JPH06191045A - インクジェットヘッドカートリッジ用キャップ装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドカートリッジ用キャップ装置及びインクジェット記録装置

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JPH06191045A
JPH06191045A JP34675292A JP34675292A JPH06191045A JP H06191045 A JPH06191045 A JP H06191045A JP 34675292 A JP34675292 A JP 34675292A JP 34675292 A JP34675292 A JP 34675292A JP H06191045 A JPH06191045 A JP H06191045A
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ink
cap
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ink jet
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JP34675292A
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Koichi Tanno
幸一 丹野
Nobuyuki Kuwabara
伸行 桑原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定した記録が得られるようインクの乾燥、
蒸発、固着等を防止し安定確実なインク吐出を確保する
ことのできるキャップ装置、及び該装置を具備したイン
クジェット記録装置を提供する。 【構成】 記録ヘッドにおけるインクの乾燥を防止し、
インク漏れによるキャップの気密性の低下や周辺部の汚
れを防ぐよう、インクジェットヘッドカートリッジを用
いるインクジェット記録装置の、弾性を有する部材と選
択的に気密係合しインク吐出口を大気から遮断するよう
構成した特定のキャップ装置を具備することにより、イ
ンク吐出が安定確実に確保され高速高精細記録が可能な
インクジェット記録装置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
カートリッジ及びインクジェット記録装置に関し、特に
記録ヘッドにおけるインクの乾燥を防止し、インク漏れ
によるキャップ気密性の低下や周辺部の汚れを防ぐこと
のできる記録ヘッド用キャップ装置及びインクジェット
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェットヘッドは、非記
録時におけるノズル部インクの流出、乾燥、固着、目詰
まり防止等のためキャップ装置が設けられている。従
来、記録ヘッドとインクタンクから成るインクジェット
ヘッドカートリッジへの物流時のキャップの方法として
は、ノズル部の保護も含め粘着シールテープによるノズ
ルへの密着封止があり、インクジェットヘッドカートリ
ッジを用いたインクジェット記録装置においては、記録
ヘッドのキャップ手段としてのキャップ装置は、記録ヘ
ッドのノズル先端部同一面において気密係合し、ノズル
が大気から遮断されるよう、該キャップ装置は、単一材
質から成る弾性を有する一体部材(例えばゴム等)によ
って構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
インクジェットヘッドカートリッジへの物流時のキャッ
プ手段としてのノズル部への粘着シールテープによる密
着封止は、シールテープの粘着層がノズルへ経時的に移
行するため、ノズルが目詰まりを起こすので、これを考
慮して、特殊で高価なシールテープとせざるを得なかっ
た。
【0004】また、上記の従来型インクジェット記録装
置においては、キャップ装置は記録ヘッドのノズル先端
部同一面において気密係合されるよう構成されているの
で、ノズル面のクリーニングやポンプによる吸引を行っ
た後、ノズル面のキャップ装置との当接部に余分なイン
クが残ることがある。爾後にキャップした際、この残さ
れたインクがキャップに付着し、固化して、度重なると
キャップに固着されたインクによって、キャップによる
気密性が不完全となる。このためキャップとノズル面が
係合されていても、その境界面より空気がノズル内に入
り込んだり、ノズル部のインクが蒸発してノズル部のイ
ンクが増粘し、ひいては、固着が起こり満足な吐出がで
きなくなる。またインク漏れが起き、機器内周辺部が汚
染されたりすることがあった。
【0005】さらにはキャップ装置が、単一材質から成
る弾性を有する部材によって構成されているので、一般
に弾性を有する部材は、水蒸気透過率が高いため、キャ
ップと記録ヘッドのノズル面が完全に気密係合されてい
ても、キャップを通して空気がノズル内に入り込んだ
り、ノズル部におけるインク蒸発が起こり、ノズル部の
インクが増粘し、ひいては、固着を生じて満足な吐出が
できず回復ポンプを必要とする等の不都合があった。
【0006】本発明はこれらの不都合を除去し、インク
の乾燥、蒸発、固着等を防止して、安定確実なインク吐
出を確保することのできるインクジェット記録ヘッド用
キャップ装置、並びに該記録ヘッドを具備するインクジ
ェット記録装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクの飛翔
液滴を吐出する吐出口を有する記録ヘッドを具備したイ
ンクジェット記録装置の、特にインクジェットヘッドカ
ートリッジのキャップ装置であって、インク吐出方向に
配向し、前記記録ヘッドの前記吐出口端面より突出しな
い位置で、且つ前記吐出口と接触しない外周に位置する
ように弾性を有する部材が配設され、該インクジェット
ヘッドカートリッジ及び該インクジェットヘッドカート
リッジを具備して記録媒体に文字等の記録を行うインク
ジェット記録装置において、前記弾性を有する部材と選
択的に気密係合し前記吐出口を大気から遮断するキャッ
プ装置を具備して成るよう構成せしめることにより、上
記の課題を解決しようとするものである。
【0008】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置において、優れた効果をもたらすものである。
【0009】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号及び同第474079
6号公報に開示されており、本発明はこれらの基本的な
