JPH06192988A - ピッチコントロール剤およびピッチコントロール方法 - Google Patents

ピッチコントロール剤およびピッチコントロール方法

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JPH06192988A
JPH06192988A JP34400892A JP34400892A JPH06192988A JP H06192988 A JPH06192988 A JP H06192988A JP 34400892 A JP34400892 A JP 34400892A JP 34400892 A JP34400892 A JP 34400892A JP H06192988 A JPH06192988 A JP H06192988A
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pitch
group
pulp
carbon atoms
pitch control
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JP34400892A
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Zenji Yamaguchi
善治 山口
Hideki Takahashi
秀樹 高橋
Kazuhiro Takeuchi
一博 竹内
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Hakuto Co Ltd
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Hakuto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パルプ及び紙の製造工程におけるピッチ障害を
抑制・防止するためのピッチコントロール剤及びピッチ
コントロール方法を提供する。 【構成】特定の両性界面活性剤を有効成分とするピッチ
コントロール剤、及びパルプに対し0.001〜2重量%添
加、あるいはピッチが付着する製造装置にピッチコント
ロール剤を噴霧するピッチコントロール方法である。ピ
ッチのパルプや紙、さらには製造装置類への付着をなく
すことにより、紙の汚点・欠点がなくなり紙品質が向上
し、断紙がなくなり生産性・作業性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプおよび紙の製造
工程におけるピッチ障害を抑制・防止するためのピッチ
コントロール剤とこれを用いたピッチ障害防止法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、パルプおよび紙の製造工程でピ
ッチと言われているものは、木材やパルプおよび紙から
遊離した天然樹脂やガム物質、さらには、パルプおよび
製紙工程で使用される添加薬品等に由来する有機物を主
体とする非水溶性の粘着性物質のことである。一般に、
ピッチは、パルプおよび製紙工程中、特に白水中では、
コロイド状になって分散しているが、何等かの外的作
用、例えば、大きなせん断力、pHの急激な変化、硫酸
バンドの過剰添加等によりコロイド状態が破壊されて凝
集、巨大化すると考えられている。凝集、巨大化したピ
ッチは、その粘着性によるパルプや紙への付着、さらに
ファンポンプ、配管内、チェスト、ワイヤー、フェル
ト、ロール等の製造装置類への付着および後に剥離して
パルプや紙への再付着により、紙の汚点・欠点の発生に
よる品質の低下や断紙の発生による生産性・作業性の低
下などのピッチ障害を引き起こす。近年、紙の多様化に
よる使用薬品類の増加と工程で使用する水のクローズド
化が高くなるにつれて、従来にも増してピッチ障害が多
くなるとともに、複雑化している。
【0003】従来、このピッチ障害に対していろいろな
方法が提案あるいは実施されてきた。例えば、 ピッチの要因物を少なくする方法として、木材やチ
ップのシーズニングによるピッチの原因物の低減・除
去、パルプの洗浄強化や白水の清浄化を強化する方法。 ピッチを分散させ凝集・集塊化を防止する方法とし
て、水溶性アニオン系ポリマーによってピッチを分散さ
せる方法(特公昭59−28676号公報)。 ピッチの付着性を低下させる方法として、タルク
(例えばミストロンベーパー(米国モンタナ産のタル
ク))、クレイやその他の多孔性無機物を添加する方法
(特開昭60−94687号公報,特公昭61−48975号公報)、
ノニオン系界面活性剤によるピッチの付着防止方法(特
