JPH06194372A - 車速推定方法及び車速検出装置 - Google Patents

車速推定方法及び車速検出装置

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JPH06194372A
JPH06194372A JP34631492A JP34631492A JPH06194372A JP H06194372 A JPH06194372 A JP H06194372A JP 34631492 A JP34631492 A JP 34631492A JP 34631492 A JP34631492 A JP 34631492A JP H06194372 A JPH06194372 A JP H06194372A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の駆動系と結合する必要のない車速検
出装置を得ること。 【構成】 走行中の車体に生じている振動を振動センサ
11で検出し、検出した振動信号をCPU14のFFT
機能141により周波数スペクトラム分析する処理を繰
り返し、処理データを積算することによって振動信号中
の車速と相関する成分を検出し、該成分を第3メモリ1
53に設定されている相関データと照合し、車速の推定
を行なう。車速推定に際してはファジー処理機能143
を用いてファジー推論を行なって車速推定の確度を高く
する。 【効果】 車速(推定値)を検出するために駆動系に結
合する手段を必要としないので、この車速検出装置を使
用した安全運転支援装置はいずれの車種の自動車にも搭
載可能である。また、車体の改造を必要としないので、
上記支援装置の追加装備も車種に関係なく容易に可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の安全運転を支
援する装置において、危険状態の検知のために必要な車
速(走行中の速度)を推定する方法に関し、特に自動車
の駆動系に結合した手段を必要としない車速推定方法
と、この方法を利用した車速検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の走行中において、事故の発生以
前に危険状態を検知して例えば警報を発生するようにし
た安全運転支援装置では、上記危険状態の検知のために
車速信号を必要とすることがある。
【0003】例えば、走行中、常時、先行車輛との間隔
(車間距離)を測定し、車間距離が危険距離(先行車輛
に衝突する恐れのある距離として設定した距離)より短
かくなったときに警報を発するようにした衝突警報用レ
ーダーでは、車速に対応させてリアルタイムで上記危険
距離の設定を変更する必要があり、当該危険距離の設定
自動変更のために車速信号を必要とする。
【0004】車速信号を取出す方法として従来は、機械
式と電気式の方法があるが、いずれの方法も自動車の駆
動系に直接又は間接に結合する手段を用いて車速信号を
取出していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法による
と、特に完成後の自動車に安全運転支援装置を追加装備
する場合、次のような問題点がある。
【0006】(1)車速検出方式が自動車のメーカー及
び車種によって異なるので、車速検出方式ごとの安全運
転支援装置を必要とし、汎用性に欠ける。
【0007】(2)安全運転支援装置の追加装備時に、
車体側の改造を必要とし、特に機械式に車速信号を取出
す装置にあっては、ハーネスの追加工事を必要とする
等、装備工事が容易でなく、また装備コストも高くな
る。
【0008】本発明は以上の問題点を解決すべく提案す
るもので、いずれのメーカーのいずれの車種にも装備可
能であり、しかも追加装備する場合には車体側の改造を
必要としない安全運転支援装置を提供するための車速推
定方法とこの方法を用いた車速検出装置を得ることを課
題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、自動
車の走行中に車体に生じている振動を周波数スペクトラ
ム分析し、複数回の分析で得た振動レベルを周波数成分
ごとに積算すると、10HZ乃至100HZの比較的低
い周波数範囲で当該振動レベルの積算データが車速の変
化に伴ない、ある相関関係を有して変化し、しかもこの
相関関係は、車種によっては異なるものの走行路面の状
