JPH06196416A - 電子写真用光受容部材用堆積膜形成装置 - Google Patents

電子写真用光受容部材用堆積膜形成装置

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JPH06196416A
JPH06196416A JP4346302A JP34630292A JPH06196416A JP H06196416 A JPH06196416 A JP H06196416A JP 4346302 A JP4346302 A JP 4346302A JP 34630292 A JP34630292 A JP 34630292A JP H06196416 A JPH06196416 A JP H06196416A
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和敬 秋山
Mitsuharu Hitsuishi
光治 櫃石
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
Hirokazu Otoshi
博和 大利
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも同心円上に配置された複数本の堆
積膜形成用の基体を同時に保持する機能および真空を維
持する機能を持った保持部材を真空雰囲気で搬送する形
態の電子写真用光受容部材用堆積膜形成装置で、堆積膜
形成後の保持部材をClF3 を用いたドライエッチング
により再生する手段を備えた堆積膜形成装置。 【効果】 従来の液体ホーニング、ウェットエッチング
等による再生を行なう装置に比べ、画像欠陥の少ない電
子写真用光受容部材を安定に、効率良く生産することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光(ここでは広義の光
であって、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線など
を意味する。)のような電磁波に対して感受性のある電
子写真用光受容部材の形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】像形成分野において、光受容部材におけ
る光受容層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比[光電流(Ip)/暗電流(Id)]が高く、照
射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクト
ルを有し、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有し、使
用時において人体に対して無害であること、などの特性
が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用され
る電子写真装置内に組み込まれる電子写真用光受容部材
の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点
である。
【0003】こうした観点から、例えば水素または/お
よびハロゲン(例えばフッ素、塩素等)で補償されたア
モルファスシリコンで構成された電子写真用光受容部材
が提案され、その中のいくつかは実用に付されている。
【0004】アモルファスシリコンで構成された電子写
真用光受容部材は、上記の要求をほぼ満足し得ることに
加えて、高耐久性であることから、電子写真用光受容部
材の素材としては非常に優れている。しかしながら、現
在広く普及している有機半導体(OPC)等で構成され
た電子写真用光受容部材と比較して、コストが非常に高
いため、高品質のアモルファスシリコン電子写真用光受
容部材を安定して大量に生産できる生産性の高い装置の
開発が待たれていた。
【0005】このようなアモルファスシリコンの堆積膜
の形成方法としては、さまざまな方法が挙げられるが、
その中で、原料ガスを直流、RF、VHF、マイクロ波
等の電界により分解し基体上に堆積膜を形成するプラズ
マCVD法が、比較的容易に大面積の堆積膜が得られる
ことから普及している。さらに近年、プラズマCVD法
を用い、生産性の向上を目的とした堆積膜形成装置がい
くつか提案されている。
【0006】例えば、特開平2−197574に、マイ
クロ波プラズマCVD法を用いた堆積膜形成装置の1例
が開示されている。この公報によれば、その装置はマイ
クロ波導入のための円形誘電体窓を有し、その誘電体窓
