JPH0619741U - 吸引器具構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳児等の洟を衛生的に、且つ良好に吸引可能
な吸引器具を提供する。 【構成】 手に握持可能な握持部１１を有し、電気掃除
機等の吸気装置と連結される中空状の本体１０に、鼻腔
内等に挿通可能な吸引ノズル２０を着脱自在に取付、更
に、該吸引ノズル２０から吸引された洟等を貯溜する貯
溜部３０を握持部１１に着脱自在に取付る。また、前記
本体１０には、操作レバー４０を枢着し、該操作レバー
４０の操作によって本体１０に開口された吸引力調整口
１５，１５が開閉できるように構成する。而して、前記
吸引ノズル２０を鼻腔内等に挿通することで、洟等が吸
気装置の吸引力によって吸引され、これが貯溜部３０に
集積されるようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洟等を吸引するための吸引器具に関し、さらに詳細には主に自ら洟 をかむことのできない子供（乳児、或いは幼児）等の洟を吸引するための鼻腔内 衛生用の器具であって、痰や唾液等の粘液の吸引も可能とした新規な吸引器具構 造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

人体にあっては、鼻腔、口腔、咽喉等を存し、各部からは洟や唾液、痰等が排 出、分泌される。

【０００３】 排出、分泌された洟、唾液、痰等は、一般にティッシュペーパーを用いて拭き 取ったり、咳払い、吐き捨てを行うことによってこれを体外に除去している。

【０００４】 一方、歯科医院等にあっては、治療中に口腔に貯溜した唾液を除去するために 大型の吸引装置とノズルを可撓管を介して連結したバキューム装置が利用されて いる。

【０００５】 ところで、洟や痰等はある年齢に達した健康体の人であれば、前記の如くこれ を容易に体外除去することができるが、乳児や幼児、或いは衰弱した老人等にあ っては、単なる洟や痰の除去処理にも介護を要し、場合によっては極度な呼吸困 難を引き起こすこともあった。

【０００６】 このため、従来において例えば乳児が洟を詰まらせた場合には、母親がこれを 自ら口で吸い取ってやったり、衰弱した老人が痰を詰まらせた場合には、前記バ キューム装置と類似する装置を咽喉に通してこれを吸引、除去するようにしてい た。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のようにして洟や痰を体外除去するものにあっては、 以下に記すような問題点があった。

【０００８】 則ち、子供が鼻腔に洟を詰まらせた場合に、これを母親等が口で吸い取ってや る作業は非衛生的であり、近年にあってはこれを嫌う親が増大しているため、自 ら洟を除去することのできない子供の不快感を解消させてやることができないと いう問題点があった。

【０００９】 また、衰弱した老人が咽喉に痰を詰まらせた場合に、これをバキューム装置等 で吸引してやるものにあっては、一般の家庭内等でこれを行うことができないと いう問題点があった。

【００１０】 則ち、前記バキューム装置は、病院等の特定の施設にある大型で高価な衛生機 器であって、一般には持ち運び、購入が極めて困難であるため、各家庭で痰の除 去を行ってやることはできないという問題点があった。

【００１１】 このため、一般家庭でも購入可能な簡易構造の洟、及び痰等の除去装置が必要 とされており、その出現が切望されていた。

【００１２】 本考案は、上記事情に鑑みて成されたものであり、主に自ら洟をかむことので きない子供（乳児、或いは幼児）等の洟を吸引するための鼻腔内衛生用の器具で あって、痰や唾液等の粘液の吸引も可能とした簡易構造の吸引器具構造を提供す るものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案は、握持部を有するとともに吸気装置と連結される中空状の本体と、該 本体に取付られる吸引ノズルと、該吸引ノズルから吸引された被吸引物を貯溜す る貯溜部と、前記本体に枢着されるとともに弾性部材によって付勢される操作レ バーと、該操作レバーと連動して前記本体に穿孔された吸引力調整口の開閉を行 う開閉窓と、により構成したことを特徴とする吸引器具構造を提供することによ り、上記課題を達成するものである。

【００１４】

【作用】

本考案の吸引器具構造は、手に握持可能な握持部を有し、電気掃除機等の吸気 装置と連結される中空状の本体、該本体に取付られ鼻腔内等に挿通可能な吸引ノ ズル、該吸引ノズルから吸引された洟等を貯溜する貯溜部、前記本体に枢着され るとともに弾性部材によって付勢される操作レバー、及び該操作レバーと連動し て前記本体に穿孔された吸引力調整口の開閉を行う開閉窓とにより構成されてい るため、洟等の被吸引物を良好に吸引し、これを貯溜部に貯溜できるようになっ ている。

