JPH06192878A - ガリウム金属の精製用電解槽 - Google Patents

ガリウム金属の精製用電解槽

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JPH06192878A
JPH06192878A JP34468192A JP34468192A JPH06192878A JP H06192878 A JPH06192878 A JP H06192878A JP 34468192 A JP34468192 A JP 34468192A JP 34468192 A JP34468192 A JP 34468192A JP H06192878 A JPH06192878 A JP H06192878A
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JP
Japan
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metal
gallium
gallium metal
electrolytic cell
anode
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Application number
JP34468192A
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English (en)
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Nobuhiro Tanaka
信寛 田中
Nobuo Takahashi
信夫 高橋
Masaki Imamura
正樹 今村
Kaoru Terao
薫 寺尾
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガリウム金属に含まれるインジウム,銅,鉛
などの不純物を効率的に除去し、連続的に、かつ自動的
に水分を含まないガリウム金属を直接回収できる電解槽
を提供することを目的とする。 【構成】 絶縁質よりなる電解槽1の底部に液体状の原
料用ガリウム金属5を入れて陽極側2に接続し、該陽極
よりも高い位置に金属製陰極7を設置し、該陰極の下部
に陽極となる金属5と仕切られた溝状の金属受具6を配
置し,この陰極棒7に析出して金属受具6に滴下した精
製ガリウム金属Sをアンダーフローによって槽外に自動
的に取り出す機構を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガリウム金属に含まれ
るインジウム,銅,鉛などの不純物金属元素の除去、ガ
リウム金属の精製に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子材料の半導体素子として、ガ
リウム−砒素( Ga-As)、ガリウム−燐(Ga-P)などの普及
に伴い、その化合物半導体は、発光, マイクロ波発進素
子として利用されるようになり、ガリウムの需要が増加
している。ガリウムは、単独の鉱石としては存在しない
ため、例えば亜鉛や鉛の精錬などからの副産物としてガ
リウムを回収したり、ガリウムを含有するスクラップを
処理してガリウムの生産を行っている。
【0003】一般には、これらガリウムを含む副産物や
スクラップを酸やアルカリの溶液に溶解した後、電解採
取によりガリウム金属を得ている。これら電解液は、溶
解時に酸化剤を含む溶解液を用いるため、インジウム,
銅,鉛などの金属も溶出することが多く、これらの不純
物元素は、電解採取の際にガリウム金属の中に移行して
しまう。
【0004】金属精錬の副産物からのガリウム回収の際
には、多くの金属元素が含まれるから、有機溶剤を使用
して溶媒抽出や、イオン交換樹脂などを使って、各元素
を分離したリ、除去したりすることが多いが、特にスク
ラップからのガリウム金属を回収する場合には、一般に
は溶解後に、そのまま電解採取にかけられることが多い
ため、スクラップ中に含まれるインジウム,銅,鉛など
の金属は、一旦溶解すると除去されることなくガリウム
金属の中に入ってしまう。
【0005】上述のガリウム金属に含まれる不純物元素
は、原料スクラップの種類や溶解の条件によって、必ず
しも電解液中に存在するものではなく、その時の条件で
入ったり、入らなかったりするため、これらの電解液の
精製工程を持つことが有利とは限らない。
【0006】従って、一旦金属に含有された不純物元素
は、単結晶法や、再結晶法の繰り返しにより純度を上げ
ていくことが普通であるが、これらの方法は、条件範囲
が狭く設備が高価であったり、操作を繰り返す必要があ
るため、連続的にすくることが難しく、工数がかかるこ
とや歩留りが悪いなどの欠点があった。
【0007】以上の如く不純物の除去方法について、種
々の実験を試みてその結果、電解精製による方法が、ガ
リウム金属から特にインジウム,銅,鉛などの不純物の
除去に有効であることを見出した。
【0008】ガリウム金属の特色は、その融点が他の金