原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式は所謂
オンデマンド型、コンティニュアス型の何れにも適用可
能である。
【0010】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆
動信号に一対一で対応した気泡を形成できるため特にオ
ンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。
【0011】この駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優
れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第446
3359号及び同第4345262号公報に記載されて
いるようなものが適している。なお、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号公
報に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記
録を行うことができる。
【0012】記録ヘッドの構成としては上記の各特許公
報に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号及び米国特許第4
459600号公報に開示されているように、熱作用部
が屈曲する領域に配置された構成をもつものも本発明に
含まれる。
【0013】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
においても本発明は有効である。
【0014】さらに本発明が有効に利用される記録ヘッ
ドとしては、記録装置が記録できる最大記録媒体の最大
幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上記した公報に開示され
ているような記録ヘッドを複数組み合わせることによっ
てフルライン構成としたものや、一体的に形成された一
個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0015】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0016】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モー
ドを行う手段を付加することも安定した記録を行うため
に有効である。
【0017】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個を組み合わせ
て構成したものかの何れでもよいが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0018】以上の諸例は、液体インクを用いた場合で
あるが、本発明では室温で固体状であるインクであって
も、室温で軟化状態となるインクであっても用いること
ができる。上記のインクジェット装置ではインク自体を
30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってイン
クの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するもの
が一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液
状をなすものであればよい。
【0019】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることもできる。何れにして
も熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインク
が液化してインク液状として吐出するものや記録媒体に
到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、
熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質をもつ
インクの使用も本発明には適用可能である。
【0020】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。
【0021】本発明においては、上記した各インクに対
して最も有効なものは、上記した膜沸騰方式を実行する
ものである。図12は本発明により得られた記録ヘッド
をインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として
装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を
示す外観斜視図である。
【0022】図12において、120はプラテン124
上に送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐
出を行うノズル群を具えたインクジェットヘッドカート
リッジ(IJC)である。116はIJC120を保持
するキャリッジHCであり、駆動モータ117の駆動力
を伝達する駆動ベルト118の一部と連結し、互いに平
行に配設された2本のガイドシャフト119A及び11
9Bと摺動可能とすることにより、IJC120の記録
紙の全幅にわたる往復移動が可能となる。
【0023】126はヘッド回復装置であり、IJC1
20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構123を介したモータ
122の駆動力によって、ヘッド回復装置126を動作
せしめ、IJC120のキャッピングを行う。このヘッ
ド回復装置126のキャップ部126AによるIJC1
20へのキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置1
26内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引もしく
IJC120へのインク供給経路に設けた適宜の加圧手
段によるインク圧送を行い、インクを吐出口より強制的
に排出させることによりノズル内の増粘インクを除去す
る等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等にキャ
ッピングを施すことによりIJCが保護される。
【0024】130はヘッド回復装置126の側面に配
設され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材とし
てのブレードである。ブレード131はブレード保持部
