JPH06184605A - アルミニウム部品の鍛造形成方法 - Google Patents
アルミニウム部品の鍛造形成方法Info
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- JPH06184605A JPH06184605A JP31639992A JP31639992A JPH06184605A JP H06184605 A JPH06184605 A JP H06184605A JP 31639992 A JP31639992 A JP 31639992A JP 31639992 A JP31639992 A JP 31639992A JP H06184605 A JPH06184605 A JP H06184605A
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- forging
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- forged
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 急冷凝固アルミニウム粉末材を用い、微細ク
ラックを生じさせず、製品歩留りが優れ、搬送キズや打
痕の付かない部品の鍛造成形方法。 【構成】 急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材からなる
アルミニウム缶に挿入し、真空脱ガスしアルミニウム缶
を密封したのち異形押出しし、該押出材を所定厚さに切
断して板状の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造
法により鍛造成形する。展伸性に優れたアルミ缶に装入
されたまま異形押出しを行うため、急冷凝固アルミニウ
ム粉末材に微細クラックが発生しない。この押出し材を
所定厚さに切断して板状の鍛造用素材とし閉塞鍛造法に
より鍛造成形するので、アルミ缶はバリとして除去され
ず、高歩留りが実現される。また、急冷凝固アルミニウ
ム粉末材とアルミ缶層が完全に拡散結合するので、部品
に搬送キズ、打痕等が付いても、その部位を起点にクラ
ックが発生することがない。
ラックを生じさせず、製品歩留りが優れ、搬送キズや打
痕の付かない部品の鍛造成形方法。 【構成】 急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材からなる
アルミニウム缶に挿入し、真空脱ガスしアルミニウム缶
を密封したのち異形押出しし、該押出材を所定厚さに切
断して板状の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造
法により鍛造成形する。展伸性に優れたアルミ缶に装入
されたまま異形押出しを行うため、急冷凝固アルミニウ
ム粉末材に微細クラックが発生しない。この押出し材を
所定厚さに切断して板状の鍛造用素材とし閉塞鍛造法に
より鍛造成形するので、アルミ缶はバリとして除去され
ず、高歩留りが実現される。また、急冷凝固アルミニウ
ム粉末材とアルミ缶層が完全に拡散結合するので、部品
に搬送キズ、打痕等が付いても、その部位を起点にクラ
ックが発生することがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は急冷凝固アルミニウム粉
末から缶真空脱ガス法により製造された押出材からアル
ミニウム部品を鍛造する鍛造成形方法に関する。
末から缶真空脱ガス法により製造された押出材からアル
ミニウム部品を鍛造する鍛造成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】急冷凝固アルミニウム粉末を用いた粉末
冶金法によれば、急速凝固による晶出物の微細化によ
り、従来から広く用いられている鋳造法では得られなか
った各種合金の過飽和固溶体粉末およびその成形体の製
造が可能なため、軽量であり且つ高強度、高剛性、耐熱
強度あるいは耐摩耗性に優れた新素材を製造することが
できる。
冶金法によれば、急速凝固による晶出物の微細化によ
り、従来から広く用いられている鋳造法では得られなか
った各種合金の過飽和固溶体粉末およびその成形体の製
造が可能なため、軽量であり且つ高強度、高剛性、耐熱
強度あるいは耐摩耗性に優れた新素材を製造することが
できる。
【0003】この急冷凝固アルミニウム粉末の表面は厚
さ100Å程度のアルミニウム酸化物の層で覆われてお
り、この酸化物は化学的に安定であり、固化前に還元除
去することは困難である。また、表面には酸化物の他に
水酸化物や吸着した水分、酸素等が存在しており、この
まま固めると残留気孔となり材料特性を劣化させると共
にふくれを発生して外観不良を引き起こす。そこで固化
に先立って脱ガス処理が行われる。
さ100Å程度のアルミニウム酸化物の層で覆われてお
