JPH0620382B2 - 長稈収穫機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、コーン、ソルゴ等の長稈作物を収穫する長稈
収穫機に係り、詳しくは収穫した長稈作物をリフト操作
にて持上げることにより、軽トラック等の荷台への積載
を容易にした長稈収穫機の構造に関する。

(ロ) 従来の技術 一般に、コーン、ソルゴ等の長稈作物は刈取り作業の
際、圃場に植立した長い状態のままその根本付近を切断
して収穫されている。

そして、従来、走行しながら長稈作物の根本付近を切断
機構により刈取る長稈収穫機が例えば実開昭５９−１１
０５３０号公報にて提案されている。

該従来の収穫機は、走行車体に設置した切断機構にて根
本付近を切断した長稈作物を、車体上段に設置した上段
搬送機構及び下段に設置した下段搬送機構により車体後
方に搬送して外方に放出している。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 このため、上述従来の長稈収穫機により刈取り作業をす
る場合、圃場に並べられた刈取り済みの長稈作物を手作
業で集め、更に人手を介して軽トラック等の荷台に運搬
して積載しなければならず、特に夏の暑い時期に行われ
るコーン等の収穫作業にあっては重労働となり、オペレ
ータによる負担が大きいものになっている。

(ニ) 問題を解決するための手段 本発明は、上述問題点を解消することを目的とするもの
であって、例えば第１図ないし第４図に示すように刈取
部９及び集稈部１０を走行作業車６の側方にその走行方
向に対して直列に配置する。また、該集稈部１０を、垂
直軸線Ｖ−Ｖを中心に回動自在に支持すると共に水平軸
線Ｈ−Ｈを中心に回動自在に支持し、かつ該集稈部１０
に回動用アクチュエータ４９及びリフト用アクチュエー
タ４１を設置して、該集稈部１０を、該回動用アクチュ
エータ４９の作動により機体後方に向けて水平回動し、
そして前記リフト用アクチュエータ４１の作動により垂
直方向に移動するように構成したことを特徴としてい
る。

(ホ) 作用 上述構成に基づき、長稈収穫機１をトラクタ等の走行作
業車６により走行して長稈作物の刈取り作業をする際、
まず刈取部９にて刈取られた長稈作物が、機体の走行方
向に対して直列に配置された集稈部１０に勢いを付けて
送り込まれ、これにより長稈作物は該集稈部１０に無駄
なく収納される。そして、オペレータによる操作にて回
動用アクチェエータ４９を作動すると、前記集稈部１０
が機体外方に所定量回動して停止し、更にリフト用アク
チュエータ４１が作動されて前記集稈部１０が機体上方
に所定量上昇される。従って、この状態において、長稈
作物を長稈部１０から軽トラック等の荷台に放出しかつ
積載し得る。

(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って、本発明による実施例について説明
する。

長稈収穫機１は、第１図ないし第４図に示すように、一
側を補助輪２にて支持されかつ他側を連結フレーム３及
び３点リンク５を介してトラクタ６に連結・支持されて
いる機体７を有しており、該機体７には刈取り部９及び
集稈部１０がトラクタ６の側方にその走行方向に対して
直列に配置されかつ操作部１１が設置されている。そし
て、前記刈取り部９は前方にデバイダ１２を備えかつ該
デバイダ１２の機体後方側には搬送ガイド１３、上搬送
チェーン１５及び下搬送チェーン１６が配設されてお
り、更にその後方には姿勢制御ガイド１７及び上下パッ
カー１８ａ，１８ｂが設置されている。また、刈取り部
９の平面視における中央部やや後方には、ベベルギヤケ
ース１９が配置されており、該ケース１９から機体後方
に向けて突出するシャフト先端には被動側プーリ２０が
固定され、かつ該プーリ２０はトラクタ６後部のＰＴＯ
軸から伝動ヨーク２１を介して回転される駆動側プーリ
２２との間にベルト２３が巻掛けられて回転を伝達され
ている。更に、前記ベベルキヤケース１９は、機体上下
方向に延びて配置された駆動シャフト２５にチェーン２
６を介して回転を伝達しており、該駆動シャフト２５は
上方にて上搬送チェーン１５及び上パッカー１８ａを駆
動しかつ下方にて下搬送チェーン１６及び下パッカー１
８ｂを駆動している。また、該下搬送チェーン１６の下
方には刈刃２７が回転自在に配置されており、該刈刃２
７はベベルギヤケース１９から下方に突出したシャフト
２９からチェーン３０を介して回転が伝達されている。

