JPH06199252A - 車両の床下構造 - Google Patents

車両の床下構造

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JPH06199252A
JPH06199252A JP4358636A JP35863692A JPH06199252A JP H06199252 A JPH06199252 A JP H06199252A JP 4358636 A JP4358636 A JP 4358636A JP 35863692 A JP35863692 A JP 35863692A JP H06199252 A JPH06199252 A JP H06199252A
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    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K15/00Arrangement in connection with fuel supply of combustion engines or other fuel consuming energy converters, e.g. fuel cells; Mounting or construction of fuel tanks
    • B60K15/03Fuel tanks
    • B60K15/063Arrangement of tanks
    • B60K2015/0638Arrangement of tanks the fuel tank is arranged in the rear of the vehicle
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/88Optimized components or subsystems, e.g. lighting, actively controlled glasses

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  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱源の冷却性能の向上と空気抵抗の低減の両
立を図ることができる車両の床下構造を提供する。 【構成】 車体下面の近接位置に冷却対象の熱源8が設
置されている車両の床下構造において、前記熱源下面8
の空気Aの流速を向上させる流速向上手段と、熱源8の
側方の空気Aの流れを車両上方へ偏向させる偏向手段を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体に設置された熱
源の冷却性能の向上と、空気抵抗の低減の両立を可能に
する車両の床下構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
車両の床下を略平坦にすることにより、車両の床下を流
れる空気の流量及び流速が向上することは知られてい
る。
【0003】ところが、このような床下の略平坦化を行
うと、車両に設置されている熱源(例えば、トランスミ
ッションやリヤデフ等)の周辺部のように、車両走行時
において空気の流れが急拡大する部位では、空気の流量
及び流速の増加に起因して車両後方へ流れる空気の慣性
力が増加し、空気の流れが車体の断面変化に付随できな
くなる現象が生じる。従って、空気の大部分は熱源の下
面にだけ流れることとなり、熱源の側面や上面へ向けて
巻き込む空気の量はわずかしかない。これを熱源冷却の
観点から考えると、熱源の側面及び上面への空気量が大
幅に減少するため、熱源周りの空気の総量が低下し、熱
源表面からの十分な放熱が行えなくなるおそれがある。
【0004】そのために、例えば実開昭55−1475
59号公報や実開昭60−123455号公報等で知ら
れているように、熱源の空気上流側に位置しているプロ
ペラシャフトに羽根状フィンを設け、この羽根状フィン
の回転により発生させた風を熱源に当てて強制的に冷却
を行おうとする技術がある。ところが、熱源の周りに巻
き込む前記わずかな量の空気の流れ方向を詳しく調べて
みると、この熱源の側面及び上面へ巻き込む空気の流れ
の方向は「逆流」が支配的であるため、前記従来技術の
ように、羽根状フィンにて前方から後方へ空気を圧送し
ようとすると、熱源周辺の圧力(背圧)が大きくなって
しまい、結果的に、車体の受ける空気抵抗が増加するこ