を中心とする同心円上に配置された複数本の基体を同時
に保持することができ、少なくとも堆積膜形成時におい
て真空を維持することができる保持部材、ならびにこの
保持部材を真空雰囲気で搬送する手段を有している。
【0007】このような堆積膜形成装置により、反応容
器を真空に保つことができるため、ある程度の生産性向
上およびダストによる汚染の防止による堆積膜の品質向
上が達成された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な装置においては、保持部材の誘電体窓などの部品ある
いは保持部材本体にも堆積膜が付着する。こうした堆積
膜が付着した保持部材等をそのまま次のバッチの堆積膜
形成に用いると、前のバッチで付着した膜が堆積膜形成
中に剥離して基体上に付着し、形成される堆積膜の品質
を著しく損なう結果となる。したがって保持部材等に付
着した膜は1バッチごとに完全に落として再生する必要
がある。
【0009】従来はこの再生工程として、液体ホーニン
グ(ブラスト)ウェットエッチング等の方法を用いてい
た。
【0010】しかしながら液体ホーニングで再生する場
合、ブラストに使用するビーズが部品の接合部、ネジ穴
等に入り込んでしまう。ウェットエッチングの場合も、
エッチング終了後十分に水洗を施しても、上記のような
箇所にエッチング液が残りやすく、水洗後の部品の乾燥
工程の際に吹き出して、部品を汚染するという問題があ
った。
【0011】このような問題点解決のために、保持部材
に組み込まれた部品を完全に分解して、各々別個に液体
ホーニングまたはウェットエッチングを施した場合にお
いても、分解しない場合に比してある程度効果はある
が、部品形状の複雑な部分にビーズあるいはエッチング
液が残留しやすく、これらを完全に除去することは困難
であった。
【0012】こうして部品に付着したビーズは、堆積膜
形成装置に投入された後に、機械的な振動や基体の加熱
による温度変化などの要因で堆積膜形成中に飛び出し、
基体表面に付着することもある。またウェットエッチン
グによる再生の場合にも、汚染された部品の表面の拭き
上げ等による清掃を行なってもエッチング液を十分には
落とすことができず、微細粉末が部品表面に残り、結局
基体表面に付着することになる。
【0013】さらに、保持部材から部品を分解した場合
には、保持部材への部品の組み込み、分解を毎回繰り返
すため、例えば部品を固定するためのネジの部分からキ
リコが発生し、それがやはり基体表面に付着することに
なる。
【0014】このようにビーズまたはエッチング液粉末
あるいはキリコが基体表面に付着した場合、それを核と
して堆積膜が異常成長を始め、電子写真用光受容部材の
表面に球状突起を形成する。こうして発生する球状突起
は、コピー画像上に「黒ポチ」や「白ポチ」のような画
像欠陥として発現し、さらには光受容部材表面のクリー
ニング不良の原因ともなる。
【0015】また、長期にわたって保持部材の部品の分
解、組立を繰り返すうちに、保持部材の搬送に必要な組
立精度が得られなくなり、搬送工程に支障が出る場合も
あった。
【0016】本発明は上記のような問題点を解決し、安
価で高品質のアモルファスシリコン電子写真用光受容部
材を供給する、高度に自動化することによって装置効率
を高くし得る堆積膜形成装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空容器との
密着構造および少なくとも同心円上に配置された複数本
の堆積膜形成用基体の同時保持構造を有する保持部材な
らびに該保持部材の真空雰囲気での搬送手段を有する、
非晶質材料で構成された電子写真用光受容部材用堆積膜
形成装置において、(a)成膜後の該保持部材の再生容
器を有し、(b)該再生容器が該保持部材に各種部品が
装着されたままで再生可能な構造であり、さらに(c)
該再生容器がClF3 ガスによるドライエッチングの手
段を有することを特徴とする堆積膜形成装置を提供す
る。
【0018】本発明の装置においては、エッチングガス
としてClF3 を使用することが重要である。保持部材
および保持部材に組み込まれた部品に堆積する膜は比較
的緻密であるため、ドライエッチングにおいて例えばポ
リシランのような堆積物の場合と比較してエッチング速
度が格段に低い。そのため、例えば4フッ化炭素(CF
4 )と酸素(O2 )の混合ガスなどのClF3 以外のガ
スを用い、RF電力、マイクロ波電力等を供給してプラ
ズマを生成することによって、ドライエッチングを行な
