JPH06201541A - 溶融材料のサンプリングのためのサンプル回収装置及びサンプリング・プローブ - Google Patents

溶融材料のサンプリングのためのサンプル回収装置及びサンプリング・プローブ

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JPH06201541A
JPH06201541A JP4348525A JP34852592A JPH06201541A JP H06201541 A JPH06201541 A JP H06201541A JP 4348525 A JP4348525 A JP 4348525A JP 34852592 A JP34852592 A JP 34852592A JP H06201541 A JPH06201541 A JP H06201541A
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JP
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sample
probe
sampling
mass
diameter
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Application number
JP4348525A
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English (en)
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Takamasa Yamato
敬昌 大和
Hiromichi Asahi
博道 旭
Takahiro Yoshikawa
隆宏 吉川
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Osaka Oxygen Industries Ltd
Original Assignee
Osaka Oxygen Industries Ltd
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Publication date
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B7/00Blast furnaces
    • C21B7/24Test rods or other checking devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/10Devices for withdrawing samples in the liquid or fluent state
    • G01N1/12Dippers; Dredgers
    • G01N1/125Dippers; Dredgers adapted for sampling molten metals

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  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サンプル試料を採取したサンプリング・プロ
ーブを受け取り、そのサンプリング・プローブからサン
プル塊を取り出して気送管装置へ投入するためのサンプ
ル回収装置において、従来必要とされていた、気送管装
置で搬送できるようにサンプル塊を整形するためのサン
プル整形装置を不要化する。 【構成】 サンプル回収装置は、プローブ・ハンドリン
グ機構40と、サンプリング・プローブとその中のサン
プル塊とを諸共に所定の切断位置において切断するプロ
ーブ切断機構50と、サンプル取出機構70とを備え
る。サンプリング・プローブは、所定の径のサンプル塊
を形成するためのサンプル室と、そのサンプル塊の径よ
りも小さな径のサンプル塊くびれ部を形成するサンプル
試料流入部とを有するものとし、前記所定の切断位置を
サンプル塊くびれ部に定め、サンプル塊くびれ部に切断
加工を施したときに発生するバリの高さが、サンプル塊
の径の内側に納まるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属等の溶融材料のサ
ンプリングに関するものであり、より詳しくは、溶融材
料中に浸漬してサンプル試料を採取したサンプリング・
プローブを受け取り、そのサンプリング・プローブから
凝固したサンプル塊を取り出して搬送機構へ投入する、
溶融材料のサンプリングのためのサンプル回収装置と、
その種のサンプル回収装置に用いるサンプリング・プロ
ーブとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄鋼材料等をはじめとする各種金
属材料の製造過程では、その金属材料の成分を検査する
ために、溶融状態の金属材料を、サンプリング用の容器
で汲み上げてサンプル試料を得るようにしている。そし
てその容器の中で凝固したサンプル塊を、その容器から
取り出して、分析室等へ搬送するようにしている。
【0003】サンプル塊をサンプリング用の容器から取
り出す作業は、かつては専ら人手によって行なわれてい
たが、この作業は通常、溶鉱炉や精錬炉の付近で行われ
るため、粉塵、高温等により、その作業環境は非常に悪
かった。また、凝固したばかりのサンプルはかなりの高
温であるため、その取り出しの作業には火傷の危険も伴
っていた。そのため、サンプリング用の容器でサンプル
試料を汲み上げ、その容器から凝固したサンプル塊を取
り出し、その取り出したサンプル塊を、分析室等へ搬送
するための搬送装置へ投入するまでの作業の全てを自動
化した、自動サンプリング・システムが従来より種々提
案されている。
【0004】サンプル塊を分析室等へ搬送するための搬
送装置としては、気送管装置(エア・シューター)が広
く採用されている。これは、主として、気送管装置が、
搬送距離を延長するためのコストが非常に安価で済むた