ととなる。また、羽根状フィンの回転が前記逆流空気の
抵抗を受けることになるため、プロペラシャフトの駆動
トルクの増加を招き、エンジンから車輪までの動力伝達
系の機械効率も低下する。更には、羽状フィンは構造が
複雑で製作コストが大きく、実用に供しにくいという課
題もある。
【0005】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、実用的な構造で、熱源の冷却性
能の向上と空気抵抗の低減の両立を図ることができる車
両の床下構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係る車両の床下構造は、車体下面の近
接位置に冷却対象の熱源が設置されている車両の床下構
造において、前記熱源下面の空気の流速を向上させる流
速向上手段と、熱源側方の空気の流れを車両上方へ偏向
させる偏向手段を設けたものである。
【0007】また、前記床下構造に、熱源側方の空気の
流れに対して圧力回復を行う圧力回復手段を更に設けた
ものである。
【0008】
【作用】流速向上手段により熱源下面の空気の流速を向
上させているため、空気抵抗の低減を図ることができる
と共に、熱源下面からの放熱量も向上する。また、偏向
手段により、熱源側方の空気の流れを車両上方へ偏向さ
せているため、熱源周りの空気の総量が増加し、熱源全
体で考えた場合の放熱量が増加する。尚、この空気の上
方への偏向は、例えば空気を車体下面から剥離させたり
または渦流れを発生させたりすることにより行われる。
【0009】また、圧力回復手段により熱源側方の空気
の流れ圧力を増しているので、熱源側方の空気の流速が
向上する。従って、このような熱源側方の空気の流速の
向上に伴って、前記熱源下面の空気の流速も向上するこ
ととなる。また、圧力回復手段には、このように熱源側
方で下流側へ向けて流れる正流空気の圧力を増す意味
と、熱源側方を逆方向へ向けて流れる逆流空気の圧力を
増す意味もある。従って、前記偏向手段が圧力回復手段
を兼ねる場合もある。
【0010】
【実施例】図1〜図10は、本発明の第1実施例を示す
図である。尚、図9及び図10は後述する第2実施例の
図も兼ねている。
【0011】まず、本実施例の具体的構造例を説明する
前に、図1〜図5を用いて、本実施例の基本作用に関す
る説明を、2つの参考例を用いて説明する。図1及び図
2は、床下の略平坦化を行わない場合(第1参考例)の
空気Aの流れを示し、図3は略平坦化を行った場合(第
2参考例)の空気Aの流れを示している。図中、1は後
輪、2はサスペンション、3は排気管、4はマフラー、
5はセンタフロア、6はフロアトンネル、7はプロペラ
シャフト、8は「熱源」としてのリヤデフ、9は燃料タ
ンク、10はフロアエンボス、11はリヤフロアメン
バ、12はトランクフロア、13は斜面、14は断面急
拡大部、を各々示す。第1参考例に係る図1及び図2の
センタフロア5は、フロアエンボス10とリヤフロアメ
ンバ11の存在により非平坦状態となっており、第2参
考例に係る図3のセンタフロア5は、これらがないため
略平坦状態になっている。
【0012】一般に、センタフロア5の略平坦化を行わ
ない場合(図2参照)は、空気Aの流速が小さいため
に、空気Aが断面急拡大部14に追随して拡散し、リヤ
デフ8に対してその前側から当たることとなる。従っ
て、リヤデフ8の冷却性能は向上するが(図10参
照)、空気Aによる抵抗は大きくなる。
【0013】これに対し、センタフロア5の略平坦化を
行った場合(図3参照)は、略平坦化を行わない場合に
比べ、センタフロア5の下面が空気Aの抵抗を受けにく
い分、センタフロア5の下面における空気Aの流速は大
きく向上する。このときリヤデフ8が位置しているトラ
ンクフロア12下方の断面急拡大部14では、略平坦化
を行わない場合に比べて空気Aの流れの慣性力が大きい
分、断面形状変化に空気Aの流れが付随できず、図3に
示すようにリヤデフ8の背後から大きく巻き込む逆流の
空気Aの流れが支配的となる。但し、この逆流の空気A
は、センタフロア5の略平坦化のみを行っただけでは、
流速が小さいために、リヤデフ8全体を十分に冷却する
ことはできない。
【0014】一般に、リヤデフ8の冷却性能に関して
は、空気Aの流れによるリヤデフ8本体からの放熱量に
より評価される。放熱量の変化はリヤデフ8の表面での
平均熱伝達率の変化に相当し、リヤデフ8を一様な空気
Aの流れの中においた球であると仮定すると、平均熱伝