【００１５】 前記本体は、吸引ノズル、吸気装置の可撓管、及び貯溜部を保持し、各々を連 通させるように働き、吸引ノズルは吸引圧を増大させる機能と狭部にも挿通でき るという機能を兼備している。

【００１６】 また、貯溜部は被吸引物を貯溜して、これが吸気装置内に送出されるのを防止 するように働き、操作レバーと開閉窓は吸引圧を適する状態に調整するように働 く。

【００１７】

【実施例】

以下、本考案に係わる吸引器具構造の実施例を図面に基いて詳細に説明する。

【００１８】 図１は本考案に係わる吸引器具構造の実施例を示す斜視図、図２は同実施例の 吸引器具構造を示す側面図、図３は図２におけるＸ−Ｘ′線断面図、図４は本考 案に係わる吸引器具構造の他の実施例を示す側断面図である。

【００１９】 始めに、第１実施例の吸引器具構造Ａを図１乃至図３に基づいて詳細に説明す る。

【００２０】 本考案に係わる吸引器具構造Ａの特徴とするところは、図１乃至図３に示すよ うに、握持部１１を有するとともに図示しない吸気装置と連結される中空状の本 体１０と、該本体１０に取付られる吸引ノズル２０と、該吸引ノズル２０から吸 引された被吸引物を貯溜する貯溜部３０と、前記本体１０に枢着されるとともに 弾性部材４１によって付勢される操作レバー４０と、該操作レバー４０と連動し て前記本体１０に穿孔された吸引力調整口１５，１５の開閉を行う開閉窓５０， ５０と、により構成したところにある。

【００２１】 前記本体１０は、ポリプロピレンや塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等、硬質、且つ加工性、塑型性に優れた材料か ら成り、円筒状に形成された胴体部１３と円錐台状に形成された前記握持部１１ とを有した側面視略Ｔ字形状を呈する中空体であって、前記胴体部１３の基端１ ３ａは閉塞されているとともに、先端１３ｂは開口されていて吸引ノズル２０が 取付られるようになっている。

【００２２】 また、前記握持部１１と胴体部１３とは連通されているとともに、該胴体部１ ３の両側面にはそれぞれ吸引力調整口１５，１５が穿孔されている。

【００２３】 胴体部１３の先端１３ｂに取付られる前記吸引ノズル２０は、ポリエチレン等 の熱可塑性樹脂、或いはポリウレタン等の熱硬化性樹脂等、軟質、且つ加工性、 塑型性に優れた材料から成り、先端２０ｂが挟窄されて吸引口２１が形成された 漏斗形状を呈している。

【００２４】 なお、該吸引ノズル２０の取付方法は、基端２０ａを前記本体１０の胴体部１ ３に嵌入することによる着脱自在方式となっているが、これを接着剤等で固着さ せてもよいし、さらには本体１０との一体成形によるもの等であってもよい。

【００２５】 一方、本体１０の握持部１１における基端１１ａには、蛇腹６０を介して前記 貯溜部３０が取付られるようになっている。

【００２６】 該貯溜部３０は、ウレタンゴム等の軟質材料をテーパ状に形成して成る取付部 ３１と、通気性、耐水性を有するガラス繊維や有機繊維等を嚢状に形成して成る 嚢袋部３３とにより構成されている。

【００２７】 上記の如く構成された貯溜部３０は、取付部３１を蛇腹６０に圧入することで 取付られる着脱自在なものであって、嚢袋部３３には前記吸引ノズル２０から吸 引された洟や痰等の被吸引物が貯溜するようになっている。

【００２８】 則ち、電気掃除機等の吸気装置から延在する可撓管ｆ内に、前記貯溜部３０が 図２に示す如く装着され、テーパ状の取付部３１にて双方が圧接することにより 前記吸気装置が連結されるように構成されているため、該吸気装置を始動させて 吸引ノズル２０から洟や痰を吸引すると、これが本体１０内を通って嚢袋部３３ に貯溜することとなる。

