JPH0620580B2 - 鋳型用過酸化物組成物 - Google Patents

鋳型用過酸化物組成物

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JPH0620580B2
JPH0620580B2 JP60120112A JP12011285A JPH0620580B2 JP H0620580 B2 JPH0620580 B2 JP H0620580B2 JP 60120112 A JP60120112 A JP 60120112A JP 12011285 A JP12011285 A JP 12011285A JP H0620580 B2 JPH0620580 B2 JP H0620580B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフラン再生砂に酸硬化性樹脂及び酸化剤を添加
した粒状耐火性骨材混合物に二酸化硫黄を添加して鋳型
を形成する際に用いられる酸化剤に関するものである。
更に詳細には、該酸硬化性鋳型用の酸化剤として用いら
れる特定の水性有機過酸化物組成物に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来、自動車用鋳物を代表とする高速鋳型生産用途には
ノボラック型フェノール樹脂を粘結剤とし、加熱硬化せ
しめるクローニング法、あるいは液状フェノール系樹脂
もしくはフラン系樹脂を加熱硬化するホットボックス法
が汎く使用されてきた。これらはいずれも200 〜300 ℃
で焼成硬化させるのが通常で、それに起因してエネルギ
ー消費、硬化時間、鋳型の歪、変形による鋳物の寸法不
良、作業環境等種々の難点があった。
近年これらの難点を改良する鋳型法として常温でガス状
もしくはエロゾル状物質を吹き込み鋳型を成形する所謂
コールドボックス法が注目を浴び普及しつつある。
コールドボックス法としてはポリオール化合物とポリイ
ソシアネートを粘結剤とし3級アミンを触媒として硬化
させるウレタン系コールドボックス法がある。然しウレ
タン系コールドボックス法はポリオールとポリイソシア
ネートを添加した粒状耐火物混合物を放置しておいた場
合でも徐々に硬化反応が進行し、混合物の可使時間が短
い、あるいはすす欠陥、ガス欠陥等の鋳物欠陥が多い等
の難点がある。現在もう一つのコールドボックス法とし
て酸硬化性樹脂と酸化剤を粒状耐火物に添加した後二酸
化硫黄を吹き込み鋳型を成型する酸硬化性コールドボッ
クス法がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この方法では粒状耐火物混合物と二酸化硫黄が接触しな
い限り硬化反応は進行しないため混合物の可使時間が長
く、又、フラン系樹脂を代表とする耐熱性質の優れた酸
硬化性樹脂を粘結剤とするため鋳物欠陥が少ない等の利
点がある。但し、この酸硬化性コールドボックス法では
酸化剤として高価な有機過酸化物を使用しなければなら
ず、又、有機過酸化物の安定性に対する不安という難点
があり、安価で安全性の高い過酸化物が要求されてい
る。
又、安価で安全性の高い過酸化物として過酸化水素水が
挙げられるが、過酸化水素水は粒状耐火性骨材中に含ま
れるアルカリ分、金属酸化物、他の不純物により分解し
やすく、耐火性骨材に樹脂及び過酸化物を添加混練した
混合物の混合してからの使用可能な時間、所謂可使時間
が短く実用上使用不能である。
更にこの酸硬化性コールドボックス法で主型等を成型す
る場合、砂はクローズドシステムで再生使用されるた
め、再生砂に適した過酸化物が要求されている。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる状況下、本発明者らは鋭意研究の結果、フラン再
生砂に適し、安価で安全性が高く、性能的にも優れた硬
化性鋳型用の過酸化物組成物の発明に至ったものであ
る。
即ち、本発明は、フラン再生砂に酸硬化性樹脂及び酸化
剤を添加した粒状耐火性骨材混合物にガス状もしくはエ
ロゾル状の二酸化硫黄を注入して鋳型を製造する際に酸
化剤として用いられる過酸化物組成物であって、可溶可
剤により可溶化して均質に調製された希釈安定化剤を含
有する含水性ケトンパーオキサイド組成物であり、且つ
各成分の割合が、 ケトンパーオキサイド 20重量%以上35重量%未満 水 5〜40重量% 希釈安定化剤 10〜50重量% 可溶化剤 5〜50重量% であることを特徴とする鋳型用過酸化物組成物に係るも
