JPH06192753A - 化学的方法 - Google Patents

化学的方法

Info

Publication number
JPH06192753A
JPH06192753A JP5136247A JP13624793A JPH06192753A JP H06192753 A JPH06192753 A JP H06192753A JP 5136247 A JP5136247 A JP 5136247A JP 13624793 A JP13624793 A JP 13624793A JP H06192753 A JPH06192753 A JP H06192753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
zinc
metal
compound
extractant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5136247A
Other languages
English (en)
Inventor
John Campbell
ジョン・キャンベル
Raymond F Dalton
レイモンド・フレデリック・ダルトン
Peter M Quan
ピーター・マイケル・クワン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Syngenta Ltd
Original Assignee
Zeneca Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB929211906A external-priority patent/GB9211906D0/en
Priority claimed from GB939302332A external-priority patent/GB9302332D0/en
Application filed by Zeneca Ltd filed Critical Zeneca Ltd
Publication of JPH06192753A publication Critical patent/JPH06192753A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/38Phosphonic acids [RP(=O)(OH)2]; Thiophosphonic acids ; [RP(=X1)(X2H)2(X1, X2 are each independently O, S or Se)]
    • C07F9/44Amides thereof
    • C07F9/4461Amides thereof the amide moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic
    • C07F9/4484Compounds containing the structure C-P(=X)(N-acyl)-X, C-P(=X)(N-heteroatom)-X or C-P(=X)(N-CN)-X (X = O, S, Se)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/22Amides of acids of phosphorus
    • C07F9/24Esteramides
    • C07F9/2454Esteramides the amide moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic
    • C07F9/2479Compounds containing the structure P(=X)n-N-acyl, P(=X)n-N-heteroatom, P(=X)n-N-CN (X = O, S, Se; n = 0, 1)
    • C07F9/2495Compounds containing the structure P(=X)n-N-acyl, P(=X)n-N-heteroatom, P(=X)n-N-CN (X = O, S, Se; n = 0, 1) containing the structure P(=X)n-N-P (X = O, S, Se; n = 0, 1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/30Phosphinic acids [R2P(=O)(OH)]; Thiophosphinic acids ; [R2P(=X1)(X2H) (X1, X2 are each independently O, S or Se)]
    • C07F9/36Amides thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B19/00Obtaining zinc or zinc oxide
    • C22B19/20Obtaining zinc otherwise than by distilling
    • C22B19/26Refining solutions containing zinc values, e.g. obtained by leaching zinc ores
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B3/00Extraction of metal compounds from ores or concentrates by wet processes
    • C22B3/20Treatment or purification of solutions, e.g. obtained by leaching
    • C22B3/26Treatment or purification of solutions, e.g. obtained by leaching by liquid-liquid extraction using organic compounds
    • C22B3/38Treatment or purification of solutions, e.g. obtained by leaching by liquid-liquid extraction using organic compounds containing phosphorus
    • C22B3/386Polyphosphoric oxyacids, or derivatives thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属塩の水溶液を式 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して任意に
置換されたヒドロカルビル若しくはヒドロカルビルオキ
シ基を意味するかまたはR1とR2は結合したリン原子と
一緒になっておよび/またはR3とR4は結合したリン原
子と一緒になって5から8員の複素環を形成する)で示
される化合物からなる有機相と接触させることからなる
金属塩水溶液から金属、特に亜鉛を抽出する方法。 【効果】 上記方法は、鉄を含有する溶液から他の金属
(特に亜鉛)を選択的に抽出する場合に極めて効果的な
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学的方法、更に詳細に
は金属塩の水溶液から金属(metal value
s)を抽出する溶媒抽出方法、そして更には該方法に使
用することができる金属抽出剤(metal extr
actants)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属鉱石から金属を湿式冶金的に回収す
るために溶媒抽出技術を使用することが長年商業的に実
施されている。一般的にこの技術は、例えば粉砕鉱石を
酸で処理して得られた金属塩の水溶液を、金属とコンプ
レックスを形成する有機抽出剤の水非混和性有機溶媒
(water−immiscible)溶液と接触さ
せ、そして金属を非水性相に抽出することに係わるもの
である。次いで、金属は更なる抽出工程によって回収す
ることができ、その際金属コンプレックスを含有する有
機溶液は、コンプレックスを分解して金属を水性相に抽
出させ得る試薬、通常は強酸を含有する他の水性相と接
触させ、金属はこの水性相から適当な方法、例えば電解
採取によって回収することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属は通常他の金属と
一緒に鉱石中に存在するので、有機抽出剤が存在する他
の金属からある程度の分離を達成するように所望の金属
を選択的に抽出することが必須である。選択的な抽出剤
は、或る金属、例えば銅については知られており、そし
てこれらを使用することは良く確立されている。亜鉛用
の適当な選択的抽出剤の調査は殆ど成功していない。
【0004】リン酸基を有する抽出剤、特にジ(2−エ
チルヘキシル)リン酸(D2EPHA)を使用すること
が提案されている。A. セルケ(Selke)および D. ド
ジュアン ガルシア(de Juan Garcia)の論文「冶金産
業における生産性と技術」、695〜703頁、M. コッホ(K
och)および J.C. テーラー(Taylor)編、参照。しか
し乍ら、セルケ等の論文から明らかなように、第二鉄が
亜鉛と一緒に抽出される。有機溶液中に第二鉄が蓄積す
るのを防ぐためには、亜鉛の回収に使用されるその後の
取り出し(ストリップ)段階で有機溶液から鉄を除去す
ることが必要である。この別個の取り出し段階で、有機
溶液を5から6モルの塩酸と接触させて塩酸中に塩化第
二鉄を生じさせる。塩酸中の塩化第二鉄をリン酸トリブ
チル含有有機溶液と接触させる更なる段階によって遊離
塩酸を回収し、水を使用して上記有機溶液から塩化第二
鉄を取り出す。鉄の除去に必要な追加的段階は方法が複
雑となり費用がかさむので好ましくない。
【0005】亜鉛抽出剤としてのビス(2,4,4−ト
リメチルペンチル)モノチオホスフィン酸の作用は C.
カラバカ(Caravaca)および F.J. アルグアシル(Algu
acil)(Hydrometallurgy、27、1991、327〜338)によ
って研究され、彼等は比較的酸性のpH値(ほぼ1.0)
で抽出される亜鉛の割合が鉄の割合より僅かに高いこと
を見い出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】アミドビス(チオホスホ
リル)基を有する化合物は、特に鉄を含有する溶液から
他の金属の分離用の優れた金属抽出剤であることがここ
で見い出された。特に、アミドビス(チオホスホリル)
化合物は亜鉛(II)および鉄(III)イオンの両者を含
有している酸性水溶液から亜鉛を選択的に抽出するのに
非常に有効であることが見い出された。アミドビス(チ
オホスホリル)化合物の或るものは強力な抽出剤である
ことも見い出された。即ち、それらはコンプレックス形
成反応によって遊離されたプロトンを中和するために塩
基の添加を必要とすることなく2未満のpH値の水溶液
から亜鉛を抽出する。
【0007】従って、本願発明は金属塩の水溶液を式:
【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して任意に
置換されたヒドロカルビル若しくはヒドロカルビロキシ
基を意味するかまたはR1とR2は結合したリン原子と一
緒になっておよび/またはR3とR4は結合したリン原子
と一緒になって5から8員の複素環を形成する)で示さ
れる化合物からなる有機相と接触させることからなる金
属塩の水溶液から金属を抽出する方法を提供する。
【0008】式Iの化合物の構造はこれら化合物が1つ
より多い互変異性体で存在できるようなものであり、そ
のようなもう1つの異性体は:
【化4】 (式中、R1〜R4は既に定義したとおりである)で示さ
れる構造を有する。本発明は式Iの化合物を参照して本
明細書に記載しているが、本発明はこれら化合物の可能
な任意の互変異性体に関するものであると理解すべきで
ある。
【0009】R1、R2、R3およびR4で表わされる任意
に置換されたヒドロカルビルおよび任意に置換されたヒ
ドロカルビロキシ基は、任意に置換されたアルキル、ア
ルコキシ、アリールおよびアリールオキシ基からなって
おり、これらの任意の組合せ、例えば任意に置換された
アラルキルおよびアルカリール(alkaryl)基を
含む。
【0010】R1、R2、R3およびR4で表わされる任意
に置換されたアルキルおよびアルコキシ基の例として
は、アルキルまたはアルコキシ部分が各々1から20
個、例えば1から10個の炭素原子を有する基を挙げる
ことができる。任意に置換されたアリールおよびアリー
ルオキシ基の例としては、任意に置換されたフェニルお
よびフェノキシ基を挙げることができる。
【0011】R1およびR2が結合したリン原子と一緒に
なっておよび/またはR3およびR4が結合したリン原子
と一緒になって形成され得る複素環の例としては、R1
とR2が一緒になっておよび/またはR3とR4が一緒に
なって次の構造:
【化5】 (式中、X1およびX2は各々独立してOまたはSを表わ
し、そして1個またはそれ以上の炭素原子は任意に置換
基を有することができる)を有する環を挙げることがで
きる。
【0012】R1、R2、R3およびR4のいずれかが置換
したヒドロカルビルまたはヒドロカルビルオキシ基であ
るとき或いは誘導された複素環が置換基を有するとき、
上記置換基は式Iの化合物が金属、特に亜鉛とコンプレ
ックスを形成する能力に悪い影響を与えないようなもの
である。適当な置換基にはハロゲン、ニトロ、シアノ、
ヒドロカルビロキシ、ヒドロカルビロキシカルボニル、
アシルおよびアシルオキシがあり、そして1つより多い
置換基が存在することができ、その場合には置換基は同
一または異なっていることができる。
【0013】本発明の方法で使用される式Iの化合物の
好ましいクラスには、R1、R2、R3およびR4が各々ア
ルキル基、特に第二アルキル基である化合物が含まれ
る。好ましい溶媒中での良好な溶解性は、R1、R2、R
3およびR4が総計で少なくとも16個、好ましくは少な
くとも20個の飽和脂肪族炭素原子を有するときに提供
される。この目的では、フェニルまたはフェノキシ基は
約2個または3個の飽和脂肪族炭素原子と等価であると
考えることができる。式Iの特に好ましい化合物では、
1、R2、R3およびR4は各々2−ペンチルである。
【0014】驚いたことには、亜鉛の抽出に関して、抽
出剤の強さはリンとの結合点でアルキル基の枝分かれが
増加するにつれて上昇することが見い出された。かくし
て、R1〜R4が全て第一アルキル基である場合、抽出剤
は弱く、2未満のpH値での亜鉛の抽出が低いことを示
している。R1〜R4が2−ブチルまたは2−ペンチル基
のような第二アルキル基である場合、或いはR1および
3は第一アルキル基であるがR2およびR4がtert−ブ
チルのような第三アルキル基である場合、抽出剤は満足
できる強さを有している。R1およびR3が第二アルキル
でありそしてR2およびR4が第三アルキルである場合、
抽出剤は非常に強力であり、そして抽出剤から金属を取
り出すことが一層困難になる。製造が容易なように、R
1はR2と同一でありそしてR3はR4と同一であることが
好ましく、そしてR1〜R4はシクロヘキシルまたは置換
シクロヘキシル、ノルボルニルおよび特に2−ペンチル
のような第二アルキル基であることが特に好ましい。
【0015】式Iの化合物の第2の好ましいクラスはR
1〜R4のうち少なくとも1つ、そして殊に少なくとも2
つは任意に置換されたフェノキシ基、特にアルキル置換
フェノキシ基であり、その際アルキル基は2−tert−ブ
チル−4−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノ
キシおよび2,4−ジメチルフェノキシのような1から
20個、例えば1から10個の炭素原子を有している。
このグループの化合物、特にR1〜R4の4つが全て任意
に置換されたフェノキシ基であるサブグループは合成が
容易でありそしてそれらが一般的に等価のアルキルおよ
びアリール置換化合物の或るものより抽出速度が速いと
いう両方の理由により好ましい。
【0016】式Iの化合物は式A、B、CまたはDの塩
化リン化合物から得ることができる。
【0017】
【化6】 1〜R4が同一のアルキルまたはアリール基であると
き、式AまたはBのクロロ化合物は、ロバート(Rober
t)D. ベーレマン(Bereman)等、J. Am. Chem. Soc.、
98、7266、1976によって記載されているようにしてヘサ
メチルジシラザンと、次いで硫黄と反応させることがで
きる。
【0018】
【化7】 或いは、式CまたはDのクロロ化合物は過剰のアンモニ
アと反応させてホスホラミド、Eを生じさせることがで
きる。
【0019】
【化8】 1およびR2がアルキルまたはアリール基であるとき、
アミドを加熱してアンモニアが除去された必要な生成物
を生じさせることができる。しかし乍ら、特にR1また
はR2またはR3またはR4がアルコキシまたはアリール
オキシ基であるとき、アミドEを強塩基の存在下でクロ
ロ化合物CまたはDと反応させることが好ましい。
【0020】
【化9】 アミド(E参照)の製造についての指示や酸化類似体に
ついてのクロロ化合物との反応は L. メズニック(Mezn
ik)および A. マラセック(Maracek)、Z. Chem.、21
(8)、259頁(1981)によって与えられているが、より
満足できる反応条件を本明細書で提供する。
【0021】クロロ化合物A〜Dの一般的な製造方法は
当該技術分野で良く知られており、例えば、R1〜R4
アルキルまたはアリール基であるとき、W. ボスキル(V
oskuil)および J.F.アレンズ(Arens)、Rec. Trav. C
him.、82、302(1963)によって記載されているように
してグリニャール試薬を三塩化リンと反応させることが
できる(必要な場合には2段階で、置換基混合生成物を
得る):
【化10】 或いは、3当量のグリニャール試薬をジアルキルホスフ
ィットと反応させてジアルキルホスフィンオキシドを得
ることができ、これはロバート(Robert)Hウイリアム
ズ(Williams)およびリル(Lyle)A ハミルトン(Ham
ilton)、J.Am. Chem. Soc.、74、5418、1952によって
記載されているようにして三塩化リンと反応させて酸ク
ロリドに変換される。
【0022】
【化11】 有用で利用可能な式AまたはBの化合物にはクロロジフ
ェニルホスフィンが含まれる。
【0023】R1およびR2がアルコキシまたはアリーロ
キシである式CおよびDの化合物を製造するためには、
ジョン(John)H. フレッチャー(Fletcher)等、J. A
m. Chem. Soc.、72、2461、1950によって記載されてい
るようにしてジチオリン酸を塩素またはスルフリルクロ
リドと反応させることができる:
【化12】 1〜R4がアルコキシまたはアリーロキシ基である場
合、上記反応に使用される広範囲のジチオリン酸は、酸
受容体の存在下で適当なアルコールまたはフェノールと
五硫化リンかまたはチオホスホリルクロリドかのいずれ
かとの反応によって製造することができる。
【0024】
【化13】 N.A. マインハルト(Meinhardt)、S.Z. カルドン(Car
don)および P.W. フォーゲル(Vogel)、J. Org. Che
m.、25、1991(1960)並びにJ.H. フレッチャー等、J.