め、搬送距離が長くなりがちな大規模な精錬プラント等
にも適していること、それに、搬送媒体が単なる管材で
あるため、大きな設置スペースを必要とせず、精錬プラ
ント等に装備する際にそのプラントの設計上の負担とな
るおそれが殆どないことによるものである。
【0005】通常、サンプル塊を搬送する気送管装置で
は、別に気送子を用意することなくサンプル塊それ自体
を気送子として機能させる構成としている。これは、サ
ンプル塊が頑丈な金属製の塊であるため、別に設けた気
送子の中に収容して保護する必要がないこと、また、サ
ンプル塊が一般的に円筒形に近い円錐台形状であるた
め、サンプル塊それ自体を気送子として機能させ得るこ
と、サンプル塊の搬送方向がサンプリングの現場から分
析室への一方通行であるため、別に設けた気送子を使用
した場合には、その気送子を送り返して循環させるため
の手段を講じなければならなくなること、それに、気送
子を使用しないことによって、気送管をより小径の管材
にすることができることから、搬送距離を延長するため
の費用と設置スペースとに関する気送管装置の利点が更
に優れたものとなること、等々によるものである。
【0006】ただし、サンプル塊自体を気送子として機
能させるためには、当然のことながら、そのサンプル塊
の外径に大きな凹凸があってはならず(即ち、形状が滑
らかでなければならず)、更に、その外径の真円度と寸
法精度とが所定の許容範囲内になければならない。一
方、サンプル塊は、溶融状態の材料を小容器に汲み取っ
て凝固させたものであるため、汲み取った際に材料の自
由表面であった部分には通常かなりの大きさの凹凸が存
在しており、また、その凹凸のために、真円度と寸法精
度も許容可能な範囲を逸脱しているのが普通である。そ
こで、かつては、サンプル塊をサンプリング用の容器か
ら取り出す現場に作業員を配置して、容器から取り出さ
れたサンプル塊の形状を目視検査し、必要に応じてバリ
取りや、凸部の除去を施して、サンプル塊を気送管装置
で搬送できるように整形した後に、そのサンプル塊を気
送管に投入するということも行なわれていた。しかしな
がらこうした場合には、作業現場の無人化という、自動
サンプリング・システムの最大の利点が失われてしまう
ことになる。
【0007】そのため従来の自動サンプリング・システ
ムには、サンプル塊そのものを気送管装置の気送子とし
て機能させるのに必要な、サンプル塊の外径の形状の滑
らかさ、真円度、及び寸法精度を得るために、そのサン
プル塊を気送管に投入する前に、そのサンプル塊に整形
を施す、サンプル整形装置を採用したものがある。例え
ば、特開昭59−109838号、実開昭61−691
61号、特開平4−80309号、それに特開平4−8
0310号に開示されている夫々の自動サンプリング・
システムでは、サンプル整形装置として、サンプル塊の
所望の外径寸法に等しい内径寸法を有する孔を備えたバ
リ取り用のダイスと、サンプル塊を押圧してそのダイス
の孔を通過させるためのポンチ機構とから成る装置を使
用している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ダイスとポンチ機構と
から成るサンプル整形装置は、サンプル塊を整形する効
果に関しては充分なものであるが、しかしながら、装置
自体が高価である。それは、ダイス及びポンチ自体が、
高い精度と充分な硬度とを必要とする、高価な部材であ
る上に、それらの相対位置を精密に保持する必要があ
り、また比較的大きな加工力を必要とするために、ダイ
スを保持する構造やポンチを作動する機構も高価なもの
とならざるを得ないからである。更には、整形すべきサ
ンプル塊がダイスへ正しい姿勢で供給されなかったなら
ば、大きな加工力によって高価なダイスやポンチが損傷
するおそれもあることから、そのサンプル整形装置に付
随するサンプル塊の供給時の姿勢を適切にするための機
構も、高い信頼性が得られるように比較的複雑な構造と
せざるを得ない。
【0009】これらのサンプル整形装置に関する問題
は、サンプルの整形のために必要な加工力を小さくする
ことができれば軽減することができる。そのため、上掲
の4件の従来例のうち、特開平4−80310号に開示
されている自動サンプリング・システムでは、消耗型の
サンプル・プローブで汲み取って凝固させたサンプル塊
を、そのサンプル・プローブと諸共に切断することによ
って、サンプル塊の凹凸のある部分を切除して、サンプ
ル整形装置では、その切断の際に生じたバリだけを除去
すれば良いようにしている。しかしながら、これによっ
て問題は幾分軽減されているものの、単に軽減されただ
けであり、完全に解決されたのではないことは明らかで
ある。
【0010】従って本発明の目的は、溶融材料中に浸漬
してサンプル試料を採取したサンプリング・プローブを
受け取り、そのサンプリング・プローブから凝固したサ
ンプル塊を取り出して搬送機構へ投入する、溶融材料の
サンプリングのためのサンプル回収装置において、従来
必要とされていた、そのサンプル塊を搬送等の後続の作
業に適するように整形するためのサンプル整形装置を、
完全に不要化することにある。尚、以上の従来の技術の
説明においては、理解を容易にするために、典型的な例
として搬送装置は気送管装置であるものとしたが、ま
た、以下の実施例の説明でも、同じ理由から搬送装置は
気送管装置であるものとして説明するが、本発明の適用
範囲は必ずしも気送管装置を使用した用途に限られず、
本発明は、これまでサンプル塊の整形工程が必要とされ
ていた種々用途に、広く適用し得るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明に係る溶融材料のサンプリングのためのサ
ンプル回収装置は、溶融材料中に浸漬してサンプル試料
を採取したサンプリング・プローブを受け取り、そのサ
ンプリング・プローブから凝固したサンプル塊を取り出
して搬送機構へ投入する、溶融材料のサンプリングのた
めのサンプル回収装置において、前記サンプリング・プ
ローブの受け取り、把持、及び受け渡しをするプローブ
・ハンドリング機構と、前記プローブ・ハンドリング機