り、この酸化物は化学的に安定であり、固化前に還元除
去することは困難である。また、表面には酸化物の他に
水酸化物や吸着した水分、酸素等が存在しており、この
まま固めると残留気孔となり材料特性を劣化させると共
にふくれを発生して外観不良を引き起こす。そこで固化
に先立って脱ガス処理が行われる。
【0004】脱ガスと固化とは相前後して行われるが、
最も一般的に行われる方法は、缶真空脱ガス法である。
この方法では、排気管を取り付けたアルミニウム缶が用
いられ、粉末はそのまま入れる場合もあるが、一般には
プレスで圧粉体にして挿入される。粉末は真空脱ガス装
置を用い、所定の温度まで上げて排気しながら脱ガスさ
れる。適当な真空度に達したら、排気管を機械的に曲げ
てふさぎ、溶接により密封したのち、缶ごと熱間プレス
して高密度のビレットを得る。その後缶を切削除去する
か、あるいはそのままで押出等に供する。
最も一般的に行われる方法は、缶真空脱ガス法である。
この方法では、排気管を取り付けたアルミニウム缶が用
いられ、粉末はそのまま入れる場合もあるが、一般には
プレスで圧粉体にして挿入される。粉末は真空脱ガス装
置を用い、所定の温度まで上げて排気しながら脱ガスさ
れる。適当な真空度に達したら、排気管を機械的に曲げ
てふさぎ、溶接により密封したのち、缶ごと熱間プレス
して高密度のビレットを得る。その後缶を切削除去する
か、あるいはそのままで押出等に供する。
【0005】すなわち、急冷凝固アルミニウム粉末材を
用いてコネクティングロッド用の押出材を製造する場合
の工程を図6の工程図に基づいて説明すると、工程
(a)においてアルミニウム缶10に挿入された急冷凝
固アルミニウム粉末12は、工程(b)において真空脱
ガスされ密封されたのち、缶ごと熱間プレスして高密度
のビレット14を得る。アルミ缶層付き押出材の場合
は、工程(c)においてそのまま異形押出されて、工程
(d)においてアルミ缶層付き押出材16を得る。一
方、アルミ缶無し押出材の場合は、工程(e)で得られ
たビレット14から工程(f)においてアルミニウム缶
10をピーリングにより切削除去し、工程(g)におい
て異形押出して工程(h)においてアルミ缶無し押出材
18を得る。この押出材16または18を所定の厚さに
切断することにより鍛造用素材とした後、この鍛造用素
材を型鍛造することにより、コネクティングロッドが鍛
造される。
用いてコネクティングロッド用の押出材を製造する場合
の工程を図6の工程図に基づいて説明すると、工程
(a)においてアルミニウム缶10に挿入された急冷凝
固アルミニウム粉末12は、工程(b)において真空脱
ガスされ密封されたのち、缶ごと熱間プレスして高密度
のビレット14を得る。アルミ缶層付き押出材の場合
は、工程(c)においてそのまま異形押出されて、工程
(d)においてアルミ缶層付き押出材16を得る。一
方、アルミ缶無し押出材の場合は、工程(e)で得られ
たビレット14から工程(f)においてアルミニウム缶
10をピーリングにより切削除去し、工程(g)におい
て異形押出して工程(h)においてアルミ缶無し押出材
18を得る。この押出材16または18を所定の厚さに
切断することにより鍛造用素材とした後、この鍛造用素
材を型鍛造することにより、コネクティングロッドが鍛
造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このアルミ缶無しの押
出を行うときは、急冷凝アルミニウム粉末が高温強度、
耐摩耗性の向上を目的として、合金元素を多量に含む脆
い材料であるため、図8のアルミ缶無し押出材の粒子構
造を表す顕微鏡写真に示すように、微細クラック8が発
生する。この微細クラック8は、図9のアルミ缶無し押
出材の鍛造成形後の粒子構造を表す顕微鏡写真に示すよ
うに、鍛造成形時に拡大し部品機能を低下させる。
出を行うときは、急冷凝アルミニウム粉末が高温強度、
耐摩耗性の向上を目的として、合金元素を多量に含む脆
い材料であるため、図8のアルミ缶無し押出材の粒子構
造を表す顕微鏡写真に示すように、微細クラック8が発
生する。この微細クラック8は、図9のアルミ缶無し押
出材の鍛造成形後の粒子構造を表す顕微鏡写真に示すよ
うに、鍛造成形時に拡大し部品機能を低下させる。
【0007】そこで、特開平3−23027号公報のア
ルミニウム部品の鍛造方法の発明においては、展伸性を
有するアルミニウムよりなり、鍛造用素材が嵌入する中
空部を備えた鍛造用枠材を準備し、この中空部に鍛造用
素材を嵌入して鍛造成形することにより、鍛造割れを防
止している。
ルミニウム部品の鍛造方法の発明においては、展伸性を
有するアルミニウムよりなり、鍛造用素材が嵌入する中
空部を備えた鍛造用枠材を準備し、この中空部に鍛造用
素材を嵌入して鍛造成形することにより、鍛造割れを防
止している。
【0008】一方、アルミ缶付き押出材を用いて鍛造成
形する場合、図7(a)(b)に示すにようにアルミ缶
