JPH0618576B2 - 衝撃波治療装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は被検体内にある被治療物例えばガン細胞，結石
等を衝撃波の集束エネルギで破壊して治療する衝撃波治
療装置に関する。

（従来の技術） 従来超音波治療装置として特開昭62−049843に開示され
たものがある。この超音波治療装置を構成する超音波ア
プリケータの断面図を第５図に示す。

同図に示す超音波アプリケータ１は、中央部に所定形状
の抜孔を設けた直径１０cmの曲率を有する凹面振動子２
と、この凹面振動子２の背面に一様に接着したバッキン
グ材３とからなる。

イメージ用超音波プローブ４は、前記抜孔内に固定さ
れ、且つ、細い振動子を配列してなる振動子アレイ４ａ
を前記凹面振動子２の曲面に臨ませたセクタプローブで
ある。

図中５は音響カプラであり、これは内部に水を満たし、
水とほぼ等しい音響インピーダンスを有する薄い膜で形
成された袋６から構成されている。

他方、第６図に示すような超音波アプリケータ７を備え
た超音波治療装置も用いられている。

すなわち、同図に示す超音波アプリケータ７は、寝台８
の下方に設けられた前記第５図に示す凹面振動子２と同
様の凹面振動子９と、この凹面振動子９の超音波送波面
と寝台８に設けられた開口部１３に臨ませて設けられた
内部に水を満たした水槽１０と、この水槽１０内に設け
られたメカニカルプローブ１１とを備えたものである。

尚、図中１２は凹面振動子９で形成される超音波の集束
状態を示す。

そこで、第５図に示す超音波アプリケータ１では、イメ
ージ用超音波プローブ４の超音波送受波面（超音波アレ
イ）４ａが、凹面振動子２の超音波送受波面と同一曲面
あるいはその面より後退させた位置に配置されている。

このような構成の超音波アプリケータ１では、まず、イ
メージ用超音波プローブ４で送受波される超音波は、音
響カプラ５の内部に満たされた水、さらに被検体と当接
する薄い膜を介在させたものとなるために、散乱，減衰
等を避けることができない。従って、図示しない表示部
に表示される表示画像はノイズによる影響を受け被治療
物の認識が困難となる。

また、該表示部に被治療物を表示させた際には該被治療
物の表示位置がその両面の下方に表示されるので被治療
物の確認が難しいという問題があった。

他方、第６図に示すイメージ用超音波プローブ１１では
第５図に示す問題点と共に、メカニカルプローブである
ことに起因する欠点、すなわち表示される画質の低下，
機構部分による大型化，振動に対して弱い等の問題があ
った。さらに、同図に示す超音波アプリケータ７では寝
台８に固定されているのでハンドリングすることが困難
であるという欠点を有していた。そこで本出願人は先
に、被検体に向けて衝撃波の送波を行う衝撃波アプリケ
ータを備えた衝撃波治療装置において、前記衝撃波アプ
リケータは被検体内に衝撃波の集束点を形成する衝撃波
トランスジューサと、この衝撃波トランスジューサの衝
撃波送波面に設けた水槽と、衝撃波トランスジューサの
衝撃波送波面から集束点にいたる衝撃波送波領域内に配
置され、且つ、被検体表面に超音波送受波面を当接した
状態で前記集束点を含む音場領域を形成し該被検体の断
層像データを収集する超音波トランスジューサとを具備
したことを特徴とする衝撃波治療装置を提案している
（特願昭62−290158）。

（発明が解決しようとする課題） 被治療物の体表からの位置は、大人と小人、また、被治
療物のある臓器によって異なる。

更に、患者の体質によって超音波の減衰が異なる。そこ
で、イメージ用超音波プローブを被治療物の体表からの
位置や患者の体質により特性の異なるものに変える必要
があるが、先の出願において、イメージ用超音波プロー
ブの交換容易性について考慮されていなかった。

