JPH06192418A - ポリカチオン系重合体 - Google Patents

ポリカチオン系重合体

Info

Publication number
JPH06192418A
JPH06192418A JP35648592A JP35648592A JPH06192418A JP H06192418 A JPH06192418 A JP H06192418A JP 35648592 A JP35648592 A JP 35648592A JP 35648592 A JP35648592 A JP 35648592A JP H06192418 A JPH06192418 A JP H06192418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
different
same
formula
dissolved
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35648592A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Nagase
裕 長瀬
Takao Aoyanagi
隆夫 青柳
Tomoko Akimoto
倫子 秋元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sagami Chemical Research Institute filed Critical Sagami Chemical Research Institute
Priority to JP35648592A priority Critical patent/JPH06192418A/ja
Priority to DE69326354T priority patent/DE69326354T2/de
Priority to KR1019950702557A priority patent/KR100278220B1/ko
Priority to US08/454,152 priority patent/US5616317A/en
Priority to EP94903031A priority patent/EP0676437B1/en
Priority to AU57155/94A priority patent/AU5715594A/en
Priority to PCT/JP1993/001847 priority patent/WO1994014872A1/ja
Publication of JPH06192418A publication Critical patent/JPH06192418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた殺菌効果を有する殺菌剤の有効成分と
なる、新規な高分子化合物を提供する。 【構成】 一般式(I)で表わされる繰り返し単位から
なり、数平均分子量が1000以上であるポリカチオン
系重合体。 【化1】 (式中、Aは単結合、酸素原子、フェニレン基またはジ
オキシエチレン基であり、X1 -およびX2 -は同一または
異なっても良く、四級塩における対アニオンであり、p
およびqは同一または異なっても良く、1〜6の整数で
あり、mは1〜6の整数である。また、A、X1 -
2 -、p、qおよびmは繰り返し単位ごとに同一または
任意に異なっても良い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主鎖骨格にピリジニウ
ム基を有するポリカチオン系重合体に関するものであ
る。本発明の重合体は、極めて殺菌力の高い殺菌剤とし
て特に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、第四級アンモニウム塩はカチオン
性界面活性剤として種々の用途に利用されており、一部
のものには強い殺菌力があることが知られている。なか
でも、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド
(塩化ベンザルコニウム)は、その優れた殺菌力から幅
広い分野で利用されている(アルキル基の炭素鎖長は、
主としてC12〜C14である)。
【0003】一方、殺菌作用を有する高分子化合物の開
発が行なわれており、特に、アンモニウム塩やピリジニ
ウム塩などの第四級窒素を含む置換基を有するモノマー
の重合などによる高分子量化が試みられている。その具
体的な例としては、第四級アンモニウム基をエステル残
基に有するアクリル系ポリマー(特開昭53−6394
号公報)、第四級アンモニウム基をベンゼン環上の置換
基として有するポリスチレン誘導体(特開昭61−24
6205号公報)、ペンダントピリジニウム基を有する
ポリビニルピリジン誘導体(特開昭63−310803
号公報)、側鎖にベンジルアンモニウムまたはベンジル
ピリジニウム基を有する重合体(特開昭64−2661
0号公報)等を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
低分子系の第四級アンモニウム塩は、その水溶液系にお
いて発泡性を有する、熱安定性に劣る、あるいは各種材
料成分への吸着性が著しく、また有効成分の外部への放
出や内部での分離、沈降などを引き起こし殺菌作用が低
下する、などの理由によりその用途が限定されているの
が現状である。また、従来の第四級窒素を側鎖に含む高
分子型殺菌剤は、活性が低分子化合物に比べて低下した
り、あるいはまったく消失したりして殺菌活性が必ずし