態(舗装面,未舗装面,濡れた面,乾燥した面等)とは
無関係にほぼ同一の傾向を示すことを発見した。
【0010】本発明は以上の現象を利用することによ
り、車速を推定するものである。すなわち、自動車の走
行中、当該自動車の車体に生じている振動を連続して検
出し、これによって得た振動信号を周波数スペクトラム
分析する処理を、設定周期で繰り返し行ない、10HZ
乃至100HZの範囲内で設定した一定範囲の周波数成
分に対する振動レベルを、設定回数の上記処理について
上記周波数成分毎に積算し、これによって得た振動レベ
ル積算データに現われる特異点等の振動レベル積算値又
は周波数に基づいて車速を推定するようにしたものであ
り、上記特異点としては、車速との相関が比較的顕著に
現われる次の特異点、すなわち、(1)振動レベル積算
データに現われる振動レベルの最大点、(2)該最大点
より低い周波数域に現われる振動レベルの最小点、を用
い、車速推定値の確度を高めるために、更にもう1つの
特定点として、(3)上記最小点の周波数を基準として
上記最大点の周波数を越える一定の周波数だけ離れた
点、を相関関係を決定づける点として選び、それぞれの
点の振動レベル積算値又は周波数と車速の相関から車速
を推定するようにしたものである。
【0011】また、上記(1)〜(3)の特異点又は特
定点は、それぞれが車速と相関関係を有するので、いず
れか1点の振動レベル積算値又は周波数によって車速推
定が可能であるが、車速推定値の確度を高めるためには
複数の点を用いて車速推定を行なうのがよく、この場合
においては、複数の点から求めたそれぞれの車速推定値
をファジー推論によって処理して最終的な車速推定値を
求めるようにすると、更に確度の高い車速推定が可能と
なる。
【0012】
【作用】自動車の車体に発生している振動を連続的に検
出し、これを設定時間分ごとに周波数スペクトラム分析
し、分析データを積み重ねる(積算する)と、振動信号
中の不規則に発生している雑音成分は分析データの積算
で相殺され、特に10HZ乃至100HZの比較的低い
周波数領域で規則性のある成分が図4(A),(B)に
示すように顕在化する。
【0013】すなわち、図4(A)は、自動車のエンジ
ンを起動し、走行前(停止時、所謂アイドリング中)の
周波数対振動レベル特性を示すもので20HZ〜70H
Zの間に3ケ所の極大点が現われる。
【0014】また、図4(B)は、自動車の走行中に周
波数対振動レベル特性を示すもので、20HZ〜70H
Zの間において、周波数の低い方からまず振動レベルの
最小点Bが現われ、次に振動レベルの最大点Pが現わ
れ、該最大点Pより高い周波数域では比較的複雑な特性
を呈して振動レベルが減少していく。そして、車速が高
速である程、上記最大点Pの周波数Fpより低い周波数
域では振動レベルが減少し、高い周波数域では振動レベ
ルが増大する傾向を示し、この傾向は車種や走行路面の
状態とは無関係に同じである。ただし、実測値は車種に
より異なるが、同一車種では実測値も走行路面の状態と
は無関係である。
【0015】そこで、上記特性上に現われる特異点、す
なわち最大点Pと最小点Bに着目し、2つの点P,Bの
振動レベルLp,Lb及び周波数Fp,Fbと車速の相
関を求めた結果、振動レベルLp,Lbは図5(A)に
示すように車速が上がるに従ってある関数で減少し、周
波数Fp,Fbは図5(B)に示すように車速が上がる
に従ってある関数で増加することを確認した。
【0016】また、最大点Pの周波数Fpより高い周波
数域での相関を求めた結果、最小点Bの周波数Fbから
一定の周波数αだけ高い周波数F(b+α)に現われる
(B+α)点の振動レベルL(b+α)が車速と最も良
好な相関関係にあることを見出し、この振動レベルL
(b+α)は図5(C)に示すように車速が上がるに従
ってある関数で増加することを確認した。なお、図4
(B)では(B+α)点は極小点近辺に現われている
が、車速によっては必ずしも極小点近辺となるとは限ら
ない。また、図5(A)〜(C)において、車速の低い
部分に現われる不連続部分は図4(A)に示す特性によ
るものであり、この部分の車速はゼロ(停止中)と判断
されることとなる。
【0017】以上のように、車体の振動には、車速と相
関関係を有する成分が含まれるので、この成分を検出す
れば車速の推定ができることとなり、自動車の駆動系に