構と協働して、前記サンプリング・プローブとその中で
凝固したサンプル塊とを諸共に所定の切断位置において
切断するプローブ切断機構と、前記プローブ・ハンドリ
ング機構と協働して、切断された前記サンプリング・プ
ローブからサンプル塊を取り出し、取り出したそのサン
プル塊を前記搬送機構へ投入するサンプル取出機構とを
備えた構成のサンプル回収装置である。また、前記サン
プリング・プローブは、所定の径を有するサンプル塊を
形成するためのサンプル室と、そのサンプル塊の径より
も小さな径を有するサンプル塊くびれ部を形成する、サ
ンプル試料流入部とを有しており、前記所定の切断位置
は、前記サンプル塊くびれ部にあり、前記サンプル塊の
径と前記サンプル塊くびれ部の径との差を、該サンプル
塊くびれ部に切断加工を施したときに発生するバリの高
さが、該サンプル塊の径の内側に納まるように設定して
ある。
【0012】更に、本発明の好適実施例のサンプル回収
装置においては、前記プローブ・ハンドリング機構は、
前記サンプリング・プローブの上部を把持するための上
部クランプと、前記サンプリング・プローブの下部を把
持するための下部クランプとを備えており、該下部クラ
ンプは、上下反転自在にしてある。また、前記サンプリ
ング・プローブの前記サンプル室は、該サンプリング・
プローブの下部に設けてある。前記サンプル取出機構
は、前記プローブ・ハンドリング機構の前記下部クラン
プの下方に位置させることができるようにした上下反転
自在な反転板と、該反転板の一方の面に備えたサンプル
塊クランプ機構とを備えている。更に、前記下部クラン
プを反転させて、該下部クランプに把持されている切断
された前記サンプリング・プローブの下部から前記サン
プル塊クランプ機構への、サンプル塊の受け渡しを行な
った後に、前記反転板を反転させて、該サンプル塊クラ
ンプ機構から前記搬送機構へのサンプル塊の受け渡しを
行なえるようにしてある。
【0013】本発明の好適実施例のサンプル回収装置は
更に、前記下部クランプに把持されている切断された前
記サンプリング・プローブの下部から前記サンプル塊ク
ランプ機構への、前記サンプル塊の受け渡しの際に、該
切断されたサンプリング・プローブの下部に対して振動
ないし衝撃を与えるための機構を備えている。
【0014】本発明の好適実施例のサンプル回収装置で
は、更に、前記サンプル塊クランプ機構に、前記サンプ
ル塊の量目を検査するための機構を備えてあり、量目不
足のサンプル塊を排除して正常サンプル塊のみを前記搬
送機構へ投入するようにしてある。
【0015】また、本発明に係るサンプリング・プロー
ブは、溶融材料中に浸漬してサンプル試料を採取したサ
ンプリング・プローブを受け取り、そのサンプリング・
プローブとその中で凝固したサンプル塊とを諸共に所定
位置で切断し、切断したそのサンプリング・プローブか
らサンプル塊を取り出して搬送機構へ投入するようにし
た溶融材料のサンプリングのためのサンプル回収装置に
用いる、サンプリング・プローブである。このサンプリ
ング・プローブは、所定の径を有するサンプル塊を形成
するためのサンプル室と、そのサンプル塊の径よりも小
さな径を有するサンプル塊くびれ部を形成する、サンプ
ル試料流入部とを備えており、更に、前記サンプル塊の
径と前記サンプル塊くびれ部の径との差が、該サンプル
塊くびれ部に切断加工を施したときに発生するバリの高
さが該サンプル塊の径の内側に納まるような差となるよ
うに、前記サンプル室の径と前記サンプル試料流入部の
径とを設定してある。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の好適実施例について、図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るサンプリン
グ・プローブを使用するようにし、また、本発明に係る
サンプル回収装置を組み込んだ、自動サンプリング・シ
ステム10の平面図である。この自動サンプリング・シ
ステム10は、金属精錬炉(不図示)の中の溶融金属材
料からサンプル試料をサンプリング・プローブで採取
し、そのサンプリング・プローブの中で凝固したサンプ
ル塊を、そのサンプリング・プローブと諸共に切断し
て、そのサンプル塊のうちの不定形の部分を切除した上
で、そのサンプル塊のうちの残りの部分を、切断したそ
のサンプリング・プローブから取り出し、その取り出し
たサンプル塊を気送管装置の気送管80の中へ投入し
て、遠隔の分析室へ搬送するようにしたシステムであ
る。
【0017】先ず最初に、この自動サンプリング・シス
テム10がサンプリング試料の採取のために使用してい
る、本発明に係る消耗型のサンプリング・プローブ20
(以下、単に「プローブ」という)について、図4の縦
断面図を参照して説明する。プローブ20は、図示した
ように略々立てた姿勢で溶融金属材料の中に浸漬して引
き上げることによって、その溶融金属材料の所定量を、
そのサンプル室21の中に採取するようにしたものであ
る。サンプル室21の形状は、最終的に得るサンプル塊
30の形状に対応させてあり、このサンプル塊30の最
終形状は、図5の(b)に示すように、僅かにテーパの
付いた略々円筒形の形状、換言すれば円錐台の形状であ
る。サンプル室21は、回転体形状の鉄製のカップ22
によって画成するようにしており、サンプル塊30のテ
ーパは、凝固したサンプル塊30をこのカップ22から
抜き出すための抜き勾配である。尚、ここでは説明の都
合上、図5の上側をもってサンプル塊30の上部と呼
び、下側をもって下部と呼ぶことにする。サンプル塊3
0の上端の近くに、このサンプル塊30の最大径部分3
1が形成されている。サンプル塊30を気送管装置で搬
送する際に、サンプル塊30それ自体を気送子として機
能させ得るようにするためには、この最大径部分31の
外周の形状及び寸法が適切でなければならないが、この
最大径部分31はカップ22の内壁によって画成される
ため、常に、必要とされる滑らかな形状を持ち、しかも
所定の許容範囲内の真円度と寸法精度とを有するものと
なる。
【0018】鉄製のカップ22は、紙製の保護管23の