Am. Chem. Soc.、70、3943(1948)参照。
【0025】R1がフェニルでありそしてR2がアリール
オキシである式Cの化合物はC65PSCl2をフェノー
ルと反応させて得ることができる。
【0026】R1〜R4がアルキルまたはシクロアルキル
残基を含むヒドロカルビル基である式CおよびDの上記
化合物は、ホスフィンとハロゲン化アルキルとの反応に
よってかまたは、好ましくは或る種のオレフィンへのホ
スフィンのラジカル触媒付加によって第2級ホスフィン
を形成させ、次いでこれを対応するジチオホスフィン酸
を経由して式CおよびDの化合物に変換される反応によ
って製造することができる。R1〜R4が第二アルキル基
である構造CおよびDを提供するためには、末端炭素原
子に二重結合がないオレフィンを使用することが好まし
い。オレフィン付加は次のように表わすことができ、そ
の際R5およびR6はアルキル基である:
【化14】 オレフィンとホスフィンとの反応は典型的には、アゾビ
ス−イソブチロニトリルのような遊離ラジカル触媒の存
在下約80〜150℃の温度で実施される。反応条件、オレ
フィンの構成および反応剤の化学量論的比率に従って、
主要生成物は第一または第2級ホスフィンである。所望
の場合、第1級ホスフィンを種々のオレフィンと反応さ
せて2つの異なるアルキル基を有する第2級ホスフィン
を生じさせることができる。適当なオレフィンの例には
2−ブテン、2−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、
2−オクテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、1,5
−シクロオクタジエン(これはホスフィンと反応して優
先的に9H−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナンお
よび9H−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナンを与
える)、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン
およびジシクロペンタジエンがある。市販で入手可能な
オレフィンの混合物は特に有用である。
【0027】本発明の方法で使用される有機相には典型
的に、水非混和性の不活性有機溶媒、即ち抽出条件下で
不活性で且つ式Iの抽出剤化合物とその金属コンプレッ
クスの良好な溶媒である水非混和性有機液体が含まれ
る。
【0028】本発明の方法は、金属鉱石からまたは他の
金属含有供給源から金属を回収する広範囲の種々の方法
に導入することができると考えられる。これら方法の詳
細は関連する金属並びに浸出溶液の性質および組成に従
って変化する。硫酸塩浸出溶液に特に適する包括的な方
法は熟練者に周知の操作を使用して行うことができる。
【0029】本発明の方法は典型的には、金属を有機溶
液に抽出し、水性相に取り出し、そして任意の適当な手
段によって、例えば電解採取によって水性相から回収す
る一連の段階からなっている。
【0030】かくして、本発明の格別の特徴として、
(1)金属を含有する水溶液を式Iの抽出剤化合物の水
非混和性有機溶媒溶液と接触させ、それによって金属を
金属と抽出剤とのコンプレックスの形態で溶媒中に抽出
し、(2)金属コンプレックスを含有する溶媒相を抽出
された水性相から分離し、(3)金属コンプレックスを
含有する溶媒相を水性ストリップ溶液(aqueous
strip solution)と接触させ、それに
よって金属コンプレックスが不安定となりそして金属イ
オンが水性相に移動する、そして(4)金属イオンを含
有する水性相をストリップされた溶媒相から分離する、
ことからなる一連の段階によって水溶液から金属を抽出
する方法が提供される。
【0031】本発明の方法は、有機相中で式Iの化合物
と安定なコンプレックスを形成し得る任意の金属を水溶
液から抽出することに適用することができる。本方法は
亜鉛塩の水溶液、特に亜鉛鉱石の酸浸出によって得られ
る溶液から亜鉛を溶媒抽出するのに特に適している。し
かし乍ら、pH2およびそれ未満のpH値を有する酸性
溶液から抽出できる他の金属の例はビスマス、カドミウ
ム、銀、水銀および銅であるがより高いpH値では他の
金属も抽出することができる。
【0032】上記方法の操作段階(1)において、使用
される式Iの抽出剤化合物の量は水溶液中の金属塩の濃
度に依存し、そして更にまたプラントの設計にも依存す
る。しかし乍ら、有機溶液dm3(リットル)当たり5
gから300gの式Iの化合物を使用することが好まし
い。より高い濃度を使用できるが、好都合に取り扱うに
は有機相の粘度が高くなりすぎる傾向がある。より低い
濃度も使用できるが、不必要に大量の溶媒を使用するこ
とになる。
【0033】1dm3当たり1gまたはそれ以上の亜鉛
のような金属を含有する水溶液で使用するためには、有
機溶液dm3当たり20から200gまでの式Iの化合物を使
用することが好ましい。所望の場合、式Iの化合物は抽
出法でその挙動を修正する試薬、例えばアルコールまた
はエステルと一緒に使用することができ、これらは式I
の化合物の10重量%から200%まで、特に20重量%から1
00%までの量で使用することができる。式Iの純粋な化
合物の或るものについては、亜鉛が抽出される速度はか
なり遅いがこの速度を上昇させるために広範囲の化合物
を1.0%およびそれ未満の量で添加することができるこ
とが見い出された。有用な速度上昇添加剤には、亜鉛の
抽出剤であることが知られておりそして有機相に可溶性
の化合物が含まれるが、迅速な抽出速度を有するものに
はR1〜R4がアリールオキシまたはアルキルオキシ基を
有する式Iの化合物が含まれる。この面で有効であるこ
とが明らかとなった他の化合物はリン酸のエステル(例
えば、DEHPA)のような他の既知の亜鉛抽出剤、そ
して特に有機相に可溶性のアルキルおよびアリールスル
ホン酸のような金属イオンを移送できる界面活性剤であ
る。
【0034】上記方法の段階(1)および(2)は周知
の慣用の溶媒抽出技術を使用して好都合に実施すること
ができる。典型的には、金属を含有する水溶液と有機相
とを水溶液から金属を実質的に抽出できるほど十分な時
間1段階若しくは多数段階であるが好ましくは連続的に
良く接触させ(例えば、適当な容器中で2つの相を一緒
に撹拌することによって)、次いで2つの相は任意の慣
用の方法で分離される。抽出は、操作的に好都合である
場合には例えば100℃までであるが好ましくは50℃未満
の幾分より高い温度を使用することができるが、通常は
周囲温度で行われる。
【0035】抽出に使用できる有機溶媒には、水と非混
和性でありそして抽出条件下で存在する他の材料に不活
性である任意の流動性有機溶媒または溶媒混合物が含ま
れる。適当な溶媒の例には脂肪族、脂環式および芳香族
炭化水素並びにこれらの任意の混合物、並びにトリクロ
ロエチレン、パークロロエチレン、トリクロロエタンお
よびクロロホルムのような塩素化炭化水素が含まれる。
好ましい溶媒は炭化水素溶媒であり、それらにはエクソ
ン(Exxon)から市販で入手可能なソルベッソ(SOLVESS
O)150(SOLVESSOは商標である)およびトリメチルベン
ゼンの混合物から本質的になっておりインペリアル ケ
ミカル インダストリーズ(Imperial Chemical Industr
ies)PLC から市販で入手可能なアロマゾール(AROMASO
L)(AROMASOLは商標である)のような芳香族含量が高
い高引火点溶媒が含まれる。しかし乍ら、低毒性および
広範な入手可能性に基づいて特に好ましいものは、ケロ
シンのような比較的芳香族含量の低い炭化水素溶媒、例
えば20%の芳香族、56.6%のパラフィンおよび23.4%の
ナフテンからなる石油蒸留物でありエクソンから市販で
入手可能なエスカイド(ESCAID)100(ESCAIDは商標で
ある)である。
【0036】溶媒抽出を実施する条件は水溶液中に存在
する1つまたは複数の金属に合わせて選択される。水溶
液から実質的に唯一の所望の金属を抽出するために、存
在する他の金属が式Iの化合物と安定なコンプレックス
化合物を形成しないように条件を選択することが一般的
に好ましい。コンプレックスの形成には酸の遊離を伴う
ので、該方法中にpHを所望の範囲内に維持するため
に、例えばアルカリを添加する必要があるが、特に連続
的に操作される方法ではこれは回避することが一般的に
好ましい。鉄が存在していても亜鉛を選択的に抽出する
ことができることが本発明方法の特別の利点である。
【0037】本発明方法の段階(3)および(4)は、
段階(2)で得られた金属コンプレックス有機溶媒溶液
を適当な温度で鉱酸の水溶液と良く接触させ、次いで2
つの相を慣用の方法で分離させることによって好都合に
実施することができる。操作は、操作的に好都合である
場合には幾らかより高い温度、例えば100℃までである
が好ましくは50℃以下の温度を使用することができる
が、通常は周囲温度で行われる。
【0038】段階(3)に使用される水性ストリップ溶
液は好ましくは硫酸を含有し、適当な強度は溶液dm3
当たり100から250gまでの酸である。例えば電気分解に
よって金属の好都合な部分を取り出した後、残存する金
属塩を含有する回収された水性酸は方法の段階(3)で
再度使用することができる。段階(3)で再生された式
Iの抽出剤化合物は再循環して段階(1)で使用するこ
とができる。
【0039】有機相対水性相の適当な相対量は金属抽出
方法で慣用的に使用される相対量であり、そして取り出
し段階では典型的には10:1以下である。式Iの再生化
合物と幾分かの残存金属を含有する取り出された有機層
は方法の段階(1)で再度使用することができる。金属
塩を含有する段階(4)から得られる水性層は任意の慣
用の方法で処理して金属を得ることができる。
【0040】R1=R2=R3=R4=メチル、フェニルま
たはフェノキシである式Iの化合物は文献(Inorg. Che
m.、1980、19、1672〜1680)に報告されているが、溶媒
抽出方法に関連しては報告されていない。式Iの他の化
合物は新規であると思われる。
【0041】従って、更なる特徴において、本発明は
式:
【化15】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して、任意
に置換されたヒドロカルビルまたはヒドロカルビルオキ
シ基を表わすかまたはR1およびR2は結合したリン原子
と一緒になっておよび/またはR3およびR4は結合した
リン原子と一緒になって5または7員の複素環を形成す
る、但しR1、R2、R3およびR4が同一であるときに
は、R1はメチル、フェニルおよびフェノキシのいずれ
でもない)の化合物を提供する。
【0042】本発明の好ましい化合物には、R1、R2
3およびR4が各々分枝アルキル基、特に第二アルキル
基、例えば2−ペンチルである式Iの化合物並びに
1、R2、R3およびR4が総計で少なくとも16個、好
ましくは少なくとも20個の飽和脂肪族炭素原子を有す
る化合物が含まれる。
【0043】本発明の更に好ましい化合物には、R1
4のうち少なくとも1つ、そして特に少なくとも2つ
が任意に置換されたフェノキシ基である式Iの化合物、
更に詳細にはR1、R2、R3およびR4が各々置換された
フェノキシ基、特にアルキル置換フェノキシ基であるよ
うな化合物が含まれる。アルキル置換基は典型的には1
から20個まで、例えば1から10個までの炭素原子を
有することができる。
【0044】本発明は次の実施例によって説明するがそ
れらに限定されるものではない。
【0045】
【実施例1】この実施例は化合物N−(ジフェニルホス
フィノチオイル)−P,P−ジフェニルホスフィノチオン酸
アミド(1)の製造および亜鉛と鉄の分離についての有
用性を説明する。
【0046】採用した一般的な合成方法は F.T. ワング
(Wang)等がシンセティック リアクションズ イン メ
タル−オーガニック ケミストリー(Synthetic Reactio
ns in Metal-Organic Chemistry)、1978、8(2)、119
〜125に記載した方法であり、反応は全て窒素ガス被覆
下で実施するという修正を加えた。アルドリッチ ケミ
カル カンパニー(Aldrich Chemical Company)から得
られる1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(43.6
g)をフルカ ケミカルズ(Fluka Chemicals)から得ら
れるクロロジフェニルホスフィン(120g)のトルエン
(400cm3)撹拌溶液に周囲温度で少しずつ添加した。添
加中に白色固形物の沈殿および僅かな発熱が観察され
た。次いで、反応混合物を撹拌し、そして90℃で3時間