直接または間接に結合する手段を必要としない車速検出
装置が実現できる。
【0018】また、車速情報を必要とする安全運転支援
装置の車速検出部に本発明に係る車速検出装置を使用す
れば、いずれの車種にも搭載可能な汎用性のある安全運
転支援装置が実現でき、かつ、この安全運転支援装置の
搭載には車体の改造を必要としないので、既存の自動車
への追加装備も極めて容易に可能である。
【0019】
【実施例】図面はいずれも本発明の実施例を説明するも
ので、図1はブロック図、図2は車速推定処理のフロー
チャート、図3は相関データの初期設定処理のフローチ
ャート、図4は周波数対振動レベル特性を示す図で、
(A)は車体停止時(アイドリング時)の特性例、
(B)は車体走行時の特性例をそれぞれ示し、図5は振
動信号と車速の相関関係を示す図で、(A)は振動レベ
ルの最大点及び最小点におけるレベルと車速の相関例、
(B)は同様の周波数と車速の相関例、(C)は振動レ
ベル最小点の周波数から一定周波数(α)だけ高い点に
おける振動レベル車速の相関例をそれぞれ示し、図6
(A)、(B)はファジー推論による車速推定処理を説
明する図である。
【0020】図1において、1は本発明の実施例に係る
車速検出装置であり、2は車速検出装置1からのデータ
(車速推定値)を利用する安全運転支援装置で、例えば
衝突警報用レーダーである。
【0021】車速検出装置1において、11は振動セン
サ、12はA/D変換器、13は初期設定操作部、14
はCPU、15はメモリである。
【0022】振動センサ11は、自動車の車体の低周波
微振動を検出する振動検出手段をなすもので、自動車の
車体の振動が検出し易い個所に取付けられる。また、物
体の振動現象は加速度又は角速度で把えることができる
事象であることにより、当該振動センサ11として加速
度センサ又は角速度センサを用いることができる(実施
例では加速度センサを用いた)。
【0023】A/D変換器12は、アナログ信号をデジ
タル信号に変換するもので、振動センサ11が振動信号
をアナログ信号形態で出力するのに対し、CPU14に
おける処理ではデジタル信号形態の振動信号を必要とす
るために設けられたものである。なお、振動センサ11
がデジタル信号形態で振動信号を出力するものである場
合は、当該A/D変換器12は必要としない。
【0024】初期設定操作部13は、振動と車速の相関
を予め測定する測定手段(CPU14の処理に含まれ
る。)を起動するための操作部で、例えば押ボタンスイ
ッチで構成される。
【0025】CPU14は、車速検出装置1における処
理を一括して行なうものであり、本発明に関する主な機
能は、振動信号を、例えば公知のFFT(Fast F
ourier Transformation)に処理
よって周波数スペクトラム分析し、10HZ乃至100
HZの低周波領域内の一定範囲(例えば20HZ〜70
HZ)の周波数成分についての振動レベルデータを出力
するFFT処理機能141(周波数スペクトラム分析手
段)と、周波数スペクトラム分析処理データに基いて車
速を推定する車速推定機能142(車速推定手段)、該
車速推定機能142により推定した車速推定値をファジ
ー推論によって高い確度のものとするファジー処理機能
143(ファジー推論手段)、及び当該車速検出装置1
の運用前に、車速と振動信号の相関を予め測定する処理
を行って、車種に合致した相関データを作成する相関デ
ータ設定機能144(相関データ測定手段)等があり、
これらの機能は全てCPU14のソフトウエアで達成さ
れる。なお、ファジー処理機能143については、処理
データ数が膨大なことから、CPU14とは別個にファ
ジー推論専用のCPUが使用されることが多い(説明の
便宜上、当該ファジー処理機能143をCPU14の機
能とする。)。
【0026】メモリ15は、A/D変換器12を介して
振動センサ11から入力された振動信号を設定時間分に
ついて一時的に記憶する第1メモリ151(第1の記憶
手段)と、該第1メモリ151に記憶された振動信号を
周波数スペクトラム分析した分析データを記憶する第2
メモリ152(第2の記憶手段)と、振動信号と車速と
の相関データを予め記憶しておく第3メモリ153(第
3の記憶手段)を有し、この他に、図では省略してある
が、CPU14のプログラムメモリ、処理途中の中間的
データの一時記憶メモリ等がある。
【0027】衝突警報用レーダー2は、車速検出装置1
