JPH06192563A - 強化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 - Google Patents

強化ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

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JPH06192563A
JPH06192563A JP4346693A JP34669392A JPH06192563A JP H06192563 A JPH06192563 A JP H06192563A JP 4346693 A JP4346693 A JP 4346693A JP 34669392 A JP34669392 A JP 34669392A JP H06192563 A JPH06192563 A JP H06192563A
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JP
Japan
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group
weight
resin
vinyl aromatic
component
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JP4346693A
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English (en)
Inventor
Osamu Ishihara
收 石原
Motoaki Watabe
素明 渡部
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPH06192563A publication Critical patent/JPH06192563A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強化ポリフェニレンエーテル系樹脂に耐熱性
を維持したまま成形加工性、耐衝撃性を提供すること 【構成】 特定構造を有するポリフェニレンエーテル樹
脂/ブロック共重合体/耐衝撃性スチレン系樹脂/無機
充填剤よりなる熱可塑性樹脂組成物、及び成形体。 【効果】 本発明の組成物、及び成形体は、従来のガラ
ス繊維強化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物では達
し得なかった成形性、耐熱性、高い耐衝撃性のバランス
に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐衝撃性、耐熱
性、熱安定性、成形加工性を持つポリフェニレンエーテ
ル系樹脂組成物に関する。更に詳しくはポリフェニレン
エーテル系樹脂として特定の環化末端基を有するポリフ
ェニレンエーテル系樹脂を用い、かつ無機質充填剤を添
加することにより、上記特性の優れた構造材料とりわけ
耐衝撃性、熱安定性のバランスに優れ、構造材料用途例
えばイグニッションコイルボビンなどに適したポリフェ
ニレンエーテル系樹脂組成物を得ることに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は、耐熱
性、電気特性、耐酸、耐アルカリ性等に優れ、しかも低
比重、低吸水性である等の優れた特性を有する樹脂であ
るが、一方流動性が低いため溶融成形加工がしがたくか
つ衝撃強度が低いため若干脆いという欠点も有してい
る。そして、これらの欠点を同時に改良するためにポリ
ブタジエン成分を含む耐衝撃性ポリスチレンを配合する
技術が開発され、米国特許3383435号明細書に開
示されている。しかし、二重結合の持つ化学的不安定さ
に基づく、酸化劣化等による物性変化が大きく、溶融成
形、熱暴露あるいは光暴露等による物性の低下を回避す
ることは非常に困難であった。一方、二重結合をほとん
ど含まない、水添されたスチレン−ブタジエンブロック
共重合体で補強する技術が、例えば、特開昭50−71
742号公報に開示されているが、この技術でも熱安定
性は優れるものの、耐衝撃性ビニル芳香族系樹脂のゴム
粒子内にビニル芳香族系重合体の分散粒子を含まないた
め、ゴム効率が低く、耐衝撃性を改良するためには多量
のゴム成分を添加する必要があった。しかも水添された
スチレン−ブタジエンブロック共重合体とポリフェニレ
ンエーテル樹脂との親和性が必ずしも十分でないため、
しばしば成形品に剥離が生じていた。加えてブタジエン
ブロック中の1,4−ブタジエン成分の水添率が高くな
るほど、ゴム成分のガラス転移点が上昇するため、かか
る技術だけでは十分な低温衝撃性を得ることはできない
のである。これとは別に、耐衝撃性ビニル芳香族系樹脂
の剛性を保ちつつ衝撃強度を改良する技術が特開昭64
−90208号公報に開示され、実施例にはポリフェニ
レンエーテル樹脂に配合した場合にも、従来の耐衝撃性
ビニル芳香族系樹脂に比べ衝撃強度が改良されることが
示されている。しかし、ポリフェニレンエーテル系樹脂
を含む樹脂組成物は耐熱性が高いことが特徴であり、該
公報開示の技術の1,2−ビニルの残基が多い領域で
は、高温で成形加工したり、熱暴露した場合、物性低下
が大きくなるという問題点がある。更に、水添率が高い
領域では低温衝撃強度が得られない等の問題点があり、
ポリフェニレンエーテル系樹脂の物性改良のために求め
られている耐衝撃性ビニル芳香族系樹脂の十分満足のい
く技術範囲を示すものにはなり得ていない。
【0003】また、特開平3−285949号公報には
環化末端基構造を有するポリフェニレンエーテル樹脂に
無機充填剤を配合した成形性、剛性、寸法安定性に優れ
た組成物が明示されているが、耐衝撃性については必ず
しも十分とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強化
ポリフェニレンエーテル系樹脂に耐熱性を維持したまま
優れた成形加工性、耐衝撃性を付与した樹脂組成物を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、以下の本発明にいたっ
た。 (1)(A)ポリフェニレンエーテル樹脂5〜98重量
%に、(B)少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合
体ブロックAと少なくとも1個のオレフィン化合物重合
体ブロックBからなるブロック共重合体であり、オレフ
ィン化合物重合体ブロックB中のオレフィン化合物重合
体の不飽和度が20%以下であるブロック共重合体1〜
90重量%、(C)耐衝撃性ビニル芳香族樹脂1〜90
重量%、(D)ビニル芳香族系樹脂0〜80重量%、
(E)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性処理さ
れた変性ポリフェニレンエーテル系樹脂0〜20重量