そこで、本発明の目的は、送受波イメージ領域の深さの
異なるいくつかのイメージ用超音波プローブを容易に交
換でき、被検体内の被治療物の認識容易な衝撃波治療装
置を提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本発明は、被検体に向けて衝
撃波を送受する衝撃波治療装置において、中央に開口部
を備え前記被検体内に衝撃波の集束点を形成する衝撃波
トランスジューサと、前記開口部の中心と衝撃波の集束
点とを結ぶ線上に配置された収納筒と、この収納筒内に
着脱可能に収納され前記衝撃波の集束点を含む領域の断
層像データを収集するイメージ用超音波プローブと、こ
のプローブと前記衝撃波トランスジューサとの相対位置
を検出する位置検出手段と、前記イメージ用超音波プロ
ーブが収集した断層像データに基づく断層画像を表示す
ると共に、前記位置検出手段による位置検出に基づく前
記衝撃波の集束点の位置を示すマーカを前記表示した断
層画像上に表示する表示手段とを有することを特徴とす
るものである。

（作用） 衝撃波トランスジューサにパルス信号を送信すると、こ
のトランスジューサから強力なエネルギーを持つ超音波
パルスが、衝撃波の集束点に向かい、この集束点に置か
れた被治療物を治療する。一方、イメージ用超音波プロ
ーブにパルス信号を送信すると、このプローブは前記衝
撃波の集束点を含む領域について超音波を送受信し、こ
の領域の断層像が表示手段に表示される。被治療物を治
療するときは、イメージ用超音波プローブの超音波送受
面を被検体表面に当接し、目的とする被治療部を断層像
中に写し出して行う。この写し出された被治療物に衝撃
波の集束点を合わせるため、衝撃波トランスジューサを
イメージ用超音波プローブに対し該プローブの軸方向に
移動させる。一方、被検体表面から被治療物までの深さ
に対応した透過深度を有するイメージ用超音波プローブ
を選択した方が、被治療物を断層像中に鮮明に写し出せ
る。このため、本発明では、イメージ用超音波プローブ
を、収納筒に単に出し入れすることにより容易に交換が
できる構造としている。また、衝撃波トランスジューサ
の衝撃波送波面下に音響カプラを設けることにより衝撃
波を効率良く伝達することができる。音響カプラは、液
体を内在させ側面を可撓性部材で構成すれば、音響カプ
ラの底面を被検体表面に当接した状態で、衝撃波トラン
スジューサをイメージ用超音波プローブの軸方向に移動
させる際、前記音響カプラの側面は屈伸するので、前記
トランスジューサの位置調整が容易にできる。また、前
記トランスジューサを移動させるとき、収納筒の外周に
接触状態を保つ弾性リングにより音響カプラ内の液洩れ
を防げる。そして、イメージ用超音波プローブの被係止
部に軽く係止具を係止させることにより、該プローブの
軸を中心に該プローブが回動でき、被治療物を広く捜せ
る。係止具を被係止部に強く係止させることにより、該
プローブを固定できる。

ところで、集束点の位置は、衝撃波トランスジューサの
イメージ用超音波プローブに対する相対位置が決まると
幾何学的に決まる。そこで、表示手段は、集束点の位置
を示すマーカを前記断層像中に表示する。この表示され
た断層像とマーカとをオペレータが見て、集束点である
マーカを断層像中の被治療物に合わせるため、オペレー
タは、衝撃波トランスジューサを操作しマーカを被治療
物に一致させる。そして、衝撃波を送波し、被治療物の
治療を行う。

