JPH06198372A - 表面光沢及びばね成形性に優れたばね用ステンレス鋼線の製造方法 - Google Patents

表面光沢及びばね成形性に優れたばね用ステンレス鋼線の製造方法

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JPH06198372A
JPH06198372A JP242293A JP242293A JPH06198372A JP H06198372 A JPH06198372 A JP H06198372A JP 242293 A JP242293 A JP 242293A JP 242293 A JP242293 A JP 242293A JP H06198372 A JPH06198372 A JP H06198372A
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JP
Japan
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spring
wire
steel wire
stainless steel
amino acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP242293A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Matsumoto
断 松本
Koichi Takami
孝一 高見
Yoshio Yoshimura
良雄 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばね用ステンレス鋼線を、表面光沢の維持、
ばね成形性の確保、作業環境の改善の要求を満たして製
造できる方法を提供する。 【構成】 伸線前の線材表面に水に分散したアミノ酸系
化合物を塗布、乾燥してアミノ酸系化合物の皮膜を形成
し、その後伸線加工を行う。このアミノ酸系化合物は有
害な有機溶剤を使わずにコーティングできる。また、潤
滑性能に優れるので優れたばね成形性が得られ、線の表
面光沢も損なわない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面光沢並びにばね成
形性に優れたばね用ステンレス鋼線の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】線引き、又は焼入れ、焼戻し処理された
ばね用鋼線は、そのままでは、例えばコイルばねに成形
する際、コイリング機のコイリングピンに焼付いたり、
ピンとの間でスティックスリップを生じたりする。これ
は、表面の摩擦係数が高いからで、鋼線が高強度である
程、また、コイリング速度が速い程多発する傾向にあ
る。
【0003】この焼付き、スティックスリップが起こる
と、コイリング速度がばらつくため、完成したコイルば
ねの形状が一定しない。また、コイリング中に異音(い
わゆるビビリ音)が発生して作業環境も悪くなる。
【0004】このため、伸線後の線表面に潤滑膜を設け
てばね成形時の摩擦係数を下げる方法が採られている。
【0005】表面光沢に優れたばね用ステンレス鋼線を
製造するときに用いられている上記の潤滑膜は、フッソ
系樹脂皮膜である。このフッソ系樹脂皮膜は優れた潤滑
性能を示すので表面光沢に優れ、しかも摩擦係数が低く
てばね加工性に優れたばね用ステンレス鋼線を得ること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】フッソ系樹脂皮膜は溶
媒としてフロン、エタン等の有機溶剤を使用するため、
近年の環境問題の面から今後の使用が難しい状況にあ
る。
【0007】一方、使用する溶媒が無害な水である無機
塩皮膜も伸線潤滑剤として知られるがこの無機塩皮膜を
用いると、フッソ系樹脂皮膜を用いるときに比べて線の
表面光沢が悪くなると云う問題があった。
【0008】そこで、本発明は、有害な溶媒を用いずに
フッソ系樹脂皮膜使用時と同等の表面光沢及びばね成形
性を得ることのできるばね用ステンレス鋼線の製造方法
を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、伸線前の線材表面に水に分散したアミノ
酸系化合物を塗布、乾燥してアミノ酸系化合物の皮膜を
形成した後伸線加工を行う。
【0010】アミノ酸系化合物のコーティングは、コイ
ル状の線材を、アミノ酸系化合物を水に分散させた液槽
中に浸漬した後乾燥させる方法を用いてもよいし、伸線
機と連続した塗布、乾燥ラインを設けて走行中にコーテ
ィングするようにしてもよい。
【0011】また、コーティング後の伸線も、要求され