%、(F)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性処
理されたビニル芳香族系ポリマーブロックとオレフィン
系エラストマーブロックとより成る変性ブロック共重合
体樹脂0〜20重量%、の(A)成分、(B)成分、
(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分より
なる基本樹脂成分100重量部当たり、(G)無機質充
填剤5〜200重量部配合してなる樹脂組成物。 (2)(A)成分が、下記一般式(a)で表される環化
末端基を、樹脂を構成するフェニレンエーテルユニット
の100個に対して平均0.01個以上含有し、数平均
分子量が1,000〜100,000の範囲にある事を
特徴とする、ポリフェニレンエーテル樹脂であることを
特徴とする樹脂組成物。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 〜R5 は、各々独立に、水
素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリー
ル基叉は置換アリール基であり、R6 〜R9 は、各々独
立に水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル
基、置換アルケニル基、ハロゲン基、アリール基、置換
アリール基、アルコキシ基、N−ラクタム基、カルボン
酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カ
ルボン酸アミド基、ニトリル基、アシロキシ基叉はアシ
ル基である。なお、R6 とR7 、R8 とR9 は、各々独
立に結合してスピロ環状構造のリングを形成していても
良い。) (3)(B)成分が、少なくとも1個のビニル芳香族化
合物重合体ブロックAと少なくとも1個のオレフィン化
合物重合体ブロックBからなるブロック共重合体であ
り、このブロック共重合体中のビニル芳香族化合物重合
体ブロックAの含有量が50重量%以上90重量%以下
であり、しかもオレフィン化合物重合体ブロックB中の
オレフィン化合物重合体の不飽和度が20%以下である
ブロック共重合体である前記(1)又は(2)の樹脂組
成物。 (4)(C)成分が、共役ジエン系ゴムの全二重結合の
うち5〜70重量%が水添され、かつ部分水添共役ジエ
ン系ゴム中に含まれる1,2−ビニル結合量及び1,4
−結合量が各々3重量%以下及び30重量%以上である
た部分水添共役ジエン系ゴムを含む耐衝撃性ビニル芳香
族樹脂である前記(1)又は(2)の樹脂組成物。 (5)(B)成分が、少なくとも1個のビニル芳香族化
合物重合体ブロックAと少なくとも1個のオレフィン化
合物重合体ブロックBからなるブロック共重合体であ
り、このブロック共重合体中のビニル芳香族化合物重合
体ブロックAの含有量が50重量%以上90重量%以下
であり、しかもオレフィン化合物重合体ブロックB中の
オレフィン化合物重合体の不飽和度が20%以下である
ブロック共重合体でありかつ(C)成分が、共役ジエン
系ゴムの全二重結合のうち5〜70重量%が水添され、
かつ部分水添共役ジエン系ゴム中に含まれる1,2−ビ
ニル結合量及び1,4−結合量が各々3重量%以下及び
30重量%以上であるた部分水添共役ジエン系ゴムを含
む耐衝撃性ビニル芳香族樹脂であることに特徴を有する
前記(1)又は(2)の樹脂組成物。 (6)前記(1)〜(5)の組成物から成形された成形
体。 (7)前記(1)〜(5)の組成物から成形されたイグ
ニッションコイルボビン。
【0008】請求項第1項の本発明に用いるポリフェニ
レンエーテル樹脂は、繰り返し単位として下記一般式
(b)
【0009】
【化3】
【0010】で表されるフェニレンエーテルユニットを
含有するものと定義され、特に限定はない。その代表的
な例は、下記一般式(c);
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1 〜R5 は、各々独立に、水
素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリー
ル基叉は置換アリール基から選ばれる。)で示されるフ
ェニレンユニットの少なくとも1種から構成される。こ
のようなポリフェニレンエーテル樹脂の基本骨格を工業
的に有利なフェノール類の酸化カップリング重合で製造
するには、R1 はメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル等の低級アルキル基又はフェニル、ナ
フチル等が好ましく、R2 〜R5 は水素又は低級アルキ
ルが好ましい。
【0013】最も好ましい組み合わせとしては、R1
メチル基又はフェニル基であり且つR2 〜R5 が水素の
場合、R1 とR2 がメチル基でありかつR3 〜R5 が水
素の場合である。特に、R1 がメチル基であり、R2
5 が水素であって、このフェニレンエーテルユニット
が全ユニットに対して90〜100%であることが好ま
しい。
【0014】これらの条件を満たす最も好ましいR1
5 を有するフェニレンエーテルユニットに対応するモ
ノマーとしては、2,6−ジメチルフェノール、2−メ
チル−6−フェニルフェノール、2,3,6−トリメチ
ルフェノール等が挙げられる。これらのモノポリマー、
コポリマーが、本発明の樹脂基本骨格としてのポリフェ
ニレンエーテル重合体として好ましく用いられる。
【0015】又、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂
中には、熱安定性を改善するという主旨に反しない限
り、従来ポリフェニレンエーテル樹脂中に存在させても
よいことが提案されている他の種々のフェニレンエーテ
ルユニットを部分構造として含んでも構わない。少量共
存させることが提案されているものの例としては、特願
昭63−12698号及び特開昭63−301222号
公報に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチ
ル)6−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−
(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)6−メチ
ルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。
【0016】又、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中
にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。本
発明に用いるポリフェニレンエーテル樹脂の分子量とし
ては、数平均分子量で1,000〜100,000が好
ましく、最も好ましい範囲は約6,000〜60,00
0である。特に、エンジニアリング樹脂の数平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、