この様に、被治療物と衝撃波の集束点との位置関係が容
易にわかり、また、被治療物に集束点を合わせられるの
で、正確に被治療物の治療ができる。

（実施例） 以下本発明の一実施例について図面を参照して説明す
る。尚、本実施例では衝撃波として振動子による超音波
を用いたものを例として説明する。

第４図は一実施例衝撃波治療装置の構成ブロック図であ
る。

同図において衝撃波治療装置は、後に詳述するように超
音波からなる衝撃波を送波する衝撃波トランスジューサ
１５と、この衝撃波トランスジューサ１５の形成する衝
撃波送波対象領域を一部含む送受波イメージ領域を形成
する超音波を送受波するイメージ用超音波プローブ１６
を含んで構成された衝撃波アプリケータ１７と、衝撃波
トランスジューサ１５に対しパルス信号を送出するパル
ス１８と、前記イメージ用超音波プローブ１６に対しパ
ルス信号を送出して、該イメージ用超音波プローブ１６
がセクタスキャンを行うように励振するとともに、この
セクタスキャンに基くイメージ用超音波プローブ１６か
らのエコー信号を受信する送受信回路１９と、この送受
信回路１９の出力信号を入力してこれに振幅検波を施し
てビデオ信号として信号変換系２１に送出する信号処理
回路２０と、所定パラメータのもとにこの装置各部の制
御を行うＣＰＵ（中央処理装置）２２及びこのＣＰＵ２
２に制御され前記送受信回路１９，信号処理回路２０，
パルサ１８におけるパルス信号の送受信タイミング，振
幅，周波数等を制御するコントローラ２３と、前記ＣＰ
Ｕ２２により制御され前記送受信回路１９，信号処理回
路２０の出力信号に対し信号変換処理を行う信号変換系
２１（例えばディジタルスキャンコンバータ）と、この
信号変換系２１の出力信号を基にイメージ用超音波プロ
ーブ１６による扇状の送受波イメージ領域２５，被検体
の体表像，腎臓像，腎結石像等と、衝撃波の集束点４１
ａの位置を表示する集束点マーカ２６等を表示するＴＶ
モニタ等を含む表示手段２７と、前記パルサ１８から衝
撃波トランスジューサ１５に送出されるパルス信号の発
生タイミングを設定すべくＣＰＵ２２に接続され、第
１，第２のスイッチ（図示しない）を備えたパルス発生
スイッチ２９と、前記イメージ用超音波プローブ１６に
対する衝撃波トランスジューサ１５の相対的位置関係を
調整する位置コントローラ３０とを有して構成されてい
る。

次に、前記衝撃波アプリケータ１７について第１図乃至
第３図を参照して詳述する。

まず第１図(a)において衝撃波アプリケータ１７は、被
検体３２内に被治療物例えば腎結石を治療する衝撃波
（例えば強力なエネルギの超音波パルス）の集束点４１
ａを形成する衝撃波トランスジューサ１５と、この衝撃
波トランスジューサ１５の衝撃波送波面１５ａ側に設け
られた液袋３３と、前記衝撃波トランスジューサ１５の
中央の開口部Ａの中心と集束点４１ａとを結ぶ線Ｌ上に
配置され、且つ、超音波振動子を配列して成る超音波送
受波面１６ａを被検体表面３２Ｓに当接した状態で前記
集束点４１ａを含む送受波イメージ領域４２を形成し、
該被検体３２の断層像データを収集するイメージ用超音
波プローブ１６とを有して構成されている。

前記衝撃波トランスジューサ１５は、一定の曲率からな
る凹面振動子を備えてなるものである。

衝撃波トランスジューサ１５の開口部Ａの詳細を第１図
(f)に示す。この開口部Ａには、円筒状のイメージ用超
音波プローブ１６の外径よりやや大きい内径（φ４０）
を有し円筒状に形成されたステンレス製収納筒５４が設
けられている。この収納筒５４の外径よりやや大きい内
径の開口８３ａを有する凹形状の連結部材４３は、前記
収納筒５４の周りに設けられている。

そして前記衝撃波トランスジューサ１５を上下動させる
上下動手段である上下動駆動部３６は、連結部材４３と
前記収納筒５４との間に設けられている。

このトランスジューサ１５の上下動手段３６は前述した
位置コントローラ３０（第４図参照）からの制御信号に
基づき矢印Ｅ方向で任意に移動，停止が行える駆動力伝
達手段及びその駆動源を備えたものである。本実施例に
おいては、駆動力伝達手段は、収納筒５４の側面に固定
されたラック３６ａと、このラック３６ａと噛み合うピ
ニオンギヤ３６ｂとで構成されている。このピニオンギ
ヤ３６ｂは駆動源のモータ３６ｃの駆動軸に取り付けら
れている。また、前記モータ３６ｃはモータ支持金具３
６ｄにより、前記連結部材４３に取り付けられている。

次に、衝撃波トランスジューサ１５の上下位置を検出す
る検出部は、第１図(c)に示すように、前記収納筒５４
の側面に設けられた等間隔の黒色目盛９０ａと、この黒
色目盛９０ａを検出する光学式のフォトセンサ９０ｂと
により構成され、該フォトセンサ９０ｂは支持金具９１
により前記連結部材４３に取り付けられている。

上述した構成の衝撃波トランスジューサ１５の上下動手
段３６は、フォトセンサ９０からの位置検出信号を前記
位置コントローラ３０で受け、該コントローラ３０によ
りモータ３６ｃの回転角を制御することにより、イメー
ジ用超音波プローブ１６に対し、前記トランスジューサ
１５の上下方向の位置を調整している。また、前記モー
タ３６ｃに通電しなければ、該モータ３６ｃの保持力に
より、前記トランスジューサ１５の上下方向の位置を保
持できる。

