JPH06199831A - 血小板凝集抑制活性を有する新規1,3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導体及びその中間体化合物 - Google Patents

血小板凝集抑制活性を有する新規1,3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導体及びその中間体化合物

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JPH06199831A
JPH06199831A JP35885392A JP35885392A JPH06199831A JP H06199831 A JPH06199831 A JP H06199831A JP 35885392 A JP35885392 A JP 35885392A JP 35885392 A JP35885392 A JP 35885392A JP H06199831 A JPH06199831 A JP H06199831A
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dioxathiolane
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acid
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Masahiro Tanaka
正浩 田中
Motohide Sato
元秀 佐藤
Takeshi Nakamura
健 中村
Junichi Haruta
純一 春田
Shin Hara
伸 原
Itsuro Uchida
逸郎 内田
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (式中、Xは、−S(O)−,−S(O)2−、R1、R
2は水素原子、ハロゲン原子で置換されてもよい低級ア
ルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、フェニ
ル基、ベンジル基、R3は、メチルチオ基で置換されて
もよい低級アルキル基、またはベンジル基、R4及びR5
は、水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基、グアニ
ジル基で置換された低級アルキル基などを意味する)で
示される1,3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導体
又は薬学的に許容されるそれらの塩。 【効果】 上記化合物はチオ−ルプロテア−ゼ阻害作用
を有し、筋ジストロフィ−症、炎症、腎性高血圧、白内
障、心筋梗塞、ウイルス感染症、悪性腫瘍、骨粗鬆症、
アレルギ−疾患等の予防薬または治療薬として有用であ
る。また、さらに新しい作用機序による血小板凝集抑制
剤としても期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チオ−ルプロテア−ゼ
阻害活性と血小板凝集抑制活性を有する新規1,3,2
−ジオキサチオラン オキシド誘導体及びその中間体化
合物に関し、更に詳しくは、カルシウム依存性中性プロ
テア−ゼ(CANP)、カテプシンB、H、L等のチオ
−ルプロテア−ゼに対してた阻害活性を有し、更に血小
板凝集抑制活性も併せ持つ新規誘導体、及びそれら誘導
体を製造するために有用な1,3−ジオキソラン誘導体
及び1,2−ジオ−ル誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CANPをはじめとするカテプシンB、
パパイン、フィシン、ブロメリン、ブロメラン等の蛋白
分解酵素は活性中心にチオ−ル基を有し、チオ−ルプロ
テア−ゼと総称されている。CANP阻害活性を有する
物質は、CANPのチオ−ル基に特異的に作用して、そ
の活性を阻害することが知られているが、更に他のチオ
−ルプロテア−ゼに対しても阻害作用を有していること
が知られている。従って、CANP、カテプシンB、
H、L等のチオ−ルプロテア−ゼを阻害する物質は、こ
れらのプロテア−ゼが関与するとされる疾患、例えば筋
ジストロフィ−症、炎症、腎性高血圧症、白内障、心筋
梗塞、ウイルス感染症、悪性腫瘍、骨粗鬆症、アレルギ
−疾患等の予防、治療に有用であることが期待されてい
る。
【0003】従来、これらチオ−ルプロテア−ゼ阻害活
性を有する化合物としては、カビ代謝産物であるE−6
4及びその誘導体であるE−64−cなどの一連のエポ
キシコハク酸誘導体、あるいは放線菌の二次代謝物に属
するロイペプチンやアンチパインのアルデヒド誘導体、
更には合成阻害剤であるCalpeptin(特開平1−121
57号公報)が知られている。E−64は、アスペルギ
ルス ジャポニカ(Aspergills Japonicus)TPR−6
4株のふすま固体培養物中から得られるエポキシコハク
酸誘導体であり下記式で示される(特開昭52-230
21号公報他)。
【0004】
【化4】
【0005】E−64−c及びそのエチルエステル誘導
体であるロキシスタチンは、ともに上記E−64の誘導
体であり、下記構造式で示される(特開昭55−115
878号公報他)。
【0006】
【化5】
【0007】上記両化合物、とりわけロキシスタチン
は、蛋白分解酵素阻害剤としての作用に着目して、筋ジ
ストロフィ−病等の治療剤としての実用化を目指して現
在開発中である。
【0008】また、本発明者らは下記式で示される1,
3,2−ジオキサチオラン 2,2−ジオキシド誘導体
等がチオールプロテアーゼを強く阻害することを見い出
し、既に特許出願している(特開平3−501874号
公報)。
【0009】
【化6】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記の
ごとき諸疾患の予防または治療に有効な新規な化合物を
見出すべく鋭意研究を重ねた結果、チオ−ルプロテアー
ゼに対する特異的な阻害活性を有するとともに、新しい
作用機序に基づくと思われる優れた血小板凝集抑制作用
を併せ持つ新規な1,3,2−ジオキサチオラン オキシ
ド誘導体を見出し、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は、
下記一般式〔1〕
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Xは、−S(O)−,−S(O)
2−を意味し、R1、R2はそれぞれ同一または異なって
水素原子、ハロゲン原子で置換されてもよい低級アルキ
ル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、フェニル
基、ベンジル基を意味し、R3は、メチルチオ基で置換
されてもよい低級アルキル基、またはベンジル基を意味
し、R4及びR5は、それぞれ同一または異なって水素原
子、炭素数1乃至10のアルキル基、グアニジル基で置
換された低級アルキル基、炭素数3乃至6のシクロアル
キル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基または
4とR5が一緒になってアルキレン基を意味する。)で
示される新規1,3,2−ジオキサチオラン オキシド
誘導体又は薬学的に許容されるそれらの塩を提供するこ
とであり、また本発明の他の目的は、これら新規誘導体
〔1〕を製造するために有用な下記一般式〔2〕、
〔3〕で示される新規中間体即ち1,2−ジオ−ル誘導
体及び1,3−ジオキソラン誘導体を提供するすること
である。
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1、R2、R3、R4 および R5
は前記と同じである)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
