JPH0618991U - 時刻信号出力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 時計誤差の主要因である周囲温度の影響を受
けにくい時刻信号出力装置を提供する。 【構成】 クロックパルス発生源として水晶発振器１を
有する時計ＩＣ２を用いた時刻信号出力装置において、
周囲温度検知手段（サーミスタ８）と、この周囲温度検
知手段からの検知温度による時刻誤差分を、ＲＯＭに格
納された周波数温度特性から算出される温度対時刻誤差
データテーブルを参照して演算する演算手段（ＣＰＵ
４）と、この演算手段の演算結果に基づいて自動補正指
令を前記時計ＩＣ２に対して行う制御手段（ＣＰＵ４）
とを備えた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種システム機器に利用される時刻信号出力装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１は、従来例に係る例えば金融端末装置などのオンラインシステム機器の時 刻信号出力装置のブロック図である。

【０００３】 この装置は、クロックパルス発生源として水晶発振器１を有する時計ＩＣ２と 、この時計ＩＣ２にアドレス・データバス３で接続される１チップＣＰＵ（以下 、ＣＰＵ）４とで構成されている。

【０００４】 ところで、オンラインシステムの金融端末装置などにおいては、時計管理はセ キュリテイ上重要であり、高精度な時計装置が要求される。

【０００５】 ここで時計の精度は主に次の３つの要因に依存する。 （１）時計ＩＣ２の原発振器である水晶発振器１のクロック周波数精度〔周波数 偏差、通常３２．７６８ＫＨｚ±３０ＰＰＭ（２５℃）、１．５分／月差〕 （２）時計ＩＣ２の周囲温度（周波数温度特性） （３）時計ＩＣ２の印加電源電圧（周波数電圧特性）

【０００６】 このうち（１）については、水晶振動子固有の周波数誤差は、時計ＩＣ２から 出力されるスタンダードパルスＳＴＤ．Ｐ（１秒ごとに出力される基準パルス） が正確に１秒ごとに出力されるように可変コンデンサ（ＶＣ）で構成される外付 けのトリマコンデンサ（通常３０ＰＦ）５によって調整することにより補正され ていた。

【０００７】 また（３）については、時計ＩＣ２のバックアップ電圧である＋５Ｖを２４時 間通電しておけば、その影響を回避することができる。

【０００８】 従って（２）項のみ問題となる。即ち、端末装置の機内温度は、日中と夜間、 また夏と冬で差があり、時計誤差の主要因となっていた。図２に時計ＩＣ２の周 波数温度特性を示すが、２５℃が誤差０であり、この上下の温度では、２５℃と の差が大きくなるにつれて誤差も大きくなることが判る。

【０００９】 従来、周囲温度による誤差は、定期的（数カ月ごと）に保守員が時刻をチエッ クし、操作部６の設定スイッチにより端末機器のディスプレイ７に表示される時 刻設定画面上で、例えばＮＨＫ（日本放送協会）の標準時刻に合わせて、年月日 時分秒データを入力することで補正されていた。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来装置においては、保守員が定期的に時刻管理を行わなければならず、 保守員の人件費が掛かり、また、経験と勘に頼るところもあるため信頼性に欠け 、さらに手間が掛かるという欠点があった。

【００１１】 本考案は上記従来技術の欠点を解消し、時計誤差の主要因である周囲温度の影 響を受けにくい時刻信号出力装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では、クロックパルス発生源として水晶発 振器を有する時計ＩＣを用いた時刻信号出力装置において、周囲温度検知手段と 、この周囲温度検知手段からの検知温度による時刻誤差分を、ＲＯＭに格納され た周波数温度特性から算出される温度対時刻誤差データテーブルを参照して演算 する演算手段と、この演算手段の演算結果に基づいて自動補正指令を前記時計Ｉ Ｃに対して行う制御手段とを備えたものである。

【００１３】

【作用】 例えば、サーミスタで構成される周囲温度検知手段により検知された温度は、 演算手段と制御手段を構成する例えばＣＰＵに取り込まれ、ＲＯＭに格納された 温度対時刻誤差データテーブル（２５℃基準）と参照される。そして、検知温度 に基づく誤差補正指令信号がＣＰＵからアドレス・データバスを通じて時計ＩＣ に出力され、この信号に基づいて時計ＩＣの時刻データが自動補正される。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお、図１に示す従来例と 同様の構成要素には同一符号を付して重複する説明は省略する。

【００１５】 図３は、実施例に係る時刻信号出力装置のブロック図である。ＣＰＵ４には、 サーミスタ（周囲温度検知手段）８の検知信号がアンプ９及び図示を省略したＡ ／Ｄ変換器を通じて取り込まれるようになっている。ＣＰＵ４のＲＯＭ（図示せ ず）は、周波数温度特性（図２参照）から算出される温度対時刻誤差データテー ブルを格納している。その一例を示すと、次の通りである。 ＋５℃；１５ＰＰＭ（約４０秒／月差） ＋２５℃；０ＰＰＭ（０秒／月差）・・・２５℃基準 ＋３５℃；５ＰＰＭ（約１３秒／月差）

【００１６】 次に、その制御内容について説明する。サーミスタ７により時計ＩＣ２の周囲 温度が検知され、この周囲温度データがアンプ８及びＡ／Ｄ変換器を介して、デ ジタルデータとしてＣＰＵ４内に取り込まれる。

【００１７】 ＣＰＵ４は２５℃未満での平均温度および２５℃以上での平均温度を１カ月に 一度取り込み、各々における時刻誤差分を上記の温度対時刻誤差データテーブル に従い自動補正する（ソフトキャリブレーション方式）。即ち、誤差補正指令信 号がＣＰＵ４からアドレス・データバス３を介して時計ＩＣ２に出力され、この 信号に基づいて時計ＩＣ２の時刻データが自動補正される。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、周囲温度検知手段により検知された検 知温度による時刻誤差分を、温度対時刻誤差データテーブルに従い自動補正する ようにしたから、保守員を必要とせず、常に正確な時刻信号を得ることができ、 低コストで信頼性の高い時刻信号出力装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例に係る時刻信号出力装置のブロック図で
ある。

【図２】時計ＩＣの周波数温度特性図である。

【図３】本考案の実施例に係る時刻信号出力装置のブロ
ック図である。

【符号の説明】

１ 水晶発振器 ２ 時計ＩＣ ４ １チップＣＰＵ ８ サーミスタ（周囲温度検知手段）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クロックパルス発生源として水晶発振器
   を有する時計ＩＣを用いた時刻信号出力装置において、
   周囲温度検知手段と、この周囲温度検知手段からの検知
   温度による時刻誤差分を、ＲＯＭに格納された周波数温
   度特性から算出される温度対時刻誤差データテーブルを
   参照して演算する演算手段と、この演算手段の演算結果
   に基づいて自動補正指令を前記時計ＩＣに対して行う制
   御手段とを備えたことを特徴とする時刻信号出力装置。
2. 【請求項２】 前記演算手段と制御手段を１チップＣＰ
   Ｕで構成したことを特徴とする請求項１記載の時刻信号
   出力装置。