属に比して極めて低いと云うことである。即ち、ガリウ
ムの融点は29.9℃であり、通常の電解実施の状態では液
体状態を呈するので、電着で得られる精製ガリウム金属
も液体状態であり、カソードから滴下してくる。従っ
て、これらの金属は、電解槽の底に位置することにな
り、精製金属と原料用金属とを分離する事と、精製金属
を電解槽の底部から取り出す手段が必要となってくる。
【0009】このように、通常の電解精製のように、ア
ノードを整形することが困難で、また、電解槽の深さを
深くして電流の増加を図ることも有効ではない。
【0010】更には、金属を取り出すには、通常停電す
ることが必要である。ガリウム金属の電解採取では、停
電なしで底からコックなどを緩めることによって抜き出
す方法もあるが、多少の人手を要することや、電解液と
金属とを上手に分離することは困難である。
【0011】電解液は多くの場合、強いアルカリ性の液
であり、付着したり、目に入ったりすると有害である
他、金属と共に幾らか残った水分は、ガリウム金属の酸
化を進め、著しく外観を損なうため、水分を除去するた
めに、簡易的に、濾紙に吸わせたり分液ロートで分離す
ることなどが必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、ガ
リウム金属は融点が低く、電解中は液体状態であるた
め、一般の電解精製とは異なった電極の配置や、精製金
属の取り出しを必要とし、さらに、出来るだけ電解を中
断することなく、人手をかけないで、かつできるだけ精
製金属を良好な状態で得ることが望ましい。
【0013】本発明は、以上のように工程的な困難さ
や、問題点を解決すべく、ガリウム金属に含まれるイン
ジウム,銅,鉛などの不純物を効率的に除去し、連続的
に、かつ自動的に水分を含まないガリウム金属を直接回
収できる電解槽を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】電解槽を塩ビ等の電気の
不伝導部材で形成し、ガリウム金属を溶融した状態で電
解槽の底部に入れ、このガリウム金属に電気の導体を設
置する。この場合、導体から電気が流れないようにする
必要がある。これは導体が陽極となって酸素が発生し、
ガリウム金属が電気化学的に溶解しなくなるのを防止す
るためである。
【0015】電解槽の底部から側壁を貫通する溝を設け
て精製金属受具とし、徐々に上り勾配となっている外部
の金属取出筒に連結する。この金属受具の上方にチタン
棒などの陰極を配置する。金属取出筒の高さは、金属取
出筒に溜まった金属の重さ(金属の比重と高さの積)
が、金属受具の金属重量と電解液重量の和に等しくなる
ように設定する。この電解槽に用いる電解液は特に純度
の高い金属を望む場合には、ガリウム金属を溶解して作
ることが望ましい。
【0016】以上のように、本発明によるガリウム金属
精製用電解槽は、絶縁質よりなる電解槽の底部に液体状
の原料用ガリウム金属を入れて陽極に接続し、該陽極よ
りも高い位置に金属製陰極を設置し、該陰極の下部に陽
極金属と仕切られた溝状の金属受具を配置し,この金属
受具に滴下した精製ガリウム金属をアンダーフローによ
って槽外に自動的に取り出す機構を備えたことを特徴と
する。
【0017】
【作用】通電することによって陽極の原料用金属からガ
リウム金属が電気化学的に溶解する。この場合、ガリウ
ムより化学的に貴な金属であるインジウム、銅、鉛など
は電解液には殆ど溶解しないで、陽極の金属中に残留す
る。従って、電解液の中にはインジウム,銅,鉛などが
殆ど溶存しないので、ガリウム金属以外の溶存金属が陰
極棒に析出されることがなく、析出されたガリウム金属
中に入り込むインジウム、銅、鉛などの不純物の量は格
段と減少することになる。
【0018】この陰極に析出された金属は、電解槽の下
部に滴下するので、原料用金属と混ざらないように設け
られた金属受具に溜め、滴下した分だけアンダーフロー
によって自動的に系外に流出し、これを容器で受け精製
ガリウム金属を得る。
【0019】電解液は、精製ガリウム金属で塞き止めさ
れているので、系外に流失することはなく、また電解に
よって得られたガリウム金属に含まれる水分も上に抜け
るので、抜き口より得られる金属は、電解液や水分を殆
ど含まない状態で得ることができるので、特別な除水工
程を必要としない。
【0020】
【実施例】図1は、本発明によるガリウム金属の精製用
電解槽の概念構成を示す。1は塩ビ製の内法20cm×30cm
の電解槽で底面にはチタン板などの陽極導体2が敷かれ
ている。陽極導体2は一側壁に張られた絶縁板3によっ
て絶縁保護されて槽外にある直流電源4の陽極に接続さ
れている。電解槽1の底部には液体状の原料用ガリウム
金属5が入れられる。
【0021】6は電析する精製ガリウム金属Sを受ける
塩ビ製の内法 3cm×24cmの溝型の受具であって、電解槽
1の略中央位置には配置され、長手の一端は電解槽1に
穿設された丸穴1aに連結しており、他端は塩ビ板で塞
がれている。また、受具6の底部は、電解槽1の外側へ