それぞれ前記と同じである。R6およびR7は、それぞれ
同一または異なって水素原子、低級アルキル基、フェニ
ル 基、低級アルコキシ基または低級アルキルアミノ基
を意味する)
【0018】また、本明細書において使用する各種置換
基の定義は以下の通りである。ここでR1、乃至R7にお
ける「低級アルキル基」とは、炭素数1乃至5、好まし
くは1乃至4の直鎖または分枝状のアルキル基を意味
し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、
tert-ブチル基等である。R4及びR5における「炭素数
1乃至10のアルキル基」とは、炭素数1乃至10の直
鎖または分枝状のアルキル基を意味し、具体的にはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペ
ンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル
基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオ
クチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデ
シル基等であり特に好ましくはデシル基、ブチル基、イ
ソペンチル基等である。「アルキレン基」とは、炭素数
2乃至5の2価の直鎖脂肪族飽和炭化水素を意味し、具
体的にはエチルニル基、トリメチルニル基、テトラメチ
ルニル基、ペンタメチルニル基である。
【0019】「ハロゲン原子」とは、塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素である。「炭素数3乃至6のシクロアルキル
基」とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基である。「低級アルコキ
シ基」とは、炭素数1乃至5のアルコキシ基であり、具
体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基等である。「低級アルキルアミノ基」
とは、アミノ基が上記低級アルキル基で置換されたもの
であり、具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、
n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブ
チルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミ
ノ等である。
【0020】本発明は、上記のごとき従来の1,3,2−
ジオキサチオラン オキシド誘導体のカルボキシ基をア
ミド基に変換した点に特徴を有するものであり、これに
より従来の1,3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導
体には見られない血小板凝集抑制作用を達成し得たもの
である。
【0021】次に、これら、1,3,2−ジオキサチオラ
ン オキシド誘導体〔1〕の製造方法について述べる
が、本発明化合物〔1〕の製造方法は、下記に例示の製
造方法に限定されるものではないことは勿論である。ま
た、中間体化合物〔2〕、〔3〕についても、上記と同
様、例示の製造方法のみに限定されるものではない。
【0022】製造法1 1,3−ジオキソラン誘導体〔3〕の製造 (A法)特開平3−501874号公報記載の方法によ
って製造される誘導体〔4〕またはその反応性誘導体
【0023】
【化7】
【0024】(式中、R3、R4、R5、R6およびR7
それぞれ前記と同じである。) と、一般式〔5〕
【0025】
【化8】
【0026】(式中、R1、R2は前記と同じ)で表され
るアミン誘導体またはその塩とを縮合させて、一般式
〔3〕
【0027】
【化3】
【0028】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
よびR7はそれぞれ前記と同じである。)で表される1,
3−ジオキソラン誘導体を得る。
【0029】(B法) 一般式〔6〕
【0030】
【化9】
【0031】(式中、R3、R4 およびR5は前記と同
じ)で表されるアミド誘導体と、A.Tanaka等〔Agric.Bi
ol.Chem.,48,2135(1984)〕の方法に準じて合成した一般
式〔7〕
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R1、R2、R6およびR7はそれぞ
れ前記と同じである。)で表される酒石酸モノアミド誘
導体またはその反応性誘導体とを縮合させて、一般式
〔3〕
【0034】
【化3】
【0035】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
よびR7は前記と同じ)で表される1,3−ジオキソラン
誘導体を得る。
【0036】(C法) 一般式〔7〕
【0037】
【化10】
【0038】(式中、R1、R2、R6およびR7はそれぞ
れ前記と同じである。)で表される酒石酸モノアミド誘
導体またはその反応性誘導体と一般式〔8〕
【0039】
【化11】
【0040】(式中、R3は前記と同じ)で表されるα
−アミノ酸誘導体またはその塩とを縮合させて得られる
一般式
〔9〕
【0041】
【化12】
【0042】(式中、R1、R2、R3、R6およびR7
前記と同じ)で表されるアミドカルボン酸誘導体または
その反応性誘導体と、一般式〔10〕
【0043】
【化13】
【0044】(式中、R4およびR5は前記と同じ)で表
わされるアミン誘導体とを縮合させて、一般式〔3〕
【0045】
【化3】
【0046】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
よびR7は前記と同じ)で表わされる1,3−ジオキソラ
ン誘導体を得る。
【0047】製造法2 1,2−ジオ−ル誘導体〔2〕の製造 (D法) 一般式〔2〕
【0048】
【化2】
【0049】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記と同じ)で表される1,2−ジオ−ル誘導体は、一
般式〔3〕
【0050】
【化3】
【0051】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
よびR7は前記と同じ)で表される1,3−ジオキソラン
誘導体を接触還元等の還元的条件に付すかまたは酸処理
することにより得られる。
【0052】(E法)特開平3−501874号公報に
記載の方法によって製造される化合物〔11〕誘導体ま
たはその反応性誘導体
【0053】
【化14】
【0054】(式中、R3、R4およびR5は前記と同
じ)と、一般式〔5〕
【0055】
【化8】
【0056】(式中、R1、R2はは前記と同じ)で表さ
れるアミン誘導体またはその塩とを縮合させて、一般式
〔2〕
【0057】
【化2】
【0058】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
それぞれ前記と同じである)で表される1,2−ジオ−
ル誘導体を得る。
【0059】製造法3 1,3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導体 〔1〕の製造 (F法) 一般式〔1〕
【0060】
【化1】
【0061】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
Xは前記と同じ)で表される1,3,2−ジオキサチオラ
ン オキシド誘導体については、一般式〔2〕
【0062】
【化2】
【0063】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記と同じ)で表される1,2−ジオ−ル誘導体に、K.