【００２９】 他方、前記本体１０の胴体部１３内には、握持部１１近傍から操作レバー４０ が挿通され、該操作レバー４０の略中央に貫通された支持軸４３によってこれが 本体１０に図３に示す如く枢着されている。

【００３０】 また、該操作レバー４０の基端４０ａには、連結軸４５が貫通されているとと もに、該連結軸４５の両端には前記吸引力調整口１５，１５に沿って摺動する開 閉窓５０，５０が取付られており、更に前記連結軸４５と胴体部１３内の長手方 向後部に形成された突出片４７，４７には引張りバネ等から成る弾性部材４１， ４１が架設されていて操作レバー４０の基端４０ａを胴体部１３の長手方向後部 に付勢している。

【００３１】 則ち、通常は前記吸引力調整口１５，１５が開口されていて、操作レバー４０ の先端４０ｂを押圧すると操作レバー４０の作動に伴って開閉窓５０，５０が摺 動し、吸引力調整口１５，１５を閉塞するようになる。

【００３２】 従って、前記操作レバー４０を操作することによって吸引力調整口１５，１５ の開閉量が調整されて吸引ノズル２０による吸引圧が自在に調整可能となる。

【００３３】 次に、本考案の第２実施例である吸引器具構造Ｂを図４に基づいて詳細に説明 する。

【００３４】 該吸引器具構造Ｂは、図４に示すように、握持部１１′を有するとともに図示 しない吸気装置と連結される中空状の本体１０′と、該本体１０′に取付られる 吸引ノズル２０′と、該吸引ノズル２０′から吸引された被吸引物を貯溜する貯 溜部３０′と、前記本体１０′に枢着されるとともに弾性部材４１′によって付 勢される操作レバー４０′と、該操作レバー４０′と連動して前記本体１０′に 穿孔された吸引力調整口１５′，１５′（一方は図示せず）の開閉を行う開閉窓 ５０′，５０′（一方は図示せず）と、により構成されている。

【００３５】 前記本体１０′は、ポリプロピレンや塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、或い はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等、硬質、且つ加工性、塑型性に優れた材料 から成り、円筒状に形成された胴体部１３′と円錐台状に形成された前記握持部 １１′とを有した側面視略Ｔ字形状を呈する中空体であって、その内部には胴体 部１３′の先端１３ｂ′から握持部１１′の基端１１ａ′まで延在する管状の通 路１７′が形成されているとともに、前記胴体部１３′の基端１３ａ′、及び先 端１３ｂ′はそれぞれ開口されており、該先端１３ｂ′には吸引ノズル２０′が 、基端１３ａ′には図示しない吸気装置の可撓管ｆがそれぞれ取付られるように なっている。

【００３６】 また、前記握持部１１′と胴体部１３′とは連通されているとともに、該胴体 部１３′の両側面にはそれぞれ吸引力調整口１５′，１５′が穿孔されている。

【００３７】 胴体部１３′の先端１３ｂ′に取付られる前記吸引ノズル２０′は、ポリエチ レン等の熱可塑性樹脂、或いはポリウレタン等の熱硬化性樹脂等、軟質、且つ加 工性、塑型性に優れた材料から成り、先端２０ｂ′が挟窄されて吸引口２１′が 形成された漏斗形状を呈している。

【００３８】 なお、該吸引ノズル２０′の取付方法は、基端２０ａ′を前記本体１０′の胴 体部１３′に嵌入することによる着脱自在方式となっているが、これを接着剤等 で固着させてもよいし、さらには本体１０′との一体成形によるもの等であって もよい。

【００３９】 一方、本体１０′の握持部１１′における基端１１ａ′は、貯溜部３０′とな っており、該貯溜部３０′に刻設された螺子山と握持部１１′に刻設された螺子 山との螺合により該貯溜部３０′が本体１０′に対して着脱自在となっていると ともに、該貯溜部３０′には前記吸引ノズル２０′から吸引された洟や痰等が貯 溜するようになっている。

【００４０】 則ち、該貯溜部３０′には、本体１０′に形成された前記通路１７′が垂下、 潜入するようになっているため、胴体部１３′の基端１３ａ′に可撓管ｆを接続 した吸気装置を始動させて吸引ノズル２０′から洟や痰を吸引すると、これが通 路１７′を通って貯溜部３０′に給送され、エアのみが吸気装置に吸引されるよ うになる。