加熱して固形物は全て再溶解させた。副生成物のクロロ
トリメチルシランとトルエンは続いて蒸留して除去し
た。反応混合物を25℃に冷却し、そして撹拌し乍ら元素
状硫黄(17.3g)を少しずつ添加した。添加毎に僅かな
発熱が観察された。硫黄の添加が完了したとき、反応温
度を85〜90℃に上昇させ、そしてこの温度で3時間維持
した後周囲温度(25℃)に冷却した。得られた白色沈殿
はろ過して単離し、ヘキサン(300cm3)で摩砕し、ろ過
し、フィルターケーキをヘキサンで洗浄しそして乾燥し
た。この固形物のマススペクトルおよび酢酸および無水
酢酸中の過塩素酸による滴定によって、このものが95重
量%のN−(ジフェニルホスフィノチオイル)−P,P−ジ
フェニル ホスフィノチオン酸アミド、即ちR1=R2
3=R4=フェニルである式Iの化合物からなることが
確認された。これは更に精製することなく抽出剤として
使用した。
【0047】この化合物(1)が硫酸塩溶液中に亜鉛と
第二鉄イオンの混合物を含有する溶液から亜鉛を選択的
に抽出する能力は以下で試験1と称する次の一般的な方
法によって調べた。
【0048】試験1 pH1.70で5gplの亜鉛および7gplの第二鉄イオンをそ
れぞれ硫酸塩として含有する水溶液を調製した。この溶
液と試験すべき生成物の0.2モル溶液(クロロホルムま
たはエスカイド100中)の等量部を一緒にして1時間激
しく撹拌した。有機相と水性相を分離し、そして有機相
は誘導カップルプラズマ分光光度計法によって亜鉛と鉄
の含量を分析した。結果は表1に示す。
【0049】この結果は、この実施例の生成物が亜鉛を
第二鉄より非常に高い選択性で抽出することを示してい
る。
【0050】抽出が進行して平衡となったとき硫酸亜鉛
の水溶液から抽出できる亜鉛の量は以下で試験2と称す
る次の一般的な方法によって調べた。
【0051】試験2 試験すべき生成物0.2モル溶液はクロロホルムまたはエ
スカイド100(表2に示したとおり)中で調製し、そし
て十分な硫酸を含有する硫酸亜鉛の0.1モル水溶液の等
容量と共に激しく振とうして2.0の初期pHを得た。有
機相と水性相の等量試料を定期的に取り出し、そして水
性相から有機相への亜鉛の移動が時間とともにもはや変
化しなくなるまで水性相は亜鉛に関して分析した。次い
で有機溶液中に抽出された亜鉛濃度を表2に示す。全て
の場合で95%の平衡値は5時間以内に到達した。
【0052】これらの結果はこの実施例の生成物がpH
2で亜鉛の強力な抽出剤であることを示している。
【0053】
【実施例2】この実施例は化合物N−(ジイソプロピル
ホスフィノチオイル)−P,P−ジイソプロピルホスフィノ
チオン酸アミド(2)の製造および有用性を説明する。
上記実施例1に記載した一般的な合成方法に従って、1,
1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(8.1g)を窒素下
90℃でトルエン(50cm3)中クロロジイソプロピルホス
フィン(15.3g)と3時間反応させ、蒸留してクロロト
リメチルシランを除去した。反応混合物を周囲温度(25
℃)に冷却した後、撹拌し乍ら元素状硫黄(3.2g)を
少しずつ添加した。添加が完了したとき、反応温度を90
℃に2時間上昇させ、その後冷却して周囲温度に戻し
た。反応混合物を周囲温度で一夜放置した。得られた白
色沈殿はろ過して単離し、ヘキサンで洗浄し、そして乾
燥した。この固形物のマススペクロルによってこの構造
は、R1=R2=R3=R4=イソプロピルである式Iの化
合物、N−(ジイソプロピルホスフィノチオイル)−P,P
−ジイソプロピルホスフィノチオン酸アミドであること
が確認された。これは更に精製しないで抽出剤として使
用した。
【0054】この生成物の亜鉛用抽出剤としての作用は
実施例1で記載した試験1および2の一般的な方法によ
って調べた。その結果はこの実施例の生成物が鉄の存在
下で亜鉛を選択的に抽出しそしてこの生成物がpH2で
亜鉛の強力な抽出剤であることを示している。
【0055】
【実施例3】2−エチルヘキシルマグネシウムブロミド
溶液は2−エチルヘキシルブロミド(231.6g)とマグ
ネシウム(28.8g)をテトラヒドロフラン(500cm3)に
溶解させることによって通常の方法で調製した。この溶
液を15℃で撹拌し、その間にジブチルホスフィット(7
7.6g)のジブチルエーテル(500cm3)溶液を45分間で
添加した。この溶液を還流下で1時間沸騰させ、次いで
冷却し、そして25%の水性硫酸(500cm3)を温度が15℃
以上に上昇しないような速度で加えた。この混合物を15
分間撹拌して有機相を分離し、そして500cm3の水、水、
15%の重炭酸ナトリウム水溶液および水で連続的に抽出
した。有機溶液を蒸留し、0.1mmの水銀圧で沸点123℃の
ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィンオキシド(58.5
g)を得た。この化合物(57.0g)を三塩化リン(300c
m3)に溶解し、そしてこの溶液を窒素下周囲温度で24時
間撹拌し、次いで2度蒸留して0.2mmの水銀圧で沸点123
℃のクロロビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン(44
g)を得た。この化合物(29.5g)をヘキサメチルジシ
ラザン(8.05g)のトルエン(80cm3)溶液に加え、そ
してこの溶液を撹拌し、クロロトリメチルシランを蒸留
させ乍ら90℃で3時間加熱した。この溶液を20℃に冷却
し、硫黄(3.2g)を加え、そしてこの混合物を再び90
℃で3時間加熱した。これをろ過し、そして溶媒を減圧
下で留去し、N−[ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィ
ノチオイル]P,P−ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィノ
チオン酸アミド(26.0g)を油として得た(31P NMR
(CDCl3中)、マルチプレット 67ppm H3PO4の低磁
場:MS m/z 593)。この化合物は50%のテトラヒドロフ
ラン−水中で水酸化ナトリウムでは滴定できないほど非
常に弱い酸性であったので、滴定は硫酸亜鉛の存在下で
繰り返し、そのとき亜鉛とのコンプレックス形成による
屈折がpH4.8で観察された。この滴定から、純度は分
子量593に基づいて理論値の55%であると計算された。
純度は溶出剤としてヘキサン/酢酸エチルを使用したシ
リカゲル(W.R. Grace Ltd.、等級 SG/62)でのクロマ
トグラフィーによって理論値の80%まで上昇した。
【0056】R1=R2=R3=R4=エチルヘキシルであ
る式Iの上記化合物が亜鉛イオンと第二鉄イオンを含有
する硫酸塩溶液から亜鉛を選択的に抽出する能力は実施
例1に記載した試験1の一般的方法によって調べたが、
その際水溶液のpHは最初に1.9に調整した。これらの
結果は、本実施例の生成物はpH1.9で弱い亜鉛抽出剤
であるが、鉄の存在下で亜鉛を選択的に抽出しそしてエ
スカイド100中で良好な溶解性を有していることを示し
ている。
【0057】
【実施例4】実施例3の方法に従って、出発物質として
1−ブロモペンタン(181.2g)を使用してジ−n−ペ
ンチルホスフィンオキシド(22.4g)を製造し、そして
この化合物を更に三塩化リンと反応させて0.3mmの水銀
圧で沸点88℃のクロロジ−n−ペンチルホスフィンを得
た。この化合物(10.4g)をヘキサメチルジシラザン
(4.02g)の乾燥トルエン(10cm3)溶液に窒素下で加
え、そしてこの溶液をクロロトリメチルシランを蒸留し
乍ら100℃で5時間加熱した。この溶液を25℃に冷却
し、そして硫黄(1.6g)を加えて温度を60℃まで上昇
させた。この溶液を100℃で4時間加熱し、次いで冷却
した。実施例3に記載したとおり作業して、亜鉛の存在
下でも滴定されそして理論値の55%の純度(この場合に
は分子量425に基づいて)を有することが確認された粗
製生成物(10.6g)を得た。溶出剤として酢酸量を増加
させ乍ら(0〜30容量%)ヘキサンを使用したシリカゲ
ルでのクロマトグラフィーによって更に精製して、95%
の純度のN−(ジ−n−ペンチルホスフィノチオイル)−
P,P−ジ−n−ペンチルホスフィノチオン酸アミド(2.4
g)、融点59〜63.5℃を得た(M/S: m/z 426、31P NMR
(CDCl3中)、シングレット 68.3ppm H3PO4の低磁
場)。R1=R2=R3=R4=n−ペンチルである式Iの
化合物は試験1の方法によって試験した。これらの結果
は本実施例の生成物はpH1.7で弱い亜鉛抽出剤である
が鉄の存在下で亜鉛を選択的に抽出しそしてエスカイド
100中で良好な溶解性を有することを示している。
【0058】
【実施例5】テトラヒドロフラン(500cm3)中で2−ブ
ロモペンタン(227.3g、1.5モル)とマグネシウム(3
9.6g)から調製したグリニャール溶液は標準的方法で
評価し、そして1.05モルの臭化2−ペンチルマグネシウ
ムを含有することが確認された。この溶液をジエチルエ
ーテル(250cm3)で希釈し、そして窒素雰囲気中で10℃
に冷却した。ジブチルホスフェート(67.9g、0.35モ
ル)のジエチルエーテル(500cm3)溶液を撹拌し乍ら加
え、その間温度は10〜15℃に維持した。次いで、この溶
液を還流下で10分間沸騰させて反応を完結させた。この
溶液を10℃に冷却し、そして25%の水性硫酸(500cm3
を撹拌し乍ら1時間で加えた。有機相を分離し、そして
水(300cm3量を2回)、10%の水性重炭酸ナトリウム
(300cm3)および水(300cm3量を2回)で連続的に抽出
した。次いでこれを乾燥(硫酸マグネシウム)し、ろ過
し、そして蒸留して0.8mmの水銀圧で沸点110℃のジ−2
−ペンチルホスフィンオキシド(35.0g)を得た。この
化合物を全て22℃で三塩化リン(50cm3)と共に窒素雰
囲気中で撹拌した。1時間後、約20%が未反応であるこ
とがクロマトグラフィーで確認され、三塩化リン(10cm
3)を更に添加し、そして撹拌を更に2時間継続したと
き反応は約95%が完結していた。この溶液を蒸留して、
揮発性のリン化合物、最終的には1.5mmの水銀圧下で沸
点72〜74℃のクロロジ−2−ペンチルホスフィン(27.5
g)を得た。
【0059】クロロジ−2−ペンチルホスフィン(27.0
g)を蒸留用の装置中窒素下で撹拌した。ヘキサメチル
ジシラザン(10.5g)を添加してこの溶液を100℃で18
時間加熱し、この間にクロロトリメチルシランが蒸留さ
れた。この溶液を22℃に冷却し、そしてトルエン(50cm
3)で希釈し、そして硫黄(4.16g)を加えた。硫黄を
添加することによって混合物の温度は80℃に上昇した。
混合物を撹拌し、そして100℃で4時間加熱し、次いで
冷却してろ過した。トルエンを蒸留し、そして最後に残
った痕跡量の揮発性物質は残渣を0.5mmの水銀圧下60℃
で30分間加熱することによって除去した。残渣はN−
(ジ−ペンチルホスフィノチオイル)−P,P−ジ−2−ペ
ンチルホスフィノチオン酸アミド(2.4g)であった
(MS: m/z 426。31P NMR(CDCl3中): マルチプレッ
ト、84.5ppm H3PO4の低磁場)。純度は50%のテトラヒ
ドロフラン−水 溶液に溶解させた試料を0.1Mの水酸化
ナトリウム水溶液を用いてpH9.4で50%中和した酸性
(NHまたはSH)プロトンを滴定することによって測
定した。この方法によって純度は分子量425に基づいて
理論値の85%であることが確認された。R1=R2=R3
=R4=2−ペンチルである式Iの生成物は試験1およ
び2によって亜鉛抽出剤として試験した。それらの結果
はそれぞれ表1および2に示す。これらはこの生成物が
鉄より亜鉛に優れた選択性を有し且つ溶媒エスカイド10
0中で良好な溶解性を有する強力な亜鉛抽出剤であるこ
とを示している。
【0060】
【実施例6】乾燥窒素雰囲気中で撹拌し−25℃から−30
℃の間に維持した三塩化リン(55g)の乾燥ジエチルエ
ーテル(200cm3)溶液に2モルのtert−ブチルマグネシ
ウムクロリドのジエチルエーテル(200cm3、アルドリッ
チ ケミカル カンパニーから供給された溶液)溶液を45
分間で加えた。更に30分後、n−ブチルマグネシウムク
ロリド(200cm3、アルドリッチ ケミカル カンパニーか
ら供給された溶液)の2モル溶液を同じようにして加え
た。懸濁液を−25℃で更に45分間撹拌した後、周囲温度
にさせ、そして最後に還流下で30分間沸騰させ、冷却
し、ろ過して塩化マグネシウムを除去し、そして蒸留し
て15mmの水銀圧下で沸点76〜78℃のn−ブチル−tert−
ブチルクロロホスフィン(30.8g)を得た。