う場合でも、実用的な時間内で部品の再生が終了できな
いばかりか、ほとんどエッチングの効果が見られない場
合もあった。
【0019】それに対して、ClF3 によるドライエッ
チングでは、RF電力等を供給してプラズマを生成する
場合はもちろん、プラズマを生成しないでClF3 ガス
雰囲知に部品を浸すだけであっても、実用上十分なエッ
チング効果が得られることが知られている。
【0020】本発明者らは、堆積膜形成後のフック、ホ
ルダー等の部品を組み込んだ保持部材を、反応容器内で
ClF3 により再生する試験を行なった。その結果、C
lF 3 に浸すだけでエッチング効果があり、実用的な時
間内には、全ての堆積膜を除去することが可能であるこ
とが確認できた。しかしながら同時に、各部分でエッチ
ング効果に差があることもわかった。
【0021】装置効率および生産性の向上のためには、
より高速の再生処理が望まれる。そのためには、上記の
ようなエッチング効果の差をなくし、各部で均一にドラ
イエッチングされるようにすることが必要である。
【0022】本発明者らの知見によれば、このようなエ
ッチング効果の差は、保持部材および保持部材に組み付
けられた部品の形状が複雑であるためエッチングガスの
流れに淀みが生じ、その部分でガスが滞留することが原
因と考えられる。
【0023】そこで本発明の装置では、保持部材の再生
容器内部に隔壁のようなエッチングガスの滞留を防止す
る機構を設けている。
【0024】以下に本発明について図面を用いてより具
体的に説明する。図1は本発明の堆積膜形成装置をマイ
クロ波プラズマCVD法に応用した装置構成の1例を示
した模式図である。図中で、1101,1201,13
01,1501,1401はそれぞれ清浄な雰囲気で基
体と誘電体窓を組み込んだ保持部材を堆積膜形成装置に
投入して真空にするための真空容器、基体上にマイクロ
波プラズマCVD法によって堆積膜を形成するための反
応容器、堆積膜形成後の基体を冷却してから取り出すた
めの冷却容器、堆積膜形成された基体のみを取り外した
保持部材を再生するための再生容器、およびこれらの容
器に保持部材を真空雰囲気で搬送するための搬送容器で
あって、それぞれの容器にはゲートバルブ1102,1
202,1302,1502および1402が取り付け
られている。さらに1101,1201,1301およ
び1501の容器にはそれぞれ1103および110
4、1203および1204、1303および130
4、ならびに1503および1504の排気装置が、そ
れぞれ1105および1106、1205および120
6、1305および1306、ならびに1505および
1506のバルブを介して接続されている。
【0025】次に図2に、上記反応容器および保持部材
の1例の模式的断面図さらに図3には基体を取り付けた
保持部材の模式図を示す。反応容器1201の内部に
は、基体1211を支える回転軸1220、基体を加熱
するためのヒーター1226が具備される。この回転軸
には、モーター1221が接続され、堆積膜形成時に基
体を回転できるようになっている。また原料ガスは、原
料ガス供給装置からバルブ1224を介して原料ガス供
給管1223より反応容器内に供給される。一方保持部
材1210には誘電体窓1212、ホルダーによって基
体を取り付けたフック1214が取り付けられている。
この保持部材は反応容器中に投入された場合、真空シー
ル部材1225を介してその反応容器の内壁に密着する
ようになっており、保持部材上部の空間Bを大気圧に戻
しても、反応容器内の真空を維持し、堆積膜形成空間A
を形成する。
【0026】図4には、ClF3 を用いたドライエッチ
ング用の再生容器の1例の模式的断面図を示す。エッチ
ングガスは、エッチングガス供給装置からバルブ152
4を介してエッチングガス供給管1523より再生容器
1501内に導入されるようになっている。この再生容
器内に保持部材1210を投入した場合も、上記反応容
器の場合同様、保持部材上部の空間Dを大気圧に戻して
も、再生容器内の真空は維持され、エッチング空間Cが
形成される。
【0027】次にこれらの図に示した堆積膜形成装置を
用いた、電子写真用光受容部材形成の具体的な手順につ
いて説明する。
【0028】まず清浄な雰囲気で、ホルダー1213お
よびフック1214を介して基体1211を保持部材1
210に組み込み、それを真空容器1101内に投入す
る。次にバルブ1105を開き、排気装置1103によ
って真空容器内を排気する。所望の真空度が得られたと
ころでこの真空容器上に搬送容器1401を移動し、ゲ