材131Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復
装置126と同様、モータ122および伝動機能123
によって動作し、IJC120の吐出面との係合が可能
となる。これにより、IJC120の記録動作における
適切なタイミングで、あるいはヘッド回復装置126を
用いた吐出回復処理後に、ブレード131をIJC12
0の移動経路中に突出させ、IJC120の移動動作に
伴ってIJC120の吐出面における結露、濡れあるい
は塵埃等をふきとるものである。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に示すが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0026】図1乃至9は、本発明が実施もしくは適用
される好適なインクジェットユニットIJU、インクジ
ェットヘッドIJH、インクタンクIT、インクジェッ
トヘッドカートリッジIJHC、インクジェット記録装
置本体IJRA、キャリッジHCのそれぞれ及びぞれぞ
れの関係を説明するための説明図である。以下これらの
図面により各部構成を説明する。
【0027】本例でのインクジェットヘッドカートリッ
ジIJHCは、図3の斜視図で判るようにインクの収納
割合が大きくなっているもので、インクタンクITの前
方面よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先
端部が突出した形状である。このインクジェットヘッド
カートリッジIJHCは、インクジェット記録装置本体
IJRAに載置されているキャリッジHC(図7参照)
の後記する位置決め手段及び電気的接点とによって固定
支持されると共に、該キャリッジHCに対して着脱可能
なディスポーザブルタイプである。本例図1乃至9に
は、本発明の成立段階において成された数々の新規な技
術が適用された構成が示されているので、これらの構成
の簡単な説明を加えて、全体を説明する。
【0028】 (I)インクジェットユニットIJUの構成 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換体を用いて記録行うバブルジェエ
ト方式のユニットである。
【0029】図2において、100は、Si基板上に複
数の列状に配設された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、
これに電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術に
より形成されて成るヒータボードである。200は、ヒ
ータボード100に対する配線基板であり、ヒータボー
ド100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディ
ングにより接続される)と、この配線の端部に位置し本
体装置からの電気信号を受けるパッド201とを有して
いる。1300は複数のインク流路をそれぞれ区分する
ための隔壁や各インク流路へインクを与えるためにイン
クを収納するための共通液室等を設けた溝付天板で、イ
ンクタンクITから供給されるインクを受けて上記の共
通液室へ導入するインク受け口1500と、各インク流
路に対応した吐出口を複数有するオリフィスプレート4
00を一体成型したものである。これらの一体成型材料
としてはポリサルフォンが好ましいが、他の成型用樹脂
材料でもよい。300は、配線基板200の裏面を平面
で支持する例えば金属製の支持体でインクジェットユニ
ットの底板となる。500は、押えバネであり、M字形
状でそのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧すると共に
前だれ部501で液路の一部、好ましくは吐出口近傍の
領域を線圧で集中押圧する。
【0030】ヒータボード100及び天板1300を押
えバネの足部が支持体300の穴3121を通って支持
体300の裏面側に係合することで、これらを挟み込ん
だ状態で両者を係合させることにより押えバネ500と
その前だれ部501の集中不勢力によってヒータボード
100と天板1300とを圧着固定する。また、支持体
300はインクタンクITの2つの位置決め突起101
2及び位置決め且つ熱溶着保持用突起1800,180
1に係合する位置決め用穴312,1900,2000
を有する他、装置本体IJRAのキャリッジHCに対す
る位置決め用の突起2500,2600を裏面側に有し
ている。加えて支持体300はインクタンクからのイン
ク供給を可能とするインク供給管2200(後記)を貫
通可能にする穴320をも有している。
【0031】支持体300に対する配線基板200の取
付けは、接着剤等で貼着して行われる。なお支持体30
0の凹部2400,2401は、それぞれ位置決め用突
起2500,2600の近傍に設けられており、組み立
てられたインクジェットヘッドカートリッジJIHC
(図3参照)において、その周囲の3辺を平行溝300
0,3001の複数で形成されたヘッド先端域の延長点
にあって、ゴミやインク等の不要物が突起2500,2
600に至ることがないように位置している。この平行
溝3000が形成されている蓋部材800は、図3で判
るようにインクジェットヘッドカートリッジIJHCの
外壁を形成すると共に、インクタンクとでインクジェッ
トユニットIJUを収納する空間部を形成している。ま
た、この平行溝3001が形成されているインク供給部
材600は、前記したインク供給管2200に接続する
インク導管1600を供給管2200側が固定の片持ち
ばりとして形成し、インク導管の固定側とインク供給管
2200との毛管現象を確保するための封止ピン602
が挿入されている。なお、601は、インクタンクIT
と供給管2200との結合シールを行うパッキン、70
0は、供給管のタンク側端部に設けられたフィルターで
ある。
【0032】このインク供給部材600は、モールド成
型されているので安価で位置精度が高く形成製造上の精
度低下をなくしているだけでなく、片持ちばりの導管1
600によって大量生産時においても導管1600の上
記インク受け口1500に対する圧接状態が安定化でき
る。本例では、この圧接状態下で封止用接着剤をインク
供給部材側から流し込むだけで、より完全な連通状態を
確実に得ることができている。なお、インク供給部材6
00の支持体300に対する固定は、支持体300の穴
1901,1902に対するインク供給部材600の裏
面側ピン(不図示)を支持体300の穴1901,19