標準ポリスチレンの検量線を用いて求めたポリスチレン
換算の数平均分子量である。
【0017】請求項第2項の本発明に用いるポリフェニ
レンエーテル樹脂は、前記一般式(a)で表される環化
末端基を、樹脂を構成するポリフェニレンエーテルユニ
ットの100個に対して平均0.01個以上含有する。
エンジニアリング樹脂として用いる程度の平均分子量
(約10,000〜30,000)の場合、環化末端基
はフェニレンエーテルユニットの100個に対して平均
0.15個以上が好ましく、さらに好ましくは、平均
0.2個以上である。その上限は特になく、多ければ多
いほど耐熱酸化劣化の点で好ましい。又末端基のすべて
が一般式(a)の構造である樹脂も極めて安定な樹脂で
ある。
【0018】このポリフェニレンエーテル樹脂は、その
末端基を除き、繰り返し単位として一般式(b)で表さ
れるフェニレンエーテルユニットを含有するものと定義
され、特に限定はない。その代表的な例は、前記に同じ
である。本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹脂の
環化末端基(a)において、R 1 〜R5 は、各々独立
に、水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、
アリール基叉は置換アリール基であり、R6 〜R9 は、
各々独立に水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケ
ニル基、置換アルケニル基、ハロゲン基、アリール基、
置換アリール基、アルコキシ基、N−ラクタム基、カル
ボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル
基、カルボン酸アミド基、ニトリル基、アシロキシ基叉
はアシル基である。
【0019】なお、R6 とR7 、R8 とR9 は、各々独
立に結合してスピロ環状構造のリングを形成していても
良い。R1 〜R5 の前記定義において、アルキル基は炭
素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキルで
ある。置換アルキルの置換基としては、フッ素、塩素、
臭素等のハロゲン;ヒドロキシル基;アミノ基;低級ア
ルコキシ基を挙げることができる。アリールは炭素数6
〜20のアリールである。置換アリールの置換基として
は、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン;ヒドロキシル
基;アミノ基;低級アルコキシ基を挙げることができ
る。
【0020】R6 〜R9 の定義において、アルキル基は
炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル
であり、さらに好ましくは低級アルキルである。置換ア
ルキルの置換基としては、フッ素、塩素、臭素等のハロ
ゲン;ヒドロキシル基;アミノ基;低級アルコキシ基を
挙げることができる。アルケニルは、エチレニル、3−
プロペニルのような低級アルケニルが好ましい。置換ア
ルケニルの代表例は、1−ヒドロキシ−3−プロペニル
である。アリールは炭素数6〜20のアリールである。
置換アリールの置換基としては、低級アルキル基;低級
アルコシキ基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン;ヒド
ロキシル基;アミノ基;アミノメチル基のようなアミノ
アルキル基を挙げることができる。
【0021】アリール基は、広義の芳香環基の意味であ
り、狭義のアリールに加えてピリジル基、トリアジル基
等の複素芳香環基も含まれる。N−ラクタムの代表例
は、N−2−ピロリドニル,N−ε−カプロラクタモイ
ル等である。カルボン酸アミドの代表例としては、カル
バモイル、フェニルカルバモイル、セリル等が挙げられ
る。カルボン酸無水物の好ましい例は、アセトキシカル
ボニル、ベンゾイロキシカルボニルである。カルボン酸
エステルの代表例には、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、アリロキシカルボニル等がある。アシル基
の代表例はアセチル、ベンゾイル等があり、アシロキシ
の好ましい例は、アセトキシ、ベンゾイロキシ等であ
る。
【0022】R6 〜R9 は、その2〜3個が、特に3個
が水素である事が安定性の面で好ましい。この際、他の
基は、アリール基、置換アリール基、カルボン酸基、カ
ルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸
アミド基、ニトリル基、N−ラクタム基から選ぶことが
好ましい。特に、R8 及びR9 の少なくとも1つがアリ
ール基又は置換アリール基である場合が、熱酸化劣化に
対する安定性と後述する製法の観点から好ましい。
【0023】R6 〜R9 の定義におけるアリール又は置
換アリール基の代表としては、フェニル、トリル、クロ
ロフェニル、ナフチル、4−ピリジル、3,5−ジアミ
ノ−(s)−トリアジル基等である。このような環化末
端基の構造及び結合量は核磁気共鳴スペクトルを用いて
測定することができる。この環化末端基(a)を有する
ポリフェニレンエーテル樹脂は、この環化末端基を有す
るため溶融(成形)した場合に、下記一般式(d)の転
移構造の生成が従来のポリフェニレンエーテル樹脂に比
べて著しく少ないほか、分子量の変化がほとんど起こら
ないといった優れた性質を有するものである。
【0024】
【化5】
【0025】(式中、R1 〜R5 は夫々独立に、水素、
アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリール基
又は置換アリール基である。)この安定化ポリフェニレ
ンエーテル樹脂は、以下のようにして製造することがで
きる。すなわち、一般式(e);
【0026】
【化6】
【0027】(式中、R1 〜R5 は(a)で定義したも
のと同じであり、R10,R11はそれぞれ独立に水素、ア
ルキル基、置換アルキル基を表すが、同時に水素である
ことはない。)で表される末端基を有するポリフェニレ
ンエーテル重合体を、一般式(f);
【0028】
【化7】
【0029】(式中、R6 〜R9 は(a) 式で定義したも
のと同じである。)で表される炭素−炭素二重結合を有
する化合物(以下不飽和化合物という)とラジカル重合
開始剤の不存在下に、ポリフェニレンエーテル重合体の
ガラス転移温度以上の温度まで加熱することによって製
造できる。前記(e)式のR10、R11におけるアルキル
基、置換アルキル基は、好ましくは(C1 〜C20)アル
キル基、(C1 〜C20)ヒドロキシアルキル基、(C2
〜C22)アルコキシアルキル基、(C3 〜C22)アシロ
キシアルキル基又は(C4〜C20)ポリアルキレンエー
テル基である。
【0030】このような末端基(e)を持ったポリフェ