も充分ではないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、殺菌剤と
して用いた場合に殺菌活性が充分に高く、かつ発泡性が
なく熱的に安定で広範囲に有用なポリカチオン系殺菌剤
を提供すべく鋭意検討した結果、特定のジピリジン化合
物とジハロゲン化合物の反応から得られる、主鎖骨格に
ピリジニウム基を有するポリカチオン系重合体が極めて
優れた殺菌活性を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【化2】 (式中、Aは単結合、酸素原子、フェニレン基またはジ
オキシエチレン基であり、、X1 -およびX2 -は同一また
は異なっても良く、四級塩における対アニオンであり、
pおよびqは同一または異なっても良く、1〜6の整数
であり、mは1〜6の整数である。また、A、X1 -、X
2 -、p、qおよびmは繰り返し単位ごとに同一または任
意に異なっても良い。)で表わされる繰り返し単位から
なり、数平均分子量が1000以上であるポリカチオン
系重合体に関するものである。
【0007】前記一般式(I)中、X1 -およびX2 -で表
わされる四級塩における対アニオンとしては、F-、C
-、Br-、I-等のハロゲンイオン、水酸イオン、炭
酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオ
ン、硝酸イオン、リン酸イオン等の鉱酸の共役塩基、カ
ルボン酸イオン、スルホン酸イオン、ホスホン酸イオン
等の有機酸の共役塩基などを例示することができる。
【0008】本発明の前記一般式(I)で表わされる繰
り返し単位からなる重合体は、例えば、以下に示す方法
により製造することができる。すなわち、下記一般式
(II)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、mは1〜6の整数である。)で表
わされるジピリジン化合物と、下記一般式(III)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Aは単結合、酸素原子、フェニレ
ン基またはジオキシエチレン基であり、Yはハロゲン原
子、pおよびqは同一または異なっても良く1〜6の整
数である。)で表わされるジハロゲン化合物とを反応さ
せることにより、前記一般式(I)で表わされる繰り返
し単位からなる重合体のうちX1 -およびX2 -がハロゲン
イオンであるものを容易にしかも収率よく製造できる。
また、X1 -およびX2 -がハロゲンイオン以外のものにつ
いては、こうして得られた前記一般式(I)で表わされ
る繰り返し単位からなる重合体の対アニオンであるハロ
ゲンイオンを対応する鉱酸または有機酸等の共役塩基と
イオン交換させることにより容易に得られる。
【0013】なお、この反応は溶媒中で行なうことが好
ましく、用いられる溶媒としてはそれぞれの原料および
得られたポリマーを溶解させるものであればよく、例え
ば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、エチレングリコール、アセトン、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシドおよびそれらの混合溶媒など
が好適に用いられる。また、この反応は通常室温から1
50℃付近までの温度範囲において円滑に進行する。
【0014】本発明のポリカチオン系重合体を合成する
際に使用される、前記一般式(II)で表わされるジピ
リジン化合物としては、ジ(4ーピリジル)メタン、ジ
(2ーピリジル)メタン、1,2-ジ(4ーピリジル)エタン、
1,2-ジ(2ーピリジル)エタン、1,3-ジ(4ーピリジル)プ
ロパン、1,4-ジ(4ーピリジル)ブタン、1,5-ジ(4ーピリ
ジル)ペンタン、1,6-ジ(4ーピリジル)ヘキサン等を例
示することができるが、価格、反応性、生成物の有用性
などの点から、1,3-ジ(4ーピリジル)プロパンが好まし
い。
【0015】また、前記一般式(III)で表わされる
ジハロゲン化合物としては、1,2-ジクロロエタン、1,2-
ジブロモエタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジクロロプ
ロパン、1,3-ジブロモプロパン、1,3-ジヨードプロパ
ン、1,4-ジクロロブタン、1,4-ジブロモブタン、1,4-ジ
ヨードブタン、1,5-ジクロロペンタン、1,5-ジブロモペ
ンタン、1,5-ジヨードペンタン、1,6-ジクロロヘキサ
ン、1,6-ジブロモヘキサン、1,6-ジヨードヘキサン、1,
7-ジクロロヘプタン、1,7-ジブロモヘプタン、1,7-ジヨ
ードヘプタン、1,8-ジクロロオクタン、1,8-ジブロモオ
クタン、1,8-ジヨードオクタン、1,2-ジ(2ークロロエチ
ル)エーテル、1,2-ジ(2ーブロモエチル)エーテル、1,
2-ジ(2ーヨードエチル)エーテル、1,2-ジ(2ークロロエ
トキシ)エタン、1,2-ジ(2ーブロモエトキシ)エタン、
1,2-ジ(2ーヨードエトキシ)エタン、p-ジ(クロロメチ
ル)ベンゼン、p-ジ(ブロモメチル)ベンゼン、p-ジ
(ヨードメチル)ベンゼン、m-ジ(クロロメチル)ベン
ゼン、m-ジ(ブロモメチル)ベンゼン、m-ジ(ヨードメ
チル)ベンゼン、o-ジ(クロロメチル)ベンゼン、o-ジ
(ブロモメチル)ベンゼン、o-ジ(ヨードメチル)ベン
ゼン等を例示することができる。
【0016】本発明のポリカチオン系重合体の数平均分
子量は1000以上であり、より好ましくは3000以
上である。これより低分子量のものではその殺菌効果が
