JPH0620330Y2 - 農用作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、追加肥料の施肥及び畦の側部への土寄せを
行う農用作業機に関するものである。

従来の技術 従来、作物の栽培過程においては、作物の成長の度合に
応じて畦間を耕耘し、土寄せ整形器により培土作業をす
ることが行われている。

また、作物の成長の度合に応じて追加肥料を施肥するこ
とが行われている。

ここで、追加肥料の施肥に際しては、肥料が作物に直接
かからないように注意する必要があり、作業者が畦の側
部に手作業で施肥することが一般的である。

考案が解決しようとする問題点 まず、手作業で行う追加肥料の施肥は、施肥量が目分量
であるためにばらつきを生じやすく、施肥量が不十分な
箇所や過剰な箇所が生じている。

また、この施肥作業には背負い式の肥料分施機も用いら
れているが、多量の肥料を収納した肥料分施機は重量物
となり、さらに、作業者は足場の悪い畦間の溝部を歩く
ために非常に重労働となつている。そして、背負い式の
肥料分施機を用いた場合にも肥料の施肥箇所は手作業で
定めるものであり、肥料が作物にかかることが多く、肥
料が作物にかかることによつて作物の生育に悪影響を及
ぼしている。

また、畦の側部に施肥された肥料は畦の側面傾斜によつ
て畦間の溝部に自然落下しやすく、十分な施肥効果を得
られない場合がある。

本考案は、追加肥料が畦間の溝部に落下して無駄になる
ことを防止して生育中の作物に有効な施肥効果を得つつ
作物の生育の度合いに応じた培土作業を行うことができ
るようにした農用作業機を得ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 畦の側部に土寄せを行う土寄せロータとこの土寄せされ
た土を畦の側部に押し付ける土寄せ整形器とを移動農機
に連結するとともに、前記土寄せロータによる土寄せ直
前に生育中の作物の根元部に近く、かつ、土寄せされる
土の上端縁近くに肥料を施肥する肥料分施装置を前記移
動農機に連結したものである。

作用 肥料分施装置による施肥は、土寄せロータによる土寄せ
直前に生育中の作物の根元部に近く、かつ、土寄せされ
る土の上端縁近くに行われるため、畦間の溝部に落下す
る前に土寄せロータによつて覆われ、これにより、肥料
の有効利用を図ることができ、土寄せロータにより土寄
せされて肥料を覆つた土は土寄せ整形器によつて畦の側
部に押し付けられ、追加肥料の施肥作業と土寄せ作業と
が同時に行われる。

実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、
移動農機１のシヤーシ２の前部にはエンジン３が搭載さ
れ、シヤーシ２の後部にはミツシヨンケース４が固定さ
れている。ミツシヨンケース４の下端部には駆動軸５が
設けられ、この駆動軸５にはホイールチユーブ６を介し
て駆動輪７が連結されている。また、ミツシヨンケース
４の上部には移動農機１の前後方向に回動自在なハンド
ル８が取付けられている。

つぎに、前記移動農機１の後端部にはヒツチ９が固定さ
れ、このヒツチ９にはフレーム１０の先端部に固定され
た前部ヒツチ１１がキングピン１２とボルト（図示せ
ず）とを介して連結されている。前記フレーム１０の前
部にはミツシヨンケース１３が固定され、フレーム１０
の後部には後部ヒツチ１４が固定されている。前記ミツ
シヨンケース１３の下端部には耕耘軸１５が設けられ、
この耕耘軸１５には土寄せロータ１６が連結されてい
る。また、前記後部ヒツチ１４には土寄せ整形器１７が
上下方向位置調節自在に連結されている。