公昭62−6039号公報,特公昭63−23320号公報)、水溶
性カチオン系ポリマーによるピッチの付着防止方法(特
開平2−182995号公報)。 ピッチを小さな状態でパルプに吸着させて系外に出
す方法として、水溶性カチオン系ポリマーを使ってピッ
チをパルプに定着させる方法(特開昭57−149592号公
報)やタルク(例えばミストロンベーパー(米国モンタ
ナ産のタルク))、クレイやその他の多孔性無機物を添
加する方法(特開昭60−94687号公報、特公昭61−48975
号公報)。 ピッチを溶解・分散そして除去する方法として、パ
ークロルエタン、トリクロルエタン、灯油などのピッチ
可溶性有機溶剤を添加する方法。 などの方法が提案され、実施されてきた。
【0004】しかし、のシーズニングは、長期間かけ
ることでその効果が発揮されるため、かつては6ヵ月〜
1年のシーズニング期間がとれらていたが、広い敷地を
必要とすることや生産量の増加により、原木やチップの
確保及び保管がむずかしくなり、シーズニング期間は3
ヵ月〜5ヵ月へと短縮せざるを得なく、この方法には限
界がある。また、パルプの洗浄強化・白水の清浄化強化
は、水のクローズド化が進んでいるため、さらに大きな
改善は困難であり、期待できない。
【0005】の水溶性アニオン系ポリマーによってピ
ッチを分散する方法は、簡便で有効な方法であるが、カ
チオン物質と会うと凝集し効果が失われる。さらに、系
内のピッチ量の減少を伴わないため、状況の変化により
分散不良となり、急にピッチが発生する危険性を常に持
っている。
【0006】これに対して、の方法、特に、タルク
(例えばミストロンベーパー(米国モンタナ産のタル
ク))、クレイ、その他の多孔性無機物を添加する方法
は、ピッチ粒子に吸着してピッチの粘着性・付着性を低
下させ、さらにこれを無機物填料として紙に抄き込む方
法で、現在、主流となっている。これらの多孔性無機物
は、安価であるがピッチの吸着が必ずしも十分ではな
く、紙への定着も低いため、白水の汚濁やスラッジ沈積
の原因になるほか、ワイヤーの摩耗・損傷が大きく、そ
の改善が強く望まれている。
【0007】の方法は、一般にコロイド的に負電荷を
持つといわれているピッチ粒子をカチオン系ポリマーで
パルプに定着させ系内のピッチ量を減らす方法で、適切
なカチオン系ポリマー量が必要で、過剰になるとピッチ
粒子の凝集・巨大化してピッチを促進するようになり、
期待した効果が得られなくなる。
【0008】の方法は、ピッチの付着した箇所にピッ
チを溶かすような有機溶剤を白水に添加してピッチを溶
解し、白水中に分散されるもので、後の工程でピッチの
付着が起こったり、根本的な解決にならないことや使用
する溶剤による環境問題のために今日ではこの方法は少
なくなっている。
【0009】そこで、〜を併用する方法などが提案
されているが、効果的なピッチコントロールには至って
おらず、依然、効果の高い薬品・方法が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のパルプおよび紙の製造工程における紙の汚点・欠
点・断紙、作業性の低下などのピッチ障害の抑制方法の
欠点を改善し、ピッチ原因物質およびその状況に因ら
ず、広い範囲で適用可能なピッチコントロール剤とこれ
を用いたピッチコントロール方法を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パルプお
よび紙の製造工程におけるピッチ抑制に関して系統的な
研究を行った結果、特定の両性界面活性剤を使うことに
よって、効果的なピッチコントロールが得られるとの知
見を得て、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、下記の一般式(I), (II),
(III)で表される両性界面活性剤の1種あるいは2種以
上を有効成分として含有することを特徴とするピッチコ
ントロール剤、およびパルプまたは紙を製造する工程に
おいて上記のピッチコントロール剤を添加する、あるい
は、ピッチが付着する製造装置に噴霧することを特徴と
するピッチコントロール法に関するものである。以下に
本発明を詳細に説明する。
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】一般式(I)で表される両性界面活性剤は、
1が炭素数6〜22、好ましくは炭素数8〜18の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、R2が水
素あるいは炭素数1〜12、好ましくは水素あるいは炭素
数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニ
ル基の両性界面活性剤であり、より好ましくは、−NH
CH2−COOH系のグリシン型両性界面活性剤および
−NHCH2CH2COOH系のアラニン型両性界面活性
剤である。R1は、炭素数5以下では、ピッチとの親和
性が不足するために十分な効果は得られず、炭素数23以
上のものは、水溶性が低下し、効果が低下するほか、製
造がむずかしく実用的ではないため、好ましくない。R
1の好ましい例としては、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリ
ル基、イソステアリル基、オレイル基、ヤシ油アルキル
基、牛脂アルキル基、硬化牛脂アルキル基、大豆油アル
キル基、ひまし油アルキル基、硬化ひまし油アルキル
基、ベヘニル基等がある。
【0017】R2は、炭素数13以上では十分な水溶性が
得られないため、効果が低下し好ましくない。R2の好
ましい例としては、水素、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペン
チル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル
基、シクロヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、
ノニル基、デシル基、ドデシル基等を挙げることができ
る。X1は、グリシン型両性界面活性剤ではメチレン基
であり、アラニン型両性界面活性剤では、エチレン基で
ある。また、m,nはいずれも0〜3の整数で、好まし
くは、グリシン型両性界面活性剤では、m,nがともに
0でアラニン型両性界面活性剤では、mが1〜3で、n
が0である。m,nが4以上では、製造時の副生物が多
くなり本発明の効果が期待できなくなるため好ましくな
い。Y1は−COO又は−SO3である。
【0018】一般式(I)で表される両性界面活性剤の例
としては、ヘキシルグリシン、オクチルグリシン、ドデ
シルグリシン、オクチルジアミノエチルグリシン、ヤシ
油アルキルジアミノエチルグリシン、ジオクチルジアミ
ノエチルグリシン、ヤシ油アルキルオクチルジアミノエ
チルグリシン、ラウリルβ−アラニン、ヤシ油アルキル
β−アラニン、ステアリルβ−アラニン等を挙げること
ができる。
【0019】一般式(II)で表される両性界面活性剤は、
ベタイン型およびスルフォベタイン型両性界面活性剤、
一般式(III)で表される両性界面活性剤は、イミダゾリ
ウムベタイン型両性界面活性剤である。R3およびR
6は、いずれも炭素数6〜30、好ましくは、炭素数8〜1
8の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル
基または炭素数8〜18の直鎖または分岐鎖の脂肪酸と炭
素数1〜3のアルキルアミンからなる脂肪酸アミドアル
キル基である。R3の炭素数が5以下では、ピッチとの
親和性が不足するために十分な効果が得られない。炭素
数31以上のものは、水溶性が低下し、効果も低下するた
め、好ましくない。アルキル基およびアルケニル基の好
ましい例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ドデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、
イソステアリル基、オレイル基、牛脂アルキル基、硬化
牛脂アルキル基、大豆アルキル基、ひましアルキル基、
硬化ひましアルキル基、ヤシアルキル基等を挙げること
ができる。脂肪酸アミドアルキル基の脂肪酸は、炭素数
が8〜18であり、例えば、オクタン酸、デカン酸、ラウ
リン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂
肪酸、硬化牛脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、ひまし油脂肪酸
等があげられ、アルキル基としては、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基が好ましい。X2は、炭素数1〜
6、好ましくは1〜3のアルキレン基あるいはヒドロキ
シアルキレン基である。炭素数が7以上では、製造が容
易でないうえに水溶性が低下し、効果の低下となるため
に好ましくない。R4,R5は、いずれも水素、メチル
基、エチル基、またはヒドロキシエチル基である。ま
た、Y2およびY3はいずれも−COOあるいは−SO3
である。
【0020】一般式(II), (III)で表される両性界面活
性剤の例としては、ジメチルヤシアルキルアミノ酢酸ベ
タイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢
酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミ
ノ−2−ヒドロキシ−3−プロピルスルフォベタイン、
牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノエチルスルフ
ォベタイン、オレイルスルフォタウリン、2−ヤシアル
キル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイ
ミダゾリウムベタイン、2−ヤシ油脂肪酸アミドプロピ
ルジメチルアミノ−N−カルボキシメチル−N−ヒドロ
キシエチルイミダゾリウムベタイン等を挙げることがで
きる。
【0021】一般式(I), (II), (III)で表される両性界
面活性剤の製造法としては、一般に、高級アミンとクロ
ロ酢酸ナトリウムを反応させることで、−N+−CH2
OO -型を、そして高級アミンと2−クロロエタンスル
フォン酸と反応させることで、−N+−CH2CH2SO3
-型のベタイン型界面活性剤を容易に合成することがで
きる。
【0022】本発明のピッチコントロール剤は、上記の
一般式(I), (II), (III)で表される両性界面活性剤をそ
のまま、あるいは、水や適当な水溶性の溶剤に溶かし
て、または、有機溶剤に溶かしこれに乳化剤を配合する
ことにより水に乳化分散するようにして使用される。そ
の濃度は、特に限定されるものではないが、一般に5〜
50重量%程度が適当である。また、本発明のピッチコン
トロール剤に分散性・浸透性を付与するための界面活性
剤、他の工程添加剤、例えば、発泡性を抑制するための
消泡剤、スケールコントロール剤、スライムコントロー
ル剤等を一緒に添加してもよい。さらに、本発明のピッ
チコントロール剤に、従来より使われてきたピッチコン
トロール剤である水溶性アニオン系ポリマー、アニオン
界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水溶性カチオン系ポ
リマー、カチオン界面活性剤等を配合・併用してもよ
い。
【0023】本発明のピッチコントロール剤の添加は、
ピッチ障害の発生している箇所の前段階あるいは、前工
程のパルプスラリーや白水に添加する方法が好ましく、
その添加量は、パルプの種類及び紙の種類、工程の条
件、ピッチの発生状況によって変わるが、上記の一般式
(I), (II), (III)で表される両性界面活性剤をパルプに
対して0.001〜2重量%程度、好ましくは0.01〜0.5重量
%程度である。
【0024】上記のピッチコントロール方法の他に、パ
ルプまたは紙を製造する工程において、ピッチが付着す
る製造装置類に本発明のピッチコントロール剤を噴霧す
る方法がある。これは、本発明のピッチコントロール剤
をそのまま、またはこれを1〜10重量%程度に希釈し
て、ピッチの付着し易いワイヤー、フェルト、ロール等
の洗浄水シャワーラインに圧入してシャワー水とともに
吹き付ける、あるいは別途、スプレーを設置し噴霧する
方法等である。この方法によりピッチの付着防止と付着
したピッチの粘着性低下が得られ、ピッチの蓄積が抑制
される。また、この方法により従来、定修時あるいは汚
れのひどいときには装置を止めて、付着したピッチを洗
浄剤によって洗浄・除去していた手間が改善される。
【0025】
【作用】ピッチ分散剤としてよく使用されているアニオ
ン系ポリマーは、ポリマー中のアニオン基により負電荷
のコロイド状ピッチを静電的な反発によって分散安定化
させるものである。しかし、pHが低くなったり、カチ
オン性物質が多くなると凝集し、その効果が失われてし
まう。逆にカチオン系ポリマーでは、ポリマー中のカチ
オン基が負電荷のコロイド状ピッチを静電的に吸着ある
いは取り囲むことで分散安定化させ、さらにパルプへの
カチオン系ポリマーによる定着でピッチ障害を抑制・防
止している。しかし、アニオン性物質が多くなると凝集
し、その効果が失われてしまう。これに対して、本発明
に使用する水溶性の両性界面活性剤では、同一分子内に
アニオン基とカチオン基を持つために、白水中にアニオ
ン性あるいはカチオン性のいずれの物質が混在しても、
アニオン基による負電荷のコロイド状ピッチの静電的な
反発による分散安定化およびカチオン基による負電荷の
コロイド状ピッチの静電的吸着や取り囲みによる分散安
定化、そしてパルプへのカチオン系ポリマーによる定着
などの効果が期待できる。その他、本発明の両性界面活
性剤では、分子内に疎水性の大きなアルキル基を持って