低い。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー、浸透圧法、光散乱法、粘度法等の公知の方法によ
り測定される。
【0017】なお、本発明のポリカチオン系重合体は、
後に参考例として示すように低濃度において極めて優れ
た殺菌力を有しており、新しい高分子殺菌剤として特に
有用である。殺菌剤として使用する場合には、例えば、
上記重合体を水または無機塩水溶液に溶解または分散し
て液剤として使用することができる。また、上記重合体
を高分子フィルムに成形するか、あるいはそのままの形
で固形剤として使用しても良い。さらに、上記重合体を
含む液剤を繊維、ガラス、プラスチックなどの成形体に
塗布もしくは含浸してこれらに殺菌作用を付与してもよ
く、あるいは、上記重合体を石鹸、シャンプーなどの洗
剤へ混入した形とすることもできる。本発明のポリカチ
オン系重合体を有効成分とする殺菌剤は、皮膚、髪、衣
類、食器、医療用器具などの消毒、殺菌に使用できる
他、プール、冷却水などの水処理用殺菌剤、スライムコ
ントロール剤、産業用製造工程又は家畜舎等の消毒防臭
剤などとして有用である。また、殺藻剤としても使用し
得る。
【0018】以下、実施例、試験例および比較例により
本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明がこれ
らに限定されるものではないことはもちろんである。
【0019】
【実施例】
実施例1
【0020】
【化5】
【0021】1,4-ジヨードブタン6.94g(22.6mmol)およ
び1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン4.48g(22.6mmol)をメタ
ノール50mlに溶解し、この溶液を約80℃で15時間還
流した。次に、この反応溶液を濃縮後、ジメチルホルム
アミドに溶解させ、過剰のエチルエーテルに注ぎ込ん
だ。得られた沈殿を回収した後、再びジメチルホルムア
ミドに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を繰り返し
たところ、上記式(1)で表されるポリマー4.50gを黒
色固体として得た。得られたポリマーの分子量をゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーにより測定した結
果、ポリエチレングリコール換算値で64,000であった。
【0022】1H-NMR δ (D2O+DMSO-d6, ppm); 1.63(m,
6H), 2.53(m, 4H), 4.11(m, 4H),7.52(d, 4H, J=0.36H
z), 8.35(d, 4H, J=0.36Hz). IR (KBr, cm-1); 3450, 3030, 2920, 1640, 1555, 145
0, 1175, 820.
【0023】実施例2
【0024】
【化6】
【0025】p-ジ(クロロメチル)ベンゼン5.00g(28.6mm
ol)および1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン5.66g(28.6mmol)
をメタノール50mlに溶解し、この溶液を約80℃で15
時間還流した。次に、この反応溶液を過剰のエチルエー
テルに注ぎ込み、得られた沈殿を回収した後、再びメタ
ノールに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を繰り返
したところ、上記式(2)で表されるポリマー4.50gを
乳白色固体として得た。得られたポリマーの分子量をゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した
結果、ポリエチレングリコール換算値で40,000であっ
た。
【0026】1H-NMR δ (CD3OD, ppm); 1.71(m, 2H),
2.59(t, 4H, J=0.48Hz), 5.38(S, 4H),7.14(s, 4H), 8.
07(d, 4H, J=0.48Hz), 8.98(d, 4H, J=0.48Hz). IR (KBr, cm-1); 3423, 3040, 1637, 1510, 1470, 115
5, 829, 758.
【0027】実施例3
【0028】
【化7】
【0029】p-ジ(ヨードメチル)ベンゼン0.24g(0.67mm
ol)および1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン0.67g(0.67mmol)
をアセトン10mlに溶解し、この溶液を約80℃で15時
間還流した。次に、この反応溶液を濃縮後、ジメチルス
ルホキシドに溶解させ、過剰のエチルエーテルに注ぎ込
んだ。得られた沈殿を回収した後、再びジメチルスルホ
キシドに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を繰り返
したところ、上記式(3)で表されるポリマー0.56gを
黄土色固体として得た。得られたポリマーの分子量をゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した
結果、ポリエチレングリコール換算値で60,000であっ
た。
【0030】1H-NMR δ (DMSO-d6+D2O, ppm); 2.00 (m,
2H), 2.93(m, 4H), 5.72(m, 4H),7.55(s, 4H), 8.03
(m, 4H), 8.97(m, 4H). IR (KBr, cm-1); 3450, 3050, 1638, 1542, 1510, 144
0, 1152, 802.