【0061】上記したようにして製造したクロロホスフ
ィン(29.8g)に窒素雰囲気中周囲温度でヘキサメチル
ジシラザン(13.3g)を加え、そしてこの溶液を100℃
で18時間撹拌、加熱してクロロトリメチルシランを留去
した。この溶液を冷却し、そしてトルエン(50cm3)お
よび硫黄(5.3g)を加えて温度を90℃に上昇させた。
溶液を100℃で更に4時間加熱した。溶媒を減圧下で留
去してN−(n−ブチル−tert−ブチルホスフィノチオ
イル)−P−n−ブチル−P−tert−ブチルホスフィノ
チオン酸アミドを得、これを冷却して固化させそしてヘ
キサンから再結晶して3.8gの白色固形物を得た(31
NMR(CDCl3中)、シングレット 89.2ppmH3PO4の低磁
場; この固形物は実質的に純粋な幾何学異性体であると
考えられ、87.7ppmでシングレットを示す第2の異性体
はヘキサン溶液から回収できる)。純度は50%のテトラ
ヒドロフラン−水に溶解させた試料を0.1Mの水酸化ナ
トリウム水溶液を用いて酸性(NHまたはSH)プロト
ンを滴定して測定し、これはpH8.8で50%中和された;
この方法によって純度は分子量369に基づいて理論値の
94.5%であると確認された。R1=R3=n−ブチルであ
りそしてR2=R4=tert−ブチルである式Iの生成物は
試験2によって抽出剤として試験し、表2に示した結果
はこの生成物が強力な亜鉛抽出剤であることを示してい
る。
【0062】
【実施例7】乾燥窒素雰囲気中で撹拌し−25℃から−30
℃の間に維持した三塩化リン(55g)の乾燥ジエチルエ
ーテル(200cm3)溶液にtert−ブチルマグネシウムクロ
リドのジエチルエーテル(200cm3、アルドリッチ ケミ
カル カンパニーから供給されした溶液)の2モル溶液
を45分間で加えた。更に15分後、2−ブチルマグネシウ
ムクロリド(200cm3、アルドリッチ ケミカル カンパニ
ーから供給された溶液)の2モル溶液を同じようにして
加えた。懸濁液を−25℃で更に45分間撹拌した後、周囲
温度にさせ、そして最後に還流下で30分間沸騰させ、冷
却し、ろ過して塩化マグネシウムを除去し、そして蒸留
して15mmの水銀圧下で沸点74℃の2−ブチル−tert−ブ
チルクロロホスフィン(47g)を得た。
【0063】上記したようにして製造したクロロホスフ
ィン(27.1g)に窒素雰囲気中周囲温度でヘキサメチル
ジシラザン(12.1g)を加え、そしてこの溶液を100℃
で24時間撹拌、加熱してクロロトリメチルシランを留去
した。トルエン(50cm3)および硫黄(4.8g)を加え、
そしてこの溶液を100℃で更に4時間加熱した。溶媒を
減圧下で留去して、長く放置すると固化する淡黄色油、
N−(2−ブチル−tert−ブチルホスフィノチオイル)−
P−2−ブチル−P−tert−ブチルホスフィノチオン酸
アミドを得た(31P NMR(CDCl3中)、マルチプレッ
ト 86.0ppm H3PO4の低磁場)。純度は50%のテトラヒド
ロフラン−水に溶解させた試料を0.1Mの水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いて酸性(NHまたはSH)プロトンを
滴定して測定し、これはpH7.7で50%中和された; こ
の方法によって純度は分子量369に基づいて理論値の79
%であると確認された。R1=R3=2−ブチルでありそ
してR2=R4=tert−ブチルである式Iの生成物は試験
2によって亜鉛抽出剤として試験し、表2に示した結果
はこの生成物が溶媒エスカイド100中で良好な溶解性を
有する非常に強力な亜鉛抽出剤であることを示してい
る。
【0064】
【実施例8】乾燥アンモニアガスをジクロロメタン(25
0cm3)中に吹き込んで飽和溶液を得、これを撹拌し乍ら
ジフェニルクロロチオホスフェートを分割して15分間で
加えた。添加が完了した後、2,3分間アンモニアの通
過を継続して反応を確実に完了させた。この混合物をろ
過して塩化アンモニウムを除去し、そして溶媒を留去し
て濃縮してジフェニルチオホスホラミドを得た(7.2
g、融点108〜110℃。MS: m/z 265。31P NMR(CD
Cl3中)、シングレット 59.0ppm H3PO4の低磁場)。
【0065】ナトリウムヒドリド(4.8g)を無水条件
下でジフェニルチオホスホラミド(5.3g)のテトラヒ
ドロフラン(100cm3)撹拌溶液に加えた。水素の発生が
止まったとき、ジフェニルクロロチオホスフェート(5.
7g)を加えた。25℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物
を還流下で4時間沸騰させた。溶媒を減圧下で留去しそ
して残渣をトルエン(100cm3)で抽出した。トルエン溶
液を希塩酸(2M、50cm3量で2回)および水(50cm3
で3回)で連続的に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で留去した。残渣(6.
0g)はヘキサンで摩砕して固化させ、ヘキサンから再
結晶してテトラフェニルチオイミドジホスフェートを得
た(3.6g; 融点103〜105℃; MS、m/e 513、31P NMR
(CDCl3中) シングレット 46.8ppm H3PO4の低磁
場)。純度は50%のテトラヒドロフラン−水に溶解させ
た試料を0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸性
(NHまたはSH)プロトンを滴定して測定し、これは
pH4未満で中和された; この方法によって純度は分子
量513に基づいて理論値の99%であると確認された。R1
=R2=R3=R4=フェノキシである式Iの生成物は試
験1および2によって亜鉛抽出剤として試験し、表1お
よび2に示した結果はそれぞれこの生成物が鉄より亜鉛
に優れた選択性を有する強力な亜鉛抽出剤であることを
示している。
【0066】
【実施例9】チオホスホリルクロリド(17.0g)をトル
エン(250cm3)に溶解しそしてトリエチルアミン(21.5
g)を加えた。この溶液を20℃で撹拌し、そして2,4
−ジメチルフェノール(24.4g)を1時間で分割して添
加した。この混合物を2時間撹拌し、次いで加熱しそし
て80℃で更に2時間撹拌し、次いで冷却し、ろ過してト
リエチルアミン塩酸塩を除去した。トルエンを減圧下で
留去してビス(2,4−ジメチルフェニル)クロロチオホ
スフェートを得た(油、30.6g。31P NMR(CDCl3
中)、シングレット 54.57ppm H3PO4の低磁場)。
【0067】乾燥アンモニアガスをテトラヒドロフラン
(250cm3)中に吹き込んで飽和溶液を得、これを撹拌し
乍らビス(2,4−ジメチルフェニル)クロロチオホスフ
ェート(12.0g)を分割して15分間で加えた。添加が完
了した後、混合物を更に2時間撹拌し、次いでろ過して
塩化アンモニウムを除去し、そして溶媒を留去して濃縮
し、ビス(2,4−ジメチルフェニル)チオホスホラミド
を得た(11.1g。31PNMR(CDCl3中)、シングレッ
ト 59.6ppm H3PO4の低磁場)。
【0068】ナトリウムヒドリド(1.1g)を無水条件
下でビス(2,4−ジメチルフェニル)チオホスホラミド
(6.42g)のテトラヒドロフラン(250cm3)撹拌溶液に
加えた。水素の発生が止まったとき(2時間)、ビス
(2,4−ジメチルフェニル)クロロチオホスフェート
(6.81g)を15分間で添加し、次いで混合物を65℃に加
熱し、そしてこの温度で16時間維持した。混合物を冷却
し、そして少量の酢酸を加えて未反応のナトリウムヒド
リドを全て破壊した。溶媒を留去しそして残渣をヘキサ
ン(250cm3)で抽出した。ヘキサン溶液を希塩酸(2
M、250cm3)、次いで水(200cm3量で3回)で連続的に
抽出し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そして溶媒を減
圧下で留去して濃縮し、粗製のテトラキス(2,4−ジメ
チルフェニル)チオイミドジホスフェートを得た(9.6
g、31P NMR(CDCl3中) シングレット46.9ppm H3P
O4の低磁場、アミドおよびクロロの出発物質に起因して
少しシフトしている)。実施例8と同様に滴定して測定
した純度は分子量625に基づいて理論値の58%であっ
た。粗製生成物そのものを溶媒抽出剤として使用するこ
とができるが、本実施例では、不純物を溶出するためヘ
キサンをそして生成物を溶出するため酢酸エチル/ヘキ
サンを使用してシリカゲル(ダルムシュタットのE メル
ク カンパニー(Merck Company)から供給されたキーゼ
ルゲル 60H)でのクロマトグラフィーによって精製し、
この生成物は84%の理論的純度であることが確認された
(MS: m/z 625)。R1=R2=R3=R4がそれぞれ2,
4−ジメチルフェノキシである式Iの生成物は、鉄より
亜鉛に優れた選択性を有しそしてエスカイド100中で良
好な溶解性を有する強力な亜鉛抽出剤であることを示し
ている。
【0069】
【実施例10】ジエチルクロロチオホスフェート(25.0
4g、アルドリッチ ケミカル カンパニー リミテッドか
ら供給された)をテトラヒドロフラン(250cm3)のアン
モニア飽和溶液に撹拌し乍ら滴加した。撹拌は2時間継
続した。混合物をろ過して沈殿した塩化アンモニウムを
除去し、次いで溶媒を減圧下で留去して濃縮し黄色油と
した(ジエチルチオホスホラミド、21.0g、31P NMR
(CDCl3中)、シングレット、67.4ppm H3PO4の低磁
場)。更に精製しないで、このアミド(8.5g)をテト
ラヒドロフラン(250cm3)に再溶解し、そしてナトリウ
ムヒドリド(20%のトルエン懸濁液で13.2g)を撹拌し
乍ら添加した。水素の発生が止まったとき、ジエチルク
ロロチオホスフェート(9.5g)を15分間で滴加した。
この混合物を65℃で2時間撹拌、加熱し、次いで冷却
し、そしてろ過した。溶媒を減圧下で留去して黄色油を
取得し、これをジクロロメタン(250cm3)に溶解し、そ
して希硫酸(1モル、懸濁液のpHを確実にpH2未満
にするため)と共に撹拌した。有機相を分離し、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で留
去してテトラエチルチオイミドジホスフェートを得た
(11.2g、31P NMR(CDCl3中)、シングレット、5
6.4ppm H3PO4の低磁場)。純度は50%のテトラヒドロフ
ラン−水に溶解させた試料を0.1Mの水酸化ナトリウム
水溶液を用いて酸性(NHまたはSH)プロトンを滴定
して測定し、これはpH6.1で50%中和された。この方
法によって純度は分子量321に基づいて理論値の77%で
あると確かめられた。R1=R2=R3=R4=エトキシで
ある式Iの生成物は試験1および2によって亜鉛抽出剤
として試験し、表1および2に示した結果はこの生成物
が鉄より亜鉛に高い選択性を有する弱い亜鉛抽出剤であ
ることを示している。
【0070】
【実施例11】実施例6および7の方法で、2−ブチル
マグネシウムクロリド(アルドリッチケミカル カンパ
ニーから供給されたジエチルエーテル中2M溶液として
800cm3)を三塩化リン(110g)のジエチルエーテル(4
50cm3)溶液と反応させてジ−2−ブチルクロロホスフ
ィン(77.8g、15mmの水銀柱で沸点84℃)を得、そして
この化合物をヘキサメチルジシラザンおよび硫黄と更に
反応させてN−(ジ−2−ブチルホスフィノチオイル)−
P,P−ジ−2−ブチルホスフィノチオン酸アミドを得た
(融点110〜114℃、31P NMR(CDCl3)、マルチプレ
ット 87.9ppm H3PO4の低磁場)。式Iのこの化合物にお
いては、R1=R2=R3=R4=2−ブチルである。
【0071】銅の商業的方法に使用される抽出試薬で通
常見られる速度によって判断するとき、本発明の化合物
の幾つかによる亜鉛の抽出速度は比較的緩慢であること
が見い出されており、そしてこれは本実施例の化合物に
当てはまる。しかし乍ら、このタイプの化合物による亜
鉛の抽出速度は比較的少量の或る種の添加剤を加えるこ
とによってかなり改善され得ることが見い出されてい
る。この点に関して特に有用な化合物は或る条件下で化
合物自体が迅速に亜鉛を抽出することが知られているも
のであり、そして特に、アルキルおよびアリールスルホ
ン酸のような強力な界面活性特性の抽出剤や有機酸であ
る。
【0072】種々の添加剤の有効性を証明するために、
スクリーニング試験は、抽出方法中に亜鉛が抽出された
ときの水性相のpHの低下速度を監視することに基づい
て組み立てた。試薬(RH)による亜鉛抽出の一般的な
等式は次のように表わすことができる:
【化16】 それ故、水性相中の亜鉛イオンは抽出されると、それら
イオンは抽出剤によって遊離させられたプロトンで置換