のである。
通常ケトンパーオキサイド組成物は過酸化水素水に硫酸
等の鉱酸を触媒として脂肪族、脂環族ケトンと、脂肪
族、芳香族二塩基酸ジエステルをキャリアー剤として冷
却下に滴下反応し、反応終了後水層を分離し、非水層を
中和、洗浄、乾燥、精製して製造される非水系の過酸化
物組成物である。このものは製造工程が複雑で工数がか
かり、原料仕込量から考慮すると収率も大幅に低下し、
高価となるばかりでなく、非水性のため危険性に難点が
ある。
一方、グリセリン等多価アルコール、N-メチル-2- ピロ
リドン等含窒素水溶性溶剤をキャリアー剤とする含水性
で均質化されたケトンパーオキサイド組成物があるが、
これらキャリアー剤は酸硬化性樹脂の硬化遅延剤とな
り、安価で、安全性は高いが酸硬化性コールドボックス
法の酸化剤として使用する場合、鋳型の硬化不良を生じ
実用上使用不能である。
本発明の過酸化物組成物はこれら難点を改善し、均質化
するための硬化遅延剤となる溶剤を含まず、架橋安定化
剤を含有し、且つ含水性のため、酸硬化性コールドボッ
クス法の酸化剤として性能的にも優れ、煩雑な製造工程
を必要とせず、安価で、又、含水性のため火災等の安全
性にも優れる事により、実用上満足の得られる結果を提
供するものである。
本発明の含水性ケトンパーオキサイド組成物の好ましい
製造方法としては、炭素数が3〜8の脂肪族ケトンもし
くは炭素数が6〜10の脂環族ケトンの少なくとも1種を
酸触媒下過酸化水素水にて酸化してできるケトンパーオ
キサイドと、希釈安定化剤とを、製造時あるいは製造後
水を分離することなく、可溶化剤により可溶化する方法
である。
本発明に用いられる可溶化剤としては、水溶性モノカル
ボン酸、水溶性ヒドロキシモノあるいは多価カルボン
酸、多価カルボン酸乃至はヒドロキシ多価カルボン酸の
酸性アルカリ金属塩、水溶性モノアルコール化合物、水
性ラクトン化合物、水溶性ケトン化合物、水溶性エーテ
ル化合物、水溶性エステル化合物、水溶性エーテルエス
テル化合物の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ
る。ヒドロキシ多価カルボン酸の炭素数は2〜6、多価
カルボン酸乃至はヒドロキシ多価カルボン酸の酸性アル
カリ金属塩の炭素数は2〜6、水溶性モノアルコールの
炭素数は1〜6の範囲内が好ましい。
本発明に用いられる希釈安定化剤としては下記〔I〕〜
〔V〕で示される化合物の1種又は2種以上が挙げられ
る。
〔I〕
(式中 nは1〜3であり、 n=1 の場合 X は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルアル
キル基である。
n=2 の場合 X は炭素数2〜20のアルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、ア
ルアルキレン基又はこれらのアルキル置換体である。
n=3 の場合 n=1〜3について、R1は、すべて同じでも、異なって
もよく、R1の炭素数のすべての和が n〜60のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルアルキル基、又はこれらのハロゲン、
アルコキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニル置換
体である。) 〔II〕 (式中 mは1〜300 の整数である。
Yは炭素数2〜20のアルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、フェニレン基又はアルアルキレン基であ
る。
R2,R3 は同じでも異なってもよく、炭素数のすべての和
が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シクロアルキル基、アリール基又はアルアルキル基であ
る。
R3は更に水素原子、アシル基も含む。) 〔III〕グリセリンエステル類 (式中R4,R5,R6は水素原子、又は炭素数のすべての和が
1〜60のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シ
クロアルキル基、アリール基又はアルアルキル基であ
る。
ただしR4,R5,R6のうち少なくとも1つは水素原子ではな
い。) 〔IV〕リン系エステル類 (式中R7,R8,R9は水素原子、又は炭素数1〜20のアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アル