B.Sharpless等〔J.Am.Chem.Soc.,110,7538(1988)〕の方
法を適用することにより、一般式〔12〕
【0064】
【化15】
【0065】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記と同じ)で表される1,3,2−ジオキサチオラン
2−オキシド誘導体を得ることができ、また、一般式
〔12〕
【0066】
【化15】
【0067】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記と同じ)で表される1,3,2−ジオキサチオラン
2−オキシド誘導体を酸化することにより、一般式〔1
3〕
【0068】
【化16】
【0069】(式中、R1、R2、R3、R4、R5は前記
と同じ)で表される1,3,2−ジオキサチオラン 2,2
−ジオキシド誘導体を得ることができる。
【0070】上記の製造方法で用いる原料化合物
〔5〕、〔6〕、〔8〕及び〔10〕は、遊離の状態ま
たはその塩のいずれであってもよい。塩としては酸付加
塩が望ましい。この酸付加塩としては、例えば、塩酸、
硫酸、燐酸、臭化水素酸等の無機酸との酸付加塩、トリ
フルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、マレ
イン酸、フマル酸、コハク酸等の有機酸との酸付加塩等
を用いることができる。また、化合物〔4〕、〔7〕、
〔9〕及び〔11〕の反応性誘導体としては、それぞれ
の化合物に対応する活性エステル(例えば、N−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル、ペンタクロロフェニルエ
ステル、N−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ルエステル)
酸ハロゲン化物(例えば酸塩化物)、酸アジド混合酸無
水物、イミダゾ−ルアミド等を用いることができる。活
性エステルは一旦単離してから縮合反応に付してもよ
く、また単離することなく in situ で縮合反応に付し
てもよい。
【0071】次に、上記製造方法に用いられている個々
の反応について、その反応条件等をより詳細に説明す
る。 (製造法1:A法、B法、C法)化合物〔4〕またはそ
の反応性誘導体と、化合物〔5〕またはその塩との縮合
反応;化合物〔6〕またはその塩と、化合物〔7〕また
はその反応性誘導体との縮合反応;化合物〔8〕または
その塩と、化合物〔7〕またはその反応性誘導体との縮
合反応;および化合物
〔9〕またはその反応性誘導体
と、化合物〔10〕またはその塩との縮合反応;は、縮
合剤の存在下に公知のペプチド反応の手法により実施す
ることができる。縮合剤の適当な例としては、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、オキシ塩
化リン、三酸化リン、塩化チオニル塩化オキサニル、ト
リフェニルホスフィン、ヴィルスマイヤ−試薬等が挙げ
られる。これらの縮合反応は、反応溶媒としてジメチル
ホルムアミド、塩化メチレン、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジンアセ
トン、水等を好適に選択して用い、−50゜C〜50゜
Cの温度で実施するのが適当である。また化合物
〔5〕、〔6〕、〔8〕及び〔10〕の塩を用いて縮合
反応を行う場合には、脱酸剤の存在下で実施する。この
脱酸剤としては、たとえば、トリアルキルアミン(トリ
エチルアミン、トリメチルアミン等)、N,N−ジアル
キルアニリン(N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリン等)、ピリジン、N−アルキルモルホリ
ン(N−メチルモルホリン等)、水酸化アルカリ金属
(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、炭酸アルカ
リ金属(炭酸カリウム等)炭酸水素アルカリ金属(炭酸
水素ナトリウム等)が挙げられる。
【0072】(製造法2:D法)化合物〔3〕の環状ア
セタ−ルを除去し、化合物〔2〕を生成するための反応
は、通常のアセタ−ルの除去に用いられる条件を用いて
行うことができる例えば、接触還元を用いることがで
き、或いは、硫酸、塩酸、等の無機酸、酢酸、トシル酸
等の有機酸、三酸化ホウ素等のルイス酸等を用いて行う
ことができる。
【0073】(製造法2:E法)化合物〔11〕または
その反応性誘導体と化合物〔5〕またはその塩との反応
は、縮合剤の存在下に公知のペプチド反応の手法によ
り、実施することができる。縮合剤、反応溶媒、半王温
度及び化合物〔5〕の塩を用いる反応は、製造法1の
A、B、C法で述べた方法を採用することができる。
【0074】(製造法3:F法)化合物〔12〕から化
合物〔13〕への酸化反応は、スルホキシドからスルホ
ンへの酸化に通常用いられる方法を用いて行うことがで
きる。例えば、過マンガン酸塩、クロム酸塩、過酸化
物、三酸化ルテニウム−過ヨウ素酸塩等を用いることが
できる。なお、上記の反応において、原料化合物〔4〕
〜〔10〕、中間生成物〔2〕、〔3〕および目的化合
物〔1〕はいずれも1乃至4個の不斉炭素を含む。ま
た、上記の反応は何れもラセミ化を伴うことなく実施で
きるので、光学活性の原料化合物〔4〕〜〔10〕を用
いれば、その中間生成物および目的物も光学活性体とし
て得ることができる。しかし、上記の製造方法は原料化
合物〔4〕〜〔10〕として光学活性体を用いなければ
実施できないものではなく、ラセミ体を用いて実施する
ことも可能である。上記方法により製造された一般式
〔1〕で示される本発明の目的化合物は、薬理学的に許
容される塩類を生成することができる。これら塩類とし
ては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、臭化水素酸などの無
機酸との酸付加塩、或いは酒石酸、マレイン酸、フマル
酸、コハク酸、スルホン酸等の有機酸との酸付加塩が挙
げられる。更に、本発明に係わる1,3,2−ジオキサ
チオラン オキシド誘導体〔1〕またはその塩類を医薬
製剤として用いる場合には、これを有効成分とする適切
な投与形態で、経口或いは非経口の適当な投与方法によ
り患者に投与することが可能である。経口投与形態とし
ては、例えば錠剤、カプセル剤顆粒剤、散剤、液剤等が
挙げられる。非経口投与形態としては、例えば、注射
剤、座剤、軟膏剤、液剤とうが挙げられる。これら種々
の製剤を調整するためには、賦形剤、安定剤、保存剤、