る品質に応じて通常の乾式伸線、湿式伸線のどちらかで
行えばよい。
【0012】なお、ここで言うアミノ酸系化合物とは、
アミノ酸と脂肪酸の化合物であり、アミノ酸としては、
リジン、アルギニン、ヒスチギンなどが、また、脂肪酸
としては、アクリル酸、ラウリン酸、アスパラギン酸、
ステアリン酸などが挙げられる。
【0013】
【作用】アミノ酸系化合物の皮膜は、フッソ系樹脂皮膜
と比較して遜色のない潤滑性能を発揮する。そのため、
例えば、コイリングマシンによってコイルばねを成形す
る際にばね用ステンレス鋼線がコイリングピンに強く押
し当てられても焼付きやスティックスリップが起こらな
い。
【0014】また、このアミノ酸系化合物は、上述した
ように優れた潤滑性能を示すので、皮膜厚みが薄くても
優れたばね成形性が得られる。従ってその皮膜によりス
テンレス鋼線の表面光沢が損なわれることもない。
【0015】さらに、有機溶剤を使用していないこと及
びアミノ酸系化合物は、ばね成形後の歪とりのための低
温焼鈍工程で人体に無害なC、O、H、Nの各元素に分
解することにより環境問題も回避できる。
【0016】
【実施例】コイル状に巻取った線径1.0mmのステン
レス鋼線を液中に浸漬後、乾燥させて鋼線の表面にアミ
ノ酸系化合物の皮膜を形成した。
【0017】ここで使用した液は、アミノ酸と脂肪酸の
化合物であるNラウロイル−L−リジンの粒径0.5〜
30μmの結晶粉末を水の中に10vol%の濃度で均
一に分散させたものである。
【0018】また、比較のために同じステンレス鋼材の
表面にフッソ系樹脂皮膜と無機塩皮膜を設けたものも準
備した。フッソ系樹脂皮膜は粒径5〜10μmのポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)粉末をフロン液中に
10vol%の濃度で分散させた溶液を、また、無機塩
皮膜は無機塩結晶を水に16mass%(重量%)の濃
度で溶解させた溶液を用い、浸漬、乾燥工程を経て形成
した。
【0019】そして、これ等の各線材をダイスに通して
線径0.3mmに伸線加工し、完成した各ばね用ステン
レス鋼線の表面の明度を色差計で調べた。その結果を表
1に示す。
【0020】同表から判るように、本発明品は、無機塩
コーティング品よりも明度が高く、フッソ系樹脂コーテ
ィング品と同等の表面光沢が得られている。
【0021】
【表1】
【0022】次に、アミノ酸系化合物とフッソ系樹脂を
コーティングした線を伸線加工後にコイリングマシンを
用いて自由長10mm、コイル径10mm、巻数7の圧
縮コイルばねに加工した。各々の加工数n=1500個
での自由長のばらつき(標準偏差)の測定結果を表2に
示す。
【0023】これから判るように、ばね成形性も、フッ
ソ系樹脂皮膜を用いる場合と差がない。
【0024】
【表2】
【0025】なお、アミノ酸系化合物の皮膜は、ばね成
形後の低温焼鈍工程で無害な成分に分解して蒸発し、完
成したコイルばねの表面には全く残存していなかった。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、有害な溶剤が不可欠で、ばねの歪み取りの低温焼鈍
工程でも有害ガスを発生するフッソ系樹脂皮膜を用いず
にこの皮膜を潤滑層として用いる場合と同等のばね成形
性及び表面光沢の維持効果を得ることができるので、環
境改善と製品価値の維持を両立させることが可能にな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸線前の線材表面に水に分散したアミノ
    酸系化合物を塗布、乾燥してアミノ酸系化合物の皮膜を
    形成した後、伸線加工を行うことを特徴とする表面光沢
    及びばね成形性に優れたばね用ステンレス鋼線の製造方
    法。
JP242293A 1993-01-11 1993-01-11 表面光沢及びばね成形性に優れたばね用ステンレス鋼線の製造方法 Pending JPH06198372A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011067829A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Bridgestone Corp ブラスめっき鋼線の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011067829A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Bridgestone Corp ブラスめっき鋼線の製造方法

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