中に収容してある。保護管23の下端には測温センサ2
4を取り付けてあり、保護管23の上端には細長い柄2
5を取り付けてある。尚、プローブの保護管を紙製の筒
とすることや、プローブの先端に測温センサを設けるこ
とは、従来から行なわれていることであるので、これら
についてはこれ以上詳しく説明しない。
【0019】図4に示したように、プローブ20は、サ
ンプル室21の上方に、このサンプル室21へサンプル
試料を流入させるための、サンプル試料流入部26(以
下、単に「流入部」という)を備えており、この流入部
26は、画成部材27によって画成してある。この画成
部材27は、本実施例では鋳物砂を用いて砂型と同様に
作成したものとしている。画成部材27の材質にはこれ
以外にも種々のものが考えられ、後に詳述するプローブ
20及びサンプル塊30の切断やカップ22からのサン
プル塊30の取り出しが支障なく行なえるものであれ
ば、どのような材質としても良い。流入部26は、プロ
ーブ20の長手軸に垂直な面で切断したときの断面形状
が、サンプル室21の断面形状の円形と同心の円形にな
るようにしてあり、また、この流入部26の断面円の半
径rを、サンプル室21の最大内径部の半径(従って、
サンプル塊30の最大径部分31の半径)Rよりも所定
寸法Δrだけ小さくしてある。このように、流入部26
の径を、サンプル塊30の最大径部分31の径よりも小
さくしてあるため、プローブ20の中で凝固するサンプ
ル塊30(図4に想像線で示し、図5の(a)では実線
で示した)には、プローブ20の流入部26に対応した
部分に、くびれ部33が形成される。そして、プローブ
20及びサンプル塊30を諸共に切断する際の切断位置
は、図4、及び図5の(a)に破線CLで示したよう
に、このサンプル塊30のくびれ部33に定めてある。
また、上述の所定寸法Δrは、プローブ20とサンプル
塊30とを諸共に切断する際に発生し得るサンプル塊3
0のバリ32(図5の(b)に示した)の予想される最
大高さよりも大きく設定してある。これは、換言するな
らば、サンプル塊30の径(即ち、最大径部分31の
径)と、サンプル塊30のくびれ部33の径との差が、
このくびれ部33に切断加工を施したときに発生するバ
リ32の高さがサンプル塊30の径の内側に納まるよう
な差となるように、プローブ20のサンプル室21の径
と流入部26の径とを設定してあるということに他なら
ない。
【0020】次に、自動サンプリング・システム10の
全体の概略を説明する。この自動サンプリング・システ
ム10は、精錬炉の溶融金属材料の中に上述のプローブ
20を浸漬して引き上げることによってサンプル試料を
汲み取って採取する、自動サンプル試料採取機構を含ん
でいるが、図1には、この自動サンプル試料採取機構は
図示しておらず、この自動サンプル試料採取機構からサ
ンプル採取後のプローブ20を搬送してくる回収コンベ
ア36だけを想像線(2点鎖線)で図示してある。サン
プリング・プローブを使用してサンプルを採取する自動
サンプル試料採取機構には、従来より種々の形式のもの
が提案されており、この自動サンプリング・システム1
0には、それらのうちの任意のものを、そのまま、或い
は若干の簡単な改造を加えるだけで使用することができ
る。また、本発明のサンプル回収装置は、自動サンプル
試料採取機構を含まないシステムに適用しても良好な結
果が得られるものであり、例えば、既に試料の採取を済
ませた多数のプローブ20をストックしてあるストッカ
を備えたシステムや、人手により試料の採取を行なった
プローブを本発明のサンプル回収装置に搬入するための
搬入機構等を備えたシステムに用いることができる。
【0021】本発明に係るサンプル回収装置は、プロー
ブ・ハンドリング機構40を含んでおり、このプローブ
・ハンドリング機構40は、回収コンベア36からサン
プル採取後のプローブ20を受け取れるように、この回
収コンベア36に隣接して設置されている。また、この
サンプル回収装置は、プローブ切断機構50を含んでお
り、このプローブ切断機構50は、プローブ・ハンドリ
ング機構40と協働して、凝固したサンプル塊30を中
に収容しているプローブ20を、そのサンプル塊30と
諸共に上部と下部とに切断するための機構である。サン
プル回収装置は更に、使用済プローブ回収機構60とサ
ンプル取出機構70とを含んでいる。サンプル取出機構
70は、プローブ・ハンドリング機構40が把持してい
る、切断されたプローブ20の下部の中からサンプル塊
30を取り出して気送管装置へ送り込むというのがその
主たる機能であるが、本実施例においては、後に詳述す
るようにそれ以外の機能も果たすように構成してある。
使用済プローブ回収機構60は、プローブ・ハンドリン
グ機構40が、切断されたプローブ20の上部と、切断
されたプローブ20の(サンプル塊30を取り出した後
の)下部とを、放棄する際に、それらを回収するために
設置してある機構である。
【0022】続いて、以上に説明した、本発明の実施例
のサンプル回収装置の個々の構成要素について、更に詳
細に説明する。図2は、プローブ・ハンドリング機構4
0を詳細に示した側面図である。図示の如く、プローブ
・ハンドリング機構40は、基台41と、この基台41
上に回転自在に立設し、揺動型空気圧アクチュエータ4
2によって回転制御できるようにしたポスト43と、こ
のポスト43に支持した、互いに平行で水平に延在する
上部ビーム44及び下部ビーム45とを備えている。上
部ビーム44は、ポスト43の上端に取り付けた空気圧
シリンダ43aによって上下方向に移動制御できるよう
にしてあり、一方、下部ビーム45はポスト43に固定
してある。上部ビーム44は、空気圧シリンダ44aに
よってビームの長手方向に移動制御自在とした上部クラ
ンプ・ユニット46を備えており、また下部ビーム45
は、空気圧シリンダ45aによってビームの長手方向に
移動制御自在とした下部クランプ・ユニット47を備え
ている。
【0023】上部クランプ・ユニット46は、空気圧シ
リンダ46b(図1)によって開閉制御自在とした上部
