JPH06192735A - 磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH06192735A
JPH06192735A JP4348649A JP34864992A JPH06192735A JP H06192735 A JPH06192735 A JP H06192735A JP 4348649 A JP4348649 A JP 4348649A JP 34864992 A JP34864992 A JP 34864992A JP H06192735 A JPH06192735 A JP H06192735A
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annealing
silicon steel
steel sheet
grain
magnetic properties
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JP4348649A
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Kenichi Sadahiro
健一 定広
Katsuo Iwamoto
勝生 岩本
Ujihiro Nishiike
氏裕 西池
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気特性に優れしかも磁性のばらつきが少な
い一方向性けい素鋼板を得る。 【構成】 C:0.020 〜0.100 %、 Si:2.0 〜4.0 %、 Mn:0.03〜0.15%、 S及び/又はSe:0.008 〜0.100 %、 sol.Al:0.010〜0.065 %及び N:0.0030〜0.0130% を含有するスラブを素材とする一方向性けい素鋼板の製
造方法において、最終仕上げ焼鈍として、ドライガス雰
囲気中にて、 925〜1050℃の範囲の温度で5〜50時間の
等温焼鈍を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気特性の優れた一
方向性けい素鋼板の製造方法に関し、特に、仕上げ焼鈍
工程に工夫を加えることによって結晶粒のゴス方位集積
度を向上させ、もって磁気特性の有利な改善を図ろうと
するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性けい素鋼板には、磁気特性とし
て、磁束密度が高いこと及び鉄損値が低いことが要求さ
れる。近年、製造技術の進歩により、例えば板厚:0.23
mmの鋼板では、磁束密度B8 (磁化力 800A/m における
値):1.92T、鉄損特性W17/50(50Hzで 1.7Tの最大
磁化の時の値) :0.90W/kgのような優れた製品の工業的
規模での生産も可能となっている。
【0003】かかる優れた磁気特性を有する材料は、鉄
の磁化容易軸である<001>方位が鋼板の圧延方向に
高度に揃った結晶組織で構成されるものであり、かよう
な集合組織は、方向性けい素鋼板の製造工程中、最終仕
上げ焼鈍の際にいわゆるゴス方位と称される(110)
〔001〕方位を有する結晶粒を優先的に巨大成長させ
る2次再結晶と呼ばれる現象を通じて形成される。この
(110)〔001〕方位の2次再結晶粒を十分に成長
させるための基本的な要件としては、2次再結晶過程に
おいて(110)〔001〕方位以外の好ましくない方
位を有する結晶粒の成長を抑制するインヒビターの存在
と、(110)〔001〕方位の2次再結晶粒が十分に
発達するのに好適な1次再結晶組織の形成とが不可欠で
あることは周知の事実である。
【0004】ここにインヒビターとしては、一般にMn
S, MnSe及びAlN等の微細析出物が利用され、さらにこ
れらに加えて特公昭51-13469号公報や特公昭54-32412号
公報に開示された如きSb, Snなどの粒界偏析型の元素を
複合添加してインヒビターの効果を補強することが行わ
れている。一般に、MnSやMnSeを主要インヒビターとす
るものは、2次再結晶粒の粒径が小さいので、鉄損の低
下に有利であるとされてきたが、近年、レーザー照射法
やプラズマジェット法等によって、人工的に擬似粒界を
導入し、磁区の細分化が図れるようになって以来、2次