ニレンエーテルは、水酸基のオルト位に少なくとも一つ
のベンジル位水素を有するフェノール化合物を一級又は
ニ級アミンを含んだ触媒の存在下に酸化カップリング重
合又は共重合して得られる(例えば、米国特許第4,7
88,277号明細書)。この場合、得られるポリマー
は、一般式(e)で表される末端基を有するポリフェニ
レンエーテルとベンジル位に一級又はニ級アミンの結合
していない末端構造を有するポリフェニレンエーテルと
の混合物として得られるが、本発明においては、これを
分離することなく用い得る。前者と後者の使用割合は特
に限定されないが、前者の末端基数/後者の末端基数の
比で示せば、好ましくは0.9以上である。
【0031】本発明における一般式(e)で表される末
端基を有するポリフェニレンエーテルと一般式(f)で
表される不飽和化合物との反応使用量は、好ましくは、
一般式(e)で表される末端基を有するポリフェニレン
エーテルに対して、一般式(f)の不飽和化合物を2〜
50当量程度用いれば良い。本発明の安定化ポリフェニ
レンエーテル樹脂を製造する場合に、不飽和化合物
(f)としては、生成する中間体ラジカル(一般式
(g))を例えばバイラジカル(一般式(h))の形態
で安定化するために、R8 及び/又はR9 が、アリール
又は置換アリール基であることが好ましい。
【0032】
【化8】
【0033】(式中、R1 〜R5 は(a)で定義したも
のと同じである。)
【0034】
【化9】
【0035】(式中、R1 〜R5 は(a)で定義したも
のと同じである。) 不飽和化合物(f)の好ましい具体例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、メチルスチ
レン、スチルベン、ケイ皮アルコール、ベンザルアセト
ン、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸ニトリル、4−ビニルピ
リジン、2−ビニル−3,5−ジアミノ−(s)−トリ
アジン等が挙げられる。
【0036】不飽和化合物(f)として、芳香環を含ま
ないものを用いることもできる。そのような不飽和化合
物(f)の具体例としては、アクリル酸;アクリル酸の
メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t
−ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシ
ル、ラウリル、ラウリル−トリデシル、トリデシル、セ
チル−ステアリル、ステアリル、シクロヘキシル、ベン
ジルエステル等のアクリル酸エステル類;アクリルアミ
ド、アクリロニトリル、メタクリル酸;メタクリル酸の
メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t
−ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシ
ル、ラウリル、ラウリル−トリデシル、トリデシル、セ
チル−ステアリル、ステアリル、シクロヘキシル、ベン
ジルエステル等のメタクリル酸エステル類;メタクリル
アミド、メタクリロニトリル、イタコン酸;イタコン酸
のヂメチル、ジエチル、ジブチル、ジ−2−エチルヘキ
シル、ジノリル、ジオクチルエステル等のイタコン酸の
モノエステル類;イタコン酸無水物;N−ビニルピロリ
ドン等のN−ビニル化合物;ブチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0037】なお、本発明の安定化ポリフェニレンエー
テル樹脂の製造にあたっては、ポリフェニレンエーテル
系重合体を180℃以上のガラス転移温度以上に加熱す
る前に、不飽和化合物(f)と機械的に混合しておいた
方が好ましい。混合の方法は特に限定されないが、ヘン
シェルミキサー等によってドライブレンドする方法、溶
融ブレンドの後乾燥させる方法、不飽和化合物(d)を
ポリフェニレンエーテルは溶解しないが不飽和化合物
(f)は溶解する、例えばメタノールやペンタン等のよ
うな溶媒に溶解させて、粉末状の末端基(e)を有する
ポリフェニレンエーテル系重合体に含浸させた後、溶媒
を乾燥除去する方法などが挙げられる。
【0038】以上のようにして機械的に混合されたポリ
フェニレンエーテル系重合体と不飽和化合物(f)は、
次いでポリフェニレンエーテル系重合体のガラス転移温
度(約208℃)以上に加熱溶融される。好ましい温度
範囲は、ガラス転移温度の20〜150℃上であり、更
に好ましくは、50〜120℃上である。加熱する時間
は、温度との関係で一概にはいえないが、望まれる反応
が完了するのに充分の時間加熱すれば良い。一般には、
1分〜1時間程度であり、数分程度が好ましい。余り長
くても意味がない。
【0039】環化末端基(a)の生成する反応は、通常
ガラス転移温度以上では充分早いので、不必要に過剰な
熱をかけない方がよい。また、加熱は、前述のとおり、
ラジカル重合開始剤の不存在下で行う必要がある。酸素
もできる限り排除するべきであり、そのために反応雰囲
気を窒素ガス雰囲気などにするのが好ましい。本発明の
(A)成分として用いられるポリフェニレンエーテル樹
脂の基本樹脂成分中の配合量は、5〜98重量%、好ま
しくは25〜90重量%更に好ましくは35〜90重量
%である。
【0040】(B)成分に用いるブロック共重合体は、
少なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体ブロックA
と少なくとも1個のオレフィン化合物重合体ブロックB
からなるブロック共重合体であり、オレフィン化合物重
合体ブロックB中のオレフィン化合物の不飽和度が20
%以下の物である。このブロック共重合体のオレフィン
化合物重合体ブロックとは、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブチレン等のモノオレフィン、あるいは
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の共
役ジオレフィン、1,4−ヘキサジエン、ノルボルネ
ン、ノルボルネン誘導体等の非共役ジオレフィンのうち
から選ばれた1種以上のオレフィン化合物が重合、ある
いは共重合した形態を有する重合体ブロックであり、し
かも該ブロックの不飽和度は20%以下である。
【0041】従って、オレフィン化合物重合体ブロック
の構成モノマーとして上記のジオレフィン類を用いた場
合には、該ブロック部分の不飽和度が20%を越えない
程度まで水添等の方法により不飽和度を減らす処置が施
されていなければならない。また、オレフィン化合物重
合体ブロックには、その特性を損なわない範囲でビニル
芳香族化合物がランダムに共重合されていても良い。
【0042】好ましいブロック共重合体は、ビニル芳香
族化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とす
る重合体体ブロックとから構成されてなるブロック共重