から出力される車速情報(車速信号)を利用する安全運
転支援装置の例として掲げたものである。この衝突警報
用レーダーでは、道路上の自動車の流れをスムーズにす
るために、警報を必要とする危険距離を車速に応じてリ
アルタイムに設定変更する必要があり、このために車速
情報を必要とするが、危険距離の設定変更のための車速
情報としてはあまり高い精度が要求されず、本発明で得
られるような車速推定値であっても充分に使用すること
ができる。
【0028】図2に示す処理フローに従って以下に車速
検出動作を説明する。
【0029】振動センサ11は、自動車のアイドリング
時及び走行時には、常時車体に生じている振動を検出し
ており、当該振動センサ11から出力された振動信号
は、A/D変換器12でデジタル値に変換された後CP
U14に連続的に送付されている。
【0030】CPU14はA/D変換器12が出力して
いる振動信号を読み込んで第1メモリ151に当該振動
信号を記憶(格納)する(ステップS1)。
【0031】次にCPU14は予め定められた時間(設
定時間)分の振動信号が第1メモリ151に格納された
か否かを判断し(ステップS2)、設定時間分の格納以
前ではステップS1,S2の処理を繰り返して次々と第
1メモリ151に振動信号を格納していき、設定時間分
の振動信号の格納が確認されると、ステップS3以降の
処理に移行する。
【0032】上記振動信号の設定時間分の格納の監視は
次のようにして行なわれる。すなわち、CPU14は一
定の時間基準(クロック信号)に基づいてA/D変換器
12からの振動信号を読み込んでおり、従ってCPU1
4で上記振動信号の読み込み回数を計数し、計数値が設
定値に達したか否かを監視することで、上記振動信号の
第1のメモリ151への設定時間分の格納終了を確認で
きる。
【0033】以上のようにして設定時間分の振動信号が
第1メモリ151に記憶されると、次にCPU14は第
1メモリ151に格納された振動信号の周波数スペクト
ラム分析処理をFFT処理機能141に基づいて行ない
(ステップS3)、例えば20HZ〜70HZの比較的
低い範囲の周波数成分に現われた振動レベル分析処理デ
ータ(第1のデータ)を上記周波数成分毎に第2メモリ
152に格納する(ステップS4)。
【0034】上記第2のメモリ152の分析処理データ
の格納は、既に格納されているデータに新たなデータを
加算するようにして格納される。すなわち、第2メモリ
152への分析処理データの格納処理と同時に、当該デ
ータの積算処理も行なわれることとなる。
【0035】次にCPU14は、第2メモリ152に設
定回数だけ分析処理データが格納されたか否か、すなわ
ち当該データの積算回数が予め定めてある設定数に達し
たか否かを判断し(ステップS5)、設定数に達してい
ないときにはステップS1からS5までの処理を繰り返
して第2メモリ152への分析処理データの格納を積み
重ねていく。
【0036】以上のようにしてFFT演算したデータを
多数積算すると、振動信号中に含まれる不規則な雑音成
分は積算の積み重ねによって相殺され、規則性のある成
分による振動レベルのみが分析処理積算データに現われ
る。
【0037】第1のデータの設定回数の積算が終了する
と、第2のメモリ152には図4(B)に示す分析処理
積算データ(第2のデータ)が記憶されていることとな
る。
【0038】次に、CPU14は第2メモリ152から
分析処理積算データを読取り(ステップS6)、当該デ
ータのパターンが停止時のパターン(図4(A)のパタ
ーン)か、又は走行時のパターン(図4(B)のパター
ン)かを判断し(ステップS7)、停止時のパターンで
あるときには処理ステップをS11に進めて車速推定値
0(ゼロ)を衝突防止用レーダー2に出力する。
【0039】ステップS7で分析処理積算データが走行
時のパターンであると判断されると、次にCPU14
は、当該データの振動レベル最大点P及び当該最大点P
より低い周波数域に現われている振動レベル最小点Bを
検出し、当該最大点Pの振動レベルLpと周波数Fp、
当該最小点Bの振動レベルLbと周波数Fb及び該周波
数Fbから周波数がα(例えば35HZ)高い点(B+
α)の振動レベルL(b+α)を読み取る(ステップS
8)。
【0040】次にCPU14は第3メモリ153に相関
データが設定済みであることを確認し(ステップS