前記液袋３３は、内部に衝撃波伝達液として水を満たし
ており、衝撃波トランスジューサ１５の外径寸法値とほ
ぼ等しい略有底円筒状または円すい台状からなるもので
ある。そしてその側面には矢印Ｅ方向あるいはその方向
と所定角度内で伸縮できる蛇腹３３ａが形成されてお
り、底部３７は水とほぼ等しい音響インピーダンスから
なるゴム製の薄膜としている。該底部３７と蛇腹３３ａ
との連結部Ｂの詳細を第１図(d)に示し、該底部３７と
前記収納筒５４との連結部Ｃの詳細を同図(e)に示す。
該底部３７の外周周縁は、外側補強リング３７ａを有
し、該リング３７ａは、この外側補強リング３７ａと蛇
腹３３ａの下方端部とをリング状の受け金具６１と該受
け金具６１よりやや大きい径のいくつかに分割されたリ
ング状の押え金具６２とで挟まれ、固定ボルト６３で固
定されている。次に、該底部３７の内周周縁は、内側補
強リング３７ｂを有し、この内側補強リング３７ｂは、
収納筒５４に固定されているリング状の受け金具７１と
いくつかに分割されたリング状の押え金具７２とで挟ま
れ、固定ボルト７３で固定されている。更に、内側筒部
３７ｃで、イメージ用超音波プローブ１６の先端部を覆
うようにするため、該筒部３７ｃは底部３７より硬いゴ
ムの補強リング７５を該内側筒部の周囲に設け、バンド
７４で固定されている。内側筒部３７ｃを該補強リング
７５に押え付けるため、イメージ用超音波プローブ１６
と内側筒部３７ｃとの間に、弾力性を有してリング状に
形成されたスポンジ７ｂが挿入されている。

前記底部３７は薄膜のため破れる可能性があり、破れた
場合でも、該底部３７は上述したように取り付けられて
いるので、容易に交換できる。交換する場合は、外側補
強リング３７ａを固定している押え金具６２を取り外
し、外側補強リング３７ａを下方に下げ、内の水を出し
て、内側補強リング３７ｂを固定している押え金具７２
及び内側筒部３７ｃを固定しているバンド７４を取り外
して行うことができる。

次に、衝撃波トランスジューサ１５の中央の開口部Ａの
構造を第１図(f)に示した詳細図を参照して説明する。

前記連結部材４３は、内周にＯリング５２用の溝４３ａ
と支持筒４３ｂとを有していて、押え金具５１は鍔５１
ａと支持筒５１ｂとを有している前記支持筒４３ｂ，５
１ｂは前記連結部材４３がイメージ用超音波プローブ１
６の軸方向に対し傾かないように支持する働きをしてい
る。Ｏリング５２は、ゴム製からなり、前記鍔５１ａと
前記溝４３ａとに挟まれ、Ｏリング５２の弾力性により
収納筒５４の外周に当接されている。これにより、衝撃
波トランスジューサ１５を上下動させても、液袋３３内
の水は洩れることがない。

この衝撃波治療装置の使い方として、イメージ用超音波
プローブ１６を垂直にして被検体表面３２Ｓに超音波送
受波面１６ａを当接したとき、この送受面１６ａの直下
より対象治療物３９がずれている場合は、イメージ用超
音波プローブ１６及び衝撃波トランスジューサ１５を傾
けて使用する。この傾斜機構を第１図(a)を参照して説
明する。

衝撃波トランスジューサ１５の外周の相対向する位置に
上下動軸受８５が固定されており、上下動レール８４上
を該軸受８５は上下動をする。該上下動レール８４の下
端に、外れ止め用のストッパー８４ａが設けられてい
る。上下動レール８４は、前記収納筒５４の中心軸に平
行に連結具８３で収納筒５４に連結されている。この連
結具８３の上部に傾斜軸受８２が固定されており、この
軸受８２は傾斜レール８１上を移動する。この傾斜レー
ル８１は両端の吊り枠８０により吊り下げられ、衝撃波
アプリケータ１７全体を吊り下げて移動できる構造とな
っている。前記傾斜レール８１は、前記超音波送受波面
１６ａの中心を中心とする円弧状をなしている。従っ
て、手動により集束点４１ａ付近を中心に衝撃波トラン
スジューサ１５とイメージ用超音波プローブ１６との相
対位置を保ちながら、前記衝撃波アプリケータ１７を傾
斜させることができる。また、傾斜する面を変えたい場
合は、吊り枠８０を回転させることにより行える。