【0031】実施例4
【0032】
【化8】
【0033】ジ(2-ヨードエチル)エーテル4.00g(12.3mm
ol)および1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン2.43g(12.3mmol)
をメタノール40mlに溶解し、この溶液を約80℃で15
時間還流した。次に、この反応溶液を過剰のエチルエー
テルに注ぎ込み、得られた沈殿を回収した後、再びメタ
ノールに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を繰り返
したところ、上記式(4)で表されるポリマー4.50gを
黄緑色固体として得た。得られたポリマーの分子量をゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した
結果、ポリエチレングリコール換算値で46,000であっ
た。
【0034】1H-NMR δ (D2O, ppm); 2.10(m, 2H), 3.1
3(m, 4H), 4.10(m, 4H),4.82(m, 4H), 8.06(d, 4H, J=
5.4Hz), 8.75(d, 4H, J=5.4Hz). IR (KBr, cm-1); 3420, 3045, 1640, 1505, 1470, 115
5, 829.
【0035】実施例5
【0036】
【化9】
【0037】1,2-ジ(2-ヨードエトキシ)エタン5.00g(1
3.5mmol)および1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン2.68g(13.5
mmol)をメタノール40mlに溶解し、この溶液を約80℃
で15時間還流した。次に、この反応溶液を過剰のエチ
ルエーテルに注ぎ込み、得られた沈殿を回収した後、再
びメタノールに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を
繰り返したところ、上記式(5)で表されるポリマー5.
00gを黄緑色固体として得た。得られたポリマーの分子
量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した結果、ポリエチレングリコール換算値で51,000で
あった。
【0038】1H-NMR δ (D2O, ppm); 2.20(m, 2H), 3.1
0(m, 4H), 3.66(m, s, 4H),4.03(m, 4H), 4.77(m, 4H),
8.01(d, 4H, , J=5.4Hz),8.73(m, 4H, J=5.4Hz). IR (KBr, cm-1); 3415, 3048, 1640, 1510, 1455, 115
0, 829.
【0039】実施例6
【0040】
【化10】
【0041】o-ジ(クロロメチル)ベンゼン2.00g(11.4mm
ol)および1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン2.26g(11.4mmol)
をメタノール20mlに溶解し、この溶液を約80℃で15
時間還流した。次に、この反応溶液を過剰のエチルエー
テルに注ぎ込み、得られた沈殿を回収した後、再びメタ
ノールに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を繰り返
したところ、上記式(6)で表されるポリマー4.20gを
青色固体として得た。得られたポリマーの分子量をゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより測定した結
果、ポリエチレングリコール換算値で23,000であった。
【0042】1H-NMR δ (D20, ppm); 2.18(m, 2H), 3.1
8(m, 4H), 6.00(m, s, 4H),7.38(m, 2H), 7.70(m, 2H),
8.03(m, 4H), 8.76(m, 4H). IR (KBr, cm-1); 3420, 3050, 1635, 1510, 1465, 115
0, 820, 755.