合体(以後これを、”前駆体としてのブロック共重合
体”と呼ぶ)の共役ジエン部分の不飽和度が20%を越
えない程度にまで選択的に水添されたものである。”前
駆体としてのブロック共重合体”を構成するビニル芳香
族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等のうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもスチレンが特に好ましい。
【0043】また共役ジエン化合物としては、ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等のうちから1
種または2種以上選ばれ、中でもブタジエン及び/又は
イソプレンが特に好ましい。”前駆体としてのブロック
共重合体”において、ビニル芳香族化合物の含有量と共
役ジエン化合物の含有量の重量比は、特に制限はしない
が、50/50〜90/10の範囲が好ましく、55/
45〜85/15の範囲がさらに好ましい。ビニル芳香
族化合物の含有量が50重量%より少なくなると樹脂組
成物を成形する際、相溶性の不良に起因する相剥離現象
が生じ易く、また流動性にも悪影響が生じ易い。
【0044】一方、ビニル芳香族化合物の含有量が90
重量%を越えると耐衝撃性、熱エージング性等の改良効
果が少なくなる。上記ブロック共重合体は、数平均分子
量が2,000〜500,000が好ましく、最も好ま
しいのは20,000〜30,000の範囲であり、ま
た分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)は
1.05〜10の範囲が好ましい。
【0045】また、ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分枝状、放射状またはこれらの組み合わせ等が挙
げられる。この中で、直鎖状の構造の物がより好まし
い。”前駆体としてのブロック共重合体”の製造方法と
しては、例えば特公昭36−19286号、特公昭43
−14979号、特公報49−36957号、特公昭4
8−2423号及び特公昭48−4106号公報等に記
載された方法が挙げられる。これらは全て、炭化水素溶
剤中でアニオン重合開始剤として有機リチウム化合物等
を用い、必要に応じてビニル化剤、カップリング剤等を
用い、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物をブロッ
ク共重合する方法である。
【0046】上記の”前駆体としてのブロック共重合
体”を、公知の方法、例えば特公昭42−8704号公
報に記載の方法で水添する事により、本発明で用いられ
るブロック共重合体が得られる。(B)成分の基本樹脂
成分中の配合量は、1〜90重量%、好ましくは10〜
60重量%、更に好ましくは15〜50重量%である。
【0047】(C)成分である耐衝撃性ビニル芳香族樹
脂とは、ビニル芳香族系重合体に補強成分として、ゴム
状重合体を、島状に分散した状態で含むものである。ゴ
ム状重合体としては、例えば、ポリブタジエン(ローシ
スポリブタジエン及びハイシスポリブタジエン)スチレ
ン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン
−イソプレン共重合体、天然ゴム等であり、さらにこれ
らの共役ジエン系ゴムを部分的に水添したゴムも含む。
【0048】本発明に用いるビニル芳香族系樹脂とは、
ビニル芳香族系化合物、ビニル芳香族系化合物と共重合
可能な化合物及びゴム質重合体を挙げることができる。
ビニル芳香族系化合物とは、一般式(i)
【0049】
【化10】
【0050】(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハ
ロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級ア
ルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数であ
る。)で表される化合物を意味する。これらの具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等
が挙げられる。また、ビニル芳香族系化合物と共重合可
能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物
類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、ビニル
芳香族系化合物とともに使用される。また、ゴム質重合
体としては共役ジエン系ゴムあるいはエチレン−プロピ
レン共重合体系ゴム等が挙げられる。
【0051】請求項第4項及び第5項に記載の本発明に
用いる部分水添共役ジエン系ゴムは、前述の、公知の方
法で得られる共役ジエン系ゴムを部分的に水添させるこ
とによって得られる。中でも最も好ましいのはポリブタ
ジエンである。共役ジエン系ゴムの全二重結合中に占め
る1,2−ビニル結合の好ましい量は全二重結合の水添
率によって異なるため特に限定されるものではないが、
一般的には5重量%以上であることが望ましい。熱安定
性を向上させるため水添率を上げた場合ゴム弾性が失わ
れるが、1,2−ビニル結合量の多いものほどゴム弾性
の低下の度合いが小さくなるためである。部分水添共役
ジエン系ゴムは全二重結合のうち、5〜70重量%が水
添され、しかも1,2−ビニル結合量が3重量%以下、
好ましくは2重量%以下であることが望ましく、1,4
−結合の量は30重量%以上であることが望ましい。全
二重結合の水添率が5重量%を下回る場合には、部分水
添の効果が十分に発揮できない。例えば、水添前の1,
2−ビニル量が8重量%の共役ジエン系ゴムを5重量%
水添しても1,2−ビニル量を3重量%以下にはできな
いし、全二重結合量の5重量%を水添しても、耐衝撃性
及び耐環境亀裂性はほとんど改良できない。水添率が7
0重量%を超える場合、耐衝撃性、中でも低温衝撃性が
十分に得られなくなるため好ましくない。部分水添共役
ジエン系ゴム中に含まれる1,2−ビニル結合量が3重
量%を超える場合にはゴム成分が酸化され、更にビニル
芳香族系樹脂の主鎖分裂を誘発しやすくなるため熱安定
性を十分に改良しえず好ましくない。更に、1,4−結
合量が30重量%未満の場合には耐衝撃性の改良効果が
乏しくなるため好ましくない。
【0052】本発明において、耐衝撃性ビニル芳香族系
樹脂の含有量は1〜90重量%、好ましくは10〜60
重量%、より好ましくは15〜50の範囲より選ばれ
る。本発明で用いられる部分水添共役ジエン系ゴムは上
述の共役ジエン系ゴムを部分的に水添することによって
得られる。水添方法は、従来公知のいかなる方法を用い
ても良く、例えば、F.L.Ramp.et al,
J.Amer.Chem.Soc.,83,4672
(1961)に記載のトリイソブチルボラン触媒を用い
て水素添加する方法,Hung Yu Chen,J.