層2は周縁部の急冷凝固アルミニウム粉末材3と共にバ
リ9として除去される。その際にバリとしてアルミ缶層
と共に除去される急冷凝固アルミニウム粉末材は全体重
量の10〜20%程度に達するので、高歩留り化が望め
ないという問題点がある。
形する場合、図7(a)(b)に示すにようにアルミ缶
層2は周縁部の急冷凝固アルミニウム粉末材3と共にバ
リ9として除去される。その際にバリとしてアルミ缶層
と共に除去される急冷凝固アルミニウム粉末材は全体重
量の10〜20%程度に達するので、高歩留り化が望め
ないという問題点がある。
【0009】また、鍛造用枠材の中空部に鍛造用素材を
嵌入して鍛造成形する前記提案においては、急冷凝固ア
ルミニウム粉末材料自体の歩留りは向上するが、鍛造用
枠材の製造に余分の工数を必要とし、コスト高となるこ
とが避けられない。
嵌入して鍛造成形する前記提案においては、急冷凝固ア
ルミニウム粉末材料自体の歩留りは向上するが、鍛造用
枠材の製造に余分の工数を必要とし、コスト高となるこ
とが避けられない。
【0010】さらに、急冷凝固アルミニウム粉末材を用
いた部品は、脆い材料であるという特徴から、鍛造成形
後の工程(機械加工、組み付け等)において、搬送疵、
打痕等を付けてしまうと、その部位を起点にクラックが
発生するという問題点がある。
いた部品は、脆い材料であるという特徴から、鍛造成形
後の工程(機械加工、組み付け等)において、搬送疵、
打痕等を付けてしまうと、その部位を起点にクラックが
発生するという問題点がある。
【0011】本発明は急冷凝固アルミニウム粉末材を用
いた部品の鍛造成形における前記のごとき問題点を解決
するためになされたものであって、微細クラックの発生
を防止し、鍛造部品の製品歩留りを向上すると共に、鍛
造成形後においても搬送疵や打痕の付かないアルミニウ
ム部品の鍛造成形方法を提供することを目的とする。
いた部品の鍛造成形における前記のごとき問題点を解決
するためになされたものであって、微細クラックの発生
を防止し、鍛造部品の製品歩留りを向上すると共に、鍛
造成形後においても搬送疵や打痕の付かないアルミニウ
ム部品の鍛造成形方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者等は製品の歩留り
を向上するためには閉塞鍛造法が効果的であるとの着想
の下に密閉型を用いた鍛造について鋭意研究を重ねた。
その結果、閉塞鍛造法によれば鍛造成形を行っても微細
クラックが発生しない上にアルミ缶層と急冷凝固アルミ
ニウム材が完全に結合することを新たに見出して本発明
を完成した。
を向上するためには閉塞鍛造法が効果的であるとの着想
の下に密閉型を用いた鍛造について鋭意研究を重ねた。
その結果、閉塞鍛造法によれば鍛造成形を行っても微細
クラックが発生しない上にアルミ缶層と急冷凝固アルミ
ニウム材が完全に結合することを新たに見出して本発明
を完成した。
【0013】本発明のアルミニウム部品の鍛造成形方法
は、急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材からなるアルミ
ニウム缶に挿入し、所定温度にて真空排気することによ
り真空脱ガスし、前記アルミニウム缶を密封したのち異
形押し出しし、該押し出し材を所定厚さに切断して板状
の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造法により鍛
造成形することを要旨とする。
は、急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材からなるアルミ
ニウム缶に挿入し、所定温度にて真空排気することによ
り真空脱ガスし、前記アルミニウム缶を密封したのち異
形押し出しし、該押し出し材を所定厚さに切断して板状
の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造法により鍛
造成形することを要旨とする。
【0014】急冷凝固アルミニウム粉末を充填するアル
ミニウム缶は、例えば2024合金や6061合金等の
従来から公知のアルミニウム展伸材を用いて製造する。
急冷凝固アルミニウム粉末は粉末のままアルミ缶に装入
しても良いが、圧粉体として装入しても良い。
ミニウム缶は、例えば2024合金や6061合金等の
従来から公知のアルミニウム展伸材を用いて製造する。
急冷凝固アルミニウム粉末は粉末のままアルミ缶に装入
しても良いが、圧粉体として装入しても良い。
【0015】本発明でいう閉塞鍛造法とは、図1(a)
および(b)に示すように、製品の外形形状をした中空
部を打ち抜いた密閉型7の中で、製品の表面と裏面の形
状を彫刻した上型5と下型6を用いて、アルミ缶をバリ
として除去せずに、鍛造成形する鍛造法である。
および(b)に示すように、製品の外形形状をした中空
部を打ち抜いた密閉型7の中で、製品の表面と裏面の形