ートバルブ1102と1402とを密着させ、バルブ1
106を開いてから、排気装置1104によってゲート
バルブ1102と1402の間の空間を真空とする。こ
の時搬送容器1401内が真空になっていない場合に
は、ゲートバルブ1402を先に開いて、搬送容器内も
同時に真空とする。ゲートバルブ1102と1402の
間の空間の真空度が例えば1×10-1Torr以下とい
う所望の値となったところで、この2つのバルブを開
き、搬送容器内に設けられた上下機構を操作し、保持部
材を搬送容器内に収納する。次にゲートバルブ1102
および1402を閉じ、その間の空間をリークして、大
気圧となったことを確認した後に、これらのゲートバル
ブを互いに切り離して、真空雰囲気での保持部材の搬送
を終了する。
【0029】次にこの搬送容器を、あらかじめ排気装置
1203によって内部を真空とした反応容器1201上
に移動し、ゲートバルブ1202と1402とを密着さ
せる。ここで上記と同様の手順でゲートバルブ間の空間
を真空とし、両ゲートバルブを開いて保持部材を反応容
器内へ移動する。その後ゲートバルブ1402を閉じ、
そのバルブと保持部材間の空間をリークしてから、ゲー
トバルブを互いに切り離す。このとき図2の空間Bは大
気圧となるが、反応容器内の真空は保持部材1210と
真空シール部材1225とによって維持され、堆積膜形
成空間Aが形成される。ここで反応容器内を100〜1
×10-3Torrの所定の真空度に維持しながら、反応
容器内に設けられたヒーター1226によって基体を加
熱する。このとき反応容器内に、原料ガス供給装置から
バルブ1224および原料ガス供給管1223を介して
アルゴン(Ar)等の不活性ガスを導入しても良い。
【0030】基体を20〜400℃の所望の温度まで加
熱した後、反応容器内を一旦高真空(例えば1×10-3
Torr以下)とし、原料ガス装置からバルブ122
4、管1223を介して原料ガスをその反応容器内に導
入する。このとき同時並行的に、導波管を介して、保持
部材に保持されている誘電体窓をマイクロ波電源に接続
する。
【0031】原料ガスの流量が所定の一定流量となった
所で、真空計の表示を見ながらバルブ1205を開口
し、10Torr以下の所定の真空度とする。次にマイ
クロ波電力を供給してプラズマを発生させ、堆積膜を基
体上に形成する。この際、回転軸1220によって支持
した基体をモーター1221によって回転することによ
り、基体上に均一な堆積膜が形成される。
【0032】こうして堆積膜の形成が終了した時点で、
誘電体窓より導波管を取り外し、再びゲートバルブ12
02と1402を密着させ、上記と同様の手順で、真空
を保ったまま保持部材を搬送容器内に収納し、その搬送
容器を冷却容器1301上に移動する。ここでゲートバ
ルブ1302と1402とを密着させ、上記と同様の手
順で、あらかじめ真空にしておいた冷却容器内に、真空
雰囲気で保持部材を投入する。
【0033】堆積膜を形成した基体を冷却容器1301
中で所望の温度まで冷却した後、冷却容器をリークし、
一旦、保持部材を大気中に取り出して、その保持部材に
組み付けられたフック1214よりホルダー1213お
よび基体1211を取り外す。さらにその基体をホルダ
ーから取り外した後、ホルダーは上記フックに再装着
し、保持部材は再び冷却容器内に投入する。
【0034】次に排気バルブ1305を開き、排気装置
1303によってこの冷却容器内を排気し、所望の真空
度となったところでゲートバルブ1402と1302を
密着させ、上記と同様の手順で保持部材を真空下に搬送
容器へ搬送する。この搬送容器を、排気装置1503に
よってあらかじめ内部を真空にしてある再生容器150
1上に移動し、ゲートバルブ1402と1502とを密
着させ、上記と同様の手順で真空雰囲気下に保持部材を
再生容器内に投入する。その後、ゲートバルブ1402
を閉じ、そのゲートバルブと保持部材との間の空間をリ
ークする。この際、図4に示される空間Dは大気圧に戻
るが、再生容器内は真空に保たれ、エッチング空間Cを
形成する。
【0035】保持部材の投入完了後、バルブ1524お
よびエッチングガス供給管1523を介してエッチング
ガス供給装置からエッチングガスを再生容器内に導入す
る。エッチングガスの流量が所定の一定流量となったと
ころで、圧力計の表示を見ながらバルブ1505の開口
を調整して所定の圧力として、各部の再生を行なう。再
生が終了した時点でバルブ1524を閉じてエッチング
ガスの供給を停止し、バルブ1505を全開にして排気