02を介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に
突出した部分を熱溶着することで簡単に行われる。な
お、この熱溶着された裏面部のわずかな突出領域は、イ
ンクタンクITのインクジェットユニットIJU取付面
側壁面のくぼみ(不図示)内に収められるのでユニット
IJUの位置決め面は正確に得られる。
【0033】そして図3において、後記するキャップ部
材5025と係合すべきゴム部材5022が、インク吐
出方向において、記録ヘッドのオリフィス面400より
突出しない位置で、且つオリフィス面400と接触しな
い外周に位置するように取付けられており、詳しくは後
記するが、ゴム部材5022は、キャップ部材5025
と気密係合し、オリフィス面400を大気から遮断する
ため、ノズル部のインクの蒸発や大気から吐出口への空
気の流入を阻止する水蒸気透過率の低い材質が好まし
く、ブチルゴム等が使用できる。
【0034】(II)インクタンクITの構成 インクタンクITは、カートリッジ本体1000と、イ
ンク吸収体900とインク吸収体900をカートリッジ
本体1000の上記ユニットIJU取付け面とは反対側
の側面から挿入した後、これを封止する蓋部材1100
とで構成されている。900は、インクを含浸させるた
めの吸収体であり、カートリッジ本体1000内に配置
される。1200は、上記各部100〜600から成る
ユニットIJUに対してインクを供給するための供給口
であると共に、当該ユニットをカートリッジ本体100
0の部分1010に配置する前の工程で供給口1200
よりインクを注入することにより吸収体900のインク
含浸を行うための注入口でもある。
【0035】本例では、インクを供給可能な部分は、大
気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体からの
インク供給性を良好に行うための本体1000内リブ2
300と蓋部材1100の部分リブ2900,2800
とによって形成されたインク内空気存在領域を大気連通
口1401側から連続させてインク供給口1200から
最も遠い角部域にわたって形成している構成をとってい
るので、相対的に良好且つ均一な吸収体へのインク供給
は、この供給口1200側から行われることが重要であ
る。この方法は、実用上極めて有効である。このリブ2
300は、インクタンクの本体1000の後方面におい
て、キャリッジ移動方向に平行なリブを4本有し、吸収
体が後方面に密着することを防止している。また、部分
リブ2800,2900は、同様にリブ2300に対し
て対応する延長上にある蓋部材1100の内面に設けら
れているが、リブ2300とは異なり分割された状態と
なっていて空気の存在空間を前者より増加させている。
【0036】なお、部分リブ2900,2800は、蓋
部材1100の全面積の半分以下の面に分散された形と
なっている。これらのリブによってインク吸収体のイン
ク供給口1200から最も遠い角部の領域のインクをよ
り安定させつつも確実に供給口1200側へ、毛管力で
導くことができた。1401はカートリッジ内部を大気
に通過するために蓋部材に設けた大気連通口である。1
400は、大気連通口1401の内方に配置される撥液
材であり、これにより大気連通口1401からのインク
漏洩が防止される。
【0037】前記したインクタンクITのインク収容空
間は長方体形状であり、その長辺を側面にもつ場合であ
るので上記したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジに移動方向に長辺をもつ場合、又は立方体の場
合は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにする
ことでインク吸収体900からのインク供給を安定化で
きる。限られた空間内にインクをできるだけ収納するた
めには、直方体形状が適しているが、この収納されたイ
ンクを無駄なく記録に使用するためには、上記したよう
に、角部の領域に対して近接する2画領域に上記作用を
行えるリブを設けることが好ましい構成である。
【0038】さらに、本実施例におけるインクタンクI
Tの内面リブは、直方体形状のインク吸収体の厚み方向
に対してほぼ均一な分布で配置されている。この構成
は、吸収体全体のインク消費に対して、大気圧分布を均
一化しつつインク残量をほとんど無ならしめることがで
きるため重要な構成である。さらに、このリブの配置上
の技術思想は、直方体の4角形上面においてインクタン
クのインク供給口1200を投影した位置を中心とし
て、長辺を半径とする円弧を描いたときに、その円弧よ
りも外側に位置する吸収体に対して、大気圧状態が、早
期に与えられるようにその円弧よりも外側の面に上記リ
ブを配設することが重要となる。この場合タンクの大気
連通口は、このリブ配設領域に大気を導入できる位置で
あれば、本例に限られることではない。
【0039】加えて、本実施例では、インクジェットヘ
ッドカートリッジIJHCのヘッドに対する後方面を平
面化して、装置に組み込まれたときの必要スペースを最
小化ならしめると共に、インクの収容量を最大化してい
る構成をとっているために、装置の小型化を達成できる
だけではなく、カートリッジの交換頻度を減少できる優
れた構成をとっている。そして、インクジェットユニッ
トIJUを一体化するための空間の後方部を利用して、
そこに、大気連通口1401用の突出部分を形成し、こ
の突出部分の内部を空洞化して、ここに前記した吸収体
900の厚み全体に対する大気圧供給空間1402を形
成してある。
【0040】このように構成することで、従来にはみら
れない優れたカートリッジを提供できた。なお、この大
気圧供給空間1402は、従来よりもはるかに大きい空
間であり、上記大気連通口1401が上方に位置してい
るので、何らかの異常でインクが吸収体から離脱しても
この大気圧供給空間1402は、そのインクを一時的に
保持でき、確実に吸収体に回収せしめることができるの
で無駄のない優れたカートリッジを提供できる。
【0041】また、インクタンクITの上記ユニットI
JUの取付面の構成は図4によって示されている。オリ
フィスプレート400の突出口のほぼ中心を通ってタン
クITの底面もしくはキャリッジの表面の載置基準面に
平行な直線をL1 とすると、支持体300の穴312に
係合する2つの位置決め突起1012は、この直線L 1
上にある。この突起1012の高さは、支持体300の
厚みによりわずかに低く、支持体300の位置決めを行
う。この図面上で直線L1 の延長上には、キャリッジの
位置決め用フック4001の90°角の係合面4002
が係合する爪2100が位置しており、キャリッジに対