クランプ46aを備えている。下部クランプ・ユニット
47は空気圧シリンダ(不図示)によって開閉制御自在
とし、揺動形空気圧アクチュエータ47cによって上下
を倒立させることができるようにした下部クランプ47
aを備えている。これらの上下のクランプ46a、47
aは、自動サンプル試料採取機構35から受け取ったプ
ローブ20の、夫々上部と下部とを把持するためのクラ
ンプである。
【0024】プローブ・ハンドリング機構40は更に、
下部ビーム45の先端付近の側部に打撃機構48を備え
ている。この打撃機構48は、下部クランプ47aが倒
立させて把持した、切断されたプローブ20の下部に打
撃を加えることにより、そこからサンプル塊30が落下
するのを助けるための機構である。この打撃機構48
は、下部ビーム45に固着した基板49と、この基板4
9に揺動自在に取り付けた、プローブ20の下部を叩く
ためのL字形のハンマー部材49aと、このハンマー部
材49aを駆動してプローブ20の下部に衝撃力を加え
たり或いは振動を加えたりするための、空気圧シリンダ
49bとから構成されている。
【0025】次に、プローブ切断機構50について説明
する。プローブ切断機構は50は、鉛直な軸心51を中
心として水平方向に揺動自在としたアーム52と、この
アーム52の揺動端に備えた回転自在な丸鋸刃54(こ
の丸鋸刃にはメタルソーや、ダイヤモンド・カッター・
ホイール等の、凝固した金属であるサンプル塊を切断で
きるものを使用する)と、この丸鋸刃54を駆動するた
めのモータ55と、アーム52を揺動制御するための空
気圧シリンダ56とから構成してある。このプローブ切
断機構50は、プローブ・ハンドリング機構40がプロ
ーブ20を、プローブ切断作業位置P2(図1)に保持
しているときに、そのプローブ20とその中のサンプル
塊30とを諸共に、先に図4及び図5に関連して説明し
た切断位置CLで切断して、上部と下部とに分離するた
めの機構である。
【0026】次に、使用済プローブ回収機構60につい
て説明する。既述の如く、使用済プローブ回収機構60
は、切断されたプローブ20の上部と、切断されたプロ
ーブ20の(サンプル塊30を取り出した後の)下部と
を、プローブ・ハンドリング機構40が、不用品として
放棄する際に、それらを回収するための機構である。使
用済プローブ回収機構60は、運搬箱60aと、シュー
ト60bとから構成してある。切断されたプローブ20
の上部と下部とは、プローブ・ハンドリング機構40の
上部クランプ46aと下部クランプ47aとによって夫
々把持されており、それらクランプ46a、47aを使
用済プローブ回収機構60の方へ向けて夫々上部ビーム
44及び下部ビーム45から最も突出させると、把持さ
れているプローブ20の上部と下部とが、使用済プロー
ブ回収位置P4(図1)にくるようにしてある。従っ
て、上部クランプ46aと下部クランプ47aとを、個
別にこの使用済プローブ回収位置P4に位置させて、そ
こでそのクランプを開くと、そのクランプが把持してい
たプローブ20の上部または下部がシュート60bの上
に落下し、このシュート60bの傾斜した底面に案内さ
れて運搬箱60aの中へ転がり込む。そして、運搬箱6
0aの中にかなりの量の使用済プローブが溜ったなら
ば、それを運搬箱60aごと搬出して廃棄物として処理
すれば良い。
【0027】次に、サンプル取出機構70について説明
する。図1に示すように、サンプル取出機構70は、基
台71と、この基台71上に回転自在に立設し、揺動形
空気圧アクチュエータ72によって回転制御できるよう
にしたポスト(不図示)と、このポストに固定した、水
平に延在する支持部材74とを備えている。ポストを回
転制御することによって、この支持部材74を、図1に
実線で示したサンプル受取位置と、サンプル投入位置
(図1で受取位置から時計回り方向に90度回転した位
置)との間で揺動させることができる。支持部材74に
は揺動形空気圧アクチュエータ74aを取り付け、この
空気圧アクチュエータ74aの駆動軸に反転アーム74
bを取り付けてあり、更にこの反転アーム74bの先端
に、反転板75を固定してある。この反転板75は、空
気圧アクチュエータ74aを作動させることによって、
第1面を上にして水平に延在する姿勢と、第2面を上に
して水平に延在する姿勢との間で、その姿勢を変える、
即ち、反転させることができる。
【0028】反転板75には、その第1面に、サンプル
塊クランプ機構を取り付けてある。サンプル塊クランプ
機構は、図1及び図3に示すように、互いに組み合わせ
ることによって略々円筒形となる一対のクランプ爪77
a、77bと、それら一対のクランプ爪77a、77b
の間を開閉するための、反転板75に固定した一対の空
気圧シリンダ78a、78bとで構成してある。図1に
示すように、反転板75の第1面を上に向けて(従っ
て、サンプル塊クランプ機構が上にくるようにして)、
クランプ爪77a、77bを開いたときには、それらク
ランプ爪77a、77bの間の略々円筒形の空間に、サ
ンプル塊30を落とし込むことができ、その後、それら
クランプ爪77a、77bを閉じることによって、その
サンプル塊30を把持することができる。また、それら
クランプ爪77a、77bには、2組の光電式センサ7
9a、79bを、反転板75からの距離を互いに異なら
せて取り付けてある。これら2組のセンサ79a、79
bの用途については、後にシステムの動作を説明する際
に詳述する。
【0029】サンプル取出機構70は更に、残材回収箱
79を備えており、この残材回収箱79は、図1に示す
ように支持部材74がサンプル受取位置にあるときの、
反転板75の位置の真下に置かれる。この残材回収箱7
9は、後に詳述するように、量目不足の不良サンプル塊
や、切断されたプローブ20の下部から脱落したプロー
ブ20の構成部分を回収するために設置したものであ
る。
【0030】以上に説明した機構に用いられている、空
気圧シリンダ等の種々のアクチュエータは、いずれも一
般的な制御技術によって、例えばコンピュータ等の制御
手段を使用して制御されるものである。ただし、具体的