達率λはレイノルズ数Reの1.5乗に比例することが
よく知られている。レイノルズ数Reは空気Aの流速に
対し一定の関数であるから、仮にリヤデフ8の周りの流
速が10%向上すると、向上した後の平均熱伝達率λ’
と、向上する前の平均熱伝達率λとの関係は、次式のよ
うになる。 λ’/λ=(Re’/Re)1.5 =1.11.5 =1.15 この式から、空気Aの流速が10%向上することによ
り、平均熱伝達率が約15%向上し、リヤデフ8本体か
らの放熱量が約15%向上することが分かる。
【0015】従って、リヤデフ8の冷却性能を向上させ
るには、リヤデフ8の下面8aにおける空気Aの流速の
みならず、リヤデフ8の側面8b又は上面8cに沿う逆
流空気Aの流速も向上させることが重要である。
【0016】また、空気抵抗に関しては、センタフロア
5と地面Gとの間の閉鎖された空間における空気Aの流
れは、図4及び図5のように、簡易的な2次元の管路内
フローで考えることができる(図中において、車体表面
で流れはスリップすると仮定し、また地面は移動面と想
定)。
【0017】すなわち、リヤデフ8付近における断面急
拡大部14を管路の断面急拡大部とし、この管路に流速
(小)の空気Aと、流速(大)の空気Aが流れたと仮定
する。ここで、流速(小)の空気Aは断面急拡大部14
の前方でセンタフロア5の略平坦化を行わない場合の空
気Aの流れに対応し、流速(大)の空気Aは略平坦化を
行った空気Aの流れに対応する。
【0018】前述のように、略平坦化を行った場合(第
2参考例の図4参照)は、断面急拡大部14においてわ
ずかな逆流の空気Aが認められるが、これは空気Aの流
れの慣性力(流量・流速)が大きい分、断面形状変化に
流れが付随できず、剥離が起こったためである。このと
き、断面急拡大部14の斜面13が受ける圧力を考える
と、前記逆流の空気Aの流速が小さいために殆ど影響を
受けず、大気圧P0 となる。
【0019】一方、略平坦化を行わない場合(第1参考
例の図5参照)、或いは他の空力部材等により空気Aの
流れを斜面13に付随させる場合は、空気Aの粘性を考
慮せず且つ斜面13で空気Aがスリップすると仮定する
と、ベルヌーイの定理で公知のように(1/2)ρun
2 だけ大気圧P0 より圧力が低下する。ここで、u
n(u1 〜u4 ・u5 )は空気Aの壁面流速で、ρは空
気の密度である。そして、斜面13に着目してみると、
この斜面13には斜面13を法線方向に引く「負」の力
が発生する。この力の水平方向速度成分は車体を後方に
押す力に等しいので、走行する車両に作用する空気Aの
抵抗の増加と等価となる。
【0020】以上のことから、リヤデフ8への空気Aの
取り入れ構造は、リヤデフ8前方の断面急拡大部14
で、前方からの空気Aを剥離させ、その空気Aをなるべ
く高速の逆流として取り入れた方が、空気Aの抵抗の低
減といった観点からも望ましい。つまり、空気Aの逆流
の流速が増すほど、リヤデフ8又は前記斜面13に作用
する力は、車両を前方に押す力、即ち「正」の力(空気
抵抗低減)になるからである。
【0021】本実施例は、以上のような冷却性能及び空
力性能の観点から、図6〜図10に示すような具体的構
造を提供する。尚、この具体的構造において、先の基本
作用説明図(図1〜図5)と共通する部分には、同一の
符号を付し、重複説明は省略する。
【0022】この第1実施例の具体的構造例では、リヤ
デフ8の下面8aにおける空気Aの流速を向上させるた
めに、リヤデフ8の空気上流側に位置する「フロア」と
してのセンタフロア5を略平坦化すると共に、このセン
タフロア5とリヤデフ8の下面8aとを略同じ高さに
し、更にリヤデフ8の空気下流側に位置している「下流
側部材」としての燃料タンク9の下面9aと前記リヤデ
フ8の下面8aとを略同じ高さに設定し、そしてリヤデ
フ8の空気上流側にフロアトンネル6を中心とした「空
気導入ダクト」を形成する、という「流速向上手段」を
設けている。
【0023】また、リヤデフ8の側方の空気Aの流れを
車両上方へ偏向させるために、燃料タンク9の前側角部
1 、K2 のうち、リヤデフ8と略同一な車幅領域であ
る対応範囲Xでの角部K1 を図12の如くシャープな角
(R1 )とし、この対応範囲X以外の車幅領域である非
対応範囲Yでの角部K2 を図13に示す如く面取した湾
曲状の角(R2 )とする「偏向手段」を設けている。従
って、対応範囲Xにおけるリヤデフ8の下面8aと、燃
料タンク9の下面9aとの前後方向間隔d1 は小さく、