イメージ用超音波プローブ１６は一定の超音波透過深度
を有しているため、送受波イメージ領域４２の深度が定
まる。一方、大人と小人とでは、同じ臓器内の結石でも
体表からの結石の深さが異なる。そこで大人の場合は、
低周波数(3.75MHz)のイメージ用超音波プローブ１６０
を使い、体表から深い位置にある結石を撮影し、小人の
場合は高周波数（５MHz）のイメージ用超音波プローブ
１６１を使い、体表から浅い位置にある結石を撮影す
る。該プローブ１６１は、高周波数故に高品質の画像が
得られる。また、結石は、結石のある部位によっても体
表からの深さが異なる。例えば、膀胱内の結石や胆のう
内の結石等の深さの異なる結石に応じて、周波数の異な
るイメージ用超音波プローブ１６，１６０，１６１を選
択する必要がある。更に、患者の体質（脂肪質・筋肉
質）によっても該プローブ１６を選択した方がよい。太
った脂肪質の人には透過深度の深い低周波数のプローブ
１６０を用い、やせた筋肉質の人には、透過深度は浅い
が鮮明な画像を得られる高周波数のプローブ１６１を用
いた方がよい。

従って、イメージ用超音波プローブ１６は、被治療物３
９の被検体表面３２Ｓからの深さにより特性の異なるも
のに変える必要がある。

そこで本実施例装置では、イメージ用超音波プローブ１
６を着脱可能に収納する収納筒５４を備えている。ま
た、被治療物３９を捜し出すのを容易にするため、該イ
メージ用超音波プローブ１６を、該プローブの中心軸を
中心として回動できる構造としている。これらの構造を
第１図(b)に示す。収納筒５４の内径とイメージ用超音
波プローブ１６の外径とのすきまは、0.1乃至１mm程度
に小さい。このため、該プローブ１６を前記収納筒５４
にガタがなく容易に挿入することができる。該プローブ
１６の上部付近の周面の周方向に被掛止部であるガイド
溝１６ｃが設けられている。超音波送受波面１６ａを被
検体に当接できる位置に該プローブ１６を挿入したと
き、係止具である係止ねじ１６ｂを締めつけて、該ねじ
１６ｂを前記収納筒５４に設けられた穴５４ａを貫通さ
せて溝１６ｃに押し付けている。

係止ねじ１６ｂをガイド溝１６ｃに浅く入れればイメー
ジ用超音波プローブ１６は該プローブ１６の中心軸に対
し回動することができ、係止ねじ１６ｂをガイド溝１６
ｃの底に強く押し当てれば、該プローブ１６を固定する
ことができ、前記衝撃波トランスジューサ１５を作動さ
せても振動によりずれることはない。また、この係止部
Ｄは、第２図に示すように他の構造としてもよい。イメ
ージ用超音波プローブ１６２は溝１６ｃの代りに上部に
ストッパ１６２ａを有し、該プローブ１６２を挿入した
とき、該ストッパ１６２ａは、前記収納筒５４の上端面
に当たり、上下方向の位置決めができ、同様に係止ねじ
１６ｂを締めつけることにより該プローブ１６２を固定
できる。

以上のように構成された衝撃波治療装置の全体的な作
用，効果について主に第１図(a)に３８で示す腎臓内の
腎結石３９を治療し、治療する場合を想定して説明す
る。

予め、対象とする被治療物の体表からの位置に対応した
イメージ用超音波プローブ１６を選択し、収納筒５４に
挿入して、係止ねじ１６ｂで該プローブ１６を固定して
おく。

次に、衝撃波アプリケータ１７に設けられている液袋３
３を被検体３２の腎臓３８の上方の表面３２Ｓに載置す
る。

そして、送受信回路１９、信号処理回路２０及び信号変
換系２１を制御してイメージ用超音波プローブ１６を駆
動して、表示手段２７の画面上に被検体３２の断層像を
表示する。この場合、該イメージ用超音波プローブ１６
の超音波送受波面１６ａが直接被検体表面３２Ｓに当接
するので、液袋底部、水等の影響を排除して鮮明な断層
像を得ることができる。従って、被治療物の把握，認識
が容易となる。