再結晶粒径のサイズが小さいことによる優位性は消失
し、磁束密度が高いことが、優位性を有するようになっ
た。
【0005】磁束密度の高い方向性けい素鋼板を得る方
法は古くから知られており、例えば特公昭46-23820号公
報に記載されているように、 鋼中にインヒビター成分としてAlを含有させる、 最終冷延前の焼鈍後の冷却を急冷にしてAlNを析出さ
せる、 最終冷延の圧下率を80〜95%と高圧下率とする、 という3点の結合により製造できるとされている。
【0006】しかしながら上記の方法は、製品の板厚が
薄くなると、磁束密度が急激に劣化するという欠点を内
包しており、近年指向されているような例えば0.25mm以
下の製品でB8 ≧1.94T以上でかつ極低鉄損の製品を安
定して製造することは極めて難しかった。
【0007】また特公昭40-15644号公報には、最終冷間
圧延を経て脱炭焼鈍後に行われる、2次再結晶を目的と
した最終仕上げ焼鈍において、1000℃以上の温度で少な
くとも5h焼鈍することにより優れた磁気特性のけい素
鋼板を得る方法が開示されている。しかしながらこの方
法では、高温焼鈍のためゴス方位集積度の低い2次再結
晶粒の発生が避けられず、磁性の劣化やばらつきが生じ
る欠点があった。
【0008】さらに特開昭50−134917号公報には、仕上
げ箱焼鈍時に2次再結晶発現温度領域:800 〜1150℃を
最高35時間加熱することにより、2次再結晶粒を十分に
成長させることによって優れた特性のけい素鋼板を得る
方法が開示されている。しかしながらこの方法は、 800
〜1150℃の間で保定することなく10℃/h以上の昇熱速
度で加熱する焼鈍方式で2次再結晶させることを特徴と
しており、やはりゴス方位集積度の低い2次粒が発生す
るために磁性の劣化やばらつきが避けられなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
従来技術の欠点である、高温度域での2次再結晶による
ゴス方位集積度の低い2次再結晶粒の成長を効果的に抑
制し、ゴス方位集積度の高い結晶粒を優先成長させるこ
とにより、磁気特性に優れしかも磁性のばらつきが少な
い一方向性けい素鋼板の有利な製造方法を提案すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、上記し
たような問題が生じる原因は、最終仕上げ焼鈍において
高温度域まで昇熱焼鈍(加熱焼鈍方式)を行うことによ
り、高温度域において方位集積度の低い2次再結晶粒を
成長させていたためではないかと考え、この考えに立脚
して鋭意研究を重ねた結果、比較的低温の最適仕上げ焼
鈍温度範囲における等温処理によって2次再結晶させて
やれば、方位集積度の高いゴス粒のみが選択的に成長し
て、磁気特性が格段に向上するだけでなく、磁性のばら
つきも効果的に低減されることの知見を得た。この発明
は、上記知見に立脚するものである。
【0011】すなわち、この発明は、 C:0.020 〜0.100 wt%(以下単に%で示す)、 Si:2.0 〜4.0 %、 Mn:0.03〜0.15%、 S及び/又はSe:0.008 〜0.100 %、 sol.Al:0.010〜0.065 %及び N:0.0030〜0.0130% を含有する組成になるスラブを、加熱後、熱間圧延し、
ついで1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施
して最終板厚としたのち、脱炭焼鈍ついで最終仕上げ焼
鈍を施す一連の工程によって一方向性けい素鋼板を製造
するに当たり、上記最終仕上げ焼鈍として、ドライガス
雰囲気中において、 925〜1050℃の範囲の温度で5〜50
hの等温焼鈍を行うことからなる磁気特性の優れた一方
向性けい素鋼板の製造方法である。
【0012】
【作用】この発明では、一方向性けい素鋼板の製造工程
中、最終仕上げ焼鈍において、高温度域における方位集
積度の低い2次再結晶粒の成長を避けるため、1050℃以
下の比較的低温域で所定の時間等温焼鈍を行なう。この
ため、磁気特性に有害な方位集積度の低い2次再結晶粒
の成長が抑制され、その分ゴス方位の集積度が高まって
優れた磁気特性が得られるわけである。
【0013】以下、この発明の基礎となった実験結果に
基づいて、この発明を具体的に説明する。実験は、同一