される。かくして、pHの低下速度は金属が抽出されて
いる速度の合理的な指標である。pHメーターによる増
幅された電圧出力は縦座標として記録されるように水平
床記録器に適用した。時間は横座標で表わした。有機相
を撹拌した水溶液中に注いだ瞬間に、水平床記録器のチ
ャート紙を動かすモーターがスタートし、そしてpHの
低下が時間の関数として記録された。
【0073】本明細書に記載した全ての速度実験におい
て、pH2.0で5g/lの亜鉛を硫酸塩として含有する水
溶液2部は制御した条件下で以下に記載したようにして
作成した有機抽出剤処方1部と共に激しく撹拌した。
【0074】抽出剤組成物は、上記したようにして製造
したテトライソブチル化合物製品の1:9の比率のクロ
ロホルム:エスカイド100の混合物中の0.1モル溶液(3
6.9g/lに基づいていたが、以下に示すような少量の
添加剤を含有していた。多くの場合において、使用され
る添加剤量は概ね抽出剤濃度の1重量%であることが認
められよう。下記表において、幾つかの添加剤化合物に
関して亜鉛抽出速度を加速する有効性の良好な指標であ
ると考えられる水溶液のpHが2.0の初期pHから1.7お
よび1.6のpH値に低下する時間を我々は記録する。全
ての場合に、少なくとも1時間後に得られた最終pH値
は1.53から1.57の間であり、そしてこれは平衡値に近接
していることが明らかである。
【0075】本実施例で研究した化合物は次のとおりで
あった:
【表1】 結果は下記表に示すとおりである:
【表2】 明らかに、本実施例で試験した添加剤は全て、pHの低
下によって示されるように抽出速度の加速を生じさせ、
最も有効なものは、抽出剤を約1重量%の濃度で導入し
たときであっても抽出時間を2,3分のオーダーに下げ
たスルホン酸化合物であった。
【0076】
【実施例12】金属を抽出する本発明物質の有用性を更
に証明するため、亜鉛分布の研究を抽出剤と金属含有供
給源水溶液の種々の容量比の関数として行った。これ
は、抽出剤の分布曲線を生じさせるための標準的な方法
であり、そして次の方法によって実施した。有機溶液は
炭化水素溶媒エスカイド100中に実施例5の抽出剤1リ
ットル当たり0.2モルを含有するように調製した。この
溶液はまた、実施例10の教示に従って抽出速度を改善
するために添加した1リットル当たり2gのジドデシル
ナフタレンスルホン酸も含有していた。この溶液の1部
を、25℃でそして種々の容量比でpH2.0で5g/lの
亜鉛を硫酸塩として含有している亜鉛水溶液と共に激し
く撹拌した。次いで、相を分離させ、ろ過し、そして各
々の亜鉛含量を分析した。種々の容量比で接触させた
後、有機相と水性相間の亜鉛分布は次のとおりであるこ
とが見られた。
【0077】
【表3】 金属を回収する溶媒抽出方法において、抽出剤は水性供
給源中の金属濃度を低レベルに下げることができるだけ
でなく、続いて取り出し操作によって金属を有機相から
回収できることが必須である。このタイプの抽出剤では
理想的には、取り出しは既に使用された電解採取電解質
のような酸性水溶液で実施される。これを証明するため
に、本実施例の最初の部分で記載した組成物の抽出剤溶
液の1部は、1容量部を、pH2.15の硫酸塩溶液中で10
g/lの亜鉛を含有する亜鉛水溶液の4容量部と2時間
接触させることによって亜鉛で負荷させた。次いで、こ
れらの相を分離し、有機相を分析して、5.84g/lの亜
鉛を含有していることが確認された。
【0078】次いで、この亜鉛負荷有機溶液の部分を、
30g/lの亜鉛および180g/lの硫酸を含有する水性
ストリップ溶液と種々の容量比で接触させた。接触は50
℃で2時間激しく撹拌して実施した。次いで、相を分離
し、そして各々の亜鉛を分析した。種々の容量比で取り
出した後の亜鉛の分布は次のとおりであった。
【0079】
【表4】
【0080】
【実施例13】350ppmの13種の金属または非金属と
2.0のpH値を得るのに十分な硝酸を含有する水溶液を
作成した。これらの金属は、トリオキシドと考えられる
ヒ素を除いて硝酸塩または酢酸塩と考えられた。この溶
液を、実施例5の生成物N−(ジ−2−ペンチルホスフ
ィノチオイル)−P,P−ジー2-ペンチルホスフィノチオン
酸アミドのエスカイド100中で作成された0.1モル溶液と
共に20〜25℃で1時間急速に撹拌した。水性相と有機相
を分離し、そして各々の金属含量を分析し、その結果は
下記表に示した。
【0081】
【表5】 これらの結果は、2.0ほども低い初期pHで、亜鉛、ビ
スマス、カドミウム、銀および水銀が強力に抽出され、
そして表示された他の金属から分離できることを示して
いる。
【0082】
【実施例14】4−sec−ブチルフェノール(63g)お
よび五硫化リン(22.2g)を一緒に窒素ガス流下で融解
させ、そして融解物を撹拌して120〜130℃で3時間加熱
した。この間中、発生する硫化水素は気体流を水酸化ナ
トリウム水溶液中に通過させて集めた。融解物を60℃に
冷却し、そしてスルフリルクロリド(27g)を45分間で
少しずつ添加する間撹拌を継続した。トルエン(100c
m3)を添加し、そしてこの溶液を冷却し、ジエチルエー
テル(400cm3)で希釈し、そして氷−水(500cm3)、10
%の炭酸ナトリウム水溶液(2×250cm3)および水(2
×200cm3)で連続的に抽出した。有機溶液を分離して乾
燥し(MgSO4)、そして減圧下で濃縮して粗製のビス
(4−sec−ブチル−フェニル)クロロチオホスフェート
の黄色油(57.4g)を得た。このクロロ化合物は全て実
施例9に記載したようにしてアンモニアと反応させてビ
ス(4−sec−ブチル−フェニル)チオホスホラミドを
得、これは固形物でありそしてヘキサンから再結晶し
た。融点73〜74℃(14.6g)。
【0083】両方共上記したようにして製造したホスホ
ラミド(9.43g)とクロロチオホスフェート(9.91g)
をナトリウムヒドリド(80%懸濁液、1.88g)と一緒に
実施例9に記載したようにして反応させて粗製のテトラ
キス(4−sec−ブチルフェニル)チオイミドジホスフェ
ート(14.9g、純度74.6%)を得た。粗製生成物をヘキ
サン(200cm3)に溶解させ、そしてメタノール(180c
m3)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(20cm3)の混合物で
先ず抽出し、そして次にメタノール(180cm3)と飽和炭
酸ナトリウム水溶液(20cm3)の混合物で抽出した。生
成物は第2の抽出物中にだけ存在することがHPLCで
示され、この第2の抽出物は希硫酸でpH2に中和し、
そしてヘキサン(200cm3)に逆抽出した。
【0084】次いで、上記ヘキサン溶液を減圧下で濃縮
して油(9.4g)を得、これは上記のような滴定によっ
て、分子量737に基づいて93.5%の純度であることが認
められた。R1=R2=R3=R4=4−sec−ブチルフェ
ノキシである式Iの化合物は試験1および2で抽出剤と
して試験し、結果はそれぞれ表6および7に示した。こ
れらの結果はこの化合物が鉄より亜鉛に優れた選択性を
有しそしてエスカイド100中で良好な溶解性を有する強
力な亜鉛抽出剤でありことを示している。
【0085】
【表6】
【0086】
【実施例15】ナトリウムヒドリド(鉱物油中80%懸濁
液、38.0g)を、2−イソプロピルフェノール(139.2
g)およびチオホスホリルクロリド(84.5g)のトルエ
ン(500cm3)撹拌溶液に反応温度が65℃以上に上昇しな
いような速度で加えた。周囲温度で更に0.5時間撹拌し
た後、溶液を水(250cm3量)で2回抽出し、分離し、乾
燥し(MgSO4)、そして減圧下で溶媒を留去して濃縮
して、粗製のビス(2−イソプロピルフェニル)クロロチ
オホスフェート、褐色油(164.2g); 31P NMR(C
DCl3中)、シングレット 53.0ppm、H3PO4の低磁場を
得た。この物質のうち54.0gを実施例9の方法によって
アンモニアと反応させ、粗製のビス(2−イソプロピル
フェニル)チオホスホラミド(50.0g; 31P NMR、シ
ングレット δ=58.8ppm)を得た。
【0087】ナトリウムヒドリド(鉱物油中80%懸濁
液、2.76g)を、上記したようにして製造した粗製チオ
ホスホラミド(13.0g)のヘキサン(100cm3)撹拌溶液
に加え、そしてこの混合物を30分間撹拌した。次いで、
上記粗製クロロチオホスフェート(13.7g)を加え、そ
してこの混合物を還流(65℃)下で18時間撹拌、沸騰さ
せた。周囲温度に冷却した後、過剰のナトリウムヒドリ
ドを破壊するのに十分なイソプロパノールを加え、そし
て強アルカリ性の懸濁液をメタノール(190cm3)と水
(10cm3)の混合物で抽出した。メタノール溶液を分離
し、希硫酸でpH2に中和し、そして新鮮なヘキサン
(300cm3)で逆抽出した。ヘキサン溶液を乾燥し(Mg
SO4)、そして溶媒を減圧下で留去して濃縮して油(1
2.5g)を得、この主要な成分はテトラキス(2−イソプ
ロピルフェニル)チオイミド−ジホスフェート(NMR
31P、シングレット、δ=46.8)であった。純度は上記
滴定によって分子量681に基づいて55%であると概算さ
れた。低収量および不純な生成物は一般にオルト位にか
さ高な基を有するフェノールから誘導されたチオホスホ
ラミドを反応させる際に得られることが認められた。R
1=R2=R3=R4=2−イソプロピルフェノキシである
式Iの生成物は試験2によって抽出剤として試験し、結
果は表7に示した。この結果はこの生成物が強力な亜鉛
抽出剤であることを示している。
【0088】
【実施例16】4−クロロ−2−メチルフェノール(14
2.5g)をヘキサン(200cm3)とトルエン(400cm3)の
混合物に溶解し、そしてナトリウムヒドリド(鉱物油中
80%懸濁液、30.0g)を加えた。3時間撹拌した後、こ
の懸濁液をチオホスホリルクロリド(84.5g)のヘキサ
ン(100cm3)撹拌溶液に2時間で添加した。この混合物
を周囲温度で更に18時間撹拌し、次いでエーテル(1000
cm3)で希釈し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で留去し
て濃縮して粗製のビス(4−クロロ−2−メチルフェニ
ル)クロロチオホスフェート、褐色油(192g) 31P N
MR、シングレット、57ppm、を得た。この化合物の幾
分かを実施例9に記載したようにしてアンモニアとの反
応によってチオホスホラミド(31P NMR、シングレ
ット 62.7ppm)に変換させ、ナトリウムヒドリド(2.07
g、80%懸濁液)をチオホスホラミド(10.4g)とクロ
ロチオホスフェート(11.4g)の乾燥テトラヒドロフラ
ン(50cm3)撹拌溶液に加えた。周囲温度での撹拌を18
時間継続した。溶媒を減圧下で留去し、そして残渣をヘ
キサンにとり、この懸濁液をろ過した。実施例15に記
載したようにして5%の水性メタノールへの抽出および
逆抽出による精製によってテトラキス(4−クロロ−2
−メチルフェニル)チオイミドジホスフェート(9.4
g)、(31P NMR、シングレット、49.3ppm)、滴定
によって評価するとき(分子量711)純度81%の褐色油
を得た。R1=R2=R3=R4=4−クロロ−2−メチル
フェノキシである式Iの生成物を試験2および3で抽出
剤として試験し、結果はそれぞれ表7および8に示し
た。これらの結果は実施例9、14および15の置換フ
ェノキシ誘導体より強力な亜鉛抽出剤でありそして鉄よ
り亜鉛に良好な選択性を有することを示している。
【0089】
【実施例17】実施例16の方法を使用して4−クロロ
フェノールからテトラキス(4−クロロフェニル)チオイ
ミドジホスフェートを製造した。R1=R2=R3=R4
4−クロロフェノキシである式Iの生成物は77%の純度
(分子量651)を有することが確かめられ、そして試験
2で評価し、結果は表7に示した。この結果はこの生成
物が強力な亜鉛抽出剤であるが実施例16の生成物ほど
強力ではないことを示している。
【0090】
【実施例18】実施例18から34に適用できる一般的な方法 A)ジフェニルホスホノチオン酸クロリド(Ph2PS.
Cl)の製造 クロロジフェニルホスフィン(110.25g)とチオホスホ
リルクロリド(84.75g)の混合物を窒素雰囲気中80〜9
0℃で1時間加熱した。生成物を分別蒸留し、先ず三塩
化リン、次いでジフェニルホスホノチオン酸クロリド、
122.7g、0.25mmの水銀圧で沸点160〜162℃、を得た。
【0091】B)ジフェニルホスホノチオン酸アミド
(Ph2PS.NH2)の製造 アンモニアガスは反応温度を50℃未満に維持するように
冷却し乍らジフェニルホスホノチオン酸クロリド(118
g)のテトラヒドロフラン(600cm3)溶液に吹き込ん