9)、車速推定機能142により上記振動レベルLp,
Lb,L(b+α)又は周波数Fp,Fbを第3メモリ
153に格納されている照合データ(図5(A)〜
(C)に示すデータ)上で照合し(ステップS10)、
車速推定値を求めて、これを衝突防止用レーダー2に出
力する(ステップS11)。なお、ステップS9におい
て、第3メモリ153に相関データが設定されていない
ことを検出したときには、相関データの初期設定処理に
移行する。この処理については後で図3により説明す
る。
【0041】上記車速推定処理においては使用するデー
タは、振動レベルLp,Lb,L(b+α)又は周波数
Fp,Fbの全てを必要とするものではなく、例えば1
つのデータによっても車速推定は可能である。しかしな
がら確度を上げるためには、当該データの複数又は全て
を使用して車速推定を行った方がよく、この場合におい
て、更にファジー処理機能143を使用してファジー推
論を行なうとより高い確度で車速推定ができる。ファジ
ー推論処理については後述する。なお、上記データで車
速推定に使用しないデータがあるときには、当該不使用
データの検出及び照合は必要とせず、また、不使用デー
タのための相関データも必要としないことは言うまでも
ない。
【0042】ところで、前記したように、図4(B)に
示す振動特性は車種によって若干の違いがあるため、図
5(A)〜(C)に示す相関データも車種によって異っ
てくる。従って車速検出装置1を運用するに際しては、
車種に合致した相関データを第3メモリ153に予め設
定する初期設定操作を行なう必要がある。そこで、図3
に示す処理フローに従って以下に相関データの初期設定
処理を説明する。
【0043】相関データの初期設定操作は次のようにし
て行なわれる。すなわち、自動車を走行させてその速度
計により車速が第1車速として予め定められている例え
ば20km/Hとなったことを確認したときに、初期設
定操作部13の押ボタンを押下し、次に同様にして車速
が第2車速として予め定められている例えば40km/
Hとなったことを確認したときに再び上記押ボタンを押
下する。以上の2回の押ボタン操作によって、CPU1
4は以下の処理を行なう。
【0044】前記図2のステップS1〜S9までは当該
初期設定処理においても同様に行なわれる。
【0045】前記図2のステップS9で第3メモリ15
3に相関データが設定されていないことを確認すると、
CPU14は相関データ設定機能144による処理を開
始する。
【0046】CPU14は初期設定操作部13で押ボタ
ンが押下されたか否かを監視し(ステップS101)、
当該押ボタンが押下されない間は前記図2のステップS
1からS9までの処理を繰り返えす。
【0047】車速が第1車速になり、初期設定操作部1
3で押ボタンが押下されると、CPU14はこれを検出
してその直前のステップS8で検出した分析処理積算デ
ータの前記周波数Fp,Fb,F(b+α)及び振動レ
ベルLp,Lb,L(b+α)を図示しない一時記憶メ
モリに記憶し(ステップS102)、次にこの初期設定
操作が第1回目の操作か又は第2回目の操作かを確認す
る(ステップS103)。いまの場合、第1回目の操作
であるので、CPU14の処理は再び前記図2のステッ
プS1からS9までの処理を繰り返えし、ステップS1
01で第2回目の初期設定操作が行なわれるか否かを監
視する。
【0048】車速が第2車速となり、初期設定操作部1
3で再び押しボタンが押下されると、CPU14は上記
第1回目の操作時と同様にして分析処理積算データの前
記周波数Fp,Fb,F(b+α)及び振動レベルL
p,Lb,L(b+α)を記憶する(S102)。
【0049】以上の処理により、CPU14は、2つの
互に異ったそれぞれの車速と振動レベルLp,Lb,L
(b+α)及び周波数Fp,Fbの関係を知ったことと
なり、これに基いて相関関係の演算を行なう(ステップ
S104)。
【0050】前記したように、振動レベル対車速特性及
び周波数対車速特性は車種に係りなく同じ傾向を示すの
で、上記したように2点について車速と振動レベル及び
周波数の関係が判明すれば当該2点間を上記それぞれの
特性を表わす線で結ぶことにより相関データが得られる
こととなる。すなわち、例えば車速と振動レベルLpを
例に具体的に説明すると、図5(A)に示すように、第
1車速S1での振動レベルLp1の点P1と第2車速S