緩衝剤或いはその他の添加剤を、当該分野における常法
に従い適宜選択して使用することができる。その投与寮
は患者の年齢、性別、体重、及び症状の程度、更には投
与方法に応じて適宜増減され得る。通常成人1日当たり
本発明化合物として10mg〜1g/日の投与量が設定
されるがこれに制限されるものではない。
【0075】以下、参考例及び実施例を挙げて本発明を
さらに説明する。なお、参考例及び実施例で使用した略
号は以下の意味を表す。 NMR 核磁気共鳴吸収スペクトル(1H−NMR) IR 赤外線吸収スペクトル MS 質量分析スペクトル FAB 高速原子衝撃法 But tert-ブチル基 Et エチル基 Ph フェニル基 DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル mp 融点
【0076】
【実施例】
参考例1 (4S,5S)−5ー[(S)−3−メチルー1ー(3
ーメチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイル]ー
2ーフェニルー1,3−ジオキソランー4ーカルボン酸 エチル(4S,5S)−5ー[(S)−3−メチルー1
ー(3ーメチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイ
ル]ー2ーフェニルー1,3−ジオキソランー4ーカル
ボキシラート(1.12g)をメタノ−ルに溶解しそこに2N
KOH(1.38ml)を加え、0℃で2時間攪拌した。その
後溶媒を減圧留去し重曹水を加えpH8程度として水槽
を酢酸エチルで洗浄し、その後希塩酸でpH2程度にし
さらに食塩を飽和するまで加え水槽を酢酸エチルで抽出
した。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄し硫酸マグネ
シウムで乾燥後減圧下溶媒留去して、油状物を表題化合
物として937mg得た(表1参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.82〜1.05(12H, m,
-CH3x4),1.32〜1.50(3H,m),1.50〜1.75(3H, m),3.26(2
H, m, -NHCH 2-),4.40(1/2H, m, -NHCHCONH-),4.51(1/2
H, m, -NHCHCONH-),4.74(1H, s ),4.82(1/2H, d, J=6.0
Hz),4.91(1/2H, d,J=6.0Hz),6.09(1/2H, s, Ph-CH<),6.
15(1H, br s, -CONHCH2-), 6.17(1/2H, s,Ph-CH<),7.21
(1/2H, d, J=9.0Hz,-NHCHCO-),7.36〜7.60(5H, m, aro
m.),7.67(1/2H, d, J=9.0Hz,-NHCHCO-),
【0077】実施例1 N−メチル(4S,5S)−5ー[(S)−3−メチル
ー1ー(3ーメチルブチルカルバモイル)ブチルカルバ
モイル]ー2ーフェニルー1,3−ジオキソランー4ー
カルボキサミド メチルアミン塩酸塩(100mg)をジメチルホルムアミド(5
ml)に溶かし、そこにトリエチルアミン(1.35ml)、シ
アノリン酸ジエチル(224μl)を氷冷下順番に加えて攪拌
した。その溶液に参考例1で得られた(4S,5S)−
5ー[(S)−3−メチルー1ー(3ーメチルブチルカ
ルバモイル)ブチルカルバモイル]ー2ーフェニルー
1,3−ジオキソランー4ーカルボン酸(520mg)のジ
メチルホルムアミド(10ml)溶液を氷冷下加えて攪拌し、
一夜4℃で攪拌した。反応液に酢酸エチル−ベンゼン混
合液を80ml加えた。有機層を10%クエン酸、水、
飽和重曹水、水、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後減圧下溶媒留去して、粗生成物を得た。
このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−により
精製して、白色粉末として表題化合物を320mg得た
(表2参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.82〜1.02(12H, m,
-CH3x4),1.32〜1.48(3H,m),1.48〜1.81(3H, m),2.84(3/
2H, d, J=5.0Hz, CH 3NH-),2.93(3/2H, d, J=5.0Hz, CH 3
NH-),3.15〜3.34(2H, m, -NHCH 2-),4.31〜4.42(1/2H,
m, -NHCHCONH-),4.42〜4.52(1/2H, m, -NHCHCONH-),4.7
3〜4.83(2H, m),6.03(1H, s, Ph-CH<), 6.20(1/2H, br
s),6.33(1/2H, br s),6.62(1/2H, br s),6.72(1/2H, br
s),7.04(1H, d, J=8.5Hz,-NHCHCO-),7.40〜7.57(5H,
m, arom.),
【0078】実施例2 Nーメチル(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−3−
〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバ
モイル)ブチルカルバモイル〕プロピオンアミド 実施例1で得られたエチル N−メチル(4S,5S)
−5ー[(S)−3−メチルー1ー(3ーメチルブチル
カルバモイル)ブチルカルバモイル]ー2ーフェニルー
1,3−ジオキソランー4ーカルボキサミド(290mg)
を酢酸(6ml)に溶解し、パラジウム黒(130mg)を加
え、3.5気圧水素気流下室温で66時間激しく攪拌し
た。触媒を濾別後濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。
このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−により
精製し、油状物として表題化合物をとして115mg得
た(表2参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.82〜1.00(12H, m,
-CH3x4),1.32〜1.46(2H,m),1.50〜1.87(4H, m),2.84(3
H, d, J=5.0Hz, CH 3NH-),3.19〜3.31(2H, m, -NHCH 2-),
4.24〜4.43(3H, m),6.01(1H, br s),7.06(1H, br s),7.