非対応範囲Yにおける前後方向間隔d2 は大きくなって
いる。
【0024】そして、リヤデフ8の冷却性能の観点から
は、前述の基本作用の部分で説明したように、リヤデフ
8の下面8aを流れる空気Aの流速向上を図りつつ、リ
ヤデフ8の側面8b及び上面8cにまわり込む逆流空気
Aの流速向上を図ればよいので、この実施例では、まず
前記「流速向上手段」により、リヤデフ8の下面8aを
流れる空気Aの流速向上を図っている。特に、リヤデフ
8の下面8aと燃料タンク9の下面9aを略同じ高さに
したことにより、リヤデフ8付近における断面拡大の影
響を小さくし、空気Aの流れの拡散を防ぐことにより、
リヤデフ8の下面8aに沿って流れる空気Aの流速を向
上させている。また、リヤデフ8の空気上流側にフロア
トンネル6を中心とした「空気導入ダクト」が形成され
るため、非対応範囲Yを流れる空気Aの一部がこのフロ
アトンネル6部分に導入され、対応範囲Xにおける空気
Aの流速を高める働きをしている。従って、図9に示さ
れているように、リヤデフ8の下面8aに沿って流れる
対応範囲Xの空気Aは、「流速向上手段」を設けていな
い現行車両における空気Aの流速よりも、格段に向上し
ている。
【0025】次に、「偏向手段」として、非対応範囲Y
における角部K2 を面取り処理した湾曲状の角(R2
とし、該非対応範囲Yにおける間隔d2 を対応範囲Xの
間隔d1 よりも大きくしたため、図9に示す如く、「偏
向手段」を設けていない現行車に比べて、リヤデフ8の
側面8b及び上面8cにまわり込む逆流空気Aの流速も
向上している(図9において流速のマイナスは逆流を意
味している)。つまり、センタフロア5の略平坦化のみ
を行っただけでは、少量の逆流空気しか得られなかった
が、この第1実施例では、「偏向手段」によりリヤデフ
8の冷却に十分な流速の逆流空気Aが確実に得られる。
従って、リヤデフ8の表面に接触する空気Aの総量が増
加するため、図10に示すようにリヤデフ8内における
デフ油の温度も、十分に低下し、リヤデフ8の冷却性能
が向上していることがわかる。
【0026】また、このように「偏向手段」によりリヤ
デフ8の側面8b及び上面8cにまわり込む逆流空気A
の流速が向上するため、図4で説明したように、この逆
流の空気Aがリヤデフ8自体又は断面急拡大部14の斜
面13を前方へ押すこととなる。従って、センタフロア
5を略平坦化することによっても空気抵抗は低減する
が、このように逆流空気Aがリヤデフ8自体又は断面急
拡大部14の斜面13を前方へ押すことによっても、走
行時の空気抵抗の低減が図れることとなる。このよう
に、前記「偏向手段」はリヤデフ8の側方における逆流
空気Aの強さを増す(圧力を回復する)作用も同時に行
っているため、「圧力回復手段」も兼ねていることとな
る。
【0027】このように、この第1実施例では、リヤデ
フ8の下面8aに沿って流れる空気Aの流速を向上させ
ると共にリヤデフ8の側面8b及び上面8cに沿って流
れる逆流の空気Aの流速の向上も同時に図れるため、リ
ヤデフ8の確実な冷却と走行時の空気抵抗の低減という
2つの課題を同時に解決できるものである。
【0028】なお、以上の説明では、「下流側部材」と
して燃料タンク9を例にしたが、これに限定されず、リ
ヤデフ8の空気下流側に位置するスペアタイヤ収納部や
単なる床部材等であっても良い。
【0029】図11〜図13は、この発明の第2実施例
を示す図である。この実施例では、センタフロア5の後
端における非対応範囲Yに、後ろ向き斜め下方に傾斜し
た形状の「空力部材」としてのフラップ部材15を設け
たものである。このフラップ部材15により、非対応範
囲Yを流れる空気Aは下方への剥離が促進されるため、
第1実施例の図9に示されている如く、リヤデフ8の側
面8b及び上面8cに沿って流れる逆流空気Aの流速が
向上する。従って、リヤデフ8の冷却性能も先の第1実
施例よりも向上し、デフ油の温度もより低下する(第1
実施例の図10参照)。このフラップ部材15は、リヤ
デフ8の側方の非対応範囲Yを流れる空気Aの下方への
剥離を促進させて逆流空気Aの流れを強くするために、
「偏向手段」及び「圧力回復手段」として作用している
と同時に、対応範囲Xに「空気導入ダクト」を形成し、
非対応範囲Yの空気Aの流れの一部を対応範囲Xに導入
して、該対応範囲Xにおける空気Aの流速も向上させて
いるため「流速向上手段」も兼ねていることとなる。す
なわち、このフラップ部材15が「流速向上手段」とし
て作用しているからこそ、非対応範囲Yにおいて先の第