だ。反応混合物をエーテル(300cm3)で希釈し、そして
水(100cm3量)で2回抽出して塩化アンモニウムを除去
した。有機溶液を分離して乾燥し(MgSO4)、そして
溶媒を留去してジフェニルホスホノチオン酸アミド、白
色の結晶性固形物(101.8g)を得た。
【0092】C)クロロ化合物とアミド化合物の反応 アミド化合物(0.04モル)は、可能な場合、100〜200cm
3のヘキサンに溶解させた。ときには、溶解性を達成す
るために共同溶媒としてテトラヒドロフラン(実施例で
はTHFで示した)を含めることが必要であった。ナト
リウムヒドリド(0.1モル、鉱物油中80%懸濁液)を窒
素雰囲気中で撹拌溶液に加え、この混合物を、必要な場
合、60℃まで加熱して水素ガスの形成によって判断して
反応を完成させた。次いで、ヘキサン(100cm3)に溶解
したクロロ化合物(0.04モル)を添加し、そしてHPL
Cで判断して反応を完了させるために、必要な場合3時
間までの間温度を60℃に上げた。過剰のナトリウムヒド
リドはイソプロパノール(25cm3まで)を添加して分解
した。生成物は2つの方法のいずれかで得た: i)溶媒を留去し、そして残渣を水に非混和性の溶媒
(ヘキサンまたは酢酸エチル)にとり、pH2に中和す
るのに十分な水性の酸(2M HCl)と共に振とうし、
水で抽出し、乾燥し(MgSO4)、そして減圧下で溶媒
を留去して濃縮した。
【0093】ii)反応溶液は、生成物をナトリウム塩と
して抽出するためにメタノール(190cm3)と水(10c
m3)の混合物で抽出した。メタノール溶液は塩酸でpH
2に中和し、そして新鮮なヘキサンで逆抽出した。ヘキ
サン溶液は溶媒を減圧下で留去して濃縮して中和された
生成物を蒸留残渣として得た。
【0094】D)クロロ化合物からアミド化合物の製造 実施例9に記載したようにして実施した。
【0095】E)31P NMR スペクトルはクロロホル
ム溶液で測定し、共鳴の多重性およびシフト(δ)(pp
m)(H3PO4の低磁場)を記録した。
【0096】F)生成物の純度は、酸性(NHまたはS
H)プロトンを、0.1M水酸化ナトリウム溶液を用いて5
0%のテトラヒドロフラン水に溶解した試料の電位差滴
定によって測定した。
【0097】
【実施例19】ビス(2,4−ジメチルフェニル)チオホ
スホラミド(実施例9)は一般的方法C(i)によって
ジフェニルホスホノチオン酸クロリド(実施例18、
A)と反応させた。R1=R2=フェニルでありそしてR
3=R4=2,4−ジメチルフェノキシである式Iの化合
物である粗製生成物を少量のヘキサンで摩砕して白色固
形物を得た。収量、11.6g(理論値の54%)滴定純度89
%; 31P NMR、シングレット 53ppm; MS、m/z 53
7。試験2(表7)は本生成物が強力な亜鉛抽出剤であ
ることを示した。
【0098】
【実施例20】ビス(3−メトキシフェニル)クロロチオ
ホスフェートは、実施例14に記載した方法によって3
−メトキシフェノールを五硫化リンおよびスルフリルク
ロリドと反応させ、そして更に実施例9の方法によって
アンモニアと反応させてビス(3−メトキシフェニル)チ
オホスホラミドを得た。この化合物は一般的な方法C
(ii)を使用してジフェニルホスホノチオン酸クロリド
と反応させてR1=R2=フェニルでありそしてR3=R4
=3−メトキシフェノキシである式Iの化合物を得た。
収量47%; 滴定純度69%; 31P NMR、ダブレット、4
9ppm。試験2(表7)は本生成物が強力な亜鉛抽出剤で
あることを示した。
【0099】
【実施例21】商業的等級の4−t−ノニルフェノール
(その際、ノニル基が混在しそして枝分かれしている、
88.0g)はテトラヒドロフラン(150cm3)に溶解させ、
そしてナトリウムヒドリド(80%懸濁液を12g)を少し
ずつ添加した(泡立ちが生じた)。30分後、この懸濁液
を、窒素雰囲気中外から冷却して−40℃に維持したチオ
ホスホイルクロリド(33.9g)溶液に1時間で加えた。
混合物を周囲温度にし、ヘキサン(300cm3)で希釈しそ
して水(3×100cm3)およびメタノール:水、95:5
(3×100cm3)で連続的に抽出した。ヘキサン溶液を乾
燥し(MgSO4)、そして減圧下で留去して濃縮し、ビ
ス(4−t−ノニルフェニル)クロロチオホスフェート
(52.3g); 31P NMR、幅広シングレット、58ppm)
を得た。このクロロ化合物は一般的方法C(ii)(TH
F)によってジフェニルホスホノチオン酸アミドと反応
させ、R1=R2=フェニルでありそしてR3=R4=4−
t−ノニルフェノキシである式Iの化合物を得た。収量
理論値の68%; 滴定純度 75%、分子量733; 31P NM
R、マルチプレット、54ppm。試験2(表7)はこの生
成物が炭化水素溶媒中で良好な溶解性を有する強力な亜
鉛抽出剤であることを示した。
【0100】
【実施例22】本実施例は混合したジアリールクロロチ
オホスフェートを得るため低温でのチオホスホリルクロ
リドの連続反応を説明するものである。
【0101】撹拌しそして外部から−40℃に冷却したチ
オホスホリルクロリド(33.9g)のテトラヒドロフラン
(100cm3)溶液に、先ず、テトラヒドロフラン(200m
l)中で2,4−ジメチルフェノール(24.4g)をナトリ
ウムヒドリド(6.0g、80%懸濁液)と反応させて製造
した溶液を30分間で加え、そして更に10分後2番目に、
テトラヒドロフラン(200cm3)中で商業的等級の4−t
−ノニルフェノール(44.0g)をナトリウムヒドリド
(6.0g)と反応させて製造した溶液を加えた。HPL
Cが実質的に1つの生成物が形成されていることを示し
たとき、混合物を室温に温めた。混合物をエーテル(40
0cm3)で希釈し、水(3×100cm3)で抽出し、乾燥して
(MgSO4)濃縮し、油(79.9g)を得、これは実質的
にO−(2,4−ジメチルフェニル)−Oー(4−t−ノニ
ルフェニル)クロロチオホスフェートであった。この化
合物は一般的方法C(ii)(THF)を使用してジフェ
ニルホスホノチオン酸アミドと反応させ、R1=R2=フ
ェニルであり、R3=2,4−ジメチルフェノキシであ
り、そしてR4=4−t−ノニルフェノキシである式I
の化合物を得た。収量 70%; 滴定純度 90%; 分子量63
5; 31P NMR、シングレット、53ppm。試験2(表
7)はこの生成物が炭化水素溶媒中で良好な溶解性を有
する強力な亜鉛抽出剤であることを示した。
【0102】
【実施例23】2−イソプロピル−5−メチルフェノー
ルは実施例21の方法を使用してナトリウムヒドリドお
よびチオホスホリルクロリドと反応させてビス(2−イ
ソプロピルー5-メチルフェニル)クロロチオホスフェー
ト(31P NMR、シングレット、57ppm)を形成した。
この化合物を一般的方法C(ii)によってジフェニルホ
スホノチオン酸アミドと反応させ、R1=R2=フェニル
でありそしてR3=R4=2−イソプロピル−5−メチル
フェノキシである式Iの化合物を得た。収量 63%; 滴
定純度 90%、分子量593; 31P NMR、カルテット 53
ppm。試験2(表7)はこの生成物が非常に強力な亜鉛
抽出剤であることを示した; しかし乍ら、これは長時間
放置するとエスカイド溶液から結晶化した。
【0103】
【実施例24】2−sec−ブチルフェノールを使用し、
実施例23および21の方法によってビス(2−sec−ブ
チル−フェニル)クロロチオホスフェートを製造した。
この化合物は一般的方法C(ii)(THF)によってジ
フェニルホスホノチオン酸アミドと反応させ、R1=R2
=フェニルでありそしてR3=R4=2−sec−ブチルフ
ェノキシである式Iの化合物を得た。収量 47%; 滴定
純度 91%、分子量593; 3 1P NMR、マルチプレット
53ppm。試験2(表7)はこの生成物が強力な亜鉛抽出
剤であることを示した。
【0104】
【実施例25】2−メトキシフェノールを使用し、実施
例23および21の方法によってビス(2−メトキシフ
ェニル)クロロチオホスフェートを製造した。この化合
物は一般的方法C(ii)(THF)によってジフェニル
ホスホノチオン酸アミドと反応させ、R1=R2=フェニ
ルでありそしてR3=R4=2−メトキシフェノキシであ
る式Iの化合物を得た。収量 65%; 滴定純度 85%、分
子量541。試験2(表7)はこの生成物がかなり強力な
亜鉛抽出剤であることを示した。
【0105】
【実施例26】ジエチルチオホスホラミド(実施例1
0)は一般的方法C(i)によってジフェニルホスホノ
チオン酸クロリド(実施例18、A)と反応させてR1
=R2=フェニルでありそしてR3=R4=2−エトキシ
である式Iの化合物を得、これはヘキサンで摩砕して結
晶化させ、滴定純度 100%、分子量385; 31P NMR
2個のダブレット、63.2、62.5ppmおよび52.1、52.4ppm
であった。試験2(表7)はこの生成物がかなり強力な
亜鉛抽出剤であることを示した。
【0106】
【実施例27】O,O−ビス(1,3−ジメチルブチル)ホ
スホロジチオエート(ICIアメリカズから供給された
商業的サンプル、150g)は、スルフリルクロリド(10
1.3g)を1時間で添加した間外部から5℃未満に冷却
した。この溶液を周囲温度で1時間撹拌し、次いでスル
ファクロリドおよび他の揮発性物質を0.2mmの水銀圧下8
0℃に加熱して留去した。残渣は粗製のビス(1,3−ジ
メチルブチル)クロロチオホスフェート(148g; 31
NMR、65.5、65.9および66.2ppmでシングレット)で
あった。このものは実施例9の方法を使用してアンモニ
アと更に反応させてビス(1,3−ジメチルブチル)チオ
ホスホラミドを得、これは一般的方法C(ii)を使用し
てジフェニルホスホノチオン酸クロリドと反応させてR
1=R2=フェニルでありそしてR3=R4=1,3−ジメ
チルブトキシである式Iの化合物を得た。収量(最終段
階) 14%; 滴定純度 75%、分子量497。31P NMR
シングレット、47ppmおよびマルチプレット、55ppm。試
験2(表7)はこの生成物がエスカイド100中で良好な
溶解性を有する強力な亜鉛抽出剤であることを示した。
【0107】
【実施例28】フェニルホスホノチオン酸ジクロリド
(52.8g)をテトラヒドロフラン(50cm3)に溶解し、
そして撹拌し、テトラヒドロフラン(200cm3)中で4−
t−ノニルフェノール(55.0g)をナトリウムヒドリド
(80%分散液、7.5g)と反応させて製造した溶液を1
時間で滴加した間−40℃から−50℃の間に維持した。反
応混合物を周囲温度にし、次いでエーテル(400cm3)で
希釈し、そして水(3×75cm3)で抽出した。エーテル
溶液を乾燥し(MgSO4)、そして減圧下で溶媒を留去
して濃縮して油(84.3g)とし、これはO−(4−t−
ノニルフェニル)フェニルホスホロチオン酸クロリド(
31P NMR、マルチプレット、83.7)であった。この
化合物(37.5g)をエーテル(300cm3)に溶解し、そし
て全てが反応したことをHPLCが示すまでアンモニア
を溶液に吹き込んだ。次いで、この混合物を水(3×75
cm3)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、そして減圧下で
溶媒を留去して濃縮してO−(4−t−ノニルフェニル)
フェニルホスホロチオン酸アミド(341g; 31P NMR
マルチプレット、72.8ppm)を得た。
【0108】次いで、上記のようにして製造したクロロ
化合物とアミドは一般的方法C(ii)を使用して一緒に
反応させ、R1=R3=フェニルでありそしてR2=R4
4−t−ノニルフェノキシである式Iの化合物を得た。
収量 40%; 滴定純度 70%;分子量733; 31P NMR、
マルチプレット、66.2ppm。試験2(表7)はこの生成
物がエスカイド100中で良好な溶解性を有する強力な亜
鉛抽出剤であることを示した。
【0109】
【実施例29】O−(4−t−ノニルフェニル)フェニル
ホスホロチオン酸クロリド(実施例28)は一般的方法
C(ii)を使用してジフェニルホスホノチオン酸アミド
(実施例18B)と反応させた。しかし乍ら、本例では
生成物は最終精製中に水性メタノール相に抽出されない
でヘキサン相に残った。それ故、ヘキサンは2Mの水性
塩酸(2×200cm3)と水(2×200cm3)で連続的に抽出
し、次いで乾燥し(MgSO4)、そして減圧下で濃縮し
て、R1=R2=R3=フェニルでありそしてR4=4−t
−ノニルフェノキシである式Iの化合物を得た。収量 7
5%; 滴定純度82%; 分子量951; 31P NMR、70およ
び52ppmでマルチプレット; MS、m/z 59。試験2(表
7)はこの生成物がエスカイド100中で良好な溶解性を