38(1H, d, J=9.0Hz),
【0079】実施例3 N−メチル(4S,5S)−5−〔(S)−3−メチル
−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバ
モイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキ
サミドー2,2−ジオキシド 実施例2で得られたN−メチル(2S,3S)−2,3−
ジヒドロキシ−3−〔(S)−3−メチル−1−(3−
メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイル〕プロ
ピオンアミド(50mg)を四塩化炭素(1ml)に溶解し、
そこに塩化チオニル(13μl)を室温で加え、40分間
加熱還流した。この反応液にアセトニトリル(1ml)を
加え、室温で攪拌し、そこに過ヨウ素酸ナトリウム(69
mg)および三塩化ルテニウム水和物(触媒量)を水(1.
5ml)に溶解したものを加え、室温で20時間攪拌し
た。反応液に酢酸エチルを加えて、その有機層を水、飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥後減圧下溶媒留去して、粗生成物を得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−により精製し、さ
らにクロロホルムより再結晶することにより白色粉末と
して表題化合物を22mg得た(表2参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.85〜1.01(12H, m,
-CH3x4),1.38〜1.49(2H,m),1.54〜1.72(4H, m),2.96(3
H, d, J=5.0Hz, CH 3NH-),3.30(2H, m, -NHCH 2-),4.37〜
4.47(1H, m, -NHCHCONH-),5.41(1H, d, J=4.8Hz),5.46
(1H, d, J=4.8Hz),5.85(1H, br s),6,56(1H, br s),7.1
7(1H, d, J=9.0Hz), IR(KBr)cm-1:3314,1673,1649,1396,1211 MS(FAB)m/z;408(M+1) mp:161℃〜164℃
【0080】実施例4 N−ベンジル(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−3
−〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチルカル
バモイル)ブチルカルバモイル〕プロピオンアミド (2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−3−〔(S)−
3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブ
チルカルバモイル〕プロピオン酸(448mg)をジメチルホ
ルムアミド(10ml)に溶解し氷冷下、HOBT・H2O(22
7mg),DCC(305mg)を順次加え攪拌し、徐々に室温に戻
した。5時間後反応液にベンジルアミン(161μl)を加え
て一夜攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、これに酢酸エ
チルを加えて、有機層を水、飽和重曹水、1%塩酸、
水、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
後減圧下溶媒留去して、粗生成物を得た。このものをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒;クロロ
ホルム:酢酸エチル=1:1)により精製して、白色粉
末として表題化合物を269mg得た(表3参照)。 1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.85〜0.99(12H, m,
-CH3x4),1.32〜1.40(2H,m),1.50〜1.70(4H, m),3.20(2
H, m),4.33〜4.50(5H, m),4.89(1H, d, J=7.1Hz),5.14
(1H, d, J=6.7Hz),6.39(1H, t, J=5.6Hz),7.20〜7.36(5
H, m, arom.), 7.43(1H, t, J=5.9Hz),7.50(1H, d, J=
8.6Hz),
【0081】実施例5 N−ベンジル(4S,5S)−5−〔(S)−3−メチ
ル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカル
バモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボ
キサミドー2,2−ジオキシド 実施例4で得られたN−ベンジル(2S,3S)−2,3
−ジヒドロキシ−3−〔(S)−3−メチル−1−(3
−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイル〕プ
ロピオンアミド(177mg)を四塩化炭素(4ml)に溶解
し、そこに塩化チオニル(37μl)を室温で加え、40
分間加熱還流した。この反応液にアセトニトリル(4m
l)を加え、室温で攪拌し、そこに過ヨウ素酸ナトリウ
ム(202mg)および三塩化ルテニウム水和物(触媒量)
を水(6 ml)に溶解したものを加え、室温で20時間攪
拌した。酢酸エチルを加えて、その有機層を水、飽和重
曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後
減圧下溶媒留去して、粗生成物を得た。このものをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒;クロロホ
ルム:酢酸エチル=10:1)により精製し、さらにn
−ヘキサン−酢酸エチルより再結晶することにより白色
粉末として表題化合物を30mg得た(表3参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.82〜1.00(12H, m,
-CH3x4),1.36〜1.44(2H,m),1.53〜1.72(4H, m),3.27(2
H, m),4.44(1H, m),4.53(2H, t, J=5.5Hz, PhCH 2-), 5.