な制御の方法は任意であり、当業者であれば容易に相当
し得るものであるためここでは詳細には説明しない。ま
た、その制御を行なうために、上述の機構には、光電式
センサ79a、79b以外にも様々なポジション・セン
サ等が使用されているが、それらセンサの取付け方や、
制御手段との間の接続の仕方等も、周知技術に係るもの
であるため、詳細な説明は省略する。
【0031】続いて、以上に説明した自動サンプリング
・システム10の動作について説明する。プローブ・ハ
ンドリング機構40は、その初期状態においては(即
ち、スタンバイ・ポジションにあるときには)、上下の
クランプ46a、47aが自動サンプル採取機構の方を
向いている。また、それらクランプ46a、47aは、
プローブ受け渡し位置P1よりもプローブ・ハンドリン
グ機構40の中心寄りに後退した位置P1’にあって、
いずれのクランプも開いた状態にある。
【0032】不図示の自動サンプル採取機構によって溶
融金属中に浸漬されてサンプル試料を採取したプローブ
20が、回収コンベア36によって搬送され、プローブ
受け渡し位置P1にセットされたならば、プローブ・ハ
ンドリング機構40の上部クランプ46aが前進して
(即ち、上部ビーム44の端部から突出する方向へ移動
して)、プローブ受け渡し位置P1へ移動し、そこでこ
の上部クランプ46aが閉じて、そのプローブ20の上
部を把持する。尚、図示例の自動サンプリング・システ
ム10は、回収コンベア36を備えた形式の自動サンプ
ル採取機構を使用しているため、プローブの受け渡しが
このように行なわれているが、回収コンベアを備えてい
ない自動サンプル採取機構を使用したシステムでは、サ
ンプル試料を採取したプローブがその自動サンプル採取
機構から直接、上部クランプ46aないし下部クランプ
47aへ受け渡されるようにすれば良い。
【0033】続いて、上部ビーム44が所定距離だけ上
昇して、プローブ20のサンプル室21の高さ位置が下
部クランプ47aの高さ位置と略々等しくなり、また、
プローブ20の切断位置CLが、下部クランプ47aの
上端部より上にくる(これはプローブの切断作業を行な
うために必要なことである)。続いて、プローブ20を
把持した上部クランプ46aを後退し、それによってプ
ローブ20の下部が、開き状態にある下部クランプ47
aの中へ入る。すると、下部クランプ47aが閉じて、
このプローブ20の下部を把持する。この下部クランプ
47aの把持動作の直後に、或いはこの動作と並行し
て、プローブ・ハンドリング機構40の全体が図1の時
計周りに旋回して、上下のクランプ46a、47aがプ
ローブ切断作業位置P2へ移動する。
【0034】続いてプローブ切断機構50が作動して、
プローブ切断作業位置P2に上下のクランプ46a、4
7aでしっかりと保持されているプローブ20を、切断
位置CL(図4)において、このプローブ20の中に収
容されているサンプル塊30と諸共に切断する。この切
断によって、図5の(b)に示すように、サンプル塊3
0の切断部にバリ32が発生することがあるが、既述の
如く、このバリ32はサンプル塊30のくびれ部33に
発生し、このバリ32が、サンプル塊30の最大径部分
31の径よりも外方へ突出することはない。切断作業が
完了したならばプローブ切断機構50はその初期位置へ
復帰する。続いて、下部クランプ47aが前進すると共
に、プローブ・ハンドリング機構40の全体が、更に図
1の時計周りに旋回する。これによって、切断されたプ
ローブ20の下部を把持している下部クランプ47a
は、サンプル受け渡し位置P3へ移動する。このサンプ
ル受け渡し位置P3は、サンプル取出機構70が初期状
態にある(即ち、スタンバイ・ポジションにある)とき
に、このサンプル取出機構70に備えられているサンプ
ル塊クランプ機構のクランプ爪77a、77bが存在し
ている位置の真上の位置である。
【0035】図3は、プローブ・ハンドリング機構40
の下部クランプ47aからサンプル取出機構70へのサ
ンプル塊30の受け渡しと、それに続く、サンプル取出
機構70の動作とを含めた、一連の動作のシーケンスを
示した模式図である。図3の(a)は、下部クランプ4
7aがサンプル受け渡し位置P3へ移動してきた直後の
状態を示している。このとき、下部クランプ47aは切
断されたプローブ20の下部を把持しており、このプロ
ーブ20の下部の中には、サンプル室を画成している鉄
製のカップ22が入っており、更にこのカップ22の中
に、切断されて上部の不定形の部分を切除されたサンプ
ル塊30が入っている。また、サンプル塊クランプ機構
76のクランプ爪77a、77bは開いている。
【0036】図3の(a)の状態から、下部クランプ4
7aの上下が反転して倒立し、これを示したのが次の図
3の(b)である。この下部クランプ47aの反転だけ
で、サンプル塊30が落下することもあり得るが、サン
プル塊30とカップ22との間の付着力がやや強い場合
や、カップ22の開口部の内周に付着している画成部材
27の一部分を形成していた鋳物砂の付着力がやや強い
場合には、これだけではサンプル塊30が落下しないこ
ともある。そこで、図3の(c)に示すように打撃機構
48のハンマー部材49aが、プローブのサンプル室2
1の付近に、衝撃ないし振動を加えるようにしてある。
サンプル塊30が、クランプ爪77a、77bの間に落
下したならば、それらクランプ爪77a、77bに取り
付けてある2組の光電式センサ79a、79bのうち、
反転板75に近い方に配設してある光電式センサ79a
によって、その落下を検出することができる。その落下
が検出されたならば、プローブ・ハンドリング機構40
が旋回して、サンプル取出機構70から離れ、図3の
(d)に示すようにクランプ爪77a、77bが閉じて
そのサンプル塊30を把持する。一方、打撃機構48が
作動した後にもサンプル塊30の落下が検出されなかっ
たならば、別のプローブを使用してサンプリング試料の
採取をやり直させる等の、適宜の処理を取らせるように
する。
【0037】以上の、プローブ・ハンドリング機構40