1実施例よりも高速の逆流空気Aを得ながらも、対応範
囲Xにおける空気Aの流速を第1実施例と略同等に維持
することが可能となったものである。その他の構成及び
作用効果は先の第1実施例と同様である。
【0030】図14〜図19は、この発明の第3実施例
を示す図である。この実施例では、車両中心線付近に設
置された「熱源」としてのトランスミッション16の冷
却性能向上と空気抵抗の低減を両立させるものである。
尚、この第3実施例の図15では空気Aの流れの状態を
明瞭に図示するため、後述するエアガイド23の図示が
省略されている。
【0031】すなわち、車体のエンジンルームEの下方
位置には略平坦化されたアンダカバー17が設けられて
おり、このアンダカバー17の空気下流側の車体中心線
上にエンジンのオイルパン18とトランスミッション1
6が設置されている。また、車体のフロント部19には
開口20が形成されており(図16参照)、この開口2
0からエンジンルームE内のラジエータ(図示せず)に
空気Aを取り入れられるようになっている。そして、フ
ロント部19の下端19aの非対応範囲Yには、左右一
対の「空力部材」としてのリップスポイラ21が下方に
突出した状態で設けられている。この左右のリップスポ
イラ21間には、対応範囲Xに相応する離間部22が形
成されている。そして、各リップスポイラ21の対向端
からは、後方へ向けて一定の長さサイズLを有する「ガ
イド部材」としての一対のエアガイド23が下方へ突出
した状態で設けられている。また、アンダカバー17の
うち、前記ガイド部材23の間にはさまれた導入部25
は、傾斜状の側壁25aを介して前端が上方へ持ち上が
った状態となっている。
【0032】次に、この実施例の作用を図15を用いて
説明する。車両前方から床下に流れ込む空気Aの流れ
は、 *非対応範囲Yでリップスポイラ21を通過する空気
(A1 ) *対応範囲Xでリップスポイラ21を通過しない空気
(A2 ) の2つに大別できる。
【0033】この両者の流れについてフロント部19の
下端19a周辺の空気Aの流れをみると、空気A1 の流
れではリップスポイラ21の背後で流れがアンダカバー
17から大きく剥離するのに対し、空気A2 の流れでは
フロント部19の下端19aにおいて若干剥離するが、
直ぐに再付着点aからアンダカバー17の下面に沿った
状態で流れる。また、エアガイド23は空気A2 の流れ
に対する流体力学的抵抗を低く抑え、この空気A2 の流
速の低下を最小限に留める働きをする。また、導入部2
5の側壁25aも空気A2 を整流して流速を高める働き
をする。
【0034】ここで、空気A1 、A2 の両者の流速に注
目すると、空気A2 の流速の方が、空気A1 よりも速
い。従って、両方の流れが接する部分では両者の流速差
に起因する渦流れRが生じる。この渦流れRは車両中心
線に対し対称で、その間隔距離は対応範囲Xに略等し
い。
【0035】そして、この渦流れRは、空気A2 の流れ
と異なり、トランスミッション16付近での床下断面積
変化に対して追従できないほど流速が速くないので、ト
ランスミッション16の側面16bに沿って流れること
ができる。更に、この渦流れRは乱れの大きな流れであ
るから、トランスミッション16の表面からの十分な放
熱量も確保できる。
【0036】一方、図19に示す如く、トランスミッシ
ョン16の下面16aにおける対応範囲Xの空気A2
流速は、アンダカバー17の略平坦化を行わない現行車
よりも速く、略平坦化のみを行ってリップスポイラ21
やエアガイド23を設けない車両の空気Aの流速に略匹
敵する。また、トランスミッション16の側方を通過す
る非対応範囲Yにおける空気A1 の流速は、略平坦化の
みを行った車両の空気Aよりも速い。
【0037】このように、トランスミッション16の下
面16aを流れる空気A2 は、アンダカバー17を略平
坦化し、左右一対のリップスポイラ21及び導入部25
にて「空気導入ダクト」を形成し、左右一対のエアガイ
ド23及び導入部25の側壁25aにて空気Aを整流す
るという「流速向上手段」により流速が向上されるの
で、トランスミッション16の下面16aからの十分な
放熱効果が得られる。また、リップスポイラ21にて渦
流れRを発生させる「偏向手段」により、空気Aの流れ
をトランスミッション16の側面16bに沿って上方へ
偏向させているので、トランスミッション16の側面1
6bをより効果的に冷却することができる。このよう
に、トランスミッション16に接触する空気Aの総量が