いるため、ピッチとの親和性を高めることができる一
方、分子内に複数の親水基を持つことにより水溶性が維
持できるために、従来のアニオン系ポリマーやカチオン
系ポリマーよりもさらに効果を高めることができる。
【0026】
【実施例】
化合物A;C613(NHC24)2NHCH2COOH 冷却器および攪拌器を付けた500ccの三つ口丸底フラス
コに、ジエチレントリアミン103gを入れた。これを180
℃に加熱しながら、n−塩化ヘキシル30gを約1〜2時
間かけて添加し、2時間180℃に維持し反応させた。反
応物を徐冷し、ジエチレントリアミン塩酸塩を濾別した
後、減圧蒸留して、bp.130−180℃(15mmHg)の留分
を得た。冷却器および攪拌器を付けた500ccの三つ口丸
底フラスコにこの留分を35g取り、当量のモノクロル酢
酸ナトリウム(23g)を水200mlに溶かした水溶液を90
〜95℃に加熱しながら、約30分かけて添加し反応させ
た。冷却後、析出物を除去し、目的としたヘキシルジエ
チレントリアミン酢酸水溶液を得た。
【0027】化合物B;(ヤシアルキル)−(NHC2
4)2NHCH2COOH 日本油脂(株)製,「ニッサン アノンLG」(商標名)
を使用
【0028】 化合物C;[C817(NHC24)2]2NCH2COOH 冷却器および攪拌器を付けた500ccの三つ口丸底フラス
コに、ジエチレントリアミン103gを入れ、180℃に加熱
しながら、n−塩化オクチル74gを約1〜2時間かけて
添加し、更に2時間180℃に維持し反応させた。反応物
を徐冷し、ジエチレントリアミン塩酸塩を濾別した後、
減圧蒸留して、bp.200−250℃(20mmHg)の留分を得
た。その後、化合物Aと同様にして、冷却器および攪拌
器を付けた500ccの三つ口丸底フラスコにこの留分を取
り、当量のモノクロル酢酸ナトリウム水溶液を90〜95℃
に加熱しながら、約30分かけて添加し反応させ、冷却
後、析出物を除去し、目的としたジオクチルジエチレン
トリアミノ酢酸水溶液を得た。
【0029】化合物D;
【0030】
【化7】 化合物Cの方法に準じて、トリエチレンテトラミンと塩
化オクチル及びモノクロル酢酸ナトリウムより合成し
た。
【0031】 化合物E;(ヤシアルキル)−NHCH2CH2COOH ライオン(株)製,「リポミンCA」(商標名)を使用し
た。
【0032】 化合物F;C613−N+(CH3)2CH2COO- 冷却器および攪拌器を付けた1000ccの三つ口丸底フラス
コにモノクロル酢酸ナトリウム58g、水400gを入れ、
溶解した。これに、N,N−ジメチルドデシルアミン
(関東化学(株)製試薬)107gを入れ、90〜95℃に加熱
して水不溶物がなくなりほぼ透明になるまで、約6時間
反応させた。冷却後、残留物をフィルターで濾過して目
的物であるドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインの約20
%水溶液を得た。
【0033】化合物G;(ヤシアルキル)−N+(CH3)
2CH2COO- 日本油脂(株)製,「ニッサン アノンBF」(商標名)
を使用した。
【0034】化合物H;(ヤシアルキル)−CONHC
36+(CH3)2CH2COO- 日本油脂(株)製,「ニッサン アノンBDF−R」(商
標名)を使用した。
【0035】 化合物I;C1225+(CH3)2CH2CH2SO3 - 冷却器および攪拌器を付けた1000ccの三つ口丸底フラス
コに2−クロロエタンスルフォン酸ナトリウム(Aldri
ch Chem.Comp.)79gをイソプロピルアルコール200g
に溶かして入れた。これにN,N−ジメチルドデシルア
ミン(関東化学(株)製試薬)107gを加え、加熱還流
し、約6時間反応させた。冷却、濾過した後、減圧下、
イソプロピルアルコールおよびN,N−ジメチルドデシ
ルアミンを留去し目的物であるN,N−ジメチル−N−
ラウリル−N−(2−スルホエチル)アンモニウム塩を
得た。
【0036】化合物J;(ヤシアルキル)−CONHC
36+(CH3)2CH2CHOHCH2SO3 - 日本油脂(株)製,「ニッサン アノンCSB−50」(商
標名)を使用した。
【0037】化合物K;
【0038】
【化8】 日本油脂(株)製,「ニッサン アノンGLM−R」(商
標名)を使用した。
【0039】 化合物L;C511(NHC24)2NHCH2COOH 化合物Aと同様にして、塩化ペンチル、ジエチレントリ
アミン及びモノクロロ酢酸ナトリウムより合成した。
【0040】 化合物M;C49+(CH3)2CH2COO- 化合物Fと同様にして、ジメチルブチルアミンとモノク
ロロ酢酸ナトリウムより合成した。