46(1H, d, J=4.8Hz),5.50(1H, d, J=4.8Hz),6.00(1H,
t, J=5.5Hz),6.89(1H, t, J=5.6Hz),7.20〜7.40(6H,
m), IR(KBr)cm-1:3312,1695,1679,1647,1383,1214 MS(FAB)m/z;484(M+1) mp:151℃〜154℃
【0082】実施例6 N−(2,2,2−トリフルオロエチル)(2S,3
S)−2,3−ジヒドロキシ−3−〔(S)−3−メチ
ル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカル
バモイル〕プロピオンアミド (2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−3−〔(S)−
3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブ
チルカルバモイル〕プロピオン酸(459mg)をテトラヒ
ドロフラン(5ml)に溶解し氷冷下、HOBT・H2O(233
mg),DCC(313mg)を順次加え攪拌し、徐々に室温に戻
した。5時間後反応液に、別の容器で氷冷下1時間2,
2,2トリフルオロエチルアミン塩酸塩(206mg)とトリエ
チルアミン(211μl)を攪拌した溶液を加えて、一夜攪拌
した。反応液を減圧下濃縮し、これに酢酸エチルを加え
て、有機層を水、飽和重曹水、1%塩酸、水、飽和食塩
水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下溶媒
留去して、粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−(展開溶媒;クロロホルム:酢酸
エチル=2:1 クロロホルム:メタノール=30:
1)により精製して、白色粉末として表題化合物を25
2mg得た(表3参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.82〜1.02(12H, m,
-CH3x4),1.33〜1.48(2H,m),1.52〜1.89(4H, m),3.10〜
3.36(2H, m),3.91(2H, m),4.43(2H, br s.), 4.67(1H,
m),4.78(1H, d, J=7.8Hz),4.94(1H, d, J=7.9Hz),6.16
(1H, br s.),7.39(1H, d, J=8.9Hz),7.49(1H, br s.),
【0083】実施例7 N−(2,2,2−トリフルオロエチル)(4S,5
S)−5−〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブ
チルカルバ モイル)ブチルカルバモイル〕−1,3,2
−ジオキサチオラン−4−カルボキサミドー2,2−ジ
オキシド 実施例6で得られたN−(2,2,2−トリフルオロエ
チル)(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−3−
〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバ
モイル)ブチルカルバモイル〕プロピオンアミド(118m
g)を四塩化炭素(4ml)に溶解し、そこに塩化チオニル
(50μl)を室温で加え、40分間加熱還流した。この
反応液にアセトニトリル(4ml)を加え、室温で攪拌
し、そこに過ヨウ素酸ナトリウム(136mg)および三塩
化ルテニウム水和物(触媒量)を水(6 ml)に溶解した
ものを加え、室温で20時間攪拌した。反応液に酢酸エ
チルを加えて、その有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩
水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下溶媒留去
して、粗生成物を得た。このものをクロロホルムより再
結晶することにより白色粉末として表題化合物を49m
g得た(表4参照)。 1 H−NMR(CD3OD)δppm:0.90〜1.06(12H, m,
-CH3x4),1.35〜1.43(2H,m),1.54〜1.79(4H, m),3.20(2
H, t),3.99(2H, m),4.42(1H, t, J=7.4Hz)5.60(1H, d,
J=5.6Hz),5.65(1H, d, J=5.6Hz), IR(KBr)cm-1:3324,1676,1646,1400,1211,1173 MS(FAB)m/z;476(M+1) mp:167℃〜168℃
【0084】実施例8 N−n−プロピル(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ
−3−〔(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチル
カルバモイル)ブチルカルバモイル〕プロピオンアミド (2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−3−〔(S)−
3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブ
チルカルバモイル〕プロピオン酸(357mg)をテトラヒド
ロフラン(3ml)に溶解し氷冷下、HOBT・H2O(181m
g),DCC(243mg)を順次加え攪拌し、徐々に室温に戻し
た。5時間後反応液にプロピルアミン(97μl)を加えて
一夜攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、これに酢酸エチ
ルを加えて、有機層を水、飽和重曹水、1%塩酸、水、
飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減
圧下溶媒留去して、粗生成物を得た。このものをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒;クロロホル
ム:酢酸エチル=4:1)により精製して、粉末として
表題化合物を190mg得た(表4参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.81〜0.99(15H, m,
-CH3x5),1.32〜1.43(2H,m),1.46〜1.74(6H, m),3.12〜
3.33(4H, m),4.26〜4.40(3H, m),5.03(1H, d,J=8.0Hz),
5.31(1H, d, J=7.9Hz),6.00(1H, br s.),7.03(1H, t, J
=5.6Hz),7.35(1H,d, J=8.5Hz),
【0085】実施例9 N−n−プロピル(4S,5S)−5−〔(S)−3−
メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチル
カルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−
カルボキサミドー2,2−ジオキシド 実施例8で得られたN−n−プロピル(2S,3S)−
2,3−ジヒドロキシ−3−〔(S)−3−メチル−1
−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイ
ル〕プロピオンアミド(145mg)を四塩化炭素(4ml)に