状を彫刻した上型5と下型6を用いて、アルミ缶をバリ
として除去せずに、鍛造成形する鍛造法である。
【0016】
【作用】本発明の押出材は展伸性に優れたアルミ缶に装
入されたまま異形押出しを行うため、急冷凝固アルミニ
ウム粉末材に微細クラックが発生しない。この押出し材
を所定厚さに切断して板状の鍛造用素材とし閉塞鍛造法
により鍛造成形、すなわち製品の外形形状をした中空部
を打ち抜いた密閉型の中で、製品の表面と裏面の形状を
彫刻した上型と下型を用いて、アルミ缶をバリとして除
去せずに、鍛造成形するので、高歩留りが実現される。
また、急冷凝固アルミニウム粉末材とアルミ缶層が完全
に拡散結合するので、アルミ缶層が剥離することなく、
外周部分がアルミ缶層で覆われているため、鍛造整形後
の工程(機械加工、組み付け等)において、部品に搬送
キズ、打痕等が付いても、その部位を起点にクラックが
発生することがない。
入されたまま異形押出しを行うため、急冷凝固アルミニ
ウム粉末材に微細クラックが発生しない。この押出し材
を所定厚さに切断して板状の鍛造用素材とし閉塞鍛造法
により鍛造成形、すなわち製品の外形形状をした中空部
を打ち抜いた密閉型の中で、製品の表面と裏面の形状を
彫刻した上型と下型を用いて、アルミ缶をバリとして除
去せずに、鍛造成形するので、高歩留りが実現される。
また、急冷凝固アルミニウム粉末材とアルミ缶層が完全
に拡散結合するので、アルミ缶層が剥離することなく、
外周部分がアルミ缶層で覆われているため、鍛造整形後
の工程(機械加工、組み付け等)において、部品に搬送
キズ、打痕等が付いても、その部位を起点にクラックが
発生することがない。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を説明し本発明の特徴を明ら
かにする。図6の工程図において、工程(a)におい
て、Al−17Si−6Feなる配合の急冷凝固アルミ
ニウム粉末12を6061合金よりなるアルミニウム缶
10に挿入し、工程(b)において真空脱ガスし密封し
たのち、アルミ缶10ごと熱間プレスして高密度のビレ
ット14を得た。次いで、工程(c)においてそのまま
異形押出しして、工程(d)においてアルミ缶層付き押
出材16を得た。
かにする。図6の工程図において、工程(a)におい
て、Al−17Si−6Feなる配合の急冷凝固アルミ
ニウム粉末12を6061合金よりなるアルミニウム缶
10に挿入し、工程(b)において真空脱ガスし密封し
たのち、アルミ缶10ごと熱間プレスして高密度のビレ
ット14を得た。次いで、工程(c)においてそのまま
異形押出しして、工程(d)においてアルミ缶層付き押
出材16を得た。
【0018】この異形押出材を所定の厚さに切断して、
鍛造後の完成部品と同じ重量になるように切断し、鍛造
用素材とした。なお、図2はこの鍛造用素材の斜視図で
あり、図3は図2のA−A線における断面図である。図
2および図3において、1は鍛造用素材、2はアルミ缶
層、3は急冷凝固アルミニウム粉末材である。
鍛造後の完成部品と同じ重量になるように切断し、鍛造
用素材とした。なお、図2はこの鍛造用素材の斜視図で
あり、図3は図2のA−A線における断面図である。図
2および図3において、1は鍛造用素材、2はアルミ缶
層、3は急冷凝固アルミニウム粉末材である。
【0019】次いで、この鍛造用素材1を400〜45
0℃に加熱し、図1(a)に示すように、製品の外形形
状をした中空部を打ち抜いた密閉型7の中にセットし、
続いて図1(b)に示すように、製品の表面と裏面の形
状を彫刻した上型5と下型6を用いて、アルミ缶層2を
バリとして除去せずに鍛造成形し、図4の斜視図および
図5の断面図に示すようなアルミニウム鍛造部品4を得
た。
0℃に加熱し、図1(a)に示すように、製品の外形形
状をした中空部を打ち抜いた密閉型7の中にセットし、
続いて図1(b)に示すように、製品の表面と裏面の形
状を彫刻した上型5と下型6を用いて、アルミ缶層2を
バリとして除去せずに鍛造成形し、図4の斜視図および
図5の断面図に示すようなアルミニウム鍛造部品4を得
た。
【0020】得られたアルミニウム鍛造部品4の製品歩
留りは55%であって、従来の一般的なバリを生ずる型
鍛造の場合の35%に比べ、高歩留りが実現されること
が確認された。なお、製造歩留りは、〔製品重量(機械
加工後)/素材重量(鍛造前)〕×100(%)で定義
される。また、アルミ缶無しの鍛造用押出材から得られ
る製品に観察されるような微細クラックは存在しなかっ
た。図10のアルミ缶層2と急冷凝固アルミニウム粉末
材3との境界線の金属組織を表す顕微鏡写真に示すよう
に、アルミ缶層2と急冷凝固アルミニウム粉末材3とは
完全に拡散結合していることが確認された。さらに、得
られたアルミニウム鍛造部品4について単体疲労試験を
行った結果、なんら問題は発生しなかった。
留りは55%であって、従来の一般的なバリを生ずる型