向けて低く傾斜が付けられており、金属が外側へ流れ易
いようになっていると共に、この受具部分に金属が溜ま
るのを防止している。
【0022】7は複数(図では4本)のチタン製丸棒の
陰極棒であって、電解槽1と受具6の両蓋を貫通して直
立して等間隔に配置され、上端は直流電源4の陰極へそ
れぞれ接続されている。
【0023】8は電解槽1の丸穴1aに挿入された金属
取出筒であって、電解槽1側から外方へ向けて上り勾配
になっている。金属取出筒8の先端から滴下する精製金
属はガラスの容器10に収容される。
【0024】以上のような電解槽1を用いてガリウム金
属の電解精製を行った。先ず、ガリウム金属をH2O2とNa
OHで溶解、調整して作った高純度の電解液Dを電解槽1
に入れて、電流 30Aを通電した。
【0025】電解開始時の電解液Dは、Ga:41g/L, NaO
H:131g/L であり、液中のInなどの不純物元素は1 mg/L
以下であった。
【0026】この電解液Dのガリウム含有量は電解が進
行するに従って徐々に上昇し、フリーのNaOH濃度は徐々
に減少した。途中、金属受具6に溜まるのを待って、図
示しない抜き口の栓を抜いた。その後は精製金属が金属
取出筒8中に押し出されるのを容器9に回収した。ここ
では容器9を3回取り替えて回収した。電解槽1に最初
に入れた陽極の原料用ガリウム金属は約4kgで、その
後、2回500gづつ補給した。これらは若干インジウ
ム,銅,鉛などの不純物を含む4N級のガリウム金属で
あった。最終的に陽極の金属が少なくなり、電圧が上昇
してきたため電解を終了した。
【0027】以上の電解精製により得られたガリウム金
属は、合計で略2.5kg であった。また、他の不純物元素
とも電着金属には殆ど移行せず、残留金属中に濃縮して
いることが判る。得られた精製ガリウム金属は6N級の
ものであった。表1に分析値を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上に述べたような、電解槽を用いるこ
とによって、連続的に高純度のガリウム金属を良好な状
態で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガリウム金属の精製用電解槽の概
念を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2 陽極導体 3 絶縁板 4 直流電源 5 原料用ガリウム金属 6 金属受具 7 陰極棒 8 金属取出筒 9 ガラス容器 D 電解液 S 精製金属

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁質よりなる電解槽の底部に液体状の
    原料用ガリウム金属を入れて陽極に接続し、該陽極より
    も高い位置に金属製陰極を設置し、該陰極の下部に陽極
    金属と仕切られた溝状の金属受具を配置し,この金属受
    具に滴下した精製ガリウム金属をアンダーフローによっ
    て槽外に自動的に取り出す機構を備えたことを特徴とす
    るガリウム金属精製用電解槽。
JP34468192A 1992-12-24 1992-12-24 ガリウム金属の精製用電解槽 Pending JPH06192878A (ja)

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JP34468192A JPH06192878A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 ガリウム金属の精製用電解槽

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JPH06192878A true JPH06192878A (ja) 1994-07-12

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ID=18371158

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JP34468192A Pending JPH06192878A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 ガリウム金属の精製用電解槽

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JP (1) JPH06192878A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014105345A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ガリウムの回収方法
JP2015516514A (ja) * 2012-05-16 2015-06-11 ライナス サービシズ プロプライエトリィ リミテッド 希土類金属の製造用電解セル

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