溶解し、そこに塩化チオニル(34μl)を室温で加え、
40分間加熱還流した。この反応液にアセトニトリル
(4ml)を加え、室温で攪拌し、そこに過ヨウ素酸ナト
リウム(186mg)および三塩化ルテニウム水和物(触媒
量)を水(6 ml)に溶解したものを加え、室温で20時
間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて、その有機層
を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後減圧下溶媒留去して、粗生成物を得た。こ
のものをシリカゲルクロマトグラフィ−(展開溶媒;ク
ロロホルム:酢酸エチル=10:1)より精製してさら
にヘキサン/酢酸エチルより再結晶することにより白色
結晶として表題化合物を110mg得た(表4参照)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.82〜1.02(15H, m,
-CH3x5),1.35〜1.44(2H,m),1.53〜1.72(6H, m),3.19〜
3.38(4H, m),4.43(1H, m),5.42(1H, d, J=4.9Hz),5.45
(1H, d, J=4.9Hz),5.99(1H, t, J=5.5Hz),6.56(1H, br
s.),7.25(1H, d), IR(KBr)cm-1:3292,1696,1678,1651,1386,1213 MS(FAB)m/z;436(M+1) mp:132℃〜133℃
【0086】本明細書中で、具体的に上記に述べた参考
例及び実施例に係わる化合物の構造式を表1乃至表4に
示した。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】また、本発明はこれら実施例に限られるも
のではないことは勿論であり、例えば、以下に示した化
合物も、本発明に属するものである。 ○N−メチル(4S,5S)−5−〔(S)−1−デシ
ルカルバモイル−3−メチルブチルカルバモイル〕−
1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキサミド−2
−オキシド ○N−エチル(4S,5S)−5−〔(S)−1−シク
ロプロピルカルバモイル−3−メチルブチルカルバモイ
ル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキサミ
ド−2,2−ジオキシド ○N,N−ジメチル(4S,5S)−5−〔(S)−1−
シクロペンチルカルバモイル−3−メチルブチルカルバ
モイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキ
サミド−2−オキシド ○N,N−ジ−(2−フルオロエチル)(4S,5S)−
5−〔(S)−1−シクロペンチルカルバモイル−3−
メチルブチルカルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオ
ラン−4−カルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N−シクロヘキシル(4S,5S)−5−〔(S)−
3−メチル−1−フェニルカルバモイルブチルカルバモ
イル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキサ
ミド−2,2−ジオキシド ○(4S,5S)−5−〔(S)−3−メチル−1−フ
ェネチルカルバモイルブチルカルバモイル〕−1,3,2
−ジオキサチオラン−4−カルボキサミド−2,2−ジ
オキシド ○N−シクロプロピル(4S,5S)−5−〔(S)−
1−(4−グアニドブチルカルバモイル)−3−メチル
ブチルカルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−
4−カルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N−(3,3,3−トリクロロプロピル)(4S,5
S)−5−〔(S)−3−メチル−1−(N,N−ジメ
チルカルバモイル)ブチルカルバモイル〕−1,3,2−
ジオキサチオラン−4−カルボキサミド−2,2−ジオ
キシド ○N−メチル(4S,5S)−5−〔(S)−1−(N,
N−ジイソプロピルカルバモイル)−3−メチルブチル
カルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カ
ルボキサミド−2−オキシド ○N−エチル(4S,5S)−5−〔(S)−1−(N,
N−ジイソプロピルカルバモイル)−3−メチルブチル
カルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カ
ルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N,N−ジシクロプロピル(4S,5S)−5−
〔(S)−3−メチル−1−(ピロリジン−1−イルカ
ルボニル)ブチルカルバモイル〕−1,3,2−ジオキサ
チオラン−4−カルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N−ベンジル(4S,5S)−5−〔(S)−2−メ
チル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカ
ルバモイル〕−1,3, 2−ジオキサチオラン−4−カ
ルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N−ベンジル(4S,5S)−5−〔(S)−1−
(3−メチルブチルカルバモイル)−2−フェニルエチ
ルカルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−
カルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N−ベンジル(4S,5S)−5−〔(S)−1−
(3−メチルブチルカルバモイル)メチルチオプロピル
カルバモイル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カ
ルボキサミド−2,2−ジオキシド ○N−ベンジル(4S,5S)−5−〔(S)−1−
(3−メチルブチルカルバモイル)ペンチルカルバモイ
ル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキサミ
ド−2,2−ジオキシド ○(4S,5S)−5−〔(S)−3−メチル−1−
(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイ
ル〕−1,3,2−ジオキサチオラン−4−カルボキサミ
ド−2−オキシド
【0092】試験例1 (1)in vitro の系におけるCANP阻害活性 167mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4;15mMメ
ルカプトエタノ−ルを含む)40μl、本発明化合物の
同緩衝液溶液40μl、ラット脳より精製したカルパイ
ン〔J.Biol.Chem.,239,149(1964)の方法により得た。1
1単位/ml〕の50mM酢酸ナトリウム緩衝液溶液
(pH6.0;1mM EDTAおよび5mMメルカプ
トエタノ−ルを含む)200μlおよびN,N−ジメチ