また、前記集稈部１０は底板３１，集稈フレーム３２，
フロントガード３３，サイドガード３５及びリアガード
３６から構成されており、前記集稈フレーム３２はその
上方をブラケット３９を介して回動フレーム３８の上部
に配置されている水平軸線Ｈ−Ｈを中心に回動自在に支
持され、かつ該回動フレーム３８は側面視コ字状からな
り、その上下の先端部分が機体を構成する取付フレーム
３７に垂直軸線Ｖ−Ｖを中心に回動自在に支持されてお
り、これにより集稈部１０は機体７の一側後方に向けて
水平に回動しかつ機体７の上下方向に回動し得る。ま
た、回動フレーム３８の下方に固定したブラケット４０
にはリフト用アクチュエータ４１の一端が取付けられ、
かつ集稈フレーム３２の上方には該アクチュエータ４１
のピストンロッド４２先端がブラケット４３を介して取
付けられている。更に、集稈フレーム３２の後部フレー
ム３２ａにはフロントガード３３の一端がブラケット４
４を介して枢支されており、更に該ブラケット４４に対
向して後部フレーム３２ａに固設されたブラケット４６
には、リアガード３６をボルトｐにて一端に枢支した放
出フレーム４５の他端がボルトｑを介して回動自在に支
持されている。更に、集稈フレーム３２の下端部には底
板３１の一側が固定されており、該フレーム３２は底板
３１を圃場面に対して水平に位置した際、該底板３１と
の間で垂直角を超える角度を持つように位置されてお
り、集められる長稈作物をトラクタ６側に傾斜して収納
するように構成されている。また、前記底板３１の他側
にはサイドガード３５が立設されており、該ガード３５
は前記集稈フレーム３２、フロントガード３３及びリア
ガード３６とで底板３１上に集められる長稈作物を四方
から囲むように構成されている。更に、前記回動フレー
ム３８の下端部にはピストンロッド４７の先端を機体フ
レーム７ａに枢支した回動用アクチュエータ４９の一端
が回動自在に支持されており、該アクチュエータ４９の
作動により回動フレーム３８が回動されて集稈部１０が
機体位置側後方の圃場における刈取りが終了した既刈り
側に向けて回動するように構成されている。

一方、第５図及び第６図に詳示するように、集稈部１０
の集稈フレーム３２外方にはブラケット４８を介して放
出用アクチュエータ５０の一端が枢支され、かつ該アク
チュエータ５０のピストンロッド５１先端が前記放出フ
レーム４５にブラケット５２を介して連結されている。
更に、該フレーム４５の一端にはリアガード３６を機体
前後方向から挾むようにカギ状のストッパ５３，５５が
設置されており、これによりリアガード３６が所定量機
体前後方向に回動するように構成されている。また、フ
レーム４５の回動基部近傍にはコの字状の放出アーム５
６の一端が固設されており、該アーム５６は第５図矢印
Ａ方向に回動した際、その他端がフロントガード３３に
当接して該ガード３３を上方に押上げるように構成され
ている。また、リアガード３６の回動基部近傍にはピン
５７が固設されかつ該ピン５７には、一端を集稈フレー
ム３２に設けたピンｒに固定したスプリング５９の他端
が固設されて、リアガード３６は第５図矢印Ｂと反対方
向に付勢されている。そして、該ピンｒが前記ボルトｑ
から、放出フレーム４５の回動区間と略々反対側に所定
量離間され、かつリアガード３６が該放出フレーム４５
に対して更に所定量矢印Ｂ方向に回動するようになって
いるため、これらリアガード３６，放出フレーム４５及
びスプリング５９にてトグル機構Ｔが構成される。更
に、フロントガード３３の回動基部近傍にはピン６０が
固設されかつ該ピン６０には、一端を集稈フレーム３２
に固定したスプリング６１の他端が固定されており、こ
れによりフロントガード３３が矢印Ｂと反対方向に付勢
されかつ集稈フレーム３２に当接して所定位置以上回動
しないようにされている。

また、第１図ないし第４図に示すように、前記操作部１
１には回動・リフト用操作レバー６２及び放出用操作レ
バー６３がバルブケース６５に回動自在に設置されてお
り、該レバー６２はその操作により回動用アクチュエー
タ４９を作動し、ついでリフト用アクチュエータ４１を
作動するようになっており、また前記レバー６３はその
操作により放出用アクチュエータ５０を作動する。