【００４１】 他方、前記本体１０′の胴体部１３′内には、握持部１１′近傍から操作レバ ー４０′が挿通され、該操作レバー４０′の略中央に貫通された支持軸４３′に よってこれが本体１０′に枢着されている。

【００４２】 また、該操作レバー４０′の基端４０ａ′には、連結軸４５′が貫通されてい るとともに、該連結軸４５′の両端には、前記吸引力調整口１５′，１５′に沿 って摺動する開閉窓５０′，５０′が取付られており、更に前記連結軸４５′と 胴体部１３′内の長手方向後部に形成された突出片４７′，４７′（一方は図示 せず）には引張りバネ等から成る弾性部材４１′，４１′（一方は図示せず）が 架設されていて操作レバー４０′の基端４０ａ′を本体１０′の長手方向後部に 付勢している。

【００４３】 則ち、通常は前記吸引力調整口１５′，１５′が開口されていて、操作レバー ４０′の先端４０ｂ′を押圧すると該操作レバー４０′の作動に伴って開閉窓５ ０′，５０′が摺動し、吸引力調整口１５′，１５′を閉塞するようになる。

【００４４】 従って、前記操作レバー４０′を操作することによって吸引力調整口１５′， １５′の開閉量が調整されて吸引ノズル２０′による吸引圧が自在に調整可能と なる。

【００４５】 なお、本考案にあっては、上記構成に限定されるものではなく、以下に記すよ うにするものでもよい。

【００４６】 例えば、吸引器具構造Ｂにおける胴体部１３′の基端１３ａ′にブロアモータ 等を直接取付るように構成するものでもよい。

【００４７】 また、吸引器具構造Ａ，Ｂは洟や痰等の除去用として利用されるものであるが 、前記吸引ノズル２０，２０′の形状を各種備えるようにすることで、人体腹部 、顔部等の脂肪を除去するような美顔、美形のための器具等としても利用可能で ある。

【００４８】

【考案の効果】

本考案に係わる吸引器具構造は上記の如く構成されているため、以下に記載す るような効果を有する。

【００４９】 （１）本考案の吸引器具構造は、手に握持可能な握持部を有し、電気掃除機等 の吸気装置と連結される中空状の本体、該本体に取付られ鼻腔内等に挿通可能な 吸引ノズル、該吸引ノズルから吸引された洟等を貯溜する貯溜部、前記本体に枢 着されるとともに弾性部材によって付勢される操作レバー、及び該操作レバーと 連動して前記本体に穿孔された吸引力調整口の開閉を行う開閉窓とにより構成さ れているため、洟等の被吸引物を衛生的に、且つ良好に吸引、除去することがで きるという優れた効果を有する。

【００５０】 （２）また、本考案の吸引器具構造は電気掃除機等と連結されるようになって いるが、吸引された洟等は電気掃除機等に送り込まれることなく、貯溜部内に集 積されるため、後の清掃が容易で衛生上好ましいという優れた効果を有する。

【００５１】 （３）また、本考案の吸引器具構造は、吸引圧を状況に応じて調整できるよう に構成されているため、使い勝手が非常に良いという優れた効果を有する。

【００５２】 （４）更に、本考案の吸引器具構造は、簡易構造であるため、安価な提供が可 能であり、延いては各家庭等で購入可能であるため、乳児や衰弱した老人を抱え る家庭に大きく貢献することができるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる吸引器具構造の実施例を示す斜
視図

【図２】同実施例の吸引器具構造を示す側面図

【図３】図２におけるＸ−Ｘ′線断面図

【図４】本考案に係わる吸引器具構造の他の実施例を示
す側断面図

【符号の説明】

Ａ 吸引器具構造 Ｂ 吸引器具構造 １０ 本体 １１ 握持部 １５ 吸引力調整口 ２０ 吸引ノズル ３０ 貯溜部 ４０ 操作レバー ４１ 弾性部材 ５０ 開閉窓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 握持部を有するとともに吸気装置と連結
   される中空状の本体と、該本体に取付られる吸引ノズル
   と、該吸引ノズルから吸引された被吸引物を貯溜する貯
   溜部と、前記本体に枢着されるとともに弾性部材によっ
   て付勢される操作レバーと、該操作レバーと連動して前
   記本体に穿孔された吸引力調整口の開閉を行う開閉窓
   と、により構成したことを特徴とする吸引器具構造。