【0041】化合物N;C1225+(CH3)3Cl- 日本油脂(株)製,「ニッサン カチオンBB」(商標
名)を使用した。
【0042】 化合物O;C1837N[(CH2CH2O)10H]2 日本油脂(株)製,「ニッサン ナイミーンS−220」(商
標名)を使用した。
【0043】 化合物P;C919−C64−(CH2CH2O)10H 日本油脂(株)製,「ニッサン ノニオンNS−210」(商
標名)を使用した。
【0044】化合物Q;ミストロンベーパー (株)日本ミストロン製,「ミストロンベーパー」(商標
名)を使用した。
【0045】化合物R;無水マレイン酸−ジイソブチレ
ン共重合体(分子量=約10,000) 日本油脂(株)製,「ポリスターOM」(商標名)を使用
した。
【0046】化合物S;ポリアクリル酸ナトリウム(分
子量=約20,000) 日本触媒(株)製,「アクアリック DL−423」(商標
名)を使用した。
【0047】化合物T;ポリジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライド(分子量=約30,000) CPS Chem.Corp.製,「AGEFLOC WT−40H
V」(商標名)を使用した。
【0048】化合物U;無水マレイン酸−アクリル酸共
重合体(分子量=約4,000) 日本触媒(株)製,「アクアリック TL−224」(商標
名)を使用した。
【0049】化合物V;灯油
【0050】〔テスト−1〕乾燥したLBKP(広葉樹
晒クラフトパルプ)とNBKP(針葉樹晒クラフトパル
プ)を重量比1:1で混合したパルプ50gを水5lに浸
漬し、ほぐした後、ナイヤガラビーターにて、CSF
(カナディアンスタンダードフリーネス)=460ccに離
解した。離解したパルプJ.TAPPI.No.11に従って
ピッチテスターに入れ、40℃で1時間攪拌混合した。金
網に付着したピッチをクロロホルムにて抽出し、濃縮
後、その重量を測定した。これをブランクとした。同様
にして、本発明のピッチコントロール剤をその成分とし
て、パルプに対して0.1重量%添加して、ピッチ付着量
を求めた。その結果を表1、表2に示した。
【0051】〔テスト−2〕新聞紙を抄造している製紙
工場では、従来より、ピッチ分散型の無水マレイン酸−
アクリル酸共重合体(1:1の組成比、分子量10,000)
とピッチ吸着・不粘着型の無機鉱物系のピッチコントロ
ール剤であるミストロンベーパーを併用していたが、抄
紙機のワイヤー、フォイル、フェルト、ロールにピッチ
が付着して断紙が頻発した。そこで、本発明のピッチコ
ントロール剤と従来より使用しているピッチコントロー
ル剤と比較すべく、マシン白水とフォイル、フェルト、
ロールからピッチを採取し試料とした。このピッチをク
ロロホルムにてソックスレー抽出し、その抽出分をクロ
ロホルム:エタノール=2:1混合溶媒に溶かし20%濃
度のピッチ試料とした。200mlのビーカーにマシン白水1
00mlと本発明のピッチコントロール剤をその成分として
100mg入れ、これをミキサー(特殊機化工業(株)製,T
KオートホモミキサーM型)にて9000rpmに攪拌しなが
ら調製したピッチ試料500mgを注入し、さらに1分間攪
拌した。ビーカーおよびミキサーの付着物をクロロホル
ムにて抽出し、付着量を求めた。その結果を表1、表2
に示した。
【0052】〔テスト−3〕雑誌古紙を原料として、ト
イレットペーパーを抄造しているマシンでは、雑誌古紙
中の接着剤に由来する粘着性のピッチが、ワイヤー、ロ
ール、特にフェルトに付着して断紙や穴あきが頻発して
いた。そのため、無機鉱物系のピッチコントロール剤を
原料チェストに添加し、さらにポリジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド・4級カチオン性活性剤系のピッ
チコントロール剤をワイヤーおよびフェルトに噴霧して
いたが、ワイヤー、フェルトを1日に1〜3回洗浄する
必要があり、生産に支障を来していた。そこで、本発明
のピッチコントロール剤の効果を従来品と比較した。こ
のフェルトに付着しているピッチを採取し、クロロホル
ム:エタノール=2:1混合溶媒に分散させ、20%濃度
のピッチ溶液を作り、この溶液500mgをステンレス板
(厚さ0.5mm,縦25mm,横50mm)の片面に均一に塗布
し、乾燥させた後、これをピッチ試料とした。本発明の
ピッチコントロール剤をその有効成分としてマシン白水
200mlに300mgおよび100mg,50mg溶解し、これを300mlの
トールビーカーに入れ、ピッチを塗布したステンレス板
を液中に完全に浸漬させ、水温40℃で30分間攪拌させ