本実施例は、以上のような構成よりなるので、長稈収穫
機１をトラクタ６に装着し該トラクタ６と共に走行して
長稈の刈取り作業をする場合、オペレータの操行操作に
より刈取部９のデバイダ１２の中間部分に長稈の条列が
位置するように刈取部９を駆動しながら走行する。する
と、植立する長稈作物は順次搬送ガイド１３及び上下搬
送チェーン１５，１６にて挾持・搬送されてその根本付
近を刈刃２７により切断され、更に該刈取られた長稈は
上下搬送ベルト１５，１６により姿勢制御ガイド１７に
送られる。そして、該ガイド１７部分に立った状態のま
ま送られた長稈は上下パッカー１８ａ，１８ｂにより、
集稈部１０のフレーム３２に向けて勢いよく押出され、
更に集稈フレーム３２のトラクタ６側への傾斜に沿って
立った状態で順次並べられる。そして、集稈部１０内に
長稈が満載された時点でトラクタの走行を停止して回動
・リフト用操作レバー６２を操作すると、まず回動用ア
クチューエータ４９が作動され集稈部１０が回動フレー
ム３８と共に第３図に示す位置まで回動される。そし
て、アクチュエータ４９のピストンロッド４７がストロ
ーク一杯に移動し終ると、ついでリフト用アクチュエー
タ４１に油が圧送されて作動され、これにより集稈フレ
ーム３２がその枢支部分Ｈ−Ｈを中心に上方に向けて回
動されて圃場面と略々水平状態にされる。従って、集稈
部１０に収納された多数の長稈作物は上方に持上げられ
かつ水平にされた状態で静止される。更に、この状態に
おいて放出用操作レバー６３を操作すると、放出用アク
チュエータ５０が作動してピストンロッド５１が第５図
に示す矢印Ｃ方向に移動される。そして、該ロッド５１
にてブラケット５２を介して放出フレーム４５がリアガ
ード３６と共に矢印Ｂ方向に回動し、更に第５図に示す
ボルトｑ，ピンｒが結んだＤ線に近接するに従い、リア
ガード３６が自重にてボルトｐを中心に放出フレーム４
５に対して回動し、ストッパ５３から離れてストッパ５
５に当接する。更に、ポルトｐが前記Ｄ線上に重なる２
点鎖線にて示す位置になると、スプリング５９にて付勢
されているピン５７が該Ｄ線に対して反対側に位置さ
れ、これにより今度はリアガード３６にスプリング５９
による矢印Ｂと同方向の力が作用するいわゆるトルグ作
用が働いて、リアガード３６は放出フレーム４５と共に
更に同方向に急激に回動される。これにより、放出アー
ム５６の先端が急激にフロントガード３３を押上げて第
６図に示す状態になるため、該ガード３３上に載置され
た多数の長稈作物は、水平状態のまま外方即ち機体後方
の圃場における既刈り側に放出される（第７図参照）。
この際、リアガード３６は放出フレーム４５の回動停止
位置より更に該フレーム４５に対して回動するため、長
稈作物の放出にあたって集稈部１０を一層開放してフロ
ントガード３３による放出動作の効果を更に高めること
ができる。また、第８図及び第９図に示すように、長稈
放出側に軽トラック６６等の荷台を位置しておくと、多
数の長稈作物を該トラック６６の荷台に沿って容易に積
載することができる。

(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、長稈収穫機１の
刈取部９及び集稈部１０を走行作業車６の側方にその走
行方向に対して直列に配置したので、刈取部９にて刈取
った長稈作物を作業車６の走行により集稈部１０内に送
入することができ、これにより刈取った長稈作物を集稈
部１０の奥側から順次詰めて多数収納することができ
る。また、集稈部１０を、垂直軸線Ｖ−Ｖを中心に回動
自在に支持すると共に水平軸軸線Ｈ−Ｈを中心に回動自
在に支持し、かつ該集稈部１０に回動用アクチュエータ
４９及びリフト用アクチュエータ４１を設置したので、
刈取った長稈作物をまとめて機体７外方の所定位置まで
回動しかつ上方に持ち上げることができ、これにより軽
トラック６６等の荷台に多数の長稈作物を一度に積載す
ることができ、従って人手による運搬、積載作業を無く
して安全かつ効率の良い積載作業をすることができると
共に作業時間も短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る長稈収穫機の平面図、第２図はそ
の機体後方からみた図、第３図はその集稈部を所定位置
に回動した状態を示す平面図、第４図はその集稈部によ
る放出後の状態を示す平面図、第５図は集稈部の長稈放
出構造を示す図、第６図はその作動状態を示す図、第７
図は長稈作物を機体外方の圃場に放出した状態を示す平
面図、第８図は軽トラックの荷台に長稈作物を積載して
いる状態を示す平面図である。そして、第９図はその機
体後方からみた図である。 １……長稈収穫機、６……走行作業車（トラクタ）、７
……機体、９……刈取部、１０……集稈部、４１……リ
フト用アクチュエータ、４９……回動用アクチュエー
タ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】長稈作物を刈取る刈取部及び刈取った長稈
   作物を収納する集稈部を備えると共に、トラクタ等の走
   行作業車に装着するように構成してなる長稈収穫機であ
   って、 前記刈取部及び集稈部を走行作業車の側方にその走行方
   向に対して直列に配置し、また上記集稈部を、垂直軸線
   を中心に回動自在に支持すると共に水平軸線を中心に回
   動自在に支持し、かつ該集稈部に回動用アクチュエータ
   及びリフト用アクチュエータを設置して、該集稈部を、
   前記回動用アクチュエータの作動により機体後方に向け
   て水平回動し、そして前記リフト用アクチュエータの作
   動により垂直方向に移動するように構成してなる長稈収
   穫機。