前記ヒツチ９には上方に延出するフレーム１８が連結さ
れ、フレーム１８の上端部には移動農機１の進行方向と
直交する左右方向水平向きに延出するサブフレーム１９
が連結されている。そして、このサブフレーム１９に
は、肥料を収納する左右一対のホツパー２０やホツパー
２０内の肥料を畦の側部に案内するパイプ２１等からな
る肥料分施装置２２が取付けられている。ここで、前記
ホツパー２０は前記サブフレーム１９の軸心方向にそつ
てスライド自在及び任意位置固定自在に嵌合され、各ホ
ツパー２０の底部には前記パイプ２１の上端部が接続さ
れている。なお、パイプ２１のホツパー２０底部への接
続はパイプ２１を前後方向及び左右方向に回動自在に行
われており、任意の回動位置でパイプ２１を保持する取
付けステー２３が前記移動農機１に連結されている。ま
た、ホツパー２０の底部には所定量の肥料をパイプ２１
に繰り出すための繰り出しロール２４が設けられてお
り、繰り出しロール２４の中心部を貫通して設けられた
駆動軸２５の一端にはギヤ２６とスプロケツト２７とが
取付けられている。そして、このスプロケツト２７と前
記ホイルチユーブ６に連結された延長パイプ２８に固定
されたスプロケツト２９との間にチエーン３０が巻回さ
れ、これらのスプロケツト２７，２９及びチエーン３０
を覆うチエーンケース３１が設けられている。

このような構成において、作物が生育中の畦間の溝部に
移動農機１を配置し（第３図）、移動農機１を矢印ａ方
向に進行させる。移動農機１の進行に伴い、エンジン３
からの駆動力により土寄せロータ１６が矢印ｂ方向に回
転して畦間の溝部を耕耘し、耕耘することにより膨軟化
した土を畦の側部に土寄せする（第４図）。ついで、土
寄せロータ１６の後方に位置する土寄せ整形器１７が土
寄せされた土を畦の側部に押し付け、畦が大型化される
（第５図）。

また、移動農機１の進行に伴いスプロケツト２９，２７
及びチエーン３０を介して駆動軸２５への動力伝達が行
われる。そして、駆動軸２５と一体的に繰り出しロール
２４が回転し、ホツパー２０内の肥料が所定量ずつパイ
プ２１内に繰り出され、パイプ２１内に繰り出された肥
料はパイプ２１下端部の落下口部３２から落下される。
ここで、パイプ２１は畦間の幅や畦の高さに応じて前後
方向及び左右方向に回動自在であり、パイプ２１の落下
口部３２を生育中の作物の根元部に近く、かつ、土寄せ
される土の上端縁近くに位置させることができる。これ
により、畦の側部への施肥に際して肥料が作物にかかる
ことを防止することができ、また、施肥した肥料を土寄
せされる土で覆うため、施肥された肥料が溝部に落下す
ることや、風や雨により流失することが防止される。

なお、本実施例においては、ホツパー２０を左右に一対
設けているが、中央に一個配置して分割管又は２条の散
布口ユニツトを設けてもよい。

考案の効果 この考案は、上述のように肥料分施装置と土寄せロータ
と土寄せ整形器とを移動農機に連結したことにより追加
肥料の施肥作業と土寄せ作業とを同時に行うことがで
き、そして、追加肥料の施肥作業の機械化により施肥作
業に要する労力の大幅な軽減を図ることができるととも
に施肥量の均一化を図ることができ、また、施肥した直
後の肥料に土寄せロータにより土をかけ、さらに、その
土を土寄せ整形器により畦に押し付けたことにより、施
肥した肥料が畦の側面を落下したり風や雨によつて流失
することを防止することができ、必要最小限の施肥量に
よつて十分な施肥効果を得ることができる等の効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は側面
図、第２図は土寄せロータ及び土寄せ整形器を取外した
状態の背面図、第３図は作業開始前の状態を示す背面
図、第４図は土寄せロータによる土寄せ作業状態を示す
背面図、第５図は土寄せ整形器による土の押し付けが終
了して大型化した畦が完成した状態を示す背面図であ
る。 １…移動農機、１６…土寄せロータ、１７…土寄せ整形
器、２２…肥料分施装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】畦の側部に土寄せを行う土寄せロータとこ
   の土寄せされた土を畦の側部に押し付ける土寄せ整形器
   とを移動農機に連結するとともに、前記土寄せロータに
   よる土寄せ直前に生育中の作物の根元部に近く、かつ、
   土寄せされる土の上端縁近くに肥料を施肥する肥料分施
   装置を前記移動農機に連結したことを特徴とする農用作
   業機。