続いて、先の断層像に被治療物を描出するために、イメ
ージ用超音波プローブ１６を操作する。つまり、前記傾
斜軸受け８２を傾斜レール８１上に動かして、該プロー
ブ１６を傾斜させたり、係止ねじ１６ｂをわずかに緩
め、該プローブ１６を線Ｌを中心に回動させて被治療物
を鮮明に断層像に写し出すようにする。

この断層像が表示された表示手段２７の画面上には、衝
撃波トランスジューサ１５の集束点４１ａのイメージ用
超音波プローブ１６に対する上下方向の位置を検出する
検出部９０からの信号が、ＣＰＵ２２及び信号変換系２
１を介して、マーカ２６としてリアルタイムで写し出さ
れている。

ここで、このマーカ２６、即ち集束点４１が被治療物３
９に一致するように、位置コントローラ３０を操作し、
衝撃波トランスジューサ１５の上下方向の移動を行う。

この場合、イメージ用超音波プローブ１６の超音波送受
波面１６ａは、衝撃波トランスジューサ１５の開口部Ａ
の中心と、集束点４１ａとを結ぶ線Ｌ上に配置されてい
るので、被治療物の表示位置を画面の中央に位置させる
ことができる。従って、被治療物の確認が容易となる。
また、衝撃波トランスジューサ１５はイメージ用超音波
プローブ１６との相対的位置関係を調整できるので、さ
らに治療行為が容易にできる。

次に、オペレータはパルス発生スイッチ２９の第１のス
イッチを操作しＣＰＵ２２，コントローラ２３を介して
パルサ１８に制御信号を送信する。これによりパルサ１
８から衝撃波トランスジューサ１５にパルス信号が送信
され、該トランスジューサ１５は強力なエネルギの超音
波パルス（衝撃波）を集束点マーカ２６の位置に相当す
る位置に存在する腎結石３９に向けて送波する。

この超音波パルスは腎結石３９の位置で衝撃波となり、
腎結石を破壊する。

このような超音波パルスの発生を何度か必要なだけ繰り
返すことにより、腎結石３９の全体を破壊して治療する
ことができる。

以上、一実施例について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で種
々に変形実施が可能である。

例えば、上記実施例では治療用超音波を振動子により発
生させるようにしたものについて説明したが、電磁誘導
型の衝撃波発生源を用いてもよい。

また、超音波送受波面１６ａの前面に第３図に示すよう
に底部３７と同材質のゴムを延長し収納筒５４の下端部
にイメージ用超音波プローブ１６に当接するＯリング５
４ｄを設けてもよい。該プローブ１６の超音波送受波面
１６ａが被検体表面３２Ｓに当接しない場合、底部３７
と該プローブ１６間には、人体に近い音響インピーダン
スを有する水が介在しているので、超音波が効率良く伝
達され良質の断層像が得られる。

そして、検出部９０は、収納筒５４の側面に設けられた
黒色目盛９０ａ及び、フォトセンサ９０ｂの代りに、可
変抵抗式のポテンショメータをピニオンギヤ３６ｂ側に
設けてもよい。

更に、上記実施例では、衝撃波トランスジューサ１５を
上下動駆動部３６により上下動させているが、このトラ
ンスジューサ１５を上下動させる代りに、イメージ用超
音波プローブ１６を上下動手段により上下動させてもよ
い。

［発明の効果］ 本発明は以上説明したように構成されているので、次に
記載する必要を奏する。

請求項１の衝撃波治療装置においては、イメージ用超音
波プローブは、衝撃波の集束点を含む送受波イメージ領
域を形成しているので、容易に被治療物を識別できる。
また、収納筒が設けられているので、被検体の体質また
は被治療物の体表からの位置に対応したイメージ用超音
波プローブを選択し、容易に交換できる。また、断層画
像と共に衝撃波の集束点の位置を示すマーカを表示して
いるので、被治療物と衝撃波の集束点との位置関係が容
易にわかり、被治療物に集束点を合わせられので、正確
に被治療物の治療ができる。