【0043】試験例1 実施例1〜6で得られたポリマー〔化合物番号(1)〜
(6)〕及び比較化合物について殺菌力試験を実施し
た。試験に用いた菌株の種類、その方法および結果を下
記に示す。
【0044】(1)供試菌株 産業上、重要な障害をもたらす、細菌4種および糸状菌
2種を選択し、以下に示す計6菌株を供試した。 細菌 Bs: Bacillus subtilis I.F.O.3007 (枯草菌) Ec: Escherichia coli N.I.H.J. (大腸菌) Pa: Pseudomonas aeruginosa I.A.M.1054 (緑膿菌) Sa: Staphylococcus aureus A.T.C.C.6538p (黄色ブ
ドウ球菌) 糸状菌 An: Aspergillus niger A.T.C.C.6275 (黒こ
うじかび) Ps: Penicillium steckii I.A.M.7048 (青かび)
【0045】(2)試験方法 実施例1〜6で得られたポリマーを正確に秤量し、20
0μg/mlにそれぞれ調整した。この調整液を用い、
200、100、50、25、10、5、2.5、1μ
g/ml濃度に各々希釈して試料液とした。次に、試験
管に保存した供試菌株を白金耳で普通ブイヨン培地(肉
エキス3g、ペプトン10gおよび塩化ナトリウム5g
を水1000mlに溶解したもの)10mlを分注した
試験管に取り、30℃にて48時間培養した後20℃に
て保存した液を供試菌の培養液とした。得られた試料液
9mlを滅菌した10mlL字試験管に取り、これに上
記の供試菌の培養液1mlを接種して薬剤と30℃にて
30分間作用させた。作用後、この液1mlを滅菌水1
00ml中に投入し均一希釈した後、この希釈液1ml
を採取して作用液とした。これらの作用液中の菌株をそ
れぞれ以下に示す方法によりさらに培養し、各々のポリ
マーにおける殺菌力を判定した。 細菌:作用液10μlを滅菌シャーレに取り、細菌用培
地(日水製薬トリプトソーヤ寒天培地)5mlを流し固
め30℃にて2日間培養した。 糸状菌:滅菌シャーレに糸状菌用培地(日水製薬ポテト
デキストローズ寒天培地)5mlを流し固めた後、作用
液10μlを加え30℃にて4日間培養した。 殺菌力の判定は、肉眼で各々の細菌および糸状菌のコロ
ニーの観察を行ない、培地が澄明でコロニーが判定でき
ないものを死滅とした。菌が死滅した試料液のうち、最
も低い濃度をその化合物の最小殺菌濃度とした。
【0046】(3)試験結果 実施例1〜6で得られたそれぞれのポリマー〔化合物番
号(1)〜(6)〕を用いた場合の、各々の細菌および
糸状菌の最小殺菌濃度を第1表に示す。第1表からわか
るように、これらのポリマーはいずれも極めて低濃度で
優れた殺菌力を発現することが判明した。
【0047】比較例1 以下に示す反応〔化11〕により、本発明のポリカチオ
ン系重合体の繰り返し単位と同様な化学構造を有する化
合物(7)および(8)をそれぞれ合成し、その殺菌力
を参考例1と同様な方法により評価した。なお、合成は
下記反応式に示される原料化合物を用いて実施例2に記
述した方法と同様に行なった。その結果を第1表に示す
が、これらの化合物の最小殺菌濃度はいずれの供試菌株
においても100μg/ml以上であり、殺菌効力はほ
とんどないことが判明した。
【0048】
【化11】
【0049】なお、産業用の殺菌剤として広く使用され
ている塩化ベンザルコニウム(9)についても同様に試
験を行った。結果を同じく第1表に示す。
【0050】
【化12】
【0051】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 最小殺菌濃度(μg/ml) 化合物 ───────────────────────────── 番号 Bs Ec Pa Sa An Ps ──────────────────────────────────── 本発明の化合物 (1) 2.5 5 5 5 10 5 (2) 1 1 2.5 1 2.5 2.5 (3) 5 5 5 10 5 10 (4) 5 5 10 10 10 25 (5) 5 5 2.5 5 10 2.5 (6) 5 5 10 5 10 10 比較化合物 (7) 100 100 200 >200 200 100 (8) 100 >200 100 100 >200 200 (9) 10 25 5 10 25 10 ──────────────────────────────────── (注)化合物番号(9)の化合物は、塩化ベンザルコニウムである。
【0052】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)で表わされる
ポリカチオン系重合体は、含有するピリジニウム基の割
合が多いため、水溶性が高い利点を有している。また、
この重合体は、水以外にもメタノール、エタノール、エ
チレングリコール等のアルコール系溶媒にも溶解し、こ
れらと水との混合溶媒にも易溶である。さらに、本発明
のポリカチオン系重合体は低濃度で優れた殺菌力を有し
ており、殺菌剤として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】p-ジ(ヨードメチル)ベンゼン0.24g(0.67mm
ol)および1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン0.13g(0.67mmol)
をアセトン10mlに溶解し、この溶液を約80℃で15時
間還流した。次に、この反応溶液を濃縮後、ジメチルス
ルホキシドに溶解させ、過剰のエチルエーテルに注ぎ込
んだ。得られた沈殿を回収した後、再びジメチルスルホ
キシドに溶解し過剰のエチルエーテルに再沈殿を繰り返
したところ、上記式(3)で表されるポリマー0.32gを
黄土色固体として得た。得られたポリマーの分子量をゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した
結果、ポリエチレングリコール換算値で60,000であった

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Aは単結合、酸素原子、フェニレン基またはジ
    オキシエチレン基であり、X1 -およびX2 -は同一または
    異なっても良く、四級塩における対アニオンであり、p
    およびqは同一または異なっても良く、1〜6の整数で
    あり、mは1〜6の整数である。また、A、X1 -
    2 -、p、qおよびmは繰り返し単位ごとに同一または
    任意に異なっても良い。)で表わされる繰り返し単位か
