測してお
いた注湯時間と冷却ロールの幅方向中央域における半径
方向の熱膨張量との関係に基くプログラム制御により、
ロール・ノズル間ギャップを 0.25mmの一定値に維持す
べく、油圧シリンダによるノズルの位置制御を行った。
金属30kgについて、ロール・ノズル間初期ギャップ:
0.5mm、初期設定時間:3秒の条件下に注湯を開始し
た。3秒間の初期設定時間経過後から、予め計測してお
いた注湯時間と冷却ロールの幅方向中央域における半径
方向の熱膨張量との関係に基くプログラム制御により、
ロール・ノズル間ギャップを 0.25mmの一定値に維持す
べく、油圧シリンダによるノズルの位置制御を行った。
その結果、3秒間の初期設定時間に相当する約80m を除
く、約3720m 長の薄帯については、幅方向の厚みが32〜
34μmと均一でかつ良質の100mm 幅のアモルファス金属
薄帯が得られた。
く、約3720m 長の薄帯については、幅方向の厚みが32〜
34μmと均一でかつ良質の100mm 幅のアモルファス金属
薄帯が得られた。
比較例1 同じくFe78B10Si12(原子%)組成の溶融金属30kg
を、ロール・ノズル間初期ギャップを 0.20mmに設定し
た供給ノズルから注湯し、この注湯と同時に冷却ロール
の幅方向中央域における半径方向の熱膨張量に応じて該
ギャップを 0.20mmに維持するプログラム制御を行った
ところ、溶融金属の射出直後にノズル詰まりを生じ、そ
の後はロールに溶融金属を供給することができなかっ
た。
を、ロール・ノズル間初期ギャップを 0.20mmに設定し
た供給ノズルから注湯し、この注湯と同時に冷却ロール
の幅方向中央域における半径方向の熱膨張量に応じて該
ギャップを 0.20mmに維持するプログラム制御を行った
ところ、溶融金属の射出直後にノズル詰まりを生じ、そ
の後はロールに溶融金属を供給することができなかっ
た。
比較例2 ロール・ノズル間ギャップを 0.25mm に設定した他は、
比較例1と同様のプログラム制御下に溶融金属の注湯を
行ったところ、注湯初期から末期までの全期間にわたっ
て、ノズル幅方向に部分的な詰りを生じ、その結果、全
長4030m にわたって板幅方向も断裂した金属薄帯しか得
られず、その厚みも幅方向に18〜35μmと大きくばらつ
いていた。
比較例1と同様のプログラム制御下に溶融金属の注湯を
行ったところ、注湯初期から末期までの全期間にわたっ
て、ノズル幅方向に部分的な詰りを生じ、その結果、全
長4030m にわたって板幅方向も断裂した金属薄帯しか得
られず、その厚みも幅方向に18〜35μmと大きくばらつ
いていた。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、単ロール法によるアモルフ
ァス金属薄帯の製造において、ノズル詰まりを生じるこ
となく、しかも薄帯のほぼ全長にわたって板幅方向およ
び長さ方向の板厚が均一な広幅のアモルファス金属薄帯
を得ることができる。
ァス金属薄帯の製造において、ノズル詰まりを生じるこ
となく、しかも薄帯のほぼ全長にわたって板幅方向およ
び長さ方向の板厚が均一な広幅のアモルファス金属薄帯
を得ることができる。
さらにこの発明では、冷却ロールの熱膨張の変化速度が
比較的小さくなってからノズルの位置制御を行うもので
あるから、従来例におけるようにロールの熱膨張の急激
な立上がりに対応するための応答性の良い極めて高度な
ノズル位置制御手段をとりたてて必要とせず、従来一般
に用いられている位置制御手段で十分に対応できるの
で、ノズル位置制御系の経済的負担が極めて小さくて済
む点でも有利である。
比較的小さくなってからノズルの位置制御を行うもので
あるから、従来例におけるようにロールの熱膨張の急激
な立上がりに対応するための応答性の良い極めて高度な
ノズル位置制御手段をとりたてて必要とせず、従来一般
に用いられている位置制御手段で十分に対応できるの
で、ノズル位置制御系の経済的負担が極めて小さくて済
む点でも有利である。
第1図は、注湯過程における冷却ロールのヒートクラウ
ン量の変化およびノズル位置の移動を示したグラフであ
る。
ン量の変化およびノズル位置の移動を示したグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 真司 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭59−54456(JP,A) 特開 昭60−102554(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】溶融金属を、その供給ノズルから、高速で
回転する冷却ロール表面に連続して供給し、急冷凝固さ
せて連続的にアモルファス金属薄帯を製造するに当り、 注湯開始から少なくとも3秒間にわたる初期設定時間
は、冷却ロール表面と供給ノズル先端との間のギャップ
を、冷却ロールの半径方向における熱膨張量に係りなし
に 0.3〜 1.0mmの範囲に設定しておき、 上記の初期設定時間が経過したのちは、上記ギャップを
所定の一定値に狭める供給ノズルの位置制御を行うこと
を特徴とするアモルファス金属薄帯の製造方法。 - 【請求項2】供給ノズルの位置制御が、冷却ロールの熱
膨張を変位として検知し、この検知信号に基いてロール
・ノズル間ギャップを調整するものである特許請求の範
囲第1項記載の方法。 - 【請求項3】供給ノズルの位置制御が、予め計測した注
湯時間と冷却ロールの半径方向の熱膨張量との関係に基
いてロール・ノズル間ギャップを調整するものである特
許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61131917A JPH0620611B2 (ja) | 1986-06-09 | 1986-06-09 | アモルフアス金属薄帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61131917A JPH0620611B2 (ja) | 1986-06-09 | 1986-06-09 | アモルフアス金属薄帯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62289355A JPS62289355A (ja) | 1987-12-16 |
JPH0620611B2 true JPH0620611B2 (ja) | 1994-03-23 |
Family
ID=15069212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61131917A Expired - Fee Related JPH0620611B2 (ja) | 1986-06-09 | 1986-06-09 | アモルフアス金属薄帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0620611B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5954456A (ja) * | 1982-09-24 | 1984-03-29 | Nippon Steel Corp | 超急冷薄帯の板厚制御方法 |
-
1986
- 1986-06-09 JP JP61131917A patent/JPH0620611B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62289355A (ja) | 1987-12-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |