JPH06190710A - 鋼帯の連続研摩設備 - Google Patents

鋼帯の連続研摩設備

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Publication number
JPH06190710A
JPH06190710A JP4357833A JP35783392A JPH06190710A JP H06190710 A JPH06190710 A JP H06190710A JP 4357833 A JP4357833 A JP 4357833A JP 35783392 A JP35783392 A JP 35783392A JP H06190710 A JPH06190710 A JP H06190710A
Authority
JP
Japan
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roll
polishing
steel strip
contact
continuous
Prior art date
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Pending
Application number
JP4357833A
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English (en)
Inventor
Shintaro Kaneyasu
信太郎 兼安
Noriyuki Chiyuujiyou
敬之 中乗
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼帯表面の諸欠陥の除去或いは所定の表面粗
さに仕上げる鋼帯の連続研摩設備内に少なくとも1基備
えられる研摩装置の回転する研摩ベルトを所定の反転位
置で正確且つ確実に反転させて安定して揺動方向に往復
移動させる。 【構成】 押圧ロール3と回転駆動されるコンタクトロ
ール1との間に走行する鋼帯Hを通板させ、前記ロール
1に対して所定の間隔をあけて配置され追従回転自在で
且つ角変位手段5により回転軸線方向一端部を中心とし
他端部が角変位をするアイドルロール2と前記ロール1
とに張架され前記走行方向に対して交差する揺動方向に
往復移動しながら回転する無端状の研摩ベルト4で前記
鋼帯Hの表面を連続して研摩する研摩装置10を少なく
とも1基備えている鋼帯の連続研摩設備において、アイ
ドルロール2及び更に好ましくはコンタクトロール1が
その外周面にその回転軸線方向に連続する溝が成形され
たロールより成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯表面の諸欠陥の除
去或いは所定の表面粗さに仕上げるためなどに、鋼帯の
研摩開始位置から終了位置までにわたって何ら研摩異常
状態に陥いることなく所定の正常な研摩状態を確実に維
持することができて、研摩鋼帯や研摩表面仕上鋼帯製品
として品質面での問題がないように鋼帯表面を一様に連
続して研摩するための鋼帯の連続研摩設備に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】様々な鋼種の鋼帯は、少なくとも一度は
圧延工程や焼鈍工程などを経て所定の表面仕上げの製品
として製造されている。このような鋼帯の各種の製造工
程の中間工程では、鋼帯の疵、模様或いは汚れなどの諸
欠陥を除去するために、通常複数基の研摩装置を備えた
研摩設備に鋼帯を連続的に走行通板して品位を低下させ
ることなく且つ高い精度及び級別歩留まりを確保できる
ように研摩作業が行われて、所定の表面仕上げ鋼帯とさ
れている。
【0003】一方、研摩表面仕上げ製品を製造する場合
には、製造最終段階付近の工程に設けられる研摩設備に
鋼帯を連続的に走行通板して、所定の研摩表面仕上げに
適合するように仕上げ研摩作業が行われている。
【0004】このような中間研摩作業及び仕上げ研摩作
業において、通常、無端状の研摩ベルトを用いた単頭の
研摩装置を複数基備えた連続研摩設備が一般的に使用さ
れており、この無端状の研摩ベルトは前記鋼帯の走行方
向に対してほぼ直角な揺動方向(走行している鋼帯の幅
方向)に往復動され、即ち研摩ベルトをオシレーション
させて、鋼帯を連続的に研摩している。このように研摩
ベルトの鋼帯を揺動方向に往復動させながら鋼帯を研摩
すると、研摩ベルトの鋼帯に対する相対位置が一定で往
復動しない場合に比べて、研摩ベルトの幅方向の部分的
な損耗の進行程度が少なく、換言すれば鋼帯の表面研摩
状態を均一化する上で優位であることが従来から知られ
ている。従って、一般に研摩ベルトを前記揺動方向に積
極的若しくは強制的に往復動させながら、研摩ベルトの
位置が予め定めた2つの反転位置のうち一方の反転位置
に達したことを検出したときには、直ちに研摩ベルトを
他方の反転位置に向けて移動させ、このような2つの反
転位置間の往復動を非常に高頻度に且つ連続的に繰返し
ながら、前記鋼帯の表面を比較的長い研摩開始位置から
研摩終了位置にわたって連続的に研摩している。
【0005】しかしながら前述のような研摩作業中に、
前記2つの反転位置を越えて自然発生的に過剰に研摩ベ
ルトが前記揺動方向の一方へ向けて移動してしまう場合
があり、このような過剰な移動を防止するために従来で
は各種のリミットスイッチ,空気圧を利用したパドルス
イッチ又は光電スイッチなどのような反転位置検出手段
が用いられており、特にパドルスイッチを用いるのが一
般的である(例えば、特開平2−131855号公報参
照)。このような反転位置検出手段において、パドルス
イッチは2つの反転位置を点として検出するため、例え
ばパドルの機械的な作動不良やそのパドルの変位によっ
てスイッチング態様を切換えるスイッチ本体の電気的な
作動不良などのような検出ミスが発生した場合、研摩ベ
ルトは反転位置において反転することなしにそのまま一
方向に大きく移動して、研摩ベルトそのものが異常状態
に陥るだけでなく、鋼帯の側縁辺やコンタクトロールを
異常研摩したり、各研摩装置のハウジング内の諸機器な
どに接触しその諸機器やハウジングを研摩し損傷させて
火災などの異常事態が発生してしまい、極めて大きな事
故につながる可能性がある。また前記リミットスイッチ
及び光電スイッチ自体の故障や精度異常も非常に多く、
そのために検出ミスの発生を確実に防止することができ
る反転位置検出手段を含む対策手段が切望されている。
【0006】しかるにこの研摩作業においては、研摩油
を用い、研摩油カスや研摩粉などの塵埃や研摩油の飛沫
や油煙などの存在する悪環境状態下にある各研摩装置の
ハウジング内において、研摩ベルトが2つの反転位置に
達したことを確実に検出し、その研摩ベルトが反転位置
に超えて過剰に移動してしまうことを確実に防止し安定
して揺動方向に往復動させることは非常に困難である。
【0007】そこで、所定の走行方向に走行する鋼帯
を、相互にほぼ平行な回転軸線を有するコンタクトロー
ルと押圧ロール(ビリーロールとも言われる)との間を
通板させ、回転駆動される前記コンタクトロールとこの
コンタクトロールに対して所定の間隔をあけて配置され
追従回転自在なアイドルロールとにわたって巻掛けられ
て張架され回転している無端状の研摩ベルトを、角変位
手段による前記アイドルロールの軸線方向一端部を角変
位中心として前記走行方向の上流側及び下流側へほぼ水
平に角変位させることによって、前記走行方向に対して
交差する揺動方向に往復移動させながら、また前記アイ
ドルロールに張架され回転している無端状の研摩ベルト
面に対して近接する方向に押圧ロールによって前記走行
鋼帯を凸状にし押圧して鋼帯の表面を接触させながら、
更に前述の如く回転している無端状の研摩ベルト面と走
行している鋼帯の表面との接触部位へノズル部材から研
摩油を噴出させながら、前記鋼帯の表面を研摩開始位置
から研摩終了位置にわたって連続的に研摩する鋼帯の単
頭の研摩装置を少なくとも1基備えている連続研摩設備
において、例えば、前記研摩ベルトのアイドルロール及
びコンタクトロール間における走行方向上流側に配置さ
れる上流側の張架部分又は走行方向下流側に配置される
下流側の張架部分を挾み且つ前記揺動方向の角変位中心
寄りの一方の反転位置を含む範囲にわたって光学的反転
位置検出手段を設け、この光学的反転位置検出手段から
の出力に基づいて、前記角変位手段を制御してアイドル
ロールの角変位量を調整する制御手段を含む対策手段も
採られている。
【0008】具体的には、この光学的反転位置検出手段
は、研摩ベルトの前記上流側の張架部分及び下流側の張
架部分のうちいずれか一方を挾む両側に対向して配置さ
れる発光手段と受光手段とを有し、前記制御手段は受光
手段からの出力に基づいて前記角変位手段を制御するも
のである。然もこの発光手段は、光源と、この光源が収
納され研摩ベルトの前記一方の張架部分に臨んで開口し
部材軸方向に延びる第1長孔が形成される第1ケーシン
グと、この第1ケーシングの前記第1長孔を気密に塞い
でケーシング内部を正圧に保つ透光性材料から成る第1
カバー本体とを含み、一方受光手段は、前記光源からの
光を受光する部材軸方向に並設される複数の受光素子
と、この複数の受光素子が収納され前記第1長孔に臨ん
で開口し部材軸方向に延びる第2長孔が形成される第2
ケーシングと、この第2ケーシングの前記第2長孔を気
密に塞いでそのケーシング内部を正圧に保つ透光性材料
から成る第2カバー本体とを含むものであって、更にこ
の第1及び第2カバー本体の外部側表面には発光手段か
ら受光手段への光の通過経路を避けた位置に設けられる
ノズル部材から圧縮空気がエアーカーテン状に噴出され
るものである。
【0009】このような対策手段によれば、前述した如
く各研摩装置のハウジング内が研摩油や研摩油カス等の
存在する悪環境状態下にあっても、前記発光手段及び受
光手段は反転位置を含む範囲にわたって設けられている
ので、前記先行技術に関連して述べたように、反転位置
を点として検出するものではなく、一定の幅を有してお
り、これによって研摩油や研摩油カス等によって発光手
段からの光が部分的に遮断されたとしても、誤検出して
しまう畏れはなく、確実に反転位置に研摩ベルトが達し
たことを検出することができる。然もこの発光手段は、
第1ケーシング内に収納される光源からの光をその第1
ケーシングに形成される第1長孔を気密に塞ぐ透光性の
第1カバー本体を介して投光し、また前記受光手段は、
第2ケーシング内に収納された複数の受光素子によって
その第2ケーシングに形成される第2長孔を気密に塞ぐ
透光性の第2カバー本体を介して前記発光手段からの光
を受光する。前記第2ケーシング内に収納された複数の
受光素子は、部材軸方向に並設されるので研摩ベルトが
反転位置付近に達したことを光量の変化として検出する
ことができ、誤検出を可及的に少なくすることができ
る。また、前記第1及び第2カバー本体の外部側の表面
にノズル部材から圧縮空気が噴射されるので、前記外部
側表面にいわゆるエアーカーテンを形成して研摩油や研
摩油カスなどの付着を防止して、検出精度を向上するこ
とができる。と同時に、この第1及び第2ケーシング内
は正圧に保たれるので、外部からの油煙や塵埃などが第
1及び第2ケーシング内に侵入してしまう畏れはなく、
これによってもまた検出精度の向上を図ることができ
る。
【0010】ところが、かかる反転位置に研摩ベルトが
到達したことを精度良く確実に検出して反転させ得るこ
のような対策手段を実施して研摩作業を行っても、尚且
つかかる反転位置を越えて自然発生的に研摩ベルトが前
記揺動方向の一方へ向けて過剰に移動してしまい、前述
したような諸々の異常状態や異常事態が発生し大きな事
故につながる場合が出現するのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、設備
内に少なくとも1基備えられる研摩装置のハウジング内
における、研摩油や研摩油カスや研摩粉の塵埃や研摩油
の飛沫並びに油煙などが飛散或いは浮遊する悪環境状態
下においても、回転する研摩ベルトを所定の反転位置で
正確且つ確実に反転させて安定して揺動方向に往復移動
させながら、所定の正常な研摩状態を確実に維持しつつ
目標とする表面粗さに品質面で問題がないように鋼帯表
面を一様に研摩するための鋼帯の連続研摩設備を提供す
ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々調査
した結果、前述の如き対策手段が正常に作動し要求通り
作動しているにも拘らず、尚且つ2点の反転位置を越え
て自然発生的に研摩ベルトが前記揺動方向の一方へ向け
て過剰に、然も急激に移動してしまうのは、 イ)研摩ベルトにコンタクトロールとの間で張力を付与
せしめると共にこの研摩ベルトを鋼帯の走行方向に対し
て交差する揺動方向に往復移動せしめるアイドルロール
としては、従来はせいぜいそのロール外周面にダル仕上
げ加工の施された鋼製ロールが用いられている程度であ
り、 ロ)一方、コンタクトロールとしては、この研摩ベルト
に回転駆動力を伝達し易くするためと研摩される鋼帯の
板厚変動を吸収するためなどの理由により、鋼製ロール
外周面に所定の肉厚で弾性を有する合成ゴム又は合成樹
脂より成るライニング層の成形されたロールが用いられ
ており、 ハ)前述の如き各研摩装置のハウジング内の悪環境状態
下において、高速回転する研摩ベルトが2点の反転位置
の間を高頻度に繰返し往復移動する際に、この研摩ベル
トとアイドルロール或いはコンタクトロールとの接触間
に研摩油や研摩油カスなどが巻き込まれて即ち封入され
てしまうので、研摩ベルトが取り分け往復移動せしめる
アイドルロールとの間で本来一旦停止すべき反転位置に
おいてスリップ現象を起こし、 ニ)特に所定の走行方向に走行する鋼帯の下面(鉛直方
向の下面)を下方から研摩ベルトで研摩する場合には、
前記ハ)項で説明した如く、ノズル部材から噴射された
後の用済みの研摩油等が物理的に落下してしまうので、
この研摩ベルトとアイドルロール或いはコンタクトロー
ルとの接触面間により多量に巻き込まれてしまい、かか
る研摩ベルトのスリップ現象が余計激しく且つ急激に起
こること、などを究明したのである。
【0013】そこで、更に様々な連続研摩設備において
の種々の実験を重ね検討した結果、各連続研摩装置のハ
ウジング内に配置される主としてアイドルロール、そし
てコンタクトロールの外周面にその回転軸線方向に望ま
しくは比較的に簡単な幾何学的な模様や形状を有する連
続する溝を成形してやれば、かかる研摩ベルトのスリッ
プ状態を殆んど皆無にすることができて、前記本発明の
課題を解決し得る知見を得て本発明を完成したのであ
る。
【0014】以下、本発明に係る鋼帯の連続研摩設備の
実施例について図面により詳細に説明する。図1は本発
明に係る鋼帯の連続研摩設備に少なくとも1基備えられ
る単頭の研摩装置を簡略化して説明するための正面図、
図2は図1に示す研摩装置におけるハウジングを省略し
た要部を示す説明用斜視図、図3は本発明に係る鋼帯の
連続研摩設備内に配置されるアイドルロール及びコンタ
クトロールの外周面にその回転軸線方向に連続して成形
されている各種の溝を示しており、(イ)は螺施状溝を、
(ロ)はダイヤカット状溝を、(ハ)はローレット切り加工
溝を示している。図4は本発明に係る鋼帯の連続研摩設
備内に配置されるアイドルロール及びコンタクトロール
の外周面にその回転軸線方向に連続して成形されている
各種溝の直角断面形状を示しており、(a)は正方形,
(b)は矩形,(c)はほぼ半円形,(d)はほぼ半楕円形,
(e)は略U字状形,(f)は略V字状形を示している。
【0015】本発明に係る鋼帯の連続研摩設備に関して
より良く理解されるように、先ず設備全体の実施例及び
その研摩作業の概要を図5及び図6により説明する。図
5に示す鋼帯の連続研摩設備は、通常単頭の研摩装置1
0が全て鉛直方向の同じ上方向(同じ上向き)に複数基
配備されており、即ち同一上向きの多頭連続研摩設備と
なっている。このような設備に鋼帯Hが矢符Aに示す如
く所定の一方の走行方向に連続的に走行駆動されなが
ら、この鋼帯Hの一方の表面(上面)が各研摩装置10
内で連続的に研摩されるか、又は矢符A,Bに示される
ように左右にレバースし両走行方向に順次連続的に走行
駆動されながら、この鋼帯Hの一方の表面(上面)が各
研摩装置10内で連続的に研摩されるのである。一方、
図6に示す鋼帯の連続研摩設備は、通常単頭の研摩装置
10が鉛直方向の上下方向(上下両向き)にそれぞれ複
数基配備されており、即ち上下両向き多頭連続研摩配備
となっている。この両向きの鋼帯の連続研摩設備におい
ては、一般に配備される基数の多い多頭配備の設備にし
ておいて鋼帯Hを一方の走行方向に走行駆動して1回の
走行通板で所定の研摩を終えるように構成されており、
逆にこのように構成された設備において鋼帯Hを左右に
レバースし走行通板しながら研摩すると鋼帯Hの品質上
や作業性上における諸問題も発生するので、通常鋼帯H
は左右にレバースさせずに矢符Aに示す如く所定の一方
の走行方向にのみ連続的に走行駆動させながら、この鋼
帯Hの表裏両表面(上下両表面)をそれぞれ同時に各研
摩装置10内で連続的に研摩するようにしているのであ
る。
【0016】次に、このような本発明に係る鋼帯の連続
研摩設備内に少なくとも1基配備されている研摩装置1
0と、この研摩装置10内に連続して走行駆動される鋼
帯Hが連続的に研摩される状況を図1及び図2により詳
細に説明する。図示する研摩装置10は、次のような各
部材や諸手段によって構成される。各研摩装置10の間
にあって各研摩装置10内に矢符A(又はB)に示す如
く所定の走行方向に連続的に走行通板される鋼帯Hの通
板高さ(通板レベル)を所定範囲で自在に調整(図示せ
ず)しながら走行させるために、この鋼帯Hの厚み方向
(鉛直な上下両方向)の両側から狭持している各対を成
すブレーカロール15,15,…と、各ブレーカロール
対15,15,…のほぼ中央位置に配置され前記鋼帯H
の走行方向Aに対して矢符Gに示す如く回転駆動される
コンタクトロール1と、このコンタクトロール1に対し
て相互にほぼ平行な回転軸線を有し且つ矢符F1,F2
示す如く上下方向に所定距離の範囲内で移動調整可能
(図示せず)であると共に所定の間隔をあけて配置され
る追従回転自在なアイドルロール2と、このようなコン
タクトロール1とアイドルロール2との間を走行通板す
る鋼帯Hを研摩するために両ロール1と2との間に巻き
掛けられ張架されておりコンタクトロール1の回転駆動
に追従して回転する無端状の研摩ベルト4と、このよう
に回転する無端状の研摩ベルト4を前記鋼帯Hの走行方
向に対して矢符D,Wに示す如く交差する揺動方向に往
復移動させるためにこの研摩ベルト4の張架されている
アイドルロール2の回転軸線方向一端部を角変位中心と
し他端部を矢符C1,C2に示す如く前記鋼帯Hの走行方
向の上流側及び下流側へほぼ水平に角変位させる角変位
手段5と、前記各ブレーカロール対15,15,…のほ
ぼ中央位置でコンタクトロール1とアイドルロール2と
の間を走行通板している鋼帯Hの一方の表面を前記コン
タクトロール1に張架されている研摩ベルト4面に対し
て凸状にして矢符E1,E2に示す如く押圧自在に接触さ
せる押圧ロール(ビリーロール)3と、このようにコン
タクトロール1に張架され回転している無端状の研摩ベ
ルト4面と前記鋼帯Hの一方の表面との接触部位へ研摩
油を噴出させるノズル部材6と、前記角変位手段5を制
御動作させるための制御手段16と、前記コンタクトロ
ール1を回転駆動するための回転駆動手段19などか
ら、主として構成されているのである。
【0017】このような研摩装置10内に鋼帯Hが連続
的に走行通板されながら研摩されるのであるが、この研
摩装置10の要部及びその研摩状況を以下に説明してい
く。前記コンタクトロール1は、前記制御手段16にお
ける制御回路16aからの制御信号を受けて回転駆動手
段19によって回転駆動されるのであるが、例えばこの
コンタクトロール1の回転軸1aに固定されているプー
リ19aと、モータ19Cの出力軸19dに固定された
プーリ19bとの間に巻き掛けられたベルト19eを介
してモータ19Cからの出力が伝達されて回転駆動され
る。
【0018】また前記アイドルロール2は、その回転軸
2aの一端側が自在継手17を介して軸受18aにより
軸支されていると共に他端側が軸受18bにより軸支さ
れている。そして、この軸受18aと他の軸受18bを
支持しほぼ水平方向に案内するC字状の案内部材5Cを
含み一体化された後記説明の角変位手段5とを例えばエ
アーシリンダにより矢符F1,F2に示されるように上下
方向に所定範囲で移動調整の可能なように構成されてい
る。従って、コンタクトロール1に対してアイドルロー
ル2を近付けるように移動調整すれば両ロール1,2の
間に無端状の研摩ベルト4を簡単に巻き掛けることがで
きると共に逆に取り外すこともできるし、一方遠去ける
ように移動調整すれば両ロール1,2の間に巻き掛けら
れている無端状の研摩ベルト4を正常に研摩し得る状態
に張架することができる。また、このアイドルロール2
は、前述の如く軸受18a,18bに軸支されており、
回転駆動されるコンタクトロール1の回転を無端状の研
摩ベルト4を介して伝達されて追従して回転するように
構成されている。更に、このアイドルロール2は、付帯
している角変位手段5によって、前述の如く回転駆動さ
れるコンタクトロール1の回転に追従して回転している
研摩ベルト4を鋼帯Hの走行方向に対して矢符D,Wに
示す如く交差する揺動方向に往復移動させる。このため
に、図2に示す実施例によればこの角変位手段5は、複
動油圧シリンダ5a及びこのピストン棒5bと、前記ア
イドルロール2の軸受18bを支持しほぼ水平方向に案
内するC字状の案内部材5cとから成っている。前記制
御手段16内における制御回路16aからの制御信号に
従って、油圧タンクに貯留され油圧ポンプにより加圧さ
れた油圧作動油を2位置切換電磁弁により供給方向を切
換えつつ複動油圧シリンダ5aに交互に供給することに
よって、アイドルロール2の回転軸2aの一端側に介在
させた自在継手17の変位位置をこの角変位の中心とし
て、前記C字状の案内部材5c内に遊嵌されている他端
側の軸受18bをピストン棒5bを介してほぼ水平方向
に所定量往復動させる、即ちこのアイドルロール2を矢
符C1,C2に示す如く鋼帯Hの走行方向の上流側及び下
流側に所定時間ピッチで所定量だけ角変位させることが
できるのである。
【0019】いずれにしても、このようにして鋼帯Hの
連続的な研摩に用いられる研摩ベルト4としては、研摩
材(砥粒)が布や紙質の無端状(エンドレス)のベルト
基材に合成樹脂やにかわ等の接着剤で接着されて成形さ
れている、JISR6254及びJISR6256(エ
ンドレス研摩ベルト)[関連するJIS規格として、J
ISR6111(人造研削材),JISR6001(研
摩材の粒度),JISR6251(研摩布),JIS6
252(研摩紙),JISK6802(フェノール樹脂
木材接着剤)など]に規定されているような無端状の研
摩ベルトが用いられているのである。然もこのようにし
てコンタクトロール1の外周面で鋼帯Hの走行方向に対