Polym.Sci.Polym.Letter E
d.,15,271(1977)に記載のトルエンスル
フォニルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あるい
は特公昭42−8704号公報に記載の有機コバルト−
有機アルミニウム系触媒あるいは有機ニッケル−有機ア
ルミニウム系触媒を用いて水素添加する方法等を挙げる
ことができる。
【0053】本発明の実施において特に好ましい水素添
加の方法は、1,2−ビニル結合を1,4−結合に先立
って選択的に水添できる触媒を使用する特開昭52−7
1890号公報に示される方法、あるいは低温、低圧の
温和な条件下で水添が可能な触媒を用いる特開昭59−
133203号公報、特開昭60−220147号公報
に示される方法である。
【0054】本発明の耐衝撃性ビニル芳香族系樹脂の製
造方法は限定されるものではなく、当業者に良く知られ
ている塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいず
れを用いても良い。本発明においては、(B)成分と
(C)成分の両方が樹脂組成物中に含まれていることが
必須であり、このことにより、どちらかの成分のみが配
合されている場合よりも著しく耐衝撃性が改良される。
【0055】本発明において、ビニル芳香族系樹脂は熱
変形温度及び成形加工性を調節するために用いられ、0
〜80重量%まで添加できる。80重量%を超える場合
には、ポリフェニレンエーテル系樹脂及び部分水添共役
ジエン系ゴムを含む耐衝撃性ビニル芳香族系樹脂を必要
量添加できないため好ましくない。本発明の(D)成分
である変性ブロック共重合体樹脂は、(B)成分として
前記したブロック共重合体を不飽和カルボン酸又はその
誘導体で変性処理した変性ブロック共重合体樹脂であ
る。
【0056】本発明で用いられる不飽和カルボン酸又は
その誘導体の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ
〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
や、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミ
ド、イミド等アクリル酸、メタクリル酸等や、これらモ
ノカルボン酸のエステル、アミド等が挙げられる。これ
らは1種のみならず2種以上混合しても使用できる。こ
れらの中では不飽和ジカルボン酸又はその誘導体が好ま
しく、とりわけ無水マレイン酸が好ましい。
【0057】本発明に用いられるラジカル開始剤は、ビ
ニル化合物の重合触媒として通常用いられる有機あるい
は無機のラジカル発生剤である。これらのうち好ましい
のは有機過酸化物である。具体例としては、t−ブチル
ハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、
ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、α,α’−アゾビ
スイソブチルニトリル、t−ブチルパーオキシラウレー
ト等が挙げられる。
【0058】本発明組成物に用いる無機質充填剤の種類
については特に制限はなく、従来熱可塑性樹脂の補強剤
として慣用されているもの、例えば、無機塩、ガラス、
カーボン、金属、セラミックス等の中から任意のもの
を、要求特性に応じて適宜選択して用いることが出来
る。又、その形態は粉末状、粒状、繊維状、ウィスカー
状などのいずれであってもよい。例えば、低寸法異方性
が要求される場合にはガラスビーズやガラスフレーク
を、高剛性、高耐衝撃性が要求される場合にはガラス繊
維やウィスカー類を導電性付与の目的には金属繊維を、
高比重が要求される場合には酸化鉄を選択して用いるこ
とが好ましい。
【0059】前記無機質充填剤は1種用いても良いし、
2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、本発明の
目的を損なわない範囲で、所望に応じシラン系カップリ
ング剤による表面処理や集束剤による集束処理が施され
たものも用いることができる。この無機質充填剤は、前
記した基本樹脂成分の合計量100重量部に対し、5〜
200重量部の割合で配合することが必須である。この
配合量が5重量部未満では剛性及び寸法精度の改良効果
が不十分であるし、200重量部を超えると該充填剤間
の接合のための樹脂量が不足し、著しく機械的強度が低
下する。
【0060】本発明の組成物には他の添加剤、例えば、
可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型
剤を添加することができる。安定剤としては、亜リン酸
エステル類、ヒンダードフェノール類、アルカノールア
ミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無
機硫化物、金属酸化物類の中から単独で又は組合わせて
使用することができる。
【0061】難燃剤としては、芳香族リン酸エステル、
赤燐、芳香族ハロゲン化合物、三酸化アンチモン等が特
に有効である。本発明を構成する各成分を混合する方法
はいかなる方法でもよいが、例えば、押出機、加熱ロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用することが
出来る。
【0062】本発明の成形体を作製する方法は、いかな
る方法でもよいが、例えば溶融射出成形、加熱圧縮成形
等の手法をとることが出来る。
【0063】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。なお、実施例中、部とあるのは重量部を表す。
【0064】
【参考例1】A成分に用いるポリマーの合成は、以下の
様にして行った。なお、各測定は以下の条件により行っ
た。 ポリマーの粘度;0.5%クロロホルム溶液を、3
0℃の条件でウベローデ粘度管を用いて測定し、ηsp/c
で表す。
【0065】 1 H−核磁気共鳴スペクトル;日本電
子(株)製のGX−270でCDCl3 を溶媒として測
定し、テトラメチルシランを基準として用いる。 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GP
C);東洋曹達工業(株)製HL−802RTSで測定
する。
【0066】GPCにおける検量線は、標準ポリスチレ
ンを用いて作成したものを使用する。 ポリマー中の遊離のフェノール性OH基;EHUD
SHCHORI等の方法〔ジャーナル・オブ・アプライ
ド・ポリマーズ・サイエンス;アプライド・ポリマー・