の下部クランプ47aからサンプル取出機構70へのサ
ンプル塊30の受け渡しの際には、図3の(c)に示す
ように、プローブ20の切断面とクランプ爪77a、7
7bの上端部とが近接するため、サンプル塊30が、確
実に、しかも適切な姿勢で受け渡される。また、図3の
(c)のように、打撃機構48がプローブ20に衝撃な
いし振動を加えたときに、場合によっては、サンプル室
21を画成している鉄製のカップ22が紙製の保護管2
3から抜け落ちることもあるが、クランプ爪77a、7
7bの間の略々円筒形の空間の、それらクランプ爪が開
いているときの内径寸法を、カップ22の内径寸法より
は大きく、外径寸法よりは小さくしているため、脱落し
たカップ22が、それらクランプ爪の間の空間に入り込
むことはない。また既述の如く、サンプル塊30の切断
時に図5の(b)に示すようにバリ32が形成されて
も、このバリ32の高さはサンプル塊30の最大径部分
31を越えて外側へはみ出ることがないため、このバリ
32によってサンプル塊30の受け渡しが妨害されるこ
ともなく、受け渡しは常に良好に行なわれる。
【0038】また、上で述べたように、サンプル塊30
が落下した後に、プローブ・ハンドリング機構40が旋
回してサンプル取出機構70から離れるときには、この
プローブ・ハンドリング機構40は、その上下のクラン
プ46a、47aが、使用済プローブ回収機構60に正
対する位置にくるまで旋回する(尚、図3の(c)の段
階で、カップ22が保護管23から抜け落ちてクランプ
爪77a、77bの上端に載っていた場合には、そのカ
ップ22が、このプローブ・ハンドリング機構40の旋
回に伴って転げ落ち、反転板75の真下に置かれている
残材回収箱79の中に回収される)。このプローブ・ハ
ンドリング機構40の旋回によって、プローブ20の下
部を把持している下部クランプ47aは、使用済プロー
ブ回収位置P4へ移動し、一方、プローブ20の上部を
把持している上部クランプ46aは、それよりも後退し
た位置P4’へ移動する。続いて、下部クランプ47a
が開き、把持していたプローブ20の下部が落下して使
用済プローブ回収機構60の中に回収される。この後、
下部クランプ47aが後退するのと入れ替わりに、上部
クランプ46aを前進して使用済プローブ回収位置P4
へ移動し、そこでこの上部クランプ46aが開き、把持
していたプローブ20の上部が落下して使用済プローブ
回収機構60の中に回収される。この後、上部クランプ
46aが後退すると共に、プローブ・ハンドリング機構
40の全体が旋回して、このプローブ・ハンドリング機
構40が、その初期位置、即ちスタンバイ・ポジション
へ復帰する。
【0039】再び図3に戻って、サンプル取出機構70
の説明を続ける。図3の(d)に示したようにサンプル
塊クランプ機構76のクランプ爪77a、77bがサン
プル塊30を把持したならば、反転板75が反転して裏
返しになり、図3の(e)に示すように、サンプル塊ク
ランプ機構76が、この反転板75の下側にくる。ここ
で、クランプ爪77a、77bに取り付けてある2組の
光電式センサ79a、79bのうち、反転板75から遠
い方に配設してある光電式センサ79bによって、サン
プル塊30の長さを検査する。これを行なうのは、図5
の(c)に示すように、サンプル試料の採取時に溶融材
料がサンプル室21に充分に流れ込まなかったために、
サンプル塊30’の量目が不足していることがあるから
である。この量目不足が甚だしければ、クランプ爪77
a、77bは、そのサンプル塊を把持することができ
ず、反転板75の反転と同時にそのサンプル塊は落下し
て残材回収箱79の中に回収されると共に、それが落下
したということが(従ってそれが不良サンプル塊であっ
たということが)光電式センサ79a、79bによって
検出される。量目不足がそれ程甚だしくなければ、その
サンプル塊はクランプ爪77a、77bで把持される
が、ただしその長さが短いため、反転板75から遠い方
の光電式センサ79bの光ビームが遮られず、これによ
ってそれが不良サンプル塊であることが検出される。こ
の場合には、図3の(f)に示したようにクランプ爪7
7a、77bが開き、その不良サンプル塊30’は、落
下して残材回収箱79の中に回収される。また、不良サ
ンプル塊が検出されたときには、別のプローブを使用し
てサンプリング試料の採取をやり直させる等の、適宜の
処理を取らせるようにする。
【0040】一方、図3の(e)の段階で、2組の光電
式センサ79a、79bの両方の光ビームがサンプル塊
によってを遮られていれば、そのサンプル塊は充分な長
さを有する正常なサンプル塊であるものと判定される。
この場合には、サンプル取出機構70の支持部材74
が、図1に実線で示したサンプル受取位置からサンプル
投入位置へ旋回し、これによって、そのサンプル塊30
を把持しているクランプ爪77a、77bが、図3の
(f)に示したように気送管装置の気送管80の真上へ
移動する。そして、クランプ爪77a、77bが開き、
サンプル塊30は、落下して気送管80の中へ投入され
る。こうして投入されたサンプル塊30は、気送管装置
によって分析室へ搬送される。一方、サンプル取出機構
70では、反転板75が再び反転して元の姿勢に戻ると
共に、支持部材74が旋回してサンプル受取位置へ戻
り、これによって、図1に示した初期状態へ復帰する。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、コストのかかるサンプル整形装置を使用することな
く、自動的にサンプリング・プローブからサンプル塊を
取り出して、そのサンプル塊を気送管装置等の搬送装置
に投入し、確実に搬送させることができる。また、実施
例のシステムにおいては、取り出したサンプル塊を搬送
機構に投入するまでのサンプル塊の受渡しが確実に行な
われると共に、その受渡しを行なっている間に不良サン
プル塊の検出と排除とを行なうことができ、そのため効
率的なサンプリング作業を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るサンプル回収装置を組み