また、請求項２の衝撃波治療装置においては、請求項１
の効果に加えて、衝撃波送波面側に音響カプラが設けら
れているので、衝撃波を効率良く送波できる。

更に、請求項３の衝撃波治療装置においては、請求項２
の効果に加えて、液袋の側面が可撓性部材であるので、
液袋を容易に上下方向に圧縮することが可能であるた
め、超音波の集束点の上下方向の調整ができ、弾性リン
グにより液袋内からの液洩れを防止できる。これにより
上下方向に位置する被治療物を治療できる。また、イメ
ージ用超音波プローブの防水が保たれる。更に、イメー
ジ用超音波プローブを被検体に直接当接できるので良質
の断層像が得られる。

また、請求項４の衝撃波治療装置においては、請求項１
記載の効果に加えて、衝撃波を効率良く送波できると共
に、イメージ用超音波プローブの超音波送受波面が被検
体表面に当接しない場合でも液袋の底部とイメージ用超
音波プローブとの間には、人体に近い音響インピーダン
スを有する液体が介在しているので、超音波が効率良く
伝達され良質の断層像が得られる。

そして、請求項５の衝撃波治療装置においては、請求項
１，２，３又は４の効果に加えてイメージ用超音波プロ
ーブの中心軸を中心として該プローブを回動できるの
で、被治療物の検査範囲が広がる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例装置を示す図で、第１図(a)
は衝撃波アプリケータの断面図、同図(b)は同図(a)の係
止部Ｄの詳細断面図、同図(c)は検出部詳細斜視図、同
図(d)は同図(a)の連結部Ｂの詳細断面図、同図(e)は同
図(a)の連結部Ｃの詳細断面図、同図(f)は同図(a)の開
口部Ａの詳細断面図である。第２図は第１図(a)の係止
部Ｄの他の実施例を示す詳細断面図、第３図は第１図
(e)の他の実施例を示す詳細断面図、第４図は本発明の
一実施例装置の構成部ブロック図、第５図及び第６図は
従来例の装置である。 １５……衝撃波トランスジューサ、 １５ａ……衝撃波送波面、 16,160,161,162……イメージ用超音波プローブ、 １６ａ……超音波送受波面、 １７……衝撃波アプリケータ、３２……被検体、 ３２Ｓ……被検体表面、３３……液袋、 ４１ａ……集束点、４１……衝撃波送波領域、 ４２……送受波イメージ領域、５４……収納筒。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被検体に向けて衝撃波を送波する衝撃波治
   療装置において、中央に開口部を備え前記被検体内に衝
   撃波の集束点を形成する衝撃波トランスジューサと、前
   記開口部の中心と衝撃波の集束点とを結ぶ線上に配置さ
   れた収納筒と、この収納筒内に着脱可能に収納され前記
   衝撃波の集束点を含む領域の断層像データを収集するイ
   メージ用超音波プローブと、このプローブと前記衝撃波
   トランスジューサとの相対位置を検出する位置検出手段
   と、前記イメージ用超音波プローブが収集した断層像デ
   ータに基づく断層画像を表示すると共に、前記位置検出
   手段による位置検出に基づく前記衝撃波の集束点の位置
   を示すマーカを前記表示した断層画像上に表示する表示
   手段とを有することを特徴とする衝撃波治療装置。
2. 【請求項２】前記衝撃波トランスジューサの衝撃波送波
   面側に音響カプラを設けた請求項１記載の衝撃波治療装
   置。
3. 【請求項３】前記音響カプラは液体を内在させた液袋か
   ら成り、この液袋の少なくとも側面は可撓性部材で構成
   され、前記衝撃波トランスジューサの開口部周縁に、前
   記収納筒の外周との接触状態を保つ弾性リングを設けた
   請求項２記載の衝撃波治療装置。
4. 【請求項４】前記衝撃波トランスジューサの衝撃波送波
   面側及び前記イメージ用超音波プローブの超音波送受波
   面側に、液体を内在させた液袋から成る音響カプラを設
   けた請求項１記載の衝撃波治療装置。
5. 【請求項５】前記イメージ用超音波プローブは、全体が
   円柱状を成し、周面に被係止部を有し、挿入側先端に超
   音波振動子を配列して超音波送受面を構成して成り、前
   記収納筒は、前記プローブを回転自在に保持し、前記被
   係止部を係止する係止具を有して成る請求項１，２，３
   又は４記載の衝撃波治療装置。