2での振動レベルLp2の点P2をメモリ中のマップに
印し、その間を予め測定してある振動レベルLp対車速
の特性曲線で結べば、振動レベル最大点Pに対する相関
データ(イ)が得られる。
【0051】以上のようにして各相関データを演算した
のち、CPU14は当該相関データを第3メモリ153
に格納して(ステップS105)処理を終える。
【0052】次に、図6(A),(B)によりファジー
推論による車速推定の手法について説明する。
【0053】メンバーシップ関数は、図5(A)〜
(C)に示す各相関データ(イ)〜(ホ)のそれぞれに
設定される。図6(B)に示すK1〜K5は、それぞれ
相関データ(イ)〜(ホ)に対応して設定されたメンバ
ーシップ関数である。
【0054】ここで図6(A)によりメンバーシップ関
数Kの概念を説明しておくと、相関データの参照により
求めた車速値がvであったものすれば、実際の車速はv
aからvbまでの拡がりの範囲内にあることを示し、車
速vである確率iが最も高く、車速va及びvbである
確率がゼロであり、上記確率iと確率ゼロの点を通る関
数で、メンバーシップ関数Kが設定される。このメンバ
ーシップ関数Kの意味する処は、車速値vが検出された
ときの実際の車速を確率で示すことであり、検出車速値
vに対して例えば実際の車速vcである確率はicであ
る。
【0055】以上に説明したメンバーシップ関数を用い
たファジー推論処理を以下に説明する。
【0056】図5(A)〜(C)に示す各相関データ
(イ)〜(ホ)に基いて求めた車速値がv1〜v5であ
るものとすると、図6(B)に示すように、車速値v1
〜v5であるものとすると、図6(B)に示すように、
車速値v1〜v5のそれぞれについて上記で説明したメ
ンバーシップ関数K1〜K5を設定し、次に、当該メン
バーシップ関数K1〜K5を合成すると、確線で示す、
確率曲線gが得られる。この確率曲線gにおいて、最も
高い確率を示している点PKを検出し、この点PKでの
車速値、図6(B)に示す例では車速値v2が実際の車
速である確率が最も高い値であると判断し、この車速値
v2を車速推定値として出力する。この処理はCPU1
4のファジー処理機能143により、前記図2に示した
処理フローのステップS10に続く処理として行なわれ
る。
【0057】なお、メンバーシップ関数は、推論の対象
によっては複雑な関数(例えばガウス分布関数)となる
が、処理データ量を考慮して、図6に示したような簡易
な関数(三角形状の関数)が使用されることがあり、本
実施例でも、この簡易な関数を用いている。
【0058】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、車体
振動に含まれる車速相関成分を振動信号の周波数スペク
トラム分析処理と分析データの積算処理によって取り出
し、これに基いて車速を推定するようにしたものであ
り、自動車の駆動系に結合する手段を必要としない車速
検出装置が得られ、また、この装置の使用によって、い
ずれの車種にも搭載可能な各種安全運転支援装置を実現
できる。また、当該装置を装備するに際しては車体の改
造を必要としないので、既存の自動車(完成車輛)への
追加装備が極めて容易に可能であり、しかもいずれの車
種であっても追加装備が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のブロック図。
【図2】本発明実施例のフローチャート。
【図3】本発明実施例のフローチャート。
【図4】(A)は停止時の振動特性を示す図、(B)は
走行時の振動特性を示す図。
【図5】(A),(B),(C)は振動信号成分と車速
との相関関係を示す図。
【図6】(A)はメンバーシップ関数を説明する図、
(B)はファジー推論による車速推定概念図。
【符号の説明】
1…車速検出装置 2…衝突防止用レーダ
ー 11…振動センサ 12…A/D変換器 13…初期設定操作部 14…CPU 15…メモリ 141…FFT処理機能 142…車速推定機能 143…ファジー処理機
能 144…相関データ設定機能 151…第1メモリ 152…第2メモリ 153…第3メモリ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の走行中、その車体に生じている
    振動を連続して検出し、これによって得た振動信号を周