して交差する揺動方向に往復移動しながら高速回転して
いる無端状の研摩ベルト4の面に対して、前記押圧ロー
ル3を作動させて鋼帯Hを凸状に変形しつつ近付けるよ
うに押圧しながら遂にこの鋼帯Hの表面を接触させると
研摩が開始されるのであるが、この接触部位(接触研摩
部位)へは所定位置に設置されているノズル部材6から
研摩油が噴射されるのである。これは、この接触部位に
おける研摩ベルト4及び鋼帯Hにそれぞれ激しく発生す
る摩擦熱を除去して冷却して両者を保護し、両者から発
生する諸々のカスを洗い流し除去して両者を清浄化し、
取り分け研摩ベルト4の研摩面(研摩表面)4aの急激
な変化や目詰まりなどを極力抑制して研摩される鋼帯H
の表面粗さや研摩目など品質面での問題が生じないよう
にするためなどである。
【0020】更にこのような研摩ベルト4のアイドルロ
ール2及びコンタクトロール1間における鋼帯Hの走行
方向上流側に配置される上流側の張架部分又はこの下流
側の張架部分を挾み、且つ前記研摩ベルト4の揺動方向
の角変位中心寄りの一方の反転位置を含む範囲にわたっ
て光学的反転位置検出手段7が設けられている。そし
て、この光学的反転位置検出手段7からの出力に基づい
て、前記角変位手段5を制御してアイドルロール2の角
変位量を調整する制御手段16が設けられているのであ
るが、これらについては先に記述した従来の技術におい
て詳細に説明しているので省略する。
【0021】さて、以上に説明した本発明に係る鋼帯の
連続研磨設備に使用される各研摩装置10内には、アイ
ドルロール2の外周面にその回転軸線方向に連続する溝
25が成形されたアイドルロール2を配置することが必
要である。然もこのアイドルロール2のみならず、コン
タクトロール1の外周面にもその回転軸線方向に連続す
る溝25が成形されたコンタクトロール1を配置するの
が好ましいのである。またアイドルロール2としては、
図3(イ)に示すように、回転軸線方向に最も簡単な幾何
学的な模様を有し連続する螺旋状溝25aが成形されて
いる鋼製のロールの外周面に、このロール2の外周面と
成形された溝25との耐食性及び耐摩耗性を増し保護す
るために硬質クロームめつきの施されたアイドルロール
2を配置するのが好ましいのである。
【0022】一方、ロール外周面の全面に所定の肉厚で
弾性を有する合成ゴム又は合成樹脂より成るライニング
層1bの成形されているコンタクトロール1として、こ
のライニング層1bの外周面に回転軸線方向に図3(イ)
に示すような螺施状溝25aが成形されたコンタクトロ
ール1を配置するのが好ましいのである。更にこのよう
なアイドルロール2及びコンタクトロール1の外周面に
その回転軸線方向に連続して成形されている溝25とし
ては、図3(ロ)に示すようなダイヤカット状に成形され
た溝25bや、図3(ハ)に示すようにその回転軸線の中
央位置から両端方向へローレット切り加工されて成形さ
れた溝25cであっても良い。そして、このようにアイ
ドルロール2及びコンタクトロール1の外周面に所定の
本数で所定ピッチを以って所定の幅並びに深さを有し連
続して成形されている溝25、即ち図3の(イ),(ロ),
(ハ)に示すような各種の溝(25a,25b,25c)
の直角断面形状は、正方形,矩形,ほぼ半円形,ほぼ半
楕円形,略U字状,略V字状のうちの中から選ばれたい
ずれか1つの形状であれば良いのであり、このような溝
25がロール胴部の両端縁まで成形されていることが好
ましいのである。
【0023】従って、本発明に係る鋼帯の連続研摩設備
は、取り分けアイドルロール2の外周面の回転軸線方向
に以上に説明したような幾何学的な模様を直角断面形状
を有し連続する溝25が成形されているアイドルロール
2、そして好ましくはほぼ同様に構成される溝25の成
形されているコンタクトロール1をも配置された研摩装
置10を備えた設備である。
【0024】
【作用】かかるアイドルロール2、そして好ましくはほ
ぼ同様なコンタクトロール1の配置されている研摩装置
10を備えた連続研摩設備に鋼帯Hを連続的に走行通板
しながら研摩するに際して、この研摩装置10のハンジ
ング8内においては鋼帯Hの走行方向に対して交差する
揺動方向に予め定める2つの反転位置間を往復移動しな
がら高速回転している無端状の研摩ベルト4と走行通板
して来る鋼帯Hの表面との接触部位へ研摩油が噴射され
るので、その研摩油や研摩油カス等がハウジング8内に
飛散して存在する悪環境状態下で鋼帯Hは研摩される。
従って、前述の如く回転駆動手段19を作動させて回転
しているコンタクトロール1との間に張架されている研
摩ベルト4を追従回転させると共に付帯する角変位手段
5を作動させてこの回転している研摩ベルト4を前述の
如く往復移動させるために、追従回転自在でほぼ水平方
向に角変位するアイドルロール2において、図2に示す
如くこのようなアイドルロール2の外周面と研摩ベルト
4の接触面4bとの接触面間にどうしても潤滑性や滑り
作用を及ぼす研摩油等が巻き込まれて(封入されて)し
まって両者がスリップし易くなり、実際にスリップ状態
が出現するのである。しかしながら、高速回転し角変位
するアイドルロール2の外周面にはその回転軸線方向
に、好ましくはこのアイドルロール2の胴部の両端縁ま
で連続する溝25が成形されているので、前記アイドル
ロール2の外周面と研摩ベルト4の接触面4bとの接触
面間に巻き込まれた研摩油等がこの溝25中に流入して
はロール2胴部の両端縁付近から排除されていき、特に
研摩油中に混入している諸々の研摩カスも邪魔しないよ
うに排除されていき、両者がより充分に接触し得るよう
になってこの接触面間の摩擦抵抗力が増すのである。従
って、両者(2と4)はスリップし難くなり、スリップ
状態が極力抑制されるようになるのである。このこと
は、コンタクトロール1の外周面にほぼ同様に溝25を
成形しても同じことが言えるのである。