有する強力な亜鉛抽出剤であることを示した。
【0110】
【実施例30】実施例28の方法を使用して、2−イソ
プロピル−5−メチルフェノールをナトリウムヒドリド
と、次いで1当量のフェニルホスホノチオン酸ジクロリ
ドと反応させてO−(2−イソプロピル−5−メチルフ
ェニル)フェニルホスホロチオン酸クロリドを形成し、
これは更にアンモニアと反応させたが、この実施例では
溶媒としてテトラヒドロフランを使用してO−(2−イ
ソプロピル−5−メチルフェニル)フェニルホスホロチ
オン酸アミドを形成した。次いで、このアミドは一般的
方法C(ii)(THF)を使用して実施例23に記載さ
れているビス(2−イソプロピル−5−メチル−フェニ
ルクロロチオホスフェートと反応させ、R1=フェニル
でありそしてR2=R3=R4=2−イソプロピル−5−
メチルフェノキシである式Iの化合物を得た。収量 48
%; 滴定純度 88%; 分子量665; 31PNMR、ダブレッ
ト、50ppmおよびダブレット 65ppm。試験2(表7)は
この生成物がエスカイド100中で良好な溶解性を有する
強力な亜鉛抽出剤であることを示した。
【0111】
【実施例31】実施例28の方法を使用して、2,6−
ジイソプロピルフェノールをナトリウムヒドリドと、次
いで1当量のフェニルホスホノチオン酸ジクロリドと反
応させてO−(2,6−ジイソプロピルフェニル)フェニ
ルホスホロチオン酸クロリドを形成した。このクロロ化
合物は一般的方法C(ii)(THF)を使用してジフェ
ニルホスホノチオン酸アミド(実施例18B)と反応さ
せたが、本実施例では反応がより緩慢であり完了に達す
るのに60℃で5時間要したことが相違していた。ヘキサ
ン中で限定された溶解性を有する白色固形物の生成物
は、R1=R2=R3=フェニルでありそしてR4=2,6
−ジイソプロピルフェノキシである式Iの化合物であっ
た。収量 72%; 滴定純度 88%; 分子量549; 31P NM
R、ダブレット、72ppmおよびダブレット 52ppm。試験
2(表7)はこの生成物が強力な亜鉛抽出剤であること
を示した。
【0112】
【実施例32】2−イソプロピル−4−t−ノニルフェ
ノールは次のようにして製造した: 2-イソプロピルフェ
ノール(272g)、プロピレン三量体(252g)、フルカ
ット(FULCAT)22B(ラポルテ インダストリーズ(Lapo
rte Industries)から供給されたフラーズ アース キャ
タリスト(Fullers Earth Cataryst)、5.4g)および
リン酸(4滴)の混合物を撹拌し、80〜90℃で48時間加
熱した。フルカット22B(5.4g)およびリン酸(4滴)
を更に添加し、そして反応温度を更に72時間90〜100℃
に上昇させた。この混合物を冷却し、ろ過し、そして分
別蒸留して、2−イソプロピル−4−t−ノニルフェノ
ール(301g)、0.2mmの水銀圧での沸点148〜150℃を得
た。
【0113】次いで、実施例21の方法を使用したが、
但し4−−ノニルフェノールは当量の2−イソプロピル
−4−t−ノニルフェノールに代えたので、その結果最
終生成物は精製段階でメタノール相には抽出されずヘキ
サン相に残った。この生成物はR1=R2=フェニルであ
りそしてR3=R4=2−イソプロピル−4−t−ノニル
フェノキシである式Iの化合物であった。収量 59%;
滴定純度 80%、分子量817、31P NMR、マルチプレ
ット、53ppm。試験2(表7)はこの生成物が実施例2
1の生成物より強力な亜鉛抽出剤でありそしてエスカイ
ド100中で良好な溶解性を有することを示した。
【0114】
【実施例33】2−メチル−4−t−ノニルフェノール
は実施例32に記載した方法によって2−メチルフェノ
ール(216g)およびプロピレン三量体(252g)から製
造したが、但し反応混合物は80℃で僅か48時間の反応時
間後に出来上がりそして蒸留した。収量、245g; 0.2〜
0.3mmの水銀圧で沸点114〜132℃。
【0115】次いで、実施例22の方法を繰り返した
が、当量の2−メチル−4−t−ノニルフェノールを4
−t−ノニルフェノールの代わりに使用したことが相違
していた。この生成物はR1=R2=フェニルでありR3
=2,4−ジメトキシフェノキシでありそしてR4=2−
メチル−4−t−ノニルフェノキシである式Iの化合物
であった。収量 50%; 滴定純度 89%、分子量646、31
P NMR、マルチプレット、53ppm。試験2(表7)は
この生成物が実施例22の生成物より強力な亜鉛抽出剤
でありそしてエスカイド100中で良好な溶解性を有する
ことを示した。
【0116】
【実施例34】両方共実施例30に記載されているO−
(2−イソプロピル−5−メチルフェニル)フェニルホス
ホロチオン酸クロリドおよびO−(2−イソプロピル−
5−メチルフェニル)フェニルホスホロチオン酸アミド
は一般的方法C(ii)(THF)を使用して一緒に反応
させてR1とR3がフェニルでありそしてR2=R4=2−
イソプロピル−5−メチルフェノキシである式Iの化合
物を得た。収量 67%;滴定純度 92%、分子量593、31
NMR、ダブレット、65ppm。試験2(表7)はこの生
成物が強力な亜鉛抽出剤であることを示した。
【0117】
【表7】
【0118】
【実施例35】多数の本発明化合物が高濃度の金属を含
有する供給源溶液から鉄より高い選択性で亜鉛を抽出す
る能力は次の試験によって更に説明する:試験3 水溶液は真のろ過溶液を模して製造し、この水溶液は:
pH1.8で硫酸塩と考えて20.1gplの亜鉛、12.5gplの第
二鉄、0.47g/lのカルシウム、2.6g/lのマグネシウ
ムを含有していた。この水溶液の分割部は、2倍量の試
験化合物の0.5M溶液(エスカイド100またはソルベッソ
150)を用いて室温で24時間激しく撹拌することによっ
て平衡化させた。次いで、有機相と水性相を分離し、ろ
過し、そして亜鉛と鉄について各々誘導カップルプラズ
マ(ICP)分光光度計法で分析した。表8に示した結
果によって、各化合物の有機溶液がかなりの量の亜鉛を
抽出しており鉄より亜鉛に高い選択性を有することが確
認される。
【0119】
【表8】
【0120】
【実施例36】実施例12と同様に、亜鉛回収法におけ
る本発明化合物の有用性は、本実施例では既に使用され
た亜鉛電解採取電解質を模するように選択した水溶液で
取り出して亜鉛を有機相から回収することができること
を証明することによって示された。試験される各生成物
について、生成物のエスカイド100(または表9に示さ
れた場合ソルベッソ150)中0.5モル溶液は実施例35に
使用された水性供給源溶液と接触させて亜鉛を負荷させ
た。次いで、この亜鉛負荷有機溶液の分割部は、30gpl
の亜鉛を硫酸亜鉛としてそして180gplの硫酸を含有する
水性ストリップ溶液と種々の容量比で接触させた。接触
は50℃で2時間激しく撹拌し乍ら実施した。次いで、水
性相と有機相を分離し、そして各々の亜鉛を分析した。
種々の容量比で抽出剤を取り出した後の亜鉛分布は各生
成物について表4に示す。実施例35と同様に、速度触
媒ジノニルナフタレンスルホン酸(純粋な抽出剤の5重
量%)が実施例5の生成物の溶液に含有されていた。表
9に示した結果は、有機溶液が最初に30gplの亜鉛を含
有しているときであっても強酸性溶液によって亜鉛を有
機溶液から効率的に取り出すことができ、そして実施例
35と比較することによって、比較的弱い抽出剤が最も
効率的に取り出されることを示している。
【0121】
【表9】
【0122】
【実施例37】亜鉛回収法における本発明生成物の1例
の有用性を更に十分証明するために、小規模の溶媒抽出
法を、抽出剤として実施例5に記載した生成物の溶液を
使用して連続法で操作した。本方法は有機相と水性相を
接触させ且つ分離させるため混合器−沈殿器を用い、そ
して抽出用に3つの逆流段階、取り出し用に3つの逆流
段階を使用した。各混合器−沈殿器中の混合室は125ml
の容量のものであり、そして沈殿室は375mlの容量を有
していた。流速度は抽出では3.0の有機流対水性流、そ
して取り出しでは4.7になるように選択し、抽出での混
合器平均滞在時間は5分であった。各混合器−沈殿器の
温度を40℃±2℃に維持するため小さい熱交換器を使用
した。
【0123】有機相は、速度触媒として2.5g/lのジノ
ニルナフタレンスルホン酸を含有する実施例5の生成物
の0.5モル溶液であった。水性供給源はpH2.0で22.9gp
lの亜鉛および3.9gplの第二鉄を硫酸塩として含有して
いた。取り出したものは70gplの亜鉛を硫酸塩としてそ
して180gplの硫酸を含有していた。
【0124】本方法は、濃縮を安定化させるために、数
日間に亘る作業日の間中連続的に操作した。次いで、試
料を採取し、そして原子吸収分光光度計法によって亜鉛
を分析した。水性ラフィネート流中の亜鉛値は5.2gplの
亜鉛に低下し、一方水性ストリップ溶液中の亜鉛値は10
1.6gplに増加していたことが認められ、それ故、この組
成物が供給源溶液から亜鉛を抽出しそしてそれを水性ス
トリップ溶液に高濃度で移動させる能力を証明してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 9/6568 9155−4H C22B 19/20 (72)発明者 ピーター・マイケル・クワン イギリス国オーエル11 5ジェイキュー, ロッチデール,ホーソーン・ロード 23

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属塩の水溶液を式 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して任意に
    置換されたヒドロカルビル若しくはヒドロカルビルオキ
    シ基を意味するかまたはR1とR2は結合したリン原子と
    一緒になっておよび/またはR3とR4は結合したリン原
    子と一緒になって5から8員の複素環を形成する)で示
    される化合物からなる有機相と接触させることからなる
    金属塩の水溶液から金属を抽出する方法。
  2. 【請求項2】R1、R2、R3およびR4が各々独立して任
    意に置換されたアルキル、アルコキシ、アリールまたは
    アリールオキシ基である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】アルキルおよびアルコキシ基が各々1から
    20個の炭素原子を有する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】R1、R2、R3およびR4が各々第二アルキ
    ル基である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】R1、R2、R3およびR4が各々2−ペンチ
    ルである請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】R1およびR3が各々第一アルキル基であり
    そしてR2およびR4が各々第三アルキル基である請求項
    1に記載の方法。
  7. 【請求項7】R1、R2、R3およびR4が総計で少なくと
    も16個の飽和脂肪族炭素原子を有する請求項1から6
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも
    1つが任意に置換されたフェノキシ基である請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  9. 【請求項9】R1、R2、R3およびR4が各々任意に置換
    されたフェノキシ基である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】(1)金属を含有する水溶液を式Iの抽
    出剤化合物の水非混和性有機溶媒溶液と接触させ、それ
    によって金属と抽出剤とのコンプレックスの形で金属を
    溶媒中に抽出し、 (2)金属コンプレックスを含有する溶媒相を抽出され
    た水性相から分離し、 (3)金属コンプレックスを含有する溶媒相を水性スト
    リップ溶液と接触させそれによって金属コンプレックス
    が不安定となりそして金属イオンが水性相に移り、そし
    て (4)金属イオンを含有する水性相をストリップされた
    溶媒相から分離する、ことからなる一連の段階からなる
    請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】金属が亜鉛である請求項1から10のい
    ずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】式 【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して任意に