    波数スペクトラム分析する処理を設定周期で繰返し行な
    い、10HZ乃至100HZの範囲内で設定した一定範
    囲の周波数成分に対する振動レベルを、設定回数の上記
    処理について上記周波数成分毎に積算し、これによって
    得た振動レベル積算データが自動車の車速と相関関係を
    有することを利用して車速を推定するようにした車速推
    定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車速推定方法におい
    て、振動レベル積算データと車速との間の相関関係を、
    当該振動レベル積算データに現われる特異点又は該特異
    点を基準として定めた特定点の振動レベル積算値又は周
    波数によって決定づけるようにした車速推定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車速推定方法におい
    て、特異点を、振動レベル積算データに現われる振動レ
    ベルの最大点又は該最大点より低い周波数域に現われる
    振動レベルの最小点とし、特定点を、上記最小点の周波
    数を基準として上記最大点の周波数を越える一定の周波
    数だけ離れた点とし、当該最大点、最小点及び特定点の
    いずれかの振動レベル積算値又は周波数の1又は複数に
    より、車速との相関関係を決定づけるようにした車速推
    定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車速推定方法であっ
    て、複数の相関関係を用いて車速を推定する場合におい
    て、各相関関係を用いて求めたそれぞれの車速推定値か
    らファジー推論によって車速推定の確定値を求めるよう
    にした車速推定方法。
  5. 【請求項5】 自動車の車体に取付けられ、該車体の振
    動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段が設定時
    間の間に出力した振動信号を一時的に記憶する第1の記
    憶手段と、該第1の記憶手段に記憶された振動信号を周
    波数スペクトラム分析し、10HZ乃至100HZの範
    囲内で設定した一定範囲の周波数成分対振動レベルを示
    す第1のデータを設定周期毎に出力する分析手段と、該
    分析手段から出力される上記第1のデータを設置数に達
    するまで順次加算しながら上記周波数成分毎に記憶して
    いくことにより、周波数成分対振動レベル積算値特性を
    示す第2のデータを記憶する第2の記憶手段と、上記第
    2のデータに現われる特異点又は該特異点を基準として
    当該第2のデータ上に定めた特定点の振動レベル又は周
    波数と車速との相関を予め測定する測定手段と、該測定
    手段で測定した上記振動レベル又は周波数と車速との相
    関データを記憶しておく第3の記憶手段と、該第3の記
    憶手段に記憶された相関データと上記第2の記憶手段に
    記憶された上記第2のデータに発現している上記特異点
    又は特定点の振動レベル又は周波数とを照合して車速推
    定値を出力する車速推定手段でなる車速検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の車速検出装置におい
    て、第3の記憶手段には、特異点又は特定点の振動レベ
    ル又は周波数と車速との相関を示すそれぞれの相関デー
    タのうち、少くとも2種類の相関データを記憶するよう
    にし、車速推定手段には、当該第3の記憶手段に記憶し
    てある複数種類の相関データをメンバーシップ関数とし
    てファジー推論を行なうファジー推論手段を有する車速
    検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の車速検出
    装置において、特異点を第2のデータに現われる振動レ
    ベルの最大点又は該最大点より低い周波数域に現われる
    振動レベルの最小点とし、特定点を、上記最小点の周波
    数を基準として上記最大点の周波数を越える一定の周波
    数だけ離れた点とした車速検出装置。
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