増すため、トランスミッション16の全体的な放熱量が
増加している。また、アンダカバー17が略平坦化され
ているために、走行時の空気抵抗の低減も図られてい
る。
【0038】図20〜図22は、この発明の第4実施例
を示す図である。この実施例では、左右の非対応範囲Y
において、リップスポイラ21の下を通過した空気A1
の剥離域に、下に凸の形状をした熱気抜き用のダクト2
4を「圧力回復手段」として設置したものである。すな
わち、このダクト24から下流方向へ向けて吹き出され
る空気A3 により、非対応範囲Yにおいてトランスミッ
ション16の側方を流れる空気A1 の圧力が回復されて
その流速が高まるため、この空気A1 との接触により流
速が低下していた対応範囲Xの空気A2 の流速も高まる
こととなる。従って、対応範囲Xの空気A2 も非対応範
囲Yの空気A1 も、両方ともその流速が向上することと
なり、トランスミッション16の冷却性能が向上すると
共に、空気抵抗も低減される。
【0039】更に、このダクト24を設ける場合、この
ダクト24が下に凸の形状を呈しているため、どうして
も車両走行時に空気Aが当たる抵抗部材となりがちであ
ったが、この実施例ではダクト24をリップスポイラ2
1により空気Aが剥離する領域に設置したため、空気A
が直接的に当たりづらく、車両走行時の空気抵抗の低減
が更に図れることとなる。
【0040】尚、以上の説明した第1〜第4実施例は、
ぞれぞれ単独でも実施可能だが、各実施例を任意に組合
わせて実施しても良い。
【0041】また、上記実施例では、FR(フロントエ
ンジン・リヤドライブ)式の車両への適用を例とした
が、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)等の
他の形式の車両や、ミッドシップ式の車両にも適用可能
である。例えば、FF車での横置きトランスミッション
のように冷やすべき熱源が車両中心線付近に無い場合で
も、熱源中央に車両前後方向の基準線をとり、基準線を
上記実施例での車両中心線に置き換えることにより同様
の作用を得られる。また、ミッドシップ車のように床下
の主な熱源であるトランスミッション及びデフが車両後
方に設置されている場合は、それらを第1、第2実施例
におけるリヤデフ8に置き換えることにより対応でき
る。
【0042】
【発明の効果】この発明に係る車両の床下構造は、以上
説明してきた如き内容のものなので、床下略平坦化を行
った際に、空気による走行抵抗の軽減と、実用的な構造
でトランスミッションやリヤデフ等の熱源周辺に十分な
冷却空気を導入することによる十分な熱交換の確保と、
の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を説明するための第1参
考例に係る車両の床下構造の基本作用を説明する図であ
って、略平坦化を行わない車両の床下構造を示す作用説
明図である。
【図2】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図である。
【図3】略平坦化を行った第2参考例に係る車両の床下
構造を示す図2相当の断面図である。
【図4】空気流速(大)の場合の床下流れの2次元モデ
ル図である。
【図5】空気流速(小)の場合の床下流れの2次元モデ
ル図である。
【図6】この発明の第1実施例の具体的構造例を示す平
面図である。
【図7】図6中矢示SB−SB線に沿う断面図である。
【図8】図6中矢示SC−SC線に沿う断面図である。
【図9】リヤデフ周辺の空気流速を示すグラフである。
【図10】リヤデフのデフ油の温度を示すグラフであ
る。
【図11】この発明の第2実施例に係る車両の床下構造
を示す平面図である。
【図12】図11中矢示SD−SD線に沿う断面図であ
る。
【図13】図11中矢示SE−SE線に沿う断面図であ
る。
【図14】この発明の第3実施例に係る車両の床下構造
を示す平面図である。
【図15】空気の流れ状態を示す図14相当の平面図で
ある。
【図16】車両の正面図である。
【図17】図16中矢示SF−SF線に沿う断面図であ
る。
【図18】図16中矢示SG−SG線に沿う断面図であ
る。
【図19】トランスミッション周辺の空気流速を示すグ
ラフである。
【図20】この発明の第4実施例に係る車両の床下構造
を示す平面図である。
【図21】空気の流れ状態を示す図20相当の平面図で
ある。
【図22】図21中矢示SH−SH線に沿う断面図であ
る。
【符号の説明】