ルカゼイン(25mg/ml,pH7.0)80μlの
混合液に50mM CaCl2の167mMトリス塩酸緩
衝溶液(pH7.4)40μlを加え、30℃、20分
間インキュベ−トした。インキュベ−トの後に、10%
(W/V)トリクロル酢酸320μlを加え反応を停止
し、1時間氷槽中で放置した。放置の後、遠心分離(1
6,100×g、5分間)し、その上清を600μl取
り、280nmの吸光度(a1)を測定した。同時に上
記の系で、本発明化合物溶液を含有する167mMトリ
ス塩酸緩衝液を167mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
4;15mMメルカプトエタノ−ルを含む)に代えた実
験と50mM CaCl2の167mMトリス緩衝液
(pH7.4)を167mMトリス塩酸緩衝溶液(pH
7.4;1mM EDTAを含む)に代えた実験を行い
同様に吸光度 (a2)および(a3)を測定した。阻害
率を次式
【0093】
【式1】
【0094】により計算し、50%阻害に必要な濃度
(IC50)を片対数グラフを用いて求めた。結果を表5
に示す。
【0095】
【表5】
【0096】 (2)in vitro の系におけるカテプシンB阻害活性 本実験において、溶液はすべて100mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH6.0;1.33mM EDTA・N
2を含む)を使用した。同緩衝液850μl,20μ
M本発明化合物の同緩衝液50μl,0.5mg/ml
カテプシンB(Sigma社製)の同緩衝液溶液50μlの
混合液に200μMベンゾイル −(フェニルアラニル
−アルギニル)−4−メチルクマリンアミド同緩衝液溶
液50μlを加え、30℃、20分間インキュベ−トし
た。インキュベ−トした後、氷槽中に反応混合液を入れ
て反応停止した。20分間経過後、励起波長370n
m、蛍光波長440nmにおける蛍光強度(b1)を測
定した。同時に、上記の系でカテプシンBの溶液を同緩
衝液溶液にのみ代えた実験と本発明化合物緩衝液溶液を
同緩衝液溶液に代えた実験を行い、同様に蛍光強度(b
2)および(b3)を測定した。阻害率を次式
【0097】
【式2】
【0098】により計算し、50%阻害に必要な濃度
(IC50)を片対数グラフを用いて求めた。結果を表6
に示す。
【0099】
【表6】
【0100】試験例2 (1)コラーゲンによる血小板凝集の抑制 雄性日本白色家兎をペントバルビタール麻酔し、頸動脈
よりクエン酸ナトリウム採血し、常法に従ってPlatelet
Rich Plasma(PRP)及びPlatelet Poor Plasma(P
PP)を調製し、実験に用いた。血小板凝集は、NKK
ヘマトレーサー(二光バイオサイエンス、PACー8
S)により測定した。PRP200μlと被検溶液2μlを37
℃で5分間プレインキュベート後、コラーゲン溶液3μl
を添加し(コラーゲンの最終濃度15μg/ml)、血小板凝
集を惹起した。最大凝集率より抑制率を算出した。被検
溶液の調製にはエタノールを用いた。結果を表7に示
す。
【0101】
【表7】
【0102】
【発明の効果】本発明に係わる1,3,2−ジオキサチ
オラン オキシド誘導体は、特異的にチオ−ルプロテア
−ゼを阻害するので、例えば筋ジストロフィ−症、炎
症、腎性高血圧、白内障、心筋梗塞、ウイルス感染症、
悪性腫瘍、骨粗鬆症、アレルギ−疾患等の予防薬または
治療薬として使用することが可能である。また、従来の
チオ−ルプロテア−ゼ阻害剤、例えばE−64、E−6
4−c、カルペプシンあるいは1,3,2−ジオキサチ
オラン オキシド系化合物には見られない新規な薬理作
用、即ち新しい作用機序に基づくと考えられる血小板凝
集抑制作用を有することから、本発明の化合物は血栓症
の予防剤または治療剤としての作用も期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/385 ABS 7431−4C ACB 7431−4C ACV 7431−4C ADT 7431−4C ADU 7431−4C ADY 7431−4C C07C 237/22 7106−4H C07D 317/32 (72)発明者 春田 純一 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社医薬研究所内 (72)発明者 原 伸 神奈川県秦野市名古木23番地 日本たばこ 産業株式会社安全性研究所内 (72)発明者 内田 逸郎 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社医薬研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕 【化1】 (式中、Xは、−S(O)−,−S(O)2−を意味
    し、R1、R2はそれぞれ同一または異なって水素原子、
    ハロゲン原子で置換されてもよい低級アルキル基、炭素
    数3乃至6のシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル
    基を意味し、R3は、メチルチオ基で置換されてもよい
    低級アルキル基、またはベンジル基を意味し、R4及び
    5は、それぞれ同一または異なって水素原子、炭素数
    1乃至10のアルキル基、グアニジル基で置換された低
    級アルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、フ
    ェニル基、ベンジル基、フェネチル基またはR4とR5
    一緒になってアルキレン基を意味する)で示される1,
    3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導体又は薬学的
    に許容されるそれらの塩。
  2. 【請求項2】 下記一般式〔2〕 【化2】 (式中、R1、R2、 R3、R4およびR5 はそれぞれ前
    記と同じである)で示される1,2−ジオ−ル誘導体。
  3. 【請求項3】 下記一般式〔3〕 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4 およびR5 はそれぞれ前
    記と同じである。R6およびR7は、それぞれ同一または
    異なって水素原子、低級アルキル基、フェニル基、低級
    アルコキシ基または低級アルキルアミノ基を意味する)
    で示される1,3−ジオキソラン誘導体。
JP35885392A 1992-12-28 1992-12-28 血小板凝集抑制活性を有する新規1,3,2−ジオキサチオラン オキシド誘導体及びその中間体化合物 Pending JPH06199831A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005026163A1 (en) * 2003-09-17 2005-03-24 Ranbaxy Laboratories Limited Dioxolane derivatives as cell adhesion inhibitors
CN113416178A (zh) * 2021-05-18 2021-09-21 杭州师范大学 一种锂电池添加剂胺基硫酸乙烯酯及其制备方法、应用

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