する位置決め作用力がこの直線L1 を含む上記基準面に
平行な面領域で作用するように構成されている。図5及
び6で後記するが、これらの関係は、インクタンクのみ
の位置決め精度がヘッドの吐出口の位置決め精度と同等
となるので有効な構成となる。
【0042】また、支持体300のインクタンク側面へ
の固定用穴1900,2000にそれぞれ対応するイン
クタンクの突起1800,1801は前記の突起101
2よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分を
熱溶着して支持体300をその側面に固定するためのも
のである。上記の線L1 に垂直でこの突起1800を通
る直線L3 、突起1801を通る直線L2 としたとき、
直線L3 上には、上記供給口1200のほぼ中心が位置
するので供給口1200と供給管2200との結合状態
を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこれらの
結合状態への負荷を軽減できるので好ましい構成であ
る。
【0043】又、直線L2 ,L3 は、一致していず、ヘ
ッドIJHの吐出口側の突起1012周辺に突起180
0,1801が存在しているので、さらにヘッドIJH
のタンクに対する位置決めの補強効果を生んでいる。な
お、L4 で示される曲線は、インク供給部材600の装
着時の外壁位置である。突起1800,1801はその
曲線L4 に沿っているのでヘッドIJHの先端側構成の
重量に対しても充分な強度と位置精度を与えている。な
お、2700は、インクタンクITの先端ツバで、キャ
リッジの前板4000の穴に、挿入されていてインクタ
ンクの変位が極端に悪くなるように異変時に対して設け
られている。2101は、キャリッジに対する抜け止め
で、キャリッジHCの不図示のバーに対して設けられカ
ートリッジIJHCが後記のように旋回装着された位置
でこのバーの下方に侵入して不要に位置決め位置から離
脱させる上方方向へ力が作用しても装着状態を維持する
ための保護用部材である。
【0044】インクタンクITは、ユニットIJUを装
着された後に蓋800で覆うことでユニットIJUを下
方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジェット
ヘッドカートリッジIJHCとしては、キャリッジHC
に載置するための下方開口はキャリッジHCと近接する
ため、実質的な4方包囲空間を形成してしまう。したが
って、この包囲空間内にあるヘッドIJHからの発熱
は、この空間内の保温空間として有効となるものの長期
連続使用としては、わずかな昇温となる。このため本例
では、支持体の自然放熱を助けるために、カートリッジ
IJHCの上方面にこの空間よりは小さい幅のスリット
1700を設けて昇温を防止しつつも、ユニットIJU
全体の温度分布の均一化を環境に左右されないようにす
ることができた。
【0045】インクジェットヘッドカートリッジIJH
Cとして組み立てられると、インクは、カートリッジ内
部より供給口1200、支持体300に設けた穴320
及び供給タンク600の中裏面側に設けた導入口を介し
て供給タンク600内に供給され、その内部を通った後
導出口より適宜の供給管及び天板1300のインク導入
口1500を介して共通液室内へと流入する。以上にお
けるインク連通用の接続部には、例えば、シリコンゴム
やブチルゴム等のパッキンが配設され、これによって封
止が行われてインク供給路が確保される。
【0046】なお、本実施例において天板1300は耐
インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレン等の
樹脂を用いオリフィスプレート部400と共に金型内で
一体に同時成型してある。
【0047】上記のように一体成型部品は、インク供給
部材600、天板・オリフィスプレート一体部材、及び
インクタンク本体1000としたので、組み立て精度が
高水準になるばかりでなく、大量生産の品質向上に極め
て有効である。また、部品点数の個数は、従来に比較し
て減少できているので優れた所望特性を確実に発揮でき
る。
【0048】また、本発明実施例では、上記組み立て後
の形状において、図2で示されるようにインク供給部材
600は、その上面部603がインクタンクITのスリ
ット1700を備えた屋根部の端部4008との間に図
3に示したようにスリットSを形成し、下面部604が
インクタンクITの下方の蓋800が接着される薄板部
材のヘッド側端部4011との間に、上記スリットSと
同様のスリット(不図示)を形成している。これらのイ
ンクタンクITとインク供給部材600との間のスリッ
トは、上記スリット1700の放熱を一層促進させる作
用を実質的に行うと共に、タンクITへ加わる不要な圧
力があってもこれを直接供給部材、ひいては、インクジ
ェットユニットIJUへ及ぼすことを防止している。
【0049】何れにしても、本実施例の上記構成は、従
来にはない構成であって、それぞれが単独で有効な効果
をもたらすのみならず、複合的にも各構成用件があるこ
とで有機的な構成効果をもたらしている。
【0050】(III)キャリッジHCに対するインクジェ
ットヘッドカートリッジIJHCの装着 図5及び6は、キャリッジHCがホームポジション側領
域にあるときを示す詳細図で、インクジェットヘッドカ
ートリッジIJHCのキャリッジHCへの着脱は、この
ホームポジションにて行われる。
【0051】図5及び6において、5000は、プラテ
ンローラで、記録媒体Pを紙面下方から上方へ案内す
る。キャリッジHCは、プラテンローラ5000に沿っ
て移動するものでキャリッジの前方プラテン側にインク
ジェットヘッドカートリッジIJHCの前面側に位置す
る前板4000(厚さ2mm)と、カートリッジIJH
Cの配線基板200のパッド201に対応するパッド2
011を具備したフレキシブルシート4005及びこれ
を裏面側から各パッド2011に対して押圧する弾性力
を発生するためのゴムパッドシート4007を保持する
電気接続部用支持板4003と、インクジェットヘッド
カートリッジIJHCを記録位置へ固定するための位置
決め用フック4001とが設けられている。
【0052】前板4000は、位置決め用突出面401
0をカートリッジの支持体300の前記した位置決め突
起2500,2600にそれぞれ対応して2個有し、カ
ートリッジの装着はこの突出面4010に向かう垂直な
力を受ける。このため、補強用のリブが前板のプラテン
ローラ側にその垂直な力の方向の向かっているリブ(不
図示)を複数有している。このリブは、カートリッジI