【0025】このために、図2に例示した両ロール1,
2に張架された研摩ベルト4の片側端4cが取り分け往
復移動させるためのアイドルロール2との間で本来一旦
停止すべき所定の反転位置において全くスリップするこ
となく正確且つ確実に一旦停止し反転させ得るようにな
り、研摩ベルト4自体を安定して揺動方向に往復移動さ
せることができるようになるのである。つまり、研摩ベ
ルト4は前述の如き悪環境条件下において光学的反転位
置検出手段7からの出力に基づいて正常に制御且つ作動
されてアイドルロール2が要求通り確実に動作している
にも拘らず、2つの反転位置間を越えて自然発生的に一
方の方向に向けて急激に過剰に移動してしまって諸々の
異常状態や異常事態が発生し大事故につながるのを防止
し回避させることができるのである。
【0026】特に、図6に示す鋼帯の連続研摩設備の実
施例にみられるように、鉛直方向の下方に向けて単頭の
研摩装置10が配備されている設備においては、前述の
如くこの研摩装置10のハウジング8内において噴射さ
れて用済みとなった研摩油等が物理的に下方へ落下して
しまうので、取り分け同じく下方に配置される研摩ベル
ト4と角変位するアイドルロール2との接触面間に、そ
して研摩ベルト4とコンタクトロール1との接触面間
に、常時より多量に巻き込まれ易くなるのであるが、前
述の如き連続する溝25の成形されたアイドルロール2
そしてコンタクトロール1を配置し使用することによっ
て、この接触面間からかかる多量の研摩油等を排除する
ことが可能となって、研摩ベルト4がスリップするのを
極力抑制し正確且つ確実に反転させ得るようになり、揺
動方向に安定して往復移動させることができるようにな
るのである。
【0027】次に、このようなアイドルロール2及びコ
ンタクトロール1の外周面にその回転軸線方向に連続し
て成形されている各種の溝25は、前述の如き接触面間
に巻き込まれた研摩油や諸々のカスが即座に流入し且つ
排除させるためのものであるので、以下に説明するよう
に構成され、そして配置且つ使用される。このように各
ロール2,1の外周面に成形される各種の溝25は、コ
ンタクトロール1からの回転駆動力を伝達し両ロール
2,1間に張架されている無端状の研摩ベルト4を回転
させるためと、通常のネジの溝の如く溝同士を鋭角状の
山部を境にして隣り合わせに配置してしまうと研摩ベル
ト4が各溝に沿ってしまい各ロール2,1の回転軸線方
向への往復移動を妨げてしまうばかりでなく、研摩ベル
ト4が損傷し易くなって研摩ベルト4の寿命が短くなる
ために、各溝の間に必らず適度な外周面平坦部を設けて
おく必要がある。
【0028】この溝25は、前記接触面間に巻き込まれ
た研摩油や諸々のカスが即座に流入し且つ排除されなけ
ればならないので、各ロール2,1の別や研摩油等の巻
き込まれる諸条件且つ状況やその加工性などに応じて、
溝25の種類,形状,本数,ピッチ,幅及び深さ寸法を
適宜選択し適度に設ける必要がある。そして図3の(イ)
〜(ハ)に示されるように、各ロール2,1の外周面に成
形されている各溝25a,25b,25cは研摩ベルト
4の回転方向と平行に成形されておらず斜めに所定の角
度で成形されているので、研摩ベルト4の片側端4cは
これらの各溝25a,25b,25cにひっかかること
なく各ロール2,1の回転軸線方向へ比較的円滑に往復
移動し易いのである。しかし、各ロール2,1の外周面
と各溝25a,25b,25cとの境界の角部(コーナ
部)において、各ロール2,1の外周面の接線(各ロー
ル2,1の軸線と同方向)と各溝25の側壁との成す角
度θ〔図4の(a)や(b)に示す断面形状の場合は90
°,図4の(f)に示す断面形状の場合は約120°〕が
約120°以下の場合には、この角度に適度なコーナR
を設けて各溝25を成形するのが好ましい。これは、研
摩ベルト4が各ロール2,1の回転軸線方向への往復移
動する際に、研摩ベルト4の両側端4c,4dが溝25
にひっかかって往復移動を妨げたり、この両側端4c,
4dを痛めたり、また最悪の場合である研摩ベルト4を
切断させたりすることを防止するためである。
【0029】以上のように構成された各種の溝25の成
形されているアイドルロール2、そしてコンタクトロー
ル1の配置されている研摩装置10を備えた鋼帯の連続
研摩設備において、図3の(イ)及び(ロ)に示す如き螺施
状溝25aやダイヤカット状溝25bの成形されている
アイドルロール2,そしてコンタクトロール1の配置さ
れている研摩装置10を備えた設備の場合には、その設
備の研摩装置10内に走行通板される鋼帯Hの走行方向
が所定の一方の走行方向(ワンウェイ)のみの場合であ
っても左右にレバースされる両走行方向の場合であって
もかまわないのであるが、この図3の(ハ)に示すローレ
ット切り加工溝25cの成形されている場合には前述の
如く巻き込まれた研摩油等を確実に排除し油切りするた
めに、必ず溝25内に流入した研摩油等がそのロール
2,1の回転による遠心力でロールの胴部の両端縁に流
出する方向に一方の走行方向(ワンウェイ)の場合のみ
に限られるのである。
【0030】
【実施例】図1〜図6に図示し以上に説明したような様
々な本発明に係る鋼帯の連続研摩設備によって、所定張
力の付与されている板厚0.2〜9.0(mm)×板幅60
0〜1650(mm)の鋼帯Hを4〜50m/minの走
行通板速度で一方の走行方向に又は左右にレバースし連
続的に走行通板しながら、鋼帯Hの一方の表面のみ又は
同時に鋼帯Hの表裏両表面を研摩した。この連続研摩設
備の研摩装置10内に配置されるアイドルロール2とし
ては、JISG3454に規定されるSTP(G)38の
鋼管材料で直径約400(mm)×ロール胴長1350〜
1800(mm)の鋼製ロールを準備し、このロールの外
周面に溝幅:2.5〜5.0(mm),溝深さ:0.5〜2.