組成のスラブを用い、また熱延から脱炭焼鈍までは次に
示す同一条件で処理した。C:0.061 %, Si:3.13%,
Mn:0.090 %, S:0.019 %, Se:0.021 %, sol.Al:
0.028 %, N:0.0103%及びCu:0.05%を含有する組成
になる厚み:200mmのけい素鋼スラブを、1400℃で30分
間加熱後、厚み:2.0 mmに熱間圧延し、ついで1100℃で
30秒加熱したのち、酸洗し、0.58mm厚に中間冷延後、10
50℃, 30秒の中間焼鈍を施してから、0.22mm厚に仕上げ
冷延し、脱脂後、湿水素中で 850℃, 3分間の脱炭焼鈍
を行った。
【0014】この脱炭焼鈍を終えた試料を用い、以下に
示す従来法(A) と発明法(B) の2つの条件で、2次再結
晶化及び純化のための仕上げ焼鈍を行った。 (A) 脱炭焼鈍後、ドライN2ガス中にて 850〜1150℃の間
を12.5℃/hで昇熱後、ドライH2中で急熱して1200℃,
10hの仕上げ焼鈍を施す。 (B) 脱炭焼鈍後、ドライN2ガス中において 950℃, 975
℃,1000℃でそれぞれ35h, 25h, 20h等温焼鈍したの
ち、ドライH2中で急熱して1200℃, 10hの仕上げ焼鈍を
施す。
【0015】上記の2条件で処理して得た製品につい
て、磁束密度B8(T)と鉄損W17/50(W/kg)の平均値及
びばらつきとについて調べた結果を図1に示す。同図か
ら明らかなように、この発明法を適用した(B) の条件の
場合は、従来法を適用した(A) の条件の場合と比べて、
磁気特性が格段に向上し、またばらつきも大幅に減少し
ている。このように磁気特性が大幅に改善される理由
は、前述したとおり、脱炭焼鈍後、1150℃の高温度域ま
で昇熱焼鈍を施す従来法では、高温度域で方位集積度の
低い2次再結晶粒の成長が促進されるのに対し、1050℃
以下の比較的低温度域で等温焼鈍を施すこの発明法で
は、上記したような方位集積度の低い2次再結晶粒の成
長が抑制されたことによるものと考えられる。
【0016】次に、図2に、等温焼鈍における保定温度
及び保定時間が磁束密度に及ぼす影響について調べた結
果を示す。実験は、前掲図1に使用したのと同じ脱炭焼
鈍板を用いて行い、ドライN2ガス中で 850〜1100℃間の
温度に5〜50h保定した。同図から明らかなように、 9
25〜1050℃の範囲の温度において、5〜50h等温焼鈍し
た場合にとりわけ良好な結果が得られており、低温では
長時間、高温では短時間の保定が望ましい。この理由
は、 925℃より低温では、この成分系では2次再結晶温
度に満たなくて2次再結晶が起こらず、一方1050℃より
も高い温度では、インヒビターの抑制力が著しく低下
し、方位の悪い2次粒が発生することによるものと考え
られる。また保定時間については、5hよりも短時間で
は2次再結晶が完了せず、一方50hよりも長時間では、
工業的に不利なこともあって上記の範囲に限定した。
【0017】次に、この発明において鋼素材の成分組成
を前記の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.020 〜0.100 % Cは、その含有量が 0.020%に満たないと、脱炭焼鈍後
における集合組織が損なわれて磁気特性の劣化を招き、
一方 0.100%を超えて多量に含まれると連続焼鈍による
脱炭が困難になり、やはり最終製品の磁気特性を劣化さ
せるので、C量は 0.020〜0.100 %の範囲に限定した。
【0018】Si:2.0 〜4.0 % Si含有量が 2.0%に満たないと、この発明で期待するほ
ど低い鉄損値を得ることが難しく、一方 4.0%を超える
と脆くなって冷間加工性の劣化を招き通常の圧延が困難
になるので、Si量は 2.0〜4.0 %の範囲に限定した。
【0019】Mn:0.03〜0.15% Mnは、インヒビター成分として添加されるS, Seと結合
してインヒビターMnS,MnSeを形成する有用元素である
が、0.03%に満たないとMnS, MnSeの形成が不足し、イ
ンヒビター機能が不充分となって期待する磁気特性を得
ることができず、一方0.15%を超える2次再結晶を生じ
なくなるので、Mn量は0.03〜0.15%の範囲に限定した。
【0020】S及び/又はSe:0.008 〜0.100 % S及びSeは、上述したとおり、Mnと結合してインヒビタ