JHC装着時の前面位置L5 よりもわずかに(約0.1
mm程度)プラテンローラ側に突出しているヘッド保護
用突出部をも形成している。
【0053】電気接続用支持板4003は、補強用リブ
4004を前記リブの方向ではなく垂直方向に複数有
し、プラテン側からフック4001側に向かって側方へ
の突出割合が減じられている。これは、カートリッジ装
着時の位置を図5のように傾斜させるための機能も果た
している。また、支持板4003は、電気的接触状態を
安定化するため、上記2つの位置決め用突出面4010
がカートリッジに及ぼす作用方向と逆方向にカートリッ
ジへの作用力を及ぼすためのフック側の位置決め面40
06を突出面4010に対応して2個有し、これらの間
にパッドコンタクト域を形成すると共にパッド2011
対応のボッチ付ゴムシート4007のボッチの変形量を
一義的に規定する。
【0054】これらの位置決め面は、カートリッジIJ
HCが記録可能な位置に固定されると、配線基板200
の表面に当接した状態となる。本例では、さらに配線基
板200のパッド201を前記した線L1 に関して対称
となるように分布させているので、ゴムシート4007
の各ボッチの変形量を均一化してパッド2011,20
1の当接圧をより安定化している。本例のパッド201
の分布は、上方、下方2列、縦2列である。
【0055】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図5の
位置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ50
00に沿って左方向へ移動することでキャリッジHCに
対するインクジェットヘッドカートリッジIJHCの位
置決めを行う。このフック4001の移動は、どのよう
なものでもよいがレバー等で行える構成が好ましい。何
れにしてもこのフック4001の回動時にカートリッジ
IJHCは、プラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突
起2500,2600が前板の位置決め面4010に当
接可能な位置へ移動し、フック4001の左方側移動に
よって90°のフック面4002がカートリッジIJH
Cの爪2100の90°面に密着しつつカートリッジI
JHCを位置決め面2500,4010同志の接触域を
中心に水平面内で旋回して最終的にパッド201,20
11同志の接触がはじまる。そして、フック4001が
所定位置、すなわち固定位置に保持されるとパッド20
1,2011同志の完全接触状態と、位置決め面250
0,4010同志の完全面接触と、90°面4002と
爪の90°面の2面接触と、配線基板200と位置決め
面4006との面接触とが同時に形成されてキャリッジ
に対するカートリッジIJHCの装着保持が完了する。
【0056】(IV)装置本体の概要 図7は、本例が適用されるインクジェット記録装置IJ
RAの外観図で、駆動モータ5013の正逆回転に連動
して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転す
るリードスクリュー5005の羅線溝5044に対して
係合するキャリッジHCは、ピン(不図示)を有し、矢
印a,b方向に往復移動される。5002は、紙押え板
であり、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン5
000に対して押圧する。5007,5008は、フォ
トカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存
在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行うた
めのホームポジション検知手段である。
【0057】5025は、記録ヘッドの端部に取付けら
れたゴム部材5022と当接するキャップ部材であり、
移動部材5016に取付けられている。5015は、移
動部材5016と嵌合し、キャップ部材5025を保持
する保持部材である。なお、キャップ手段について詳し
くは、後記することとする。5017は、クリーニング
ブレードで、5019は、このブレードを前後方向に移
動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれら
は支持されている。ブレードは、この形態でなく周知の
クリーニングブレードが本例に適用できることはいうま
でもない。
【0058】これらのキャッピング、クリーニング操作
は、キャリッジが、ホームポジション側領域にきたとき
にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対
応位置所望の処理が行えるように構成されているが、周
知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例
には何れも適用できる。上記の各構成はそれぞれ単独に
見てもまた、複合的に見ても優れたものであり、本発明
にとって好ましい構成例を示している。
【0059】(V)記録ヘッドへのキャップ装置の装着 図8及び9は、本発明のインクジェットヘッドカートリ
ッジIJHCにおける記録ヘッドのキャップ手段による
キャップ状態の断面図であり、図8及び9において不図
示ではあるが、図3に示す移動部材5016の端部50
24とヘッド先端の平行溝3001が、かみ合い嵌合さ
れた状態である。
【0060】図8において、5022はゴム部材であ
り、一端はオリフィスプレート400と密着圧接され、
他端は、プラスチック部材5025に隙間なく取付けら
れており、プラスチック部材5025は、移動部材50
16に取付けられている。つまり、記録ヘッドの前面を
キャップするキャップ部材としては、ゴム部材5022
とプラスチック部材5025とが一体で形成され、オリ
フィスプレート400の吐出口を大気より遮断してい
る。
【0061】しかるに、移動部材5016を所定の力で
押し出すことにより、ゴム部材5022は、オリフィス
プレート400と圧接されるが、ゴム部材5022の劣
化を考慮し、移動部材5016は、ゴム部材5022と
オリフィスプレート400の圧接部からインク漏れや空
気の流入を起こさないための最小の圧接力が生じるよう
に押し出し力が設定されている。そして、そのためのゴ
ム部材5022のゴム硬度は、30°〜80°が好まし
く、中でも40°〜60°が最も好ましい。
【0062】また、ゴム部材5022及びプラスチック
部材5025は、吐出口部のインクの蒸発、固着や大気
から吐出口への空気の流入を阻止する水蒸気透過率の低
い材質が好ましく、ゴムではブチルゴム、プラスチック
ではポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂が好ま
しい。
【0063】図9において、5025はプラスチックに
より一体成型されたキャップ部材であり、移動部材50
16に取付けられており、キャップ部材5025の先端
は、記録ヘッドの端部に取付けられたゴム部材5022
と密着圧接され、オリフィスプレート400の吐出口を
大気より遮断している。
【0064】しかるに、移動部材5016を所定の力で
押し出すことにより、キャップ部材5025はゴム部材
5022と圧接されるが、ゴム部材5022の劣化を考
慮して移動部材5016は、キャップ部材5025とゴ
ム部材5022との圧接部からインク漏れや空気の流入
を起こさないための最小の圧接力が生じるように押し出
し力が設定されている。そして、そのためのゴム部材5
022のゴム硬度は、30°〜80°が好ましく、中で
も40°〜60°が最も好ましい。
【0065】また、キャップ部材5025は、吐出口部
のインクの蒸発や大気から吐出口への空気の流入を阻止
する水蒸気透過率の低い材質が好ましく、プラスチック
ではポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂が好ま
しい。なお、単一の素材で満足させられない場合には、
複数種の素材を用いた複合構成の材質、例えば、サラン
樹脂をコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン
をラミネートしたポリプロピレン等を用いてもよい。ま
た、本例では、キャップ部材5025をプラスチックと
したが、ダイキャストや燒結品等を含めた金属材料でも
よく、ダイキャストや燒結品の場合は、特に密度の高い
材料である必要がある。
【0066】次にインクジェットヘッドカートリッジI
JHCを用いたインクジェット記録装置IJRAにおけ
る記録ヘッドのッキャップ装置について図5及び6を用
いてを説明する。重複するが、図5及び6はキャリッジ
HCが待機領域にある図で、インクジェットヘッドカー
トリッジIJHCは、この待機領域においてインクジェ
ット記録装置IJRAに対し着脱が行われるものであ
る。
【0067】図5及び6において、保持部材5015に
は、長穴5031とその下方に突出軸5032が設けら
れている。5033は、突出軸5032に対し回動可能
に設けられた回動部材で、その外周の一端に長穴503
5を有する突出部5034が設けられている。上記のよ
うにキャップ部材5025は、移動部材5016に取付
けられており、移動部材5016には穴5036が設け
られている。そして、回動部材5033の突出部503
4の長穴5035と保持部材5015の長穴5031と
移動部材5016の穴5036を貫通して軸5030が
取付けられている。ここで、本実施例では上記のよう
に、キャップ部材5025は移動部材5016に取付け
て成るようにし、別体の構成としたが、同一の材質から
成る一体構造としてもよい。
【0068】以上より成るキャップ装置の駆動方法は、
図7に示す駆動モータ5013によって行われるが、不
図示のクラッチによって、動力はキャリッジの往復移動
と切り換えられ、回動部材5033へと伝えられる。記
録ヘッドへのキャップの動作としては、伝達された動力
によって、回動部材5033は、図6において時計方向
に回転し、貫通軸5030によって回動部材5033と
保持部材5015と移動部材5016は連結されている
ため、回動部材5033が回転されると貫通軸5030
は、突出部5034の長穴5035と保持部材5015
の長穴5031と移動部材5016の穴5036のそれ
ぞれ内周端面を摺動し、移動部材5016は平行移動さ
れ、記録ヘッドへのキャップが行われる。
【0069】
【発明の効果】本発明は、上記のような構成を有するの
で、下記のように優れた効果を奏する。すなわち、イン
クジェットヘッドカートリッジの物流時において、シー
ルテープの粘着層がノズルへ経時的に移行するために起
きるノズルへの目詰まりがなく、また、高価なシールテ
ープを使う必要もない。
【0070】さらに、インクジェットヘッドカートリッ
ジを用いたインクジェット記録装置においては、ノズル
面のクリーニングやポンプによる吸引を行った後、ノズ
ル面に余分なインクが残ってキャップとの当接部である
弾性を有する部材が、インク吐出方向に配向してノズル
面より突出しない位置にあるため、インクがキャップに
付着することがなくキャップによる気密性の低下も起こ
さない、しかもインク漏れにより機器内周辺部が汚染さ
れることのない優れたインクジェット記録装置とするこ
とができる。
【0071】さらに、インクジェットヘッドカートリッ
ジの物流時及びこのカートリッジを具備するインクジェ
ット記録装置において、キャップを通して空気のノズル
への流入や、ノズルにおけるインクの乾燥、蒸発、固着
等を防ぎ確実な吐出行うことができるので、安定した記
録を得ることができる。
【0072】また、さらに前記弾性を有する部材をゴム
硬度HS 30°〜80°のゴムより構成せしめると、該
ゴム部材と記録ヘッドの吐出口端面との係合において、
完全な気密状態を保持することが容易となり、ゴム部材
と記録ヘッドの吐出口端面との係合面からの空気のノズ
ルへの流入や、ノズルにおけるインクの乾燥、蒸発、固
着が防止され、確実な吐出を行うことができるので、安
定した記録を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドカートリッジI
JHCの一実施例の断面図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドカートリッジI
JHCの一実施例の分解構成斜視図。
【図3】図2のIJHCにキャップ手段を含めた組立斜
視図。
【図4】インクジェットユニットIJUの取付部の斜視
図。
【図5】インクジェットヘッドカートリッジIJHCの
インクジェット記録装置IJRAへの取付詳細図。
【図6】同じくインクジェットヘッドカートリッジIJ
HCのインクジェット記録装置IJRAへの取付詳細
図。
【図7】本発明のインクジェット記録装置IJRAの一
実施例の斜視図。
【図8】本発明のキャップ装置の一実施例の断面図。
【図9】同じく本発明のキャップ装置の一実施例の断面
図。
【図10】従来のキャップ装置の断面図。
【図11】同じく従来のキャップ装置の断面図。
【図12】本発明のインクジェット記録ヘッドを具備し
た記録装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