シンポジウム、34、103〜117頁、(197
8)〕に従って測定する。
【0067】メルトフローレート;300℃、5kg
荷重で測定する。 熱変形温度;ASTM D−648に準拠し、荷重1
8.6kg/cm2 で測定する。 アイゾット衝撃強さ;ASTM D−256に準拠し
て測定する。 原料のポリフェニレンエーテルは、米国特許4,78
8,277号明細書に記載されている方法に従って、ジ
ブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノールを酸化
カップリング重合して製造した。
【0068】得られたポリフェニレンエーテルの粘度は
0.545であり、ガラス転移温度は約208℃であ
る。1 H−核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、化学
式(j);
【0069】
【化11】
【0070】の末端基が、下記の主な繰り返し単位(化
学式(k))の100個につき、0.32個存在する事
が確認される。
【0071】
【化12】
【0072】また、遊離のフェノール性水酸基の量は、
主な繰り返し単位(化学式(k))の100個につき、
0.34個存在する事が確認された。このポリフェニレ
ンエーテルの100重量部に対してスチレン10重量部
をヘンシェルミキサーで均一にブレンドした後、スクリ
ューの直径が30mmφの二軸押出機(池貝鉄工(株)
製PCM−30)中300℃で溶融混練し、水槽を通し
てペレット化した。
【0073】このようにして得られたペレットを1 H−
核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、化学式(l);
【0074】
【化13】
【0075】の末端基が、主な繰り返し単位(化学式
(h))100個につき、0.25個存在することが、
5.02ppmのシグナルの面積値から確認された。
又、遊離のフェノール性水酸基の量は、主な繰り返し単
位(化学式(h))の100個につき0.45個存在す
る事が確認される。また、GPCで求めた数平均分子量
は24,500であり、粘度は0.547であった。
【0076】
【参考例2】B成分として用いるブロック共重合体の構
造を表1に示した。
【0077】
【参考例3】成分Cに用いた耐衝撃性ビニル芳香族系樹
脂の構造を表2に示した。
【0078】
【参考例4】ポリフェニレンエーテルとブロック共重合
体の同時変性体の調製 極限粘度0.50(クロロホルム中、30℃にて測定)
のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エー
テル(PPE)50部に対して、ビニル芳香族系ポリマ
ーブロックとオレフィン系エラストマーブロックとより
なるブロック共重合体17部、ポリスチレン33部、無
水マレイン酸0.5部、パーブチルD0.25部を均一
に混合した後、押出機を用い、窒素雰囲気下で300℃
にて溶融混練しマレイン化反応を行った。ナトリウムメ
チラートによる滴定によって求めたポリフェニレンエー
テル系樹脂100部に対する無水マレイン酸の付加量は
0.2部であった。
【0079】実施例において、組成物中の成分に対する
無水マレイン酸の付加量は次のように測定した。組成物
をクロロホルムに溶解し、メタノールで再沈し、未反応
の無水マレイン酸を除去した後38℃にてジクロロメタ
ンに溶解した後これをろ過し、次いで、溶液部分を−5
℃にて24時間放置し、変性ポリフェニレンエーテル系
樹脂を析出させ、これをろ過し、該樹脂を分離した。次
に、ろ液をメタノールに滴下し変性ブロック共重合体及
びポリスチレンを再沈澱させ、ろ過し、これを分離し
た。各成分に対する無水マレイン酸の付加量はナトリウ
ムメチラートによる滴定によって測定した。
【0080】なお、ポリスチレンに対する無水マレイン
酸の付加は認めらなかった。ブロック共重合体樹脂に対
する無水マレイン酸の付加量は0.8〜1.2部であっ
た。
【0081】
【実施例1】参考例1で作成した変性ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂(以下S−PPEと略称する)55部、表
1のブロック共重合体(以下HTRと略称する)(B−
2)12部、表2の耐衝撃性ポリスチレン(以下HIP
Sと略称する)(C−1)28部、参考例4で作成した
ポリフェニレンエーテルとブロック共重合体の同時変性
体樹脂(E−1)5部、アミノシラン処理したガラス繊
維(以下GFと略称する)25部とを、押出機を用いて
300℃の温度にて溶融混練して樹脂組成物を得た。該
樹脂組成物の物性試験結果を表3に示す。
【0082】
【実施例2】表2のHIPS(C−1)に代えて、C−
2を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。結
果を表3に示す。
【0083】
【実施例3】参考例1で作成したS−PPE62部、表
1のHTR(B−2)13部、表2のHIPS(C−
1)20部、(E−1)5部、GF25部とを、押出機
を用いて300℃の温度にて溶融混練して樹脂組成物を
得た。該樹脂組成物の物性試験結果を表3に示す。
【0084】
【実施例4】参考例1で作成したS−PPEに代えて、
参考例1の原料としたポリフェニレンエーテル系樹脂
(以下PPEと略称する)を用いる以外は、実施例1と
同様の操作を行った。結果を表3に示す。
【0085】
【実施例5】参考例1で作成したS−PPEに代えて、
PPEを用いる以外は、実施例3と同様の操作を行っ
た。結果を表3に示す。
【0086】
【実施例6】S−PPE55部、HTR(B−2)5
部、HIPS(C−1)35部、E−1を5部、GF2
5部とを、押出機を用いて300℃の温度にて溶融混練
して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を
表3に示す。
【0087】
【実施例7】S−PPE55部、HTR(B−2)30
部、HIPS(C−1)10部、E−1を5部、GF2
5部とを、押出機を用いて300℃の温度にて溶融混練
して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の物性試験結果を
表3に示す。
【0088】
【実施例8】表1のHTR(B−2)に代えて、B−1
を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果
を表3に示す。
【0089】
【実施例9】表1のHTR(B−2)に代えて、B−3
を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果