ーMnS, MnSeを形成させるために添加されるもので、そ
の効果を発揮するためには、少なくともS, Seのいずれ
か1種又は2種合計で 0.008%以上を必要とし、一方あ
まりに多量の添加は必然的に熱間加工性及び鉄損の劣化
を招くことから、S及びSeの添加量は単独又は併用いず
れの場合においても 0.008〜0.100 %の範囲に限定し
た。
【0021】sol.Al:0.010 〜0.065 % インヒビターとしてAlNを利用する場合、必要最低量の
AlNを確保するためにはsol.Alとして0.010 %以上を必
要とし、一方、sol.Alとして0.065 %を超えると熱延板
内のAlNの分散状態が不適切となり、2次再結晶が不安
定となるので、sol.Al量は 0.010〜0.065 %の範囲に限
定した。
【0022】N:0.0030〜0.0130% 上述したように、2次再結晶を行わせるに必要な最低量
のAlNを確保するためには少なくとも0.0030%のNを必
要とするが、一方でNが0.0130%を超えて多量に含有さ
れるとAlNの分散が不適切となるため、0.0030〜0.0130
%の範囲に限定した。
【0023】この発明では、その他、インヒビター効果
の助勢成分として、Sb, Sn, Cu, Bi及びNiなどの粒界偏
析型元素を添加することもできる。これらはいずれも含
有量が 0.010%未満ではその添加効果に乏しく、一方0.
20%を超えると磁気特性を劣化させまた冷延性も阻害す
るので、これらの元素は単独又は併用いずれの場合も0.
010 〜0.20%の範囲で含有させることが望ましい。
【0024】上記の成分組成に調整したけい素鋼素材
は、通常1250℃以上の高温に加熱したのち、公知の方法
によって板厚:1.2 〜4.5 mm程度の熱延板とする。つい
で必要に応じて 800〜1100℃の温度範囲で焼鈍後、酸洗
したのち、1回の冷間圧延又は750〜1100℃程度の温度
範囲での焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって、最終
板厚:0.15〜0.30mm程度の冷延板に仕上げるが、この冷
間圧延で最終板厚に仕上げる際の冷延率は80〜95%程度
とするのが望ましい。またこの時、最終冷延前の焼鈍の
冷却は急冷とするのが望ましい。ついで、最終冷延板を
脱脂した後、湿水素雰囲気中にて 750〜900 ℃の温度範
囲で脱炭焼鈍を施し、C量を 0.003%以下程度まで低減
する。その後、不活性なドライガス中において 925〜10
50℃の範囲の温度で5〜50h等温焼鈍を施して2次再結
晶を完了させたのち、ドライH2中にて1200℃程度の温度
で絶縁被膜の形成と純化を目的とした仕上げ焼鈍を行な
う。そして最後に絶縁コーティングを施して一方向性け
い素鋼板とする。
【0025】
【実施例】 実施例1 C:0.052 %, Si:3.09%, Mn:0.093 %, S:0.023
%, sol.Al:0.025 %, N:0.0105%, Sb:0.022 %,
Sn:0.053 %及びNi:0.035 %を含有する組成になる厚
み:200 mmのスラブを、1400℃で30分間加熱後、2.05mm
厚に熱間圧延し、ついで1075℃で30秒間焼鈍後、酸洗
し、1.50mm厚に中間冷延したのち、1100℃, 30秒間の中
間焼鈍を経てから0.22mm厚に仕上げ冷延し、ついで 835
℃の湿水素中で2分間の脱炭焼鈍を施した。ついでコイ
ルを2分割し、一方は従来法に従う比較例として、ドラ
イガス中で850 〜1150℃間を24h、12.5℃/hの速度で
昇熱焼鈍を行った後、ドライH2中で1200℃, 1hの仕上
げ焼鈍を施した。他方は、脱炭焼鈍後、直ちにドライガ
ス中で 975℃まで直上焼鈍した後 975℃, 30hの等温焼
鈍を行って2次再結晶を完了させたのち、ドライH2中で
1200℃,1hの仕上げ焼鈍を施した。かくして得られた
製品の磁気特性を比較して表1に示す。
【0026】
【表1】 同表から明らかなように、この発明に従い得られた適合
例は従来法に従う比較例に比べて、磁束密度及び鉄損特
性とも著しく優れている。
【0027】実施例2 C:0.055 %, Si:3.12%, Mn:0.092 %, Se:0.020