を行なって容器内を高真空とし、必要に応じて窒素(N
2 )、Ar等でパージを行なった後、再生容器内をリー
クして、保持部材を大気中に取り出す。これで1バッチ
の終了である。
【0036】なおこのとき、再生容器内をリークせずに
真空を維持し、搬送容器によって保持部材を真空中で真
空容器1101中に投入し、その後この真空容器内をリ
ークして、清浄雰囲気で保持部材を取り出しても良い。
【0037】本発明の装置の構成の中に、上記以外に例
えば、基体を所望の温度まで加熱するための加熱用真空
容器を設けることができる。その場合、反応容器内で基
体の加熱を行なう場合と比較して、1バッチ中で保持部
材が反応容器を占有する時間が短縮される。
【0038】また本発明の装置において搬送容器を複数
備えることもできる。その場合、堆積膜形成前の保持部
材用の搬送容器と堆積膜形成後の保持部材用の搬送容器
とを使い分けることにより、通常防止することが困難
な、堆積膜形成後の冷却中に発生する微小な膜の剥離に
よる清浄雰囲気の汚染を効果的に防止できる。
【0039】さらに本発明の装置では、原料ガス供給管
等の1成膜ごとに再生することが望ましい部品も保持部
材に組み込んで、再生容器中で再生することもできる。
【0040】エッチングガスClF3 は1〜100%の
範囲のどの濃度においてもエッチング効果を示すが、好
ましくは5〜70%、最適には10〜50%の濃度で使
用する。ClF3 濃度調整に使用する希釈ガスとして
は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(N
e)などの不活性ガスのほか、窒素(N2 )、酸素(O
2 )などがある。
【0041】ドライエッチング時の再生容器の内圧につ
いては適宜最適範囲を選択するが、一般に1×10-3
750Torr、好ましくは1×10-3〜100Tor
r、最適には1×10-3〜10Torrである。
【0042】本発明の堆積膜形成装置の投入容器、反応
容器、冷却容器および搬送容器の材質は、真空密閉可能
なものであれば良いが、アルミニウム、ニッケルまたは
これらの合金、SUS304,SUS316,SUS4
30等のステンレスなどの金属だけでなく石英ガラスな
ども使用できる。再生容器、保持部材および保持部材に
組み付けられるホルダー、フック等の部品の材質は、ド
ライエッチングに対する耐性も考慮して決められるが、
上記の金属ではいずれも支障なく使用できた。誘電体窓
にはマイクロ波を効率良く透過するアルミナセラミック
ス、石英ガラス等が使用されるが、これらの材質につい
てもドライエッチングに対する耐性は十分であった。
【0043】本発明の堆積膜形成装置はどのような電界
を用いてプラズマを発生させるプラズマCVD法にも応
用可能であるが、本発明の装置構成の特徴を十分生かす
ためには、原料ガスの分解効率の高い、周波数20MH
z以上の電磁波が適しており、さらに周波数105MH
z付近のVHF帯、2.45GHzのマイクロ波帯が最
適である。
【0044】原料ガスは、要求される電子写真用光受容
部材の特性等によって適宜決定されるが、シラン(Si
4 )、ジシラン(Si26 )等のシリコン原子供給
ガス、ジボラン(B26 )、ホスフィン(PH3 )等
のいわゆるドーパント供給ガス、水素(H2 )、ヘリウ
ム(He)、メタン(CH4 )、アセチレン(C2
2 )、ゲルマン(GeH4 )などが使用される。
【0045】
【実施例】以下、本発明の装置の効果を具体的な実施例
で説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
【0046】実施例1 鏡面加工を施し、脱脂洗浄した直径108mmのアルミ
ニウムシリンダー6本を基体とし、図1−4に示したマ
イクロ波プラズマCVD法による電子写真用光受容部材
用堆積膜形成装置および保持部材を用いて、上記手順
で、表1に示した条件により電子写真用光受容部材用堆
積膜の形成を行なった。堆積膜形成後、基体を取り外し
た保持部材を再生容器中に投入し、表2に示した条件で
ドライエッチングを行なって再生した。さらにこの再生
した保持部材を用いて2バッチ目の堆積膜形成を行なっ
た。以上の工程では、保持部材に組み込まれた部品の分
解は一切行なわなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】 以上の操作を繰り返して合計5バッチの堆積膜形成を行
ない、得られた電子写真用光受容部材をA,B,C,
D,E,Fとし、それぞれの画像欠陥について評価し
た。