0(mm)の反楕円形状を有する螺施状溝25aを溝ピッ
チ40mmで成形した後に0.1mm程度の厚さの硬質
クロムめっきを施したものを用いた。またコンタクトロ
ール1としては、同様な材料で直径210〜230mm
×ロール胴長1350〜1800(mm)の鋼製ロール外
周面に、約20mm厚さで耐油性と100〜130℃程
度の適宜な耐熱性とを有するニトリルゴム又はウレタン
ゴムから成るライニング層を有していて、このライニン
グ層の外周面に溝幅:7(mm),溝深さ:10(mm)の
矩形形状を有する螺施状溝25aを溝ピッチ19mmで
ロール回転軸方向に成形したものを用いた。そして、こ
のようなアイドルロール2とコンタクトロール1との間
に張架されており、高速回転しつつアイドルロール2の
角変位作用を受けて両ロール2,1の回転軸線方向に1
0〜30mmの2つの反転距離間の角反転位置で反転し
ながら往復移動する研摩ベルト4として、前述した如く
JISに規定されているような研摩ベルトであって、実
際に研摩するために走行通板される鋼帯Hの板幅(mm)
よりも若干広幅の研摩ベルトを張架し替えては研摩し
た。この無端状の研摩ベルト4における研摩布製(JI
SR6251)又は研摩紙製(JISR6252)の中
で、後者のものは材質及び使用される接着剤などの点か
ら両ロール2,1間に大きな張力をもって張架できない
ので、各反転位置においてスリップし易かったのである
が、本実施例においては以上の説明したような各溝25
の成形されたアイドルロール2及びコンタクトロール1
を用いたことによって全くスリップすることなく確実に
反転させ得ることができて、安定した往復移動状態で鋼
帯Hの連続研摩ができた。
【0031】
【発明の効果】以上に詳述した本発明に係る鋼帯の連続
研摩設備においては、この設備に配備される研摩装置の
ハウジング内で研摩油等の飛散する悪環境状態下におい
て、このハウジング内に配置されるアイドルロール、そ
して好ましくは更にコンタクトロールの各外周面に、比
較的簡単な幾何学的な模様や形状を有しその回転軸線方
向に連続する溝を成形したので、両ロール間に張架され
る無端状の研摩ベルトを所定の反転位置で異常にスリッ
プさせることなく確実に反転させて安定して揺動方向に
往復移動させることができるようになるのである。
【0032】即ち、所定の2つの反転位置で研摩ベルト
を反転し往復移動し得るための対策手段が正常に制御さ
れ要求通り作動しているにも拘らず、この研摩ベルトが
かかる反転位置を越えて自然発生的に一方の方向に向け
て過剰に然も急激に移動してしまう現象が発生するを防
止することができるようになるのである。従って、諸々
の異常状態や異常事態が発生し大事故につながるのを防
止し回避させることができるのである。
【0033】その結果、鋼帯の所定の正常な研摩状態を
確実に維持することが可能となり、目標とする表面粗さ
に品質面で問題がないように鋼帯表面を一様に研摩する
ことができるようになるのであり、かかる効果を有する
本発明の工業的な価値は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼帯の連続研摩設備に少なくとも
1基備えられる単頭の研摩装置を簡略化して説明するた
めの正面図である。
【図2】図1に示す研摩装置におけるハウジングを省略
した要部を示す説明用斜視図である。
【図3】本発明に係る鋼帯の連続研摩設備内に配置され
るアイドルロール及びコンタクトロールの外周面にその
回転軸線方向に連続して成形されている各種の溝を示し
ており、(イ)は螺施状溝を、(ロ)はダイヤカット状溝
を、(ハ)はローレット切り加工溝を示している。
【図4】本発明に係る鋼帯の連続研摩設備内に配置され
るアイドルロール及びコンタクトロールの外周面にその
回転軸線方向に連続して成形されている各種溝の直角断
面形状を示しており、(a)は正方形,(b)は矩形,(c)
はほぼ半円形,(d)はほぼ半楕円形,(e)は略U字状
形,(f)は略V字状形を示している。
【図5】研摩装置が全て鉛直方向の同じ上方向(同じ上
向き)に複数基配備されている鋼帯の連続研摩設備の1
実施例を示す説明図である。
【図6】研摩装置が鉛直方向の上下方向(上下両向き)
にそれぞれ複数基配備されている鋼帯の連続研摩設備の
1実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンタクトロール 1a 回転軸 1b ライニング層 2 アイドルロール 2a 回転軸 3 押圧ロール(ビリーロール) 4 無端状の研摩ベルト 4a 鋼帯研摩面(表) 4b 各ロール接触面(裏) 4c 研摩ベルトのW側端 4d 研摩ベルトのD側端 5 角変位手段 5a 複動(油圧)シリンダ 5b ピストン棒 5c C字状の案内部材 6 ノズル部材 7 研摩ベルトの反転位置検出手段 8 ハウジング 10 単頭の研摩装置 15 ブレーカーロール 16 制御手段 16a 制御回路 17 自在継手 18 軸受 18a 軸受 18b 軸受 19 コンタクトロール回転駆動手段 19a プーリ 19b プーリ 19c モータ 19d 出力軸 19e ベルト 20 警報器 25 連続溝 25a 螺施状溝 25b ダイヤカット状溝 25c ロールレット切り加工溝