%, sol.Al:0.025 %, N:0.0105%及びCu:0.063 %
を含有する組成になる厚み:200 mmのスラブを、1420℃
で20分間加熱後、1.85mm厚に熱間圧延し、ついで1075℃
で30秒間焼鈍後、酸洗し、1.20mm厚に中間冷延したの
ち、1100℃, 30秒間の中間焼鈍後、0.18mm厚に仕上げ冷
延し、ついで脱脂後、湿水素中にて 400℃で2分間の脱
炭焼鈍を施した。ついでコイルを2分割し、一方は従来
法に従う比較例として、脱炭焼鈍後直ちに MgOを主体と
する焼鈍分離剤を塗布し、ドライN2中で 850〜1150℃間
を30h,10℃/hの速度で昇熱焼鈍を行った後、ドライ
H2中で1200℃, 1hの仕上げ焼鈍を施した。他方は、脱
炭焼鈍後、直ちにドライN2中にて 975℃で30hの等温焼
鈍を行なったのち、ドライH2中で1200℃, 10hの仕上げ
焼鈍を施した。かくして得られた製品の磁気特性を比較
して表2に示す。
【0028】
【表2】 同表から明らかなように、この発明に従う適合例の磁性
は比較例に比べて著しく優れている。
【0029】実施例3 C:0.059 %, Si:3.27%, Mn:0.090 %, S:0.019
%, Se:0.021 %, sol.Al:0.025 %, N:0.0105%,
Sb:0.025 %, Ge:0.031 %及びNi:0.035 %を含有す
る組成になる厚み:180 mmのスラブを、1430℃で15分間
加熱後、2.4 mm厚に熱延し、ついで1100℃1分間の加熱
後、酸洗し、1.30mm厚に中間冷延したのち、1100℃, 30
秒間の中間焼鈍後、0.22mm厚に仕上げ冷延し、ついで脱
脂後、湿水素中で 840℃、2分間の脱炭焼鈍を施した。
ついでコイルを2分割し、一方は従来法に従う比較例と
して、脱炭焼鈍後直ちにドライN2中で 850℃〜1150℃間
を20h, 15℃/hの速度で昇熱焼鈍を施したのち、ドラ
イH2中で1200℃, 10hの仕上げ焼鈍を施した。他方は、
脱炭焼鈍後、直ちにドライN2中D 925℃, 40hの等温焼
鈍を施したのち、ドライH2中で1200℃, 10hの仕上げ焼
鈍を行った。かくして得られた製品の磁気特性を表3に
示す。
【0030】
【表3】 同表から明らかなように、この発明に従う適合例の磁性
は比較例に比べて著しく優れている。
【0031】実施例4 C:0.058 %, Si:3.25%, Mn:0.088 %, S:0.017
%, Se:0.020 %, sol.Al:0.024 %, N:0.0105%及
びSb:0.025 %を含有する組成になる180mm 厚スラブ
を、1430℃で15分間加熱後、2.4 mm厚に熱延し、ついで
1100℃, 1分間の加熱後、酸洗し、0.27mm厚に仕上げ冷
延したのち、脱脂後、湿水素中で 840℃、2分間の脱炭
焼鈍を施した。ついでコイルを2分割し、一方は従来法
に従う比較例として、脱炭焼鈍後、ドライN2中で 850℃
〜1150℃間を35h, 8.6 ℃/hの速度での昇熱焼鈍を施
したのち、ドライH2中で1200℃, 10hの仕上げ焼鈍を施
した。他方は、脱炭焼鈍後、ドライN2中で 925℃, 30h
の等温焼鈍を施したのち、ドライH2中で1200℃, 10hの
仕上げ焼鈍を行った。かくして得られた製品の磁気特性
を表4に示す。
【0032】
【表4】 同表から明らかなように、この発明に従う適合例の磁性
は比較例に比べて著しく優れている。
【0033】実施例5 C:0.056 %, Si:3.20%, Mn:0.085 %, S:0.016
%, Se:0.018 %, sol.Al:0.023 %, N:0.0103%,
Sb:0.025 %及びBi:0.027 %を含有する組成になる20
0mm 厚のスラブを、1430℃で15分間加熱後、2.4 mm厚に
熱延し、ついで1050℃, 1分間の加熱後、酸洗し、0.30
mm厚に仕上げ冷延したのち、脱脂後、湿水素中で 840
℃、2分間の脱炭焼鈍を施した。ついでコイルを2分割
し、一方は従来法に従う比較例として、脱炭焼鈍後、ド
ライN2中で 850℃〜1150℃間を35h, 10℃/hの速度で
昇熱焼鈍を施したのち、ドライH2中で1200℃, 10hの仕
上げ焼鈍を施した。他方は、脱炭焼鈍後、ドライN2中で