    らなり、数平均分子量が1000以上であるポリカチオ
    ン系重合体。
JP35648592A 1992-12-22 1992-12-22 ポリカチオン系重合体 Pending JPH06192418A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35648592A JPH06192418A (ja) 1992-12-22 1992-12-22 ポリカチオン系重合体
DE69326354T DE69326354T2 (de) 1992-12-22 1993-12-21 Verwendung polykationischer polymere als bakterizides/algizides mittel
KR1019950702557A KR100278220B1 (ko) 1992-12-22 1993-12-21 다양이온계 중합체 및 다양이온계 살균 살조제
US08/454,152 US5616317A (en) 1992-12-22 1993-12-21 Polycationic polymer and polycationic microbicidal and algaecidal agent
EP94903031A EP0676437B1 (en) 1992-12-22 1993-12-21 Use of polycationic polymer as bactericidal/algicidal agent
AU57155/94A AU5715594A (en) 1992-12-22 1993-12-21 Polycationic polymer and polycationic bactericidal/algicidal agent
PCT/JP1993/001847 WO1994014872A1 (en) 1992-12-22 1993-12-21 Polycationic polymer and polycationic bactericidal/algicidal agent

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35648592A JPH06192418A (ja) 1992-12-22 1992-12-22 ポリカチオン系重合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06192418A true JPH06192418A (ja) 1994-07-12

Family

ID=18449258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35648592A Pending JPH06192418A (ja) 1992-12-22 1992-12-22 ポリカチオン系重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06192418A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08117577A (ja) * 1994-10-05 1996-05-14 Korea Res Inst Chem Technol 錯イオン型の分離膜およびその製造方法
JP2012510179A (ja) * 2008-11-26 2012-04-26 エントン インコーポレイテッド ジピリジル系レベリング剤によるマイクロエレクトロニクスにおける銅の電子沈積

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08117577A (ja) * 1994-10-05 1996-05-14 Korea Res Inst Chem Technol 錯イオン型の分離膜およびその製造方法
JP2012510179A (ja) * 2008-11-26 2012-04-26 エントン インコーポレイテッド ジピリジル系レベリング剤によるマイクロエレクトロニクスにおける銅の電子沈積

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0778731B1 (en) Ionene polymers containing biologically-active anions
US7687072B2 (en) Biocidal particles of methylated polystyrene
US4891423A (en) Polymeric biguanides
EP0493970A1 (en) Antimicrobial polymeric quaternary ammonium salts
KR100278220B1 (ko) 다양이온계 중합체 및 다양이온계 살균 살조제
JP2847164B2 (ja) 繊維体用抗菌剤
JPH06192418A (ja) ポリカチオン系重合体
JP3476854B2 (ja) ポリカチオン系殺菌殺藻剤
US4830851A (en) Polymeric halophors
WO1996006603A1 (en) Polyalkylene oxide containing quaternary ammonium antimicrobial agents
RU2272045C1 (ru) Полидиаллиламины и содержащее их дезинфицирующее средство
JPH09143186A (ja) 四級アンモニウム基を有するジシロキサン化合物および殺菌殺藻剤
Punyani et al. Synthesis, characterization, and antimicrobial properties of novel quaternary amine methacrylate copolymers
US4842858A (en) Polymeric halophors
JP3205063B2 (ja) 重合性単量体及びその製造方法
JP2005232135A (ja) 抗菌力増強剤
CN114773389A (zh) 具有抑菌活性的恶二唑杂环取代的季磷盐及其制备方法和应用
AU742516B2 (en) Ionene polymers containing biologically-active anions
CA1073464A (en) Polymeric quaternary ammonium compounds
JP4065317B2 (ja) 新規チオフェン誘導体、その製法および用途
JPS6339563B2 (ja)
JPH0319849B2 (ja)