アルキル基又はこれらのハロゲン、アルコキシ、アシル
オキシ置換体である。ただし、R7,R8,R9のうち少なくと
も1つは水素原子ではない。) 〔V〕炭素数12〜24の飽和又は不飽和脂肪酸、フルフリ
ルアルコール、フェノール系化合物、脂肪族あるいは芳
香族アルデヒド化合物、フルフリルアルコール/ホルマ
リン重縮合物、フェノール系化合物/ホルマリン重縮合
物、尿素/ホルマリン重縮合物、メラミン/ホルマリン
縮合物。
本発明の過酸化物組成物中の各成分の割合は、 ケトンパーオキサイド 20重量%以上35重量%未満 水 5〜40重量% 希釈安定化剤 10〜50重量% 可溶化剤 5〜50重量% である。
ケトンパーオキサイドの割合が20重量%未満では、フラ
ン再生砂中に存在する不純物により、ケトンパーオキサ
イドの一部が分解し、二酸化硫黄の酸化剤としての絶対
量が不足し硬化速度が急激に遅くなる。また、35重量%
以上では、フラン再生砂中には注湯時分解しないで残っ
た酸が存在するため、二酸化硫黄、酸化剤及び水等から
生成する酸が過剰となり、鋳型強度の低下が起こる。ま
た、希釈安定化剤等当たりのケトンパーオキサイドの割
合も低い方が安定性が高くなる。水分5重量%未満では
安全性改善効果が小さく、水分が40重量%を越えると本
質的に水はこの反応の遅延剤であり、実用に耐えられな
くなるほど硬化速度が遅くなる。希釈安定化剤の割合
が、10重量%未満では、ケトンパーオキサイドが不安定
になり、自然分解の傾向が速くなり、顕著に危険性が高
まる。また50重量%より多くの使用は必要ない。可溶化
剤は5重量%未満では可溶化効果がない。また50重量%
より多く使用しても可溶化効果は変わらず、逆に、ケト
ンパーオキサイドが不安定になり、自然分解の傾向が速
くなる。
また、本発明の組成物中には上記必須成分の他に非イオ
ン性又はアニオン性の界面活性剤を含有しても良い。
酸硬化性樹脂としてはフラン樹脂、フェノール樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂あるいはそれらの共縮合物乃至は
混合物が例示され、これらの樹脂はフラン再生砂1000重
量部に対し、通常5〜20重量部使用される。本発明の過
酸化物組成物は通常再生砂1000重量部に対し3〜10重量
部使用する。
〔実施例〕
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例を述べ
るが、これらの実施例により本発明の範囲を制限するも
のではない。
実施例1〜6及び比較例1〜3 フラン再生砂3000重量部にフラン樹脂24重量部、過酸化
物組成物(比較例の場合は12重量部)を添加混練した
混合物を25×25×250 m/m の型枠に充填しガス状の二酸
化硫黄を吹き込み次いで圧縮空気で洗浄して鋳型を成型
した。鋳型成型後鋳型の曲げ強度を測定して実用性能を
調べた。又、同時に添加混練物を1時間放置した後同様
に鋳型を成型して混合物の可使時間を測定した。結果を
表1に示す。
尚、本実施例の過酸化物組成物の組成はケトンパーオキ
サイド32重量%、希釈安定化剤40重量%、可溶化剤20重
量%、水10重量%である。又、比較例の過酸化物組成物
の組成はケトンパーオキサイド40重量%、希釈安定化剤
30重量%、可溶化剤20重量%、水10重量%である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラン再生砂に酸硬化性樹脂及び酸化剤を
    添加した粒状耐火性骨材混合物にガス状もしくはエロゾ
    ル状の二酸化硫黄を注入して鋳型を製造する際に酸化剤
    として用いられる過酸化物組成物であって、可溶化剤に
    より可溶化して均質に調製された希釈安定化剤を含有す
    る含水性ケトンパーオキサイド組成物であり、且つ各成
    分の割合が、 ケトンパーオキサイド 20重量%以上35重量%未満 水 5〜40重量% 希釈安定化剤 10〜50重量% 可溶化剤 5〜50重量% であることを特徴とする鋳型用過酸化物組成物。
  2. 【請求項2】ケトンパーオキサイドが炭素数3〜8の脂
    肪族ケトンのパーオキサイドもしくは炭素数6〜10の脂
    環族ケトンのパーオキサイドの少なくとも1種である特
    許請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】可溶化剤が水溶性モノカルボン酸、水溶性