100 ヒータボード 116 キャリッジ 117 駆動モータ 118 駆動ベルト 119A,19B ガイドシャフト 120 インクジェットヘッドカートリッジ 122 クリーニング用モータ 123 伝動機構 124 プラテン 126 キャップ部材 130 ブレード 130A ブレード保持部材 200 配線基板 201,2011 パッド 300 支持体 312,1900,2000 位置決め用穴 320,1901、1902,5036 穴 400 オリフィスプレート部 500 押えバネ 501 前だれ部 600 インク供給部材 601 パッキン 602 封止ピン 603 上面部 604 下面部 700 フィルター 800 蓋部材 900 インク吸収体 1000 カートリッジ本体 1012 位置決め突起 1100 蓋部材 1200 インク供給口 1300 天板 1400 撥液材 1401 大気連通口 1402 大気圧供給空間 1500 インク受け口 1600 インク導管 1700 スリット 1800,1801 保持用突起 1900,2000 固定用穴 2100 爪 2101 抜け止め 2200 インク供給管 2300,2800,2900 リブ 2400,2401 凹部 2500,2600 位置決め用突起 2700 ツバ 3000,3001 平行溝 4000 前板 4001 フック 4002 フック面 4003 支持版 4004 補強用リブ 4005 フレキシブルシート 4006 位置決め面 4007 ゴムシート 4008 屋根端部 4009 固定軸 4010 突出面 4011 側端部 5000 プラテンローラ 5002 押え板 5005 リードスクリュー 5006 レバー 5007,5008 フォトカプラー 5009,5011 伝達ギヤー 5013 駆動モーター 5015 保持部材 5016 移動部材 5017 クリーニングブレード 5018 本体支持版 5019 ブレード移動用部材 5022 ゴム部材 5023 キャップ内開口室 5024 端部 5025 キャップ部材 5030 貫通軸 5031,5035 長穴 5032 突出軸 5033 回動部材 5034 突出部 5044 羅線溝 HC キャリッジ IJH インクジェットヘッド IJHC インクジェットヘッドカートリッジ IJRA インクジェット記録装置本体 IJU インクジェットユニット IT インクタンク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクの飛翔液滴を吐出する吐出口を有
    する記録ヘッドを具備したインクジェットヘッドカート
    リッジのキャップ装置において、該記録ヘッドの該吐出
    口と接触しない位置で記録ヘッドと気密係合し、吐出口
    を大気から遮断するキャップ手段を有し、該キャップ手
    段と記録ヘッドとが気密係合された状態において形成さ
    れるキャップ内室が、記録ヘッドと当接する弾性を有す
    る部材と、該弾性を有する部材を支持する金属又はプラ
    スチック部材とより成ることを特徴とするインクジェッ
    トヘッドカートリッジのキャップ装置。
  2. 【請求項2】 インクの飛翔液滴を吐出する吐出口を有
    する記録ヘッドを具備したインクジェットヘッドカート
    リッジを用いて、記録媒体に文字等の記録を行うインク
    ジェット記録装置のキャップ装置において、該インクジ
    ェットヘッドカートリッジの該記録ヘッドの該吐出口と
    接触しない位置で吐出口端面と選択的に気密係合し、吐
    出口を大気から遮断するキャップ手段を有し、該キャッ
    プ手段と記録ヘッドとが気密係合された状態において形
    成されるキャップ内室が、記録ヘッドと当接する弾性を
    有する部材と、該弾性を有する部材を支持する金属又は
    プラスチック部材とより成ることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置のキャップ装置。
  3. 【請求項3】 前記キャップ手段の弾性を有する部材と
    金属又はプラスチック部材が、一体で形成されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ装置。
  4. 【請求項4】 前記キャップ手段の弾性を有する部材
    が、ゴム硬度 Hs 30°〜80°の範囲のゴムより成
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記キャップ手段の金属又はプラスチッ
    ク部材が、水蒸気透過率200( cm3 )(cm) /( s
    ec)(cm2 )(cmHg) 以下であることを特徴とする
    請求項1又は2記載のキャップ装置。
  6. 【請求項6】 インクの飛翔液滴を吐出する吐出口を有
    する記録ヘッドを具備し、インク吐出方向に配向し、該
    記録ヘッドの該吐出口端面より突出しない位置で、且つ
    吐出口と接触しない外周に位置するように弾性を有する
    部材が配設されたインクジェットヘッドカートリッジを
    用いて記録媒体に文字等の記録を行うインクジェット記
    録装置において、該弾性を有する部材と選択的に気密係
    合し吐出口を大気から遮断するよう構成して成る前記キ
    ャップ装置が、請求項1乃至5記載の何れかであること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
JP34675292A 1992-12-25 1992-12-25 インクジェットヘッドカートリッジ用キャップ装置及びインクジェット記録装置 Pending JPH06191045A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5872578A (en) * 1995-08-21 1999-02-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Capping device for ink jet head in ink jet printer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5872578A (en) * 1995-08-21 1999-02-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Capping device for ink jet head in ink jet printer

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