    置換されたヒドロカルビル若しくはヒドロカルビルオキ
    シ基を意味するかまたはR1とR2は結合したリン原子と
    一緒になっておよび/またはR3とR4は結合したリン原
    子と一緒になって5から7員の複素環を形成し、但し、
    1、R2、R3およびR4が同一であるとき、R1はメチ
    ル、フェニルおよびフェノキシのいずれでもない)で示
    される化合物。
  13. 【請求項13】R1、R2、R3およびR4が各々分枝アル
    キル基である請求項12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】R1、R2、R3およびR4が各々第二アル
    キル基である請求項13に記載の化合物。
  15. 【請求項15】R1、R2、R3およびR4が総計で少なく
    とも16個の飽和脂肪族炭素原子を有する請求項12か
    ら14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 【請求項16】R1、R2、R3およびR4のうち少なくと
    も1つが任意に置換されたフェノキシ基である請求項1
    2に記載の化合物。
  17. 【請求項17】R1、R2、R3およびR4が各々置換フェ
    ノキシ基である請求項16に記載の化合物。
JP5136247A 1992-06-05 1993-06-07 化学的方法 Pending JPH06192753A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB929211906A GB9211906D0 (en) 1992-06-05 1992-06-05 Chemical process
GB9211906:4 1993-02-05
GB9302332:3 1993-02-05
GB939302332A GB9302332D0 (en) 1993-02-05 1993-02-05 Chemical process

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06192753A true JPH06192753A (ja) 1994-07-12

Family

ID=26301006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5136247A Pending JPH06192753A (ja) 1992-06-05 1993-06-07 化学的方法

Country Status (9)

Country Link
US (2) US5393431A (ja)
EP (1) EP0573182B1 (ja)
JP (1) JPH06192753A (ja)
AU (1) AU659736B2 (ja)
CA (1) CA2097158A1 (ja)
DE (1) DE69327486D1 (ja)
FI (1) FI932571A (ja)
GB (1) GB9310403D0 (ja)
ZW (1) ZW6793A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9324757D0 (en) * 1993-12-02 1994-01-19 Zeneca Ltd Chemical compounds
PH31603A (en) * 1994-03-22 1998-11-03 Goro Nickels S A Process for the extraction and separation of nickel and/or cobalt.
US5762683A (en) * 1994-12-09 1998-06-09 Asarco Incorporated Ferric fluoborate/organic extractant hydrometallurgical process for recovering metals
GB9512925D0 (en) * 1995-06-24 1995-08-30 Zeneca Ltd Chemical process
AU1392497A (en) * 1996-02-17 1997-09-02 Zeneca Limited Extraction of cobalt and/or nickel from an aqueous feed solution
US5935409A (en) * 1998-03-26 1999-08-10 Asarco Incorporated Fluoboric acid control in a ferric fluoborate hydrometallurgical process for recovering metals
DE19859683C1 (de) 1998-12-23 2000-08-24 Starck H C Gmbh Co Kg Verfahren zur Extraktion von Anionen
JP2016511749A (ja) * 2013-01-17 2016-04-21 イーサイオニック コーポレーション 低対称性分子及びホスホニウム塩、調製方法及びこれから形成されるデバイス
CN106140304A (zh) * 2015-04-17 2016-11-23 中国石油化工股份有限公司 一种乙烯三聚和四聚催化剂组合物及其制备和使用方法
CN112280982B (zh) * 2020-11-12 2022-02-01 济南大学 一种利用双膦酸类萃取剂从磷矿浸出液中分离铁的方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2798086A (en) * 1956-02-14 1957-07-02 Eastman Kodak Co Amides and esters of iminodiphosphoric acid and nitrilotriphosphoric acid
US3231637A (en) * 1961-12-01 1966-01-25 Monsanto Co Nitrogen base derivatives of imidodiphosphate esters
US3966569A (en) * 1974-01-28 1976-06-29 Mx Processor Reinhardt & Co. Ab Method of recovering metal from metalliferous waste
US4226791A (en) * 1978-11-30 1980-10-07 Berol Kemi Ab Method and a reagent mixture for removing metal ions from an aqueous solution by means of liquid-liquid extraction
US4721605A (en) * 1985-07-24 1988-01-26 American Cyanamid Company Selective removal of metals from aqueous solutions with dithiophosphinic acids
US5028334A (en) * 1987-07-13 1991-07-02 American Cyanamid Company Selective recovery of tin by solvent extraction using branched tertiary phosphine oxides
US5028403A (en) * 1989-05-31 1991-07-02 American Cyanamid Company Metal recovery with monothiophosphinic acids
US5135652A (en) * 1990-10-25 1992-08-04 Cominco Ltd. Method for the solvent extraction of zinc

Also Published As

Publication number Publication date
CA2097158A1 (en) 1993-12-06
AU659736B2 (en) 1995-05-25
EP0573182A1 (en) 1993-12-08
ZW6793A1 (en) 1994-02-02
FI932571A0 (fi) 1993-06-04
GB9310403D0 (en) 1993-07-07
US5393431A (en) 1995-02-28
EP0573182B1 (en) 2000-01-05
DE69327486D1 (de) 2000-02-10
US5502250A (en) 1996-03-26
AU3983493A (en) 1993-12-09
FI932571A (fi) 1993-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1472201B1 (de) Verfahren zur abtrennung von säuren aus chemischen reaktions gemischen mit hilfe von ionischen flüssigkeiten
US4483802A (en) Process for the preparation of sulfonated aryl phosphine
JPH064660B2 (ja) 第三オルガノホスファイトの精製方法
EP2204372A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Thiophosophorsäuretriamiden mit Hilfe unpolarer Amine
JPH06192753A (ja) 化学的方法
US5557003A (en) Alkylphenoxy substituted bis (thio phosphoryl) amines
JPS5984895A (ja) スルホン化されたトリアリ−ルホスフインの製造方法
CA2032371C (en) Process for the preparation of organic phosphites which are stable to hydrolysis
DE2313192A1 (de) Salicylaldoxime und verfahren zu ihrer herstellung
US10011619B2 (en) Process for reducing the chlorine content of organotetraphosphites
JPH0145476B2 (ja)
US6194604B1 (en) Process for producing phosphorous acid
EP0023428A1 (en) Liquid-liquid process for extracting metals using organo-phosphorous compounds
US4108958A (en) Extraction of Cu(II), Fe(III), Ni(II), Co(II), Cd(II), Zn(II), Ca(II) and Mg(II) metal values using 2-hydroxy iminoacetic acids
US9701697B2 (en) Process for reducing the chlorine content of organotetraphosphites
JPH09506349A (ja) 化学化合物
JPS646199B2 (ja)
AU685192C (en) Amides of acids of phosphorus for the extraction of metals
US7276620B2 (en) Process for preparing phosphorodiamidites
JPS6077936A (ja) 金属イオン抽出剤とその製造法及び抽出分離法
JP2530142B2 (ja) O−アルキルs,s−ジアルキルホスホロジチオエ−トの製造方法
JPH0734151A (ja) 希土類金属のための抽出剤及び希土類金属の分離、精製方法
WO2004054954A1 (en) Process for the purification of hydroxyaryl-aldhydes and ketones and their use in the production of hydroxyaryl oxime derivatives
JPH1192836A (ja) 金属類の分離回収方法
JP2007126716A (ja) カドミウムに対する亜鉛の高選択的抽出剤及び亜鉛の回収