込んだ、自動サンプリング・システムの平面図である。
【図2】図1のサンプル回収装置の一部を構成している
プローブ・ハンドリング機構の側面図である。
【図3】図2のプローブ・ハンドリング機構の下部クラ
ンプからサンプル取出機構へのサンプル塊の受け渡し
と、それに続くサンプル取出機構の動作とを含めた、一
連の動作のシーケンスを示した模式図である。
【図4】本発明の実施例に係るサンプリング・プローブ
の縦断面図である。
【図5】正常サンプル塊の一例と、切断後のそのサンプ
ル塊と、不良サンプル塊の一例とを示した、サンプル塊
の側面図である。
【符号の説明】
10 自動サンプリング・システム 20 サンプリング・プローブ 21 サンプル室 22 カップ 26 サンプル試料流入部 27 画成部材 30 サンプル塊 30’ 不良サンプル塊 31 最大径部分 32 バリ 33 くびれ部 40 プローブ・ハンドリング機構 46a 上部クランプ 47a 下部クランプ 48 打撃機構 49a ハンマー部材 50 プローブ切断機構 54 丸鋸刃 60 使用済プローブ回収機構 70 サンプル取出機構 75 反転板 76 サンプル塊クランプ機構 77a、77b クランプ爪 79a、79b 光電式センサ 80 気送管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融材料中に浸漬してサンプル試料を採
    取したサンプリング・プローブを受け取り、そのサンプ
    リング・プローブから凝固したサンプル塊を取り出して
    搬送機構へ投入する、溶融材料のサンプリングのための
    サンプル回収装置において、 前記サンプリング・プローブの受け取り、把持、及び受
    け渡しをするプローブ・ハンドリング機構と、 前記プローブ・ハンドリング機構と協働して、前記サン
    プリング・プローブとその中で凝固したサンプル塊とを
    諸共に所定の切断位置において切断するプローブ切断機
    構と、 前記プローブ・ハンドリング機構と協働して、切断され
    た前記サンプリング・プローブからサンプル塊を取り出
    し、取り出したそのサンプル塊を前記搬送機構へ投入す
    るサンプル取出機構と、を備えており、 前記サンプリング・プローブは、所定の径を有するサン
    プル塊を形成するためのサンプル室と、そのサンプル塊
    の径よりも小さな径を有するサンプル塊くびれ部を形成
    する、サンプル試料流入部とを有しており、 前記所定の切断位置は、前記サンプル塊くびれ部にあ
    り、 前記サンプル塊の径と前記サンプル塊くびれ部の径との
    差を、該サンプル塊くびれ部に切断加工を施したときに
    発生するバリの高さが、該サンプル塊の径の内側に納ま
    るように設定してある、ことを特徴とする溶融材料のサ
    ンプリングのためのサンプル回収装置。
  2. 【請求項2】 前記プローブ・ハンドリング機構は、前
    記サンプリング・プローブの上部を把持するための上部
    クランプと、前記サンプリング・プローブの下部を把持
    するための下部クランプとを備えており、該下部クラン
    プは、上下反転自在にしてあり、 前記サンプリング・プローブの前記サンプル室は、該サ
    ンプリング・プローブの下部に設けてあり、 前記サンプル取出機構は、前記プローブ・ハンドリング
    機構の前記下部クランプの下方に位置させることができ
    るようにした上下反転自在な反転板と、該反転板の一方
    の面に備えたサンプル塊クランプ機構とを備えており、 前記下部クランプを反転させて、該下部クランプに把持
    されている切断された前記サンプリング・プローブの下
    部から前記サンプル塊クランプ機構への、サンプル塊の
    受け渡しを行なった後に、前記反転板を反転させて、該
    サンプル塊クランプ機構から前記搬送機構へのサンプル
    塊の受け渡しを行なえるようにしてあることを特徴とす
    る請求項1記載の溶融材料のサンプリングのためのサン
    プル回収装置。
  3. 【請求項3】 前記下部クランプに把持されている切断
    された前記サンプリング・プローブの下部から前記サン
    プル塊クランプ機構への、前記サンプル塊の受け渡しの
    際に、該切断されたサンプリング・プローブの下部に対
    して振動ないし衝撃を与えるための機構を備えているこ
    とを特徴とする請求項2記載の溶融材料のサンプリング
    のためのサンプル回収装置。
  4. 【請求項4】 前記サンプル塊クランプ機構に、前記サ
    ンプル塊の量目を検査するための機構を備えてあり、量
    目不足のサンプル塊を排除して正常サンプル塊のみを前
    記搬送機構へ投入するようにしてあることを特徴とする
    請求項2記載の溶融材料のサンプリングのためのサンプ
    ル回収装置。
  5. 【請求項5】 溶融材料中に浸漬してサンプル試料を採
    取したサンプリング・プローブを受け取り、そのサンプ
    リング・プローブとその中で凝固したサンプル塊とを諸
    共に所定位置で切断し、切断したそのサンプリング・プ
    ローブからサンプル塊を取り出して搬送機構へ投入する
    ようにした溶融材料のサンプリングのためのサンプル回
    収装置に用いる、サンプリング・プローブにおいて、 所定の径を有するサンプル塊を形成するためのサンプル
    室と、そのサンプル塊の径よりも小さな径を有するサン
    プル塊くびれ部を形成する、サンプル試料流入部とを備
    えており、 前記サンプル塊の径と前記サンプル塊くびれ部の径との
    差が、該サンプル塊くびれ部に切断加工を施したときに
    発生するバリの高さが該サンプル塊の径の内側に納まる
    ような差となるように、前記サンプル室の径と前記サン
    プル試料流入部の径とを設定してある、ことを特徴とす
    るサンプリング・プローブ。
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