鍛造の場合の35%に比べ、高歩留りが実現されること
が確認された。なお、製造歩留りは、〔製品重量(機械
加工後)/素材重量(鍛造前)〕×100(%)で定義
される。また、アルミ缶無しの鍛造用押出材から得られ
る製品に観察されるような微細クラックは存在しなかっ
た。図10のアルミ缶層2と急冷凝固アルミニウム粉末
材3との境界線の金属組織を表す顕微鏡写真に示すよう
に、アルミ缶層2と急冷凝固アルミニウム粉末材3とは
完全に拡散結合していることが確認された。さらに、得
られたアルミニウム鍛造部品4について単体疲労試験を
行った結果、なんら問題は発生しなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明のアルミニウム部品の鍛造形成方
法は、急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材からなるアル
ミニウム缶に挿入し、真空脱ガスしアルミニウム缶を密
封したのち異形押出しし、該押出材を所定厚さに切断し
て板状の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造法に
より鍛造成形することを特徴とするものであって、展伸
性に優れたアルミ缶に装入されたまま異形押出しを行う
ため、急冷凝固アルミニウム粉末材に微細クラックが発
生しない。この押出し材を所定厚さに切断して板状の鍛
造用素材とし閉塞鍛造法により鍛造成形するので、アル
ミ缶はバリとして除去されず、高歩留りが実現される。
また、急冷凝固アルミニウム粉末材とアルミ缶層が完全
に拡散結合するので、アルミ缶層が剥離することなく、
外周部分がアルミ缶層で覆われているため、鍛造整形後
の工程(機械加工、組み付け等)において、部品に搬送
キズ、打痕等が付いても、その部位を起点にクラックが
発生することがない。
法は、急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材からなるアル
ミニウム缶に挿入し、真空脱ガスしアルミニウム缶を密
封したのち異形押出しし、該押出材を所定厚さに切断し
て板状の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造法に
より鍛造成形することを特徴とするものであって、展伸
性に優れたアルミ缶に装入されたまま異形押出しを行う
ため、急冷凝固アルミニウム粉末材に微細クラックが発
生しない。この押出し材を所定厚さに切断して板状の鍛
造用素材とし閉塞鍛造法により鍛造成形するので、アル
ミ缶はバリとして除去されず、高歩留りが実現される。
また、急冷凝固アルミニウム粉末材とアルミ缶層が完全
に拡散結合するので、アルミ缶層が剥離することなく、
外周部分がアルミ缶層で覆われているため、鍛造整形後
の工程(機械加工、組み付け等)において、部品に搬送
キズ、打痕等が付いても、その部位を起点にクラックが
発生することがない。
【図1】本発明で用いられる閉塞鍛造法を説明する断面
図である。
図である。
【図2】本発明の実施例で用いられた鍛造用素材の斜視
図である。
図である。
【図3】図2の鍛造用素材のA−A線における断面図で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施例により製造されたアルミニウム
鍛造部品の斜視図である。
鍛造部品の斜視図である。
【図5】図4のアルミニウム鍛造部品のB−B線におけ
る断面図である。
る断面図である。
【図6】異形押出材を製造する工程を説明する工程図で
ある。
ある。
【図7】従来の鍛造成形方法を説明する断面図である。
【図8】アルミ缶無し押出材の粒子構造を1.5倍にて
表す顕微鏡写真である。
表す顕微鏡写真である。
【図9】アルミ缶無し押出材を用いた鍛造部品の粒子構
造を1000倍にて表す顕微鏡写真である。
造を1000倍にて表す顕微鏡写真である。
【図10】本実施例で製造したアルミニウム鍛造部品の
アルミ缶層と急冷凝固アルミニウム粉末材との境界線の
金属組織を500倍にて表す顕微鏡写真である。
アルミ缶層と急冷凝固アルミニウム粉末材との境界線の
金属組織を500倍にて表す顕微鏡写真である。
【符号の説明】 1 鍛造用素材 2 アルミニウム
缶層 3 急冷凝固アルミニウム粉末材 4 アルミニウム
鍛造部品 5 上型 6 下型 7 密閉型 8 クラック 9 バリ 10 アルミニウ
ム缶 12 急冷凝固アルミニウム粉末 14 ビレット 16 アルミ缶付き押出材 18 アルミ缶無
し押出材
缶層 3 急冷凝固アルミニウム粉末材 4 アルミニウム
鍛造部品 5 上型 6 下型 7 密閉型 8 クラック 9 バリ 10 アルミニウ
ム缶 12 急冷凝固アルミニウム粉末 14 ビレット 16 アルミ缶付き押出材 18 アルミ缶無
し押出材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】アルミ缶無し押出材の粒子構造を1.5倍にて