【0049】次に、製作した電子写真用光受容部材をキ
ヤノン製複写機NP6550に設置し、原稿台に全面黒
色原稿および全面白色原稿を置き、ベタ黒画像およびベ
タ白画像を得た。これらの画像を検査し、総合評価で画
像欠陥の評価とした。
【0050】なお、評価結果は ◎ 非常に良好…「黒ポチ」、「白ポチ」ともに認めら
れない。
【0051】〇 良好…「黒ポチ」、「白ポチ」が2〜
3個認められるが、いずれも非常に小さく、画像欠陥と
して認識が困難。
【0052】△ 実用上問題無し…「黒ポチ」、「白ポ
チ」が数個認められるが、いずれも小さく、実用画像で
は問題ない。
【0053】× 問題あり…「黒ポチ」、「白ポチ」が
多数ある、または大きなものがあり、実用画像上で、文
字を誤認する恐れがある。 として分類した。
【0054】比較実験例1 実施例1と全く同様にして、表1に示した条件で6本の
電子写真用光受容部材(A,B,C,D,E,F)用の
堆積膜形成を行なった後、保持部材の再生工程を省略
し、2バッチ目の堆積膜形成を行なった。この場合も保
持部材に組み込まれた部品の分解は一切行なわなかっ
た。以上の操作を繰り返し、合計5バッチの堆積膜形成
を行なった。
【0055】こうして作製した電子写真用光受容部材を
実施例1と同様に評価した。
【0056】比較実験例2 実施例1と全く同様にして、表1に示した条件で6本の
電子写真用光受容部材(A,B,C,D,E,F)用の
堆積膜形成を行なった後、保持部材に組み込まれた部品
を分解し、それぞれ液体ホーニング、ウェットエッチン
グによる再生を行なった。この再生工程後、堆積膜の残
留が全くないことを確認して、オーブンにて150℃で
1時間乾燥を行ない、再び保持部材に部品を組み込んだ
後、2バッチ目の堆積膜形成を行なった。以上の操作を
繰り返して合計5バッチの堆積膜形成を行なった。
【0057】なお、保持部材からの部品の分解、再生、
乾燥、組立を含んだ再生工程全体に要した時間は1バッ
チあたり平均約4時間30分であった。
【0058】こうして作製した電子写真用光受容部材
を、実施例1と同様に評価した。
【0059】以上実施例1ならびに比較例1および2の
結果を併せて表3に示す。実施例1では5バッチすべて
の電子写真用光受容部材について良好な結果が得られた
のに対し、比較実験例1では堆積膜形成を繰り返すごと
に画像欠陥が悪化する傾向が見られ、保持部材および保
持部材に組み付けられた部品の表面からの堆積膜剥離の
跡が確認され、バッチごとの再生工程が必要不可欠であ
ることが裏付けられ4た。
【0060】
【表3】 一方、比較実験例2では、2バッチ目で画像欠陥が悪化
し、その後ほぼ同程度の画像欠陥を維持している。これ
は、再生工程によって、比較実験例1のような堆積膜の
剥離による画像欠陥の悪化は防止できるものの、液体ホ
ーニングおよびウェットエッチングの残留物、ならびに
分解および組立によるキリコの影響が現れたものと考え
られる。
【0061】実施例2 鏡面加工を施し、脱脂洗浄した直径108mmのアルミ
ニウムシリンダー6本を基体とし、図1−3に示したマ
イクロ波プラズマCVD法による電子写真用光受容部材
用堆積膜形成装置および保持部材を用いて、上記の手順
で、表4に示した条件により堆積膜形成を行なった。本
実施例では、再生容器内に、図5及び図6で模式的に示
した隔壁を設け、エッチングガスの滞留を防止した。部
品が組み付けられた状態の堆積膜形成後の保持部材をこ
の容器内に入れ、表5の条件で再生を行なった。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】 再生工程の後、保持部材を再生容器より取り出し、エッ
チングの効果を目視にて評価した。その結果、堆積膜の
残留は全く認められなかった。
【0064】比較実験例3 実施例2と全く同じ条件で堆積膜形成を行なった後、部
品の組み込まれた保持部材を、実施例のような隔壁を設
けない再生容器中に投入し、実施例2と同じ表5の条件
で再生を行なった。
【0065】再生工程後、保持部材を再生容器から取り
出し、エッチングの効果を目視にて評価した。その結
果、主に形状の複雑な部分に若干の堆積膜残留が認めら
れた。この保持部材を再び再生容器に投入し、さらにエ
ッチングを継続し、堆積膜の残留が認められず再生が完
了するまでの時間を計測した結果、約125分であっ
た。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、堆積膜形成装置に
おいて、保持部材の再生をClF3 をエッチングガスと