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の走行方向に走行する鋼帯(H)を相
    互にほぼ平行な回転軸線を有するコンタクトロール(1)
    と押圧ロール(3)との間を通板させ、前記回転駆動され
    るコンタクトロール(1)とこのコンタクトロール(1)に
    対して所定の間隔をあけて配置された追従回転自在なア
    イドルロール(2)とにわたって巻き掛けられて張架され
    回転している無端状の研摩ベルト(4)を、角変位手段
    (5)による前記アイドルロール(2)の回転軸線方向一端
    部を角変位中心とし他端部の前記走行方向の上流側及び
    下流側へのほぼ水平な角変位によって前記走行方向に対
    して交差する揺動方向に往復移動させると共に、前記コ
    ンタクトロール(1)に張架されている無端状の研摩ベル
    ト(4)面に対して押圧ロール(3)によって走行する前記
    鋼帯(H)を凸状にし近接する方向に押圧して鋼帯(H)の
    表面を接触させ、更に前記無端状の研摩ベルト(4)面と
    前記鋼帯(H)の表面との接触部位へノズル部材(6)から
    研摩油を噴射させながら、前記鋼帯(H)の表面を連続し
    て研摩する研摩装置(10)を、少なくとも1基備えてい
    る鋼帯の連続研摩設備において、当該アイドルロール
    (2)がその外周面にその回転軸線方向に連続する溝(2
    5)が成形されたアイドルロール(2)であることを特徴
    とする鋼帯の連続研摩設備。
  2. 【請求項2】 アイドルロール(2)のみならずコンタク
    トロール(1)の外周面にもその回転軸線方向に連続する
    溝(25)が成形されている請求項1に記載の鋼帯の連続
    研摩設備。
  3. 【請求項3】 アイドルロール(2)が、回転軸線方向に
    螺施状溝(25a)が成形されているロール外周面に硬質
    クロームめっきの施されたロールである請求項1又は2
    に記載の鋼帯の連続研摩設備。
  4. 【請求項4】 コンタクトロール(1)が、ロール外周面
    全面に所定の肉厚で弾性を有する合成ゴム又は合成樹脂
    より成るライニング層(1b)が成形されており、このラ
    イニング層(1b)の外周面に回転軸線方向に螺施状溝
    (25a)が成形されたロールである請求項2又は3に記
    載の鋼帯の連続研摩設備。
  5. 【請求項5】 アイドルロール(2)及びコンタクトロー
    ル(1)の外周面にその回転軸線方向に連続して成形され
    ている溝(25)が、ダイヤカット状に成形された溝(2
    5b)である請求項1又は2に記載の鋼帯の連続研摩設
    備。
  6. 【請求項6】 アイドルロール(2)及びコンタクトロー
    ル(1)の外周面にその回転軸線方向に連続して成形され
    ている溝(25)が、その回転軸線の中央位置から両端方
    向へローレット切り加工されて成形された溝(25c)で
    ある請求項1又は2に記載の鋼帯の連続研摩設備。
  7. 【請求項7】 アイドルロール(2)及びコンタクトロー
    ル(1)の外周面にそれぞれ回転軸線方向に所定の本数で
    所定ピッチを以って所定の幅並びに深さを有し連続して
    成形されている溝(25)の直角断面形状が、正方形,矩
    形,ほぼ半円形,ほぼ半楕円形,略U字状形及び略V字
    状形のうちの中から選ばれたいずれか1つである請求項
    1から6までのいずれか1項に記載の鋼帯の連続研摩設
    備。
  8. 【請求項8】 アイドルロール(2)及びコンタクトロー
    ル(1)の外周面にそれぞれ回転軸線方向に連続して成形
    されている溝(25)が、ロール胴部の両端縁まで成形さ
    れている請求項1から7までのいずれか1項に記載の鋼
    帯の連続研摩設備。
  9. 【請求項9】 所定の一方の走行方向又は左右にレバー
    スし両走行方向に走行される鋼帯(H)の一方の表面を連
    続して研摩する研摩装置(10)を2基以上備えている請
    求項1から8までのいずれか1項に記載の鋼帯の連続研
    摩設備。
  10. 【請求項10】 所定の一方の走行方向に走行される鋼
    帯(H)の表裏両面をそれぞれ同時に連続して研摩する相
    互に逆向きに設置される研摩装置(10)を少なくとも1
    基宛備えている請求項1から8までのいずれか1項に記
    載の鋼帯の連続研摩設備。
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