975℃, 20hの等温焼鈍を施したのち、ドライH2中で12
00℃, 10hの仕上げ焼鈍を行った。かくして得られた製
品の磁気特性を表5に示す。
【0034】
【表5】 同表から明らかなように、この発明に従う適合例の磁性
は比較例に比べて著しく優れている。
【0035】実施例6 C:0.052 %, Si:3.17%, Mn:0.082 %, S:0.015
%, Se:0.018 %, sol.Al:0.024 %, N:0.0100%,
Sb:0.024 %及びSn:0.050 %を含有する組成になる20
0mm 厚のスラブを、1430℃で15分間加熱後、2.6mm 厚に
熱延し、ついで1050℃, 1分間の加熱後、酸洗し、0.35
mm厚に仕上げ冷延したのち、脱脂後、湿水素中で 840
℃、2分間の脱炭焼鈍を施した。ついでコイルを2分割
し、一方は従来法に従う比較例として、脱炭焼鈍後、ド
ライN2中で 850℃〜1150℃間を25h, 12℃/hの速度で
の昇熱焼鈍を施したのち、ドライH2中で1200℃, 10hの
仕上げ焼鈍を施した。他方は、脱炭焼鈍後、ドライN2
で 975℃, 20hの等温焼鈍を施したのち、ドライH2中で
1200℃, 10hの仕上げ焼鈍を行った。かくして得られた
製品の磁気特性を表6に示す。
【0036】
【表6】 同表から明らかなように、この発明に従う適合例の磁性
は比較例に比べて著しく優れている。
【0037】
【発明の効果】かくしてこの発明に従い、一方向性けい
素鋼板の製造に際し、従来の高温度域までの昇熱タイプ
による仕上げ焼鈍に代えて、比較的低温において方位集
積度の高い2次再結晶のみを成長させることにより、良
好な磁気特性を有する一方向性けい素鋼板を得ることが
でき、その工業的価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終仕上げ焼鈍を直上昇熱焼鈍と等温焼鈍で実
施したときの磁気特性を比較して示した図である。
【図2】等温焼鈍の保定温度と保定時間が磁束密度に及
ぼす影響を示したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.020 〜0.100 wt%、 Si:2.0 〜4.0 wt%、 Mn:0.03〜0.15wt%、 S及び/又はSe:0.008 〜0.100 wt%、 sol.Al:0.010〜0.065 wt%及び N:0.0030〜0.0130wt% を含有する組成になるスラブを、加熱後、熱間圧延し、
    ついで1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施
    して最終板厚としたのち、脱炭焼鈍ついで最終仕上げ焼
    鈍を施す一連の工程によって一方向性けい素鋼板を製造
    するに当たり、 上記最終仕上げ焼鈍として、ドライガス雰囲気中におい
    て、 925〜1050℃の範囲の温度で5〜50hの等温焼鈍を
    行うことを特徴とする磁気特性の優れた一方向性けい素
    鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0521164A1 (en) * 1991-01-21 1993-01-07 Fanuc Ltd. Method of restarting operation of punch press machine and numerically controlled device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0521164A1 (en) * 1991-01-21 1993-01-07 Fanuc Ltd. Method of restarting operation of punch press machine and numerically controlled device
EP0521164B1 (en) * 1991-01-21 1995-09-27 Fanuc Ltd. Method of restarting operation of punch press machine and numerically controlled device

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