するドライエッチングによって行なうことにより、
(a)液体ホーニングの場合のビーズの残留、ウェット
エッチングの場合のエッチング液の残留などの問題がな
く、基体表面に付着物が付く可能性が非常に小さいた
め、これらの付着物を核とした球状突起の発生を大幅に
低減できて電子写真用光受容部材の品質が向上し、
(b)保持部材に組み付けられた各種部品を分解するこ
となく再生できるため、i)ネジの締め付け、部品の摺
擦等に伴なうキリコの発生がなく、球状突起の発生が防
止でき、ii)組立精度を維持でき、長期間使用しても精
度不足による搬送不良等のトラブルが防止され、さらに
iii)部品の再生工程を自動化しやすく、人件費の削減に
つながると同時に再生処理時間が短縮される等の量産装
置にとって極めて有益な効果が得られる。さらに、再生
容器内にエッチングガスの滞留を防止する機能を備える
ことによりエッチング効果が向上する。以上、本発明に
よって、少なくとも複数の基体を同時に保持する機能お
よび真空維持機能を有する保持部材を真空中で搬送する
機構を有する、高品質な堆積膜を効率良く生産すること
ができる堆積膜形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】堆積膜形成装置構成の模式図である。
【図2】保持部材を装着した反応容器の模式的縦断面図
である。
【図3】保持部材の模式図である。
【図4】再生容器の模式的縦断面図である。
【図5】ガス滞留防止機構を有する再生容器の模式的横
断面図である。
【図6】ガス滞留防止機構を有する再生容器の摸式的縦
断面図である。
【符号の説明】
1101 保持部材を投入する真空容器 1102,1202,1302,1402,1502
ゲートバルブ 1103,1104,1203,1204,1303,
1304,1503,1504 排気装置 1105,1106,1205,1206,1305,
1306,1505,1506 バルブ 1201 反応容器 1210 保持部材 1211 基体 1212 誘電体窓 1213 ホルダー 1214 フック 1220 回転軸 1221 モーター 1223 原料ガス供給管 1224,1524 バルブ 1225,1525 真空シール部材 1226 ヒーター 1301 冷却容器 1401 搬送容器 1501 再生容器 1523 エッチングガス供給管 1526 隔壁
フロントページの続き (72)発明者 大利 博和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器との密着構造および少なくとも
    同心円上に配置された複数本の堆積膜形成用基体の同時
    保持構造を有する保持部材ならびに該保持部材の真空雰
    囲気での搬送手段を有する、非晶質材料で構成された電
    子写真用光受容部材用堆積膜形成装置において、(a)
    成膜後の該保持部材の再生容器を有し、(b)該再生容
    器が該保持部材に各種部品が装着されたままで再生可能
    な構造であり、さらに(c)該再生容器がClF3 ガス
    によるドライエッチングの手段を有することを特徴とす
    る堆積膜形成装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも(a)保持部材投入真空容
    器、(b)原料ガス供給手段およびプラズマ生成手段を
    有する反応真空容器、(c)基体冷却真空容器、(d)
    再生真空容器、および(e)保持部材搬送真空容器を有
    する、請求項1の堆積膜形成装置。
  3. 【請求項3】 再生容器がエッチングガス滞留防止用の
    隔壁を有する、請求項1および2の堆積膜形成装置。
  4. 【請求項4】 成膜後の保持部材の再生を、ClF3
    スによるドライエッチングによって行なうことを特徴と
    する堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】 成膜後、各種部品が組み込まれた状態の
    保持部材を分解することなく再生する、請求項4の堆積
    膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011170114A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Canon Inc 電子写真感光体の検査方法および製造方法

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