た。その後、ピッチを塗布したステンレス板を取り出
し、その粘着性の低下をASTM D−2979に従ってポ
リケンプローブタックテスターにて評価した。その結果
を表1、表2に示した。なお、表中、○:タック値=0
(粘着性がない)、△:タック値=50gf/cm2未満(粘
着性がわずかにある)、×:タック値=50gf/cm2以上
粘着性がある、を示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1、表2に示したように、本発明の化合
物によって、ピッチの生成およびピッチの付着が抑制さ
れることが判る。
【0056】
【発明の効果】本発明のピッチコントロール剤及びピッ
チコントロール方法により、ピッチのパルプや紙、さら
にファンポンプ、配管内、チェスト、ワイヤー、フェル
ト、ロール等の製造装置類への付着および後に付着物が
剥離してパルプや紙への再付着等による紙の汚点・欠点
がなくなり、製品品質が向上し、断紙がなくなり生産性
・作業性が向上するなど、ピッチ障害が改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 17/07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I), (II), (III)で表される両性
    界面活性剤のうち1種または2種以上を有効成分として
    含有することを特徴とするパルプあるいは紙の製造工程
    に使用されるピッチコントロール剤 【化1】 【化2】 【化3】 ここで、 R1は、炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又
    はアルケニル基 R2は、水素又は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖の
    アルキル基もしくはアルケニル基 R3,R6は、いずれも炭素数6〜30の直鎖もしくは分岐
    鎖のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数8〜18
    の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と炭素数1〜3のアルキルア
    ミンからなる脂肪酸アミドアルキル基 R4,R5は、いずれも水素、メチル基、エチル基、また
    はヒドロキシエチル基 X1は、メチレン基あるいはエチレン基 X2は、炭素数1〜6のアルキレン基又はヒドロキシア
    ルキレン基 Y1,Y2およびY3は、いずれも−COO又は−SO3 m,nは、いずれも0〜3の整数をそれぞれ表す
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される両性界面活性剤
    が、アルキルグリシン型両性界面活性剤又はアルキルア
    ラニン型両性界面活性剤であることを特徴とする請求項
    1記載のピッチコントロール剤
  3. 【請求項3】パルプまたは紙を製造する工程において、
    請求項1又は請求項2記載のピッチコントロール剤を有
    効成分としてパルプに対して0.001〜2重量%添加する
    ことを特徴とするピッチコントロール方法
  4. 【請求項4】 パルプまたは紙を製造する工程におい
    て、ピッチが付着する製造装置に請求項1又は請求項2
    記載のピッチコントロール剤を噴霧することを特徴とす
    るピッチコントロール方法
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526409A (ja) * 2004-03-03 2007-09-13 ナルコ カンパニー 抄紙機ベルト調整機構、装置及び方法
WO2018100759A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 株式会社メンテック 汚染防止剤組成物
JP2019218650A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 栗田工業株式会社 ピッチコントロール剤及びピッチコントロール方法

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WO2018100759A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 株式会社メンテック 汚染防止剤組成物
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