表す顕微鏡写真の代用図面である。
表す顕微鏡写真の代用図面である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】アルミ缶無し押出材を用いた鍛造部品の粒子構
造を1000倍にて表す顕微鏡写真の代用図面である。
造を1000倍にて表す顕微鏡写真の代用図面である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】本実施例で製造したアルミニウム鍛造部品の
アルミ缶層と急冷凝固アルミニウム粉末材との境界線の
金属組織を500倍にて表す顕微鏡写真の代用図面であ
る。
アルミ缶層と急冷凝固アルミニウム粉末材との境界線の
金属組織を500倍にて表す顕微鏡写真の代用図面であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 急冷凝固アルミニウム粉末を展伸材から
なるアルミニウム缶に挿入し、所定温度にて真空排気す
ることにより真空脱ガスし、前記アルミニウム缶を密封
したのち異形押し出しし、該押し出し材を所定厚さに切
断して板状の鍛造用素材とし、該鍛造用素材を閉塞鍛造
法により鍛造成形することを特徴とするアルミニウム部
品の鍛造形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31639992A JPH06184605A (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | アルミニウム部品の鍛造形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31639992A JPH06184605A (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | アルミニウム部品の鍛造形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184605A true JPH06184605A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18076646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31639992A Pending JPH06184605A (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | アルミニウム部品の鍛造形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06184605A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005111558A (ja) * | 2003-02-18 | 2005-04-28 | Showa Denko Kk | 金属鍛造製品、アッパーアームまたはロアアーム、その粗形材、その製造方法、鍛造用金型及び金属鍛造製品生産システム |
US7770427B2 (en) | 2003-02-18 | 2010-08-10 | Showa Denko K.K. | Metal forged product, upper or lower arm, preform of the arm, production method for the metal forged product, forging die, and metal forged product production system |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP31639992A patent/JPH06184605A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005111558A (ja) * | 2003-02-18 | 2005-04-28 | Showa Denko Kk | 金属鍛造製品、アッパーアームまたはロアアーム、その粗形材、その製造方法、鍛造用金型及び金属鍛造製品生産システム |
US7770427B2 (en) | 2003-02-18 | 2010-08-10 | Showa Denko K.K. | Metal forged product, upper or lower arm, preform of the arm, production method for the metal forged product, forging die, and metal forged product production system |
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