    ヒドロキシモノあるいは多価カルボン酸、多価カルボン
    酸乃至はヒドロキシ多価カルボン酸の酸性アルカリ金属
    塩、水溶性モノアルコール化合物、水溶性ラクトン化合
    物、水溶性ケトン化合物、水溶性エーテル化合物、水溶
    性エステル化合物、水溶性エーテルエステル化合物の群
    から選ばれる少なくとも1種である特許請求の範囲第1
    項記載の組成物。
  4. 【請求項4】ヒドロキシ多価カルボン酸の炭素数が2〜
    6である特許請求の範囲第3項記載の組成物。
  5. 【請求項5】多価カルボン酸乃至はヒドロキシ多価カル
    ボン酸の酸性アルカリ金属塩の炭素数が2〜6である特
    許請求の範囲第3項記載の組成物。
  6. 【請求項6】水溶性モノアルコールの炭素数が1〜6で
    ある特許請求の範囲第3項記載の組成物。
  7. 【請求項7】希釈安定化剤が下記〔I〕〜〔V〕で示さ
    れる化合物の1種又は2種以上である特許請求の範囲第
    1項記載の組成物。 〔I〕 (式中 nは1〜3であり、 n=1 の場合 X は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキ
    ニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルアルキ
    ル基である。 n=2 の場合 X は炭素数2〜20のアルキレン基、アルケニレン基、ア
    ルキニレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、ア
    ルアルキレン基又はこれらのアルキル置換体である。 n=3 の場合 n=1〜3について、R1はすべて同じでも異なってもよ
    く、R1の炭素数のすべての和が n〜60のアルキル基、ア
    ルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基、アルアルキル基、又はこれらのハロゲン、アルコ
    キシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニル置換体であ
    る。) 〔II〕 (式中 mは1〜300 の整数である。 Yは炭素数2〜20のアルキレン基、アルケニレン基、ア
    ルキニレン基、フェニレン基又はアルアルキレン基であ
    る。 R2,R3 は同じでも異なってもよく、炭素数のすべての和
    が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
    シクロアルキル基、アリール基又はアルアルキル基であ
    る。 R3は更に水素原子、アシル基も含む。) 〔III〕グリセリンエステル類 (式中R4,R5,R6は水素原子、又は炭素数のすべての和が
    1〜60のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シ
    クロアルキル基、アリール基又はアルアルキル基であ
    る。 ただしR4,R5,R6のうち少なくとも1つは水素原子ではな
    い。) 〔IV〕リン系エステル類 (式中R7,R8,R9は水素原子、又は炭素数1〜20のアルキ
    ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アル
    アルキル基又はこれらのハロゲン、アルコキシ、アシル
    オキシ置換体である。ただし、R7,R8,R9のうち少なくと
    も1つは水素原子ではない。) 〔V〕炭素数12〜24の飽和又は不飽和脂肪酸、フルフリ
    ルアルコール、フェノール系化合物、脂肪族あるいは芳
    香族アルデヒド化合物、フルフリルアルコール/ホルマ
    リン重縮合物、フェノール系化合物/ホルマリン重縮合
    物、尿素/ホルマリン重縮合物、メラミン/ホルマリン
    縮合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60120113A (ja) * 1983-12-02 1985-06-27 Nippon Steel Corp 熱媒循環式熱風炉排熱回収装置
JPH0691716B2 (ja) * 1990-05-30 1994-11-14 株式会社三龍社 ピニオンギヤ付モーター用ローターアッシー

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