を表3に示す。
【0090】
【比較例1】S−PPE55部、HIPS(C−1)4
0部、E−1を5部、GF25部とを、押出機を用いて
300℃の温度にて溶融混練して樹脂組成物を得た。該
樹脂組成物の物性試験結果を表4に示す。
【0091】
【比較例2】S−PPE55部、HTR(B−2)40
部、E−1を5部、GF25部とを、押出機を用いて3
00℃の温度にて溶融混練して樹脂組成物を得た。該樹
脂組成物の物性試験結果を表4に示す。
【0092】
【比較例3】S−PPEに代えて、PPEを用いる以外
は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表4に示
す。
【0093】
【比較例4】S−PPEに代えて、PPEを用いる以外
は、比較例2と同様の操作を行った。結果を表4に示
す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【発明の効果】本発明の組成物、及び成形体は、従来の
強化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物では達し得な
かった成形性、耐熱性、高い耐衝撃性のバランスに優
れ、イグニッションコイルボビン用途等に利用できる産
業上有用な物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 3/46 B 7346−5H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンエーテル樹脂5〜9
    8重量%に、(B)少なくとも1個のビニル芳香族化合
    物重合体ブロックAと少なくとも1個のオレフィン化合
    物重合体ブロックBからなるブロック共重合体であり、
    オレフィン化合物重合体ブロックB中のオレフィン化合
    物重合体の不飽和度が20%以下であるブロック共重合
    体1〜90重量%、(C)耐衝撃性ビニル芳香族樹脂1
    〜90重量%、(D)ビニル芳香族系樹脂0〜80重量
    %、(E)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性処
    理された変性ポリフェニレンエーテル系樹脂0〜20重
    量%、(F)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性処
    理されたビニル芳香族系ポリマーブロックとオレフィン
    系エラストマーブロックとより成る変性ブロック共重合
    体樹脂0〜20重量%、の(A)成分、(B)成分、
    (C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分よ
    りなる基本樹脂成分100重量部当たり、(G)無機質
    充填剤5〜200重量部配合してなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分が、下記一般式(a)で表され
    る環化末端基を、樹脂を構成するフェニレンエーテルユ
    ニットの100個に対して平均0.01個以上含有し、
    数平均分子量が1,000〜100,000の範囲にあ
    るポリフェニレンエーテル樹脂であることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R5 は、各々独立に、水素、アルキル
    基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリール基叉は置換
    アリール基であり、R6 〜R9 は、各々独立に水素、ア
    ルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケ
    ニル基、ハロゲン基、アリール基、置換アリール基、ア
    ルコキシ基、N−ラクタム基、カルボン酸基、カルボン
    酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド
    基、ニトリル基、アシロキシ基叉はアシル基である。な
    お、R6 とR7 、R8 とR9 は、各々独立に結合してス
    ピロ環状構造のリングを形成していても良い。)
  3. 【請求項3】(B)成分が、少なくとも1個のビニル芳
    香族化合物重合体ブロックAと少なくとも1個のオレフ
    ィン化合物重合体ブロックBからなるブロック共重合体
    であり、このブロック共重合体中のビニル芳香族化合物
    重合体ブロックAの含有量が50重量%以上90重量%
    以下であり、しかもオレフィン化合物重合体ブロックB
    中のオレフィン化合物重合体の不飽和度が20%以下で
    あるブロック共重合体である請求項1又は2記載の樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】(C)成分が、共役ジエン系ゴムの全二重
    結合のうち5〜70重量%が水添され、かつ部分水添共
    役ジエン系ゴム中に含まれる1,2−ビニル結合量及び
    1,4−結合量が各々3重量%以下及び30重量%以上
    である部分水添共役ジエン系ゴムを含む耐衝撃性ビニル
    芳香族樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B)成分が、少なくとも1個のビニル芳
    香族化合物重合体ブロックAと少なくとも1個のオレフ
    ィン化合物重合体ブロックBからなるブロック共重合体
    であり、このブロック共重合体中のビニル芳香族化合物
    重合体ブロックAの含有量が50重量%以上90重量%
    以下であり、しかもオレフィン化合物重合体ブロックB
    中のオレフィン化合物重合体の不飽和度が20%以下で
    あるブロック共重合体であり(C)成分が、共役ジエン
    系ゴムの全二重結合のうち5〜70重量%が水添され、
    かつ部分水添共役ジエン系ゴム中に含まれる1,2−ビ
    ニル結合量及び1,4−結合量が各々3重量%以下及び
    30重量%以上である部分水添共役ジエン系ゴムを含む
    耐衝撃性ビニル芳香族樹脂であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項第1〜5記載の組成物から成形され
    た成形体。
  7. 【請求項7】請求項第1〜5記載の組成物から成形され
    たイグニッションコイルボビン。
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