5 センタフロア(フロア) 8 リヤデフ(熱源) 9 燃料タンク(下流側部材) 15 フラップ部材(空力部材) 16 トランスミッション(熱源) 17 アンダカバー 21 リップスポイラ(空力部材) 22 離間部 23 エアガイド(ガイド部材) A 空気 X 対応範囲 Y 非対応範囲

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体下面の近接位置に冷却対象の熱源が設
    置されている車両の床下構造において、 前記熱源下面の空気の流速を向上させる流速向上手段
    と、熱源側方の空気の流れを上方へ偏向させる偏向手段
    を設けたことを特徴とする車両の床下構造。
  2. 【請求項2】熱源側方の空気の流れに対して圧力回復を
    行う圧力回復手段を設けた請求項1記載の車両の床下構
    造。
  3. 【請求項3】流速向上手段として、熱源の空気上流側の
    フロア又はアンダカバーを略平坦化した請求項1又は2
    記載の車両の床下構造。
  4. 【請求項4】流速向上手段として、熱源の下面と、該熱
    源の空気下流側に位置する下流側部材の下面を、熱源と
    略同一な車幅領域である対応範囲において、略同一高さ
    にした請求項1〜3記載の車両の床下構造。
  5. 【請求項5】流速向上手段として、熱源の空気上流側の
    フロア又はアンダカバーの、熱源と略同一な車幅領域で
    ある対応範囲以外の非対応範囲に、下に凸の空力部材を
    設けて、前記対応範囲に相応した車幅領域の空気導入ダ
    クト部を形成した請求項1〜4記載の車両の床下構造。
  6. 【請求項6】下に凸の空力部材が、車体のフロア又はア
    ンダカバーの前端に設けたリップスポイラである請求項
    5記載の車両の床下構造。
  7. 【請求項7】下に凸の空力部材が、熱源の上流側の車体
    のフロア又はアンダカバーに設けたフラップ部材である
    請求項5記載の車両の床下構造。
  8. 【請求項8】流速向上手段として、下に凸の空力部材の
    対向端から、空気下流側へ向けた空気整流用のガイド部
    材を各々設けた請求項1〜7記載の車両の床下構造。
  9. 【請求項9】流速向上手段として、熱源の空気上流側の
    フロア又はアンダカバーの、熱源と略同一な車幅領域で
    ある対応範囲に、上に凸のフロアトンネルを中心とした
    空気導入ダクト部を形成した請求項1〜8記載の車両の
    床下構造。
  10. 【請求項10】偏向手段及び圧力回復手段として、熱源
    の空気下流側に位置する下流側部材の前側角部のうち、
    熱源と略同一な車幅領域である対応範囲に相当する部分
    よりも、該対応範囲以外の非対応範囲に相当する部分
    に、大きな面取りを施した請求項1〜9記載の車両の床
    下構造。
  11. 【請求項11】偏向手段及び圧力回復手段として、熱源
    の空気上流側のフロア又はアンダカバーの、熱源と略同
    一な車幅領域である対応範囲以外の非対応範囲に、空気
    の流れを車体下方へ剥離させる下に凸の空力部材を設け
    た請求項1〜10記載の車両の床下構造。
  12. 【請求項12】下に凸の空力部材が、車体のフロア又は
    アンダカバーの前端部に設けたリップスポイラである請
    求項11記載の車両の床下構造。
  13. 【請求項13】下に凸の空力部材が、熱源の上流側の車
    体のフロア又はアンダカバーに設けたフラップ部材であ
    る請求項11記載の車両の床下構造。
  14. 【請求項14】圧力回復手段として、熱源の空気上流側
    のフロア又はアンダカバーの、熱源と略同一な車幅領域
    である対応範囲以外の非対応範囲に、空気を下流側へ向
    けて吹き出すダクト部を各々設けた請求項1〜13記載
    の車両の床下構造。
  15. 【請求項15】熱源が、トランスミッション、オイルパ
    ン、エンジン、フロントデフ、リヤデフ、及びそれらの
    冷却用補機の群から選ばれた一種以上である請求項1〜
    14記載の車両の床下構造。
  16. 【請求項16】下流側部材が、燃料タンク、スペアタイ
    ヤ収納部、トランクルーム形成部、マフラーの群から選
    ばれた一種以上である請求項1〜15記載の車両の床下
    構造。
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